特許第6793743号(P6793743)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793743
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】作動アーム駆動装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 1/12 20060101AFI20201119BHJP
   E05F 1/14 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   E05F1/12
   E05F1/14 A
【請求項の数】22
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-544897(P2018-544897)
(86)(22)【出願日】2017年2月24日
(65)【公表番号】特表2019-506552(P2019-506552A)
(43)【公表日】2019年3月7日
(86)【国際出願番号】AT2017060046
(87)【国際公開番号】WO2017143378
(87)【国際公開日】20170831
【審査請求日】2018年10月22日
(31)【優先権主張番号】A50147/2016
(32)【優先日】2016年2月26日
(33)【優先権主張国】AT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フィリプ シュルーゲ
【審査官】 秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/050749(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/129154(WO,A1)
【文献】 特表2009−510284(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0084944(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第10203269(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/10−1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具(3)のフラップ(4)を駆動するための、旋回可能に支持された少なくとも1つの作動アーム(2)用の作動アーム駆動装置(1)であって、互いに枢着結合された複数のレバー(6,7,8,9,10)を備えており、該レバー(6,7,8,9,10)は、少なくとも部分的に、前記家具(3)に取り付けられたハウジング(5)内に収容されており、前記作動アーム(2)に力を加えるまたは前記作動アーム(2)を形成するレバーは、少なくとも前記作動アーム駆動装置(1)の開放位置において、前記ハウジング(5)の端面(51)から突出している、作動アーム駆動装置(1)において、
当該作動アーム駆動装置(1)の閉鎖位置において、互いに枢着結合された少なくとも2つのレバー(6,7)が、前記ハウジング(5)の長辺(52)から突出しており、
前記閉鎖位置において、前記フラップ(4)に結合可能なレバー(10)と、該レバー(10)に枢着結合されたレバー(7)と、該レバー(7)に他端において枢着結合されたレバー(6)とが、側面図において略Z字形に配置されており、
当該作動アーム駆動装置(1)の、互いに枢着結合された前記レバーによって、7ジョイント機構が形成され、
前記7ジョイント機構は、第1の旋回軸線(S1)を中心にして前記ハウジング(5)に旋回可能に支持された1つの主レバー(6)と、該主レバー(6)に旋回可能に支持された2つの中間レバー(7,8)と、前記2つの中間レバー(7,8)のうちの1つの中間レバーに、かつ第2の旋回軸線(S2)を中心にして前記ハウジング(5)に旋回可能に支持された1つのガイドレバー(9)と、前記2つの中間レバー(7,8)に旋回可能に支持された1つの保持レバー(10)とを有している、
ことを特徴とする、作動アーム駆動装置(1)。
【請求項2】
前記長辺(52)は、前記端面(51)に直接接続している、請求項1記載の作動アーム駆動装置(1)。
【請求項3】
当該作動アーム駆動装置(1)の前記開放位置において、互いに枢着結合された少なくとも2つの前記レバー(6,7)が、前記ハウジング(5)の前記端面(51)から突出している、請求項1または2記載の作動アーム駆動装置(1)。
【請求項4】
少なくとも前記主レバー(6)および/または前記2つの中間レバー(7,8)のうちの1つの中間レバーが、横断面において異形成形されて形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の作動アーム駆動装置(1)。
【請求項5】
少なくとも前記主レバー(6)および/または前記2つの中間レバー(7,8)のうちの1つの中間レバーが、ほぼU字形の異形材に相当する横断面形状をもって異形成形されている、請求項記載の作動アーム駆動装置(1)。
