特許第6793927号(P6793927)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793927
(24)【登録日】2020年11月13日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】シプロフロキサシン誘導体系抗菌薬
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/12 20060101AFI20201119BHJP
   C07D 491/056 20060101ALI20201119BHJP
   A61K 31/496 20060101ALN20201119BHJP
   A61P 31/04 20060101ALN20201119BHJP
【FI】
   C07D401/12CSP
   C07D491/056
   !A61K31/496
   !A61P31/04
【請求項の数】2
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2019-545235(P2019-545235)
(86)(22)【出願日】2017年10月31日
(65)【公表番号】特表2020-508999(P2020-508999A)
(43)【公表日】2020年3月26日
(86)【国際出願番号】RU2017000807
(87)【国際公開番号】WO2018084747
(87)【国際公開日】20180511
【審査請求日】2019年9月30日
(31)【優先権主張番号】2016143072
(32)【優先日】2016年11月2日
(33)【優先権主張国】RU
(73)【特許権者】
【識別番号】519159709
【氏名又は名称】アクトシオナーノエ オブシェストヴォ“タツフィムファルムプレパラティ”
(73)【特許権者】
【識別番号】519159710
【氏名又は名称】フェデラルノエ ゴスダーツヴェノエ アヴトノムノエ オブラゾヴァテルノエ ウシュレヅデノエ ヴィッシェゴ オブラゾヴァニヤ“カザンスキー(プリヴォルジュスキー)フェデラルニーユニバーシテット”
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】シュチルリン,ユーリイ グリゴレヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】シュチルリン,ニキータ ヴァレリーヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】プガチェフ,ミハイール ヴラジーミロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】パべレフ,ローマン セルゲーエヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】イクサノヴァ,アルフィヤ ガブドゥラッハトヴナ
(72)【発明者】
【氏名】ニキーティナ,エレーナ ヴラジーミロヴナ
(72)【発明者】
【氏名】ツルケビチュ,ミハイル スタニスラヴォヴィチ
【審査官】 三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−016665(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/031441(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/034971(WO,A1)
【文献】 特表2016−517880(JP,A)
【文献】 特開昭61−186379(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0181719(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第2957561(EP,A1)
【文献】 特開昭57−077683(JP,A)
【文献】 The Chinese Pharmaceutical Jornal,2005年,Vol.57,p.57-70
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 401/12
C07D 491/056
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)である、シプロフロキサシンの誘導体。
【化1】
【請求項2】
抗菌活性を有する、請求項1に記載のシプロフロキサシンの誘導体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機複素環式化合物の化学構造に関し、すなわち、抗菌特性を示す、一般式(化1)のシプロフロキサシンの新規誘導体に関する。化合物は、医薬および獣医学で使用できる。
【0002】
【化1】
【背景技術】
【0003】
極めて効果的で安全な抗菌薬の研究および指向性合成は、近年の薬理学および医化学の主要な仕事の1つである。近年、新規の高度に病原性の微生物株の出現およびそれらの既存の抗生物質に対する耐性の増加が原因となり、感染症の数と流行の顕著な増加が認められている。
【0004】
例えば、大腸菌の変異株(O104:H4)に起因して挿話的に発生する急性細菌感染症の存在にもかかわらず、先進国における主要な死亡の原因の1つは、よく知られた細菌−黄色ブドウ球菌、大腸菌および緑膿菌のままである。
【0005】
特に、WHOによると、黄色ブドウ球菌は、医療機関において最も高頻度に感染症を引き起こす細菌リストの最上位にある。敗血症および重症型の皮膚および軟部組織感染症(せつ腫症、蜂巣炎、熱傷様皮膚症候群)を引き起こす黄色ブドウ球菌のメチシリン耐性株は、ヒトにとって特に危険であり、31%の患者の死亡の原因となる。
【0006】
黄色ブドウ球菌のメチシリン耐性株の抑制のために最近の治療で使用される最も効果的な抗菌薬の1つは、フルオロキノロン系薬、特に、シプロフロキサシンである。化学構造としては、シプロフロキサシンはフルオロキノロン系誘導体である。
【0007】
シプロフロキサシンの作用機序は、細菌DNAジャイレース(核RNAのまわりの染色体のDNAの超らせん形成に関与する、トポイソメラーゼIIおよびIV)を抑制する、細菌のDNA合成、増殖および分裂を損なうことであり、これは、顕著な形態学的変化(細胞壁および細胞膜を含む)および細菌細胞の急速な死滅をもたらす。
【0008】
シプロフロキサシンは、多くの好気性グラム陰性およびグラム陽性細菌、すなわち、緑膿菌、インフルエンザ菌、大腸菌、赤痢属菌種、サルモネラ属菌種、髄膜炎菌、淋菌、ブドウ球菌属種(ペニシリナーゼ産生および非産生)、腸球菌属菌種のいくつかの株、ならびにカンピロバクター菌属菌種、レジオネラ属菌種、マイコプラズマ属菌種、クラミジア属菌種、マイコバクテリウム属菌種に対して最大活性を有する抗菌効果を有する(非特許文献1)。
【0009】
シプロフロキサシンは、シプロフロキサシンの影響を受けやすい微生物に起因する感染性および炎症性疾患に使用され、これらには、気道、腹腔の疾患および骨盤、骨、関節、皮膚の器官の疾患、敗血症、ENT器官の重度感染症の疾患が含まれる(非特許文献2)。
【0010】
シプロフロキサシンの大きな欠点は、年齢による摂取量の制限であり、小児と若者では成長障害を引き起こすので、この薬物の処方は禁忌である(非特許文献3)。
【0011】
また、シプロフロキサシンの欠点には、極めて一般的なこの薬物の副作用−腹痛、悪心、腸内菌共生バランス失調、不眠、眩暈、アレルギー反応(血管浮腫、じんま疹、痒み)である。近年、フルオロキノロン系全種類に対する微生物の耐性の顕著な増加が認められている(非特許文献4)。
【0012】
請求された技術的解決策の出願日の時点で、ほとんどのメチシリン耐性ブドウ球菌は、シプロフロキサシンに耐性があることが知られている(非特許文献5)。
【0013】
一連のシプロフロキサシン誘導体における構造−生物活性の関係の調査により、C−7原子の位置の置換基の性質がそれらの生物学的作用に対して最も大きな影響を与えることが明らかとなった(非特許文献6)。
【0014】
【化2】
【0015】
ほとんどの場合、このような置換基は、5および6員窒素含有複素環式化合物、例えば、ピペラジン、ピリミジン、1,2,3−トリアゾール、ピロリジン、およびそれらの置換誘導体である。
【0016】
文献(非特許文献7)は、ピペラジン環のC−7原子の位置で種々のペプチドフラグメントおよび置換ジアリール尿素により組み換えしたシプロフロキサシン誘導体について記載している。これらの化合物は、シプロフロキサシンに比べてわずかに低い抗菌活性を示した。
【0017】
1,2,3−トリアゾールフラグメントを含む架橋を介した、アミノグリコシド抗生物質ネオマイシンを用いたピペラジン環のC−7原子によるシプロフロキサシンの組み換えは、グラム陰性およびグラム陽性細菌株に対して高抗菌活性を示すハイブリッド構造を生じた(非特許文献8)。
【0018】
国際出願(特許文献1)は、グラム陽性およびグラム陰性菌株に対するその抗菌活性を遙かに凌ぐ、ピペラジン環のC−7原子によるシプロフロキサシン誘導体について記載している。
【0019】
全ての上記化合物の大きな欠点は、それらを抗菌薬の候補として見なすことを許容しない、それらの高い毒性であるという点に留意すべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】国際公開第2011/034971号[Modified fluoroquinolone compounds and methods of using the samee/Designmedix,Inc.−Publ.on March 24,2011]
【特許文献2】ロシア国特許出願公開第02466728号明細書[Fosfonievye soli na osnove proizvodnyh piridoksina[Phosphonium salts based on pyridoxine derivatives]/Shtyrlin Y.G.,Shtyrlin N.V.,Pugachev M.V.−Publ.−11/20/2012]
【非特許文献】
【0021】
【非特許文献1】Yakovlev V.P.Antibacterialnye preparaty gruppy ftorchinolov[Antibacterial drugs of the fluoroquinolone group]//Rus.med.journal−1997,Vol.5−p.1405−1413.
【非特許文献2】Sarkozy G.Quinolones:a class of antimicrobial agents//Vet.Med.−2001−V.46−P.257−274.
【非特許文献3】Beloborodova N.V.,Padeyskaya E.N.,Biryukov A.V.Ftorquinolony v pediatrii−za i protiv[Fluoroquinolones in pediatrics−pros and cons]//Pediatrics Publ.−1996.Vol.2.−P.76−84.
【非特許文献4】Norrby S.R.Side−effects of quinolones:comparisons between quinolones and other antibiotics//Eur.J.Clin.Microbiol.Infect.Dis.−1991−V.10−P.378−383.
