特許第6793639号(P6793639)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6793639硫黄を基礎とする塩からのポリウレタン触媒
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793639
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】硫黄を基礎とする塩からのポリウレタン触媒
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/18 20060101AFI20201119BHJP
   C08G 18/22 20060101ALI20201119BHJP
   C08G 18/00 20060101ALI20201119BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20201119BHJP
【FI】
   C08G18/18
   C08G18/22
   C08G18/00 F
   C08G101:00
【請求項の数】10
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2017-519826(P2017-519826)
(86)(22)【出願日】2015年10月13日
(65)【公表番号】特表2017-533307(P2017-533307A)
(43)【公表日】2017年11月9日
(86)【国際出願番号】US2015055281
(87)【国際公開番号】WO2016061068
(87)【国際公開日】20160421
【審査請求日】2018年10月11日
(31)【優先権主張番号】62/063,109
(32)【優先日】2014年10月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジュアン ジェーズス バーデニウク
【審査官】 今井 督
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−154599(JP,A)
【文献】 特開2008−280410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00− 18/87
C08G 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイソシアナートと、ポリオール及び水との間の反応を促進する触媒組成物であって、少なくとも1種のスルフィット及び少なくとも1種の第三級アミンを含み、前記スルフィットは、M2SO3(式中、Mは、K、Li、Csの群から選択されるアルカリ金属である)の構造式を示す、前記触媒組成物。
【請求項2】
前記組成物は、Sn、Hg、Pb、Bi、及びZnを基礎とする金属化合物を10pphp未満、含有する、請求項に記載の触媒組成物。
【請求項3】
少なくとも1種のスルフィット触媒、水、少なくとも1種のポリオール、並びに相間移動触媒、少なくとも1種の第三級アミン触媒、及び少なくとも1種の金属触媒から選択される少なくとも1種を含み、前記スルフィット触媒は、M2SO3(式中、Mは、K、Li、Csの群から選択されるアルカリ金属である)の構造式を示
前記相間移動触媒は、塩化テトラブチルアンモニウムである、組成物。
【請求項4】
少なくとも1種のスルフィットと、相間移動触媒もしくは少なくとも1種の第三級アミン触媒とを含む触媒の存在で、少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種のイソシアナートとを接触させることを含み、前記スルフィットを含む触媒は、M2SO3(式中、Mは、K、Li、Csの群から選択されるアルカリ金属である)の構造式を示
前記相間移動触媒は、塩化テトラブチルアンモニウムである、ポリウレタンの製造方法。
【請求項5】
前記触媒は、請求項1または2に記載の触媒組成物を含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリウレタンはフォームを含む、請求項またはに記載の方法。
【請求項7】
請求項からまでの何れか1項に記載の方法により製造されたポリウレタンフォーム。
【請求項8】
フォームは、硫黄0.020.6質量%を含む、請求項に記載のポリウレタンフォーム。
【請求項9】
フォームは、VDA-278に従って測定した場合に、アミンエミッションを示さない、請求項またはに記載のポリウレタンフォーム。
【請求項10】
フォームは、アルデヒドエミッションを示さない、請求項からまでの何れか1項に記載のポリウレタンフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2014年10月13日に提出の出願番号62/063,109の利益を請求する。出願番号62/063,109の開示は、ここで、参照により組み込まれる。
本発明の分野
本発明の主題は、硫黄を基礎とする塩、その塩を含む触媒、ポリウレタンフォームを製造するための触媒の使用方法、及び得られたフォームに関する。
本発明の背景
【0002】
国際公開第2008138482号(WO 2008138482 A1)は、少なくとも1つのポリオールを、触媒の存在でかつヒドロゲンスルフィット及びジスルフィットから選択される少なくとも1種の亜硫酸化合物の存在でポリイソシアナートと反応させる場合に得られるポリウレタンポリマーの製造方法を請求している。この開示中に記載された亜硫酸化合物は、フォーム混合物の反応性に影響を及ぼす。亜硫酸化合物の量が多くなると、生産性を維持できなくなりかねず、かつ亜硫酸化合物なしの標準混合物と同様のフォーム上昇プロフィールを保つために、触媒レベルを調節(増加)する必要がある。したがって、国際公開第2008/138482号(WO 2008/138482 A1)の亜硫酸化合物は、アルデヒド放出の低減により特徴付けられるが、推奨される使用レベルを超えてはフォームの反応性に有害となりかねない。
【0003】
GB 871291は、親水性でありかつ水中で膨潤可能でかつ大量の水を吸収するポリエステル−ウレタンフォーム又は気泡製品の製造に関する。この開示は、室温〜100℃の温度でアルカリ金属亜硫酸塩又は硫酸水素塩の水溶液で発泡したポリエステル−ウレタン素材を処理することを含む、スルホナート基及び/又はスルホン酸基を導入することにより、ポリエステル−ポリウレタンフォームに親水性を付与する方法を提供する。
【0004】
上述された特許は、ここで、参照により組み込まれる。
本発明の簡単な概要
【0005】
本発明は、触媒としてスルフィット及び亜硫酸塩の使用、ポリウレタンフォームの製造のための、このようなスルフィットの使用方法、及び得られたフォームに関する。多様な問題は、ポリウレタンポリマーの製造のための触媒として本発明の亜硫酸塩を使用する場合に解決される。本発明の亜硫酸塩は、配合物からアミン触媒に置き換えることができるので、アミンの使用に関連する典型的な品質の問題は解消される。この亜硫酸塩の使用により解決されるこの品質の問題は、次のものを含むことができる:PVC汚染、窓の曇り、アミン臭、湿分及び高温湿分によるフォームの劣化、アミンエミッション、並びにアルデヒドエミッション、例えばホルムアルデヒドエミッション、アセトアルデヒドエミッション、アクロレインエミッション、並びに他のアルデヒド含有化合物からのエミッション。本発明のスルフィット触媒により解決される他の問題は、遷移金属化合物及び非遷移金属化合物及びSn、Hg、Pb、Bi、Znを基礎とする塩、特に12、13、14及び15族を基礎とする塩、並びに3〜12族の金属を含む、毒性でかつ/又は排出性(emissive)の重金属化合物を部分的に又は完全に置き換えることを含むことができる。
【0006】
本発明は、硫黄を基礎とする化合物、特に亜硫酸塩を使用する、ポリウレタン製品を製造するための新規の方法を提供する。本発明の亜硫酸塩は、イソシアナートを含む化合物、例えばポリイソシアナートと、OHを含む化合物、例えばポリオール及び水との間の反応を促進する触媒として作用することができる。この反応速度は、ポリウレタンポリマーだけでなく、ポリウレタンフォームを提供する程に十分に高い。
【0007】
本発明の亜硫酸塩触媒は、遷移金属並びに非遷移金属、例えばスズ、水銀、鉛、亜鉛、ビスマス、鉄、特に12、13、14及び15族並びに3〜12族の金属から製造された従来の金属塩触媒及び有機金属塩触媒を上回る多様な利点を有する。利点は、遷移金属及び非遷移金属からの金属塩及び有機金属塩を使用する場合に一般的に観察される、有機断片、例えばカルボン酸からのエミッション、及び他の有機エミッションの低減又は解消を含む。
【0008】
本発明の態様は、少なくとも1種のスルフィット、並びに第三級アミン、相間移動触媒及び少なくとも1種の金属触媒を含む少なくとも1種の他の触媒を含む触媒組成物に関する。
【0009】
本発明の他の態様は、スルフィットが、M2SO3の構造式を示す化合物を含み、Mは、Na、K、Li、Cs、Ca、Mg、Sr及びBaから選択される金属である上述の態様に関する。
【0010】
本発明の他の態様は、スルフィットが、第四級アンモニウムの亜硫酸塩を含み、この第四級アンモニウムイオンは、一般式R1234Nであり、R1、R2、R3、R4は、線状、分枝状の、複素環を含む基を含むか又は含まない、窒素、酸素、硫黄及びハロゲンを含むヘテロ原子を含むか又は含まない、C1〜C36アルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール、置換されたアルキル、アルケニル又はアルキルアリールである、上述の態様のいずれかに関する。
【0011】
本発明の他の態様は、スルフィットが、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、亜硫酸カリウム(K2SO3)、亜硫酸リチウム(Li2SO3)、亜硫酸セシウム(Cs2SO3)、亜硫酸カルシウム(CaSO3)、亜硫酸マグネシウム(MgSO3)、亜硫酸テトラメチルアンモニウム[(Me4N)2SO3]、亜硫酸テトラエチルアンモニウム[(Et4N)2SO3]、亜硫酸テトラブチルアンモニウム[(Bu4N)2SO3]、亜硫酸トリメチルベンジルアンモニウム[(Me3N−CH2−C652SO3]、亜硫酸セチルトリメチルアンモニウム[(Me3N−(CH214−CH32SO3]、亜硫酸N−メチル−ピリジニウム[(Me−C5NH52SO3]、及びジアルキルイミダゾリウム亜硫酸塩[(R23232SO3]からなる群から選択される少なくとも1つを含む、上述の態様のいずれかに関する。
【0012】
本発明の他の態様は、スルフィットが、アルカリ金属亜硫酸塩の溶液を、テトラアルキルアンモニウム塩の溶液と混合して、一般式(Xnm(Ymn[SO3(m.n+n.m/2)[式中、Xは、電荷nを示す金属カチオンであり、Yは電荷mを示すアルキルアンモニウムイオン又はポリアルキルアンモニウムイオンであり、nは、1〜4、好ましくは1〜3の整数であり、かつmは1〜6、好ましくは1〜3の整数である]の混合亜硫酸塩を製造する際に得られる混合亜硫酸塩を含む、上述の態様のいずれかに関する。Xカチオンの例は、Li+、Na+、K+、Cs+、Be2+、Mg2+、Ca2+、Zn2+などを含むが、これらに限定されるものではない。Yカチオンの例は、先に定義された一般式R1234Nのアンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ジベンジルジメチルアンモニウム、トリベンジルメチルアンモニウム、テトラベンジルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム、ジフェニルジメチルアンモニウム、トリフェニルメチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム、ジアルキルイミダゾリウム、トリエチレンジアミンを基礎とする第四級アンモニウム、例えばN−メチル−トリエチレンジアンモニウムなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0013】
