(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本出願をさらに説明するために、以下の実装形態が提供される。
【0012】
図1は、本出願の実装形態例に従う、アイデンティティ認証方法を例証するフローチャートである。
図1に示されるように、本方法は、仮想現実デバイスに適用され、以下のステップを含み得る。
【0013】
ステップ102:ユーザに特有のアイデンティティ認証手順が開始されるとき、複数の仮想現実物品を表示する。
【0014】
本実装形態において、本出願のアイデンティティ認証ソリューションは、関連技術における任意の形態の仮想現実デバイスに適用され得る。本出願はそれらに限定されない。例えば、仮想現実デバイスは、一体型デバイスであってもよく、すなわち、データ処理モジュール、画像レンダリングモジュール、画像表示モジュールなどは統合される。または、仮想現実デバイスは、分割型デバイスであってもよい。例えば、仮想現実デバイスは、着用型表示構造および画像処理構造に分割され得る。着用型表示構造は、着用型表示構造を使用することによりユーザが仮想現実画像を見る(以前の画像表示モジュールと同等である)ような、仮想現実メガネ、仮想現実ヘルメット、または別の形態であり得る。画像処理構造は、データ処理(以前のデータ処理モジュールと同等である)および画像レンダリング(以前の画像レンダリングモジュールと同等である)などの機能を実施するために使用される、携帯電話、タブレット、またはPCなどの電子デバイスであり得る。
【0015】
実装形態において、仮想現実デバイスは、標準選択動作情報によって示される候補仮想現実物品のみを表示し得る。言い換えると、標準選択動作情報は、アイデンティティ認証の「正しい回答」と同等であり、仮想現実デバイスは、「正しい回答」内の仮想現実物品のみを表示することができる。
【0016】
このとき、1つの状況において、仮想現実デバイスは、ユーザによって選択される仮想現実物品のみを判定することができる。例えば、仮想現実デバイスは、複数の仮想現実物品を表示することができる。従来の考え方に基づくと、非正規ユーザは、これらの仮想現実物品のすべてを選択するのではなく、複数の仮想現実物品からいくつかの仮想現実物品を選択すること、またはこれらの仮想現実物品を順にソートする(連続して選択する)ことなどの方法を当然ながら検討する。しかしながら、実際には、仮想現実デバイスが、標準選択動作情報によって示される候補仮想現実物品のみを表示することから、ユーザは、標準選択動作情報に整合するように、表示された仮想現実物品のすべてを選択し、それによりユーザのアイデンティティ認証を実施する必要がある。
【0017】
別の状況において、仮想現実デバイスは、ユーザによって選択される仮想現実物品およびこれらの候補仮想現実物品についてのユーザの選択順序を判定し、標準選択動作情報との比較のために、選択された仮想現実物品および選択順序を選択動作情報として使用し、それによりユーザのアイデンティティ認証を実施することができる。言い換えると、ユーザは、ユーザが表示された仮想現実物品を正しい順序で選択するときにのみ、アイデンティティ認証に成功することができる。そうでない場合、アイデンティティ認証は失敗すると見なされ得る。仮想現実物品選択中、ユーザは、同じ仮想現実物品を1回または複数回選択することができ、本出願はそれに制限を設けない。
【0018】
別の実装形態において、仮想現実デバイスは、標準選択動作情報によって示される候補仮想現実物品、および標準選択動作情報によって示されない錯乱用仮想現実物品の両方を表示することができる。言い換えると、仮想現実デバイスは、以前の「正しい回答」内の仮想現実物品だけでなく、不正解の選択肢として機能するいくつかの錯乱用仮想現実物品も表示する。
【0019】
このとき、1つの状況において、仮想現実デバイスは、ユーザによって選択される仮想現実物品のみを判定することができる。例えば、仮想現実デバイスは、以前の「正しい回答」内の仮想現実物品、および不正解の選択肢として機能するいくつかの錯乱用仮想現実物品の両方を表示し、正規ユーザのみが、仮想現実物品同士(候補仮想現実物品および錯乱用仮想現実物品)を識別および差別化することができる。したがって、ユーザが候補仮想現実物品のすべてを選択した後、ユーザのアイデンティティ認証は成功すると判定され得る。同様に、ユーザが錯乱用仮想現実物品のすべてを選択するとき、ユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定され得る。この考え方は、以前のソリューションで使用される考え方と同じである。
【0020】
別の状況において、仮想現実デバイスは、ユーザによって選択される仮想現実物品およびこれらの候補仮想現実物品についてのユーザの選択順序を判定し、標準選択動作情報との比較のために、選択された仮想現実物品および選択順序を選択動作情報として使用することができ、それによりユーザのアイデンティティ認証を実施する。言い換えると、ユーザは、ユーザが仮想現実物品同士を識別および差別化し、表示された仮想現実物品を正しい順序で選択するときにのみ、アイデンティティ認証に成功することができる。そうでない場合、アイデンティティ認証は失敗すると見なされ得る。仮想現実物品選択中、ユーザは、標準選択動作情報内の候補仮想現実物品順序の説明に応じて、同じ仮想現実物品を1回または複数回選択することができ、本出願はそれに制限を設けない。
【0021】
任意選択的に、錯乱用仮想現実物品は、所定の次元において候補仮想現実物品とは異なり、所定の次元は、以下のうちの少なくとも1つを含む。当然ながら、本出願はそれに制限を設けない。
【0022】
(1)物品カテゴリ:異なるカテゴリの物品は、通常、異なる外観を有する。例えば、候補仮想現実物品は、ペン、コップ、ランプなどであり、錯乱用仮想現実物品は、枕、テレビセット、歯ブラシなどであり得る。そのようなものとして、ユーザは、異なる仮想現実物品同士を明白に差別化することができる。
【0023】
(2)物品仕様:同じカテゴリの物品は、物品仕様に基づいて差別化され得る。「仕様」は、複数の側面から理解され得る。例えば、1つの状況において、「仕様」は、物品のサイズとして理解され得る。例えば、候補仮想現実物品は、小さいサイズのコップであり、錯乱用仮想現実物品は、より大きいサイズのコップであり得る。別の状況において、「仕様」は、物品のモデルとして理解され得る。例えば、候補仮想現実物品は、ガラスコップであり得、錯乱用仮想現実物品は、プラスチックコップであり得る。そのようなものとして、2つのコップが同じ容積を有するとしても、ユーザは、依然として、異なる仮想現実物品同士を明白に差別化することができる。当然ながら、「仕様」は、他の側面からさらに理解され得、詳細はここでは簡潔性のために省略され、本出願はそれに制限を設けない。
【0024】
(3)空間的配置:同じカテゴリおよび仕様の物品は、物品の空間的配置に基づいて差別化され得る。例えば、候補仮想現実物品は、開口部が上に向いたコップであり得、錯乱用仮想現実物品は、開口部が下に向いたコップであり得る。別の例では、候補仮想現実物品は、ニップが左を向いた万年筆であり得、錯乱用仮想現実物品は、ニップが前を向いた万年筆などであり得る。