【非特許文献5】Lowy F.D.Antimicrobial resistance:the example of Staphylococcus aureus//J.Clin.Invest.−2003−V.111.−P.1265−1273.
【非特許文献6】Emamia S.,Shafiee A.,Foroumadi A.Quinolones:Recent Structural and Clinical Developments//Iran.J.Pharm.Res.−2005.−V.−P.123−136.
【非特許文献7】N.German,P.Wei,G.W.Kaatz and R.J.Kerns.Synthesis and evaluation of fluoroquinolone derivatives as substrate−based inhibitors of bacterial efflux pumps//Eur.J.Med.Chem.−2008−V.43.−P.2453−2463.
【非特許文献8】V.Pokrovskaya,V.Belakhov,M.Hainrichson,S.Yaron and T.Baasov Design,Synthesis,and Evaluation of Novel Fluoroquinolone−Aminoglycoside Hybrid Antibiotics//J.Med.Chem.−2009−V.5.−P,2243−2254.
【非特許文献9】Tomita I.,Brooks H.G.,Metzler D.E.Synthesis of vitamin B6 derivatives.II.3−Hydroxy−4−hydroxymethyl−2−methyl−5−pyridine acetic acid and related substances//J.Heterocycl.Chem.−1966−V.3.,N.2.−P.178−183
【非特許文献10】R.Serwa,T.G.Nam,L.Valgimigli,S.Culbertson,C.L.Rector,B.S.Jeong,D.A.Pratt,N.A.Porter.Preparation and Investigation of Vitamin B6−Derived Aminopyridinol Antioxidants//Chem.Eur.J.−2010−V.16.,N.46.−P.14106−14114
【非特許文献11】M.V.Pugachev,N.V.Shtyrlin,E.V.Nikitina,L.P.Sysoeva,T.I.Abdullin,A.G.Iksanova,A.A.Ilaeva,E.A.Berdnikov,R.Z.Musin,Yu.G.Shtyrlin Synthesis and antibacterial activity of novel phosphonium salts on the basis of pyridoxine//Bioorg.Med.Chem.−2013.−V.21,Iss.14.−P.4388−4395
【非特許文献12】M.V.Pugachev,N.V.Shtyrlin,S.V.Sapognikov,L.P.Sysoeva,A.G.Iksanova,E.V.Nikitina,R.Z.Musin,O.A.Lodochnikova,E.A.Berdnikov,Yu.G.Shtyrlin Bis−phosphonium salts of pyridoxine:the relationship between structure and antibacterial activity//Bioorg.Med.Chem.−2013.−V.21,Iss.23.−P.7330−7342
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
請求された技術的解決策の目的は、シプロフロキサシンをベースにしたフルオロキノロン系の新しい非毒性の(安全な)、高い抗菌活性を有する抗菌薬を生成することであり、また、示した目的の既知の手段を広げることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
請求された技術的解決策の結果は、天然の化合物(ビタミンB群のメンバーであるピリドキシン)のフラグメントおよび抗菌薬シプロフロキサシンのフラグメントの両方を含む一般式(I)の新規化合物を得ることである。
【0024】
請求された化合物が番号I−1〜I−12により示される下記スキーム1〜7に従って、請求された式(I)のシプロフロキサシンの新規誘導体を得ることにより、問題が解決され、指定した技術的結果が達成される。
【0025】
【化3】
【0026】
スキーム1.(a)N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFA)、シプロフロキサシン、KI、NaHCO、20℃、4時間。
【0027】
【化4】
【0028】
スキーム2.(a)HO、55℃、3時間;(b)HO、DMFA、シプロフロキサシン塩酸塩、KI、NaHCO、55℃、6時間;(c)HO、HCl。
【0029】
【化5】
[ ]は、単離されない中間体生成物を示す。
【0030】
スキーム3.(a)CHOH、SHCHCHOH、CHONa、50℃、5時間;(b)CHCl、NBS、PPh、20℃、1時間(c)DMFA、シプロフロキサシン、KI、NaHCO、20℃、4時間;(d)HO、HCl、25℃、24時間。
【0031】
【化6】
【0032】
スキーム4.(a)CHC(O)H、HCl、3〜5℃、3時間またはC、RC(O)H、p−TsOH、煮沸、8時間;(b)CHCl、NBS、PPh、20℃、1時間;(c)DMFA、シプロフロキサシン、KI、NaHCO、20℃、4時間。
【0033】
【化7】
【0034】
スキーム5.(a)DMFA、シプロフロキサシン、KI、NaHCO、20℃、4時間;(b)HO、HCl。
【0035】
【化8】
[ ]は、単離されない中間体生成物を示す。
【0036】
スキーム6.(a)シプロフロキサシン、KI、NaHCO、20℃、4時間;(b)HO、HCl、25℃、24時間。
【0037】
【化9】
【0038】
スキーム7.(a)C、パラホルム、p−TsOH、煮沸、6時間;(b)CHCl、SOCl、20℃、3時間(c)DMFA、シプロフロキサシン、KI、NaHCO、80℃、4時間;(d)HO、HCl。
【0039】
【化10】
[ ]は、単離されない中間体生成物を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
スキーム1〜7に従って得られた新規化合物の特性は、下記の具体的な性能の実施例で与えられている。
【0041】
得られた化合物の構造は、質量分析法、Hおよび13C NMR分光法により確認した。
【0042】
NMRスペクトルは、Bruker AVANCE−400装置で記録する。化学シフトは、重水素化溶媒(Hおよび13C)の残留プロトンのシグナルに対して決定する。
【0043】
融解温度は、Stanford Research Systems MPA−100 OptiMeltを用いて測定する。反応の過程の制御および化合物の純度は、Sorbfil PlateによるTLC法により実施される。
【0044】
MALDI質量スペクトルは、固体レーザーおよび飛行時間質量分析計を備えたBrukerのUltraflex III装置で記録する。加速電圧は25kVである。試料をAnchor Chipターゲットに適用した。スペクトル記録を正イオンモードで実施する。得られたスペクトルは、試料の種々のポイントで得られた300スペクトルの合計である。マトリックスには、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHB)(Acros、99%)およびp−ニトロアニリン(PNA)が用いられる。マトリックスの調製のためにクロロホルムが使用される。ターゲット上への試料の適用は、「dried drops」法により実施する。
【0045】
請求された技術的解決策の具体的実施形態の実施例
【実施例1】
【0046】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−((2,2,8−トリメチル−4H−[1,3]ジオキシノ−[4,5−c]ピリジン−5−イル)メチル)ピペラジニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸・塩酸塩(I−1)の調製
【0047】
20mlの無水DMFA中の1.44g(5.5mmol)の化合物(1)(非特許文献9)の溶液に、20℃で、1.50g(4.5mmol)のシプロフロキサシン、0.84g(10.0mmol)の重炭酸ナトリウムおよび0.23g(1.4mmol)のヨウ化カリウムを連続的に加える。4時間後、真空中で溶媒を除去する。乾燥残留物を酢酸エチルで抽出し、不溶性の部分を濾別し、濾液を乾固し、アセトン:水=2:1の溶媒混合物から再結晶化する。収量は1.12g(47%)で、淡黄色結晶であり、融解温度は243℃(分解)である。
【0048】
NMRスペクトル H(400MHz,CDCl)δ,ppm:1.14−1.18 m(2H,シクロプロピルCH),1.32−1.37 m(2H,シクロプロピルCH),1.53 s(6H,2CH),2.36 s(3H,CH),2.61 m(4H,ピペラジノ2CH),3.29 m(4H,ピペラジノ2CH),3.44 s(2H,CHN),3.50−3.56 м(1H,シクロプロピルCH),4.98 c(2H,CHO),7.28 d(1H,H−F=7.1Hz,CHar),7.78 d(1H,H−F=13.1Hz,CHar),7.87 s(1H,CHar),8.60 s(1H,CHpyr),14.95 br s(1H,OH).
【0049】
NMRスペクトル 13C(100MHz,CDCl)δ,ppm.:8.18 s(シクロプロピル2CH),18.43 s(CH),24.74 s(2CH),35.36 s(シクロプロピルCH),49.79 d(C−F=4.7Hz,ピペラジノ2CH),52.55 s(ピペラジノ2 CH),57.46 s(CH),58.77 s(CH),99.62 s(C(CH),104.86 s(Car),107.78 s(Car)),112.00 d(C−F=23.5Hz,Car),119.42 d(C−F=7.8Hz,Car),126.32(Cpyr),126.48 s(Cpyr),139.02 s(C),140.42 s(C),145.77 d(C−F=10.2Hz,Car−N),146.13 s(C),147.26 s(C),147.52 s(C),153.57 d(C−F=251.6Hz,Car−F),166.86 s(C(O)OH),176.83 d(C−F=2.2Hz,C=O).
MALDI−MS:[M+H] 523.