【請求項6】
前記2つの中間レバー(7,8)が、かつ/または前記主レバー(6)と前記2つの中間レバー(7,8)とが、互いに入れ子式に配置されており、
前記2つの中間レバー(7,8)は、運動方向に対して横方向に、ほぼ隙間なしにオーバラップしている、請求項1から5までのいずれか1項記載の作動アーム駆動装置(1)。
【請求項7】
前記ガイドレバー(9)と、該ガイドレバー(9)に旋回可能に結合されている前記2つの中間レバー(7,8)とが、互いに入れ子式に配置されている、請求項からまでのいずれか1項記載の作動アーム駆動装置(1)。
【請求項8】
前記ハウジング(5)の高さ方向長さは、前記ハウジング(5)の長手方向長さよりも短い、請求項1からまでのいずれか1項記載の作動アーム駆動装置(1)。
【請求項9】
前記ハウジング(5)の高さ方向長さは、前記ハウジング(5)の長手方向長さよりもほぼ半分だけ短い、請求項記載の作動アーム駆動装置(1)。
【請求項10】
当該作動アーム駆動装置(1)は、蓄力器(11)を有しており、該蓄力器(11)は、当該作動アーム駆動装置(1)の、前記ハウジングに旋回可能に支持された少なくとも1つのレバーに作用し、
前記蓄力器(11)は、少なくとも1つのばね(12)の形態で形成されており、該ばね(12)は、前記ハウジング(5)の取付け状態において寝かされて前記ハウジング(5)内に取り付けられている、請求項1からまでのいずれか1項記載の作動アーム駆動装置(1)。
【請求項11】
当該作動アーム駆動装置(1)は、電気式に駆動される、請求項1から10までのいずれか1項記載の作動アーム駆動装置(1)。
【請求項12】
当該作動アーム駆動装置(1)は、電動機によって駆動される、請求項11記載の作動アーム駆動装置(1)。
【請求項13】
当該作動アーム駆動装置(1)の前記閉鎖位置において、前記作動アーム(2)に力を加えるまたは前記作動アーム(2)を形成するレバーが、1つの端面(51)と、別の端面(56)との間に配置されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の作動アーム駆動装置(1)。
【請求項14】
前記1つの端面(51)は、前記ハウジング(5)の前端面(51)である、請求項13記載の作動アーム駆動装置(1)。
【請求項15】
前記別の端面(56)は、前記ハウジング(5)の後端面(56)である、請求項13または14記載の作動アーム駆動装置(1)。
【請求項16】
前記フラップ(4)に予め取り付けられた取付けプレート(41)と、取り外し可能な係止手段(42)とが設けられており、該係止手段(42)を介して前記作動アーム(2)は、前記取付けプレート(41)に取り外し可能に結合可能である、請求項1から15までのいずれか1項記載の作動アーム駆動装置(1)。
【請求項17】
当該作動アーム駆動装置(1)の前記閉鎖位置において、以下に記載のレバー、すなわち、前記フラップ(4)に結合可能なレバー(10)と、該レバー(10)に枢着結合されたレバー(7)と、該レバー(7)に他端において枢着結合された別のレバー(6)とのうち、前記フラップ(4)に結合可能な前記レバー(10)と、前記別のレバー(6)とが、ほぼ互いに平行に位置している、請求項1から16までのいずれか1項記載の作動アーム駆動装置(1)。
【請求項18】
家具本体(30)と、請求項1から17までのいずれか1項記載の作動アーム駆動装置(1)と、少なくとも1つの家具フラップ(4)とを備えた家具(3)。
【請求項19】
前記家具本体(30)は、本体カバー(31)を有しており、前記作動アーム駆動装置(1)のハウジング(5)は、前記家具本体(30)への取付け状態において、前記ハウジング(5)の長辺(52)と直接隣接して前記本体カバー(31)の下に取り付けられている、請求項18記載の家具(3)。
【請求項20】
前記ハウジング(5)は、前記家具本体(30)への取付け状態において、2cm未満の間隔をあけて、前記本体カバー(31)の下に取り付けられている、請求項19記載の家具(3)。
【請求項21】
前記作動アーム駆動装置(1)の前記閉鎖位置において、前記作動アーム(2)に力を加えるまたは前記作動アーム(2)を形成するレバーが、ほぼ完全に前記家具本体(30)の内部に配置されている、請求項18から20までのいずれか1項記載の家具(3)。
【請求項22】
前記レバーが、前記家具本体(30)と面一に終わっている、請求項21記載の家具(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の特徴を備えた、旋回可能に支持された少なくとも1つの作動アーム用の作動アーム駆動装置、およびこのような作動アーム駆動装置を備えた家具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、可動の家具部分用の複数の作動アーム駆動装置が公知である。可動の家具部分用のこのような作動アーム駆動装置は、通常、可動の家具部分に結合された少なくとも1つの旋回アームを有しており、このまたはこれらの旋回アームは、作動アーム駆動装置のハウジング内に収容されている。
