(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記成分Bは、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド)コポリマーAMP、及び(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル)コポリマーAMPからなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項1に記載の整髪剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の整髪剤組成物は、フィチン酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、アルキルアクリルアミド及び/又はジアセトンアクリルアミドとをモノマー成分として用いて得られるアクリルポリマー、増粘剤、並びに水を少なくとも含む。なお、本明細書において、上記フィチン酸を「成分A」、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、アルキルアクリルアミド及び/又はジアセトンアクリルアミドとをモノマー成分として用いて得られるアクリルポリマーを「成分B」、上記増粘剤を「成分C」、上記水を「成分D」と称する場合がある。また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを「モノマー成分B1」、上記アルキルアクリルアミド及び/又はジアセトンアクリルアミドを「モノマー成分B2」と称する場合がある。
【0016】
本発明の整髪剤組成物は、亜硫酸塩及び/又はエチドロン酸若しくはその塩を含むことが好ましい。また、本発明の整髪剤組成物は、ノニオン性界面活性剤を含むことが好ましい。また、本発明の整髪剤組成物は、酢酸トコフェロール及び/又はエデト酸塩を含むことが好ましい。本明細書においては、上記亜硫酸塩及び/又はエチドロン酸若しくはその塩を「成分E」、上記ノニオン性界面活性剤を「成分F」、上記酢酸トコフェロール及び/又はエデト酸塩を「成分G」と称する場合がある。
【0017】
すなわち、本発明の整髪剤組成物は、成分A、成分B、成分C、及び成分Dを少なくとも含む。本発明の整髪剤組成物は、さらに、成分E、成分F、及び成分Gを含むことが好ましい。他の成分を含んでいてもよい。また、本発明の整髪剤組成物に含まれる各成分、例えば、成分A、成分B、成分C、成分D、成分E、成分F、成分G、及び他の成分は、それぞれ、1種のみが用いられていてもよく、2種以上が用いられていてもよい。
【0018】
[成分A:フィチン酸]
成分Aは、フィチン酸であり、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第16版,第2巻,2016年,p.2724)で「Phytic Acid」と表記される化合物である。
【0019】
成分Aは、市販品を用いることもできる。成分Aの市販品としては、例えば、築野ライスファインケミカルズ社製、商品名「フィチン酸」が挙げられる。
【0020】
本発明の整髪剤組成物100質量%中の、成分Aの含有量は、特に限定されないが、0.01〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.02〜1.0質量%である。上記含有量が0.01質量%以上であると、経時的な粘度低下の抑制効果が一層向上するため好ましい。一方、上記含有量が2.0質量%を超えると、成分Aが成分Cの増粘効果を阻害する場合がある。
【0021】
[成分B:モノマー成分B1及びモノマー成分B2をモノマー成分として用いて得られるアクリルポリマー]
成分Bは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(モノマー成分B1)、並びに、アルキルアクリルアミド及び/又はジアセトンアクリルアミド(モノマー成分B2)をモノマー成分として用いて得られるアクリルポリマーである。すなわち、成分Bは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(モノマー成分B1)に由来する構成単位、並びにアルキルアクリルアミド及び/又はジアセトンアクリルアミド(モノマー成分B2)に由来する構成単位を含むポリマーである。成分Bは、被膜を形成し、整髪力を付与する成分として機能する。ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の内、一方又は両方を意味する。成分Bは、1種のみが用いられていてもよく、2種以上が用いられていてもよい。成分Bとしては、本発明においては、成分Bのナトリウム塩(以下、Naと略す)、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩(以下、AMPと略す)、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩(以下、AMPDと略す)であってもよい。
【0022】
好ましい成分Bとしては、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー[INCI名:
ACRYLATES/DIACETONEACRYLAMIDE COPOLYMER]、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド)コポリマーAMP[INCI名:AMP−ACRYLATES/C1−18 ALKYL ACRYLATE/C1−8 ALKYL ACRYLAMIDE COPOLYMER]、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP[INCI名:AMP−ACRYLATES/DIACETONEACRYLAMIDE COPOLYMER]、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル)コポリマーAMP[INCI名:AMP−ACRYLATES/C1−18 ALKYL ACRYLATE/C1−8 ALKYL ACRYLAMIDE/HYDROXYETHYLACRYLATE COPOLYMER]等が挙げられる。
【0023】
