(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る採尿容器が設置されたトイレ装置を例示する斜視図である。
図1に示したトイレ装置は、洋風大便器(洋式腰掛便器、以下では単に「便器」と称することがある)800を有する。便器800の上には、ケーシング400と便座200とが設けられている。便座200は、ケーシング400に対して開閉自在に軸支されている。
図1は、便座200が開いた状態を示す。
【0022】
ここで、本願明細書においては、便座200に座った使用者からみて上方を「上方」とし、便座200に座った使用者からみて下方を「下方」とする。また、便座200に座った使用者からみて前方を「前方」とし、便座200に座った使用者からみて後方を「後方」とする。便座200に座った使用者からみて右側を「右側方」とし、便座200に座った使用者からみて左側を「左側方」とする。
【0023】
便器800は、ボウル部801とリム802とを有する。リム802は、ボウル部801の上端に設けられている。
【0024】
実施形態に係る採尿容器100は、例えばボウル状の容器である。採尿容器100は、採尿の際には、
図1に示すように便器800に設置される。
【0025】
被験者は、採尿容器100が設置されたボウル部801の上から便座200を閉じ、便座200に座った状態で採尿容器100(及びボウル部801)に向けて尿を排泄する。または、被験者は、立った状態で採尿容器100が設置されたボウル部801に向けて尿を排泄してもよい。採尿容器100は、ボウル部801に向けて排泄された尿の少なくとも一部を採取(分取)する。
【0026】
図2は、実施形態に係る採尿容器を例示する斜視図である。
図3は、実施形態に係る採尿容器を例示する断面図である。
図4は、実施形態に係る採尿容器を例示する平面図である。
図3は、
図2に示したC1−C1線における断面を示している。
図4は、
図2に示した採尿容器100を上方から眺めた様子を示している。
【0027】
図2〜
図4に示したように、採尿容器100は、尿捕集部10と、尿貯留部20と、尿漏出部30と、を有する。
【0028】
尿捕集部10は、例えばボウル状である。尿捕集部10は、第1の立面11と、第2の立面12と、底面13と、有する。
第1の立面11は、底面13の前方及び側方から上方に向かって延びる面である。第1の立面11は、尿捕集部10の前方及び側方を囲む。第1の立面11は、例えば、便器800のボウル部801の内面に沿って湾曲している。また、第1の立面11は、後端において第2の立面12と接続されている。
第2の立面12は、底面13の後方から上方に向かって延びる面である。
【0029】
図3に示したように、尿貯留部20は、底面13に設けられる。尿貯留部20は、例えば、底面13から連続して形成された凹部である。
【0030】
尿漏出部30は、底面13において、尿貯留部20の上端に設けられている。尿漏出部30は、開口30eを有する。開口30eは、尿貯留部20と尿捕集部10(底面13)との間に設けられる。開口30eは、例えば、尿貯留部20と尿捕集部10との境界の一部に位置している。
【0031】
底面13には、尿貯留部20へ向かう下り傾斜が設けられている。例えば、
図3に示した矢印A1のように、底面13のうち尿貯留部20よりも後方の部分は、前方に向かう下り傾斜を有する。また、
図3に示した矢印A2のように、底面13のうち尿貯留部20よりも前方の部分は、後方に向かう下り傾斜を有する。また、例えば、
図4に示した矢印A3及び矢印A4のように、底面13には、尿捕集部10の左右方向の中心に向かう下り傾斜が設けられている。
【0032】
例えば、
図4に示したように、採尿容器100は、取付部41と、把持部43と、を有する。取付部41は、直接的(又は間接的)に便器800と接触し、採尿容器100を支持する。
【0033】
この例では、取付部41は、採尿時に便器800のリム802の上に載置される。取付部41は、第1の立面11の上端から水平方向に延びる鍔状である。取付部41を、爪状や鉤状にしてもよい。被験者が便座200に座るときには、取付部41は、リム802と便座200との間に挟まれる。
【0034】
取付部41には、孔41eが設けられている。例えば、採尿容器100の洗浄した時には、孔41eを用いて採尿容器100を吊すことができる。
【0035】
把持部43は、取付部41から水平方向において外側に延びた部分である。採尿容器100が便器800に設置された状態において、把持部43は、便器800のリム802よりも外側に延在している。被験者等が把持部43を掴むことで、採尿容器100を便器800に設置することや、採尿容器100を便器800から取り外すことが容易となる。
【0036】
