特許第6793812号(P6793812)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6793812自動車用の駐車場を監視するためのコンセプト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793812
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】自動車用の駐車場を監視するためのコンセプト
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20201119BHJP
【FI】
   G08G1/14 A
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-504729(P2019-504729)
(86)(22)【出願日】2017年6月30日
(65)【公表番号】特表2019-523506(P2019-523506A)
(43)【公表日】2019年8月22日
(86)【国際出願番号】EP2017066271
(87)【国際公開番号】WO2018019513
(87)【国際公開日】20180201
【審査請求日】2019年3月19日
(31)【優先権主張番号】102016213982.7
(32)【優先日】2016年7月29日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(72)【発明者】
【氏名】ノルドブルッフ,シュテファン
【審査官】 武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0133125(US,A1)
【文献】 特開2012−208833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用の駐車場(301)を監視するためのシステム(101)であって
駐車場(301)内で所定のレベルを備える無線信号を送信するための無線送信機(103)と、
駐車場(301)内で無線信号を受信するための無線受信機(105)と、
受信した無線信号のレベルを測定するための測定装置(107)と、
測定されたレベルと所定のレベルとを比較するためのプロセッサ(109)と
前記駐車場(301)のセンサ画像を撮影するための1つ以上の画像センサと
を備え、
該プロセッサ(109)が、比較に基づいて、物体が駐車場(301)内に位置しているかどうかを決定するように構成され
前記プロセッサ(109)が、撮影されたセンサ画像に基づいて、物体が前記駐車場(301)内に位置しているかどうかを決定するように構成され、
前記プロセッサ(109)が、撮影されたセンサ画像に基づいた決定により、物体が前記駐車場(301)内に位置していることが明らかになった場合にのみ、測定されたレベルと所定のレベルとを比較し、比較に基づいて、無線送信機と無線受信機との間に物体が位置しているかどうかを決定するように構成されている、自動車用の駐車場(301)を監視するためのシステム(101)。
【請求項2】
請求項に記載のシステム(101)において、
さらに前記プロセッサ(109)が、比較に基づいた決定の結果を、撮影されたセンサ画像に基づいた決定の結果と比較するか、又はその逆に、比較するように構成されている、システム(101)。
【請求項3】
請求項又はに記載のシステム(101)において、
前記プロセッサ(109)が、比較に基づいた決定により、物体が前記駐車場(301)内に位置していることが明らかになった場合にのみ、撮影されたセンサ画像に基づいて、物体が前記駐車場(301)内に位置しているかどうかを決定するように構成されている、システム(101)。
【請求項4】
請求項1からまでのいずれか一項に記載のシステム(101)において、
前記無線送信機(103)が無線信号としてWLAN信号を送信するように構成されており、前記無線受信機(105)がWLAN信号を受信するように構成されている、システム(101)。
【請求項5】
請求項1からまでのいずれか一項に記載のシステム(101)において、
前記プロセッサ(109)が、比較に基づいて、前記駐車場(301)内に位置している物体の数を決定するように構成されている、システム(101)。
【請求項6】
求項に記載のシステム(101)において、
前記プロセッサ(109)が、撮影されたセンサ画像に基づいて、駐車場(301)内に位置している物体の数を決定し、この数を、比較に基づいて決定された駐車場(301)内に位置している物体の数と比較するように構成されている、システム(101)。
【請求項7】
請求項1からまでのいずれか一項に記載のシステム(101)を使用して自動車用の駐車場(301)を監視する方法であって、
無線送信機(103)及び無線受信機(105)が、駐車場(301)内に互いに離間して配置されており、
無線送信機(103)によって無線信号を送信するステップ(201)と、
無線受信機(105)によって無線信号を受信するステップ(203)と、
