(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
実施形態に係る保護対象収容体10について、図面を参照して説明する。
【0023】
図1に示されるように、本実施形態に係る保護対象収容体10は、鉄を主成分とする金属製の本体部12と上壁部14とを含んで構成されている。また、本実施形態の保護対象収容体10は、一例として、家の中、ガレージ、幼稚園、学校、病院、オフィス、工場、港、遊園地、公園及びサービスエリアの中などに設置されている。
【0024】
本体部12は、底壁16と、底壁16の周端部に立設された4つの側壁(第1側壁18、第2側壁20、第3側壁22及び第4側壁)と、側壁同士を連結する柱(第1柱28、第2柱30、第3柱32及び第4柱34)とを含んで略箱状に形成されている。底壁16は、本体部12の床面を構成しており、平面視で略矩形状に形成されている。
【0025】
第1側壁18は、底壁16の4辺のうちの1辺の周端部に立設されており、第1側壁18の幅方向一端部は第1柱28に接続されている。また、第1側壁18の幅方向他端部は、第3柱32に接続されている。そして、第1側壁18は、第1柱28から第3柱32へ向かうにつれて徐々に高さが低くなるように上端面が傾斜している。また、第1側壁18の上端部には上壁部14が取り付けられている。上壁部14の詳細については後述する。
【0026】
第2側壁20は、底壁16の4辺のうちの1辺の周端部に立設されており、第2側壁20の幅方向一端部は第1柱28に接続されている。すなわち、第1柱28によって第1側壁18と第2側壁20とが連結されている。また、第2側壁20の幅方向他端部は、第4柱34に接続されている。そして、第2側壁20は、第1柱28から第4柱34へ向かうにつれて徐々に高さが低くなるように上端面が傾斜している。
【0027】
第3側壁22は、底壁16の4辺のうちの1辺の周端部に立設されており、第3側壁22の幅方向一端部は第3柱32に接続されている。すなわち、第3柱32によって第1側壁18と第3側壁22とが連結されている。また、第3側壁22の幅方向他端部は、第2柱30に接続されている。そして、第3側壁22は、第3柱32から第2柱30へ向かうにつれて徐々に高さが低くなるように上端面が傾斜している。
【0028】
第4側壁24は、底壁16の4辺のうちの1辺の周端部に立設されており、第4側壁24の幅方向一端部は第4柱34に接続されている。すなわち、第4柱34によって第2側壁20と第4側壁24とが連結されている。また、第4側壁24の幅方向他端部は、第2柱30に接続されている。すなわち、第2柱30によって第3側壁22と第4側壁24とが連結されている。そして、第4側壁24は、第4柱34から第2柱30へ向かうにつれて徐々に高さが低くなるように上端面が傾斜している。
【0029】
以上のように、第1柱28、第2柱30、第3柱32及び第4柱34のうち、第1柱28が最も高く形成され、第1柱28と対向する第2柱30が最も低く形成されている。また、第3柱32と第4柱34とは、略同じ高さとなっており、第1柱28よりも低く、かつ、第2柱30よりも高く形成されている。
【0030】
本体部12は、内部には保護対象である物や人が収容可能な大きさに形成されている。そして、この開口12Aが上壁部14によって閉塞される。上壁部14の詳細は後述する。
【0031】
ここで、本体部12には通気孔26が形成されている。通気孔26は、第2側壁20の上部に形成されて第2側壁20を板厚方向に貫通しており、この通気孔26によって本体部12の内部空間と外部空間とが連通されている。また、通気孔26の位置は、保護対象収容体10の水没時に水面よりも上方に位置するように設計されている。さらに、通気孔26は、開閉できるように構成してもよい。
【0032】
第1側壁18における第3側壁22側の上部には、室内灯36が設けられており、第2側壁20における第4側壁24側の上部には、室内灯38が設けられている。室内灯36及び室内灯38は、本体部12の外部に設けられた図示しない電力供給部からケーブルを介して電力が供給されることで点灯するように構成されている。
【0033】
本体部12の内部には、生活機能品としての机52及び椅子50が収容されている。椅子50は、平面視で略三角形状に形成されており、第1側壁18と第2側壁20とで囲まれた領域に設けられている。
【0034】
椅子50は、中空状に形成されており、この椅子50の内部空間には図示しない防災用品が収納されている。例えば、防災用品として、水、食料及び簡易トイレなどが収納されている。また、椅子50には開閉可能な扉51が設けられており、この扉51を開けることで椅子50の内部空間から防災用品を出し入れ可能となっている。