【0025】
(4)別の仮想現実物品との相対的な位置関係:同じカテゴリおよび仕様の物品は、物品同士の相対的な位置関係に基づいて差別化され得る。例えば、候補仮想現実物品は、仮想現実シーン内の仮想現実デスク上のコップであり得、錯乱用仮想現実物品は、仮想現実シーン内の仮想現実ティーテーブル上のコップであり得る。別の例では、候補仮想現実物品は、仮想現実シーン内の仮想現実デスクの卓上の左上角にある万年筆であり得、錯乱用仮想現実物品は、仮想現実シーン内の仮想現実デスクの卓上の右上角または引き出し内にある万年筆などであり得る。
【0026】
実装形態において、仮想現実デバイスは、複数の事前に規定された仮想現実シーンに対応するシーン選択肢をユーザに提供し、ユーザによって選択されるシーン選択肢に対応する仮想現実シーンを表示し、表示された仮想現実シーン内に、表示された仮想現実シーンと事前に関連付けられた仮想現実物品を表示することができる。選択動作情報が、表示された仮想現実シーンと事前に関連付けられた標準選択動作情報に整合するとき、ユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定され得る。言い換えると、複数の回答(すなわち、複数の標準選択動作情報)が予め定められ得る。これらの回答はそれぞれ、複数の仮想現実シーンに対応し、ユーザは、仮想現実シーンに基づいて、選択された仮想現実シーンに対応する選択動作情報を生成する必要がある。そのようなものとして、正規ユーザは、同じ仮想現実シーンおよび回答を常に使用することにより引き起こされる回答漏洩を低減するために、これらの仮想現実シーンを切り替えることができ、それによりセキュリティの向上を助ける。
【0027】
実装形態において、仮想現実デバイスは、複数の事前に規定された仮想現実シーンに対応するシーン選択肢をユーザに提供し、ユーザによって選択されるシーン選択肢に対応する仮想現実シーンを表示し、表示された仮想現実シーン内に仮想現実物品を表示することができる。表示された仮想現実シーンが事前に規定された標準シーンであり、かつ選択動作情報が事前に規定された標準選択動作情報に整合するとき、ユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定され得る。言い換えると、ユーザが正しい仮想現実シーンを選択し正しい選択動作情報を生成するときにのみ、ユーザは、アイデンティティ認証に成功することができる。そうでない場合、ユーザが誤った仮想現実シーン内で正しい選択動作情報を生成するか、または正しい仮想現実シーン内で誤った選択動作情報を生成する場合には、ユーザは、アイデンティティ認証に失敗する。事前に規定された標準シーンは、アイデンティティ認証手順の開始プロセスに関連し得る。例えば、開始プロセスがログインプロセスであるとき、事前に規定された標準シーンは標準シーン1であり得、開始プロセスが決済プロセスであるとき、事前に規定された標準シーンは、標準シーン2または標準シーン3であり得る。そのようなものとして、「事前に規定された標準シーン」は、開始プロセスによって異なり得、それにより情報セキュリティをさらに向上する。
【0028】
1つの状況において、仮想現実デバイスは、すべての表示された仮想現実シーン内に同じ仮想現実物品を表示することができる。言い換えると、ユーザは、正しい仮想現実シーンを識別する必要がある。加えて、各仮想現実シーンに対応する標準選択動作情報は、同じまたは異なる場合がある(すなわち、各仮想現実シーンと事前に関連付けられた標準選択動作情報が存在する)。手短に言うと、ユーザが正しい仮想現実シーン内で正しい選択動作情報を生成するときにのみ、ユーザは、アイデンティティ認証に成功することができる。
【0029】
別の状況において、仮想現実デバイスは、表示された仮想現実シーンと事前に関連付けられた仮想現実物品を表示することができる。選択動作情報の各々は、事前に規定された標準シーンと事前に関連付けられた標準選択動作情報と整合するために使用される。言い換えると、複数の回答(すなわち、複数の標準選択動作情報)が予め定められ得る。これらの回答はそれぞれ、複数の仮想現実シーンに対応し、ユーザは、まず正しい仮想現実シーンを選択し、次にその仮想現実シーン内で正しい選択動作情報をさらに生成する必要があり、それによりアイデンティティ認証の信頼性を向上することをさらに助ける。
【0030】
先の実装形態のうちのいくつかに基づくと、複数の仮想現実シーンが存在する可能性があり、またこれらの仮想現実シーンの各々と事前に関連付けられた標準選択動作情報(すなわち「回答」)が存在するということは留意するに値する。しかしながら、それは、標準選択動作情報が必ずしも同じまたは異なることを意味しない。実際には、標準選択動作情報は、相互に独立しており、実際の状況に基づいて、完全に異なるか、部分的に同じであるか、または全く同じである場合がある。本出願はそれに制限を設けない。
【0031】
ステップ104:仮想現実物品についてのユーザの選択動作情報を判定する。
【0032】
ステップ106:選択動作情報が事前に規定された標準選択動作情報に整合するとき、ユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定する。
【0033】
実装形態において、仮想現実デバイスは、ユーザによって選択される仮想現実物品を判定し、その仮想現実物品を選択動作情報として追加することができる。次いで、ユーザによって選択される仮想現実物品が標準選択動作情報によって示される候補仮想現実物品と一致するとき、選択動作情報が標準選択動作情報に整合すると判定され得、ユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定され得る。言い換えると、ユーザによって選択される仮想現実物品が標準選択動作情報によって示される仮想現実物品であるとき、これらの仮想現実物品を選択するためにユーザがどの方法または順序を使用するかにかかわらず、アイデンティティ認証が成功すると判定され得る。
【0034】
別の実装形態において、先の仮想現実物品を選択動作情報として追加することに加えて、仮想現実デバイスは、仮想現実物品についてのユーザの選択順序をさらに判定し、その選択順序を選択動作情報として追加することができる。次いで、ユーザによって選択される仮想現実物品が標準選択動作情報によって示される候補仮想現実物品と一致し、かつ選択順序が標準選択動作情報によって示される候補仮想現実物品の標準順序と一致するとき、選択動作情報が標準選択動作情報に整合すると判定され得、ユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定され得る。言い換えると、ユーザが表示された仮想現実物品を正しい順序で選択し、かつ選択された仮想現実物品が標準選択動作情報によって示される仮想現実物品であるときにのみ、ユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定され得る。そのような実践は、アイデンティティ認証の信頼性を向上するのを助ける。