【実施例2】
【0050】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−((5−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)ピペラジニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸・塩酸塩(I−2)の調製
【0051】
2.50g(10.3mmol)の3−ヒドロキシ−4,5−クロロメチル−2−メチルピリジニウム塩酸塩(2)(非特許文献10)の25mlの蒸留水中溶液を、55℃で3時間混合する。得られた溶液に、75mlのジメチルホルムアミド、3.60g(9.8mmol)のシプロフロキサシン塩酸塩および3.38g(40.2mmol)の重炭酸ナトリウムを加える。活発なガス放出(約2分間)の終わりに、0.25g(1.50mmol)のヨウ化カリウムを加える。得られた溶液を、55℃で6時間撹拌する。混合の終わりに、真空中で溶媒を除去する。乾燥残留物に100mlの蒸留水を加え、30分間煮沸する。不溶性残留物を真空中で濾別する。
【0052】
残留物を100mlの丸底フラスコに移し、50mlの蒸留水を加え、濃塩酸を用いてpH=2.56に酸性化する。真空中で溶媒を除去する。
【0053】
乾燥残留物を100mlの丸底フラスコに移し、60mlの水で満たし、撹拌しながらNaHCOを加えて、pH=6.00に中和する。沈殿物を濾別し、100mlの丸底フラスコに移し、50mlの蒸留水を加え、濃塩酸を用いてpH=2.56に酸性化する。溶液を真空中で乾燥する。収量は2.75g(54%)で、融解温度は190℃以上(分解)である。
【0054】
NMRスペクトル H(400MHz,DMSO−d)δppm:1.19−1.20 m(2H,シクロプロピルCH),1.30−1.32 m(2H,シクロプロピルCH),2.64 s(3H,CH),3.52 br s(4H,ピペラジノ2CH),3.69−3.71 br s(4H,ピペラジノ2CH),3.86 s(1H,シクロプロピルCH),4.70 s(2H,CH),4.96 s(2H,CH),7.60 d(1H,H−F=7.3Hz,CHar),7.95 d(1H,H−F=13.0Hz,CHar),8.67 s(1H,CH),8.72 s(1H,CH).
【0055】
NMR スペクトル 13C(100 MHz,DMSO−d),ppm:7.66 s(シクロプロピル2CH),15.63 s(CH),36.03 s(シクロプロピルCH),46.32 s(ピペラジノ2CH),50.71 s(ピペラジノ2CH),52.76 s(CH),55.52 s(CH),106.86 s(Car),107.00 s(Car),111.25 d(C− =23.2 Hz,Car),119.39 d(C−F=8.1 Hz,Car),126.42 s(Cpyr),135.37 s(Cpyr),139.11 s(C),143.70 d(C−F=10.4 Hz,Car− N),144.01 s(C),144.18 s(C),148.30 s(C),152.20 s(C),152.88 d(C−F=248.9 Hz,Car−F),165.90 s(C(O)OH),176.42 s(C=O).
MALDI−MS:[M−Cl] 483.
【実施例3】
【0056】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−((5−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)ピペラジニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸・4塩酸塩(I−3)の調製
【0057】
2.50g(10.3mmol)の3−ヒドロキシ−4,5−クロロメチル−2−メチルピリジニウム塩酸塩(2)(非特許文献10)の25mlの蒸留水中溶液を、55℃で3時間混合する。得られた溶液に、75mlのジメチルホルムアミド、3.60g(9.8mmol)のシプロフロキサシン塩酸塩および3.38g(40.2mmol)の重炭酸ナトリウムを加える。活発なガス放出(約2分間)の終わりに、0.25g(1.50mmol)のヨウ化カリウムを加える。得られた溶液を、55℃で6時間撹拌する。混合の終わりに、真空中で溶媒を除去する。乾燥残留物に100mlの蒸留水を加え、30分間煮沸する。不溶性残留物を真空中で濾別する。
【0058】
残留物を100mlの丸底フラスコに移し、50mlの蒸留水を加え、5mlの濃塩酸を加える。真空中で溶媒を除去する。収量は4.23g(65%)で、融解温度は220℃以上(分解)である。
【0059】
4塩酸塩の構造の証明を銀滴定法を用いて実施する。この調査は、自動滴定装置Metrohm Basic Titrino 794で実施する(1μlの精度で添加)。試薬:蒸留水、硝酸銀AgNO、約1%のクロム酸カリウムKCrO溶液
【0060】
滴定溶液の調製:Vk.=100ml、m(AgNO)=1.70750g、M(AgNO)=169.87g/mol、c(AgNO)=0.1005M。調製後、滴定装置の投与装置が満たされる。
【0061】
試料溶液の調製:Vk.=100ml、m(試料)=0.49140g、M(I−3)=482.51g/mol、M(HCl)=36.46g/mol、ω(HO)=8.16%、m(水不含試料)=0.45130g。
【0062】
滴定法手順:滴定は、Mohr法(クロム酸カリウムの存在下での直接銀滴定)を用いて行われる。一定分量の試験溶液(Val.=20ml)を撹拌棒が置かれたガラス容器に移す。初期溶液のpHは約2.2であり、これは、濃KOH溶液で9.5の値に調節する(約4のpHで沈殿が形成され、これは約9のpHで溶解する)。その後、4〜5滴のクロム酸カリウムを加え(溶液が黄色になる)、分注器注入口を浸漬させ、スロー滴定を行う。最初に、溶液中に塩化銀の沈殿物が現れ、溶液は淡黄色になる。その後、滴定剤が添加されると、クロム酸銀の赤色沈殿物が現れ、これは、撹拌すると、オレンジ色に着色し、時間と共に色が消える(最初は素早く、しかし、当量点に近づくとよりゆっくりと)。滴定の終わりは、2〜3分以内に退色しないオレンジ色で決定される。
【0063】
滴定結果:4回の測定の結果による滴定剤(Vtitrant)の体積は:5.898ml、5.828ml、5.752mlおよび5.807mlである。
average=5.821±0.060ml
c(HCl)=c(AgNO)*Vaverage/Val.=0.02925±0.00030M
v(HCl)=c(HCl)*Vk.=0.002925±0.000030mol
m(HCl)=v(HCl)*M(HCl)=0.1066±0.0011g
m(I−3)=m(水不含試料)−m(HCl)=0.3447±0.0011g
v(I−3)=m(I−3)/M(I−3)=0.0007144±0.0000023mol
n(HCl)=v(HCl)/v(I−3)=4.094±0.042
このように、化合物I−3は、4モルの塩酸を含む。
【0064】
NMRスペクトル H(400MHz,DMSO−d)δppm:0.99−1.03 m(2H,シクロプロピルCH),1.23−1.28 m(2H,シクロプロピルCH),2.56 s(3H,CH),3.52 br m(9H,ピペラジノ4CH + シクロプロピルCH),4.61 s(2H,CH),4.98 s(2H,CH),7.26 d(1H,H−F=12.9Hz,CHar),7.30 d(1H,H−F=7.2Hz,CHar),8.30 s(1H,CH),8.41 s(1H,CH).
【0065】
NMRスペクトル 13C(100MHz,DMSO−d+DO)δ,ppm:9.12 s(シクロプロピル2CH),16.83 s(CH),37.75 s(シクロプロピルCH),48.05 d(C−F=4.8Hz,ピペラジノ2CH2),53.25 s(ピペラジノ2CH),56.42 s(CH),58.20 s(CH),107.23 s(Car),108.26 s(Car),112.30 d(C−F=22.9Hz,Car),120.34 d(C−F=8.4Hz,Car),127.49 s(Cpyr),136.11 s(Cpyr),140.46 s(C),145.56 d(C−F=10.2Hz,Car−N),146.61 s(C),147.40 s(C),149.79 s(C),154.17 s(C),154.82 d(C−F=251.6Hz,Car−F),170.25 s(C(O)OH),177.40 s(C=O).
MALDI−MS:[M−4Cl] 483.
【実施例4】
【0066】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−(2−(((2,2,8−トリメチル−4H−[1,3]ジオキシノ−[4,5−c]ピリジン−5−イル)メチル)スルファニル)エチル)ピペラジニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(I−4)の調製
【0067】
ステップ1.5−(((2−ヒドロキシエチル)スルファニル)メチル)−2,2,8−トリメチル−4H−[1,3]ジオキシノ[4,5−c]ピリジン(3)の調製
2.69g(10.2mmol)の化合物(1)(非特許文献9)を、0.52g(22.4mmol)のナトリウムに10mlの無水メタノール中溶液に加えた後、1.14g(14.6mmol)のメルカプトエタノールを冷却しながら添加する。反応混合物を50℃で5時間攪拌する。沈殿物を濾別し、溶媒を真空中で除去する。乾燥残留物を最小量のクロロホルム中に溶解し、カラムクロマトグラフィーで精製する(溶離液はクロロホルム、その後、酢酸エチル)。収量は1.74g(64%)で、白色結晶であり、融解温度は103〜104℃である。
【0068】
NMRスペクトル H(400MHz,CDCl)δ,ppm:1.53 s(6H,2CH),2.37 s(3H,CH),2.61 t(2H,HH=6.1Hz,SCHCHOH),3.00 s(1H,OH),3.58 s(2H,CHS),3.71 t(2H,HH=6.1Hz,SCHCHOH),4.94 s(2H,CHO),7.83 s(1H,CH).