本発明の他の態様は、スルフィットが、アルカリ金属亜硫酸塩の溶液を、テトラアルキルアンモニウム塩の溶液と混合して、一般式[(Xnm.w][(Ymn.z][SO3(m.n+n.m/2)[式中、Xは、電荷nを示す金属カチオンであり、Yは、上述されたような電荷mを示すアルキルアンモニウムイオン又はポリアルキルアンモニウムイオンであり、w及びzは、w+z=2で定義される任意の正の実数であり、n及びmは、1〜4、好ましくは1〜3の任意の整数であることができる]の混合亜硫酸塩を製造する際に得られる混合亜硫酸塩を含む、上述の態様のいずれかに関する。いくつかの場合に、この混合塩は、化学量論的量で存在しない。Xカチオンの例は、Li+、Na+、K+、Cs+、Be2+、Mg2+、Ca2+、Zn2+などを含むが、これらに限定されるものではない。Yカチオンの例は、先に定義された一般式R1234Nのアンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ジベンジルジメチルアンモニウム、トリベンジルメチルアンモニウム、テトラベンジルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム、ジフェニルジメチルアンモニウム、トリフェニルメチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム、ジアルキルイミダゾリウム、トリエチレンジアミンを基礎とする第四級アンモニウム、例えばN−メチル−トリエチレンジアンモニウムなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0014】
上述の態様のいずれか1つの態様の場合に、組成物は実質的にアミンを含まない。
【0015】
上述の態様のいずれかの場合に、組成物は、実質的にSn、Hg、Pb、Bi、及びZnを基礎とする金属化合物を含まない。
【0016】
上述の態様のいずれかの場合に、本発明は、少なくとも1種のスルフィット触媒及び少なくとも1種のポリオールを含む組成物に関する。
【0017】
本発明の他の態様は、少なくとも1種のスルフィットを含む触媒の存在で、少なくとも1種のポリオール及び少なくとも1種のイソシアナートを接触させることを含む、ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
【0018】
本発明の他の態様は、上述の組成物又は方法のいずれかにより製造されたポリウレタンフォームに関する。
【0019】
本発明の多様な態様は、単独で又は組み合わせて用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施例1により製造されたフォームについての上昇速度を秒v.mmで示すグラフである。
【0021】
図2】実施例1により製造されたフォームの写真である。
【0022】
図3】実施例2により製造されたフォームについての上昇速度を秒v.mmで示すグラフである。
【0023】
図4】実施例2により製造されたフォームの写真である。
【0024】
図5】実施例3により製造されたフォームについての上昇速度を秒v.mmで示すグラフである。
【0025】
図6】実施例4により製造されたフォームについての上昇速度を秒v.mmで示すグラフである。
【0026】
図7】実施例8により製造されたフォームについての上昇速度を秒v.mmで示すグラフである。 本発明の詳細な説明
【0027】
本発明は、スルフィット触媒及び亜硫酸塩触媒に関する。本発明の触媒は、i)M2SO3(式中、Mは、Na、K、Li、Csのようなアルカリ金属である)、ii)MSO3(式中、Mは、Ca、Mg、Sr、Baのようなアルカリ土類金属である)、及びiii)M2SO3(式中、Mは、一般式R1234Nの第四級アンモニウムイオンであり、R1、R2、R3、R4は、線状、分枝状の、複素環を含む基を含むか又は含まない、C1〜C18アルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール、置換されたアルキル、アルケニル又はアルキルアリールである)の少なくとも1つの構造式を示すことができる。本発明の触媒は、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、亜硫酸カリウム(K2SO3)、亜硫酸リチウム(Li2SO3)、亜硫酸セシウム(Cs2SO3)、亜硫酸カルシウム(CaSO3)、亜硫酸マグネシウム(MgSO3)、亜硫酸テトラメチルアンモニウム[(Me4N)2SO3]、亜硫酸テトラエチルアンモニウム[(Et4N)2SO3]、亜硫酸テトラブチルアンモニウム[(Bu4N)2SO3]、亜硫酸トリメチルベンジルアンモニウム[(Me3N−CH2−C652SO3]、亜硫酸セチルトリメチルアンモニウム[(Me3N−(CH214−CH32SO3]、亜硫酸N−メチル−ピリジニウム[(Me−C5NH52SO3]、及びジアルキルイミダゾリウム亜硫酸塩[(R23232SO3]からなる群から選択される少なくとも1つを含む。
【0028】
本発明の他の態様は、スルフィットが、アルカリ金属亜硫酸塩の溶液を、テトラアルキルアンモニウム塩の溶液と混合して、一般式(Xnm(Ymn[SO3(m.n+n.m/2)[式中、Xは、電荷nを示す金属カチオンであり、Yは、電荷mを示すアルキルアンモニウムイオン又はポリアルキルアンモニウムイオンであり、nは、1〜4、好ましくは1〜3の整数であり、かつmは、1〜6、好ましくは1〜3の整数である]の混合亜硫酸塩にする際に得られる混合亜硫酸塩を含む、上述の態様のいずれかに関する。Xカチオンの例は、Li+、Na+、K+、Cs+、Be2+、Mg2+、Ca2+、Zn2+などを含むが、これらに限定されるものではない。Yカチオンの例は、先に定義された一般式R1234Nのアンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ジベンジルジメチルアンモニウム、トリベンジルメチルアンモニウム、テトラベンジルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム、ジフェニルジメチルアンモニウム、トリフェニルメチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム、ジアルキルイミダゾリウム、トリエチレンジアミンを基礎とする第四級アンモニウム、例えばN−メチル−トリエチレンジアンモニウムなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0029】
本発明の他の態様は、スルフィットが、アルカリ金属亜硫酸塩の溶液を、テトラアルキルアンモニウム塩の溶液と混合して、一般式[(Xnm.w][(Ymn.z][SO3(m.n+n.m/2)[式中、Xは、電荷nを示す金属カチオンであり、Yは、上述されたような電荷mを示すアルキルアンモニウムイオン又はポリアルキルアンモニウムイオンであり、w及びzは、w+z=2で定義される任意の正の実数であり、n及びmは、1〜4、好ましくは1〜3の任意の整数であることができる]の混合亜硫酸塩にする際に得られる混合亜硫酸塩を含む、上述の態様のいずれかに関する。いくつかの場合に、この混合塩は、化学量論的量で存在しない。Xカチオンの例は、Li+、Na+、K+、Cs+、Be2+、Mg2+、Ca2+、Zn2+などを含むが、これらに限定されるものではない。Yカチオンの例は、先に定義された一般式R1234Nのアンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ジベンジルジメチルアンモニウム、トリベンジルメチルアンモニウム、テトラベンジルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム、ジフェニルジメチルアンモニウム、トリフェニルメチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム、ジアルキルイミダゾリウム、トリエチレンジアミンを基礎とする第四級アンモニウム、例えばN−メチル−トリエチレンジアンモニウムなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0030】
本発明は、また、ポリウレタンポリマーの製造方法を提供する。触媒は、一般的に、ポリウレタンポリマーを製造する際に、OH基(アルコール、ポリオール及び水中に存在)とNCO基(イソシアナート及びポリイソシアナート化合物中に存在)との間の反応を促進するために使用される。これらの触媒は、一般的に次の群のいくつかを含む:アミン触媒(例えば、第三級アミン基を含む有機化合物)、遷移金属並びに非遷移金属、例えばSn、Bi、Zn、Hg、Pb、Feなどの金属塩及び/又は有機金属塩を含む金属触媒、及び/又は有機オキソ化合物、例えばカルボン酸、アルコール、フェノールなどのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム(例えばテトラアルキルアンモニウム)塩。
【0031】
本発明は、亜硫酸塩を使用するポリウレタン製品を製造するための新規の方法を提供する。本発明の亜硫酸塩を用いて得られる反応速度は、ポリウレタンポリマーばかりか、ポリウレタンポリマーフォームを提供する程に十分に高い。
【0032】
多様な利点は、本発明の亜硫酸塩を用いてポリウレタンポリマーを製造する場合に観察される、というのも、触媒として従来の第三級アミンを用いて製造された仕上がった製品中で一般的に観察される品質の問題の多くが解消されるためである。PVC汚染、アミンエミッション、水及び他の液体に曝された場合のアミンの浸出、アミン臭、曇り、湿分による劣化による分解並びに一般にアミンと関連する他の分解プロセスのような品質の問題のいくつかは、本発明の亜硫酸塩を使用する場合に解消されるか又は最小化される。更に、この亜硫酸塩は、Sn、Bi、Zn、Fe、Hg、Pbなどのカルボン酸塩のような遷移金属塩触媒及び非遷移金属塩触媒を完全に又は部分的に置き換えて使用することができる。ポリウレタン触媒として通常使用される遷移金属及び非遷移金属からの金属塩及び有機金属塩は、一般的に、重合プロセスが完了した場合に、カルボン酸及び他の有機断片のエミッションを引き起こしかねない有機カルボン酸塩である。このエミッションを、本発明の亜硫酸塩を使用する場合に解消することができるか又は最小化することができる(例えば、触媒起源のアミンエミッションを、VDA-278に従って測定した場合に解消することができる)。更に、本発明の亜硫酸塩は、ポリウレタンプロセスにSn、Hg又はPbのような毒性の遷移金属触媒錯体を組み込む必要性を解消する。更に、本発明の亜硫酸塩は、ポリウレタンの製造のための材料並びに本発明により得られたポリウレタンから、アルデヒドエミッションを、解消されない場合でも、低減することができる。そのため、本発明の亜硫酸塩は、次のアルデヒド/ケトンの少なくとも1つを、それに対応するスルフィット/ビスルフィット付加物に変換するアルデヒドスカベンジャーとして機能することができる:ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、2−プロペナール、プロパナール、2−ブテナール、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、3−メチルブタナール、ペンタナール、o−トルアルデヒド、m−及びp−トルアルデヒド、ヘキサナール、2,5−ジメチルベンズアルデヒド、シクロヘキサノン、グルタラール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール。
【0033】