成分Bは、市販品を用いることもできる。(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーの市販品としては、例えば、商品名「プラスサイズL−6345U」、商品名「プラスサイズL−53」、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド)コポリマーAMPの市販品としては、例えば、商品名「プラスサイズL−9909U」、「プラスサイズL−9909B」、商品名「プラスサイズL−9715」、商品名「プラスサイズL−6740B」、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMPの市販品としては、例えば、商品名「プラスサイズL−6330」、商品名「プラスサイズL−6466」、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル)コポリマーAMPの市販品としては、例えば、商品名「プラスサイズL−9700」(いずれも互応化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0024】
本発明の整髪剤組成物100質量%中の、成分Bの含有量は、特に限定されないが、0.1〜15.0質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5.0質量%である。上記含有量が0.1質量%以上であると、整髪力がより向上するため好ましい。上記含有量が15.0質量%を超えると製剤安定性が低下したり、整髪後にフレーキングが生じたりする場合がある。上記成分Bの含有量は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分Bの合計の含有量である。
【0025】
[成分C:増粘剤]
成分Cは、増粘剤であり、主として系を増粘させる効果を有する。このため、本発明の整髪剤組成物を増粘し、例えば、組成物を手に取って使用する場合等に垂れ落ちにくく取扱い性に優れる、ジェル状やグリース状等の性状・剤型とすることができる。成分Cは、1種のみが用いられていてもよく、2種以上が用いられていてもよい。
【0026】
成分Cとしては、通常整髪剤組成物に用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム等の天然高分子増粘剤;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系増粘剤;カルボキシビニルポリマー等のアクリル系増粘剤等が挙げられる。上記の中でも、透明性やぬるつきの低さ等の観点からアクリル系増粘剤が好ましい。
【0027】
成分Cは、製剤安定性及び毛髪上での延展性を向上させる観点から、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群より選ばれた少なくとも2種のモノマーを用いて得られるポリマー(成分C1)、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群より選ばれた少なくとも1種のモノマーと、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル、イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及びネオデカン酸ビニルからなる群より選ばれた少なくとも1種のモノマーとを用いて得られるポリマー(成分C2)、並びにカルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマー(成分C3)からなる群より選ばれた少なくとも1種を含有することが好ましい。なお、成分C1、成分C2、及び成分C3も、それぞれ1種のみが用いられていてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0028】
成分C1のポリマーを得るために用いられるモノマー成分は、(メタ)アクリル酸、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群より選ばれた少なくとも2種のモノマーを含む。すなわち、成分C1は、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位からなる群より選ばれた2以上の構成単位を少なくとも含むポリマーである。なお、本明細書において、成分C1と成分C2との双方に該当し得るポリマーは、成分C1ではなく、成分C2とする。
【0029】
上記成分C1としては、特に限定されないが、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第16版,第1巻,2016年,p.68〜69)で「ACRYLATES COPOLYMER(アクリレーツコポリマー)」と表記される化合物が好ましい。
【0030】
上記成分C1は市販品を用いることもできる。成分C1の市販品としては、例えば、商品名「アキュリン33」、商品名「アキュリン33A」(いずれもダウケミカル社製);商品名「SepiMAX ZEN」(SEPPIC社製)等が挙げられる。
【0031】
上記成分C2のポリマーを得るために用いられるモノマー成分は、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群より選ばれた少なくとも1種のモノマー成分C2aと、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル、イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及びネオデカン酸ビニルからなる群より選ばれた少なくとも1種のモノマー成分C2bとを含む。すなわち、上記成分C2は、上記モノマー成分C2aに由来する構成単位と上記モノマー成分C2bに由来する構成単位とを少なくとも含むポリマーである。上記モノマー成分C2a、上記モノマー成分C2bは、それぞれ、1種のみが用いられていてもよく、2種以上が用いられていてもよい。
【0032】