【0035】
本実装形態において、仮想現実デバイスが、選択動作情報と標準選択動作情報との整合を実行するとき、1つの状況においては、選択動作情報が標準選択動作情報と同じである場合、仮想現実デバイスは、選択動作情報が標準選択動作情報に整合すると判定し、ユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定し、別の状況においては、選択動作情報がいくつかの仮想現実物品についてのユーザの連続的な選択動作情報を含み、かつその連続的な選択動作情報が標準選択動作情報と同じである場合、仮想現実デバイスは、選択動作情報が標準選択動作情報に整合すると判定し、ユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定する。言い換えると、リアルタイム選択動作が「正しい回答」を含むことを前提として、任意の選択動作情報が、「正しい回答」の前または後に含まれ得る。そのようなものとして、ユーザは、標準選択動作情報の漏洩を防ぐために、「正しい回答」の前または後に錯乱用に何らかの無関係な選択動作情報を積極的に入力することができる。
【0036】
本出願において、ユーザアイデンティティを正しく認証するために、複数の仮想現実物品が仮想現実シーン内に表示され、その結果として、正規ユーザのみがこれらの仮想現実物品に対して正しい選択動作を実行することができ、選択動作情報が標準選択動作情報に整合するということが先の技術ソリューションから分かる。加えて、仮想現実物品表示および選択などのプロセスは、関連技術におけるアイデンティティ認証方法と比較して、仮想現実シーン内に統合されるため、本出願は、仮想現実シーンにより良好に適合し得、アイデンティティ認証プロセスは、効率的および簡便であり得る。
【0037】
以下は、実装形態を参照して本出願の技術ソリューションを詳細に説明する。
【0038】
仮想現実シーン内のユーザアイデンティティ認証は、実装形態のための全体から設定フェーズと認証フェーズとに分割され得る。
【0040】
設定フェーズでは、各ユーザは、ユーザが使用することを見込む「正しい回答」に基づいて設定を実行し、例えば、事前に規定された標準シーンを選択するか、または各仮想現実シーンに対して関連した標準選択動作情報を設定する。
【0041】
具体的には、仮想現実デバイスは、自らを設定モードへと構成し、利用可能な仮想現実物品を表示することができる。次いで、ユーザが、設定モード内の表示された仮想現実物品に対して選択動作を実行し、仮想現実デバイスは、その選択動作を記録し、対応する標準選択動作情報を生成することができる。同様に、仮想現実デバイスは、すべての仮想現実シーンに対応するシーン選択肢をユーザに対して表示し、ユーザのシーン選択肢選択動作に基づいて、選択された仮想現実シーンを事前に規定された標準シーンとして使用することができる。
【0042】
実際には、設定フェーズにおけるユーザの設定動作は、下に説明される認証フェーズにおける動作と相互に関連付けられる。例えば、設定フェーズにおけるユーザの仮想現実シーン選択は、認証フェーズにおける仮想現実シーン選択と同様であり、設定フェーズにおけるユーザの標準選択動作情報の生成プロセスは、認証フェーズにおける選択動作情報の生成と同様である。したがって、以下の認証フェーズおよび詳細に対してなされ得る言及は、簡潔性のためにここでは省略される。
【0044】
実装形態1
実装形態例として、仮想現実デバイスは、標準選択動作情報によって示される候補仮想現実物品のみを表示することができ、ユーザは、候補仮想現実物品のすべてを選択することによりアイデンティティ認証を完了することができる。それに応じて、
図2は、本出願の実装形態例1に従う、アイデンティティ認証方法を例証するフローチャートである。
図2に示されるように、本方法は、仮想現実デバイスに適用され、以下のステップを含み得る。
【0045】
ステップ202:アイデンティティ認証手順が開始されるとき、仮想現実デバイスは、現在のユーザに対応する標準選択動作情報を判定する。
【0046】
本実装形態において、アイデンティティ認証手順は、事前に規定された機能によって開始され得る。例えば、この機能は、ログイン機能、決済機能、アカウント情報クエリ機能、パスワード変更機能などを含み得る。本出願はそれに制限を設けない。
【0047】
本実装形態において、アイデンティティ認証手順は、現在のユーザがある特定のユーザであるかどうかを検証することを目指す。したがって、仮想現実デバイスは、特定のユーザと事前に関連付けられた標準選択動作情報を獲得し(例えば、特定のユーザが、標準選択動作情報を事前に構成するか、または標準選択動作情報が、事前に特定のユーザに結び付けられる)、この標準選択動作情報を現在のユーザのアイデンティティ認証のための「正しい回答」として使用することができる。
【0048】
ステップ204:仮想現実デバイスが複数の候補仮想現実物品を表示する。
【0049】
本実装形態において、仮想現実デバイスは、標準選択動作情報によって示される候補仮想現実物品を判定し、これらの候補仮想現実物品を表示することができる。例えば、標準選択動作情報が、「ユーザは、仮想現実物品A、B、およびCを選択する」であると仮定する。仮想現実デバイスは、仮想現実物品A、B、およびCを先の候補仮想現実物品として使用し、仮想現実物品A、B、およびCを現在のユーザに表示することができる。
【0050】
ステップ206:仮想現実デバイスが選択動作情報を生成する。
【0051】
本実装形態において、仮想現実デバイスは、表示された候補仮想現実物品に対して現在のユーザによって実行される選択動作に基づいて、対応する選択動作情報を生成することができる。例えば、選択動作情報は、現在のユーザによって選択される仮想現実物品を含み得る。例えば、仮想現実物品は、仮想現実物品のID情報、すなわち、先の「A」、「B」、「C」などによって表され得る。そのようなものとして、選択動作情報は、「ユーザは、仮想現実物品A、B、およびCを選択する」であり得る。
【0052】
ステップ208:選択動作情報が標準選択動作情報と同じであるとき、仮想現実デバイスが、現在のユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定し、そうでない場合は、仮想現実デバイスが、現在のユーザのアイデンティティ認証が失敗すると判定する。
【0053】
本実装形態において、選択動作情報を標準選択動作情報と比較することにより、現在のユーザのアイデンティティ認証が成功するかどうかが判定され得る。例えば、仮想現実デバイスが標準選択動作情報によって示される候補仮想現実物品のみを表示するとき、すなわち、選択動作情報がユーザによって選択される候補仮想現実物品のみを含むとき、選択動作情報が標準選択動作情報と同じ場合には、選択動作情報が標準選択動作情報に整合すると判定され得、現在のユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定され得る。
【0054】