本発明の一態様の場合に、本発明の亜硫酸塩は、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリトリトール、グリセロール、ジグリセロール、及びトリメチロールプロパンからなる群から選択される少なくとも1種の媒体中の塩の溶液として使用される。媒体の量は、溶液の約5〜50質量%、約10〜約35質量%、いくつかの場合に約10〜20質量%の範囲に及ぶことができる。
【0034】
本発明の亜硫酸塩触媒を用いた場合、製造されたフォームは、a)アミン触媒の全部又は大部分を非揮発性亜硫酸塩触媒に置き換えることができるため、例えばVDA 278法により測定した場合に、全体のエミッションは低減されること;b)優れた物理特性;c)PVC又はポリカルボナートのようなポリウレタンポリマーと接触することがある他の材料の劣化が最小であるか又は劣化がないこと;d)亜硫酸塩は、アミン触媒と比べて僅かな蒸気圧を示すので、僅かな臭い;e)特にSn、Bi、Pb、Hg、Znのような、毒性又は有害な遷移金属塩触媒及び有機遷移金属塩触媒の部分的な又は完全な解消により特徴付けられる。優れた物理特性により特徴付けられるフレキシブル成形フォームは、一般的に約28〜約80kg/m3の範囲を示す目標密度(ASTM 3574-A)、約40〜約120L/Mの範囲を示す空気流(ASTM 3574-G)、約150〜約600Nの範囲を示すILD(押込荷重(indentation load deflection)法ASTM 3574-B1)、約2.5〜約3.5の範囲、好ましくは約3を示す支持係数(ASTM 3574-B1)、及び約40〜約80%の範囲の反発弾性(ASTM 3574-H)を示す。本発明の一態様の場合に、所望のフォームは、引張/HA引張/伸び/HA伸び=DIN 53571−約80〜約200%の範囲、50%圧縮永久歪=ASTM D3574-D−約1〜約20%の範囲、HA圧縮永久歪=ASTM D3574-J1及びJ2−約5〜約15%の範囲、及び引裂=ASTM D3574-F−約150〜約400の範囲を示す。
【0035】
本発明の亜硫酸塩触媒は、他のアミンゲル化触媒ありで又はなしで使用することができる。このゲル化触媒は、その分子構造中にイソシアナート反応性基を含まないような従来のゲル化触媒であってよいか、又はその分子構造中に、特にOH(アルコール)、NH2(アミン、アミド、尿素)、=NH(アミン、アミド、尿素)の少なくとも1つのようなイソシアナート反応性基を含むゲル化触媒であってよい。このアミン触媒は、また、カルボン酸(アルキル、置換アルキル、アルキレン、芳香族、置換芳香族)スルホン酸又は他の任意の有機酸又は無機酸を含む酸でブロックされた酸であってよい。カルボン酸の例は、イソシアナート反応性基を含む又は含まない、一酸、二酸又は多酸を含む。カルボン酸の例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ネオペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチルヘキシルカルボン酸、ネオヘキサン酸、オクタン酸、ネオオクタン酸、ヘプタン酸、ネオヘプタン酸、ノナン酸、ネオノナン酸、デカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ネオウンデカン酸、ドデカン酸、ネオドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、安息香酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、サリチル酸などを含む。
【0036】
本発明の亜硫酸塩触媒は、特にビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン、N,N,N′−トリメチル−N′−3−アミノプロピル−ビス(アミノエチル)エーテル又は2−[N−(ジメチルアミノエトキシエチル)−N−メチルアミノ]エタノールの少なくとも1つのようなアミン発泡触媒あり又はなしで使用することができる。
【0037】
いかなる理論又は解釈にも拘束されることを望まないが、本発明のスルフィット触媒は、ポリオール及びイソシアナートと相互作用するか又は結合して、反応生成物を形成することができると考えられる。この反応生成物は、広範囲の用途、特に接着剤、被覆、フォーム、シーラントなどを含むウレタン化学を使用する広範囲の用途において使用することができる。
【0038】
本発明の他の態様は、本発明による触媒の使用によるポリウレタンフォームの製造方法、及び得られたフォームに関する。特に、本発明は、ポリウレタンフォームポリマーを含むポリウレタンポリマーを製造するための亜硫酸塩の使用に関する。本発明の亜硫酸塩をポリウレタンポリマーの製造のために使用する一般的な利点は次の点を含む:a)従来のアミン触媒と比べて、亜硫酸塩のイオン特性及び僅かな蒸気圧に基づいたより低い臭い;b)従来のアミン触媒及びSn、Bi、Pb、Hgなどの遷移金属カルボン酸塩及び有機遷移金属カルボン酸塩と比較して、亜硫酸塩イオン特性並びに毒性蒸気を放出できないことに基づいたより低いエミッション;c)優れた物理特性;d)アルデヒドエミッションの低減又は解消;e)PVC又はポリカルボナートのようなポリウレタンポリマーと接触している他の材料を損傷しないこと;f)熱及び湿度のある条件下での改善されたフォーム安定性。優れた物理特性により特徴付けられるフレキシブル成形フォームは、一般的に約28〜約80kg/m3の範囲を示す目標密度(ASTM 3574-A)、約40〜約120L/Mの範囲を示す空気流(ASTM 3574-G)、約150〜約600Nの範囲を示すILD(押込荷重(indentation load deflection)法ASTM 3574-B1)、約2.5〜約3.5の範囲、好ましくは約3を示す支持係数(ASTM 3574-B1)、及び約40〜約80%の範囲の反発弾性(ASTM 3574-H)を示す。本発明の一態様の場合に、所望のフォームは、引張/HA引張/伸び/HA伸び=DIN 53571−約80〜約200%の範囲、50%圧縮永久歪=ASTM D3574-D−約1〜約20%の範囲、HA圧縮永久歪=ASTM D3574-J1及びJ2−約5〜約15%の範囲、及び引裂=ASTM D3574-F−約150〜約400の範囲を示す。湿分による劣化した物理特性は、VW手順に従ってフォームを劣化させた後に測定される:試験されるべきサンプルを、乾燥のために乾燥炉内で90℃で24時間置く。乾燥した後、サンプルを90℃及び100%相対湿度で200時間劣化させる。次いでサンプルを、劣化の後に、乾燥炉内で70℃で22時間乾燥させる。サンプルを乾燥炉から取り出し、物理特性を測定する前に周囲条件で平衡させる。フレキシブル成形フォームのために最適な湿分により劣化した物理特性は、一般的に次のようである:湿分により劣化した引張強さ≧70Kpa(DIN 53571)、湿分により劣化した50%圧縮永久歪(HACS)≦40%(ASTM 3574-D);湿分により劣化した伸び≧70%(DIN 53571)及び湿分により劣化した負荷損(HALL)−40〜+30。フォーム中のアミンエミッションは、熱脱着分析を用いて測定し、90℃で排出される物質(VOC)及び120℃で排出される物質(FOG)を、VDA 278法に従って定量化する。この目的で、試験材料のサンプルを、不活性ガスの流れの下で、相応する温度(VOCについて90℃及びFOGについて120℃)に調節し、かつ放出される物質を、ガスクロマトグラフの冷凍インジェクタ内に凍結させる。次いで、この混合物をガスクロマトグラフィーカラムに通し、かつ全体のエミッションを定量化する。VOC及びFOGは、同じサンプルを用いて測定される。ガス状エミッション(VOC)の定量化は、外部トルエン標準に対して行われ、凝結可能なエミッション(FOG)は、ヘキサデカン(C16−n−アルカン)に対して定量化される。これらの濃度は、トルエン又はヘキサデカン当量での全エミッションとしてppmで報告される。本発明で使用される亜硫酸塩触媒は、蒸気圧を示さないか又は僅かな蒸気圧を示し、したがって非排出性(non-emissive)の結晶質のイオン性材料である。
ポリウレタンフォームの製造
フレキシブルフォーム:フレキシブル成形フォーム
【0039】
この分野で公知の多様なタイプの任意のフォームを、亜硫酸塩触媒の適切な量が添加された一般的なポリウレタン配合物を用いて、本発明の方法を用いて製造することができる。例えば、ここに記載された優れた特性を示すフレキシブルポリウレタンフォームは、一般に、下記表Iに示される成分を、表示された量で含む。表Iで示される成分は、下記に詳細に議論される。
表I ポリウレタン成分
【数1】
【0040】
本発明によるポリウレタン配合物中で使用されたポリイソシアナートの量は、制限はないが、一般的に当業者に公知の範囲内にある。例示的な量は、「NCO指数」(イソシアナート指数)を参照して示される表Iに表される。当業者に公知のように、NCO指数は、イソシアナートの当量数を活性水素の全当量数により除算し、100を乗算したものとして定義される。NCO指数は、次の式により表される。
NCO指数=[NCO/(OH+NH)]・100
【0041】
フレキシブルフォームは、一般的に、約4000〜5000の質量平均分子量、1〜6、更に一般的に2〜4の官能価及び約28〜35のヒドロキシル価を示す基礎ポリオールと一緒に、フォーム組成物中の全体のポリオール含有率の一部としてコポリマーポリオールを使用する。基礎ポリオール及びコポリマーポリオールは、この後に詳細に記載される。
触媒
【0042】
本発明は、スルフィット触媒及び亜硫酸塩触媒に関する。本発明の触媒は、i)M2SO3(式中、Mは、Na、K、Li、Csのようなアルカリ金属である)、ii)MSO3(式中、Mは、Ca、Mg、Sr、Baのようなアルカリ土類金属である)、及びiii)M2SO3(式中、Mは、一般式R1234Nの第四級アンモニウムイオンであり、R1、R2、R3、R4は、線状、分枝状の、複素環を含む基を含むか又は含まない、C1〜C18アルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール、置換されたアルキル、アルケニル又はアルキルアリールである)の少なくとも1つの構造式を示すことができる。本発明の触媒は、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、亜硫酸カリウム(K2SO3)、亜硫酸リチウム(Li2SO3)、亜硫酸セシウム(Cs2SO3)、亜硫酸カルシウム(CaSO3)、亜硫酸マグネシウム(MgSO3)、亜硫酸テトラメチルアンモニウム[(Me4N)2SO3]、亜硫酸テトラエチルアンモニウム[(Et4N)2SO3]、亜硫酸テトラブチルアンモニウム[(Bu4N)2SO3]、亜硫酸トリメチルベンジルアンモニウム[(Me3N−CH2−C652SO3]、亜硫酸セチルトリメチルアンモニウム[(Me3N−(CH214−CH32SO3]、亜硫酸N−メチル−ピリジニウム[(Me−C5NH52SO3]、及びジアルキルイミダゾリウム亜硫酸塩[(R23232SO3]からなる群から選択される少なくとも1つを含む。
【0043】
本発明の他の態様は、スルフィットが、アルカリ金属亜硫酸塩の溶液を、テトラアルキルアンモニウム塩の溶液と混合して、一般式(Xnm(Ymn[SO3(m.n+n.m/2)[式中、Xは、電荷nを示す金属カチオンであり、Yは、電荷mを示すアルキルアンモニウムイオン又はポリアルキルアンモニウムイオンであり、nは、1〜4、好ましくは1〜3の整数であり、かつmは、1〜6、好ましくは1〜3の整数である]の混合亜硫酸塩にする際に得られる混合亜硫酸塩を含む、上述の態様のいずれかに関する。Xカチオンの例は、Li+、Na+、K+、Cs+、Be2+、Mg2+、Ca2+、Zn2+などを含むが、これらに限定されるものではない。Yカチオンの例は、先に定義された一般式R1234Nのアンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ジベンジルジメチルアンモニウム、トリベンジルメチルアンモニウム、テトラベンジルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム、ジフェニルジメチルアンモニウム、トリフェニルメチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム、ジアルキルイミダゾリウム、トリエチレンジアミンを基礎とする第四級アンモニウム、例えばN−メチル−トリエチレンジアンモニウムなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0044】