【0003】
従来技術において公知の汎用の作動アーム駆動装置における欠点としては、このような作動アーム駆動装置を備えた家具の内部での、作動アームのレバーを収容するために形成されるハウジングの所要空間の増大が挙げられる。さらに、作動アームの、ハウジングの複数の側から突出するレバーは、使用者にとって、家具内へのアクセルを阻止し、かつ怪我のおそれとなることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、上述した欠点が発生しない、作動アーム駆動装置および家具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1に記載の特徴を備えた作動アーム駆動装置、および少なくとも1つのこのような作動アーム駆動装置を備えた家具によって解決される。本発明の好適な実施形態は、従属請求項に定義されている。
【0006】
この課題は、本発明によれば、作動アーム駆動装置の閉鎖位置において、互いに枢着結合された少なくとも2つのレバーが、ハウジングの、好ましくは端面に直接接続している長辺から突出していることによって解決される。作動アームの閉鎖位置は、作動アームの互いに枢着結合されたレバーの旋回位置に相当し、この旋回位置では、例えば家具のフラップは閉鎖された位置にある。ハウジングの端面とは、作動アーム駆動装置の開放位置で家具の開放方向を向いているか、または作動アーム駆動装置の閉鎖位置で家具のフラップの内側を向いている、ハウジング側であると理解することができる。作動アームに力を加えるまたは作動アームを形成する、互いに枢着結合されたレバーは、作動アーム駆動装置の閉鎖位置において、互いに内外に入れ子式のまたは互いに折り畳まれた配置形態を有することができる。互いに枢着結合された少なくとも2つのレバーが、ハウジングの長辺から突出していることによって、ハウジングは、作動アーム駆動装置の閉鎖位置においてレバーが完全にハウジング内に収容されている場合に比べて、大幅に小さな構造寸法を有することができる。
【0007】
さらに好ましくは、作動アーム駆動装置の開放位置において、互いに枢着結合された少なくとも2つのレバーは、ハウジングの端面から突出していてよい。これによって、一方では、ハウジングの長辺が、突出する部分またはレバーがない状態になるという構成を得ることができる。これは、作動アーム駆動装置の外観に対してポジティブな影響を及ぼすことができ、他方では、このような作動アーム駆動装置を備えた家具内への妨げられないアクセスを可能にすることができる。家具の内室および作動アーム駆動装置自体は、通常、作動アーム駆動装置の開放位置においてのみ、使用者は見ることができるので、このような作動アーム駆動装置は、視覚的に魅力のある、かつ極めて空間を節減する構成を有する。
【0008】
ハウジングは、側面図において、略方形の形状を有していてよい。これによって、作動アーム駆動装置のハウジングの特にコンパクトな構造形態を形成することができる。ハウジングの方形の形状は、さらに、ハウジングの端面および長辺の直線的に延びる構成を可能にすることができ、これによって例えば方向付けおよび取付けを容易にすることができる。
【0009】
さらに、作動アーム駆動装置の、互いに枢着結合されたレバーによって、7ジョイント機構が形成されてよい。これは、家具の上方旋回フラップを駆動するための作動アーム駆動装置の使用時に、特に好適であることがある。
【0010】
7ジョイント機構は、第1の旋回軸線を中心にしてハウジングに旋回可能に支持された1つの主レバーと、主レバーに旋回可能に支持された2つの中間レバーと、中間レバーのうちの1つの中間レバーに、かつ第2の旋回軸線を中心にしてハウジングに旋回可能に支持された1つのガイドレバーと、中間レバーに旋回可能に支持された1つの保持レバーとを有している。7ジョイント機構のこのような構成によって、作動アーム駆動装置の特に好適な構成を達成することができる。
【0011】
さらに好ましくは、少なくとも主レバーおよび/または中間レバーのうちの1つの中間レバーが、横断面において異形成形されて、好ましくは略U字形の異形材に相当する横断面形状をもって異形成形されて、形成されていてよい。主レバーの、横断面において異形成形された構成によって、作動アーム駆動装置の特にねじり剛性が高い、ひいては安定した構成を得ることができる。略U字形の異形材に相当する横断面形状の場合には、該当するレバーを略一体に形成することができる。
【0012】
また好ましくは、中間レバーが、かつ/または主レバーと中間レバーとが、互いに入れ子式に配置されていてよい。レバーの入れ子式の配置形態では、追加的に、作動アームに力を加えるまたは作動アームを形成するレバーの比較的小さな所要空間を得ることができる。
【0013】
さらに好ましくは、中間レバーは、運動方向に対して横方向に、ほぼ隙間なしにオーバラップしていてよい。これによって、作動アーム駆動装置のコンパクトに作用する外観、および使用者の指の挟込みを防止する効果的な保護を達成することができる。
