特許第6793724号(P6793724)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793724
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】ソーラーアレイの展開
(51)【国際特許分類】
   B64G 1/44 20060101AFI20201119BHJP
   H02S 30/20 20140101ALI20201119BHJP
   H02S 10/40 20140101ALI20201119BHJP
【FI】
   B64G1/44 B
   H02S30/20
   H02S10/40
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-517406(P2018-517406)
(86)(22)【出願日】2016年9月14日
(65)【公表番号】特表2018-531177(P2018-531177A)
(43)【公表日】2018年10月25日
(86)【国際出願番号】US2016051567
(87)【国際公開番号】WO2017062140
(87)【国際公開日】20170413
【審査請求日】2019年5月17日
(31)【優先権主張番号】62/239,167
(32)【優先日】2015年10月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594203852
【氏名又は名称】エアロジェット ロケットダイン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ケレハー,ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】モリス,デニス
(72)【発明者】
【氏名】ノーブル,ロドニー
【審査官】 長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−194200(JP,A)
【文献】 特開平03−005300(JP,A)
【文献】 特開2014−111439(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0046394(US,A1)
【文献】 米国特許第05785280(US,A)
【文献】 米国特許第09120583(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64G 1/44
H02S 10/40
H02S 30/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーアレイの展開方法であって、
第1の抗力条件に応答してソーラーアレイの太陽電池の第1の部分を展開し、
太陽電池の第1の部分でバッテリーを充電し、
太陽電池の第1の部分を用いて第1の電力レベルで電気スラスターを作動させ、
第2の抗力条件に応答してソーラーアレイの太陽電池の第2の部分を展開し、
太陽電池の第1の部分および太陽電池の第2の部分を用いて第2の電力レベルで電気スラスターを作動させる、
ことを含み、
第2の抗力条件は、第1の抗力条件より低く、
第2の電力レベルは、第1の電力レベルより高い、ソーラーアレイの展開方法。
【請求項2】
電気スラスターを用いてソーラーアレイに取り付けられた飛行体の軌道を上昇させることをさらに含み、太陽電池の第2の部分の展開は、上昇後である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の抗力条件は、第1の高度にあり、第2の抗力条件は、より高い第2の高度にある、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
太陽電池の第1の部分の展開および太陽電池の第2の部分の展開は、ソーラーアレイを広げることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
太陽電池の第1の部分の展開はソーラーアレイを広げることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
電気スラスターと、推力を生成するために電気スラスターを作動させるように作動可能なバッテリーとを含む飛行体本体と、
飛行体本体に取り付けられたソーラーアレイと、