【0035】
椅子50の上面には、左側拘束クッション44及び右側拘束クッション46が設けられている。左側拘束クッション44は、椅子50及び第1側壁18に固定されており、右側拘束クッション46は、椅子50及び第2側壁20に固定されている。そして、これらの左側拘束クッション44と右側拘束クッション46とで利用者Pの腰部の移動を拘束する(
図2参照)。
【0036】
左側拘束クッション44及び右側拘束クッション46の上方には、左右一対の拘束ベルト48が設けられている。そして、利用者Pが拘束ベルト48に腕を通すことで、本体部12に衝撃が入力された場合であっても乗員の慣性移動を抑制できるように構成されている(
図2参照)。
【0037】
左右一対の拘束ベルト48の上方には、左側頭部クッション40及び右側頭部クッション42が設けられている。左側頭部クッション40は、第1側壁18の上部に固定されており、右側頭部クッション42は、第2側壁20の上部に固定されている。そして、これらの左側頭部クッション40及び右側頭部クッション42によって利用者Pの頭部が保護される。
【0038】
一方、机52は、平面視で略三角形状に形成されており、第3側壁22と第4側壁24とで囲まれた領域に設けられている。具体的には、机52は、第3側壁22及び第4側壁24に掛け渡されており、机52の下には利用者Pが足を入れるための空間が設けられている。
【0039】
机52の下の空間には、空調装置54及び酸素ボンベ56が配設されている。空調装置54は、本体部12の内部の空気を吸引し、温度調節した空気を吹き出すように構成されている。また、空調装置54は、本体部12の外部に設けられた図示しない電力供給部からケーブルを介して電力が供給されることで作動するように構成されている。なお、空調装置54、室内灯36及び室内灯38は、利用者Pがリモートコントローラを操作することでON、OFFできるように構成してもよい。
【0040】
酸素ボンベ56は、保護対象収容体10の水没時などに用いられる。また、酸素ボンベ56には、使用方法が記載されていてもよい。
【0041】
ここで、
図2に示されるように、本体部12の外面には、牽引フック68が設けられている。牽引フック68は、クレーンなどのフックFを引掛けられる形状に形成されており、第1側壁18と第2側壁20とを連結する第1柱28の上端部に固定されている。ここで、第1柱28と第1柱30とを繋ぐ直線は、本体部12を左右対称に分断する対称軸であるため、牽引フック68は対称軸上に設けられている。一方、第2柱30の下端部には、牽引フック69が固定されている。
【0042】
図1に示されるように、第4側壁24の上端部には、間隔をあけて一対のロック部58が設けられている。ロック部58はそれぞれ、上壁部14に設けられた突起部62が差し込まれる差込孔が形成されている。
【0043】
上壁部14は、略矩形板状に形成されており、一対のヒンジ60を介して第1側壁18に取付けられている。そして、この上壁部14を閉じることによって本体部12の開口12Aが閉塞されるように構成されている。
【0044】
上壁部14には、一対のロック部58と対応する位置に突起部62が形成されており、上壁部14を閉じた際に、突起部62がロック部58の差込孔に差し込まれる。このとき、図示しないロック機構によって上壁部14が不用意に開かないようにロックさせてもよい。また、ロックは本体部12の内側から解除することができるように構成してもよい。
【0045】
上壁部14の中央部には、強化ガラスで形成された窓部14Aが設けられている。このため、上壁部14を閉じた状態でも、本体部12の内側の利用者Pが外部の状況を視認することができる。
【0046】
また、上壁部14には、略U字状の把持部64が設けられており、この把持部64を把持して上壁部14の開閉を行うことができるように構成されている。
【0047】
ここで、
図2に示されるように、上壁部14は、その全体が直線状に傾斜された傾斜面を構成しており、この傾斜面の下端が本体部12に接続されている。具体的には、上壁部14は、閉じた状態で第1柱28側よりも第2柱30側が下方に位置するように傾斜しており、上壁部14の下端部が第2柱30に支持されている。そして、この上壁部14によって本体部12を構成する第1側壁18、第2側壁20、第3側壁22及び第4側壁24が連結された状態となる。
【0048】
(作用)
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0049】