本発明の他の態様は、スルフィットが、アルカリ金属亜硫酸塩の溶液を、テトラアルキルアンモニウム塩の溶液と混合して、一般式[(Xnm.w][(Ymn.z][SO3(m.n+n.m/2)[式中、Xは、電荷nを示す金属カチオンであり、Yは、上述されたような電荷mを示すアルキルアンモニウムイオン又はポリアルキルアンモニウムイオンであり、w及びzは、w+z=2で定義される任意の正の実数であり、n及びmは、1〜4、好ましくは1〜3の任意の整数であることができる]の混合亜硫酸塩にする際に得られる混合亜硫酸塩を含む、上述の態様のいずれかに関する。いくつかの場合に、この混合塩は、化学量論的量で存在しない。Xカチオンの例は、Li+、Na+、K+、Cs+、Be2+、Mg2+、Ca2+、Zn2+などを含むが、これらに限定されるものではない。Yカチオンの例は、先に定義された一般式R1234Nのアンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ジベンジルジメチルアンモニウム、トリベンジルメチルアンモニウム、テトラベンジルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム、ジフェニルジメチルアンモニウム、トリフェニルメチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム、ジアルキルイミダゾリウム、トリエチレンジアミンを基礎とする第四級アンモニウム、例えばN−メチル−トリエチレンジアンモニウムなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0045】
本発明の触媒は、アルカリ溶液にSO2(二酸化硫黄)を通すようなあらゆる適切な方法により製造することができる。アルカリ溶液は、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は第四級アンモニウムの水酸化物の溶液であってよい。同様に、亜硫酸塩は、先行技術の手順に従って、SO2をアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ土類金属炭酸塩と反応させることにより製造することができる。あるいは、いくつかの亜硫酸塩は、例えば亜硫酸ナトリウムと金属塩化物又は塩化第四級アンモニウムとの間のイオン交換により製造することができる。亜硫酸塩は、水溶液として使用されるか、又は亜硫酸塩は、水を最小化する必要がある用途のために、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、MP−ジオール、グリセリンなどのようなグリコール溶媒中に溶かすことができる。亜硫酸塩合成及び製造は、a)「Sulfur Compounds」、Edward D Weil、Stanley R Sandler及びMichael Gernon;Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、2016年6月16日、セクション13.1及びその中の参照;b)「Sulfites, Thiosulfates and Dithionites」;Jose Jimenez Barbera、 Adolf Metzger、Manfred Wolf、Ullman′s Encyclopedia of Industrial Chemistry、pp. 695-704;2000年6月15日及びその中の参照に記載されていて;これらの開示は、ここで、参照により組み込まれる。
【0046】
本発明の亜硫酸塩触媒は、単独のゲル化触媒として使用することができるが、いくつかの場合に、この亜硫酸塩触媒は、第三級アミン、遷移金属触媒、非遷移金属触媒、有機遷移金属触媒、有機非遷移金属触媒及びカルボン酸塩からなる群から選択される少なくとも1つを含む他の触媒の存在で使用することができる。第三級アミン助触媒は、また、第一級アミン、第二級アミン、ヒドロキシル基、アミド及び尿素のようなイソシアナート反応性基を含むものを含む。イソシアナート反応性基を含むゲル化する第三級アミンの例は、N,N−ビス(3−ジメチルアミノ−プロピル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)アミン;N,N−ジメチル−N′,N′−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−1,3−プロピレンジアミン;ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA);N−メチル−N−2−ヒドロキシプロピル−ピペラジン、ビス−ジメチルアミノプロピルアミン(POLYCAT(登録商標)15)、ジメチルアミノプロピル尿素及びN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素(DABCO(登録商標)NE1060、DABCO(登録商標)NE1070、DABCO(登録商標)NE1080及びDABCO(登録商標)NE1082)、1,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノール、N−(3−アミノプロピル)イミダゾール、N−(2−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、N,N′−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシエチルイミダゾール)を含む。イソシアナート反応性基を含む第三級アミン発泡助触媒の例は、2−[N−(ジメチルアミノエトキシエチル)−N−メチルアミノ]エタノール(DABCO(登録商標)NE200)、N,N,N′−トリメチル−N′−3−アミノプロピル−ビス(アミノエチル)エーテル(DABCO(登録商標)NE300)を含む。亜硫酸塩と一緒に使用することができる他の触媒は、例えば所望のポリウレタンフォームがフレキシブルスラブ材である場合に、金属触媒、例えば遷移金属触媒及び外部遷移金属触媒、例えば有機スズ化合物又はカルボン酸ビスマスを含む。金属触媒は、また、ジブチルスズジラウラート、ジメチルスズジラウラート、ジメチルスズジアセタート、ジブチルスズジアセタート、ジメチルスズジラウリルメルカプチド、ジブチルスズジラウリルメルカプチド、ジメチルスズジイソオクチルマレアート、ジブチルスズジイソオクチルマレアート、ジメチルスズビ(2−エチルヘキシルメルカプトアセタート)、ジブチルスズビ(2−エチルヘキシルメルカプトアセタート)、オクタン酸第一スズ、他の適切な有機スズ触媒、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つを含むことができる。他の金属は、また、例えばビスマス(Bi)を含むことができる。適切なビスマスカルボン酸塩は、ペンタン酸、ネオペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチルヘキシルカルボン酸、ネオヘキサン酸、オクタン酸、ネオオクタン酸、ヘプタン酸、ネオヘプタン酸、ノナン酸、ネオノナン酸、デカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ネオウンデカン酸、ドデカン酸、ネオドデカン酸、及び他の適切なカルボン酸の塩を含む。鉛(Pb)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)の遷移金属の、ペンタン酸、ネオペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチルヘキシルカルボン酸、オクタン酸、ネオオクタン酸、ネオヘプタン酸、ネオデカン酸、ネオウンデカン酸、ネオドデカン酸、及び他の適切なカルボン酸との他の塩も含まれていてもよい。
【0047】
本発明の一態様の場合に、スルフィット触媒は、少なくとも1種の相間移動触媒と一緒に使用される。適切な相間移動触媒の例は、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、ハロゲン化物イオン、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ジベンジルジメチルアンモニウム、トリベンジルメチルアンモニウム、テトラベンジルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム、ジフェニルジメチルアンモニウム、トリフェニルメチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム、ジアルキルイミダゾリウム、トリエチレンジアミンを基礎とする第四級アンモニウム、例えばN−メチル−トリエチレンジアンモニウムなどの硫酸塩からなる群から選択される少なくとも1つを含む。本発明の亜硫酸塩触媒は、先に列挙されたアミンと一緒に使用することができるが、このような使用は、その有効な寿命の間並びにフォーム製造の間にフォームからのエミッションを増大させかねない、というのもアミン触媒自体の蒸気圧が、ポリウレタンフォーム内に保持するためには高すぎるためであるか、又はイソシアナート反応性の第三級アミンとイソシアナートとの間に形成される化学結合の熱安定性が、熱及び/又は湿分に曝された場合に安定ではないためである。一般に、本発明によるフォームを製造するためのスルフィット触媒の使用量は、約0.01〜約20pphp、より一般的に約0.1〜約10pphp、最も一般的に約0.1〜約5pphpの範囲内にある。「pphp」の用語は、ポリオール100部当たりの部を意味する。上述の他の触媒の量は、使用された場合に、約0.01pphp〜約20pphp、より一般的に約0.10pphp〜約10pphp、最も一般的に約0.10pphp〜約5pphpの範囲内にある。
有機イソシアナート
【0048】
適切な有機イソシアナート化合物は、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、フェニレンジイソシアナート(PDI)、トルエンジイソシアナート(TDI)、及び4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)を含むが、これらに限定されるものではない。本発明の一態様の場合に、2,4−TDI、2,6−TDI、又はこれらの任意の混合物がポリウレタンフォームの製造のために使用される。他の適切なイソシアナート化合物は、「crude MDI」として市場で公知のジイソシアナート混合物である。1つの例は、Dow Chemical CompanyによりPAPIの名称で市販されていて、かつ4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート約60%を、他の異性体の及び同族体のより高級のポリイソシアナートと一緒に含む。任意の適切なイソシアナートを使用することができるが、この例は、約20〜約120、一般に約40〜110、最も一般的に約90〜約110の指数範囲を示すイソシアナートを含む。イソシアナートの量は、一般的に、約95〜約105の範囲に及ぶ。
ポリオール成分
【0049】