太陽電池の第1の部分でバッテリーを充電するように第1の抗力条件に応答してソーラーアレイの太陽電池の第1の部分を展開し、太陽電池の第1の部分を用いて第1の電力レベルで電気スラスターを作動させ、第1の抗力条件より低い第2の抗力条件に応答してソーラーアレイの太陽電池の第2の部分を展開し、太陽電池の第1の部分および太陽電池の第2の部分を用いて第2の電力レベルで電気スラスターを作動させるように構成された制御装置であって、第2の電力レベルが、第1の電力レベルより高い、制御装置と、
を備える、ソーラーアレイを有する飛行体。
【請求項7】
制御装置は、電気スラスターを用いて飛行体本体の軌道を上昇させ、次いで太陽電池の第2の部分を展開するように構成される、請求項6に記載の飛行体。
【請求項8】
第1の抗力条件は、第1の高度にあり、第2の抗力条件は、より高い第2の高度にある、請求項6に記載の飛行体。
【請求項9】
ソーラーアレイは、収納位置と展開位置との間で移動可能であり、ソーラーアレイは、収納位置に巻かれる、請求項6に記載の飛行体。
【請求項10】
飛行体本体は、人工衛星である、請求項6に記載の飛行体。
【請求項11】
制御装置は、飛行体本体に取り付けられる、請求項6に記載の飛行体。
【請求項12】
太陽電池の第1の部分は、広げることにより展開される、請求項6に記載の飛行体。
【請求項13】
ソーラーアレイの展開方法であって、
ソーラーアレイの太陽電池の第1の部分を展開し、
太陽電池の第1の部分でバッテリーを充電し、
太陽電池の第1の部分を用いて第1の電力レベルで電気スラスターを作動させ、
ソーラーアレイに取り付けられた飛行体の軌道を上昇させ、
飛行体の軌道を上昇させた後にソーラーアレイの太陽電池の第2の部分を展開し、
太陽電池の第1の部分および太陽電池の第2の部分を用いて第2の電力レベルで電気スラスターを作動させる、
ことを含み、
第2の電力レベルは、第1の電力レベルより高く、
太陽電池の第1の部分の展開は、第1の抗力条件に応答し、太陽電池の第2の部分の展開は、より低い第2の抗力条件に応答する、ソーラーアレイの展開方法。
【請求項14】
太陽電池の第1の部分の展開および太陽電池の第2の部分の展開は、ソーラーアレイを広げることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
太陽電池の第1の部分の展開は、ソーラーアレイを広げることを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ソーラーアレイの展開方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2015年10月8日に出願された出願番号第62/239,167号の米国仮特許出願の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
人工衛星などの宇宙飛行体は、推進および搭載構成要素用の電力を生成するためにソーラーアレイを含むことができる。ソーラーアレイは一般に、宇宙飛行体の打ち上げの間は収納されており、その後、電力生成のために比較的大きな表面積の太陽電池へと展開される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例によるソーラーアレイの展開方法は、第1の抗力条件に応答してソーラーアレイの太陽電池の第1の部分を展開し、太陽電池の第1の部分でバッテリーを充電し、太陽電池の第1の部分を用いて第1の電力レベルで電気スラスターを作動させ、第2の抗力条件に応答してソーラーアレイの太陽電池の第2の部分を展開する、ことを含む。第2の抗力条件は、第1の抗力条件より低い。電気スラスターは次いで、太陽電池の第1の部分および太陽電池の第2の部分を用いて第2の電力レベルで作動される。第2の電力レベルは、第1の電力レベルより高い。
【0005】
上述した実施例のいずれかのさらなる実施例は、電気スラスターを用いてソーラーアレイに取り付けられた飛行体の軌道を上昇させることを含み、太陽電池の第2の部分の展開は、上昇後である。
【0006】
上述した実施例のいずれかのさらなる実施例では、第1の抗力条件は、第1の高度にあり、第2の抗力条件は、より高い第2の高度にある。
【0007】
上述した実施例のいずれかのさらなる実施例では、太陽電池の第1の部分の展開および太陽電池の第2の部分の展開は、ソーラーアレイを広げることを含む。
【0008】