【0069】
NMRスペクトル 13C(100MHz,CDCl)δ,ppm.:18.42 s(CH),24.82 s(2CH),30.07 s(SCHCHOH),34.44 s(CHS),58.52 s(CHO),60.09 s(CHO),99.91 s((CH),125.63 s(Cpyr),126.63 s(Cpyr),139.93 s(Cpyr),146.46 s(Cpyr),147.46 s(Cpyr).
【0070】
ステップ2.5−(((2−ブロモエチル)スルファニル)メチル)−2,2,8−トリメチル−4H−[1,3]ジオキシノ[4,5−c]ピリジン(4)の調製
1.70g(6.5mmol)のトリフェニルホスフィンおよび1.16g(6.5mmol)のブロモスクシンイミドを、1.74g(6.5mmol)の化合物(3)の20mlの無水クロロホルム中溶液に20℃で加える。1時間後、溶液を真空中で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジエチルエーテル:石油エーテル=2:1)で精製する。収量は1.42g(66%)で、淡褐色油である。
【0071】
NMRスペクトル H(400MHz,CDCl)δ,ppm:1.54 s(6H,2CH),2.39 s(3H,CH),2.86 t(2H,HH=7.6Hz,SCHCHBr),3.40 t(2H,HH=7.6Hz,SCHCHBr),3.60 s(2H,CHS),4.93 s(2H,CHO),7.85 s(1H,CH).
【0072】
NMRスペクトル 13C(100MHz,CDCl)δ,ppm.:18.60 s(CH),24.85 s(2CH),30.18 s(SCHCHBr),30.57 s(SCHCHBr),33.69 s(CHS),58.52 s(CHO),99.96 s((CH),125.41 s(Cpyr),126.15 s(Cpyr),139.89 s(Cpyr),146.48 s(Cpyr),147.92 s( Cpyr).
【0073】
ステップ3.1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−(2−(((2,2,8−トリメチル−4H−[1,3]ジオキシノ−[4,5−c] ピリジン−5−イル)メチル)スルファニル)エチル)ピペラジニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(I−4)の調製
0.46g(1.4mmol)のシプロフロキサシン、0.12g(1.4mmol)の重炭酸ナトリウムおよび0.05g(0.4mmol)のヨウ化カリウムを、0.49g(1.5mmol)の化合物(4)の20mlの無水DMFA中の溶液に、20℃で連続的に加える。4時間後、真空中で溶媒を除去する。乾燥残留物を酢酸エチルで抽出し、不溶性の部分を濾別し、濾液を乾固し、アセトン:水=2:1の溶媒混合物から再結晶化する。収量は0.41g(51%)で、淡黄色結晶であり、融解温度は206〜208℃(分解)である。
【0074】
NMRスペクトル H(400MHz,CDCl)δ,ppm:1.16−1.20 m(2H,シクロプロピルCH),1.35−1.40 m(2H,シクロプロピルCH),1.54 s(6H,2CH),2.38 s(3H,CH),2.60−2.62 m(4H,ピペラジノ2CH),2.64−2.67 m(4H,SCHCHN),3.31−3.33 m(4H,ピペラジノ2CH),3.51−3.56 m(1H,シクロプロピルCH),3.59 s(2H,CHN),4.96 s(2H,CHO),7.32 d(1H,H−F=7.1Hz,CHar),7.85 s(1H,CHar),7.93 d(1H,H−F=13.1Hz,CHar),8.70 s(1H,CHpyr),14.97 br s(1H,OH).
【0075】
NMRスペクトル 13C(100MHz,CDCl)δ,ppm.:8.33 s(シクロプロピル2CH),18.60 s(CH),24.85 s(2CH),28.75 s(CH),30.57 s(CH),35.40 s(シクロプロピルCH),49.82 d(C−F=4.8Hz,ピペラジノ2CH),52.74 s(ピペラジノ2CH),57.81 s(CH),58.53 s(CH),99.87 s(C(CH),104.91 d(C−F=3.0Hz,Car),108.16 s(Car),112.41 d(C−F=23.5Hz,Car),119.84 d(C−F=7.7Hz,Car),125.42 s(Cpyr),126.62 s(Cpyr),139,17 s(C),140.04 s(C),145.95 d(C−F=10.5Hz,Car−N),146.42 s(C),147.46 s(C),147.54 s(C),153.77 d(C−F=251.6Hz,Car−F),167.08 s(C(O)OH),177.16 s(C=O).
MALDI−MS:[M+H] 583.
【実施例5】
【0076】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−(2−(((5−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)スルファニル)エチル)ピペラジニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(I−5)の調製
【0077】
20mlの水中の0.24g(0.4mmol)のシプロフロキサシン誘導体(I−4)および1mlの濃HClを25℃で24時間撹拌する。次に、溶液を重炭酸ナトリウムでpH=6に中和する。沈殿物を濾別し、アセトン、クロロホルムおよび水で連続的に洗浄する。収量は0.12g(52%)で、淡黄色結晶であり、融解温度は135〜140℃(分解)である。
【0078】
NMRスペクトル H(400MHz,DMSO−d)δppm:1.18 br s(2H,シクロプロピルCH),1.32 br s(2H,シクロプロピルCH),2.32 s(3H,CH),2.58−2.64 m(8H,ピペラジノ2CH,SCHCHN),3.32−3.36 m(4H,ピペラジノ2CH),3.61−3.67 m(1H,シクロプロピルCH),3.80 s(2H,CHN),4.82 s(2H,CHO),5.88 br s(1H,OH),7.56 br s(1H CHar),7.82 s(1H,CHar),7.88 d(1H,H−F=13.2Hz,CHar),8.65 s(1H,CHpyr),9.32 br s(1H,OH).
【0079】
NMRスペクトル 13C(100MHz,DMSO−d)δ,ppm:7.57 s(シクロプロピル2CH),19.31 s(CH),28.01 s(CH),29.80 s(CH),35.88 s(シクロプロピルCH),49.32 s(ピペラジノ2CH),52.06 s(ピペラジノ2CH),56.48 s(CH),57.26 s(CH),106.38 d(C−F=2.7Hz,Car),108.18 s(Car),110.91 d(C−F=23.1Hz,Car),118.56 d(C−F=7.8Hz,Car),129.95 s(Cpyr),131.42 s(Cpyr),139.16 s(C),140.33 s(C),145.13 d(C−F=10.1Hz,Car−N),146.01 s(C),147.96 s(C),150.07 s(C),153.01 d(C−F=249.6Hz,Car−F),165.94 s(C(O)OH),176.34 s(C=O).
MALDI−MS:[M+H] 543.
【実施例6】
【0080】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−((2,8−ジメチル−4H−[1,3]ジオキシノ−[4,5−c]ピリジン−5−イル)メチル)ピペラジニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(I−6)の調製
【0081】
ステップ1.5−ヒドロキシメチル−2,8−ジメチル−4H−[1,3]ジオキシノ[4,5−c]ピリジン(6)の調製
3〜5℃に冷却および撹拌しながら、12.00g(59.0mmol)のピリドキシン塩酸塩(5)の150mlのアセトアルデヒド中の懸濁液を通して、39.00g(1070.0mmol)の塩酸を通過させる。得られた反応混合物を20時間撹拌する。沈殿物を濾別し、エーテルで洗浄し、カリウムの水溶液で中和する。生成物を濾過し、エチルアルコールから再結晶化する。収量は5.65g(50%)で、無色結晶であり、融解温度は125℃である(特許文献2)。
【0082】
ステップ2.5−ブロモメチル−2,8−ジメチル−4H−[1,3]ジオキシノ[4,5−c]ピリジン(9)の調製
1.34g(5.1mmol)のトリフェニルホスフィンおよび0.91g(5.1mmol)のブロモスクシンイミドを、0.99g(5.1mmol)の化合物(6)の20mlの無水クロロホルム中溶液に20℃で加える。1時間後、溶液を真空中で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジエチルエーテル:石油エーテル=2:1)で精製する。収量は0.45g(34%)で、淡褐色油状物質である。
【0083】
NMRスペクトル H(400MHz,CDCl)δ,ppm:1.57 d(3H,HH=5.1Hz,CHCH),2.40 s(3H,CH),4.27,4.32(ABシステム,2H,HH=−10.8Hz,CHO),4.94,4.97(ABシステム,2H,HH=−15.8Hz,CHBr),5.15 k(1H,HH=5.1Hz,CHCH),8.00 s(1H,CH).