ポリウレタンは、有機イソシアナートと、ポリオール、一般的にポリオールの混合物のヒドロキシル基との反応により製造される。反応混合物のポリオール成分は、少なくとも主ポリオール又は「基礎」ポリオールを含む。本発明において使用するために適した基礎ポリオールは、無限定の例として、ポリエーテルポリオールを含む。ポリエーテルポリオールは、ポリ(アルキレンオキシド)ポリマー、例えばポリ(エチレンオキシド)及びポリ(プロピレンオキシド)ポリマー、並びにジオール及びトリオールを含む多価化合物から誘導される末端ヒドロキシル基を備えたコポリマーを含む。エチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの反応のためのジオール及びトリオールの例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンタエリトリトール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、及び同様の低分子量ポリオールを含む。この分野で公知の、他の基礎ポリオールの例は、ポリヒドロキシ末端のアセタール樹脂、ヒドロキシル末端のアミン及びヒドロキシル末端のポリアミンを含む。この又は他の適切なイソシアナート反応性材料の例は、米国特許第4,394,491号明細書に見ることができ;ここで、参照により組み込まれる。適切なポリエーテルポリオールは、また、ポリウレタンのゲル化反応及び発泡反応に触媒作用することができる第三級アミン基を含むポリエーテルポリオールを含み、例えばこれらは、US 8,367,870;国際公開第03/016373号(WO 03/016373 A1)、国際公開第01/58976号(WO 01/58976 A1);国際公開第2004/060956号(WO 2004/060956 A1);国際公開第03/016372号(WO 03/016372 A1);及び国際公開第03/055930号(WO 03/055930 A1)に記載されていて;上述の国際公開刊行物は、ここで、参照により組み込まれる。他の有用なポリオールは、ポリアルキレンカルボナートを基礎とするポリオール及びポリホスファートを基礎とするポリオールを含んでいてよい。
【0050】
本発明の一態様の場合に、単一の高分子量ポリエーテルポリオールを、基礎ポリオールとして使用してよい。あるいは、高分子量ポリエーテルポリオールの混合物、例えば二官能性及び三官能性材料の混合物及び/又は異なる分子量又は異なる化学組成の材料の混合物を使用してよい。二官能性及び三官能性の材料は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロールを基礎とするポリエーテルトリオール、トリメチロールプロパンを基礎とするポリエーテルトリオール、及び他の同様の化合物又は混合物を含むが、これらに限定されるものではない。
【0051】
上述の基礎ポリオールに加えて又は上述の基礎ポリオールの代わりに、一般に「コポリマーポリオール」といわれる材料を、本発明による使用のためのポリオール成分に含めてもよい。コポリマーポリオールは、変形に対する耐久性を増大させるために、例えば荷重負担特性の改善のために、ポリウレタンフォーム中で使用してよい。荷重負担の要件に依存して、コポリマーポリオールは、全ポリオール含有率の0〜約80質量%含まれていてよい。コポリマーポリオールの例は、グラフトポリオール及びポリ尿素で改質されたポリオールを含むが、これらに限定されるものではなく、これらの両方は、この分野で公知であり、かつ市場で入手可能である。
【0052】
グラフトポリオールは、ビニルモノマー、一般的にスチレン及びアクリロニトリルを、出発ポリオールに共重合することにより製造される。出発ポリオールは、一般的に、グリセロールにより開始されたトリオールであり、かつ一般的に、エチレンオキシドによりエンドキャップされている(第一級ヒドロキシル基約80〜85%)。このコポリマーのいくつかは、開始ポリオールのいくつかにグラフトする。グラフトポリオールは、また、スチレン及びアクリロニトリルのホモポリマー及び不変の開始ポリオールを含んでいる。グラフトポリオールのスチレン/アクリロニトリル固体含有率は、一般的に、5質量%〜45質量%の範囲に及ぶが、この分野で公知の任意の種類のグラフトポリオールを使用してよい。
【0053】
ポリ尿素で改質されたポリオールは、ポリ尿素分散液を含む生成物と一緒に、開始ポリオールの存在で、ジアミン及びジイソシアナートの反応により形成される。また、使用のために適した、ポリ尿素で改質されたポリオールのバリエーションは、ポリイソシアナート重付加(PIPA)ポリオールであり、これは、ポリオール中でのイソシアナートとアルカノールアミンとのin situ反応により形成される。
【0054】
本発明により使用することができる他の適切なポリオールは、天然油ポリオール、又は植物油のような再生可能天然資源から得られたポリオールを含む。安価な及び再生可能資源からポリウレタンフォームを製造する際に有用なポリオールは、化石燃料及び他の非持続性資源の枯渇を最小化するために大いに望ましい。天然油は、飽和及び不飽和脂肪酸のトリグリセリドからなる。天然油ポリオールは、低いヒドロキシル含有率のような所定の制限があるが、ポリウレタンフォームを製造するために一般的に使用されるリシノール酸の天然トリグリセリドであるヒマシ油である。他の天然油は、ポリウレタンポリマーの製造において有用にするために、十分なヒドロキシル含有率を導入するために化学的に変性される必要がある。天然油又は脂肪を有用なポリオールに変性することを試みる場合に考慮することができる2つの化学的反応位置がある:1)不飽和位置(二重結合);及び2)エステル官能基。油又は脂肪中に存在する不飽和位置は、エポキシ化に引き続く開環又はヒドロホルミル化に引き続く水素化を介してヒドロキシル化することができる。あるいは、エステル交換を、天然油及び脂肪にOH基を導入するために利用することもできる。エポキシ化経路を用いる天然ポリオールの製造のための化学プロセスは、エポキシ化された天然油、開環酸触媒及びリングオープナーを必要とする反応混合物を含む。エポキシ化された天然油は、エポキシ化された植物を基礎とする油(エポキシ化された植物油)及びエポキシ化された動物脂肪を含む。エポキシ化された天然油は、完全に又は部分的にエポキシ化されていてよく、かつこれらの油は、大豆油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、オリーブ油、キャノーラ油、ゴマ油、パーム油、ナタネ油、桐油、綿実油、サフラワー油、落花生油、アマニ油及びこれらの混合物を含む。動物脂肪は、魚油、獣脂及びラードを含む。これらの天然油は、C12〜C24の多様な鎖長を示す飽和又は不飽和であってよい脂肪酸のトリグリセリドである。これらの酸は、1)飽和:ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸及びリグノセリン酸;2)一価不飽和:パルミトレイン酸、オレイン酸;3)多価不飽和:リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸であってよい。部分的に又は完全にエポキシ化された天然油は、適切な反応条件下でペルオキシ酸を反応させる場合に製造されていてよい。油のエポキシ化において用いられるペルオキシ酸の例は、国際公開第2006/116456号(WO 2006/116456 A1)に記載されていて;ここで、参照により組み込まれる。アルコール、水及び1つ以上の求核性の基を備えた他の化合物を用いたエポキシ化された油の開環を用いることができる。反応条件に依存して、エポキシ化された油のオリゴマー化が起こることもある。開環は、ポリウレタン製品の製造のために使用することができる天然油ポリオールを生じる。ヒドロホルミル化/水素化プロセスの場合に、この油を、水素/一酸化炭素混合物が充填された反応器中で、適切な触媒(一般的に、コバルト又はロジウム)の存在でヒドロホルミル化して、アルデヒドを形成し、このアルデヒドを、コバルト又はニッケル触媒の存在で水素化して、ポリオールを形成する。あるいは、天然油及び脂肪からのポリオールは、エステル交換触媒としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩基又は塩を用いて適切なポリヒドロキシル含有物質でエステル交換により製造することができる。任意の天然油又は任意の部分的に水素化された油を、エステル交換プロセスで使用することができる。油の例は、大豆油、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、ヒマシ油、ヒマワリ油、キャノーラ油、ナタネ油、サフラワー油、魚油、アザラシ油、パーム油、桐油、オリーブ油又はこれらの任意のブレンドを含むが、これらに限定されるものではない。任意の多官能性ヒドロキシル化合物、例えばラクトース、マルトース、ラフィノース、スクロース、ソルビトール、キシリトール、エリトリトール、マンニトール又はこれらの任意の組み合わせを使用することもできる。他の適切なポリオールは、マンニッヒポリオール(Mannich polyols)を含む。マンニッヒポリオールは、1)カルボニル化合物、2)第一級又は第二級アミン及び3)フェノール、ケトンのような、最も一般的にフェノール及び置換フェノールのようなエノール化可能な酸性水素を備えた有機化合物の縮合反応により得られる。マンニッヒ塩基は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドとのアルコキシル化反応のための開始剤として使用することができ、マンニッヒポリオールといわれるアミン含有ポリエーテルポリオールを生じる。
【0055】
連続気泡のフレキシブル成形フォームは、一般的に、主ポリエーテルポリオール又は「基礎」ポリエーテルポリオールを使用する。ポリエーテルポリオールは、ポリ(アルキレンオキシド)ポリマー、例えばポリ(エチレンオキシド)及びポリ(プロピレンオキシド)ポリマー、並びにジオール及びトリオールを含む多価化合物から誘導される末端ヒドロキシル基を備えたコポリマーを含む。これらのポリオールは、約2〜約8、約2〜約6、一般的に約2〜約4の官能価を示すことができる。このポリオールは、また、約10〜約900、一般的に約15〜約600、より一般的に約20〜約50のヒドロキシル価を示すことができる。フレキシブル成形フォームは、また、フォーム組成物中の全体のポリオール含有率の一部として、一般に15〜50の範囲のOH価、一般的に1200〜8000、より一般的に2000〜6000のMW範囲及び10%〜60%の%固体を示すコポリマーポリオールを使用する。連続気泡の低密度吹付フォームは、一般的に、1500〜6000の平均MW及び15〜50のOH価を示すポリエーテルポリオールを使用する。ポリオールの量は、pphpにより定義される。先に定義された4つのタイプのポリオールがある:約100pphp(ポリオールだけ)〜約10pphpの範囲で使用することができる標準ポリオール又はポリエーテルポリオール。コポリマーポリオール(CPP)は、約0〜約80pphpの範囲で使用することができる。NOP(天然油ポリオール)は、約0〜約40pphpで存在することができる。最後に、マンニッヒポリオールは、他のポリオールと組み合わせて、かつ0pphp〜80pphp、約0pphp〜約50pphp、いくつかの場合に約0pphp〜約20pphpの範囲で使用される。
発泡剤
【0056】
ポリウレタンフォームの製造は、重合の間にポリウレタン母材中に空隙を作り出す発泡剤(BA)を含めることにより促進されていてよい。任意の適切な発泡剤を使用してよい。適切な発泡剤は、発熱性のポリマー反応の間に蒸発する低い沸点を示す化合物を含む。このような発泡剤は、一般的に不活性であるか又は低い反応性を示し、そのため、これらは重合反応の間に分解又は反応しないこともある。低い反応性の発泡剤の例は、二酸化炭素、クロロフルオロカーボン(CFC)、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、フルオロオレフィン(FO)、クロロフルオロオレフィン(CFO)、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)、ヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)、アセトン、及び低沸点炭化水素、例えばシクロペンタン、イソペンタン、n−ペンタン、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。他の適切な発泡剤は、イソシアナート化合物と反応してガスを生成する化合物、例えば水を含む。BAの量は、一般的に、約0(水発泡)〜約80pphpである。水(イソシアナートとの反応によりCO2を生じる発泡フォーム)は、約0(BAは含まれている場合)〜約60pphp(極めて低密度のフォーム)、一般に約1.0pphp〜約10pphp、いくつかの場合に、約2.0pphp〜約5pphpの範囲で存在することができる。
