(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回動片の係合片との係合部が回動方向に沿って複数形成され、前記操作部材が複数の係止位置で係止可能となっていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
請求項1または2に記載のフィルタ装置に組み込まれ、前記板ばね、操作部材および係止手段を備えたフィルタ押付機構と、前記板ばねの一端部が固定され、前記枠体またはフィルタに取り付けられる取付板とからなるフィルタ押付ユニット。
【背景技術】
【0002】
ビルや工場の空調や換気に用いられる空気清浄装置は、一般に、フィルタボックスやダクト等の内側(空気通路)に取り付けられる取付枠等の枠体にフィルタを組み込んだフィルタ装置を設け、そのフィルタに対して空気を通過させることにより、空気に含まれている異物をフィルタで捕捉して、空気を清浄化している。そして、そのフィルタ装置では、フィルタが捕捉した異物が増えるにつれて濾過性能が低下するため、定期的にフィルタの交換ができるように、フィルタを枠体に着脱可能に組み込んだものが多い。
【0003】
ところで、上記のようにフィルタを枠体に着脱可能に組み込んだフィルタ装置では、その濾過性能を確保するために、フィルタの一面の周縁部を枠体のフィルタ受け面に密着させた状態を維持する必要がある。このため、従来は、ネジでフィルタを枠体のフィルタ受け面に固定したり、フィルタ他面と対向するように枠体に固定したばねでフィルタを枠体のフィルタ受け面に押し付けて固定したりしていた。
【0004】
しかし、ネジを用いる方法では、フィルタを着脱する際に多数のネジの抜き取りおよび締め付けに時間がかかり、フィルタ交換作業が面倒なものとなる。一方、固定のばねを用いる方法では、フィルタの着脱の際に、ばねの弾性力に抗してフィルタの周縁部を枠体のフィルタ受け面とばねとの間に圧入したり引き出したりすることになるので、フィルタの一面の周縁部にガスケット等の気密材を貼り付けている場合、その気密材がフィルタ受け面との間に生じる摺動抵抗によって剥がれてしまい、その補修作業に手間がかかることがある。
【0005】
これに対し、本出願人は、フィルタの一面の周縁部を枠体のフィルタ受け面に押し付けるフィルタ押付機構として、フィルタの他面の周縁部とこれに対向する枠体のフィルタ保持面との間に配され、枠体またはフィルタに固定される一端部からフィルタの他面に対して傾斜した方向に延びる傾斜部とこの傾斜部の他端側に形成される押圧部を有する板ばねを備え、この板ばねを傾斜部とフィルタ他面とのなす角度が大きくなるように操作部材で弾性変形させて、その押圧部でフィルタの他面または枠体のフィルタ保持面を押圧するものを提案した(特許文献1)。このフィルタ押付機構を採用すれば、ネジや固定のばねを用いてフィルタを枠体に押付固定する方法に比べて容易にフィルタ交換が行えるし、フィルタを着脱する際にフィルタに貼り付けた気密材が剥がれるおそれもない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のフィルタ押付機構を採用したフィルタ装置では、フィルタを枠体に装着する際には、板ばねの一端部を除く部位に連結された直軸状の操作部材を長手方向に移動させることにより板ばねを弾性変形させるようになっているため、その板ばねの仕様や弾性変形量によっては、操作部材を長手方向に直接押したり引いたりするのにかなりの力を要する場合があり、フィルタ交換時の作業性の点で改善の余地があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記のフィルタ押付機構を採用したフィルタ装置において、フィルタ交換時の作業性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、フィルタと、前記フィルタが組み込まれる枠体と、前記フィルタの一面の周縁部を前記枠体のフィルタ受け面に押し付けるフィルタ押付機構とを備えており、前記フィルタ押付機構は、前記フィルタの他面の周縁部とこれに対向する前記枠体のフィルタ保持面との間に配され、前記枠体またはフィルタに固定される一端部からフィルタの他面に対して傾斜した方向に延びる傾斜部とこの傾斜部の他端側に形成される押圧部を有する板ばねと、前記板ばねに沿って延び、前記板ばねの一端部を除く部位に