上記成分C2としては、特に限定されないが、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第16版,第1巻,2016年,p.76)で「ACRYLATES/STEARETH−20 METHACRYLATE COPOLYMER((アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)コポリマー)」と表記される化合物;INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第16版,第1巻,2016年,p.76)で「ACRYLATES/STEARETH−20 METHACRYLATE CROSSPOLYMER((アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)クロスポリマー)」と表記される化合物;INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第16版,第1巻,2016年,p.65)で「ACRYLATES/BEHENETH−25 METHACRYLATE COPOLYMER((アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス−25)コポリマー)」と表記される化合物;INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第16版,第1巻,2016年,p.78)で「ACRYLATES/VINYL NEODECANOATE CROSSPOLYMER((アクリレーツ/ネオデカン酸ビニル)クロスポリマー)」と表記される化合物;INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第16版,第1巻,2016年,p.75〜76)で「ACRYLATES/STEARETH−20 ITACONATE COPOLYMER((アクリレーツ/イタコン酸ステアレス−20)コポリマー)」と表記される化合物;INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第16版,第1巻,2016年,p.68)で「ACRYLATES/CETETH−20 ITACONATE COPOLYMER((アクリレーツ/イタコン酸セテス−20)コポリマー)」と表記される化合物等が好ましい。
【0033】
成分C2は市販品を用いることもできる。成分C2の市販品としては、例えば、商品名「アキュリン22」、商品名「アキュリン88」、商品名「アキュリン28」、商品名「アキュリン38」(いずれもダウケミカル社製);商品名「STRUCTURE 2001」、商品名「STRUCTURE 3001」(いずれもア
クゾノーベル(株)製)等が挙げられる。
【0034】
成分C3は、カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーである。カルボキシビニルポリマーとは主としてアクリル酸の重合体であり、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとは主としてアクリル酸とメタクリル酸アルキル(好ましくはアルキルの炭素数が10〜30)の共重合体である。上記アルキル変性カルボキシビニルポリマーとしては、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマーが挙げられる。成分C3は、1種のみが用いられていてもよく、2種以上が用いられていてもよい。
【0035】
成分C3は市販品を用いることもできる。カルボキシビニルポリマーの市販品としては、例えば、商品名「カーボポール934」、商品名「カーボポール940」、商品名「カーボポール941」、商品名「カーボポール980」、商品名「カーボポール981」、商品名「カーボポール1342」、商品名「カーボポール2984」、商品名「カーボポールUltrez 10」、商品名「カーボポールETD 2050」(いずれも日本ルーブリゾール(株)製);商品名「AQUPEC HV−501」、商品名「AQUPEC HV−504」、商品名「AQUPEC HV−505」、商品名「ハイビスワコー104」、商品名「ハイビスワコー105」(いずれも和光純薬工業(株)製)等が挙げられる。アルキル変性カルボキシビニルポリマーの市販品としては、例えば、商品名「PEMULEN TR−1」、商品名「PEMULEN TR−2」、商品名「カーボポールETD 2020」、商品名「カーボポールULTREZ 20」(いずれも日本ルーブリゾール(株)製)等が挙げられる。
【0036】
上記成分Cは、特に限定されないが、塩基性物質で中和されているか、又は塩基性物質で中和して用いられることが好ましい。上記塩基性物質としては、例えば、トリエタノールアミン及びモノエタノールアミン等のアルカノールアミン類;アンモニア、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等の無機塩基化合物;アルギニン等の塩基性アミノ酸等が挙げられる。また、上記塩基性物質の添加量は、充分に中和された成分Cとなる量であるか、又は上記成分Cを中和するのに充分な量であり、上記成分C及び上記塩基性物質の種類や上記成分Cの使用量に応じて適宜配合すればよい。
【0037】
本発明の整髪剤組成物100質量%中の、成分Cの含有量は、特に限定されないが、0.05〜3.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜2.0質量%である。上記含有量が0.05質量%以上であると、整髪剤組成物が十分に増粘し、保存安定性及び塗布性が一層良好になるため好ましい。上記含有量が3.0質量%以下であると、製剤安定性やべたつき抑制効果がより一層向上するため好ましい。上記成分Cの含有量は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分Cの合計の含有量である。
【0038】
[成分D:水]
上記成分Dは、水である。成分Dとしては、特に限定されないが、精製水が好ましい。成分Dは、本発明の整髪剤組成物を、ジェル状、グリース状等の水性の組成物として用いた場合、油性感がなくさっぱりした感触とし、のびのよさを向上させる効果を有する。本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分Dの含有量は、特に限定されないが、20.0〜95.0質量%が好ましく、より好ましくは50.0〜90.0質量%である。