言い換えると、本実装形態における現在のユーザは、仮想現実デバイスによって表示される仮想現実物品に対して以下の動作:選択動作情報および標準選択動作情報が共に「ユーザは、仮想現実物品A、B、およびCを選択する」を示すように、表示された仮想現実物品のすべてを選択すること、を実行しなければならず、それにより現在のユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定する。
【0055】
従来のアイデンティティ認証設計アイディアに基づくと、ユーザに選択肢のすべてを選択させるのではなく、ユーザは、概して、提供された複数の選択肢(仮想現実デバイスによって表示される複数の仮想現実物品と同等である)から1つの「正しい」選択肢を選択するか、複数の選択肢をソートする必要があるということは留意するに値する。本実装形態においては、従来の設計アイディアの思考慣性が使用され、ユーザは、表示された仮想現実物品のすべてを選択する必要があり、それにより現在のユーザのアイデンティティ認証を実施する。
【0056】
実装形態2
本出願の別の実装形態例として、仮想現実デバイスは、複数の仮想現実シーンを提供することができ、各仮想現実シーンは標準選択動作情報に対応するため、任意の仮想現実シーンを選択した後、ユーザが任意の仮想現実シーンに対応する標準選択動作情報に整合する選択動作情報を生成するときにのみ、ユーザは、アイデンティティ認証を完了することができる。それに応じて、
図3は、本出願の実装形態例2に従う、アイデンティティ認証方法を例証するフローチャートである。
図3に示されるように、本方法は、仮想現実デバイスに適用され、以下のステップを含み得る。
【0057】
ステップ302:アイデンティティ認証手順が開始されるとき、仮想現実デバイスが、現在のユーザによって選択される仮想現実シーンを判定する。
【0058】
本実装形態において、仮想現実デバイスは、すべての仮想現実シーンのためのシーン選択肢をユーザに対して表示し、現在のユーザのシーン選択肢選択に基づいて、現在のユーザによって選択される仮想現実シーンを判定することができる。当然ながら、現在のユーザは、仮想現実デバイスによって提供される別の方法において仮想現実シーンをさらに選択することができる。本出願はそれに制限を設けない。
【0059】
仮想現実デバイスは、仮想現実シーンを構築するために、現在のユーザによって選択される仮想現実シーンに基づいて、対応する仮想現実画像を表示することができる。例えば、選択された仮想現実シーンが「書斎」である場合、「書斎」に関連する仮想現実画像が表示され得るか、または、選択された仮想現実シーンが「リビングルーム」である場合、「リビングルーム」に関連する仮想現実画像が表示されるため、ユーザはより良い没入型体験を得る。
【0060】
ステップ304:仮想現実デバイスが、選択された仮想現実シーンと事前に関連付けられた標準選択動作情報を判定する。
【0061】
本実装形態において、各仮想現実シーンと事前に関連付けられた標準選択動作情報が存在し得る。すべての仮想現実シーンは、相互に独立しており、対応する標準選択動作情報は、相互に独立している。言い換えると、本実装形態には複数の「正しい回答」が存在する。それに応じて、実装形態において、アイデンティティ認証は、現在のユーザによって生成される選択動作情報が任意の「正しい回答」を満足することを前提に完了され得る。当然ながら、別の実装形態において、現在のユーザは、少なくとも予め定められた量の仮想現実シーンについて対応する選択動作情報を生成する必要があり、選択動作情報が、対応する仮想現実シーンと事前に関連付けられた標準選択動作情報に別々に整合するときにのみ、現在のユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定され得る。
【0062】
ステップ306:仮想現実デバイスが複数の候補仮想現実物品を表示する。
【0063】
本実装形態において、各仮想現実シーンは、標準選択動作情報に対応する。したがって、仮想現実デバイスは、現在のユーザによって選択される仮想現実シーンに基づいて対応する標準選択動作情報を判定し、標準選択動作情報によって示される候補仮想現実物品を表示することができる。
【0064】
ステップ308:仮想現実デバイスが選択動作情報を生成する。
【0065】
本実装形態において、仮想現実デバイスは、候補仮想現実物品に対して現在のユーザによって実行される選択動作に基づいて、対応する選択動作情報を生成することができる。例えば、選択動作情報は、(1)現在のユーザによって選択される仮想現実物品、および(2)仮想現実物品についてのユーザの選択順序を含み得る。
【0066】
「ユーザによって選択される仮想現実物品」については、
図2に示される実装形態におけるステップ206と同様に、例えば、仮想現実物品は、仮想現実物品のID情報、すなわち、先の「A」、「B」、「C」などによって表され得る。そのような状況において、選択動作情報は、「ユーザは、仮想現実物品A、B、およびCを選択する」であり得る。
【0067】
例えば、先の仮想現実物品A、B、およびCの「選択順序」については、現在のユーザが仮想現実物品A、B、およびCを連続して選択すると仮定すると、対応する選択順序は、A→B→Cであり得る。または、現在のユーザが仮想現実物品C、B、およびAを連続して選択すると仮定すると、対応する選択順序は、C→B→Aであり得る。選択順序が関与する場合、現在のユーザは、同じ仮想現実物品を複数回選択することができる。例えば、選択順序が、A→C→A→B→A→Bであるとき、それは、ユーザが仮想現実物品Aを3回、仮想現実物品Bを2回、および仮想現実物品Cを1回選択することを示す。
【0068】
ステップ310:選択動作情報が、標準選択動作情報と同じである連続的な選択動作情報を含むとき、仮想現実デバイスが、現在のユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定し、そうでない場合は、仮想現実デバイスが、現在のユーザのアイデンティティ認証が失敗すると判定する。
【0069】
実装形態において、連続的な選択動作情報が、選択動作情報自体であり得、すなわち、選択動作情報が標準選択動作情報と同じであるとき、仮想現実デバイスは、選択動作情報が標準選択動作情報に整合すると判定し、現在のユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定することができる。例えば、標準選択動作情報が「A→B→C」であるとき、選択動作情報が「A→B→C」である場合、現在のユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定される。しかしながら、選択動作情報が「B→A→B→C→B」である場合、たとえ選択動作情報が「A→B→C」を含んでいても、依然としてアイデンティティ認証は失敗すると判定される。
【0070】