本実施形態に係る保護対象収容体10は、本体部12には通気孔26が形成されており、この通気孔26によって本体部12の内部空間と外部空間とが連通されている。これにより、本体部12の上部を上壁部14によって閉塞した場合であっても、本体部12の内部を換気することができる。
【0050】
また、上壁部14は、直線的に傾斜した1つ又は複数の傾斜面によって第1側壁18、第2側壁20、第3側壁22及び第4側壁24を連結する。これにより、地震などの災害時において上壁部14に落下物が衝突した場合であっても、上壁部14によって落下物をいなすことができる。この結果、落下物から入力された荷重方向が横方向ベクトルに分散され、落下物の重量を上壁部14で負担せずに済む。すなわち、重量の増加を抑制しつつ、保護対象を良好に保護することができる。
【0051】
また、上壁部14の傾斜面が直線状に傾斜されており、この上壁部14の下端が第2柱(本体部12)に接続されている。これにより、軸圧縮する方向に荷重が入力され、オイラー座屈モードとなるように上壁部から本体部へ荷重を伝達させることができる。本実施形態では、
図2において、第1柱28に対して軸圧縮する方向に荷重が入力される。この結果、曲げモードで変形する構造と同じ肉厚で上壁部14を形成した場合であっても、曲げモードの構造と比較して強度を向上させることができる。
【0052】
さらに、本実施形態では、本体部12の外面に牽引フック68を設けることで、容易に保護対象収容体10を被災地から搬送することができる。特に、本実施形態では、左右対称となる対称軸上に牽引フック68が設けられている。このため、牽引時に本体部12の左右を流れる流体(空気又は水)から受ける外力が左右で同程度となり、保護対象収容体10が流体からの外力を受けて左右に揺動するのを抑制することができる。
【0053】
さらにまた、本実施形態では、本体部12の内部に予め生活機能品である机52及び椅子50が収容されているため、日常的に保護対象収容体10を利用することができる。例えば、本実施形態では、パーソナルコンピュータやタブレットなどを持ち込んでワーキングスペースとして利用することができる。そして、災害時には、保護対象収容体10の内部に逃げ込むことで、災害から身を守ることができる。この結果、専用のシェルターなどを用意する必要がない。
【0054】
また、本実施形態では、
図1に示されるように、本体部12は、底壁16と4つの側壁(第1側壁18、第2側壁20、第3側壁22及び第4側壁24)と、4本の柱(第1柱28、第2柱30、第3柱32及び第4柱34)とを含んで箱状に形成されている。ここで、4本の柱のうち、第1柱28が最も高く、第2柱30が最も低く形成されている。また、上壁部14は、傾斜面が第1柱28側よりも第2柱30側が下方に位置するように傾斜した平板状の部材によって形成されている。これにより、上壁部14へ入力された荷重を、第1柱28から地面へ伝達させることができる。
【0055】
なお、本実施形態では、本体部12の上部の開口12Aを上壁部14で閉塞する構成としたが、これに限定されない。例えば、
図3に示される変形例の構成を採用してもよい。
【0056】
(変形例)
図3に示されるように、本変形例に係る保護対象収容体70は、本体部12の上部が上壁部72によって閉塞されている。また、実施形態における第1側壁18に代えて扉74が設けられている。
【0057】
具体的には、保護対象収容体70の上壁部72は、本体部12を構成する底壁16、第2側壁20、第3側壁22、第4側壁24、第1柱28、第2柱30、第3柱32及び第4柱34の上端部に固定されている(底壁16及び第2側壁20については
図1参照)。また、上壁部72の中央部には、強化ガラスで形成された窓部72Aが設けられている。
【0058】
扉74は、上下一対のヒンジ76を介して第3柱32に連結されており、開閉可能に構成されている。そして、扉74を閉じることで、本体部12の開口が閉塞される。また、扉74には把持部78が設けられており、この把持部78を把持しながら扉74を容易に開閉することができる。なお、扉74における把持部78が設けられた面とは反対側の面にも図示しない把持部が設けられており、利用者が本体部12の内部から扉74を開けやすいように構成されている。
【0059】
ここで、上壁部72は、第1実施形態の上壁部14と同様に、その全体が直線状に傾斜された傾斜面を構成している。具体的には、上壁部72は、第1柱28側よりも第2柱30側が下方に位置するように傾斜している。
【0060】