【0039】
[成分E:亜硫酸塩及び/又はエチドロン酸若しくはその塩]
上記成分Eは、亜硫酸塩及び/又はエチドロン酸若しくはその塩である。本発明においては、成分Eは、整髪剤組成物の経時的な粘度低下
の抑制効果を一層向上させる効果を発揮する。さらに、経時的な色調や臭気の変化を一層抑制する効果を発揮する。特に色調変化を抑制する効果が高いため好ましい。上記亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、無水亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。上記エチドロン酸の塩としては、ナトリウム塩等が挙げられる。
【0040】
本発明の整髪剤組成物100質量%中の、成分Eの含有量は、特に限定されないが、0.005〜1.0質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。上記含有量が0.005質量%以上であると、経時的な粘度低下の抑制効果が一層向上するため好ましい。また、本発明の整髪剤組成物の色調や臭気の変化が一層抑制されるため好ましい。上記含有量が1.0質量%を超えると、製剤安定性が低下したり、臭気が生じたりする場合がある。上記成分Eの含有量は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分Eの合計の含有量である。
【0041】
[成分F:ノニオン性界面活性剤]
上記成分Fは、ノニオン性界面活性剤である。本発明においては、成分Fは、整髪剤組成物の整髪成分として機能する。成分Fを含有する整髪剤組成物は、一般的に経時の粘度低下をより生じやすい傾向にあることがわかっている。これに対して、成分Aが作用して、粘度低下を抑制するため、成分Fを含む系においては、本発明の効果がより一層発揮されやすい。整髪剤組成物中に成分Fを配合するにより、整髪剤組成物のアレンジ力(毛髪を任意の方向に曲げてくせ付ける力)や洗い落ち性が向上する。成分Fは、1種のみが用いられていてもよく、2種以上が用いられていてもよい。
【0042】
成分Fとしては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン等が挙げられる。
【0043】
より具体的には、例えば、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノエルカ酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジアラキン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;モノカプリル酸ジグリセリル、モノカプリル酸デカグリセリル、モノカプリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノラウリン酸ポリ(4〜10)グリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、セスキオレイン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、ジステアリン酸ポリ(6〜10)グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリステアリン酸ポリ(10)グリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル等のグリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物;モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル;モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシプロピレンイソセチルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0044】
成分Fとしては、整髪力を付与する効果に優れる等の観点から、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(特に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)が好ましい。特に好ましくはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である。
【0045】
上記成分Fを含有する整髪剤組成物としては、特に限定されないが、例えば、オキシエチレンの平均付加モル数45〜65のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油成分(「成分F1」と称する場合がある)及びオキシエチレンの平均付加モル数75〜125のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(「成分F2」と称する場合がある)を含む整髪剤組成物(「具体的態様1の整髪剤組成物」と称する場合がある)が挙げられる。具体的態様1の整髪剤組成物は、上記構成により、毛束を形成し、充分なくせ付けが可能でありながら毛束を根元から立ち上げる特性を有し、且つ、髪型を長時間保持する特性を有する。
【0046】
成分Fは、成分F1及び成分F2以外に、オキシエチレンの平均付加モル数5以上45未満のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(「成分F3」と称する場合がある)を含むことが好ましい。本発明の整髪剤組成物が成分Fとして成分F1及び成分F2に加えて成分F3を含むと、くせ付けのしやすさにより優れる。なお、上記成分F1〜成分F3は、それぞれ、1種のみが用いられていてもよく、2種以上が用いられていてもよい。
【0047】
上記成分F1におけるオキシエチレンの平均付加モル数は、45〜65であり、好ましくは50〜60である。また、上記成分F2におけるオキシエチレンの平均付加モル数は、75〜125であり、好ましくは80〜120である。また、上記成分F3におけるオキシエチレンの平均付加モル数は、5以上45未満であり、好ましくは10〜40である。
【0048】