上述した実施例のいずれかのさらなる実施例では、太陽電池の第1の部分の展開はソーラーアレイを広げることを含む。
【0009】
本開示の実施例によるソーラーアレイを有する飛行体は、電気スラスターと、推力を生成するために電気スラスターを作動させるように作動可能なバッテリーとを有する飛行体本体を含む。ソーラーアレイが、飛行体本体に取り付けられ、制御装置が、太陽電池の第1の部分でバッテリーを充電するように第1の抗力条件に応答してソーラーアレイの太陽電池の第1の部分を展開し、太陽電池の第1の部分を用いて第1の電力レベルで電気スラスターを作動させ、第1の抗力条件より低い第2の抗力条件に応答してソーラーアレイの太陽電池の第2の部分を展開し、太陽電池の第1の部分および太陽電池の第2の部分を用いて第2の電力レベルで電気スラスターを作動させるように構成される。第2の電力レベルは、第1の電力レベルより高い。
【0010】
上述した実施例のいずれかのさらなる実施例では、制御装置は、電気スラスターを用いて飛行体本体の軌道を上昇させ、次いで太陽電池の第2の部分を展開するように構成される。
【0011】
上述した実施例のいずれかのさらなる実施例では、第1の抗力条件は、第1の高度にあり、第2の抗力条件は、より高い第2の高度にある。
【0012】
上述した実施例のいずれかのさらなる実施例では、ソーラーアレイは、収納位置と展開位置との間で移動可能である。ソーラーアレイは、収納位置に巻かれる。
【0013】
上述した実施例のいずれかのさらなる実施例では、飛行体本体は、人工衛星である。
【0014】
上述した実施例のいずれかのさらなる実施例では、制御装置は、飛行体本体に取り付けられる。
【0015】
上述した実施例のいずれかのさらなる実施例では、太陽電池の第1の部分は、広げることにより展開される。
【0016】
本開示の実施例によるソーラーアレイの展開方法は、ソーラーアレイの太陽電池の第1の部分を展開し、太陽電池の第1の部分でバッテリーを充電し、太陽電池の第1の部分を用いて第1の電力レベルで電気スラスターを作動させ、ソーラーアレイに取り付けられた飛行体の軌道を上昇させ、飛行体の軌道を上昇させた後にソーラーアレイの太陽電池の第2の部分を展開し、太陽電池の第1の部分および太陽電池の第2の部分を用いて第2の電力レベルで電気スラスターを作動させる、ことを含む。第2の電力レベルは、第1の電力レベルより高い。
【0017】
上述した実施例のいずれかのさらなる実施例では、太陽電池の第1の部分の展開は、第1の抗力条件に応答し、太陽電池の第2の部分の展開は、より低い第2の抗力条件に応答する。
【0018】
上述した実施例のいずれかのさらなる実施例では、太陽電池の第1の部分の展開および太陽電池の第2の部分の展開は、ソーラーアレイを広げることを含む。
【0019】
上述した実施例のいずれかのさらなる実施例では、太陽電池の第1の部分の展開は、ソーラーアレイを広げることを含む。
【0020】
本開示のさまざまな特徴および利点は、以下の詳細な説明から当業者には明らかとなるであろう。詳細な説明に付随する図面は、以下に簡単に説明できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】1つまたは複数のソーラーアレイおよび太陽電池を有する実施例の飛行体を示す図。
図2】ソーラーアレイ内の可撓性のケーブルトラックの実施例を示す図。
図3】ソーラーアレイを展開する実施例の方法を示す図。
図4】ソーラーアレイの展開のさまざまな段階による飛行体を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、実施例の飛行体20を概略的に示す。この実施例では、飛行体20は、人工衛星であるが、しかしながら、この開示が、他の種類の飛行体および宇宙飛行体に適用可能であることも理解されたい。説明するように、飛行体20は、電力の必要性を低減するためにソーラーアレイを選択的に展開するように作動可能である。
【0023】
例示的な実施例では、飛行体20は、1つまたは複数の電気スラスター24を有する飛行体本体22を含む。例えば、1つまたは複数の電気スラスター24は、ホール効果スラスターである。ホール効果スラスターは、化学スラスターに比較して低推力および高効率によって特徴付けられ得る。実際、電気スラスターは、姿勢の制御、位置の保持、打上げロケットから切り離された後の最終軌道位置への軌道の上昇を含む、さまざまな目的のために使用可能である。
【0024】