【0014】
また好ましくは、ガイドレバーと、ガイドレバーに旋回可能に結合されている中間レバーとが、互いに入れ子式に配置されていてよい。これらのレバーの入れ子式の配置形態によって、作動アームまたは作動アーム駆動装置の可能な旋回領域および所要空間を最適化することができる。
【0015】
ハウジングの形状は、略直方体形状に形成されていてよい。直方体形状のハウジングは、ハウジングの内部領域の最適な使用可能性の点で、および直線的に延びる側面または端面の点で優れている。
【0016】
ハウジングの高さ方向長さは、ハウジングの長手方向長さよりも短く、好ましくは、ハウジングの長手方向長さよりもほぼ半分だけ短い構成が可能である。
【0017】
さらに、ハウジングの長手方向長さは、28cm以下、好ましくは25cm以下、特に好ましくは19cm以下であってよい。
【0018】
さらに、作動アーム駆動装置は、蓄力器を有しており、蓄力器は、作動アーム駆動装置の、ハウジングに旋回可能に支持された少なくとも1つのレバーに作用することが好適であると判明している。蓄力器によって、ハウジングに旋回可能に支持されたレバーに、作動アーム駆動装置の開放運動および/または閉鎖運動を促進する力を加えることができる。
【0019】
好ましくは、蓄力器は、少なくとも1つのばねの形態で形成されており、ばねは、ハウジングの取付け状態において寝かされてハウジング内に取り付けられている。ばねの形態で蓄力器を形成することによって、蓄力器の、特に単純でかつメンテナンス容易な構成を得ることができる。ハウジングの取付け状態においてばねが寝かされて取り付けられていることによって、ハウジングの特に好適な形状および位置を得ることができる。
【0020】
また好ましくは、蓄力器は、ハウジングに旋回可能に支持された変向レバーを介して、作動アーム駆動装置に作用することができる。これによって、作動アーム駆動装置への力の導入を、簡単に、かつ場合によっては変向レバーの異なった伝達比の使用によって適合可能に構成することができる。またこれによって、ハウジングの形状、特に長さを、蓄力器の寸法に合わせて最適化することができる。
【0021】
原則的には、作動アーム駆動装置は、電気式に、好ましくは電動機によって駆動されてよい。
【0022】
家具本体、作動アーム駆動装置および少なくとも1つの家具フラップを備えた家具に対しても保護が求められる。少なくとも1つの作動アーム駆動装置が、家具の、家具本体によって形成された内室内で、家具本体に固定されており、かつ作動アーム駆動装置は、家具の、少なくとも1つの家具フラップを駆動するようになっていてよい。
【0023】
家具本体は、本体カバーを有しており、作動アーム駆動装置のハウジングは、家具本体における取付け状態において、ハウジングの長辺に直接隣接して、好ましくは2cm未満の間隔をあけて、本体カバーの下に取り付けられていてよい。家具本体における作動アーム駆動装置のこのように位置決めされた取付け状態によって、家具本体によって形成される内室の最適な空間利用と、使用者による内室内への妨げのないアクセスとを達成することができる。
【0024】
次に、本発明のさらなる詳細および利点を、図面に示された実施形態を参照しながら図面の記載について詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1a】家具を示す斜視図である。
図1b】家具を切断して示す斜視図である。
図2a】作動アーム駆動装置の1つの位置で、家具を切断して示す側面図である。
図2b】作動アーム駆動装置の別の位置で、家具を切断して示す側面図である。
図2c】作動アーム駆動装置のさらに別の位置で、家具を切断して示す側面図である。
図2d】作動アーム駆動装置のさらに別の位置で、家具を切断して示す側面図である。
図3】作動アーム駆動装置を示す斜視図である。
図4a】1つの旋回位置における作動アーム駆動装置を示す側面図である。
図4b】別の旋回位置における作動アーム駆動装置を示す側面図である。
図4c】さらに別の旋回位置における作動アーム駆動装置を示す側面図である。
図5a】作動アーム駆動装置を切断して示す側面図である。
図5b図5aに示された作動アーム駆動装置を示す詳細図である。
図6】作動アーム駆動装置の2つのレバーを示す側面図である。
図7a】家具を切断して示す側面図である。
図7b】家具を切断して示す側面図である。
図7c】家具を切断して示す側面図である。
図7d】家具を切断して示す側面図である。
図8】第1の調節位置における作動アーム駆動装置を備えた家具を示す側面図である。
図8a】第1の調節位置における作動アーム駆動装置を備えた家具を示す詳細図である。
図9】第2の調節位置における作動アーム駆動装置を備えた家具を示す側面図である。
図9a】第2の調節位置における作動アーム駆動装置を備えた家具を示す詳細図である。
図10】1つの調節位置における作動アーム駆動装置を備えた家具を示す別の側面図である。