別の実装形態において、連続的な選択動作情報は、選択動作情報の一部であり得、連続的な選択動作情報自体が、連続的な情報でなければならず、複数の分離した選択動作情報によって形成され得ない。例えば、標準選択動作情報が「A→B→C」であるとき、選択動作情報が「B→A→B→C→B」である場合、選択動作情報が連続的な選択動作情報「A→B→C」を含むために、現在のユーザのアイデンティティ認証は成功すると判定され得る。選択動作情報が「A→B→B→C」である場合、「A→B」および「C」が含まれてはいるが、「A→B」および「C」が分離されているために、アイデンティティ認証は失敗すると判定され得る。本実装形態において、現在のユーザは、入力プロセス中の別のユーザの覗き見によって引き起こされる情報漏洩を低減するために、連続的な選択動作情報の前もしくは後ろまたは前および後ろに錯乱用に無関係なコンテンツを追加することができ、それにより情報セキュリティを向上することを助ける。
【0071】
図3に示される実装形態における技術特徴が、
図2または本出願に提供される他の実装形態にも適用可能であることは留意するに値する。例えば、
図3に示される実装形態における仮想現実シーンに関連する技術方法は、
図2または本出願に提供される他の実装形態にも適用可能である。したがって、標準選択動作情報は、固有または固定ではないが、現在のユーザによって選択される仮想現実シーンに関連し、それにより情報セキュリティを向上する。別の例では、表示された仮想現実物品は、「ユーザによって選択される想現実物品」および「選択順序」を含む対応する選択動作情報を生成するために、連続して選択される。そのような実践は、
図2または本出願に提供される他の実装形態にも適用可能であり、それにより情報セキュリティを向上する。別の例では、ステップ310で使用される技術方法はまた、
図2または本出願に提供される他の実装形態においても使用され得、すなわち、選択動作情報は、選択動作情報の複雑性および無作為性を増大させるために連続的な選択動作情報および他の無関係な情報を含み、ユーザの動作を観察することにより他のユーザが標準選択動作情報を推測することを防ぐことができ、それにより情報セキュリティを向上することを助ける。同様に、
図3に示される実装形態における他の技術特徴は、他の実装形態にも適用可能であり得、詳細は、簡潔性のためにここでは省略される。
【0072】
実装形態3
本出願のさらに別の実装形態例として、仮想現実デバイスは、複数の仮想現実シーンを提供することができる。すべての仮想現実シーンが同じ標準選択動作情報を使用するが、ユーザは、事前に規定された標準シーンを選択し、標準選択動作情報に整合する選択動作情報を生成した後にのみ、アイデンティティ認証を完了することができる。それに応じて、
図4は、本出願の実装形態例3に従う、アイデンティティ認証方法を例証するフローチャートである。
図4に示されるように、本方法は、仮想現実デバイスに適用され、以下のステップを含み得る。
【0073】
ステップ402:アイデンティティ認証手順が開始されるとき、仮想現実デバイスが、特定のユーザに対応する標準選択動作情報およびこの現在のユーザに対応する事前に規定された標準シーンを別々に判定することができる。
【0074】
本実装形態において、アイデンティティ認証手順は、現在のユーザがある特定のユーザであるかどうかを検証することを目指す。したがって、仮想現実デバイスは、特定のユーザと事前に関連付けられる標準選択動作情報および標準シーンを獲得し、この標準選択動作情報および標準シーンを現在のユーザのアイデンティティ認証のための「正しい回答」として使用することができる。
【0075】
ステップ404A:仮想現実デバイスが、選択された仮想現実シーンを判定する。
【0076】
本実装形態において、
図3に示される実装形態におけるステップ302と同様に、仮想現実デバイスは、現在のユーザによって選択される仮想現実シーンを判定することができ、詳細は、簡潔性のためにここでは省略される。
【0077】
ステップ404B:仮想現実デバイスが、複数の候補仮想現実物品およびいくつかの錯乱用仮想現実物品を表示する。
【0078】
本実装形態において、仮想現実デバイスによって表示される複数の仮想現実物品は、標準選択動作情報によって示される候補仮想現実物品および標準選択動作情報によって示されない錯乱用仮想現実物品の両方を含むことができる。そのようなものとして、錯乱用仮想現実物品は、未認証のユーザを錯乱および混乱させるために、不正解の選択肢として機能することができ、それによりアイデンティティ認証の信頼性を向上することを助ける。
【0079】
本実装形態において、錯乱用仮想現実物品は、所定の次元において候補仮想現実物品とは異なる。以下は、様々な所定の次元に関して詳細な説明を提供する。
【0081】
仮想現実デバイスによって表示される錯乱用仮想現実物品は、候補仮想現実物品とは異なるカテゴリに属し得る。例えば、候補仮想現実物品がペン、コップ、ランプなどであると仮定すると、錯乱用仮想現実物品は、枕、テレビセット、歯ブラシなどであり得る。そのようなものとして、ユーザは、異なる仮想現実物品同士を明白に差別化することができる。
【0083】
仮想現実デバイスによって表示される錯乱用仮想現実物品は、候補仮想現実物品とは異なる仕様を有し得る。「仕様」は、複数の側面から理解され得る。
【0084】
1つの状況において、「仕様」は、物品のサイズ、すなわち、仮想現実デバイスによって同じ仮想現実物品を表示するスケールとして理解され得る。候補仮想現実物品が小さいサイズのコップであると仮定する。錯乱用仮想現実物品は、より大きいサイズのコップであり得る。例えば、候補仮想現実物品として使用されるコップは、元の表示スケール(すなわち1倍)を使用し得、錯乱用仮想現実物品として使用されるコップは、5倍または別の表示スケールを使用し得る。
【0085】
別の状況において、「仕様」は、物品のモデルとして理解され得る。例えば、候補仮想現実物品は、ガラスコップであり、錯乱用仮想現実物品は、プラスチックコップである。そのようなものとして、2つのコップが同じ容積を有するとしても、ユーザは、依然として、異なる仮想現実物品同士を明白に差別化することができる。別の例では、候補仮想現実物品は、500mlの容積のガラスコップであり、錯乱用仮想現実物品は、3000mlの容積のガラスコップである。そのようなものとして、2つのカップが同じデザインを有するとしても、ユーザは、依然として、異なる仮想現実物品同士を明白に差別化することができる。
【0086】
当然ながら、「仕様」は、他の側面からさらに理解され得、詳細はここでは簡潔性のために省略され、本出願はそれに制限を設けない。
【0088】
仮想現実デバイスによって表示される錯乱用仮想現実物品は、候補仮想現実物品とは異なる空間的配置を有し得る。例えば、候補仮想現実物品は、開口部が上に向いたコップであり得、錯乱用仮想現実物品は、開口部が下に向いたコップであり得る。別の例では、候補仮想現実物品は、ニップが左を向いた万年筆であり得、錯乱用仮想現実物品は、ニップが前を向いた万年筆などであり得る。
【0089】
(4)別の仮想現実物品との相対的な位置関係
【0090】
候補仮想現実物品は、物品同士の相対的な位置関係に基づいて錯乱用仮想現実物品とは差別化され得る。例えば、候補仮想現実物品は、仮想現実シーン内の仮想現実デスク上のコップであり得、錯乱用仮想現実物品は、仮想現実シーン内の仮想現実ティーテーブル上のコップであり得る。別の例では、候補仮想現実物品は、仮想現実シーン内の仮想現実デスクの卓上の左上角にある万年筆であり得、錯乱用仮想現実物品は、仮想現実シーン内の仮想現実デスクの卓上の右上角または引き出し内にある万年筆などであり得る。