測定装置(107)によって、受信された無線信号のレベルを測定するステップ(205)と、
1つ以上の画像センサによって、駐車場(301)のセンサ画像を撮影するステップと、
プロセッサ(109)によって、測定されたレベルと所定のレベルとを比較するステップ(107)と、
プロセッサ(109)によって、比較に基づいて、物体が駐車場(301)内に位置しているかどうかを決定するステップと
プロセッサ(109)によって、撮影されたセンサ画像に基づいて、物体が駐車場(301)内に位置しているかどうかを決定するステップと、
撮影されたセンサ画像に基づいた決定により、物体が駐車場(301)内に位置していることが明らかになった場合にのみ、プロセッサ(109)によって、測定されたレベルと所定のレベルとを比較し、比較に基づいて、無線送信機と無線受信機との間に物体が位置しているかどうかを決定するステップと
を含む、方法。
【請求項8】
請求項1からまでのいずれか一項に記載のシステム(101)を含む、自動車用の駐車場(301)。
【請求項9】
コンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムがコンピュータで実施された場合に、請求項に記載の方法を実施するためのプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車用の駐車場を監視するためのシステムに関する。本発明は自動車用の駐車場を監視するための方法に関する。さらに、本発明は自動車用の駐車場に関する。本発明はコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第102013222071号明細書は駐車場管理システムを示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の基礎をなす課題は、自動車用の駐車場を効率的に監視するためのコンセプトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、独立請求項のそれぞれの対象によって解決される。本発明の好ましい実施形態がそれぞれ従属請求項の対象である。
【0005】
一態様によれば、自動車用の駐車場を監視するためのシステムは、
駐車場内で所定のレベルを備える無線信号を送信する無線送信機と、
駐車場内で無線信号を受信するための無線受信機と、
受信した無線信号のレベルを測定するための測定装置と、
測定されたレベルと所定のレベルとを比較するためのプロセッサと
を備え、
プロセッサは、比較に基づいて、物体が駐車場内に位置しているかどうかを決定するように構成されている。
【0006】
別の態様によれば、自動車用の駐車場を監視するためのシステムを使用して自動車用の駐車場を監視する方法が提供され、無線送信機及び無線受信機は駐車場内に互いに離間して配置されており、当該方法は、
無線送信機によって無線信号を送信するステップと、
無線受信機によって無線信号を受信するステップと、
測定装置によって、受信された無線信号のレベルを測定するステップと、
プロセッサによって、測定されたレベルと所定のレベルとを比較するステップと、
比較に基づいて、プロセッサによって物体が駐車場内に位置しているかどうかを決定するステップとを含む。
【0007】
別の態様によれば、自動車用の駐車場を監視するためのシステムを含む自動車用の駐車場が提供される。
【0008】
さらなる態様によれば、コンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムがコンピュータで実施された場合に、自動車用の駐車場を監視するための方法を実施するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラムが提供される。
【0009】
本発明は、物体が単に存在することによって無線信号に影響を及ぼすか、又は無線信号を妨害することができるという認識に基づいている。したがって、送信された無線信号は、直接経路で無線受信機に到達し、到着することができるだけはない。むしろ受信機にはさらに時間的にずれて物体で反射されたエコー信号が到着することができる。これにより、直接の無線信号と時間的にずれて反射された様々なエコー信号との混合が生じる。この混合された無線信号のレベルは、一般に直接経路で、影響、偏向、又は反射されることなしに無線受信機に到着する無線信号のレベルよりも弱い。
【0010】
この現象は、「多経路受信」(英語で「マルチパス」)という概念で知られている。すなわち、無線送信機の電磁波(ここでは無線信号)がリフレクタ(ここでは例えば1つ以上の物体)によって偏向され、異なる経路で無線受信機に到着した場合には、無線受信機で多経路受信が生じる場合がある。これにより、既に上述したように、直接の信号と、時間的にずれて反射する様々なエコー信号との混合が生じる。この混合信号のレベルは一般に直接経路の信号よりも弱く、このことは英語で「マルチパスフェージング」と呼ばれる。
【0011】