他の任意成分
【0057】
本発明によるフォームを製造するための配合物中には、多様な他の成分が含まれていてよい。任意成分の例は、気泡安定剤、架橋剤、鎖長延長剤、顔料、充填剤、難燃剤、補助的なウレタンゲル化触媒、補助的なウレタン発泡触媒、遷移金属触媒、アルカリ金属及びアルカリ土類金属カルボン酸塩、並びにこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。
【0058】
気泡安定剤は、例えばシリコーン界面活性剤、並びに有機のアニオン性、カチオン性、双性又は非イオン性の界面活性剤を含んでよい。適切なシリコーン界面活性剤の例は、ポリアルキルシロキサン、ポリオキシアルキレンポリオールで変性されたジメチルポリシロキサン、アルキレングリコールで変性されたジメチルポリシロキサン、又はこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。適切なアニオン性界面活性剤は、脂肪酸の塩、硫酸エステルの塩、リン酸エステルの塩、スルホン酸の塩、及びこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。適切なカチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム塩(pH依存又は不変に荷電)、例えば塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、ポリエトキシル化獣脂アミン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどを含むが、これらに限定されるものではない。適切な双性又は両性界面活性剤は、スルテイン、アミノ酸、イミノ酸、ベタイン及びホスファートを含むが、これらに限定されるものではない。適切な非イオン性界面活性剤は、脂肪アルコール、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル、グルコシド(例えばデシル、ラウリル及びオクチルグルコシド)、ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、グリコールアルキルエステルなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0059】
架橋剤は、ヒドロキシル基、第一級アミノ基、第二級アミノ基、及びイソシアナート基と反応する他の活性水素含有基から選択される少なくとも2つを含む低分子量化合物を含むが、これらに限定されるものではない。架橋剤は、例えば、多価アルコール(特に三価アルコール、例えばグリセロール及びトリメチロールプロパン)、ポリアミン、及びこれらの組み合わせを含む。ポリアミン架橋剤の無限定の例は、ジエチルトルエンジアミン、クロロジアミノベンゼン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、1,6−ヘキサンジアミン、及びこれらの組み合わせを含む。典型的なジアミン架橋剤は、12以下の炭素原子、より一般的に7以下の炭素原子を含む。
【0060】
鎖長延長剤の例は、ヒドロキシル官能基又はアミノ官能基を有する化合物、例えばグリコール、アミン、ジオール及び水を含むが、これらに限定されるものではない。鎖長延長剤の特別な無限定の例は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、エトキシル化ヒドロキノン、1,4−シクロヘキサンジオール、N−メチルエタノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、4−アミノシクロヘキサノール、1,2−ジアミノエタン、2,4−トルエンジアミン、又はこれらの任意の混合物を含む。顔料は、製造の間にポリウレタンフォームを色分けするために、例えば製品等級を見分けるため又は黄変を隠すために使用されてよい。顔料は、ポリウレタン分野で公知の任意の適切な有機顔料又は無機顔料を含んでよい。例えば、有機顔料又は着色剤は、アゾ/ジアゾ染料、フタロシアニン、ジオキサジン、及びカーボンブラックを含むが、これらに限定されるものではない。無機顔料の例は、二酸化チタン、酸化鉄、又は酸化クロムを含むが、これらに限定されるものではない。
【0061】
充填剤は、ポリウレタンフォームの密度及び荷重負担特性の改善のために使用してよい。適切な充填剤は、硫酸バリウム又は炭酸カルシウムを含むが、これらに限定されるものではない。
【0062】
難燃剤は、ポリウレタンフォームの可燃性を低下させるために使用してよい。例えば、適切な難燃剤は、塩素化リン酸エステル、塩素化パラフィン、又はメラミン粉末を含むが、これらに限定されるものではない。
【0063】
気泡安定剤は、約0.1〜約20pphp、一般的に約0.1〜約10pphp、いくつかの場合に約0.1〜約5.0pphpの量で使用することができる。架橋剤は、約0pphp(架橋剤なし)〜約20pphpの量で使用することができる。鎖長延長剤は、約0pphp(鎖長延長剤なし)〜約20pphpの量で使用することができる。充填剤は、約0pphp(充填剤なし)〜40pphpの量で使用することができる。難燃剤は、約0〜約20pphp、約0〜約10pphp、約0〜約5pphpの量で使用することができる。
【0064】
本発明の一態様の場合に、触媒組成物、フォーム製造方法及び得られたフォームは、実質的にアミン不含である。「実質的に不含」とは、上述の含有量が、アミン約10pphp未満、一般的に約5pphp未満、いくつかの場合に0pphpであることを意味する。
【0065】
本発明の他の態様の場合に、触媒組成物、フォーム製造方法及び得られたフォームは、実質的に、特にSn、Hg、Pb、Bi、Znを基礎とする毒性及び/又は排出性の遷移金属化合物不含である。「実質的に不含」とは、上述の含有量が、このような金属約10pphp未満、一般的に約5pphp未満、いくつかの場合に0pphpであることを意味する。
【0066】
本発明の他の態様の場合に、触媒組成物、フォーム製造方法及び得られたフォームは、実質的に、アミン不含でかつ毒性及び/又は排出性の遷移金属化合物不含である。
【0067】
本発明の一定の態様は、次の実施例に説明される。これらの実施例は、例示されるだけであり、これに添付するいかなる請求項の範囲を限定するものではない。フォームは、後記するようなハンドミックス評価又は機械評価を用いて評価した。
実施例1
第三級アミンゲル化触媒あり又はなしで得られたフォームの動力学データの例
【0068】
発泡性能は、標準のアミン触媒及び新たなアミン触媒についての、フォーム高さ対時間を比較することにより評価することができる。フォーム高さプロフィールは、FOMATソナー上昇速度装置、モデル番号V3.5(以後、「ROR」という)で自由上昇カップフォームサンプルを用いて自動化された上昇速度器具により測定することができる。FOMAT装置は、配合物の全成分を混合した直後に、上昇するフォームサンプルの、ミリメートル(mm)で示す高さ対秒(s)で示す時間を測定及び記録するソナーセンサを備える。FOMAT標準ソフトフェアは、高さ対時間プロットと速度対時間プロットの両方を生成する。これらのプロットは、異なる触媒配合物の相対的反応性を比較するために有用である。フレキシブルフォームは、イソシアナート以外の表1中の成分の約300gの全体の質量を、32オンス(951ml)の紙カップ中で合わせることにより製造することができる。この予備混合配合物を、次いで、プラスチックカップ中で、2インチ(5.1cm)の直径の攪拌パドルを備えたオーバーヘッド攪拌機を用いて約6000rpmで約10秒間混合する。次いで十分なトルエンジイソシアナートを添加して、約120の所望のイソシアナート指数を達成し、かつこの配合物を、同じ攪拌機を用いて約6000rpmで更に約6秒間十分に攪拌する。次いで、このカップを、FOMATセンサの下に置く。ROR測定用の開始時間は、FOMATのために自動化され、かつ最後の混合が完了した直後から開始される。カップをRORの下に置くと、この化学的混合物は重合しはじめる。このカップの壁部は、垂直方向以外の全ての膨張を制限するので、この膨張自体は、この実験において、図1に示すように、x軸での時間の経過と共に、y軸での高さの増大として明らかとなる。表1は、フレキシブルスラブ材フォームを製造するために必要な成分の一覧を示す。フォーム1は、Dabco(登録商標)T-9(オクタン酸第一スズ)ゲル化触媒0.16pphpを含む。フォーム2は、Dabco(登録商標)T-9触媒を含まない。図1に示された上昇速度プロフィールは、配合物中にDabco(登録商標)T-9が存在しない場合、著しい一見した後退が観察され、引き続きフォーム材料のつぶれが観察される。Dabco(登録商標)T-9が配合物中に存在する場合には、次の図2に示すように、良好な品質のフォームが観察される。
【表1】
1 Voranol(登録商標)235-056:Dow Chemicalsから市場で入手可能な、官能価f=3を示し、グリセリンで開始した、OH価=56及び平均MW=3000を示すポリエーテルポリオール。2 Dabco DC5943:水発泡ポリエーテルスラブ材用途のために高い有効性を示しかつAir Products & Chemicalsから市場で入手可能なシリコーン界面活性剤。3 Dabco(登録商標)33LVは、Air Products & Chemicalsから入手可能な、ジプロピレングリコール中のトリエチレンジアミンの33%溶液である。4 Dabco(登録商標)T-9は、Air Products & Chemicalsから市場で入手可能な、オクタン酸第一スズ触媒である。
実施例2
亜硫酸ナトリウム水溶液を用いた場合に得られたフォームの動力学データの例
【0069】
フレキシブルスラブ材フォームを、実施例1に記載された手順と同じ手順で製造した。表2は、フレキシブルスラブ材フォームを製造するために必要な成分の一覧を示す。フォーム1は、主ゲル化触媒としてDabco(登録商標)T-9触媒(オクタン酸第一スズ)0.16pphpを含む標準のフレキシブルスラブ材配合物に従って製造した。フォーム2は、Dabco(登録商標)T-9触媒を含まず、かつ主ゲル化触媒として亜硫酸ナトリウムを含む。亜硫酸ナトリウム触媒は、水中15%の水溶液として配合物に添加した。図3中の上昇速度プロフィールは、Dabco(登録商標)T-9が15%の水溶液として添加された亜硫酸ナトリウム0.16pphpに完全に置き換えられた場合、このフォームについての上昇速度曲線は、Dabco(登録商標)T-9を用いて製造された対照配合物の上昇速度曲線に正確に一致する。Dabco(登録商標)T-9を用いて製造された標準フォームと亜硫酸ナトリウム溶液を用いて製造された標準フォームの写真を、図4に示す。
【表2】
実施例3
TDI成形フォームを製造するための亜硫酸カリウムの水溶液を用いた場合に得られたフォームの動力学データの例
【0070】