【0091】
当然ながら、1つの錯乱用仮想現実物品は、少なくとも1つの所定の次元において候補仮想現実物品とは差別化され得る。例えば、候補仮想現実物品がペンであり、錯乱用仮想現実物品が歯ブラシであるとき、2つの物品は、物品仕様、空間的配置、および相対的な位置関係に関して、互いと一致するか、または異なり得る。
【0092】
加えて、仮想現実デバイスは、他の所定の次元を満足する錯乱用仮想現実物品をさらに表示することができる。本出願はそれに制限を設けない。その上、仮想現実デバイスは、先の所定の次元のうちの少なくとも1つを満足する錯乱用仮想現実物品を表示することができる。本出願はそれに制限を設けない。
【0093】
ステップ406:仮想現実デバイスが選択動作情報を生成する。
【0094】
本実装形態において、
図2に示される実装形態におけるステップ206と同様に、選択動作情報は、現在のユーザによって選択される仮想現実物品のみを含み得、
図3に示される実装形態におけるステップ308と同様に、選択動作情報は、ユーザによって選択される仮想現実物品および複数の仮想現実物品の選択順序の両方を含み得る。しかしながら、
図2または
図3に示される実装形態とは異なり、本実装形態において、表示された仮想現実物品は、錯乱用仮想現実物品を含み、したがって、選択動作情報は、ユーザによって選択される錯乱用仮想現実物品(例えば、ID情報などの説明情報)または選択順序を含み得る。しかしながら、それは仮想現実デバイスの後続処理に影響を与えず、仮想現実デバイスは、選択動作情報を標準選択動作情報と比較して、2つの情報が互いに整合するかどうかを判定することができる。
【0095】
例えば、仮想現実デバイスによって表示される候補仮想現実物品が仮想現実物品A、B、およびCであり得、仮想現実デバイスによって表示される錯乱用仮想現実物品が仮想現実物品DおよびEであると仮定する。ステップ206に示されるソリューションと同様のソリューションが使用されるとき、標準選択動作情報が「ユーザは、仮想現実物品A、B、およびCを選択する」である場合、選択動作情報が「ユーザは、仮想現実物品A、B、およびCを選択する」であるときにのみ、選択動作情報が標準選択動作情報に整合すると判定され得る。そうでない場合、例えば、選択動作情報が、「ユーザは、仮想現実物品A、D、およびCを選択する」である場合、選択動作情報が標準選択動作情報に整合しないと判定され得る。
【0096】
ステップ308に示されるソリューションと同様のソリューションが使用されるとき、標準選択動作情報が「A→B→C」であり、かつ選択動作情報が「A→B→C」である場合、現在のユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定され得る。選択動作情報が「A→D→C」である場合、アイデンティティ認証が失敗すると判定され得る。当然ながら、標準選択動作情報との整合のための連続的な選択動作情報を形成するために選択動作情報内でいくつかのデータを使用することが許される場合、選択動作情報が「D→A→B→C→E」であるとき、選択動作情報が連続的な選択動作情報「A→B→C」を含むため、依然として現在のユーザのアイデンティティ認証は成功すると判定され得る。
【0097】
ステップ408:選択された仮想現実シーンが事前に規定された標準シーンであり、かつ選択動作情報が標準選択動作情報に整合するとき、現在のユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定され得る。
【0098】
ステップ410:選択された仮想現実シーンが事前に規定された標準シーンではない、または選択動作情報が標準選択動作情報に整合しないとき、認証が失敗すると判定され得る。
【0099】
本実装形態において、事前に規定された標準シーンは、固定シーンであり得る。例えば、事前に規定された標準シーンは、現在のユーザが特定のユーザであるかどうかが検証されるたびにいつも「書斎」であり得る。または、事前に規定された標準シーンは、動的シーンであり得る。例えば、動的シーンは、アイデンティティ認証手順の開始プロセスに関連し得る。例えば、アイデンティティ認証手順が「ログイン機能」によって開始されるとき、事前に規定された標準シーンは「書斎」であり得、アイデンティティ認証手順が「決済機能」によって開始されるとき、事前に規定された標準シーンは「リビングルーム」であり得る、などである。
【0100】
図4に示される実装形態における技術特徴が、
図2、
図3、または本出願に提供される他の実装形態にも適用可能であることは留意するに値する。例えば、
図4に示される実装形態において、仮想現実デバイスが候補仮想現実物品およびいくつかの錯乱用仮想現実物品の両方を表示する技術方法は、アイデンティティ認証の信頼性を向上するために、
図2、
図3、または本出願に提供される他の実装形態にも適用可能である。同様に、
図4に示される実装形態における他の技術特徴は、他の実装形態にも適用可能であり得、詳細は、簡潔性のためにここでは省略される。
【0101】
実装形態4
本出願のさらに別の実装形態例として、仮想現実デバイスは複数の仮想現実シーンを提供することができ、各仮想現実シーンが標準選択動作情報に対応する。ユーザは、事前に規定された標準シーンを選択し、その標準シーンと事前に関連付けられた標準選択動作情報に整合する選択動作情報を生成した後にのみアイデンティティ認証を完了することができる。それに応じて、
図5は、本出願の実装形態例3に従う、アイデンティティ認証方法を例証するフローチャートである。
図5に示されるように、本方法は、仮想現実デバイスに適用され、以下のステップを含み得る。
【0102】
ステップ502:アイデンティティ認証手順が開始されるとき、仮想現実デバイスが、開始プロセスに対応する事前に規定された標準シーン、およびその標準シーンに対応する標準選択動作情報を判定する。
【0103】
本実装形態において、上に説明されるように、事前に規定された標準シーンは、動的シーンであり得る。動的シーンは、アイデンティティ認証手順の開始プロセスに関連し得る。例えば、アイデンティティ認証手順が「ログイン機能」によって開始されるとき、事前に規定された標準シーンは「書斎」であり得、アイデンティティ認証手順が「決済機能」によって開始されるとき、事前に規定された標準シーンは「リビングルーム」であり得る、などである。
【0104】
本実装形態において、
図3に示される実装形態におけるステップ304と同様に、各仮想現実シーンと事前に関連付けられた標準選択動作情報が存在し得る。すべての仮想現実シーンは、相互に独立しており、対応する標準選択動作情報は、相互に独立している。しかしながら、事前に規定された標準シーンに対応する標準選択動作情報のみが、本実装形態においては「正しい回答」として使用され得る。言い換えると、現在のユーザは、ユーザが正しい仮想現実シーン内で「正しい回答」を満足する選択動作情報を生成するときにのみ、アイデンティティ認証を完了することができる。