成分F1の市販品としては、例えば、商品名「ブラウノン RCW−50」、商品名「ブラウノン RCW−60」(いずれも青木油脂工業(株)製)、商品名「EMALEX HC−50」、商品名「EMALEX HC−60」、商品名「EMALEX RWIS−150」、商品名「EMALEX RWIS−350」、商品名「EMALEX RWIS−360」(いずれも日本エマルジョン(株)製)等が挙げられる。
【0049】
成分F2の市販品としては、例えば、商品名「ブラウノン RCW−80」、商品名「ブラウノン RCW−100」、商品名「ブラウノン CW−100」(いずれも青木油脂工業(株)製)、商品名「EMALEX HC−80」、商品名「EMALEX HC−100」(いずれも日本エマルジョン(株)製)等が挙げられる。
【0050】
成分F3の市販品としては、例えば、商品名「ブラウノン RCW−20」、商品名「ブラウノン RCW−40」、商品名「ブラウノン CW−10」、商品名「ブラウノン CW−25」、商品名「ブラウノン CW−40」(いずれも青木油脂工業(株)製)、商品名「EMALEX HC−5」、商品名「EMALEX HC−7」、商品名「EMALEX HC−10」、商品名「EMALEX HC−20」、商品名「EMALEX HC−30」、商品名「EMALEX HC−40」、商品名「EMALEX RWIS−105」、商品名「EMALEX RWIS−105EX」、商品名「EMALEX RWIS−110」、商品名「EMALEX RWIS−110EX」、商品名「EMALEX RWIS−115」、商品名「EMALEX RWIS−115EX」、商品名「EMALEX RWIS−120」、商品名「EMALEX RWIS−130」、商品名「EMALEX RWIS−140」、商品名「EMALEX RWIS−305」、商品名「EMALEX RWIS−310」、商品名「EMALEX RWIS−315」、商品名「EMALEX RWIS−315EX」、商品名「EMALEX RWIS−320」、商品名「EMALEX RWIS−320EX」、商品名「EMALEX RWIS−330」、商品名「EMALEX RWIS−340」(いずれも日本エマルジョン(株)製)等が挙げられる。
【0051】
本発明の整髪剤組成物において、上記成分F1と上記成分F2の合計の含有量に対する上記成分F1の含有量の質量割合[F1/(F1+F2)]は、くせ付けのしやすさ、毛束を根元から立ち上げる特性、毛束の形成性、及び髪型を長時間保持する特性等の観点から、0.1〜0.9が好ましく、より好ましくは0.2〜0.8、さらに好ましくは0.25〜0.5である。なお、本明細書において、上記成分F1の含有量は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分F1の合計の含有量であり、上記成分F2の含有量は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分F2の合計の含有量である。
【0052】
成分F中の成分F1と成分F2の合計の含有量は、特に限定されないが、くせ付けのしやすさ、毛束を根元から立ち上げる特性、毛束の形成性、及び髪型を長時間保持する特性等の観点から、成分F100質量%に対して、50.0質量%以上(例えば50.0〜100質量%)が好ましく、より好ましくは70.0質量%以上、さらに好ましくは80.0質量%以上である。
【0053】
本発明の整髪剤組成物中の成分F1及び成分F2の合計の含有量は、特に限定されないが、くせ付けのしやすさ、毛束を根元から立ち上げる特性、毛束の形成性、及び髪型を長時間保持する特性等の観点から、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、3.0〜25.0質量%が好ましく、より好ましくは5.0〜20.0質量%であり、さらに好ましくは6.0〜15.0質量%である。上記含有量が上記範囲内であると、くせ付けのしやすさ、毛束を根元から立ち上げる特性、細かな毛束の形成性、及び髪型を長時間保持する特性に優れる。
【0054】
本発明の整髪剤組成物中の成分F3の合計の含有量は、特に限定されないが、くせ付けのしやすさをより一層向上する観点から、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.5〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.8〜5.0質量%である。
【0055】
本発明の整髪剤組成物中の成分Fの含有量は、特に限定されないが、くせ付けのしやすさ、毛束を根元から立ち上げる特性、毛束の形成性、及び髪型を長時間保持する特性等の観点から、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、3.0〜30.0質量%が好ましく、より好ましくは4.0〜25.0質量%、さらに好ましくは6.0〜20.0質量%である。上記成分Fの含有量は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分Fの合計の含有量である。
【0056】
[成分G:酢酸トコフェロール及び/又はエデト酸塩]
上記成分Gは、酢酸トコフェロール及び/又はエデト酸塩である。本発明においては、成分Gは、整髪剤組成物の経時的な粘度低下を一層抑制する効果を発揮する。また、経時的な色調や臭気の変化を一層抑制する効果を発揮する。上記エデト酸塩としては、例えば、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウムが挙げられる。
【0057】
本発明の整髪剤組成物100質量%中の、成分Gの含有量は、特に限定されないが、0.01〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜1.0質量%である。上記含有量が0.01質量%以上であると、経時的な粘度低下の抑制効果が一層向上するため好ましい。また、本発明の整髪剤組成物の色調や臭気の変化が一層抑制されるため好ましい。上記含有量が2.0質量%を超えると、溶解性が低下したり、成分Cの増粘効果を阻害したりする場合がある。上記成分Gの含有量は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分
Gの合計の含有量である。