図10a】別の調節位置における作動アーム駆動装置を備えた家具を示す別の詳細図である。
図11】家具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1aには、家具本体30を備えた家具3が示されており、家具本体30の内室内には本体カバー31の下に、2つの作動アーム駆動装置1が取り付けられている。作動アーム駆動装置1の作動アーム2には、可動のフラップ4が固定されており、これによってフラップ4は、作動アーム駆動装置1を用いて家具本体30に旋回可能に支持されている。作動アーム駆動装置1は、ハウジングカバー55を備えたハウジング5を介して家具本体30に固定されている。
【0027】
図1bには、図1aに示した家具3が切断されて斜視図で示されており、作動アーム駆動装置1は、ハウジング5のハウジングカバー55なしに示されている。既に述べたように、フラップ4は、作動アーム駆動装置1の作動アーム2に固定されている。
【0028】
図2a〜図2dには、旋回可能に支持されたフラップ4を備えた家具3の開放運動の経過、または逆の順序で閉鎖運動の経過が示されている。図2aには、作動アーム駆動装置1の閉鎖位置が示されており、この閉鎖位置において家具本体30は、フラップ4によって閉鎖される。図2aの実施形態に示されているように、作動アーム駆動装置1は、互いに枢着結合された複数のレバーを備えた、旋回可能に支持された作動アーム2を有しており、ここでは、ハウジング5に旋回可能に支持された主レバー6の部分、この主レバー6に旋回可能に支持された中間レバー7の部分、およびフラップ4固定するために形成された保持レバー10の一部を見ることができる。作動アーム駆動装置1の図示された閉鎖位置では、主レバー6および主レバー6に枢着結合された中間レバー7、ならびに保持レバー10は、ハウジング5の長辺52から突出している。作動アーム駆動装置1のハウジング5の、フラップ4の内側に向けられた端面51は、図示の実施形態の閉鎖位置では、作動アーム2の突出しているレバーから自由であり、かつ家具本体30と略面一に終わっている。図示された実施形態において、作動アーム駆動装置1のハウジング5は、長辺52に接続する前側の端面51と、長辺52に接続する別の後側の端面56とを有している。また図2aには、ここではハウジング5の長辺52から部分的に突出しているレバー6,7,10の略Z字形の配置形態(点線または破線)を認識することができる(これについては図7aも参照)。
【0029】
図2bには、部分的に開放されたフラップ4を備えた家具3が示されている。作動アーム駆動装置1の、フラップ4を保持する作動アーム2は、閉鎖位置から部分的に外方旋回している。作動アーム2の、開放位置の方向に旋回したこの位置では、作動アーム2の、互いに枢着結合されたレバーは、ハウジング5の長辺52から部分的に、かつハウジング5の端面51から部分的に突出している。主レバー6の他に、互いに内外に入れ子式に配置された中間レバー7,8および両中間レバー7,8に旋回可能に支持された保持レバー10が見える。また図2bにおいては、フラップ4に予め取付け可能な取付けプレート41を認識することができる。フラップ4は、取付けプレート41を用いて作動アーム2に、特に作動アーム2の保持レバー10に固定可能である。保持レバー10における取付けプレート41を用いたフラップ4の取付けは、例えばクリップ機構の形態の係止手段42によって、取り外し可能かつ固定可能に行うことができる。取付けプレート41のさらなる詳細は、図7bおよび図11からも見て取ることができる。
【0030】
図2cには、開放位置の方向にさらに旋回した家具フラップ4を備えた家具3が示されている。フラップ4を保持する作動アーム2は、開放位置の方向にさらに旋回しているので、主レバー6および互いに内外に入れ子式に配置された中間レバー7,8ならびに保持レバー10の他に、ハウジング5に旋回可能に支持されたガイドレバー9も見える。これらのレバーによって、図示のように、入れ子式の7ジョイント機構(Siebengelenk-Kinematik)が形成されている。作動アーム2のこの旋回位置では、ハウジング5の長辺52は、突出するレバーが既にない状態であり、これによって使用者は、家具3の内室へのアクセスを明らかに容易に行うことができる。したがって、作動アーム2を形成するレバーは、作動アーム駆動装置1の、開放位置に近いこの旋回位置では、単にハウジング5の端面51からより大きく突出しているだけである。
【0031】
図2dには、完全に開放されたフラップ4を備えた家具3が示されている。作動アーム駆動装置1の作動アーム2は、作動アーム2を形成するレバーがハウジング5の端面51から突出していることによって特徴付けられる開放位置にある。作動アーム駆動装置1の閉鎖位置とは異なり、ハウジング5の、端面51に直接接続している長辺52は、作動アーム駆動装置1の開放位置では、突出しているレバーのない状態である。
【0032】