以上のように、本変形例に係る保護対象収容体70では、第1実施形態のように上壁部14が上開きする構成と異なり、扉74が横開きする構成となっている。これにより、側壁を跨いで本体部12の内部に入りやすくなり、使用性能を向上することができる。
【0061】
<
参考例>
次に、
参考例に係る保護対象収容体80について、
図4を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0062】
図4に示されるように、本
参考例の保護対象収容体80は、上部が開口された金属製の本体部82と、本体部82の開口82Cを閉塞する金属製の上壁部84とを含んで構成されている。
【0063】
本体部82は、底壁82Aと側壁82Bとを含んで内部に保護対象を収容可能に構成されている。底壁82Aは、平面視で略円形に形成されており、この底壁82Aの周端部に側壁82Bが立設されている。
【0064】
側壁82Bは、略円筒状に形成されており、この側壁82Bの上端部には開口82Cが形成されている。また側壁82Bの上端部には、牽引フック68が設けられており、側壁82Bにおける牽引フック68が設けられた部分と対向する部分の下端部には、牽引フック69が設けられている。
【0065】
ここで、側壁82Bには内部空間と外部空間とを連通する通気孔26が形成されている。また、側壁82Bの内面には、左右一対の拘束ベルト48が設けられている。さらに、拘束ベルト48の上方には、円弧状に形成された頭部クッション87が設けられている。
【0066】
ここで、本
参考例における保護対象収容体80の内部には、生活に必要な機能を備えた生活機能品としての便器86が収容されている。すなわち、本
参考例の保護対象収容体80は、個室のトイレとして利用される。
【0067】
なお、便器86は一例として水洗式であり、本体部82の外部から図示しない水道管が接続されている。また、便器86における水道管の接続部分には、災害時などの際に水道管を強制的に遮断する開閉弁が設けられており、便器86から水道管が外れた際に、開閉弁が閉弁することで、本体部82の内部に水が浸入するのを抑制する構造となっている。
【0068】
上壁部84は、略楕円状に形成されており、ヒンジ88を介して本体部82の側壁82Bに連結されている。また、上壁部84の中央部には、強化ガラスで形成された窓部84Aが設けられている。このため、上壁部84を閉じた状態でも、本体部82の内側の利用者が外部の状況を視認することができる。
【0069】
ここで、上壁部84は、その全体が直線的に傾斜した傾斜面を構成している。具体的には、上壁部84は牽引フック68が設けられた部分から、対向する部分へ向かうにつれて下方に位置するように傾斜されている。そして、上壁部84の下端が本体部82に接続されている。
【0070】
(作用)
次に、本
参考例の作用を説明する。
【0071】
本
参考例では、本体部82の内部に予め生活機能品である便器86が収容されているため、日常的に保護対象収容体80を個室のトイレとして利用することができる。そして、災害時には、保護対象収容体80の内部に逃げ込むことで、災害から身を守ることができる。この結果、専用のシェルターなどを用意する必要がない。その他の作用については第1実施形態と同様である。
【0072】
<
参考例>
次に、
参考例に係る保護対象収容体90について、
図5を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0073】
図5には、3つの保護対象収容体90が配列された状態が示されており、それぞれの保護対象収容体90は、描かれたイラストを除いて略同一の構成とされている。以下、イラストG1が描かれた保護対象収容体90について説明する。
【0074】
保護対象収容体90は、内部に保護対象を収容可能な金属製の本体部92と、本体部92の上部の開口を閉塞する金属製の上壁部94とを含んで構成されている。
【0075】
本体部92は、平面視で略矩形状の底壁92Aと、底壁92Aの周端部に立設された4つの側壁92Bとを含んで構成されている。また、4つの側壁92Bのうち、イラストG1が描かれた側壁92Bが最も低く形成されており、この側壁92Bと対向する側壁92Bが最も高く形成されている。そして、最も高い側壁92Bには、内部空間と外部空間とを連通する通気孔26が形成されている。
【0076】
また、通気孔26が形成された側壁92Bの上端部には、牽引フック95が設けられている。牽引フック95は、側壁92Bの幅方向一端部と他端部とを連結するように略アーチ状に形成されており、側壁92Bを補強する補強部材としても機能している。