【0058】
[他の成分]
本発明の整髪剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、成分A〜G以外の成分(その他の成分)を含んでいてもよい。上記その他の成分しては、特に限定されず、例えば、化粧品や医薬部外品に通常用いられる成分等が挙げられる。具体的には、例えば、成分F以外の界面活性剤(アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤);エタノール等の低級アルコール;多価アルコール、高級アルコール、シリコーン油、エステル油、ロウ、植物油、炭化水素ワックス、炭化水素油、油脂、高級脂肪酸等の油性成分;香料;紫外線吸収剤;酸化防止剤;金属イオン封鎖剤;シリカ等の粉体;色素;顔料;染料;ビタミン類;アミノ酸類;収斂剤;美白剤;動植物抽出物;pH調整剤;防腐剤;溶剤;酸;アルカリ等が挙げられる。
【0059】
[整髪剤組成物の他の詳細]
本発明の整髪剤組成物の性状は特に限定されないが、手に取って毛髪に塗布する場合に手からの垂れ落ちが生じにくく取扱い性に優れる観点から、ジェル状、グリース状が好ましい。即ち、本発明の整髪剤組成物は、ジェル状整髪剤組成物、グリース状整髪剤組成物(ヘアグリース、ウォーターグリース、水溶性ポマード等と称される)であることが好ましい。
【0060】
本発明の整髪剤組成物の製造方法としては、特に限定されず、公知の整髪剤組成物の製造方法を用いることができる。本発明の整髪剤組成物の製造方法としては、例えば、各成分をディスパーミキサー、パドルミキサー等で攪拌し均一化する方法等が挙げられる。
【0061】
本発明の整髪剤組成物は、特に限定されないが、例えば、容器に充填された形態で用いることができる。上記容器としては、ボトル容器、ジャー容器、チューブ容器等が挙げられる。特に限定されないが、使用性の観点から、本発明の整髪剤組成物がジェル状である場合にはボトル容器、チューブ容器やジャー容器が好ましく、本発明の整髪剤組成物がグリース状である場合にはジャー容器が好ましい。
【0062】
本発明の整髪剤組成物の粘度や稠度は特に限定されないが、例えば、具体的態様1の整髪剤組成物の場合、手に取って毛髪に塗布する場合に手からの垂れ落ちが生じにくく取扱い性に優れる観点から、粘度(25℃)が5000mPa・s以上であることが好ましい。上記「粘度(25℃)」は、例えば、ブルックフィールド型回転粘度計を用いて25℃で測定することができる。また、稠度(25℃)は、容器から指ですくい取る場合に容易にすくい取れ取扱い性に優れる観点から、50gf以下が好ましく、より好ましくは30gf以下である。上記「稠度(25℃)」は、例えば、17φ平型アダプターを備えた稠度計を用いて、25℃、スピード60mm/分、及びストローク20mmの条件で測定することができる。上記稠度計としては、(株)サン科学製の商品名「RHEO METER」等が挙げられる。
【0063】
本発明の整髪剤組成物は、成分A、成分B、成分C、及び成分Dを少なくとも含む。本発明の整髪剤組成物は、成分Dを含む水性の整髪剤組成物であり、成分Bと成分Cを共に配合することに伴う経時的な粘度低下という問題点を、成分Aの配合により解決し、安定した粘度が維持されている。すなわち、従来のエデト酸ナトリウムのみでは、十分に抑制することができなかった成分B、成分C、及び成分Dを含む整髪剤組成物の製剤安定化を、成分Aの配合により達成することができる。また、本発明の整髪剤組成物は、成分Dを含む水性の整髪剤組成物であるため、油性の整髪剤組成物と比べて、油性感がなくさっぱりした使用感が得られる。
【0064】
本発明の整髪剤組成物は、さらに、成分E、成分F、及び成分Gを含むことが好ましい。特に、成分Eと成分Gを併用することにより、成分Aの経時的な粘度低下を抑制する作用を一層向上させる効果を発揮する。また、色調や臭気の変化を抑制する作用を一層向上させる効果を発揮する。
【0065】
上記のとおり、本発明の整髪剤組成物は、製造時から使い終わりまでの間、容器内で当初の粘度が低下しにくいため、使用性に優れる安定した品質の整髪剤組成物を提供しうる。
【実施例】
【0066】
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。なお表に記載の配合量は、各成分の配合量(すなわち、原料中の有効成分(所謂純分)の配合量)であり、特記しない限り「質量%」で表す。
【0067】
実施例及び比較例では、下記の成分を用いた。
【0068】
[成分A]
フィチン酸:築野ライスファインケミカルズ(株)製、商品名「フィチン酸」
【0069】
[成分B]
(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー:互応化学工業(株)製、商品名「プラスサイズL−6345U」
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド)コポリマーAMP:互応化学工業(株)製、商品名「プラスサイズL−9909B」
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル)コポリマーAMP:互応化学工業(株)製、商品名「プラスサイズL−9700」
【0070】
[成分C]
カルボキシビニルポリマー:日本ルーブリゾール(株)製、商品名「カーボポール940」
アルキル変性カルボキシビニルポリマー:日本ルーブリゾール(株)製、商品名「カーボポールETD 2020」、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー
(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス−25)コポリマー:ダウケミカル社製、商品名「アキュリン28」
(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)コポリマー:ダウケミカル社製、商品名「アキュリン22」
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:信越化学工業(株)製、商品名「メトローズ 60SH−4000」
キサンタンガム:DSP五協フード&ケミカル(株)製、商品名「エコーガムT」
【0071】
[成分D]
精製水
【0072】
[成分E]