図3には、ハウジングカバーが取り外された状態で、作動アーム駆動装置1が斜視図で示されている。作動アーム駆動装置1の向きは、先行する図面において示された家具3内の取付け位置にほぼ相当している。作動アーム駆動装置1のハウジング5内には蓄力器11が収容されており、この蓄力器11は、寝かされて取り付けられた、略水平に延びるばね12と、ばね12に枢着結合されていてかつハウジング5に旋回可能に支持された変向レバー13と、変向レバー13に旋回可能に結合された伝達レバー14とを備えている。また、作動アーム駆動装置1は、閉鎖運動時に作動アーム2の旋回運動を緩衝するための緩衝装置24を有している。図3に示す実施形態では、作動アーム2は、作動アーム駆動装置1の第1の旋回軸線S1を中心にして旋回可能にハウジング5に支持された主レバー6と、主レバー6に旋回可能に支持された2つの中間レバー7,8と、第2の中間レバー8にかつ第2の旋回軸線S2を中心にしてハウジング5に旋回可能に支持されたガイドレバー9と、中間レバー7,8に旋回可能に支持された保持レバー10とから形成されている。ガイドレバー9は、第1のレバー91と、第1のレバー91に結合された第2のレバー92と、ここでは見えない第3のレバー93とから形成されている。主レバー6および第1の中間レバー7は、略U字形の異形材に対応する異形成形された横断面を有しており、かつ互いに内外に入れ子式に配置されている。さらに、第1の中間レバー7と第2の中間レバー8とが、互いに内外に入れ子式に配置されており、これはまた第2の中間レバー8とガイドレバー9とにも該当する。全体として、主レバー6、中間レバー7,8およびガイドレバー9の入れ子式の配置形態によって、作動アーム2の特に安定した構成を、特に小さな必要空間で得ることできる。主レバー6には、蓄力器11から力導入エレメント16を介して力が加えられる。力導入エレメント16は、蓄力器11の伝達レバー14と、主レバー6に旋回可能に取り付けられた調節装置15とに旋回可能に結合されている。力導入エレメント16の力導入箇所x1は、主レバーにおいて旋回軸線S1の下に配置されており、これによって蓄力器11から主レバー6にトルクが効果的に作用し、これによって作動アーム2は、外的な作用なしに、開放位置の方向に旋回する。
【0033】
図4aには、ハウジングカバーが取り外された状態で、作動アーム駆動装置1が側面図で示されている。作動アーム駆動装置1の作動アーム2は、図示のように閉鎖位置にあり、このとき作動アーム2がアクティブに閉鎖位置に押されるように、蓄力器11から伝達レバー14を介して作動アーム2の主レバー6に力が作用する。したがって、蓄力器11から生じる力の作用線は、主レバー6の旋回軸線S1との関係で(旋回軸線S1の上で)、主レバー6が、調節装置15を用いて主レバー6に結合された力導入エレメント16を介して閉鎖位置にアクティブに旋回しかつ閉鎖位置に保持されるように、伝達レバー14に沿って延びている。調節装置15は、主レバー6に回転可能に支持されたねじ付きスピンドル20(これについては図5aも参照)と、ねじ付きスピンドル20および主レバー6において略直線的に形成されたガイド軌道22内に移動可能に支持された溝滑子21と、溝滑子21および力導入エレメント16に枢着結合された中間部材23とを備えた形態で形成されている。ねじ付きスピンドル20、溝滑子21および中間部材23は、少なくとも部分的に、異形成形された主レバー6の内部領域に配置されている。力導入エレメント16を接触させるために、主レバー6の端面18には接触輪郭17が形成されており、調節装置15は、力導入エレメント16が接触輪郭17に沿って移動するように形成されている。
【0034】
図4bには、部分的に閉鎖位置から外に旋回した作動アーム2を備えた作動アーム駆動装置1が示されている。図4aとの比較によって、作動アーム2の、7ジョイント機構を形成するレバーの入れ子式構造を認識することができる。作動アーム2のこの旋回位置では、主レバー6に作用する力の、蓄力器11の伝達レバー14に沿って延びる作用線は、主レバー6の旋回軸線S1との関係で(旋回軸線S1の下で)、作動アーム2がさらに開放位置の方向に押されるように延びている。作動アーム2の旋回運動に対しておいて2つの中間レバー7,8がほぼ隙間なしに横方向にオーバラップしていることも、明瞭に認識することができる。図4cには、開放位置にある作動アーム2を備えた作動アーム駆動装置1が示されている。作動アーム2を形成するレバーは、作動アーム駆動装置1のハウジング5の端面51から突出している。図示のように、調節装置は、力導入エレメント16が接触輪郭17において第1の力導入箇所x1に位置決めされている調節位置にある。この調節位置において、主レバー6の旋回軸線S1と第1の力導入箇所x1との間の間隔(半径方向)は、最大の大きさであり、これによって蓄力器11から大きな力が作動アーム2に作用する。さらに、旋回軸線S1の方向には、調節装置15の別の調節位置が配置されており、この調節位置において、概略的に示された力導入エレメントは、第2の力導入箇所x2に位置している(これに対しては図9aも参照)。主レバー6の接触輪郭17における力導入エレメント16の力導入箇所の移動は、作動アーム駆動装置の開放位置で、伝達レバー14に沿って延びる力の作用線に対して略横方向に行われる。作動アーム駆動装置1によって駆動されるフラップ4を備えた家具3と共に、作動アーム駆動装置1を図7dに示すように使用する場合には、これには、調節装置15の調節が、フラップ4に作用する力に直接対応する(作動アーム2に対する、フラップ4の重量によって加えられる力の補償)という利点がある。