【0077】
上壁部94は、直線的に傾斜した傾斜面によって本体部92を構成する側壁92B同士を連結している。具体的には、上壁部94は、平板状の部材によって形成されており、最も高い側壁92B側から最も低い側壁92B側へ向かうにつれて下方に位置するように傾斜している。そして、上壁部94の下端が本体部92に接続されている。
【0078】
ここで、本体部92には、イラストG1としてウサギを模した形状のイラストが描かれている。また、イラストG1が描かれた保護対象収容体90の隣に配設された保護対象収容体90の本体部92には、クマを模した形状のイラストG2が描かれている。さらに、イラストG2が描かれた保護対象収容体90の隣に配設された保護対象収容体90の本体部92には、子供を模した形状のイラストG3が描かれている。
【0079】
(作用)
次に、本
参考例の作用を説明する。
【0080】
本
参考例の保護対象収容体90は、例えば公園などに配設されることで、遊具として利用される。また、本体部92の外面にイラストG1〜G3を描くことにより、保護対象収容体90に対する災害のイメージを払拭することができる。特に、子供に対して楽しいイメージを付与することができ、災害時に抵抗なく保護対象収容体90に入るように促すことができる。その他の作用については第1実施形態と同様である。
【0081】
なお、本
参考例では、イラストとしてウサギ、クマ及び子供を模したイラストを描いたが、これに限定されない。例えば、子供に人気のあるキャラクタのイラストが描かれていてもよい。また、イラストと共に模様が描かれていてもよい。
【0082】
<
参考例>
次に、
参考例に係る保護対象収容体100について、
図6を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0083】
本
参考例に係る保護対象収容体100は、金属製の本体部102と、本体部102に形成された通気孔26と、本体部102の上部の開口を閉塞する金属製の上壁部104とを含んで構成されている。
【0084】
本体部102の外面には牽引フック106が設けられており、この牽引フック106は、本体部102を補強する補強部材としても機能する。
【0085】
本体部102の内部には、生活に必要な機能を備えた生活機能品としてのベッド108が収容されている。
【0086】
上壁部104は、略四角錐状に形成されており、直線的に傾斜した複数の傾斜面104A〜104Dによって本体部102を構成する側壁同士を連結している。具体的には、隣り合う傾斜面104Aと傾斜面104Bとの稜線が上壁部104の頂点から本体部102の角部へ延びている。
【0087】
同様に、隣り合う傾斜面104Aと傾斜面104Dとの稜線が上壁部104の頂点から本体部102の別の角部へ延びており、隣り合う傾斜面104Bと傾斜面104Cとの稜線が上壁部104の頂点から本体部102の別の角部へ延びている。また、隣り合う傾斜面104Cと傾斜面104Dとの稜線が上壁部104の頂点から本体部102の別の角部へ延びている。そして、それぞれの傾斜面104A〜104Dの下端が本体部102に接続されている。
【0088】
(作用)
次に、本
参考例の作用を説明する。
【0089】
本
参考例では、本体部102の内部に予め生活機能品であるベッド108が収容されているため、日常的に保護対象収容体100を仮眠室などとして利用することができる。そして、災害時には、保護対象収容体100の内部に逃げ込むことで、災害から身を守ることができる。この結果、専用のシェルターなどを用意する必要がない。
【0090】
また、上壁部104は、直線的に傾斜した複数の傾斜面104A〜104Dによって本体部102の側壁同士を連結する。これにより、地震などの災害時において上壁部104に落下物が衝突した場合であっても、上壁部104によって落下物をいなすことができる。この結果、落下物から入力された荷重方向が横方向ベクトルに分散され、落下物の重量を上壁部104で負担せずに済む。
【0091】
また、上壁部104の傾斜面104A〜104Dが直線状に傾斜されているため、軸圧縮する方向に荷重が入力され、オイラー座屈モードとなるように上壁部104から本体部102へ荷重を伝達させることができる。本
参考例では、上壁部104と本体部102との接合部分では曲げモードで変形するものの、傾斜面104A〜104Dには軸圧縮する方向に荷重が入力されることとなり、上壁部を湾曲させた構造や、上壁部をアーチ状に形成した構成と比較して、同じ肉厚で強度を向上させることができる。
【0092】
