特許第6793731号(P6793731)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6793731傾斜取付けスロットを備えるブレーキロータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793731
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】傾斜取付けスロットを備えるブレーキロータ
(51)【国際特許分類】
   F16D 65/12 20060101AFI20201119BHJP
   F16D 55/22 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   F16D65/12 A
   F16D65/12 X
   F16D55/22 Z
【請求項の数】16
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-535125(P2018-535125)
(86)(22)【出願日】2016年12月9日
(65)【公表番号】特表2019-501352(P2019-501352A)
(43)【公表日】2019年1月17日
(86)【国際出願番号】US2016065930
(87)【国際公開番号】WO2017119989
(87)【国際公開日】20170713
【審査請求日】2019年11月28日
(31)【優先権主張番号】14/990,522
(32)【優先日】2016年1月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515260047
【氏名又は名称】エイチビー パフォーマンス システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】シャイベ,スティーヴ
【審査官】 羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0252739(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/138714(WO,A1)
【文献】 特開2002−266911(JP,A)
【文献】 実開昭62−141935(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 49/00−71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を定めるホイールと、
該ホイールに隣接して取り付けられるキャリパと、
前記ホイールと共に回転するために取り付けられ、前記キャリパによって係合可能である、ロータとを含み、
該ロータは、第1及び第2の側壁によって定められる取付スロットを含み、前記第1の側壁は、前記回転軸と実質的に交差する第1の軸を定め、前記第2の側壁は、前記第1の軸と実質的に平行な第2の軸を定める、
ディスクブレーキシステム。
【請求項2】
前記ロータを前記ホイールに固定するために前記取付スロット内に位置付けられる取付ポストを更に含む、請求項1に記載のディスクブレーキシステム。
【請求項3】
前記取付ポストは、前記取付スロット内に位置付けられ、前記第1の側壁と係合するように位置付けられる外面を有する、実質的に円筒形の部分を含む、請求項2に記載のディスクブレーキシステム。
【請求項4】
前記取付スロットは、前記取付スロットの第1の端を定め、半円筒形の形状を有する、第1の端壁を更に含む、請求項1に記載のディスクブレーキシステム。
【請求項5】
前記取付スロットは、前記取付スロットの第2の端を定め、半円筒形の形状を有する、第2の端壁を更に含む、請求項4に記載のディスクブレーキシステム。
【請求項6】
前記ロータは、前記回転軸の周りに実質的に均等に円周方向に離間させられる複数の取付スロットを含む、請求項1に記載のディスクブレーキシステム。
【請求項7】
前記ロータは、5つの取付スロットを含む、請求項1に記載のディスクブレーキシステム。
【請求項8】
前記取付スロットは、幅と、該幅よりも少なくとも10%大きい長さとを有する、請求項1に記載のディスクブレーキシステム。
【請求項9】
前記取付スロットは、少なくとも1.5度の角度で前記ホイールの径方向軸と交差する中心軸を定める、請求項1に記載のディスクブレーキシステム。
【請求項10】
ディスクブレーキシステムのためのブレーキロータであって、
対向する制動面を有し、回転軸を定める、本体部分と、
該本体部分から径方向に延び、第1及び第2の側壁によって定めらる取付スロットを含む、取付部分とを含み、
前記第1の側壁は、前記回転軸と実質的に交差する第1の軸を定め、前記第2の側壁は、前記第1の軸と実質的に平行な第2の軸を定める、
ブレーキロータ。
【請求項11】
前記取付スロットは、前記取付スロットの第1の端を定め、半円筒形の形状を有する、第1の端壁を更に含む、請求項10に記載のブレーキロータ。
【請求項12】
前記取付スロットは、前記取付スロットの第2の端を定め、半円筒形の形状を有する、第2の端壁を更に含む、請求項11に記載のブレーキロータ。
【請求項13】
当該ブレーキロータは、前記回転軸の周りに均等に円周方向に離間させられる複数の取付スロットを含む、請求項10に記載のブレーキロータ。
【請求項14】
当該ブレーキロータは、5つの取付スロットを含む、請求項10に記載のブレーキロータ。
【請求項15】
前記取付スロットは、幅と、該幅よりも少なくとも10%大きい長さとを有する、請求項10に記載のブレーキロータ。
【請求項16】
前記取付スロットは、少なくとも1.5度の角度で当該ブレーキロータの径方向軸と交差する中心軸を定める、請求項10に記載のブレーキロータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、車両ブレーキ(vehicle brake)に関し、具体的には、ディスクブレーキシステム(disk brake system)におけるブレーキロータマウント(brake rotor mounts)に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクブレーキシステムは、典型的には、車両ホイール(vehicle wheel)に取り付けられるブレーキロータと、車両フレーム又はサスペンションに取り付けられるブレーキキャリパ(brake caliper)とを有する。キャリパがロータに制動力(ブレーキ力)を加えると、ロータは加熱して膨張する。ロータがホイールに剛的に固定されるならば、そのような熱膨張はロータを反らせ得る。この問題を軽減するために、現代のディスクブレーキシステムのロータは、一般的には、ロータとホイールとの間にある程度の量の動き又は「浮動(float)」を許容するようにホイールに取り付けられる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、回転軸を定めるホイールと、ホイールに隣接して取り付けられるキャリパと、ホイールと共に回転するために取り付けられ、キャリパによって係合可能である、ロータとを含む、ディスクブレーキシステムを提供する。ロータは、第1の側壁及び第2の側壁によって定められる取付スロットを含み、第1の側壁は、回転軸と実質的に交差する第1の軸を定め、第2の側壁は、第1の軸と実質的に平行な第2の軸を定める。好ましくは、取付スロットは、少なくとも1.5度、好ましくは少なくとも2.0度、より好ましくは約2.5〜3.9度の角度でホイールの径方向軸と交差する、中心軸を定める。
