(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793964
(24)【登録日】2020年11月13日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】集塵器および真空式ダスト除去装置
(51)【国際特許分類】
B23Q 11/00 20060101AFI20201119BHJP
A47L 9/18 20060101ALI20201119BHJP
B23B 47/34 20060101ALI20201119BHJP
B25D 17/18 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
B23Q11/00 M
A47L9/18
B23B47/34 Z
B25D17/18
【請求項の数】23
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-166797(P2018-166797)
(22)【出願日】2018年9月6日
(65)【公開番号】特開2019-48376(P2019-48376A)
(43)【公開日】2019年3月28日
【審査請求日】2019年11月7日
(31)【優先権主張番号】62/555,909
(32)【優先日】2017年9月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/666,789
(32)【優先日】2018年5月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/025,457
(32)【優先日】2018年7月2日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000229450
【氏名又は名称】日本ニューマチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】ロバート アーサー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ロバート アーサー
(72)【発明者】
【氏名】ケナン ウォールボーグ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ジェイ ラッセル
【審査官】
中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−304993(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0311811(US,A1)
【文献】
登録実用新案第3093342(JP,U)
【文献】
特表2009−544336(JP,A)
【文献】
特開2013−094213(JP,A)
【文献】
特開2008−272909(JP,A)
【文献】
特開2013−035121(JP,A)
【文献】
実開平02−068889(JP,U)
【文献】
実開平05−012059(JP,U)
【文献】
特開平08−071887(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0304969(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0305582(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0059275(US,A1)
【文献】
実開平05−031844(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3171575(JP,U)
【文献】
特開平11−032950(JP,A)
【文献】
特開2010−000477(JP,A)
【文献】
特開2012−086318(JP,A)
【文献】
米国特許第05545074(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0264091(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0192980(US,A1)
【文献】
登録実用新案第3003257(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 5/00
A47L 9/10−9/19
B08B 5/04
B23B 35/00−49/06
B23B 51/00−51/14
B23Q 11/00−13/00
B24B 41/00−51/00
B25D 1/00−17/32
E21B 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定量の閉じ込められた水を保持するキャニスタと、前記キャニスタの縁部に固定された蓋と、吸引ホースが連結され、前記蓋に取付けられたエアの吸引ポートと、前記吸引ポートから前記閉じ込められた水の中まで下方に延びるダウンパイプと、ダストを含むエアを、前記吸引ホース、前記ダウンパイプ、前記閉じ込められた水を介して引き込むための真空を前記キャニスタの内部に生じさせる、前記蓋に取付けられ圧縮エアで作動する真空ユニットを備え、前記閉じ込められた水の中に部分的に沈んでいる円筒状の速度リングをさらに備え、速度リングは、速度リングの外側にある前記閉じ込められた水が前記速度リングで取り囲まれた空間に流入でき、かつ前記ダウンパイプが前記空間中および前記空間中の閉じ込められた水の中に差し込まれた状態となるように設けられ、前記ダストを含むエアの吸引後、水でろ過されたエアを前記真空ユニットを介して排出する集塵器。