連結された直軸状の操作部材と、前記操作部材を所定の係止位置で係止する係止手段とを備え、前記操作部材を長手方向に移動させて前記係止位置で係止したときに、前記板ばねの傾斜部と前記フィルタの他面とのなす角度が大きくなって、前記板ばねの押圧部で前記フィルタの他面または枠体のフィルタ保持面を押圧するものであるフィルタ装置において、前記係止手段は、前記枠体またはフィルタに前記操作部材の軸方向と平行な面内で回動可能に取り付けられている回動片と、前記操作部材の外周面から前記回動片の回動軌道内へ突出している突出片と、前記回動片が所定の回動位置にあるときに回動片と係合する係合片と、前記係合片を前記回動位置にある回動片に係合する方向に付勢する付勢ばねとからなるものであり、前記回動片が前記回動位置で前記係合片と係合することにより、前記突出片を介して回動片に押されて長手方向移動した操作部材が前記係止位置で係止されるようになっている構成を採用した。
【0010】
すなわち、フィルタを枠体に装着するときは、回動片を係合片と係合していない初期位置から所定の回動位置まで回動させることによって、直軸状の操作部材を所定の係止位置まで長手方向移動させて係止することができ、フィルタを枠体から取り外すときは、回動片と係合片との係合を付勢ばねの弾性力に抗して解除するだけで、板ばねの弾性復元によって回動片および操作部材を元の位置に戻せるようにしたのである。この構成によれば、フィルタ装着時の操作部材の長手方向移動は、回動片を回動させることによって行われるので、操作部材に直接力を加える場合に比べて、てこの原理を利用できる分、必要な力が小さくなる。また、フィルタ取り外し時も、回動片と係合片との係合の解除は小さな力で容易に行うことができる。
【0011】
さらに、前記回動片の係合片との係合部が回動方向に沿って複数形成され、前記操作部材が複数の係止位置で係止可能となっている構成を採用すれば、フィルタを厚み寸法の異なるものに交換したときや、フィルタに貼り付けられたガスケット等の気密材が経時劣化したときに、操作部材の係止位置を変えることにより、板ばねの弾性変形の大きさを調整して、適切な締め付け強度でフィルタとフィルタ受け面とを密着させ、濾過性能を確保することができる。
【0012】
そして、上述したフィルタ装置に組み込まれ、前記板ばね、操作部材および係止手段を備えたフィルタ押付機構と、前記板ばねの一端部が固定され、前記枠体またはフィルタに取り付けられる取付板とからなる本発明のフィルタ押付ユニットは、種々の仕様のフィルタ装置に組み込める汎用性の高いものとなるので、このフィルタ押付ユニットを組み込むことによりフィルタ装置全体の製作コストの低減が図れる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のフィルタ装置は、上述したように、フィルタ装着時には、フィルタ押付機構の回動片を回動させることにより、回動片で操作部材から突出する突出片を押して操作部材を長手方向移動させ、操作部材に連結された板ばねを弾性変形させてフィルタを枠体に押付固定するようにしたものであるから、操作部材を直接押したり引いたりして長手方向移動させる構成のものに比べて、小さな力で楽に作業でき、フィルタ交換時の作業性の向上を図ることができる。
【0014】
また、本発明のフィルタ押付ユニットは、上述したフィルタ押付機構と枠体またはフィルタに取り付けられる取付板とからなるものであるから、種々の仕様のフィルタ装置に組み込んで、そのフィルタ装置全体の製作コストの低減を図ることができるし、既製のフィルタ装置に後付けしてそのフィルタ装置の濾過性能を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。
図1乃至
図5は第1の実施形態を示す。このフィルタ装置は、
図1に示すように、前面から後面に空気を通す取付枠(枠体)1と、取付枠1に着脱可能に組み込まれるフィルタ2とを備えている。
【0017】
前記取付枠1は、矩形の開口を有する平板状の取付部11の前面に矩形枠状のガイドレール12を固定したものであり、その取付部11で図示省略したフィルタボックスやダクト等の内側(空気通路)に取り付けられるようになっている。そのガイドレール12は、上辺部および下辺部が断面略J字形に形成され、両側辺部が帯板状に形成されている。
【0018】
この取付枠1にフィルタ2を装着する際には、フィルタ2を後面側へ傾けて(