【0004】
ディスクブレーキシステムは、ロータをホイールに固定するために取付スロット内に位置付けられる取付ポストも含むことができる。取付ポストは、好ましくは、取付スロット内に位置付けられる実質的に円筒形の部分と、第1の側壁と係合するように位置付けられる外面とを有する。
【0005】
1つの実施形態において、取付スロットは、取付スロットの第1の端を定め、半円筒形の形状を有する、第1の端壁と、取付スロットの第2の端を定め、半円筒形の形状を有する、第2の端壁とを更に含む。ロータは、回転軸の周りに実質的に均等に円周方向に離間させられる複数の(例えば、5つの)取付スロットを含むことができる。好ましくは、取付スロットは、幅と、幅よりも少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは約20%大きい長さとを有する。
【0006】
本発明の他の態様は詳細な記述及び添付の図面の考察から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明を具現するブレーキロータを有する車両を例示している。
【0008】
図2図1のオートバイで使用されるホイール及びロータの部分の斜視図である。
【0009】
図3図2のロータの分解斜視図である。
【0010】
図4図2の線4−4に沿って取られた断面図である。
【0011】
図5図2のロータの平面図である。
【0012】
図6図5の部分の拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の如何なる実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の記述中に示し或いは以下の図面に例示するコンポーネント(構成要素)の構造及び配置に限定されないことが理解されるべきである。本発明は他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施可能又は実行可能である。
【0014】
図1は、ホイール12(wheels)と、ホイール12に制動力(braking force)を加える制動システム(braking system)とを有する、車両10(vehicle)を例示している。ATBを例示しているが、スノーモービル、UTV、オートバイ、自動車のような、他の車両にも本発明の着想を適用し得ることが理解されるべきである。制動システムは、ハンドルバー18(handlebars)に取り付けられたブレーキレバー16(brake levers)と、ブレーキレバー16から延びるブレーキライン20(brake lines)と、車両フレーム又はフォークに取り付けられたブレーキキャリパ(brake calipers)(図示せず)と、回転軸25について回転するようホイール12に取り付けられたブレーキロータ24(brake rotors)とを含む。本発明は、ロータ24をホイール12に固定する構造に向けられている。
【0015】
例示のロータ24の各々は、当該技術分野で知られているように、所望の制動力を提供するために対応するキャリパ22によって係合されるように構成されるディスク部分26を含む。5つの取付タブ28が円周方向に均等に離間させられ、ディスク部分26から径方向内向きに延びて、ロータ24をホイール12に取り付ける手段を提供する。各取付タブ28は、ロータ24をホイール12に固定する取付アセンブリ32を受け入れるような寸法にされる細長い取付スロット30(mounting slot)を含む。
【0016】
例示の実施形態において、取付アセンブリ32は、取付リベット34(mounting rivet)と、カバーワッシャ36(cover washer)と、取付リベット34及びカバーワッシャ36を通じてホイール12に螺装される取付スタッド38(mounting stud)とを含む。取付リベット34及びカバーワッシャ36は、対応する取付けタブ28(mounting tab)を挟む。バネワッシャ40(spring washers)及びスラストワッシャ42(thrust washers)が取付リベット34とロータ24との間に及びカバーワッシャ36とロータ24との間に位置付けられ、ロータ24を車両ホイール12に対して付勢し、振動減衰(vibration damping)をもたらす。
【0017】
図6を参照すると、取付スロット30は、取付スロット30内の取付リベット34の動きを案内する第1及び第2の側壁44,46によって定められる。第1の側壁44は、取付リベット34の縁を定め、回転軸25と実質的に交差する第1の案内軸50に沿って取付リベット34の縁を案内し、第2の側壁46は、取付リベット34の反対側の縁を定め、第1の案内軸50と実質的に平行な第2の案内軸52に沿って取付リベット34の反対側の縁を案内する。中心軸54が第1の案内軸50と第2の案内軸52との間に定められる。各々の例示の取付スロット30(即ち、中心軸54によって方向的に定められるような各々の例示の取付スロット30)は、ホイール12の対応する径方向軸56に対して傾斜し或いは傾いている。例示の実施形態において、(例えば、対応する中心軸54によって定められる)各取付スロット30は、取付スロット30の中心を通じて延びる径方向軸56に対して約3.9度傾斜している。取付スロット30の精密な角度は僅かに異なることができ、スロットの幅及びホイール12の回転軸25からのスロットの径方向距離に少なくとも部分的に依存することができる。例えば、本発明の着想がより大きなロータ(例えば、320mm)に適用されるとき、取付スロットはより小さな角度(例えば、約2.5度)を有する。
【0018】
例示の取付スロット30は、取付スロット30の第1の端を定め、半円筒形の形状を有する、第1の端壁60と、取付スロット30の第2の端を定め、半円筒形の形状を有する、第2の端壁62とを更に含む。取付スロットは、約13.8mmの幅と、約16.6mmの長さとを有する。これに関して、長さは幅よりも約20%大きいことを見ることができる。
【0019】
本発明の様々な構成及び利点を後続の請求項に示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6