無水亜硫酸ナトリウム:神洲化学(株)製、商品名「無水亜硫酸ソーダ」
エチドロン酸:イタルマッチジャパン(株)製、商品名「ターピナルSL」
【0073】
[成分F]
ポリオキシエチレン(20E.O.)硬化ヒマシ油:青木油脂工業(株)製、商品名「ブラウノン RCW−20」、オキシエチレンの平均付加モル数20、PEG−20水添ヒマシ油
ポリオキシエチレン(50E.O.)硬化ヒマシ油:青木油脂工業(株)製、商品名「ブラウノン RCW−50」、オキシエチレンの平均付加モル数50、PEG−50水添ヒマシ油
ポリオキシエチレン(100E.O.)硬化ヒマシ油:青木油脂工業(株)製、商品名「ブラウノン RCW−100」、オキシエチレンの平均付加モル数100、PEG−100水添ヒマシ油
【0074】
[成分G]
酢酸トコフェロール:BASFジャパン(株)製、商品名「酢酸トコフェロール」
エデト酸二ナトリウム:ライオン・アクゾ社製、商品名「ディゾルビンNA2−S」
【0075】
[その他の成分]
シリカ:日揮触媒化成(株)製、商品名「SILICA PEARL P-4M」
【0076】
実施例1〜12及び比較例1〜3
表1に記した組成に従い、各整髪剤組成物を調製した。実施例1〜12及び比較例1〜3で得られた整髪剤組成物の性状はいずれもジェル状であった。
【0077】
[粘度低下の評価]
各実施例及び比較例の整髪剤組成物約50gを白色のジャー容器(容量50mL)に充填し、密封した状態で、恒温槽中で5℃及び40℃の条件下で4週間保管した。5℃の条件下で4週間保管したサンプル(5℃保管サンプル)と40℃の条件下で4週間保管したサンプル(40℃保管サンプル)の稠度(25℃)をそれぞれ測定した。稠度(25℃)は、17φ平型アダプターを備えた稠度計[(株)サン科学製、商品名「RHEO METER」]を用いて、25℃、スピード60mm/分、及びストローク20mmの条件で測定した。その結果、実施例1〜12の整髪剤組成物は、[40℃保管サンプルの稠度(25℃)/5℃保管サンプルの稠度(25℃)]が0.87以上であった。一方、比較例1〜3の整髪剤組成物は、[40℃保管サンプルの稠度(25℃)/5℃保管サンプルの稠度(25℃)]が0.81以下であった。また、目視確認でも、実施例1〜12の整髪剤組成物は40℃保管サンプルの5℃保管サンプルに対する粘度低下がほとんど見られず、一方、比較例1〜3の整髪剤組成物は、40℃保管サンプルの粘度が5℃保管サンプルの粘度よりも明らかに低下していた。
【0078】
上記結果のとおり、成分Aを配合した整髪剤組成物(実施例1〜12)の経時的な粘度低下は十分に抑制されていたのに対し、成分Aを配合しない整髪剤組成物(比較例1〜3)では、粘度低下が認められた。上記比較例では、成分Aの代わりに、成分Gや成分Eを配合していたが、これらの成分のみでは本発明の整髪剤組成物の経時的な粘度低下の抑制効果は十分ではないことが示された。
【0079】
[色調及び臭気の評価]
上記粘度低下の評価に加えて、各実施例及び比較例の整髪剤組成物について、40℃保管サンプルと5℃保管サンプルの色調及び臭気を視覚及び嗅覚により官能評価した。評価は専門評価員3人が行った。その結果、実施例1〜5及び7〜12、並びに、比較例3では、40℃保管サンプルと5℃保管サンプルの色調変化は離間評価によって識別できない程度であった。一方、実施例6及び比較例1〜2では、40℃保管サンプルに、5℃保管サンプルと比べて、離間評価によって明確に識別できる程度の黄変が確認された。また、実施例1〜12、並びに、比較例3では、40℃保管サンプルと5℃保管サンプルの臭気変化は離間評価によって識別できない程度であった。一方、比較例1〜2では、40℃保管サンプルに、5℃保管サンプルと比べて、離間評価によって明確に識別できる程度の変臭が確認された。
【0080】
【表1】
【0081】
以下に、本発明の整髪剤組成物の処方例を示す。
【0082】
(処方例1:ヘアグリース)
シリカ 3.0質量%
ポリオキシエチレン(50E.O.)硬化ヒマシ油 2.0質量%
ポリオキシエチレン(100E.O.)硬化ヒマシ油 3.0質量%
(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス−25)コポリマー 0.6質量%
キサンタンガム 0.5質量%
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー
1.5質量%
(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー
0.5質量%
トリエタノールアミン 0.6質量%
酢酸トコフェ
ロール 0.05質量%
エデト酸二ナトリウム 0.05質量%
フィチン酸 0.05質量%
亜硫酸ナトリウム 0.02質量%
ダイズエキス 0.1質量%
エタノール 5.0質量%
香料 適量
精製水 残量
【0083】
(処方例2:ヘアグリース)
シリカ 3.0質量%
ポリオキシエチレン(20E.O.)硬化ヒマシ油 1.0質量%
ポリオキシエチレン(50E.O.)硬化ヒマシ油 4.0質量%
ポリオキシエチレン(100E.O.)硬化ヒマシ油 7.0質量%
(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス−25)コポリマー 0.6質量%
カルボキシビニルポリマー 0.4質量%
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー
1.5質量%
(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー
0.5質量%
トリエタノールアミン 1.0質量%
酢酸トコフェ
ロール 0.05質量%
フィチン酸 0.1質量%
エチドロン酸 0.05質量%
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01質量%
香料 適量
精製水 残量
【0084】
(処方例3:ヘアジェル)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.6質量%
(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))コポリマー
1.0質量%
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー
1.0質量%
(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー
0.5質量%
トリエタノールアミン 1.0質量%
酢酸トコフェ
ロール 0.05質量%
フィチン酸 0.1質量%
亜硫酸ナトリウム 0.02質量%
加水分解コラーゲン 0.01質量%
香料 適量
精製水 残量
【0085】
(処方例4:ヘアジェル)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.6質量%
(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))コポリマー
1.0質量%
ポリビニルピロリドン 3.0質量%
(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー
0.5質量%
トリエタノールアミン 1.0質量%
酢酸トコフェ
ロール 0.05質量%
フィチン酸 0.1質量%
亜硫酸ナトリウム 0.02質量%
加水分解コラーゲン 0.01質量%
香料 適量
精製水 残量
【0086】
(処方例5:ヘアジェル)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.2質量%
(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)コポリマー0.5質量%
(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリ
ル酸アルキル)コポリマー 1.0質量%
(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー
1.0質量%
トリエタノールアミン 0.5質量%
酢酸トコフェ
ロール 0.05質量%
フィチン酸 0.1質量%
亜硫酸ナトリウム 0.02質量%
加水分解コラーゲン 0.01質量%
香料 適量
精製 残量
【0087】
(処方例6:ヘアグリース)
シリカ 1.0質量%
タルク 0.5質量%
ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 2.0質量%
ポリオキシエチレン(50E.O.)硬化ヒマシ油 6.0質量%
ポリオキシエチレン(100E.O.)硬化ヒマシ油 3.0質量%
(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス−25)コポリマー 0.4質量%
カルボキシビニルポリマー 0.4質量%
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)
コポリマー 2.0質量%
トリエタノールアミン 0.8質量%
酢酸トコフェ
ロール 0.05質量%
フィチン酸 0.05質量%
エデト酸二ナトリウム 0.05質量%
加水分解コラーゲン 0.1質量%
エタノール 10.0質量%
香料 適量
精製水 残量
【0088】
(処方例7:ヘアグリース)
マイカ 1.0質量%
酸化チタン 0.5質量%
ポリオキシエチレン(50E.O.)硬化ヒマシ油 5.0質量%
ポリオキシエチレン(100E.O.)硬化ヒマシ油 5.0質量%
(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス−25)コポリマー 0.6質量%
カルボキシビニルポリマー 0.4質量%
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)
コポリマー 2.0質量%
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキ
ル(C1−8)アクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル)
コポリマーAMP 0.3質量%
トリエタノールアミン 1.0質量%
酢酸トコフェ
ロール 0.05質量%
エデト酸二ナトリウム 0.05質量%
フィチン酸 0.05質量%
亜硫酸ナトリウム 0.02質量%
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01質量%
エタノール 5.0質量%
香料 適量
精製水 残量
【0089】
(処方例8:ヘアグリース)
シリカ 2.0質量%
ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 2.0質量%
ポリオキシエチレン(50E.O.)硬化ヒマシ油 4.0質量%
ポリオキシエチレン(100E.O.)硬化ヒマシ油 4.0質量%
(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス−25)コポリマー 0.8質量%
カルボキシビニルポリマー 0.3質量%
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)
コポリマー 1.5質量%
(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー
0.5質量%
トリエタノールアミン 1.1質量%
エデト酸二ナトリウム 0.05質量%
フィチン酸 0.05質量%
亜硫酸水素ナトリウム 0.02質量%
ダイズエキス 0.01質量%
エタノール 5.0質量%
香料 適量
精製水 残量
【0090】
(処方例9:ヘアグリース)
シリカ 2.0質量%
ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 2.0質量%
ポリオキシエチレン(50E.O.)硬化ヒマシ油 4.0質量%
ポリオキシエチレン(100E.O.)硬化ヒマシ油 4.0質量%
(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス−25)コポリマー 0.8質量%
(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))コポリマー
0.4質量%
トリエタノールアミン 1.2質量%
エデト酸二ナトリウム 0.05質量%
酢酸トコフェロール 0.1質量%
フィチン酸 0.1質量%
トリメチルグリシン 2.0質量%
香料 適量
精製水 残量