図1参照)その上縁部を取付枠1の前面側からガイドレール12の上辺部の内側へ差し込んだ後、フィルタ2を取付枠1と平行にしてその下縁部をガイドレール12の下辺部の内側へ落とし込む。なお、このようなフィルタ2の取付枠1への組込方式は、一般にケンドン式と呼ばれる。
【0019】
前記ガイドレール12の上辺部と下辺部の内側に、フィルタ2の後面(一面)の周縁部を取付枠1のフィルタ受け面13となる取付部11前面に押し付けるフィルタ押付機構3が設けられている。
【0020】
前記フィルタ2は、矩形板状に形成された濾材21(
図3(a)参照)の周縁部を矩形のフィルタ枠22で覆ったもので、濾材21の前面には補強用線材23を後面には補強用の金属製網(図示省略)をそれぞれ配して、空気が通過するときに濾材21がフィルタ枠22から抜け落ちないようにしている。また、フィルタ枠22の後面側の側壁の外側面には、取付枠1のフィルタ受け面13との間をシールするガスケット24が貼り付けられている。
【0021】
前記フィルタ押付機構3は、
図2および
図3(a)、(b)に示すように、フィルタ2の前面(他面)の周縁部(フィルタ枠22の前面)とこれに対向する取付枠1のフィルタ保持面14となるガイドレール12の上下辺部の内側面との間に配され、そのフィルタ保持面14に一端部4aを固定される板ばね4と、板ばね4の長手方向に沿って延びるように配される丸棒状(直軸状)の操作部材5と、操作部材5の軸方向中央部の外周から突出する突出片6と、ガイドレール12の上下辺部に操作部材5の軸方向と平行な面内で回動可能に取り付けられている回動片7と、回動片7と係合する係合片8と、係合片8と一体形成されて係合片8を回動片7に係合する方向に付勢する付勢ばね9と、操作部材5を通してその長手方向移動を案内するガイド片10とからなる。なお、板ばね4は、
図2および
図3では1つだけ図示しているが、実際には取付枠1の幅方向の2箇所に配されている(
図1参照)。
【0022】
前記各板ばね4は、取付枠1のフィルタ保持面14に固定される一端部4aとフィルタ2前面に対して垂直に延びる他端部4bとの間に、フィルタ2前面に向かって凸となる湾曲部4cが形成されている。その湾曲部4cは、両端部4a、4bからフィルタ2の前面に対して傾斜した方向に延びる傾斜部と、両傾斜部の間で後述するようにフィルタ2前面を押圧する押圧部とからなる。また、湾曲部4cの両端近傍位置および他端部4bには、それぞれ操作部材5を通す長孔4d、4eおよび円形孔4fが設けられている。そして、湾曲部4cの長孔4d、4eは、操作部材5の外径とほぼ同じ幅で板ばね4の長手方向に延びており、湾曲部4cの弾性変形に合わせて操作部材5を通す位置を変えながら、操作部材5の板ばね4幅方向の動きを規制して、操作部材5の長手方向移動を案内するようになっている。
【0023】
前記操作部材5は、長手方向の2箇所に鍔部5aが設けられており、この鍔部5aが板ばね4の他端部4bの円形孔4fの周縁部に接着されることによって各板ばね4と連結されている。そして、操作部材5の外周面に設けられた突出片6が回動片7の回動軌道内へ突出しており、後述するように回動片7を回動させると、回動片7が突出片6を押すことにより操作部材5が長手方向移動して、各板ばね4が弾性変形するようになっている。また、ガイドレール12の上下辺部の前面の側壁には、操作部材5の長手方向に延び、突出片6の先端部が挿入される長孔12aが設けられており、この長孔12aで突出片6が操作部材5の軸心まわりの回転を規制されることにより、回動片7を回動させたときに操作部材5がスムーズに長手方向移動するようになっている。
【0024】
前記回動片7は、帯板状に形成されており、一端部にガイドレール12の上下辺部への取付孔7aがあけられ、他端部から厚み方向に延びるつまみ7bを有している。また、その長手方向中央部には回動方向に沿って複数の係合孔(係合部)7cがあけられ、これらの係合孔7cのうちの一つで後述するように係合片8と係合するようになっている。そして、全体としてガイドレール12の前面と平行な姿勢でガイドレール12に設けられたスリット12bを貫通し、一端部が取付枠1のフィルタ保持面14(ガイドレール12の内側面)に回動可能に取り付けられて、つまみ7bを含む他端側をガイドレール12から突出させた状態で、所定範囲で回動するようになっている。
【0025】