さらに、本
参考例の保護対象収容体100は、中央部分の空間が最も大きくなるため、内部のベッド108上に寝ている状態の利用者Pが圧迫感を感じることを抑制することができる。その他の作用については第1実施形態と同様である。
【0093】
<
参考例>
次に、
参考例に係る保護対象収容体110について、
図7を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0094】
本
参考例に係る保護対象収容体110は、金属製の本体部112と、本体部112の上部の開口を閉塞する金属製の上壁部114とを含んで構成されている。本体部112は、略矩形状の図示しない底壁を備えている。また、底壁には、一対の補強部材116が設けられている。補強部材116はそれぞれ、略U字状に形成されており、本体部112を補強している。また、補強部材116は、牽引フックとしても機能する。
【0095】
ここで、一対の補強部材116の間には、ゴムシューズ117が取り付けられている。ゴムシューズ117は、底壁から下方へ突出されており、ゴムシューズ117と底壁との間は隙間なくシールされている。このため、本体部112の内部の利用者Pがゴムシューズ117に足を入れて歩くことができるようになっている。
【0096】
底壁の4辺のうちの対向する2辺の周端部には、側壁112Bが立設されている(
図7では、一方の側壁112Bのみが図示されている)。
【0097】
側壁112Bは、上下方向を長手方向とする略矩形状に形成されており、この側壁112Bには腕を通すための開口112Cが形成されている。また、側壁112Bにはヒンジ121を介して開口112Cを閉塞するカバー体120が連結されており、このカバー体120は、開口112Cに対応する形状に形成されている。そして、本体部112の内部の利用者Pがカバー体120を手Hで押すことで、開口112Cから手Hを出すことができるように構成されている。なお、図示はしないが、対向する側壁にも同様に開口を閉塞するカバー体が設けられている。
【0098】
側壁112Bの後端部同士は図示しない後壁によって連結されている。また、側壁112Bの前端部同士は、前壁112Aによって連結されており、この前壁112Aは、上下一対のヒンジ115を介して側壁に連結されている。このため、ヒンジ115を中心に前壁112Aを開くことで、保護対象収容体110の内部に利用者Pが入ることができる。また、前壁112Aを閉じた状態では、前壁112Aと側壁112Bとの間、及び前壁112Aと底壁との間が図示しないシール材によって隙間なくシールされる。
【0099】
前壁112Aは、本体部112の内部に利用者Pが収容された状態で、利用者Pの正面に位置しており、この前壁112Aには顔をイメージさせるイラストが描かれている。具体的には、前壁112Aの上部に目を模した一対の円と、眉毛を模した一対の円弧とが描かれている。なお、目を模した円は、強化ガラスなどの透明な材質で形成してもよい。
【0100】
前壁112Aの中央部には、内部空間と外部空間とを連通する通気孔26が形成されている。また、この通気孔26は、顔のイラストにおける鼻の位置に形成されている。さらに、通気孔26の下方には、ヒンジ119を介して小窓部118が開閉可能に連結されており、この小窓部118において、イラストの口の位置には、把持部118Aが形成されている。
【0101】
本体部112の上方には上壁部114が設けられている。上壁部114は、直線的に傾斜した2つの傾斜面114Aによって本体部112を構成する側壁112B同士を連結している。また、上壁部114と前壁112Aとの間には隙間が形成されている。
【0102】
一方の傾斜面114Aは、一対の側壁112Bの中間部分から一方の側壁112Bへ向かって傾斜しており、傾斜面114Aの下端が側壁112Bに接続されている。他方の傾斜面114Aは、一対の側壁112Bの中間部分から他方の側壁112Bへ向かって傾斜しており、傾斜面112Bの下端が側壁112Bに接続されている。このため、上壁部114は、正面から見て上下逆にした略V字状に形成されている。
【0103】
傾斜面114Aにはそれぞれ牽引フック122が一体に形成されている。牽引フック122は、上下逆にした略U字状に形成されており、前壁112Aに描かれたキャラクタの耳を模した形状となっている。
【0104】
(作用)
次に、本
参考例の作用を説明する。
【0105】
本
参考例では、非常時に本体部112の内部に避難した利用者Pが、非難した状態で歩くことで、保護対象収容体110を移動させることができる。そのほかの作用については第1