バッテリー26が、飛行体本体22に配置され、推力を生成するために1つまたは複数の電気スラスター24を作動可能とすることができ、代替として、スラスター24は、中間バッテリーを使用せずにソーラーアレイ28a/28bから直接電力を受け取ることができる。ソーラーアレイ28a/28bは、アーム30を介して飛行体本体22に取り付けられる。各アーム30は、収納位置と展開位置との間で飛行体本体22から伸長可能/収縮可能である。付加的にまたは代替として、アーム30は、アーム30が飛行体本体22に対してソーラーアレイ28a/28bを伸張および収縮させることができる入れ子式の特徴または他の構成を有することができる。
【0025】
この実施例では、飛行体20は、2つのソーラーアレイ28a/28bを含むが、しかしながら、飛行体20が、代替として1つのソーラーアレイを有することができること、またはさらなるソーラーアレイを含むことができることを理解されたい。各ソーラーアレイ28a/28bは、支持構造34に取り付けられた太陽電池32(すなわち、光電池)を含む。例えば、支持構造34は、図2にも示される、電池展開システム36および可撓性のケーブルトラック38を含む。電池展開システム36は、限定される訳ではないが、収納位置と展開位置との間でソーラーアレイ28a/28bを選択的に広げかつ折りたたむための減速装置を有するばねおよびケーブルシステムを含むことができる。完全な収納位置で、ソーラーアレイ28a/28bは、管状構成へと巻かれている。部分的または完全な展開位置では、ソーラーアレイ28a/28bは、太陽曝露のために部分的または完全に広げられる。可撓性のケーブルトラック38は、リンク38aの両端を互いに回転可能に連結する一連のリンク38aおよびピボット38bを含む。従って、各リンク38aは、可撓性のケーブルトラック38がケーブルトラックの収納位置と展開位置との間でそれ自体で転がることができるように、すぐに隣接するリンク38aに対して回転可能である。可撓性のケーブルトラック38はまた、太陽電池32に接続された1つまたは複数のケーブルを支持する。
【0026】
この実施例では、制御装置40が、ソーラーアレイ28a/28bを選択的に展開しかつ収納するように飛行体本体22に配置される。制御装置40は、この開示に従ってプログラム可能なソフトウェア、ハードウェアまたは両方を含むことができる。付加的にまたは代替として、制御装置40またはその一部は、地上に置くことができ、電波によって飛行体20と通信できる。
【0027】
一般に、宇宙飛行体上のソーラーアレイは、大面積を有し、かなりの抗力を生成する。抗力は、最大で約250〜300マイルの高度までの低い地球軌道において電気スラスターの使用では特に挑戦的である。高いレベルの抗力では、低い推力の電気スラスターは、宇宙船を操縦するのが困難でありかつ/またはあまりに大量の電力を消費するので実用的でない。しかしながら、飛行体20は、電力の必要性を低減するためにソーラーアレイを選択的に展開するように、図3に示すような、ソーラーアレイを展開する方法50を用いて使用可能である。一例として、制御装置40は、方法50を実行するために飛行体を制御するように構成可能である。
【0028】
52において、方法50は、第1の抗力条件に応答して太陽電池32の第1の部分を展開することを含む。「部分」という用語は、ストリング、ロール、パネル、ストランドまたは他の構造のうちの1つで配置される1つまたは複数の太陽電池32のことを言う。例えば、ソーラーアレイ28a/28bの一方または両方の太陽電池32の部分は、展開された太陽電池32が太陽電力を生成することできるように、展開されまたは広げられる。第1の抗力条件は、低い地球軌道などの低い高度に関連する抗力条件とすることができる。太陽電池32の部分によって生成された太陽電力は、54において、バッテリー26を充電するのに使用される。理解されるように、展開される太陽電池32の数は、抗力の大きさに基づいておよび推力を生成するなどといった1つまたは複数の目標の電気的機能を実現するように生成される所望の電力量に基づいて、選択可能である。抗力の大きさは、高度、飛行体の大きさ、およびソーラーアレイの大きさなどのデータに基づいて計算または推定可能である。方法50は、抗力の計算または推定を直接使用でき、または、抗力を表す他のデータを使用できる。
【0029】