前記係合片8は、平面形状が鉤型で、回動片7の係合孔7cに挿入される爪8aを有しており、前述のように付勢ばね9と一体に形成されている。付勢ばね9は、帯板を長手方向の2箇所で所定角度に折り曲げたもので、一端部が取付枠1のフィルタ保持面14に固定されて、その曲げ角度が大きくなる方向に弾性変形した状態で、他端部の側縁から厚み方向に延びる係合片8の爪8aをフィルタ保持面14に押し付けている。そして、回動片7が
図3に示す初期位置から所定の回動位置に移動すると、係合片8の爪8aが回動片7の係合孔7cに嵌まり込んで、係合片8と回動片7とが係合するようになっている(
図4参照)。また、回動片7が係合片8と係合すると、同時に、回動片7に突出片6を介して押される操作部材5も停止する。すなわち、上述した突出片6、回動片7、係合片8および付勢ばね9の各部品により、操作部材5を所定の係止位置で係止する係止手段が構成されている。
【0026】
また、前記付勢ばね9の長手方向中央部には、その側縁から厚み方向に延び、先端で幅方向に折り曲げられたL字状の解除部9aが設けられ、この解除部9aを付勢ばね9の弾性力に抗してフィルタ2側へ押すことにより、係合片8と回動片7との係合が解除されるようになっている(
図5参照)。
【0027】
次に、
図3乃至
図5に基づいて、このフィルタ装置のフィルタ着脱動作について説明する。フィルタ2を取付枠1に装着するときは、フィルタ押付機構3の操作部材5および回動片7が初期位置にある状態で、前述のように、取付枠1の前面側からフィルタ2の上縁部をガイドレール12の上辺部の内側に挿入した後、フィルタ2の下縁部をガイドレール12の下辺部の内側へ挿入する。このとき、フィルタ押付機構3はフィルタ2と干渉しないので、フィルタ2をスムーズに取付枠1にセットすることができる。
【0028】
そして、
図3の状態から、フィルタ押付機構3の回動片7のつまみ7bを指でつまんで回動片7を所定の回動位置まで回動させると、
図4(a)、(b)に示すように、回動片7がその回動軌道内へ突出している突出片6を押すことにより、突出片6と一体の操作部材5が長手方向移動した後、回動片7の複数の係合孔7cのうちの一つに係合片8の爪8aが嵌まり込んで、係合片8と回動片7とが係合すると同時に、操作部材5が所定の係止位置で係止される。
【0029】
このとき、フィルタ押付機構3の各板ばね4は、操作部材5の長手方向移動に伴って、操作部材5に連結された他端部4bが取付枠1のフィルタ保持面14に固定された一端部4aに近づき、湾曲部4cの湾曲が大きくなって、その湾曲部4cでフィルタ2の前面を押圧する。すなわち、板ばね4は、弾性変形によって、湾曲部4cのうちの傾斜部とフィルタ2前面とのなす角度が大きくなって、両傾斜部の間の押圧部でフィルタ2のフィルタ枠22の前面を押圧する。これにより、フィルタ2のフィルタ枠22の後面に設けられたガスケット24が取付枠1のフィルタ受け面13に押し付けられた状態でフィルタ2が取付枠1に固定され、フィルタ2の装着が完了する。
【0030】
一方、フィルタ2を取付枠1から取り外すときには、
図4の状態から、
図5に示すように、付勢ばね9の解除部9aを付勢ばね9の弾性力に抗してフィルタ2側へ押して、係合片8の爪8aを回動片7の係合孔7cから脱出させる。これにより、係合片8と回動片7との係合が解除されると同時に、操作部材5の係止状態が解除され、各板ばね4の湾曲部4cが弾性復元して自動的に
図3の状態に戻るので、フィルタ2の取付枠1への押し付け状態も解除される。その後、フィルタ2を装着時と逆の動作で取付枠1から取り出せばよい。
【0031】
このフィルタ装置は、上述したように、フィルタ押付機構3の板ばね4の湾曲部4cの湾曲を大きくしてフィルタ2を取付枠1のフィルタ受け面13に押し付けるようにしたものであり、ネジや固定のばねを用いてフィルタの押付固定を行うものに比べて容易にフィルタ2の交換が行えるし、フィルタ2を着脱する際にフィルタ2に貼り付けたガスケット24が剥がれるおそれもない。
【0032】
しかも、フィルタ装着時には、フィルタ押付機構3の回動片7を回動させることにより、回動片7で操作部材5から突出する突出片6を押して操作部材5を長手方向移動させ、操作部材5に連結された板ばね4を弾性変形させるようにしているので、操作部材に直接力を加える構成のものに比べて、てこの原理を利用できる分、小さな力で楽に作業することができる。
【0033】