【0084】
NMRスペクトル 13C(100MHz,CDCl)δ,ppm.:18.59 s(CH),20.62 s(CH),26.74 s(CHBr),63.47 s(CHO),97.32 s(HCH),126.79 s(Cpyr),126.94 s(Cpyr),140.91 s(Cpyr),147.93 s(Cpyr),148.63 s(Cpyr).
【0085】
ステップ3.1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−((2,8−ジメチル−4H−[1,3]ジオキシノ−[4,5−c]ピリジン−5−イル)メチル)ピペラジニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(I−6)の調製。0.41g(1.2mmol)のシプロフロキサシン、0.10g(1.2mmol)の重炭酸ナトリウムおよび0.06g(0.4mmol)のヨウ化カリウムを、0.38g(1.5mmol)の化合物(9)の30mlの無水DMFA中の溶液に、20℃で連続的に加える。4時間後、真空中で溶媒を除去する。乾燥残留物を酢酸エチルで抽出し、不溶性の部分を濾別し、濾液を乾固し、アセトン:水=2:1の溶媒混合物から再結晶化する。収量は0.31g(49%)で、淡黄色結晶であり、融解温度は233℃(分解)である。
【0086】
NMRスペクトル H(400MHz,CDCl)δ,ppm:1.17−1.20 m(2H,シクロプロピルCH),1.33−1.38 m(2H,シクロプロピルCH),1.58 d(3H,H−H=5.1Hz,CH),2.41 s(3H,CH),2.61−2.63 m(4H,ピペラジノ2CH),3.28−3.31 m(4H,ピペラジノ2CH),3.43,3.46( ABシステム,2H,H−H=−13.4Hz,CHN),3.49−3.53 m(1H,シクロプロピルCH),5.02,5.08(ABシステム,2H,H−H=−16.2Hz,CHO),5.18 k(1H,H−H=5.1Hz,CH),7.30 d(1H,H−F=7.0Hz CHar),7.89 d(1H,H−F=13.1Hz,CHar),7.92 s(1H,CHar),8.67 s(1H,CHpyr),14.95 br s(1H,OH).
【0087】
NMRスペクトル 13C(100MHz,CDCl)δ,ppm.:8.30 s(シクロプロピル2CH),18.43 s(CH),20.76 s(2CH),35.39 s(シクロプロピルCH),49.91 d(C−F=4.7Hz,ピペラジノ2CH),52.62 s(ピペラジノ2CH),57.59 s(CH),64.49 s(CH),97.21 s(CHCH),104.92 s(Car),108.09 s(Car),112.34 d(C−F=23.5Hz,Car),119.78 d(C−F=7.8Hz,Car),126.82 s(Cpyr),128.08 s(Cpyr),139.13 s(C),141.02 s(C),145.88 d(C−F=10.4Hz,Car−N),147.26 s(C),147.43 s(C),148.02 s(C),153.73 d(C−F=251.6Hz,Car−F),167.00 s(C(O)OH),177.08 s(C=O).
MALDI−MS:[M+H] 509.
【実施例7】
【0088】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−((8−メチル−2−プロピル−4H−[1,3]ジオキシノ−[4,5−c]ピリジン−5−イル)メチル)ピペラジニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(I−7)の調製
【0089】
ステップ1.5−ヒドロキシメチル−8−メチル−2−プロピル−4H−[1,3]ジオキシノ[4,5−c]−ピリジン(7)の調製
ディーンスタークノズルを備えた丸底フラスコ中で、7.00g(34.4mmol)のピリドキシン塩酸塩(5)、13.70g(72.1mol)のp−トルエンスルホン酸一水和物および6.50ml(72.2mmol)のオイル状アルデヒドの、120mlのベンゼン中懸濁液を調製する。反応生成物を8時間煮沸後、溶媒を真空中で留去する。重炭酸ナトリウムの水溶液を用いて、残留物をpH=7に中和する。沈殿物を濾過し、ベンゼンで洗浄する。収量は5.58g(73%)で、白色結晶であり、融解温度は101℃である。
【0090】
NMRスペクトル H(400MHz,CDCl)δ,ppm:0.99 t(3H,HH=7.4Hz,CHCHCH),1.52−1.58 m(2H,CHCHCH),1.80−1.87 m(2H,CHCHCH),2.34 s(3H,CH),4.25 br s(1H,OH),4.48 s(2H,CHO),4.96 s(2H,CHO),4.97 t(1H,HH=4.8Hz,CH),7.83 s(1H,CH).
【0091】
NMRスペクトル 13C(100MHz,CDCl)δ,ppm.:14.01 s(C),17.08 s(C),18.17 s(CH),36.41 s(C),60.04 s(CHO),64.27 s(CHO),99.97 s(CH),127.76 s(Cpyr),130.11 s(Cpyr),139.17 s(Cpyr),147.31 s(Cpyr),147.99 s(Cpyr).
【0092】
ステップ2.5−ブロモメチル−8−メチル−2−プロピル−4H−[1,3]ジオキシノ[4,5−c]−ピリジン(10)の調製
3.49g(13.3mmol)のトリフェニルホスフィンおよび2.37g(13.3mmol)のブロモスクシンイミドを、2.97g(13.3mmol)の化合物(7)の20mlの無水クロロホルム中溶液に20℃で加える。1時間後、溶液を真空中で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジエチルエーテル:石油エーテル=2:1)で精製する。収量は1.56g(41%)で、白色油状物質である。
【0093】
NMRスペクトル H(400MHz,CDCl)δ,ppm:1.00 t(3H,HH=7.4Hz,CHCHCH),1.52−1.62 m(2H,CHCHCH),1.82−1.91(2H,CHCHCH),2.43 s(3H,CH),4.30,4.34(ABシステム,2H,HH=−10.8Hz,CHO),4.99 s(2H,CHBr),5.03 t(1H,HH=5.2Hz,CH),8.03 s(1H,CH).
【0094】
NMRスペクトル 13C(100MHz,CDCl)δ,ppm.:14.02 s(C),17.07 s(C),18.49 s(CH),26.73 s(C),36.35 s(CHBr),63.63 s(CHO),100.13 s(HC),127.00 s(Cpyr),127.50 s(Cpyr),140.36 s(Cpyr),148.15 s(Cpyr),148.61 s(Cpyr).
【0095】
ステップ3.1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−((8−メチル−2−プロピル−4H−[1,3]ジオキシノ−[4,5−c]ピリジン−5−イル)メチル)ピペラジニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(I−7)の調製
1.44g(4.4mmol)のシプロフロキサシン、0.37g(4.4mmol)の重炭酸ナトリウムおよび0.15g(1.3mmol)のヨウ化カリウムを、1.51g(5.3mmol)の化合物(10)の30mlの無水DMFA中の溶液に、20℃で連続的に加える。4時間後、真空中で溶媒を除去する。乾燥残留物を酢酸エチルで抽出し、不溶性の部分を濾別し、濾液を乾固し、アセトン:水=2:1の溶媒混合物から再結晶化する。収量は0.6g(26%)で、淡黄色結晶であり、融解温度は237〜239℃である。
【0096】
NMRスペクトル H(400MHz,CDCl)δ,ppm:0.99 t(3H,HH=7.4Hz,C),1.13−1.19 m(2H,シクロプロピルCH),1.34−1.37 m(2H,シクロプロピルCH),1.49−1.60 m(2H,C),1.77−1.89(2H,C),2.39 s(3H,CH),2.60−2.62 m(4H,ピペラジノ2CH2),3.27−3.29 m(4H,ピペラジノ2CH),3.41,3.45(ABシステム,2H,H−H=−13.2Hz,CHN),3.52 m(1H,シクロプロピルCH),5.00,5.08(ABシステム,2H,H−H=−16.2Hz,CHO),5.02 k(1H,H−H=5.2Hz,CH),7.29 d(1H,H−F=7.0Hz,CHar),7.84 d(1H,H−F=13.1Hz,CHar),7.90 s(1H,CHar),8.63 s(1H,CHpyr),14.94 br s(1H,OH).
【0097】
NMRスペクトル 13C(100MHz,CDCl)δ,ppm.:8.26 s(シクロプロピル2CH),13.99 s(C),17.07 s(C),18.29 s(CH),35.39 s(C),36.43 s(シクロプロピルCH),49.85 d(C−F=4.7Hz,ピペラジノ2CH),52.59 s(ピペラジノ2CH),57.56 s(CH),64.54 s(CH),99.92 s(HC),104.90 d(C−F=2.9Hz,Car),107.96 s(Car),112.20 d(C−F=23.4Hz,Car),119.63 d(C−F=7.8Hz,Car),126.89 s(Cpyr),128.37 s(Cpyr),139.09 s(C),140.80 s(C),145.84 d(C−F=10.3Hz,Car−F),147.19 s(C),147.37 s(C),148.07 s(C),153.68 d(C−F=251.7Hz,C−F),166.95 s(C(O)OH),176.99 s(C=O).
MALDI−MS:[M−H] 535.