自由上昇のTDIを基礎とするフレキシブル成形フォームサンプルを、実施例1に記載の手順と同じ手順に従って製造した。表3は、自動車シート用途で一般に使用されるようなフレキシブル成形フォームサンプルを製造するために必要な成分の一覧を示す。フォームサンプルは、主ゲル化触媒としてDabco(登録商標)NE1070(モノ−及びビス−ジメチルアミノプロピル尿素)及び主発泡触媒としてDabco(登録商標)NE300(N,N,N′−トリメチル−N′−3−アミノプロピル−ビス(アミノエチル)エーテル)の反応性アミンを含む標準のフレキシブル成形配合物に従って製造した。表4は、第三級アミンゲル化触媒のDabco(登録商標)NE1070を多様な使用レベルで亜硫酸カリウムと置き換えた場合のフォームの動力学データの比較を示す。ポリウレタン触媒としての亜硫酸カリウムの有効性を示す標準と比較して、亜硫酸カリウムの、カリウムの比較的低い使用レベルであっても、より速いストリングゲル化時間(string gel time)が観察される。図5は、実施例1に記載されたようなFOMAT装置を用いて測定された上昇速度曲線を示す。
表3:一般的なTDIフレキシブル成形配合物
【表3】
1 Dow Chemical Company、Midland、MIから入手可能な、約5500の基礎ポリオール分子量を示す、高い分子量、官能価及び第一級ヒドロキシル含有率の、高官能価のキャップされたポリエーテルポリオール。2 Dow Chemical Company、Midland、MIから入手可能な、約4800の基礎ポリオール分子量を示す、共重合されたスチレン及びアクリロニトリルを含むグラフトされたポリエーテルポリオール。3 シリコーン界面活性剤は、Air Products and Chemicals, Inc.から入手可能である。4 このアミン触媒は、Air Products and Chemicals, Inc.から入手可能である。
表4:多様な触媒の組み合わせについてのフォームの動力学データ
【表4】
1 亜硫酸カリウムは、水中20%の溶液として配合物に供給された。2 有用な比較は、発泡反応の速度に関して、発泡材料についての混合後に、混合カップ中の標準高さに達するまでに必要な時間(秒)(TOC=カップの頂部)を記録することにより行うことができる。ストリングゲル化時間(SGT)は、重合材料が、木製トングサプレッサーに触れた際にポリマーストリングを形成することができる時間(秒)である。
実施例4
MDI成形フォームを製造するための、亜硫酸カリウムの水溶液を用いた場合に得られたフォームの動力学データの例
【0071】
自由上昇するMDIを基礎とするフレキシブル成形フォームサンプルを、実施例3について記載された手順と同じ手順に従って製造した。表5は、自動車シート用途で通常使用されるようなMDIを基礎とするフレキシブル成形フォームを製造するために必要な成分の一覧を示す。フォームサンプルは、主ゲル化触媒としてDabco(登録商標)NE1070(モノ−及びビス−ジメチルアミノプロピル尿素)及び主発泡触媒としてDabco(登録商標)NE300(N,N,N′−トリメチル−N′−3−アミノプロピル−ビス(アミノエチル)エーテル)の反応性アミンを含む標準のフレキシブル成形配合物に従って製造した。表6は、第三級アミンゲル化触媒のDabco(登録商標)NE1070を多様な使用レベルで亜硫酸カリウムと置き換えた場合のフォームの動力学データの比較を示す。ストリングゲル化時間(SGT)は、亜硫酸カリウムの、カリウムの比較的低い使用レベルであっても、極めて有効なポリウレタン触媒であることを示す。図6は、実施例1に記載されたようなFOMAT装置を用いて測定された上昇速度曲線を示す。
表5:一般的なMDIフレキシブル成形配合物
【表5】
1 Voranol(登録商標)CP-6001:Dow Chemicalsから市場で入手可能な、特にフレキシブル成形高反発弾性(HR)フォームの製造用に開発された、官能価f=3を示すポリエーテルポリオール。2 Dabco(登録商標)DC2525:気泡調節が重要でありかつAir Products & Chemicalsから市場で入手可能な、高性能HR系のための低温硬化MDIのフレキシブル成形フォーム用に設計されたシリコーン界面活性剤。3 Dabco(登録商標)DC1630:Air Products & Chemicalsから市場で入手可能なシリコーン界面活性剤。4 Voranol(登録商標)PC-1421は、Dow Chemicalsから市場で入手可能なHRフレキシブル成形フォーム中のセルオープナーとして使用されるポリエーテルポリオールである。5 DABCO(登録商標)DEOA-LFは、Air Products & Chemicalsから市場で入手可能なジエタノールアミンの溶液である。6-7 このアミン触媒は、Air Products and Chemicals, Inc.から入手可能である。
表6:多様な触媒の組み合わせを用いたMDIを基礎とするフレキシブル成形フォームについてのフォームの動力学データ
【表6】
1 亜硫酸カリウムは、水中20%の溶液として配合物中に提供された。2 TOC及びSGTは上述に定義されている。
実施例4
ゲル化触媒として亜硫酸カリウムを使用した場合のMDI及びTDIを基礎とするフレキシブル成形フォームの動力学データ及びフォームの物理特性
【0072】
TDIを基礎とするフレキシブル成形フォームパッドサンプルを、実施例3に記載された配合物を用いて製造した。亜硫酸カリウム触媒及びDabco(登録商標)NE300の多様な使用レベル及び組み合わせを、自動車シート用途で使用されているものと同様に40Kg/m3の範囲に近い密度を示すフォームパッドを製造するために試験し、かつ自動車シート用途に一般的に使用されている従来の触媒のDabco(登録商標)NE1070及びDabco(登録商標)NE300を用いて製造した同様のフォームパッドと比較した。
表7:多様な触媒の組み合わせについて型からのTDIフォームの動力学データ
【表7】
1 亜硫酸カリウムは、水中20%の溶液として配合物中に提供された。2 EXTは、発泡材料が、等温に制御された型から押し出されるのにかかる時間(秒)であり、加熱されたアルミニウム型は、70±2℃に維持される。この型は、一般的に、40.6cm×40.6cm×10.2cmの内寸で設計された物理特性工具であった。この型は、それぞれ直径約1.5mmの、それぞれのエッジ及び蓋の幾何学中心から10.0cmでそれぞれのコーナーに集中する5つの排気孔を備える。ストリングゲル化時間(SGT)は、フォームが型のオリフィスの1つを通して押し出される際に、重合材料が木製トングサプレッサーに触れた際にポリマーストリングを形成することができる時間(秒)である。
【0073】
表8は、K2SO3/Dabco(登録商標)NE300触媒の組み合わせについてのフレキシブル成形フォームパッドのいくつかの代表的な物理特性及び標準アミン塩基触媒の組み合わせとの比較を示す。
表8:TDIを基礎とする成形フォームの物理特性
【表8】
【0074】
同様に、MDIを基礎とするフレキシブル成形フォームパッドサンプルを、実施例4に記載された配合物を用いて製造した。亜硫酸カリウム触媒とDabco(登録商標)NE300との組み合わせを、自動車シート用途で使用されているものと同様に55Kg/m3の範囲に近い密度を示すフォームパッドを製造するために試験し、かつ自動車シート用途に一般的に使用されている従来の触媒のDabco(登録商標)NE1070及びDabco(登録商標)NE300を用いて製造した同様のフォームパッドと比較した。
表9:多様な触媒の組み合わせのための型からのMDIフォームの動力学データ
【表9】
1 亜硫酸カリウムは、水中20%の溶液として配合物中に提供された。
【0075】
表10は、K2SO3/Dabco(登録商標)NE300触媒の組み合わせについてのフレキシブル成形フォームパッドのいくつかの代表的な物理特性及び標準アミン塩基触媒の組み合わせとの比較を示す。
表10:MDIを基礎とする成形フォームの物理特性
【表10】
実施例5
亜硫酸水素ナトリウムを用いた場合のフォームの動力学データの比較
【0076】
表11は、表3に示されたTDIフレキシブル成形配合物からゲル化触媒のDabco(登録商標)NE1070を取り除いた場合に、TOC(カップの頂部)及びSGT(ストリングゲル化時間)の両方において著しい遅延が生じる結果を示す。20%水溶液中に溶かした亜硫酸水素ナトリウム(sodium hydrogen sulfite)(0.72g NaHSO3)の添加(水中の20%亜硫酸水素ナトリウム3.6pphpを添加)は、SGTを改善せず、更に、TOCにおいて遅延を引き起こし、発泡触媒のDabco(登録商標)NE300を遮断するいくつかの酸を暗示する。Na2SO3 0.30pphpの添加は、実質的にストリングゲル化時間が促進され、極めて良好な触媒活性を示す。
表11:NaHSO3によって触媒作用は観察されない
【表11】
実施例6
吹付用途で一般的に使用される高い水含有率(低密度)の配合物中でのアミン標準触媒の反応性
【0077】
次の配合物を、従来のアミン触媒のビス−(ジメチルアミノエチル)−エーテル(BDMAEE)及びジメチルアミノエトキシエタノール(DMAEE)を用いて、吹付用途で一般的に使用される低密度水発泡フォームの製造のために使用した。
表12:低密度の、完全水発泡フォーム配合物
【表12】
【0078】
上述の成分を混合し、上述のプレミックス約20gを、32オンス(約946.3ml)放棄物プラスチック容器内で、機械式攪拌機でイソシアナート(MDI)20gと混合した。発泡材料がカップの頂部に達するまでに必要な時間(秒)は、標準−1が主発泡触媒として使用された場合に、約13.8秒と測定された。標準−1は、Dabco(登録商標)BL11(ジプロピレングリコール30%中のビス(ジメチルアミノエチルエーテル)70%)2.64gと、ジメチルアミノエトキシエタノール1.12gとの混合物として定義され、かつこれは表12中に示された配合物のための標準の非イソシアナート反応性アミン触媒である。
実施例7
吹付用途で一般的に使用される高い水含有率(低密度)配合物中でのスルフィット触媒の性能
【0079】
実施例6で使用されたものと同じ配合物を、表13において標準−2について示したような、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン75%及びN,N−ジメチルアミノエチル−N′−メチル−N′−ヒドロキシエチルアミン25%の混合により製造された標準イソシアナート反応性アミン触媒を試験するために使用し、これは15.1秒のTOCを生じる。表13は、また、亜硫酸カリウムが実質的に不活性であり、その結果、この場合にTOC時間を確認することができなかったことを示す。
表13:標準触媒及び亜硫酸カリウム触媒についてのカップの頂部に達する時間
【表13】
1 亜硫酸カリウムは、室温で製造された水中20%の溶液として配合物中に提供された。表12の配合物(アミン触媒のDabco(登録商標)BL11及びBDMAEEを除く)に、亜硫酸カリウムの純粋な塩4.51gを、表12の配合物に従って水の全体量を満たすように20%の水溶液として配合物に添加した。
実施例8
吹付用途で一般的に使用される高い水含有率(低密度)の配合物中でのスルフィット触媒の性能
【0080】
後記の表14は、水中に溶かした亜硫酸カリウムを、亜硫酸塩の触媒活性を改善する目的で添加される有機塩と一緒に添加される場合に得られる結果を示す。塩化セチルトリメチルアンモニウム及びドデシル硫酸ナトリウムのような通常の有機塩は、スルフィット触媒の活性を十分に改善することはなかった。水に溶かした塩化テトラブチルアンモニウムを使用する場合に、より良好な結果が得られた。配合物中の塩化テトラブチルアンモニウム7gの存在は、TOC時間(約24〜27秒)により明らかなように、フォーム形成の速度をかなり促進するために役立つ。
表14:多様な相間移動触媒の存在での亜硫酸カリウム触媒について、カップの頂部に達する時間
【表14】
1 亜硫酸カリウムは、室温で製造された水中20%の溶液として配合物中に提供された。表12の配合物(アミン触媒のDabco(登録商標)BL11及びBDMAEEを除く)に、亜硫酸カリウムの純粋な塩4.51gを、表12の配合物に従って水の全体量を満たすように20%の水溶液として配合物に添加した。2 CTMAClは、塩化セチルトリメチルアンモニウムである。3 Na−DDBSAは、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである。4 Bu4NClは、塩化テトラブチルアンモニウムである。