56において、太陽電池32の第1の部分または充電されたバッテリー26は、推力を生成するように第1の電力レベルで電気スラスター24を作動させる。生成された電力は、搭載電子機器のために、または姿勢の制御または位置の保持を行なうよう電気スラスター24を作動させるために、使用可能であるが、より一般的には、飛行体20の軌道の上昇のために使用されることになる。58において、太陽電池32の第2の部分が、より低い第2の抗力条件に応答して付加的に展開される。太陽電池32の第2の部分の展開は、ソーラーアレイ28a/28bの完全な展開とすることができ、または、完全な展開には足りない中間の展開とすることができる。第2の抗力条件は、より高い高度に関連する抗力条件とすることができる。従って、1つまたは複数のソーラーアレイ28a/28bは、より高い第1の抗力条件において、ある量の電力を生成しさらに抗力の不利益を回避し、抗力に起因するエネルギー損失を低減するように、部分的にのみ展開され、抗力の不利益が少なくなるより低い第2の抗力条件において、より完全に展開される。60において、電気スラスター24は次いで、太陽電池32の第1の部分および第2の部分を用いてより高い第2の電力レベルで作動される。例えば、第2の電力レベルで、スラスター24は、第1の電力レベルにおけるより高い推力を提供できる。
【0030】
抗力条件は代替として、高度以外の要因に関連し得る。例えば、ソーラーアレイ28a/28bは、太陽の位置を追跡できる。ソーラーアレイ28a/28bは、飛行体20の移動方向に対して、面が向いている場合より、端が向いている場合の方が、少ない抗力を生成し得る。従って、ソーラーアレイ28a/28bの一方または両方は、52において、面が向いているのに関連する高い抗力条件に応答して部分的に展開されることができ、58において、端が向いているのに関連する低い抗力条件に応答してより完全に展開されることができる。
【0031】
理解できるように、太陽電池32の展開は、部分的な展開と完全な展開との間のみの漸増的な展開とすることができる。代替として、抗力条件を変えることに関連する部分的な展開の追加の漸増もあり得る。例えば、高度の増加および/またはソーラーアレイの向きの変化によって抗力が減少するのに従い、完全な展開の前に、2つ以上の部分的な展開があり得る。さらなる代替として、展開は、高度またはアレイの向きの関数として、2つの部分的な展開の間で、または部分的な展開と完全な展開との間で、連続的になり得る。従って、高度または向きは、実際の抗力の計算または推定を使用するための代用物として機能することができる。
【0032】
図4は、ソーラーアレイの展開のさまざまな段階(a)〜(i)による飛行体20を示す。飛行体20は最初、飛行体20が打上げロケットから展開された後などの、(a)完全な収納位置で示される。段階(b)、(c)、(d)において、アーム30が、完全に展開されたアーム位置に伸長される。段階(e)、(f)、(g)において、可撓性のケーブルトラック38が、完全に展開されケーブルトラック位置に広げられる。段階(h)において、1つまたは複数の電池展開システム36が、ソーラーアレイ28a/28bの太陽電池32を部分的に展開しまたは広げる(方法50の52)。この段階において、太陽電池32は、バッテリー26を充電するために電力を生成するのに使用可能であり(方法50の54)、その後、推力を生成するために電気スラスター24を作動させるように、充電されたバッテリー26または太陽電池32を使用することが続く(方法50の56)。段階(i)において、1つまたは複数の電池展開システム36は、ソーラーアレイ28a/28bの太陽電池32を完全にまたはより完全に展開する(方法50の58)。理解できるように、段階(a)〜(g)は任意選択的に、方法50の一部とすることができる。
【0033】
特徴の組み合わせが、例示的な実施例に示されているとはいえ、本開示のさまざまな実施例の利益を実現するために、それらの全てを組み合わせる必要はない。すなわち、本開示の実施例に従って設計されたシステムは、図面のいずれか1つに示された特徴の全ておよび図面に概略示された部分の全てを必ずしも含むことはない。さらに、1つの例示的な実施例の選択された特徴は、他の例示的な実施例の選択された特徴と組み合わせ可能である。
【0034】
上述した説明は、本質的に限定でなく例示である。本開示から必ずしも逸脱しない、開示された実施例への変更および修正は、当業者には明らかとなり得る。本開示に与えられる法的保護範囲は、以下の請求の範囲を検討することによってのみ決定可能である。
図1
図2
図3
図4