【実施例8】
【0098】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−((8−メチル−2−オクチル−4H−[1,3]ジオキシノ−[4,5−c]ピリジン−5−イル)メチル)ピペラジニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(I−8)の調製
【0099】
ステップ1.5−ヒドロキシメチル−2−オクチル−8−メチル−4H−[1,3]ジオキシノ[4,5−c]ピリジン(8)の調製
ディーンスタークノズルを備えた丸底フラスコ中で、7.00g(34.4mmol)のピリドキシン塩酸塩(5)、13.70g(72.1mol)のp−トルエンスルホン酸一水和物および5.90ml(34.4mmol)のノニルアルデヒドの、120mlのベンゼン中懸濁液を調製する。反応生成物を8時間煮沸後、溶媒を真空中で留去する。重炭酸ナトリウムの水溶液を用いて、残留物をpH=7に中和する。沈殿物を濾過し、石油エーテルで洗浄する。収量は8.26g(82%)で、白色結晶であり、融解温度は175℃である。
【0100】
NMRスペクトル H(400MHz,CDCl)δ,ppm:0.88 t(3H,HH=6.6Hz,CH),1.28−1.38(10H,C17),1.49−1.57 m(2H,C17),1.80−1.94 m(2H,C17),2.39 s(3H,CH),3.30 br s(1H,OH),4.53 s(2H,CHO),4.99 s(2H,CHO),5.00 k(1H,HH=5.2Hz,CH),7.83 s(1H,CH).
【0101】
NMRスペクトル 13C(100 MHz,CDCl)δ,ppm.:14.25 s(C17),18.33 s(CH),22.80 s(C17),23.71 s(C17),29.35 s(C17),29.51 s(C17),29.60 s(C17),31.99 s(C17),34.42 s(C17),60.38 s(CHO),64.32 s(CHO),100.21 s(CH17),127.79 s(Cpyr),129.81 s(Cpyr),139.31 s(Cpyr),147.59 s(Cpyr),148.05 s(Cpyr).
【0102】
ステップ2.5−ブロモメチル−2−オクチル−8−メチル−4H−[1,3]ジオキシノ[4,5−c]ピリジン(11)の調製
2.67g(10.2mmol)のトリフェニルホスフィンおよび1.82g(10.2mmol)のブロモスクシンイミドを、2.99g(10.2mmol)の化合物(8)の20mlの無水クロロホルム中溶液に20℃で加える。1時間後、溶液を真空中で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジエチルエーテル:石油エーテル=2:1)で精製する。収量は1.89g(52%)で、白色結晶であり、融解温度は175℃である。
【0103】
NMRスペクトル H(400MHz,CDCl)δ,ppm:0.87 t(3H,HH=7.2Hz,C17),1.26−1.34(10H,C17),1.48−1.55 m(2H,C17),1.79−1.93 m(2H,C17),2.41 s(3H,CH),4.28,4.33(ABシステム,2H,HH=−10.8Hz CHO),4.96 s(2H,CHBr),4.99 t(1H,HH=5.2Hz,CH17),8.00 s(1H,CH).
【0104】
NMRスペクトル 13C(100MHz,CDCl)δ,ppm.:14.18 s(C17),18.55 s(CH),22.74 s(C17),23.62 s(C17),26.74 s(C17),29.28 s(C17),29.43 s(C17),29.54 s(CHBr),31.93 s(C17),34.30 s(C17)63.58 s(CHO),100.26 s(HC17),126.84 s(Cpyr),127.21 s(Cpyr),140.79 s(Cpyr),148.05 s(Cpyr),148.67 s(Cpyr).
【0105】
ステップ3.1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−((8−メチル−2−オクチル−4H−[1,3]ジオキシノ−[4,5−c]ピリジン−5−イル)メチル)ピペラジニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(I−8)の調製
0.93g(2.8mmol)のシプロフロキサシン、0.24g(2.8mmol)の重炭酸ナトリウムおよび0.10g(0.8mmol)のヨウ化カリウムを、1.20g(3.4mmol)の化合物(11)の20mlの無水DMFA中の溶液に、20℃で連続的に加える。4時間後、真空中で溶媒を除去する。乾燥残留物を酢酸エチルで抽出し、不溶性の部分を濾別し、濾液を乾固し、アセトン:水=2:1の溶媒混合物から再結晶化する。収量は0.91g(54%)で、黄色結晶であり、融解温度は89〜93℃である。
【0106】
NMRスペクトル H(400MHz,CDCl)δ,ppm:0.86 t(3H,HH=6.8Hz,C17),1.15−1.18 m(2H,シクロプロピルCH),1.23−1.38 m(12H,C17),1.48−1.54 m(2H,シクロプロピルCH),1.82−1.90 m(2H,C17),2.41 s(3H,CH),2.61−2.63 m(4H,ピペラジノ2CH),3.29−3.33 m(4H,ピペラジノ2CH),3.41,3.45(ABシステム,2H,H−H=−13.2Hz,CHN),3.52 m(1H,シクロプロピルCH),5.01,5.09(ABシステム,2H,H−H=−16.2Hz,CHO),5.12 k(1H,H−H=5.2Hz,CH),7.30 d(1H,H−F=7.0Hz,CHar),7.88 d(1H,H−F=13.1Hz,CHar),7.91 s(1H,CHar),8.66 s(1H,CHpyr),14.95 br s(1H,OH).
【0107】
NMRスペクトル 13C(100MHz,CDCl)δ,ppm.:8.29 s(シクロプロピル2CH),14.18 s(C17),18.39 s(CH),22.73 s(C17),23.70 s(C17),29.28 s(C17),29.46 s(C17),29.55 s(C17),31.93 s(C17),34.44 s(C17),35.39 s(シクロプロピルCH),49.90 d(C−F=4.6Hz,ピペラジノ2CH),52.62 s(ピペラジノ2CH),57.60 s(CH),64.58 s(CH),100.13 s(CHC17),104.89 d(C−F=2.9Hz,Car),108.06 s(Car),112.32 d(C−F=23.4Hz,Car),119.75 d(C−F=7.7Hz,Car),126.82 s(Cpyr),128.28 s(Cpyr),139.12 s(C),140.93 s(C),145.88 d(C−F=10.3Hz,Car−N),147.30 s(C),147.42 s(C),148.08 s(C),153.72 d(C−F=251.6Hz,Car−F),167.00 s(C(O)OH),177.04 s(C=O).
MALDI−MS:[M−H] 605.
【実施例9】
【0108】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−((5−ヒドロキシ−2,4−ビス(ヒドロキシメチル)−6−メチルピリジン−3−イル)メチル)ピペラジニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(I−9)の調製
【0109】
0.71g(2.8mmol)の化合物(12)(非特許文献11)の20mlの無水DMFA中の溶液に、0.79g(2.4mmol)のシプロフロキサシン、0.44g(5.2mmol)の重炭酸ナトリウムおよび0.12g(0.7mmol)のヨウ化カリウムを、20℃で連続的に加える。4時間後、真空中で溶媒を除去する。乾燥残留物を酢酸エチルで抽出し、不溶性の部分を濾別し、濾液を乾固し、アセトン:水=2:1の溶媒混合物から再結晶化する。再結晶化後、15mlの0.1HのHCl溶液を加え、真空中で溶媒を留去する。収量は0.84g(65%)で、淡黄色結晶であり、融解温度は190〜195℃(分解)である。
【0110】
NMRスペクトル H(400MHz,DMSO−d)δppm:1.15−1.19 br m(2H,シクロプロピルCH),1.28−1.34 m(2H,シクロプロピルCH),2.37 s(3H,CH),2.66 br s(4H,ピペラジノ2CH),3.27 br s(4H,ピペラジノ2CH),3.30 s(2H,CH),3.73 s(2H,CH),3.79 m(1H,シクロプロピルCH),4.56 s(2H,CH),4.78 s(2H,CH),6.00 br s(1H,OH),7.54 d(1H,H−F=7.4Hz,CHar),7.87 d(1H,H−F=13.3Hz,CHar),8.64 s(1H,CHar),9.15 br s(1H,OH).
【0111】
NMRスペクトル 13C(100MHz,DMSO−d)δ,ppm:7.48 s(シクロプロピル2CH),19.28 s(CH),35.80 s(シクロプロピルCH),49.44 d(C−F=4.6Hz,ピペラジノ2CH),51.60 s(ピペラジノ2CH),53.41 s(CH),56.17 s(CH),63.26 s(CH),106.49 s(C−F=3.1Hz,Car),106.72 s(Car),110.85 d(C−F=23.0Hz,Car),118.68 d(C−F=7.7Hz,Car),127.72 s(Cpyr),135.03 s(Cpyr),139.08 s(C),144.39 s(C),144.95 d(C−F=10.2Hz,Car)−N),147.91 s(C),148.79 s(C),149.44 s(C),152.97 d(C−F=249.6Hz,Car−F),165.82 s(C(O)OH),176.31 s(C=O).