さらに、回動片7には係合片8と係合する係合孔7cが複数形成され、操作部材5が複数の係止位置で係止可能となっているので、ガスケット24を含むフィルタ2を厚み寸法の異なるものに交換したときや、使用中にガスケット24が経時劣化したときに、操作部材5の係止位置を変えることにより、板ばね4の湾曲部4cの湾曲量を調整して、適切な締め付け強度でフィルタ2とフィルタ受け面13とを密着させ、濾過性能を確保することができる。
【0034】
なお、上述した第1実施形態では、フィルタ押付機構3の板ばね4の一端部を取付枠1のフィルタ保持面14に固定して、その湾曲部4cでフィルタ2のフィルタ枠22の前面を押圧するようにしたが、板ばね4の一端部をフィルタ枠22の前面に固定して、その湾曲部4cで取付枠1のフィルタ保持面14を押圧するようにしてもよい。
【0035】
図6乃至
図8は第2の実施形態を示す。なお、第1実施形態と同じ機能を有する部材には同じ符号を付けて説明を省略する(後述する第3実施形態についても同じ)。この第2実施形態は、
図6に示すように、第1実施形態のフィルタ2のフィルタ枠22の前面に、フィルタ押付機構3に代わるフィルタ押付ユニット40を固定したものである。
【0036】
このフィルタ押付ユニット40は、
図7に示すように、第1実施形態のフィルタ押付機構3の板ばね4、操作部材5およびその係止手段と、板ばね4の一端部4aが固定され、フィルタ2のフィルタ枠22に取り付けられる取付板41とをユニット化したものである。取付板41は、帯板状のもので、その一側縁部が一面側へ折り曲げられている。
【0037】
具体的には、取付板41の一面側に、第1実施形態のフィルタ押付機構3の2つの板ばね4、係合片8と一体の付勢ばね9および2つのガイド片10をそれぞれ固定するとともに、回動片7を回動自在に取り付け、操作部材5は、第1実施形態と同様に各板ばね4の長孔4d、4eおよび各ガイド片10に通して各板ばね4に連結している。
【0038】
また、取付板41には、第1実施形態のガイドレール12の上下辺部に設けていた長孔12aとスリット12bに代わる長孔41aとスリット41bが設けられており、その長孔41aに操作部材5の外周から突出する突出片6の先端部が挿入され、スリット41bを回動片7が貫通している。
【0039】
そして、取付板41は、他面側にマグネットテープ42が図示省略した両面テープで貼り付けられており、このマグネットテープ42で鋼製のフィルタ枠22に取り付けられるようになっている。なお、取付板41のフィルタ枠22への取付手段としては、両面テープあるいは接着剤による貼り付けや溶接等も採用することができる。
【0040】
この第2実施形態のフィルタ装置のフィルタ着脱動作は第1実施形態と同様に行うことができる。すなわち、フィルタ2装着時は、フィルタ2をケンドン式で取付枠1にセットした後、回動片7を所定の回動位置まで移動させる。すると、
図8に示すように、回動片7に押される突出片6と一体の操作部材5が長手方向移動し、回動片7が係合片8と係合して操作部材5が所定の係止位置で係止されるとともに、各板ばね4の湾曲部4cの湾曲が大きくなって、その湾曲部4cでガイドレール12の上下辺部の内側面を押圧する。これにより、フィルタ2後面のガスケット24が取付枠1のフィルタ受け面13に押し付けられ、フィルタ2が取付枠1に固定される。
【0041】
また、フィルタ2取り外し時は、付勢ばね9の解除部9aをガイドレール12側へ引いて、係合片8と回動片7との係合を解除する。すると、同時に操作部材5の係止状態が解除され、各板ばね4の湾曲部4cが弾性復元して、フィルタ2の取付枠1への押し付け状態も解除されるので、フィルタ2を装着時と逆の動作で取付枠1から取り出すことができる。
【0042】
この第2実施形態のように、フィルタ押付機構3を取付板41とともにユニット化したフィルタ押付ユニット40を用いることにより、フィルタ装置の組み立てが容易になる。また、フィルタ押付ユニット40は種々の仕様のフィルタ装置に組み込める汎用性の高いものとなるので、フィルタ装置全体の製作コストの低減が図れる。
【0043】
なお、第2実施形態ではフィルタ押付ユニット40をフィルタ2のフィルタ枠22に取り付けたが、取付枠1(具体的にはガイドレール12の上下辺部)に取り付けることもできる。その場合は、ガイドレール12の上下辺部を断面L字状に形成するとともに、フィルタ押付ユニット40の取付板41の折曲部の幅を広く形成して、この折曲部に固定したL字状の取付片と取付板41とでガイドレール12の上下辺部の前面側壁を弾性的に挟み付けるようにすれば、フィルタ押付ユニット40が取付枠1に容易に脱着できるものとなる。