採尿容器100の材料には、例えば、ポリカーボネートやポリプロピレンなどの樹脂が用いられる。ポリカーボネートを用いた場合、採尿容器100の耐熱性を向上させることができ、熱消毒を行うことができる。ポリプロピレンを用いた場合、採尿容器100の耐薬品性を向上させることができ、アルコール消毒や次亜塩素酸ナトリウム消毒などを行うことができる。医療機関では対象としている疾病によって、採尿容器に対する清掃仕様としてどのような洗浄方法が一般的であるかが異なるが、殺菌能力に主眼をおいた熱消毒と、取り扱いに主眼をおいた薬剤による消毒と、を選択できる。
また、例えば、上述した尿捕集部10、尿貯留部20、尿漏出部30、取付部41及び把持部43は、一体に成形されている。
【0037】
図5は、実施形態に係る採尿容器が便器に設置された状態を例示する断面図である。
図6は、実施形態に係る採尿容器が便器に設置された状態を例示する平面図である。
図5は、
図6に示すC2−C2線における採尿容器100及び便器800の断面を示す。
図6は、
図5に示した採尿容器100及び便器800の一部を上方から眺めた様子を示す。
図6においては、便器800のリム802を一点鎖線で表している。
【0038】
図5に示したように、便器800は、ボウル部801の下方に接続されたトラップ部900を有する。トラップ部900は、図示しない排水管に接続される。また、ボウル部801の内部には、水801w(封水)が設けられている。すなわち、トイレの非使用時において所定量の水がボウル部801内に溜められている。これにより、排泄物などが流れる排水管から臭気などが逆流することを防ぐことができる。
【0039】
例えば、
図5に示したように、尿捕集部10は、取付部41によって支持され、ボウル部801上に配置される。ここで、「尿捕集部10がボウル部801上に配置される」とは、
図5のように、尿捕集部10の少なくとも一部がリム802よりも下方に位置し、ボウル部801内に配置されている状態も含むものとする。
【0040】
このような設置状態において、被験者は、採尿容器100に向けて尿を排泄する。これにより、尿は尿捕集部10によって捕集される。そして、尿貯留部20は、捕集された尿の少なくとも一部を貯留する。尿貯留部20に所定量を超える尿が流れ込むと、尿貯留部20に貯留された尿以外の尿は、尿漏出部30の開口30eによって外部(ボウル部801)に排出される。このようにして、所定量の尿を採取することができる。
【0041】
図6に示したように、採尿容器100の尿漏出部30(開口30e)は、上方から見たときに、ボウル部801の中央部に位置する。
尿漏出部30は、ボウル部801の中心C801(又は水801wの中心CW)に近いことが好ましい。尿漏出部30がボウル部801の中央部に位置する状態は、例えば、尿漏出部30の中心C30が、尿貯留部20の中心C20に比べて、ボウル部801の中心C801に近い状態である。なお、「中心」とは、鉛直上方から見たときの平面形状における重心をいうものとする。
【0042】
換言すれば、中心C30と中心C801との間の距離は、中心C20と中心C801との間の距離よりも短い。また、
図6の例では、中心C30と中心CWとの間の距離は、中心C20と中心CWとの間の距離よりも短い。
【0043】
また、例えば、尿漏出部30がボウル部801の中央部に位置する状態においては、便器非洗浄時に上方から見たときに、尿漏出部30の少なくとも一部が、水801wの一部と重なる。
このように、実施形態においては、採尿容器100が便器800に設置された状態において、尿漏出部30をボウル部801の中央に寄せて配置している。
【0044】
被験者は、尿を排泄した後、尿貯留部20に溜まった尿をスピッツなどの容器に移し、採取する。これにより、採取された尿(尿検体)の成分分析等を行うことができる。
【0045】
通常、被験者は、尿を容器に移した後、便器洗浄を実施する。すなわち、便器800に水(洗浄水)を流して、水と共に尿を排水管へ流す。しかし、被験者がこの手順を誤ってしまうことがある。つまり、被験者は、尿をスピッツなどの容器に移す前に、採尿容器100が便器800に設置されたままの状態で、便器洗浄を実施してしまうことがある。便器800に水が流れると、尿漏出部の開口から水が尿貯留部へ浸入し、尿貯留部に溜まった尿に水が混じってしまうことがある。このような場合には、正しい分析結果を得ることができない。
【0046】
便器洗浄において、水は、ボウル部801の内面に沿って流れる。そこで、実施形態に係る採尿容器100においては、尿漏出部30をボウル部801の中央部に設けてボウル部801の内面から遠ざけている。これにより、被験者が手順を誤っても、尿貯留部20へ水が侵入することを防げる。尿の採取と便器洗浄操作の手順に制約が無くなり、使い勝手を向上させることができる。
【0047】
また、便器洗浄において、便器800内の水位は一時的に高くなる。例えば、
図5に示したように、非洗浄時の水位WL1に比べて、便器洗浄中における水位(水位WL2、WL3)は、高い。