実施例9
多様な相間移動触媒と一緒での、吹付用途で使用される高い水含有率(低密度)の配合物中でのスルフィット触媒の性能
【0081】
後記の図7は、水に溶かした亜硫酸カリウムを、亜硫酸塩の触媒活性を改善する目的で添加される多様な有機アルキルアンモニウム塩と一緒に添加される場合に得られる結果を示す。図7は、先に定義された標準−1の上昇プロフィール及び標準−1が、多様な亜硫酸テトラアルキルアンモニウムと組み合わせた亜硫酸カリウムで部分的に置き換えられた触媒混合物との比較を示し、図7で示したそれぞれの場合について、亜硫酸カリウムのテトラアルキルアンモニウム塩に対するモル比は1:1であった。両方の塩化テトラブチルアンモニウム及び塩化ベンジルトリメチルアンモニウムは、亜硫酸塩触媒を可能にする有効な相間移動触媒である。
実施例10
多様なアミン触媒と一緒での、吹付用途で使用される高い水含有率(低密度)の配合物中でのスルフィット触媒の性能
【0082】
後記の表15は、水中に溶かした亜硫酸カリウムを、塩化ベンジルトリメチルアンモニウムと一緒に添加し、かつイソシアナート反応性基あり又はなしの第三級アミンと組み合わせて用いた場合に得られたTOC(実施例で定義されたようなカップの頂部)結果を示す。この結果は、塩化ベンジルトリメチルアンモニウムにより促進されかつイソシアナート反応性基を備えたアミンと組み合わせて使用された亜硫酸カリウムが、完全に排出性の標準と比較して速い反応速度を達成できることを示す。したがって、表15中のフォーム4及び5は、臭い、エミッション及び青色の曇りと関連するBDAMEE−ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル−アミンを使用せずに製造された。
表15:イソシアナート反応性基あり及びなしの第三級アミンと一緒に使用した亜硫酸カリウム触媒
【表15】
1 TAMSは、テトラアルキルアンモニウム塩を意味する。2 BL−11=Dabco(登録商標)BL11は、ジプロピレングリコール30%中のビス(ジメチルアミノエチル)エーテル70%である。3 DMAEEは、ジメチルアミノエトキシエタノールを意味する。4 Std-2は、実施例7で定義されたような標準−2を意味し、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン75%及びN,N−ジメチルアミノエチル−N′−メチル−N′−ヒドロキシエチルアミン25%である。5 Dabco(登録商標)-Tは、 N,N−ジメチルアミノエチル−N′−メチル−N′−2−(ヒドロキシエチル)アミンである。62SO3は、亜硫酸カリウムであり、示されたその量(4.2g)は純粋な塩に対応する。この塩は、表12に示した配合物に従って、相応する量の水中に溶かされている。7 BzMe3NClは、塩化ベンジルトリメチルアンモニウムであり、4.93gを示すこの使用レベルは、純粋な溶媒(溶媒担体ではない)の質量に対応する。BzMe3NClは、表12に示された配合物に従った量で、溶媒として水を用いる溶液中で他の成分と混合される。8 DMAEEは、ジメチルアミノエトキシエタノールを意味する。9 BDMAPA−2HPは、ビス−N,N−(ジメチルアミノプロピル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)−アミンを意味する。10 RA及びNRAは、K2SO3と一緒に使用されたイソシアナート反応性アミン及び非反応性アミンの混合物を意味する。11 RAは、亜硫酸カリウムとの関連で使用された全てのアミンがイソシアナート反応性アミンであることを意味する。
実施例11
ポリウレタンフォーム中での硫黄含有率の決定
【0083】
硫黄分析は、誘導結合プラズマ発光分析(ICP−OES)を用いて決定した。実施例4で製造されたフレキシブル成形ポリウレタンフォームのサンプルを、Parr酸素ボンベ型燃焼熱量計内に置いた。アリコートをニッケルカップ中へ正確に秤取し(約0.1g)、Monel(登録商標)燃焼ボンベ内に置き、促進剤として、エタノール(200プルーフ)1mlをカップに添加した。吸収溶液分析は、炭酸ナトリウム32mM及び炭酸水素ナトリウム10mMの混合物10mlであった。ボンベを、燃焼可能な雰囲気を作り出すために、酸素30気圧(atm)に加圧した。サンプルを、水を含むプラスチックビーカーに移し、硝酸で酸性化した。次いで、この溶液を脱イオン水で質量基準で希釈した。硫黄は、Perkin Elmer 5300DV誘導結合プラズマ発光分析器で分析した。校正標準を、SPEX industries, Inc.から得られた原液に対して製造した。この分析のための校正範囲は0.1〜20ppmであった。
【0084】
実施例4に記載された手順を用いて製造されたフレキシブル成形フォーム(フォーム15)を、硫黄含有率について分析し、かつアミン触媒だけを用いた実施例4に記載された手順を用いて製造した標準フォームサンプル(実施例4のフォーム12)と比較した。この分析の結果は、表17に示され、スルフィット触媒を用いて製造されたフレキシブル成形フォーム(表17中のフォーム−2)が、アミン触媒だけを用いて製造された従来のフォーム(表17中のフォーム−1)よりも硫黄の高い%を含むことを示す。
【0085】
同様に、実施例6に記載された手順を用いて製造された吹付フォーム用途で一般的に使用される完全水発泡低密度ポリウレタンフォームを、硫黄含有率について分析し、かつ実施例6に記載された手順を用いて製造された標準フォームサンプルと比較した。相応する配合物は表16に示される:
表16:硫黄分析のために使用される低密度完全水発泡フォーム配合物
【表16】
【0086】
この分析の結果は、表16に示され、スルフィット触媒を用いて製造されたフレキシブル成形フォームが、アミン触媒を用いて製造された従来のフォームよりも硫黄の高い%を含むことを示す。
表17:フレキシブル成形フォーム中の硫黄含有率
【表17】
1 2つの試験の平均
表18:高い水含有率の低密度フォーム中の硫黄含有率
【表18】
1 3つの試験の平均
フォーム中の硫黄の量は、約0.02〜約0.6質量%、一般に約0.03〜0.5質量%の範囲に及ぶ。
実施例12
亜硫酸塩触媒を用いる場合のアルデヒドエミッションの低減又は解消
アルデヒド試験用のフォームは、1種以上の第三級アルキルアミンを含むウレタン触媒が添加された一般的なポリウレタン配合物を使用するこの分野で公知の方法に従って従来の方法で製造した。本発明によるポリウレタン配合物中で使用されたポリイソシアナートの量は、制限はないが、一般的に当業者に公知の範囲内にある。例示的な量は、「NCO指数」(イソシアナート指数)を参照して示される表中に表される。当業者に公知のように、NCO指数は、イソシアナートの当量数を活性水素の全当量数により除算し、100を乗算したものとして定義される。NCO指数は、次の式により表される。
NCO指数=[NCO/(OH+NH)]・100
ポリウレタンフォームを製造し、次に示す配合物を用いて慣用の方法で試験した:
アルデヒド試験のためのフレキシブル成形配合物
【数2】
1 ポリオールGEP 828は、Sinopec Shanghai Gaoqiao Companyにより供給された、平均官能価=3及び近似のMW=6000を示す標準ポリエステルポリオールである。2 Voranol(登録商標)CP1421は、Dow Chemicalsにより供給されたグリセロールエトキシル化−プロポキシル化ポリエーテルポリオールである。3 DABCO(登録商標)DC2525は、Air Products & Chemicalsにより供給されたシリコーン界面活性剤安定剤である。4 DABCO(登録商標)DEOA-LFは、Air Products & Chemicalsにより供給されたジエタノールアミン架橋剤の85%水溶液である。5 DABCO(登録商標)NE1070は、Air Products & Chemicalsにより供給されたモノ−及びビス(ジメチルアミノプロピル)尿素の混合物から構成されたアミン触媒である。6 TMAPBAEEは、N,N,N′−トリメチル−N′−3−アミノプロピル−ビス(アミノエチル)エーテルである。7 Desmodur(登録商標)3133は、Bayerにより供給された、約32.5質量%の平均NCO含有率を示す、4,4′−MDI、2,4−MDI及びPMDIの混合物から構成されたイソシアナートである。
【0087】
フレキシブル成形フォーム用のマシンランは、Hi Tech Sure Shot MHR-50、シリンダ置換シリーズ及び高圧機械で行った。適切なポリオール、水、架橋剤、界面活性剤及びそれぞれの配合物用の触媒からなる新しいプレミックスを機械に充填した。Desmodur(登録商標)MDI-3133は、全体の研究を通して使用された。全ての化学的温度は、機械の内部温度制御ユニットを介して23±2℃に維持した。フォーム注型は、等温に制御され、63±2℃に維持された加熱されたアルミニウム型内へ行った。この型は、一般的に、40.6cm×40.6cm×10.2cmの内寸で設計された物理特性工具であった。この型は、それぞれ直径約1.5mmの、それぞれのエッジ及び蓋の幾何学中心から10.0cmでそれぞれのコーナーに集中する5つの排気孔を備える。この型に、それぞれの注型の前に溶媒を基礎とする離型剤を吹き付け、かつ注型の前に1分間乾燥させた。このフォームプレミックスは、型を完全に満たすことができかつ報告された所望のコア密度を得ることができる湿潤化学バッチ質量で型の中心に注ぎ入れた。最小の充填必要量は、評価されたそれぞれの配合物について確認された。フォーム物品は、最初の注型の240秒(4分)後に離型された(次のパラグラフに詳説する)。離型の際に、フォームは、機械式破砕機を通されるか、Force-to-Crush(FTC)測定のために試験されるか、又は寸法安定性を決定するために冷却させられる(後に詳説する)。
【0088】
それぞれの触媒セットを用いて製造されたフォームは、離型の1分後に、2.54cmの間隙に設定したBlack Brothers Roller破砕機を用いて機械式に破砕した。破砕は、それぞれの部材で3回行われ、ローラを通過する毎にフォームを90度回転させた。物理試験用に製造された全ての部材は、一定の温度及び湿度(23±2℃、50±2%相対湿度)の室内で少なくとも7日間調整させた。
【0089】
上述したように製造したフォームパッドに関するアルデヒドエミッションはGM試験法GMW 15635-2012(GM)を用いて行った。これは、水50mLを含むPEボトルのボトルキャップから吊り下げられたフックに、幅40mm×長さ100mmの寸法のフレキシブルフォームサンプルを置くことを含む。このフォームは、水表面から40mmのところに置かれる。サンプルを含むボトルを60℃で3時間加熱する。排出されたアルデヒドは、水中に溶解し、それぞれの濃度を、公知の標準と比較することによりHPLCにより決定した。この結果を、フォームサンプル1g当たりμgで表す。この方法は、スカベンジャーなし(対照)の及び添加されたスカベンジャーを含むサンプルから排出されたアルデヒドを決定するために用いられる。
対照の及びスカベンジャーありのアルデヒドエミッションの結果を表19に示す。
【表19】
【0090】
本発明は、特定の態様又は実施形態を参照して説明されたが、本発明の範囲から逸脱することなしに、多様な変更を行え、かつその構成要素を等価のものと置き換えられることが、当業者には理解される。更に、本発明の本質的な範囲から逸脱することなしに、本発明の教示を適合させるために、多くの変更がなされてもよい。したがって、本発明は、この発明を実施するために考慮される最良の形態として開示された特別な実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれる全ての実施形態を含むものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7