MALDI−MS:[M+2H−Cl] 514.
【実施例10】
【0112】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−((5−ヒドロキシメチル−2,2,8−トリメチル−4H−[1,3]ジオキシノ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メチル)ピペラジニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(I−10)の調製
【0113】
1.30g(4.3mmol)の化合物(13)(非特許文献12)の20mlの無水DMFA中の溶液に、1.29g(3.9mmol)のシプロフロキサシン、0.33g(3.9mmol)の重炭酸ナトリウムおよび0.14g(1.2mmol)のヨウ化カリウムを、20℃で連続的に加える。4時間後、真空中で溶媒を除去する。乾燥残留物を酢酸エチルで抽出し、不溶性の部分を濾別し、濾液を乾固し、アセトン:水=2:1の溶媒混合物から再結晶化する。収量は0.94g(44%)で、淡黄色結晶であり、融解温度は225℃(分解)である。
【0114】
NMRスペクトル H(400MHz,CDCl)δ,ppm:1.16 br s(2H,シクロプロピルCH),1.33 br s(2H,シクロプロピルCH),1.54 s(6H,2CH),2.38 s(3H,CH),2.79 br s(4H,ピペラジノ2CH),3.29 br s(4H,ピペラジノ2CH),3.49 br s(1H,シクロプロピルCH),3.84 s(2H,CHN),4.44 s(2H,CHO),4.94 s(2H,CHO),7.29 br s(1H,CHar),7.89 d(1H,H−F=12.3Hz,CHar),8.67 s(1H,CHar),14.93 br s(1H,OH).
【0115】
NMRスペクトル 13C(100MHz,CDCl)δ,ppm.:8.30 s(シクロプロピル2CH),18.39 s(CH),24.79 s(2CH),35.43 s(シクロプロピルCH),49.63 s(ピペラジノ2CH),52.27 s(ピペラジノ2CH),57.71 s(CH),58.99 s(CH),63.07 s(CH),99.65 s((CH),105.20 s(Car),108.09 s(Car),112.39 d(C−F=23.4Hz,Car),120.08 d(C−F=7.7Hz,Car),125.65 s(Cpyr),130.11 s(Cpyr),139.05 s(C),145.61 d(C−F=10.2Hz,Car−N),145.92 s(C),146.08 s(C),146.20 s(C),147.54 s(C),153.73 d(C−F=251.5Hz,Car−F),167.02 s(C(O)OH),177.07 s(C=O).
MALDI−MS:[M+H] 553.
【実施例11】
【0116】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−((5−ヒドロキシ−3,4−ビス(ヒドロキシメチル)−6−メチルピリジン−2−イル)メチル)ピペラジニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸・塩酸塩(I−11)の調製
20mlの水中の0.91g(1.7mmol)の化合物(I−10)および1mlの濃HClを25℃で24時間撹拌する。次に、溶液を重炭酸ナトリウムでpH=6に中和する。沈殿物を濾別し、アセトン、クロロホルムおよび水で連続的に洗浄する。沈殿物を洗浄後、17mlの0.1HのHCl溶液を加え、真空中で溶媒を留去する。収量は0.69g(76%)で、淡黄色結晶であり、融解温度は212〜215℃(分解)である。
【0117】
NMRスペクトル H(400MHz,DMSO−d)δppm:1.18 br s(2H,シクロプロピルCH),1.33 br s(2H,シクロプロピルCH),2.44 s(3H,CH),3.44 br s(4H,ピペラジノ2CH),3.66 br s(4H,ピペラジノ2CH),3.84 br s(1H,シクロプロピルCH),4.48 s(2H,CH),4.62 s(2H,CHO),4.80 s(2H,CHO),5.90 br s(1H,OH),7.60 br s(1H,CHar),7.91 d(1H,H−F=12.9Hz,CHar),8.65 s(1H,CHar),9.69 br s(1H,OH),15.10 br s(1H,OH).
【0118】
NMRスペクトル 13C(100MHz,DMSO−d)δ,ppm:7.62 s(シクロプロピル2CH),19.26 s(CH),35.97 s(シクロプロピルCH),46.60 s(ピペラジノ2CH),51.15 s(ピペラジノ2CH),55.92 s(CH),56.03 s(CH),57.27 s(CH),106.80 s(Car),111.13 d(C−F=23.6Hz,Car),119.18 d(C−F=7.7Hz,Car),133.50 s(Cpyr),134.00 s(Cpyr),139.05 s(C),143.85 d(C−F=10.1Hz,Car−N),145.67 s(C),148.08 s(C),150.07 s(C),152.81 d(C−F=249.5Hz,Car−F),165.81 s(C(O)OH),176.32 s(C=O).
MALDI−MS:[M+H] 513.
【実施例12】
【0119】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−((8−メチル−4H−[1,3]ジオキシノ[4,5−c]ピリジン−5−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸・塩酸塩(I−12)の調製
【0120】
ステップ1.5−ヒドロキシメチル−8−メチル−4H−[1,3]ジオキシノ[4,5−c]ピリジン(14)の調製
ディーンスタークノズルを備えた丸底フラスコ中で、20.00g(97.0mmol)のピリドキシン塩酸塩(5)、92.50g(486.8mol)のp−トルエンスルホン酸一水和物および5.84g(194.6mmol)のパラホルムの、150mlのベンゼン中懸濁液を調製する。反応生成物を6時間煮沸後、溶媒を真空中で留去する。24.50g(612.5mmol)の水酸化ナトリウムの150mlの水中の溶液を混合物に加え、希塩酸でpH=7に中和する。生成物を酢酸エチルで抽出し、これを次に留去して、乾燥残留物を最初に水で、その後ジエチルエーテルで洗浄する。収量は、1.10g(6%)で、灰色の結晶質物質である。融解温度は112〜113℃である。
【0121】
NMRスペクトル H(400MHz,CDCl)δ,ppm:2.36 s(3H,CH),4.09 br s(1H,OH),4.49 s(2H,CHO),4.96 s(2H,CHO),5.26 s(2H,OCHO),7.77 s(1H,CH).
【0122】
NMRスペクトル 13C(100MHz,CDCl)δ,ppm:18.21 s(CH),59.97 s(CHO),64.04 s(CHO),91.20 s(OCHO),128.17 s(Cpyr),130.31 s(Cpyr),139.43 s(Cpyr),147.43 s(Cpyr),147.58 s(Cpyr).
【0123】
ステップ2.5−クロロメチル−8−メチル−4H−[1,3]ジオキシノ[4,5−c]ピリジン・塩酸塩(15)の調製
2.50ml(34.4mmol)の塩化チオニルを、1.00g(5.5mmol)の化合物(14)の20mlのクロロホルム中溶液に加える。得られた反応混合物を20℃で3時間攪拌する。真空中で溶媒を除去する。定量的収率の白色結晶質物質で、融解温度は190〜192℃(分解)である。
【0124】
NMRスペクトル H(400MHz,DMSO−d)δ,ppm:2.54 s(3H,CH),4.89 s(2H,CHO),5.21 s(2H,CHO),5.49 s(2H,OCHO),8.43 s(1H,CH).
【0125】
NMRスペクトル 13C(100MHz,DMSO−d)δ,ppm:14.76 s(CH),39.03 s(CHCl),63.11 s(CHO),91.72 s(OCHO),130.46 s(Cpyr),133.64 s(Cpyr),135.52 s(Cpyr),144.21s(Cpyr),148.92 s(Cpyr).
【0126】
ステップ3.1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−((8−メチル−4H−[1,3]ジオキシノ[4,5−c]ピリジン−5−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸・塩酸塩(I−12)の調製
0.63g(1.9mmol)のシプロフロキサシン、0.34g(4.1mmol)の重炭酸ナトリウムおよび0.16g(1.0mmol)のヨウ化カリウムを、0.50g(2.1mmol)の化合物(15)の20mlの無水DMFA中の溶液に、20℃で連続的に加える。反応混合物を80℃で4時間攪拌する。真空中で溶媒を留去する。乾燥残留物を酢酸エチルで抽出し、不溶性の部分を濾別し、濾液を乾固し、アセトンで洗浄する。得られた残留物に、6.4mlの0.1HのHCl溶液を加え、真空中で溶媒を留去する。収量は0.34g(34%)で、淡褐色結晶質物質である。
【0127】
NMRスペクトル H(400MHz,DMSO−d)δ,ppm:1.18−1.22 m(2H,シクロプロピルCH),1.36−1.41 m(2H,シクロプロピルCH),2.44 s(3H,CH),3.45−3.88 m(9H,ピペラジノ4CH+シクロプロピルCH),4.41 s(2H,CHN),5.41 s(2H,CH),5.45 s(2H,CH),7.60 d(1H ,H−F=7.4Hz,CHar),7.96 d(1H,H−F=13.0Hz,CHar),8.66 s(1H,CHar),8.68 s(1H,CHpyr),12.0 br s(1H,OH).