【0035】
図5aには、作動アーム2の、図4cに示した旋回位置のような旋回位置における作動アーム駆動装置1が、切断されて側面図で示されている。この図5aには、ハウジング5内に収容された蓄力器11の他に、端面18のうちの1つの端面に形成された接触輪郭17を備えた主レバー6が示されている。同様に、この断面図には、調節装置15の個別部材が示されている。特に、これは、主レバー6に形成された支持箇所28に回転可能に支持されたねじ付きスピンドル20およびねじ付きスピンドル20に支持された溝滑子21、ならびに溝滑子21および力導入エレメント16に旋回可能に結合された中間部材23である。ねじ付きスピンドル20の回転時に、回動不能に支持された溝滑子21は、スピンドルに沿って、主レバー6の、ここでは見えないガイド軌道22上を移動することができ、このとき、溝滑子21に旋回可能に結合された中間部材23、および力導入エレメント16が一緒に移動し、かつ蓄力器11の伝達レバー14によって力が加えられ、これによって力導入エレメント16は接触輪郭17の他の箇所に位置するようになる。
【0036】
作動アーム2のそれぞれの旋回位置における効果的なカモフラージュおよび挟込み防止を保証するために、覆い29が設けられており、この覆い29は、ハウジング5または作動アーム2自体において旋回時に生じる開口を覆う。
【0037】
さらに図5aには、ガイドレバー9の第2のレバー92と、ガイドレバー9の軸ピン27の間に取り付けられ誤差補償のために働く第3のレバー93とが示されている。これについては、以下でさらに詳しく述べる。
【0038】
図5bには、作動アーム駆動装置1の、図5aに示した断面図が詳細に示されている。図5bには、特に調節装置15の部分と、ガイドレバー9のレバーのうちの2つのレバーとが示されている。すなわち、ガイドレバー9のうち、旋回軸線S1を形成するハウジング側の軸ピン27と、第2の中間レバー8を旋回可能に支持するように働く別の軸ピン27とを備えた第2のレバー92が示されている。波形形状を有する第3のレバー93は、一方の端部に軸孔25を有しており、この軸孔25によって第3のレバー93は、別の軸ピン27に受け止められている。第3のレバー93は、他方の端部に凹部26を有しており、この凹部26を用いて第3のレバー93は、旋回軸線S1を形成する軸ピン27に旋回またはクリップ結合(aufklipsen)されている。ハウジング5またはレバーの支持箇所における、軸ピン27の、場合によっては製造誤差に基づいて存在する半径方向遊びが補償されるように、ばね弾性的に変形したレバー93によって軸ピン27が離反方向に拡開されるようになっていてよい。
【0039】
図6には、第1のレバー91と第3のレバー93とが示されている。また、第1のレバー91と第2のレバー92の形状が同一に形成されている場合には、第1のレバー91の説明は、第2のレバー92の説明にも対応することができる。第1のレバー91は、2つの軸孔25を有しており、両軸孔25の中心は、第1の基準間隔d1を有している。第1のレバー91の(または第2のレバー92の)旋回可能な支持を保証できるようにするために、軸孔25は、その中に収容されるように設けられた軸ピン27(ここには図示せず)よりも僅かに大きな孔直径を有することができる。湾曲された波形形状を有する第3のレバー93は、本実施形態では同様に2つの軸孔25を有しているが、両軸孔25の中心は、第1の基準間隔d1とは異なる第2の基準間隔d2を有している。ガイドレバー9が、第1のレバー91と、第2のレバー92と、好ましくは第1のレバー91と第2のレバー92との間に配置された第3のレバー93とから成っている場合、第3のレバー93には、第1の基準間隔d1に対する伸張または圧縮によって予荷重が加えられ、その結果、第3のレバー93は、取り付けられた状態でその予荷重を維持する。これによって、個々のレバーから成るガイドレバー9を安定させることができる。
【0040】
図7a〜図7dには、図2a〜図2dと同様に、開放順序または逆の順序で、作動アーム駆動装置1によって駆動されるフラップ4を備えた家具3の閉鎖動作が示されており、作動アーム駆動装置1は、ハウジングカバー55なしに示されている。
【0041】
図8および図8aには、ほぼ完全に開放されたフラップ4を備えた家具3が側面図および詳細図で示されている。図8aの範囲Aから分かるように、作動アーム駆動装置1の調節装置15は、第1の調節位置にあり、この第1の調節位置において、力を蓄力器11から主レバー6に導入する力導入エレメント16は、主レバー6に形成された接触輪郭17に沿って第1の力導入箇所x1にある。ねじ付きスピンドルによってガイド軌道22内を移動可能な溝滑子21は、調節装置15のこの第1の調節位置では、図示のように、ガイド軌道22の、接触輪郭17から離れた第1の端部に位置しており、これにより、力導入エレメント16との溝滑子21の、中間部材23を用いて生じる結合によって、力導入エレメント16は、接触輪郭17において、旋回軸線S1から離された力導入箇所x1に位置している。