【0105】
ステップ504:仮想現実デバイスが、現在のユーザによって選択される仮想現実シーンを判定する。
【0106】
ステップ506:仮想現実デバイスが、表示された仮想現実シーンのための仮想現実物品を表示する。
【0107】
本実装形態において、各仮想現実シーンに対応する標準選択動作情報が存在するため、現在のユーザによって選択される仮想現実シーンについて、仮想現実デバイスは、選択された仮想現実シーンと事前に関連付けられた標準選択動作情報に基づいて対応する仮想現実物品を生成する。例えば、仮想現実物品は、候補仮想現実物品のみを含み得るか、または候補仮想現実物品および錯乱用仮想現実物品の両方を含み得る。
【0108】
各仮想現実シーンに対応する標準選択動作情報が存在するため、現在のユーザによって選択される仮想現実シーンが事前に規定された標準シーンではない場合、仮想現実デバイスが、選択された仮想現実シーンと事前に関連付けられた標準選択動作情報に基づいて「候補仮想現実物品」を判定するとき、「候補仮想現実物品」は、実際には、必ずしも、事前に規定された標準シーンと事前に関連付けられた標準選択動作情報によって示されるわけではないことを理解されたい。実際には、仮想現実デバイスによって表示される「候補仮想現実物品」が事前に規定された標準シーンと事前に関連付けられた標準選択動作情報とは全く無関係であり、その結果、現在のユーザが、「正しい回答」を満足する選択動作情報を生成することができないということが可能である。
【0109】
加えて、各仮想現実シーンは、相互に独立した標準選択動作情報を使用する。したがって、異なる状況における事前に規定された標準シーンは、「正しい回答」の量および複雑性を増大するために対応する「正しい回答」を使用することができ、それにより情報セキュリティおよび認証信頼性を向上することを助ける。
【0110】
ステップ508:仮想現実デバイスが選択動作情報を生成する。
【0111】
本実装形態において、
図4に示される実装形態におけるステップ406に対して言及がなされ得、詳細は、簡潔性のためにここでは省略される。
【0112】
ステップ510:選択された仮想現実シーンが事前に規定された標準シーンであり、かつ選択動作情報が標準選択動作情報に整合するとき、現在のユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定され得る。
【0113】
ステップ512:選択された仮想現実シーンが事前に規定された標準シーンではない、または選択動作情報が標準選択動作情報に整合しないとき、認証が失敗すると判定され得る。
【0114】
加えて、認証フェーズにおいて、ユーザの認証時間の量は、現在のユーザの連続した認証失敗の量が認証時間の量に達するとき、現在のユーザのさらなる認証動作が制限されるように予め定められ得、通知メッセージが、特定のユーザによって留保されたコンタクトに基づいて送信されて、セキュリティリスクをこのユーザに通知し得る。
【0115】
要するに、ユーザによって選択される仮想現実シーン、ユーザによって生成される選択動作情報などは、ユーザが仮想現実シーン内でアイデンティティ認証を効率的および簡便に実施することができるように特定される。
【0116】
図6は、本出願の実装形態例に従う、電子デバイスを例証する概略構造図である。
図6に示されるように、ハードウェアに関して、電子デバイスは、プロセッサ602、内部バス604、ネットワークインターフェース606、メモリ608、および不揮発性メモリ610を含み、当然ながら、他のサービスによって必要とされるハードウェアをさらに含み得る。プロセッサ602は、不揮発性メモリ610から対応するコンピュータプログラムを実行のためにメモリ608へと読み出し、アイデンティティ認証装置が論理的に形成される。当然ながら、ソフトウェア実装形態に加えて、本出願は、別の実装形態、例えば、論理デバイス、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせを除外しない。すなわち、以下の処理手順の実行部は、各論理ユニットに限定されず、ハードウェアまたは論理デバイスであってもよい。例えば、先の電子デバイスは、仮想現実デバイスであってもよい。
【0117】
図7に示されるように、ソフトウェア実装形態において、アイデンティティ認証装置は、表示ユニット71、判定ユニット72、および判断ユニット73を含み得、表示ユニット71は、ユーザに特有のアイデンティティ認証手順が開始されるとき、複数の仮想現実物品を表示するように構成され、判定ユニット72は、仮想現実物品についてのユーザの選択動作情報を判定するように構成され、判断ユニット73は、選択動作情報が事前に規定された標準選択動作情報に整合するとき、ユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定するように構成される。
【0118】
任意選択的に、表示ユニット71は、標準選択動作情報によって示される候補仮想現実物品のみを表示するか、または、標準選択動作情報によって示される候補仮想現実物品および標準選択動作情報によって示されない錯乱用仮想現実物品の両方を表示するように特に構成される。
【0119】
任意選択的に、錯乱用仮想現実物品は、所定の次元において候補仮想現実物品とは異なり、所定の次元は、以下のうちの少なくとも1つ:物品カテゴリ、物品仕様、空間的配置、および別の仮想現実物品との相対的な位置関係を含む。
【0120】
任意選択的に、判定ユニット72は、ユーザによって選択される仮想現実物品を判定し、その仮想現実物品を選択動作情報として追加するように特に構成され、判断ユニット73は、ユーザによって選択される仮想現実物品が標準選択動作情報によって示される候補仮想現実物品と一致するとき、選択動作情報が標準選択動作情報に整合すると判定し、ユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定するように特に構成される。
【0121】
任意選択的に、判定ユニット72は、仮想現実物品についてのユーザの選択順序を判定し、その選択順序を選択動作情報として追加するように特に構成され、判断ユニット73は、ユーザによって選択される仮想現実物品が標準選択動作情報によって示される候補仮想現実物品と一致し、かつ選択順序が標準選択動作情報によって示される候補仮想現実物品の標準順序と一致するとき、選択動作情報が標準選択動作情報に整合すると判定し、ユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定するように特に構成される。
【0122】
任意選択的に、判断ユニット73は、選択動作情報が標準選択動作情報と同じであるとき、選択動作情報が標準選択動作情報に整合すると判定し、ユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定するように、または、選択動作情報がいくつかの仮想現実物品についてのユーザの連続的な選択動作情報を含み、かつその連続的な選択動作情報が標準選択動作情報と同じであるとき、選択動作情報が標準選択動作情報に整合すると判定し、ユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定するように特に構成される。