実施形態においては、上下方向(鉛直方向)において尿漏出部30とボウル部801内の水とが重なる範囲R1において、ボウル部801内の便器洗浄中の最高水位(水位WL2)よりも上方に尿漏出部30を配置するようにする。これにより、便器洗浄中に、尿貯留部20へ水が侵入することを防げる。
【0048】
便器洗浄の水は、ボウル部801とリム802との境界付近に設けられた吐水口から吐出される。この吐水口は、鉛直下方よりも上向き(例えば水平方向)に、水を噴出するように設けられている場合がある。これにより、便器洗浄の水は、ボウル部801内を旋回し、旋回流を形成する。すなわち、便器洗浄の水は、ボウル部801の中央部を中心として渦を巻くように流される場合がある。この場合、渦の中心付近の水位(例えば水位WL2)は、渦の外側の水位(例えば水位WL3)よりも低くなる。実施形態に係る採尿容器100のように、尿漏出部30をボウル部801の中央部に設けることにより、尿漏出部30を水位が低い渦の中心に近づけることができる。したがって、便器洗浄の水が旋回流である場合には、尿漏出部30をボウル部801の中央部に設けることにより、便器洗浄中の最高水位よりも上方に尿漏出部30を配置しやすくなり、尿貯留部20への水の侵入をより確実に防ぐことができる。
【0049】
また、
図6に示したように、尿捕集部10は、ボウル部801の前方部の上に配置される。すなわち、尿捕集部10は、ボウル部801の前方を覆い、ボウル部801の後方を覆わない。これにより、ボウル部801の後方が塞がれないため、被験者の大便は、採尿容器100に遮られず、ボウル部801内へ落下できる。このような採尿容器100において、尿漏出部30は、尿貯留部20よりも後方に位置する。これにより、尿漏出部30をボウル部801の中央部に配置し易くなる。尿漏出部30をボウル部801の中央部に近づけることができ、尿貯留部20へ水が侵入することを防げる。但し、実施形態においては、尿漏出部30は、尿貯留部20の前方又は側方に位置してもよい。
【0050】
尿捕集部10の深さD1(
図5参照)は、例えば、95ミリメートル(mm)程度である。尿捕集部10が深すぎると、尿貯留部20及び尿漏出部30の位置が低くなり、尿貯留部20へ水が侵入しやすくなる。一方、尿捕集部10が浅すぎると、男性の被験者から排泄された尿が尿捕集部10で跳ね、被験者に掛かる恐れがある。この観点からは、尿捕集部10は出来るだけ深い方が好ましい。
【0051】
実施形態に係る採尿容器100においては、尿漏出部30を水位が低いボウル部801の中央部に配置することにより、尿貯留部20の位置を低くすることができるため、尿捕集部10の深さを確保することができる。
【0052】
また、男性の被験者が便座200に座って尿を排泄する場合、尿は尿捕集部10の前方部に排出される。このため、尿捕集部10の前方部の深さを確保することが望まれる。一方、尿捕集部10の後方部は、前方部よりも浅くてもよい。すなわち、
図5に示した深さD2は、深さD1より浅くてもよい。尿捕集部10の前方部の深さを確保しつつ、尿捕集部10の後方部を浅くすることで、尿漏出部30をボウル部内の水位よりも上方に配置しやすい。
【0053】
図7(a)及び
図7(b)は、実施形態に係る採尿容器を例示する断面図である。
図7(a)は、尿貯留部20に溜まった尿Usを容器Spzに移す様子を表している。
図7(b)は、
図7(a)に示した尿漏出部30付近を拡大して示す。
【0054】
容器Spzは、例えば、スピッツと呼ばれる先が尖った円筒状の容器である。容器Spzの径Dm(外径)は、例えば、10mm以上20mm以下である。この例では、容器Spzの径Dmは、12mmである。この容器Spzの口を尿漏出部30の開口30eに当てて、尿Usを容器Spz内に流す。これにより、尿検体を得ることができる。
【0055】
図7(b)に示すように、尿貯留部20は、窪み部25を有する。窪み部25は、尿貯留部20の底面23と、尿漏出部30の開口30eと、の間の側面に設けられている。
【0056】
窪み部25は、開口30eの近傍に位置する。窪み部25の中央から開口30eまでの距離L1は、例えば、容器Spzの径Dmより短く、径Dmの半分程度である。また、窪み部25の中央から底面13までの距離L2は、容器Spzの径Dm程度である。
窪み部25の幅W25は、例えば、2mm程度である。窪み部25の深さD25は、例えば、3mm程度である。
【0057】
このような窪み部25を設けることにより、
図7(b)に示す点P1及び点P2の2点で、容器Spzと採尿容器100とを接触させることができる。このときの接触角θ1(
図7(a)参照)は、42°程度である。窪み部25に容器Spzの口を引っ掛けるようにすることで、容器Spzの位置を安定させることができる。これにより、安定して尿を容器Spzに移すことができる。
【0058】
図8は、実施形態に係る採尿容器の一部を例示する平面図である。
この図は、尿貯留部20及び尿漏出部30を上方から見た拡大図である。