参考例と同様である。
【0106】
<
参考例>
次に、
参考例に係る保護対象収容体130について、
図8を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0107】
図8に示されるように、本
参考例に係る保護対象収容体130は、内部に保護対象を収容可能な金属製の本体部132と、本体部132の開口を閉塞する金属製の上壁部134とを含んで構成されている。また、本
参考例では、本体部132及び上壁部134が共に複数の傾斜面によって構成されている。
【0108】
本体部132の下部には前輪136及び後輪138が設けられている。また、本体部132には、牽引フック139が設けられている。また、本体部132の上部には、通気孔26が形成されている。
【0109】
上壁部134は、直線状に傾斜した2つの傾斜面134Aを含んで構成されている。また、上壁部134には3つの牽引フック140が設けられている。
【0110】
ここで、本
参考例の保護対象収容体130は、全体がキャラクタの頭部をイメージしたイラストで描かれている。具体的には、本体部132を構成する複数の傾斜面のうち、2つの傾斜面に顔が描かれている。また、本体部132の他の傾斜面及び上壁部134の傾斜面134Aは、黒色に塗られており、キャラクタの髪を表現している。さらに、3つの牽引フック140は、キャラクタの髷を模した形状となっている。
【0111】
(作用)
次に、本
参考例の作用を説明する。
【0112】
本
参考例では、保護対象収容体130の全体にキャラクタの頭部のイラストが描かれているため、災害のイメージを払拭することができる。また、前輪136及び後輪138によって容易に搬送することができる。さらに、本体部132及び上壁部134を複数の傾斜面で構成したことにより、保護対象収容体130に入力された荷重を分散させやすい。その他の作用については第1実施形態と同様である。
【0113】
<
参考例>
次に、
参考例に係る保護対象収容体150について、
図9を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0114】
図9に示されるように、本
参考例に係る保護対象収容体150は、内部に保護対象を収容可能な金属製の本体部152と、本体部152の上部の開口を閉塞する金属製の上壁部154とを含んで構成されている。特に、本
参考例に係る保護対象収容体150は、上記第1実施形
態と比較して、内部の容量が大きいガレージタイプの収容体となっている点で異なる。
【0115】
本体部152は、枠状に形成された枠体152Aと、枠体152Aに取り付けられた複数の開閉扉152Bとを含んで構成されている。開閉扉152Bはそれぞれ、枠体152Aに開閉可能に取付けられており、取手部158を備えている。また、開閉扉152Bには、強化ガラスで形成された窓部156が設けられている。
【0116】
上壁部154は、直線的に傾斜した8つの傾斜面154Aと、傾斜面154Aと本体部152とを連結する立壁部154Bとを含んで構成されている。そして、上壁部154の稜線は、平面視で中心から八方へ放射状に延びており、4つの稜線が本体部152の4つの角に接続されている。
【0117】
(作用)
次に、本
参考例の作用を説明する。
【0118】
本
参考例では、保護対象収容体150の内部に多くの保護対象体を収容することができる。また、保護対象収容体150の内部に、第1実施形
態で説明した保護対象収容体150を収容してもよい。
【0119】
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、生活機能品として、椅子50、机52、便器86、ベッド108が収容された構成について説明したが、これに限定されず、他の生活機能品が収容された構成としてもよい。例えば、シャワー、遊具、キッチンなどが収容された構成としてもよい。
【0120】
また、上記実施形態
及び参考例で説明した保護対象収容体10、70、80、90、100、110を複数連結することで、車及び船などの乗物の一部を構成してもよい。例えば、複数の保護対象収容体10を連結して車のボデーや、船の船首を構成してもよい。
【解決手段】保護対象収容体10は、底壁16及び側壁を含んで金属で形成され、内部に保護対象を収容可能な本体部12と、側壁20に形成され、内部空間と外部空間とを連通する通気孔26と、金属で形成され、直線的に傾斜した1つ又は複数の傾斜面によって本体部12の上部の開口12Aを閉塞すると共に、該傾斜面の下端が本体部12に接続された上壁部14と、を有する。