【0123】
任意選択的に、本装置は、複数の事前に規定された仮想現実シーンに対応するシーン選択肢をユーザに提供し、ユーザによって選択されるシーン選択肢を判定するように構成される第1のシーン選択ユニット74をさらに含み、表示ユニット71は、ユーザによって選択されるシーン選択肢に対応する仮想現実シーン内に、表示された仮想現実シーンと事前に関連付けられた仮想現実物品を表示するように特に構成され、判断ユニット73は、選択動作情報が、表示された仮想現実シーンと事前に関連付けられた標準選択動作情報に整合するとき、ユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定するように特に構成される。
【0124】
任意選択的に、本装置は、複数の事前に規定された仮想現実シーンに対応するシーン選択肢をユーザに提供し、ユーザによって選択されるシーン選択肢を判定するように構成される第2のシーン選択ユニット75をさらに含み、表示ユニット71は、ユーザによって選択されるシーン選択肢に対応する仮想現実シーン内に仮想現実物品を表示するように特に構成され、判断ユニット73は、表示された仮想現実シーンが事前に規定された標準シーンであり、かつ選択動作情報が事前に規定された標準選択動作情報に整合するとき、ユーザのアイデンティティ認証が成功すると判定するように特に構成される。
【0125】
任意選択的に、表示ユニット71は、ユーザによって選択される各仮想現実シーン内に同じ仮想現実物品を表示するように特に構成される。
【0126】
任意選択的に、表示ユニット71は、ユーザによって選択される各仮想現実シーン内に、表示された仮想現実シーンと事前に関連付けられた仮想現実物品を別々に表示するように特に構成される。
【0127】
任意選択的に、事前に規定された標準シーンは、アイデンティティ認証手順の開始プロセスに関連する。
【0128】
先の実装形態において例証されるシステム、装置、モジュール、またはユニットは、コンピュータチップまたはエンティティを使用することにより実装され得るか、特定の機能を有する製品を使用することにより実装され得る。典型的な実装デバイスは、コンピュータであり、コンピュータは、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯電話、カメラ携帯、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、メディアプレイヤ、ナビゲーションデバイス、電子メール受送信デバイス、ゲーム機、タブレットコンピュータ、ウェアラブルデバイス、またはこれらのデバイスの任意の組み合わせであり得る。
【0129】
典型的な構成において、コンピュータは、1つまたは複数のプロセッサ(CPU)、1つまたは複数の入力/出力インターフェース、1つまたは複数のネットワークインターフェース、および1つまたは複数のメモリを含む。
【0130】
メモリは、非永続メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性メモリ、および/または、コンピュータ可読媒体内の別の形態、例えば、リードオンリメモリ(ROM)もしくはフラッシュメモリ(フラッシュRAM)を含み得る。メモリは、コンピュータ可読媒体の一例である。
【0131】
コンピュータ可読媒体は、任意の方法または技術を使用することにより情報記憶を実施することができる、永続、非永続、可動、および非可動式メディアを含む。情報は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータであり得る。コンピュータ記憶媒体の例としては、限定されるものではないが、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、別のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリもしくは別のメモリ技術、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多目的ディスク(DVD)もしくは別の光学記憶装置、カセット磁気テープ、テープおよびディスク記憶装置もしくは別の磁気記憶装置デバイス、またはコンピューティングデバイスがアクセスすることができる情報を記憶するように構成され得る任意の他の非伝送媒体が挙げられる。本明細書内の定義に基づくと、コンピュータ可読媒体は、一時的なコンピュータ可読媒体(一時的な媒体)、例えば、変調データ信号およびキャリアを含まない。
【0132】
「含む」、「備える」、またはそれらの任意の他の変異形は、非排他的な包含を網羅することが意図されるため、要素のリストを含むプロセス、方法、製品、もしくはデバイスは、それらの要素だけを含むのではなく、明示的に列挙されない他の要素も含むか、またはそのようなプロセス、方法、製品、もしくはデバイスに本来伴う要素をさらに含むということは留意するに値する。「〜を含む」の後に続く要素は、さらなる制限なしに、その要素を含むプロセス、方法、製品、またはデバイス内の追加の同一要素の存在を除外しない。
【0133】
実装形態例は、ここで詳細に説明され、実装形態の例は、添付の図面に示される。説明が添付の図面に関するとき、異なる添付の図面内の同じ数字は、別の指示が記述されない限りは、同じまたは同様の要素を示す。実装形態例に説明される実装形態方法は、本出願と一致するすべての実装形態方法を表すわけではない。むしろ、これらの実装形態方法は、本出願の特許請求の範囲に詳細に説明されるいくつかの態様と一致する装置および方法の例にすぎない。
【0134】
本出願で使用される用語は、特定の実装形態を例証するためのものにすぎず、本出願を制限することは意図されない。本出願および本出願の添付の特許請求の範囲で使用される単数形の「a」、「said」、および「the」という用語はまた、文脈において別途明確に示されない限りは、複数形を含むことが意図される。ここで使用される「および/または」という用語は、1つまたは複数の関連した列挙項目の任意またはすべての可能な組み合わせを示し、またそれらを含むということも理解されたい。
【0135】
「第1」、「第2」、「第3」などの用語が、様々なタイプの情報を説明するために本出願で使用され得るが、情報は、この用語に制限されないということを理解されたい。これらの用語は、同じタイプの情報を差別化するために使用されるだけである。例えば、本出願の範囲から逸脱することなく、第1の情報はまた、第2の情報と呼ばれ得、同様に、第2の情報は、第1の情報と呼ばれ得る。文脈に応じて、ここで使用されるような「〜である場合」という言葉は、「〜であるとき」、または「〜との判定に応答して」と解釈され得る。
【0136】
先の説明は、単に本出願の実装形態例にすぎず、本出願を制限することは意図されない。本出願の趣旨および原則から逸脱することなくなされる任意の修正、等価の置き換え、または改善は、本出願の保護範囲内に入るものとする。