【0044】
図9乃至
図11は第3の実施形態を示す。この実施形態のフィルタ装置は、
図9に示すように、矩形の開口を有する取付部11の後面に、前面から見て左側が解放されたコの字状のガイドレール12を固定した取付枠1を用い、その取付枠1の左側方からガイドレール12のなすコの字の内側へ図示省略したフィルタをスライドさせてセットするスライド式のものである。
【0045】
前記ガイドレール12は、上辺部および下辺部が断面略L字形に、右側辺部が帯板状にそれぞれ形成されており、その上辺部と下辺部の内側にフィルタ押付ユニット50が固定されている。各フィルタ押付ユニット50は、第2実施形態のフィルタ押付ユニット40の構成の一部を、スライド式のフィルタ装置に適応するように変更したものである。
【0046】
すなわち、この第3実施形態のフィルタ押付ユニット50では、取付枠1にフィルタを着脱する際に作業者が取付枠1の左側方から操作できるように、操作部材5を所定の係止位置で係止する係止手段を取付板41の長手方向の左側端付近に設けており、合わせてその係止手段を構成する各部品の形状の一部を第2実施形態から変更している。
【0047】
具体的には、
図10および
図11に示すように、操作部材5の外周から突出する突出片6、回動片7、係合片8および付勢ばね9が取付板41の左側端付近に設けられ、これに伴って突出片6の先端部が挿入される取付板41の長孔41aおよび回動片7が貫通する取付板41のスリット41bの位置も変更されている。その回動片7は、くの字状に形成され、取付板41のスリット41bから突出する部分に、第2実施形態のつまみ7bに代わる押圧部7dが形成されている。また、係合片8は、回動片7の係合孔7cに挿入される爪8aが長手方向の中央部に形成され、第2実施形態の付勢ばね9の解除部9aの代わりに、取付板41に対して前後に傾いた解除部8bが、取付板41の左側端から一部突出する状態で形成されている。
【0048】
この第3実施形態のフィルタ装置におけるフィルタ着脱動作は、フィルタ2を取付枠1へセットする方式および作業者がフィルタ押付ユニット50を操作する位置が第2実施形態と異なるが、それ以外は基本的に第2実施形態と同様に行うことができる。すなわち、フィルタ2装着時は、
図10および
図11中の一点鎖線で示すように、回動片7の押圧部7dを押して回動片7を所定の回動位置まで移動させることにより、回動片7に押される突出片6と一体の操作部材5が長手方向移動し、回動片7が係合片8と係合して操作部材5が所定の係止位置で係止されるとともに、各板ばね4の湾曲部4cの湾曲が大きくなって、その湾曲部4cでフィルタ2を取付枠1のフィルタ受け面13に押し付けることができる。
【0049】
また、フィルタ2取り外し時は、係合片8の解除部8bを取付枠1の取付部11側へ引いて、係合片8と回動片7との係合を解除することにより、操作部材5の係止状態が解除され、各板ばね4の湾曲部4cが弾性復元して、フィルタ2の取付枠1への押し付け状態も解除されるので、フィルタ2を装着時と逆の動作で取付枠1から取り出せる。
【0050】
この第3実施形態では、第2実施形態と同様の構成のフィルタ押付ユニット50を用いているので、スライド式のフィルタ装置の組み立てが容易になるし、フィルタ装置全体の製作コストの低減が図れる。
【0051】
なお、上述した第1、第2実施形態はケンドン式のフィルタ装置の例、第3実施形態はスライド式のフィルタ装置の例であるが、本発明は、フィルタが組み込まれるケーシング(枠体)に設けた開口部を扉で開閉するタイプのフィルタ装置にももちろん適用できる。
【0052】
また、フィルタ押付機構の板ばねは、各実施形態のように一端部と他端部の間に湾曲部が形成されたものに限らず、例えば実施形態の板ばね4の他端部4bをなくし、一端部4aの近傍で操作部材5に連結されるようにしたもの等、一端部からフィルタの他面に対して傾斜した方向に延びる傾斜部を有し、一端部を除く部位で操作部材に連結され、傾斜部とフィルタ他面とのなす角度が大きくなったときに、傾斜部の他端側に形成された押圧部で、フィルタの他面または枠体のフィルタ保持面を押圧するようになっているものであればよい。