図8に示したように、尿漏出部30(開口30e)の平面形状は、後方に向かって尖った略V字状ある。すなわち、上方から見たときに、開口30eは、前後方向と交差する方向へ延びる第1の開口部31e及び第2の開口部32eを有する。第1の開口部31e及び第2の開口部32eは、頂点33において交わる。
【0059】
頂点33は、尿捕集部10の左右方向における中央に位置する。また、窪み部25は、頂点33の前方に位置し、第1の開口部31e及び第2の開口部32eに挟まれている。このように開口30eを略V字状とすることで、尿貯留部20内の尿を容器Spzへ取りこぼし無く移すことができる。
【0060】
また、
図8に示したように、開口30eは、上方(真上)から視認可能である。このため、開口30eを介して上方から採尿容器100の下方が見える。これにより、被験者は、
図7(a)のように容器Spzを配置するときに、上方から容器Spzの位置を確認することができる。採尿容器100を下方から覗き込まなくても、容器Spzを所定の位置に配置しやすい。
【0061】
採尿容器100は、便器800に接続された排尿情報測定装置300(
図1及び
図5参照)と共に用いることができる。排尿情報測定装置300は、例えば、ボウル部801内の水位を測定する水位センサ301を有する。被験者が排尿を行うと、尿は、尿漏出部30からボウル部801内へ流れ、ボウル部801内の水位が変化する。
【0062】
排尿情報測定装置300は、この水位の変化から、被験者の尿量(ミリリットル:mL)、排尿時間(秒)、最大尿流率(mL/秒)、平均尿流率(mL/秒)、最大尿流率到達時間(秒)などの排尿情報を算出する。排尿時間とは、尿の排出が開始されてから、尿の排出が終了するまでの時間である。尿流率は、単位時間当たりの尿量、すなわち排尿速度である。最大尿流率は、尿流率の最大値である。平均尿流率は、尿流率の平均値である。最大尿流率到達時間とは、排尿が開始されてから、尿流率が最大値になるまでの時間である。
【0063】
なお、実施形態において、排尿情報の測定方法は、ボウル部801内の水位の変化に基づく方法には限られず、任意である。例えば、封水(尿を含む)の重量の変化に基づいて排尿情報を測定してもよい。
【0064】
排尿情報測定装置300と採尿容器100とを共に用いることで、尿の採取と同時に排尿情報を測定することができる。必要とされる尿検体の所定量は、単独なのか精密検査までを想定するか、また検体測定装置の測定検体量基準によって変化する。一般的とされる検体必要量は10mL、二次的な精密検査を行うことも考えて2回分が妥当である。この場合、尿貯留部20が貯留可能な尿の所定量(水平な状態で貯留可能な最大量)は、10mL以上40mL以下が望ましく、例えば32mL程度である。尿貯留部20が貯留可能な尿の所定量が少なすぎると、成分分析等に必要な量の尿が採取できない。一方、尿貯留部20が貯留可能な尿の所定量が多すぎると、尿漏出部30からボウル部801へ尿が流れにくいため、ボウル部801内の水位の時間的変化が小さくなり、排尿情報の測定精度が低下する。
【0065】
また、実施形態に係る採尿容器100においては、尿貯留部20及び尿漏出部30が底面13に設けられており、底面13には尿貯留部20へ向かう下り傾斜が設けられている。これにより、尿を速やかに尿漏出部30からボウル部801内へ流すことができる。したがって、排尿情報の測定精度を維持することができる。
【0066】
また、例えば、尿捕集部10は、略透明である。これにより被験者は、尿貯留部20に貯留された尿を容器Spzに移す際に、上方から尿漏出部30における尿の漏出状態を視認できる。被験者は、尿漏出部30からの尿の流れを確認しながら尿の分取を行うことができるため、尿をこぼしてしまうことが無く、尿検体に要求される各種生体情報測定を支障なく実現するための尿量を確保できる。
また、尿がこぼれてしまうと、こぼれた尿は、床に落下したり、医療関係者の手を汚したりする。尿は、感染症につながる恐れのあるウィルスを含むこともある。これに対して、実施形態によれば、予期しない院内感染の恐れを抑制できる。
【0067】
また、尿捕集部10、尿貯留部20及び尿漏出部30の少なくとも一部を略透明とすることにより、尿漏出部30からの尿の漏出状態を視認可能としてもよい。例えば、採尿容器100の略全体が略透明であってもよい。
【0068】
採尿容器100のうち略透明な部分は、無色透明に近いことが好ましいが、完全に透明でなくてもよく、使用者が上方から尿漏出部30における漏出状態を視認できる程度の光透過性を有すればよい。例えば、略透明な部分の可視光に対する透過率は、反射率又は吸収率よりも高い。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、尿捕集部、尿貯留部、尿漏出部などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。