【0042】
図9および図9aには、ほぼ完全に開放されたフラップ4を備えた家具3が側面図および詳細図で示されており、図9aの範囲Aに示すように、作動アーム駆動装置1の調節装置15は、第2の調節位置にある。ねじ付きスピンドル20に支持された溝滑子21は、この第2の調節位置において、ガイド軌道22の、接触輪郭17に向いた第2の端部に位置しており、これにより、力導入エレメント16との溝滑子21の、中間部材23を介して生じる結合によって、力導入エレメント16は、接触輪郭17に沿って、旋回軸線S1に近付いた第2の力導入箇所x2に位置している。第1の調節位置(図8および図8a参照)とは異なり、調節装置15のこの第2の調節位置では、主レバー6に加わるトルクは最小であり、したがって、この調節位置は、小さな自重を有するフラップ4の重量を補償するのに適している。
【0043】
図8図8a、図9および図9aにおいて明瞭に認識できるように、接触輪郭17は、凹面状に湾曲された形状を有しており、この形状は、蓄力器11からの力の、伝達レバー14に沿って延びる作用線に対して、略横方向に、かつこの作用線に対して傾いて延びている。接触輪郭17の湾曲した構成によって、一方では、調節装置15の移動時に、かつこれに関連した、蓄力器11から主レバー6に作用する力の移動時に、蓄力器11のばね12のばね予荷重が、伝達レバー14の、調節装置15の移動に関連した旋回によって、ほぼ変化しないままになることを達成することができる。これによって、閉鎖位置と開放位置との間の作動アーム駆動装置1のそれぞれの旋回位置において、力導入エレメント16が接触輪郭17に沿って常に等しい方向に押されることも達成することができ、これによって、作動アーム駆動装置1の操作時に望ましくない負荷交番を回避することができる。作動アーム駆動装置の、先行する図面に示した実施形態では、これは特に、力導入エレメント16が接触輪郭17に沿って、開放位置と閉鎖位置との間の作動アーム駆動装置1のそれぞれの旋回位置において、ほぼ常に旋回軸線S1の方向に押されることを意味しており、これによって、調節装置には常に引張り力が加わる。仮に力導入エレメント16が接触輪郭17に沿って押される方向が反転すると、特に調節装置15の負荷の方向変化(負荷交番)が発生することになり、これによって、作動アーム駆動装置1の望ましくない不安定性が生じ、かつ場合によっては、作動アーム駆動装置1の、反転遊びによって生じる騒音が発生することになる。
【0044】
図10および図10aには、開放位置にあるフラップ4を備えた家具3が側面図および詳細図で示されており、図10aの範囲Aには、蓄力器11から主レバー6に作用する力の、伝達レバー14に沿って延びる作用線が示されている。調節装置15の第1の調節位置では、力導入エレメント16は、第1の力導入箇所x1において接触輪郭17に沿って位置している。接線t1は、第1の力導入箇所x1における接触輪郭17の傾斜を示す。仮に接触輪郭17が直線的に形成されていると、力導入エレメント16は、調節装置15の移動時に接線t1に沿って移動することになる。これによって、第2の力導入箇所x2においては、第2の力導入箇所x2に向かって延びる作用線と、接触輪郭に対する接線との間に、鈍角の(90°よりも大きな)角度βが生じることになる。これに対して、接触輪郭17が湾曲されて形成されると、特に力の作用線に対して凹面状に湾曲されると、力導入箇所x2への力の作用線と、接触輪郭17の、接線t2によって示した傾斜との間に形成される角度αを、鋭角(90°よりも小さな角度)にすることができる。
【0045】
図11には、家具本体30に取り付けられた作動アーム駆動装置1を備えた家具3が、斜視図で示されている。作動アーム駆動装置1の作動アーム2の図示の位置は、作動アーム駆動装置1の部分的に開放されたまたは部分的に閉鎖された位置に相当する。より良好に見えるようにするために、図11においてフラップ4の図示は省かれている。取付けプレート41は、示された図面において保持レバー10から取り外されて示されており、かつフラップ4に予め取り付けられることができる。さらに、保持レバー10における取付けプレート41の取付けは、例えば係止手段42を用いて、取り外し可能かつ固定可能に行うことができる。このような係止手段42は、例えば出願人によって公知のクリップ結合装置として形成されていてよい。取付けプレート41は、略面状にフラップ4の内面に接触するように取付け可能である。これによって、例えばフライス加工部の形成のような、フラップ4の面倒な加工を省くことができる。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
図8
図8a
図9
図9a
図10
図10a
図11