すなわち、無線送信機から送信される無線信号は、無線送信機から無線受信機へ様々な経路で到達することができる。その理由は、例えば、無線信号の伝搬領域に位置している1つ以上の物体における反射、屈折、散乱、又は回折である。
【0012】
したがって、これらの異なる長さの伝送経路によって、無線信号は何回も時間的にずれて無線受信機に到着する場合がある。無線受信機で生じる個々のエコー信号は、減衰及び進んだ距離に応じて様々な振幅及び所要時間を有する。既に上述したように、混合信号のレベルは、一般に直接経路をとった無線信号のレベルよりも弱い。
【0013】
したがって、好ましくは、測定されたレベルと所定のレベルとの比較に基づいて、物体が駐車場内に位置しているかどうかを効率的に決定することができる。
【0014】
例えば、測定されたレベルが所定のレベルに対応している場合には、例えば、物体が無線信号に影響を及ぼしていないか、又は無線信号を妨害していないと仮定することができる。この場合、特に物体が駐車場内に位置していないと決定することができる。
【0015】
これに対して、測定されたレベルが所定のレベル未満である場合には、1つ以上の物体が送信された無線信号に影響を及ぼしたか、又は無線信号を妨害したと仮定することができる。この場合、好ましくは、1つ以上の物体が駐車場内に位置していると決定することができる。
【0016】
特に、物体が無線信号に影響を及ぼさないか、又は無線信号を妨害しない場合にも、実際に既に存在する無線信号の減衰が考慮される。
【0017】
より多くの物体が駐車場内に位置しており、送信された無線信号に影響を及ぼすか、又は無線信号を妨害することができればできるほど、それだけいっそう所定のレベルに対する測定されたレベルの減衰は特に強度になる。したがって、特に好ましくは駐車場内に位置している物体の数を決定することができる。
【0018】
したがって、これにより、自動車用の駐車場を効率的に監視するための有効なコンセプトが得られるという技術的な利点がもたらされる。
【0019】
一実施形態によれば、駐車場のセンサ画像を撮影するためのさらに1つ以上の画像センサが設けられており、プロセッサは、撮影されたセンサ画像に基づいて、物体が駐車場内に位置しているかどうかを決定するように構成されている。
【0020】
これにより、例えば、物体が駐車場内に位置しているかどうかを決定するための付加的な可能性が得られるという技術的な利点がもたらされる。この場合、好ましくは駐車場を効率的に監視することができる。
【0021】
画像センサは、例えば次のいずれか1つのセンサ:レーダセンサ、ライダーセンサ、ビデオセンサ、赤外線センサ、超音波センサ、磁気センサである。
【0022】
したがってレーダセンサはレーダ画像を撮影する。したがってライダーセンサはライダー画像を撮影する。したがってビデオセンサはビデオ画像を撮影する。したがって赤外線センサは赤外線画像を撮影する。したがって超音波センサは超音波画像を撮影する。したがって磁気センサは磁気画像を撮影する。したがって、センサ画像は、例えばレーダ画像、ライダー画像、ビデオ画像、赤外線画像、超音波画像及び/又は磁気画像である。
【0023】
一実施形態では、同様に形成されているか、又は異なるように形成された複数の画像センサが設けられている。
【0024】
一実施形態によれば、さらにプロセッサが、比較に基づいた決定の結果を、撮影されたセンサ画像に基づいた決定の結果と比較するか、又はその逆に、比較するように構成されている。
【0025】
これにより、特に、それぞれの結果を互いに効率的に妥当性確認又は検証することができるという技術的な利点がもたらされる。したがって、両方の結果が同じである場合には、実際にも物体が駐車場内に位置していると仮定することができる。結果が異なる場合には、例えば、比較もしくは撮影されたセンサ画像に基づいて決定するステップがもう一度実施される。
【0026】
一実施形態では、プロセッサは、比較に基づいた決定により物体が駐車場内に位置していることが明らかになった場合にのみ、撮影されたセンサ画像に基づいて、物体が駐車場内に位置しているかどうかを決定するように構成されている。
【0027】
これにより、特に監視を効率的に行うことができるという技術的な利点が得られる。比較に基づいた決定の肯定的な結果が、撮影されたセンサ画像に基づいて決定するステップをトリガ、すなわち誘起する。
【0028】
比較に基づいた決定の肯定的な結果とは、物体が駐車場の範囲内に位置していることを意味する。プロセッサは、受信した無線信号のレベルのレベル分析によって、肯定的な結果が得られた場合には、物体が駐車場内に位置しているかどうかについて、撮影されたセンサ画像が分析される。これにより、好ましくは計算時間を節約することができる。
【0029】
一実施形態によれば、プロセッサは、撮影されたセンサ画像に基づいた決定により、物体が駐車場内に位置していることが明らかになった場合にのみ、測定されたレベルと所定のレベルとを比較し、比較に基づいて、無線送信機と無線受信機との間に物体が位置しているかどうかを決定するように構成されている。
【0030】