【0128】
NMRスペクトル 13C(100MHz,DMSO−d)δ,ppm:7.61 s(シクロプロピル2CH),15.50 s(CH),35.97 s(シクロプロピルCH),46.12 s(ピペラジノ2CH),50.53 s(ピペラジノ2CH),51.58 s(CH),64.28 s(CH),91.33 s(CH),106.86 s(Car),106.91 s(Car)111.22 d(C−F=23.0Hz,Car),119.35 d(C−F=6.9Hz,Car),139.09 s(C),148.25 s(C),148.57 s(C),153.83 d(C−F=249.4Hz,Car−F),165.83 s(C(O)OH),176.39 s(C=O).
MALDI−MS:[M+H] 496.
【実施例13】
【0129】
請求されたシプロフロキサシン系誘導体の抗菌活性の調査
【0130】
抗菌活性の測定は、黄色ブドウ球菌ATCC 29213(博物館株)、表皮ブドウ球菌(臨床分離株)、ルテウス菌(臨床分離株)、枯草菌168(博物館株)、大腸菌ATCC 25922(博物館株)、ネズミチフス菌TA100(博物館株)、緑膿菌ATCC 27853(博物館株)の株に対し実施した。96ウエル無菌プレートを用い、ミュラーヒントン培地中の系列希釈を使用して、最小阻止濃度(MIC)を決定するための微量法により、グラム陽性微生物の参考株および臨床分離株に対する抗菌作用範囲の比較に基づく評価を実施した。
【0131】
細菌増殖が目視で測定されない、最も低い濃度の抗生物質(一連の連続希釈由来)が最小阻止濃度(MIC)であると見なされる。
【0132】
抗菌活性の調査を目的とする接種材料(人為的混入に使用する感染性物質)の調製のために、高密度栄養培地(寒天LB培地)上で増殖させた細菌の純粋な日々の培養物を使用した。塩化ナトリウムの無菌等張性溶液中で、微生物の懸濁液を調製し、マックファーランド基準(1.5x10CFU/ml)に従い、接種材料密度を0.5に調節した。その後、得られた接種材料をLB培地で10CFU/mlの濃度に希釈した。調製後、接種材料を15分間用いた;各実験の前に、菌株の純度をモニターした。
【0133】
100μlのミュラーヒントン培地を各プレートのウエルに加え、100μlの体積中の128μg/mlの濃度で試験塩基を第1のウエルに導入し、連続2倍希釈によりその濃度を0.25μg/mlに調節した。その後、調製した接種材料を各ウエルに加え、それにより、調査化合物の濃度を半分に希釈した(64.0μg/mlまで希釈)。実験では、各調製物を3回滴定した。対照として、試験薬物を含まないウエルを含めた(培養物の増殖の対照)。さらに、栄養培地および溶媒の純度をモニターした。プレートを36℃のサーモスタット中で24時間インキュベーションした。
【0134】
培養物の増殖を目視で評価し、試験化合物の存在下の微生物の増殖を、試験化合物のない場合の培養物の増殖と比較した。
【0135】
請求された抗菌物質に対し、化学構造が最も近いのはシプロフロキサシンであり、これを、プロトタイプおよび比較薬物として選択した。また、対照薬として、出願者は、「抗生物質の最終兵器」バンコマイシンおよびフルオロキノロン系の最も効果的な薬物の1つであるモキシフロキサシンを使用した。
【0136】
表1に示すデータからわかるように、ほとんど全ての請求された化合物が調査している微生物株に対し、顕著な抗菌活性を有する。同時に、化合物I−2、I−3、I−9およびI−12は、最も活性であることが証明された;グラム陽性微生物に対するそれらの抗菌作用は、比較薬物と同等であることがわかった。
【0137】
【表1】
【0138】
最も活性な化合物の1つのI−2について、表2に示す微生物の臨床株(黄色ブドウ球菌MRSA)に対して、抗菌活性の徹底的な調査を実施した。バンコマイシン、シプロフロキサシンおよびセフトリアキソンを対照薬として使用した。
【0139】
【表2】
【0140】
表1および2に示されたデータからわかるように、化合物は、グラム陽性細菌に対して、MIC値の観点でシプロフロキサシンと同等の、およびいくつかの株の場合には、それより優れた結果を示した。黄色ブドウ球菌MRSAの新鮮な臨床単離株の場合には、I−2は、ほとんど全ての場合で、MICの観点から、セフトリアキソンより優れている。グラム陰性菌株との関連では、化合物I−2は、低抗菌活性を示す。
【実施例14】
【0141】
化合物I−2の胃内投与後のマウスでの一般急性毒性調査
【0142】
両方の性のICRマウス(CD−1)(6〜8週齡、20〜25g)群あたり6匹の動物に対し、固定用量法を用いて、化合物I−2の急性毒性を調査した。試験化合物I−2の出発用量は、5000mg/kgであった。胃プローブを用いて、動物への化合物I−2の胃内(経口)投与(<2.5ml/100g)を行った。
【0143】
化合物I−2の5000mg/kgの投与量時に、両方の性のマウスは、動物に対する機械的な影響により生じた活動のわずかな抑制を示した。20〜30分後、動物の行動は正常に戻った。1.5〜2時間後、動物は食物と水の摂取を始めた。全実験の間、動物の死亡は観察されなかった。
【0144】
実験全体を通して、実験動物の生命活動の全ての主要な指標は、標準活動に相当し、対照の活動とは異ならなかった。マウスは、良好な食欲、光沢のある外被を有し、可視粘膜は淡いピンク色であり、行動は、この種の動物に相当し、観察期間中に異常性は観察されなかった。
【0145】
【表3】
【0146】
実験の終わりに、対照および実験動物の安楽死および病理形態学的切開を実施した。マウスの剖検中、変化は観察されなかった。対照および実験動物は、相互で違いはなかった。化合物I−2で胃内の処理をした死亡マウスの剖検では、次の像が観察された。動物の死体は、適切な構造で、平均的肥満度である。自然開口部:口は閉じられ、舌は口中にあり、唇および歯茎の粘膜は、淡いピンク色で、なめらかで、光沢がある。鼻開口部−粘膜は淡いピンク色で、乾燥し、流出物は無く、透過性は良好である。耳介は変化がなく、外耳道はきれいである。肛門は閉じ、粘膜は淡いピンク色である。毛髪はうまく保持され、毛被は光沢がある。皮膚は弾性があり、皮下線維は良好に発現し、黄色がかった色で弾性がある。筋肉は赤みがかっており、よく発達し、腱および靱帯は白色で弾性および耐久性がある。骨および関節の配置は、破壊されていない。胸部および腹部空洞の器官の位置:解剖学的に正しい。胸部および腹部空洞に体液はない。咽頭および食道の開通性は、破壊されていない。心臓の体積は変化していない。心臓の空洞は、少量の非凝集血を含み、心内膜はなめらかで光沢がある。肺は、淡いピンク色から赤色で、不均一な色で、分葉はよく発現している。脾臓は拡大しておらず、シャープエッジを有し、楕円形状であり、弾性的堅さがあり、赤褐色である。肝臓は拡大しておらず、シャープエッジを有し、形状は変化しておらず、密度が高く、サクランボ色である。胃は、均一な堅さの灰色のフィード塊を含む。胃の粘膜は淡い灰色である。腸の薄いまたは厚い部分の腸粘膜は、淡いピンク色または淡い灰色である。腎臓は、豆形状で、暗褐色であり、腎傍体では、わずかな量の脂肪があり、嚢は容易に分離し、皮質と脳ゾーンとの間の境界は発現している。膀胱は、空であるか、または淡黄色の尿で満たされ、粘膜は淡いピンク色である。生殖器は異常が無い。雄の精巣は、弾性的堅さがあって、陰嚢の空洞中にあり、楕円形状をしている。雌は、正常な卵巣および子宮を有する。脳は水腫性ではなく、脳の白質は弾性があり、出血はない。
【0147】
5000mg/kgの用量の化合物I−2の投与では、死亡率は観察されなかったので、化合物I−2の平均致死用量は、マウスでは検出されなかった。したがって、調査により、化合物I−2は、危険物クラス4の、低危険性物質に属する。
【0148】
したがって、高い抗菌活性を有し、低毒性のシプロフロキサシン系の新規フルオロキノロン系が得られた。
【0149】
調査したレベルの技術では、示した結果を確実に達成する一連の定められた明確な特徴を有する技術的解決策を見つけられなかったので、請求された技術的解決策は、本発明に該当する「新規性」の基準に適合する。
【0150】
請求された技術的解決策は、この科学および技術の分野の当業者には明らかではないので、本発明に該当する「進歩性」の基準に適合する。
【0151】
請求された技術的解決策は、標準的な装置、よく知られた国内の材料および技術を用いて任意の特殊化された事業で実施することができるので、「産業上の利用可能性」の基準に適合する。