これにより、特に監視を効率的に行うことができるという技術的な利点が得られる。したがって、この実施形態によれば、撮影されたセンサ画像に基づいた決定の肯定的な結果が、比較に基づいた決定のステップをトリガ又は誘起する。撮影されたセンサ画像に基づいた決定の肯定的な結果とは、物体が駐車場内に位置していることを意味する。プロセッサは、センサ画像の分析によって肯定的な結果が得られた場合にのみ、物体が駐車場内に位置しているかどうかについて、測定されたレベルを分析する。これにより、好ましくは計算時間を節約することができる。
【0031】
一実施形態では、無線送信機は無線信号としてWLAN信号を送信するように構成されており、無線受信機はWLAN信号を受信するように構成されている。
【0032】
これにより、特に、例えばWLAN信号によって無線通信が可能であるという技術的な利点がもたらされる。
【0033】
無線送信機は、例えばWLAN機器である。
【0034】
無線受信機は、例えばWLAN機器である。
【0035】
例えば、無線送信機及び無線受信機によって無線通信ネットワークが構成されている。
【0036】
無線信号は、例えば無線通信信号である。
【0037】
無線信号は、例えば、WLAN無線信号である。
【0038】
例えば、無線送信機及び無線受信機によってWLAN通信ネットワークが構成されている。
【0039】
WLAN信号は、例えばWLAN通信信号である。
【0040】
すなわち、特に駐車場内に無線通信ネットワークが構成されている。例えば駐車場内にWLAN通信ネットワークが構成されている。
【0041】
すなわち、特に好ましくは無線通信が駐車場内で可能になっている。特に好ましくは、WLAN通信が駐車場内で可能になっている。
【0042】
行われている無線通信の範囲で、例えば、通信に加えて、受信した通信信号のレベルが、送信された通信信号の所定のレベルと比較され、比較に基づいて、物体が駐車場内に位置しているかどうかが決定される。
【0043】
既に提供されている駐車場の無線通信インフラストラクチャは、好ましくは通信に加えて、駐車場を効率的に監視するために、特に物体が駐車場内に位置しているかどうかを決定するために有効に利用することができる。
【0044】
一実施形態によれば、プロセッサは、比較に基づいて、駐車場内に位置している物体の数を決定するように構成されている。
【0045】
これにより、特にどのくらい多くの物体が駐車場内に位置しているかを効率的に検出できるという技術的な利点が得られる。
【0046】
より多くの物体が駐車場内に位置しており、送信された無線信号に影響を及ぼすか、又は無線信号を妨害することができればできるほど、それだけいっそう所定のレベルに対する測定されたレベルの減衰は特に強度になる。したがって、特に好ましくは駐車場内に位置している物体の数を効率的に決定することができる。
【0047】
一実施形態によれば、プロセッサは、撮影されたセンサ画像に基づいて、駐車場内に位置している物体の数を決定し、この数を、比較に基づいて決定された駐車場内に位置している物体の数と比較するように構成されている。
【0048】
これにより、特に駐車場を効率的に監視することができるという技術的な利点がもたらされる。特に、それぞれの結果(駐車場内に位置している物体のそれぞれ決定された数)を互いに妥当性確認又は検証することができる。
【0049】
したがって、それぞれの数が同じ場合には結果が正しいと仮定することができる。例えば、物体の異なる数が決定された場合には、例えば、比較又は撮影されたセンサ画像に基づいた決定ステップがもう一度行われる。
【0050】
一実施形態では、自動車用の駐車場を監視するためのシステムは、自動車用の駐車場を監視する方法を実施又は実行するように構成されている。
【0051】
システムの特徴は、対応する方法の特徴から得られ、またその逆もいえる。すなわち、システムの技術的な機能は方法の対応する技術的な機能から得られ、またその逆もいえる。
【0052】
別の実施形態では、プロセッサは、比較に基づいた決定の結果に基づいて、もしくは撮影されたセンサ画像に基づいた決定の結果に基づいて、駐車場内の自動車を遠隔制御によりガイドするように構成されている。このように遠隔制御により自動車をガイドすることは、特に自動車を駐車場に入れること及び/又は駐車場から出すことを含む。したがって、一実施形態によれば、プロセッサは自動車を遠隔制御するように構成されている。
【0053】
別の実施形態では、プロセッサは、比較に基づいた決定の結果に基づいて、もしくは撮影されたセンサ画像に基づいた決定の結果に基づいて、自動車のためのガイドデータを決定し、これらのガイドデータに基づいて駐車場内で自動車を自立的に運転することができる。このようなガイドデータは、例えば自動車によって自立的に運転されるべき目標軌道の目標軌道データ、駐車場のデジタルマップのマップデータ、及び駐車場内に位置している物体の物体データを含む。ガイドデータは、好ましくは通信インターフェイスによって無線通信ネットワークを介して自動車に送信される。すなわち、プロセッサは、一実施形態によれば自動車のためのガイドデータを決定するように構成されている。
【0054】
無線通信ネットワークは、例えば、無線送信機及び無線受信機によって構成されている上述の無線通信ネットワークである。
【0055】
本発明の範囲では、物体は、例えば自動車、歩行者、自動車運転者又は動物である。「物体」について単数形が使用されている場合には、常に複数形であるとも読み取られるべきであり、またその逆もいえる。
【0056】
本発明の範囲では駐車場は駐車平面と呼ぶこともでき、自動車を止める平面としての役割を果たすことができる。したがって、駐車場は、特に複数の駐車スペース(私有地の駐車場の場合)を有する関連した平面又は顧客駐車場(公有地の駐車場の場合)を形成する。駐車場は、一実施形態によれば立体駐車場として形成されている。駐車場は、一実施形態によればガレージとして形成されている。
【0057】
一実施形態によれば、駐車場は、1つ以上の画像センサを含む。
【0058】
一実施形態によれば、駐車場は、駐車場を監視するための1つ以上の周辺認識センサを含む。本明細書の範囲では、周辺認識センサは、例えば次のいずれか1つの周辺認識センサ:レーダセンサ、ライダーセンサ、ビデオセンサ、赤外線センサ、超音波センサ、磁気センサ、光電センサを含む。
【0059】
これにより、特に駐車場を効率的に監視することができるという技術的な利点が得られる。
【0060】
「もしくは」という表現は、特に「及び/又は」という表現を含む。
【0061】
次に本発明を好ましい実施例に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】自動車用の駐車場を監視するためのシステムを示す図である。
図2】自動車用の駐車場を監視する方法のフロー図である。
図3】自動車用の駐車場を示す図である。
【0063】
図1は、自動車用の駐車場を監視するためのシステム101を概略的なブロック図で示す。
【0064】
システム101は、
駐車場内で所定のレベルを備える無線信号を送信するための無線送信機103と、
駐車場内で無線信号を受信するための無線受信機105と、
受信された無線信号のレベルを測定するための測定装置107と、
測定されたレベルと所定のレベルとを比較するためのプロセッサ109と
を備え、
プロセッサ109は、比較に基づいて、物体が駐車場内に位置しているかどうかを決定するように構成されている。
【0065】
無線送信機103及び無線受信機105は互いに離間して配置されており、特に駐車場内に互いに離間して配置されている。
【0066】
図2は、自動車用の駐車場を監視する方法のフロー図を示す。
【0067】
この方法では、前述又は後述のように、自動車用の駐車場を監視するためのシステムが使用され、例えば、図1に示すシステム101が使用される。
【0068】
方法は、
無線送信機によって無線信号を送信するステップ201と、
無線受信機によって無線信号を受信するステップ203と、
測定装置によって、受信された無線信号のレベルを測定するステップ203と、
プロセッサによって、測定されたレベルと所定のレベルとを比較するステップ207と、
比較に基づいて、プロセッサによって物体が駐車場内に位置しているかどうかを決定するステップ209と
を含む。
【0069】
図3は、自動車用の駐車場301を示す。
【0070】
駐車場301は図1のシステム101を含む。無線送信機103及び無線受信機105は、駐車場301内で互いに離隔して配置されている。
【0071】
したがって、本発明は1つ以上の画像センサによって撮影されたセンサ画像を、特に受信した無線信号のレベルの測定に基づいて、及び、送信された無線信号の所定のレベルとの適宜な比較に基づいて検証するという思想を特に含む。
【0072】
一般的に、駐車場内には既に無線通信ネットワークが確立されている。本発明は、特に駐車場を監視するために無線通信信号を付加的に使用する。すなわち、特に、受信した通信信号のレベルが測定され、測定されたレベルと送信された通信信号の所定のレベルとが比較される。比較に基づいて、特に物体が駐車場内に位置しているかどうかが決定される。
【0073】
すなわち、例えばWLAN通信信号である無線通信信号に基づいて、人が駐車場内もしくは駐車場の特定の範囲内にいるかどうか、又は存在しているどうかを分析することができる。特定の範囲は、例えば駐車平面又は駐車列である。
【0074】
この情報もしくはこの結果は、例えば画像センサ装置の結果、すなわち、画像センサの結果と比較される。
【0075】
一実施形態では、センサ画像に基づいた決定の結果が比較に基づいた決定の結果によって検証される。すなわち、例えば、画像分析の結果にしたがって、特に無線受信機及び無線送信機を含む無線通信インフラストラクチャが検証又は確認を要求される。
【0076】
一実施形態では、無線通信インフラストラクチャは、物体の検出時に画像センサシステム、すなわち1つ以上の画像センサをトリガする。これは、特に無線通信インフラストラクチャにおいて自身の結果の検証を要求していない場合である。
図1
図2
図3