【請求項2】
前記吸引ポートが、大気中の空気を前記吸引ポートに導入する少なくとも一つのブリーダ通路を有する請求項1に記載の集塵器。
【請求項3】
前記速度リングは、速度リングの外側にある前記閉じ込められた水が、前記速度リングの下端とキャニスタの床面との間を流れ、前記速度リングで取り囲まれた空間に流入できるように、前記キャニスタの床面に載置されている請求項1または2に記載の集塵器。
【請求項4】
前記ダウンパイプが、前記キャニスタの床面の近傍まで下方に延びており、
前記ダウンパイプが、前記キャニスタの床面の近傍に位置する水中出口ポートを備え、この水中出口ポートからダストを含むエアが前記速度リング中の閉じ込められた水の中に放出される請求項1から3のいずれかに記載の集塵器。
【請求項5】
前記ダウンパイプの、前記キャニスタの床面近傍の端部が閉じている請求項4に記載の集塵器。
【請求項6】
前記水中出口ポートが前記ダウンパイプの側壁に形成されている請求項4または5に記載の集塵器。
【請求項7】
所定量の閉じ込められた水を保持するキャニスタと、前記キャニスタの縁部に固定された蓋と、吸引ホースが連結され、前記蓋に取付けられたエアの吸引ポートと、前記吸引ポートから前記閉じ込められた水の中まで下方に延びるダウンパイプと、ダストを含むエアを、前記吸引ホース、前記ダウンパイプ、前記閉じ込められた水を介して引き込むための真空を前記キャニスタの内部に生じさせる、前記蓋に取付けられ圧縮エアで作動する真空ユニットを備え、前記真空ユニットは、前記圧縮エアが送り込まれるベンチュリを有し、そのベンチュリの上流側に付与される吸引力で前記キャニスタの内部に前記真空を生じさせる構成のものであり、前記吸引ポートが、大気中の空気を前記吸引ポートに導入する少なくとも一つのブリーダ通路を有し、前記ダストを含むエアの吸引後、水でろ過されたエアを前記真空ユニットを介して排出する集塵器。
【請求項8】
前記ダウンパイプが、
アダプタで接続された上部パイプおよび下部パイプを有し、前記上部パイプが前記吸引ポートに連結されており、前記下部パイプが前記閉じ込められた水の中に差し込まれており、前記下部パイプの内径が前記上部パイプの内径よりも大きい請求項1から7のいずれかに記載の集塵器。
【請求項9】
前記下部パイプの内径が前記上部パイプの内径の1.5倍以上2.5倍未満である請求項8に記載の集塵器。
【請求項10】
工具に衝撃を与えるエアツール用の真空式ダスト除去装置であって、
エアツールに着脱自在に固定され、工具の露出部を取り囲み、工具によってワークに衝撃を与えた際に発生するダストを集めるためのシュノーケル部およびベローズと、
前記シュノーケル部の出口に連結された吸引ホースと、
前記吸引ホースに連結された請求項1から9のいずれかに記載の集塵器を備えた真空式ダスト除去装置。
【請求項11】
前記シュノーケル部のインボード側の端部が筒状のカプラを介して前記エアツールに固定されている請求項10に記載の真空式ダスト除去装置。
【請求項12】
前記筒状のカプラの第1の端部が、前記シュノーケル部のインボード側の端部に形成された第1の円筒状のスリーブに着脱自在に固定されており、前記筒状のカプラの第2の端部が前記エアツールの第2の円筒状のスリーブに着脱自在に固定されている請求項11に記載の真空式ダスト除去装置。
【請求項13】
前記第1および第2の円筒状のスリーブが前記筒状のカプラの第1および第2の端部に挿入され、着脱自在の保持要素によりこれらの端部に固定されている請求項12に記載の真空式ダスト除去装置。
【請求項14】
前記筒状のカプラが前記エアツールの円筒状のスリーブに着脱自在に固定されている請求項11に記載の真空式ダスト除去装置。
【請求項15】
前記エアツールがバレル部と、前記バレル部に固定され、前記工具の外向きの移動を制限することで前記バレル部内に前記工具のインボード側の端部を保持するリテーナを備え、
前記エアツールが、前記リテーナの内部に設けられ、前記工具の衝撃運動を制限する外側スリーブをさらに備え、前記エアツールの円筒状スリーブは、前記リテーナのアウトボード側の端部から突出する、前記外側スリーブの延長部である請求項14に記載の真空式ダスト除去装置。
【請求項16】
前記エアツールがバレル部と、前記バレル部に固定され、前記工具の外向きの移動を制限することで前記バレル部内に前記工具のインボード側の端部を保持するリテーナを備え、
前記エアツールの円筒状のスリーブが、前記リテーナのアウトボード側の端部に形成された円筒状のスリーブである請求項14に記載の真空式ダスト除去装置。
【請求項17】
前記エアツールがバレル部と、前記バレル部に固定され、前記工具の外向きの移動を制限することで前記バレル部内に前記工具のインボード側の端部を保持するリテーナを備え、
前記エアツールの円筒状のスリーブが、前記リテーナに着脱自在に固定されたアダプタのアウトボード側の端部に形成された円筒状のスリーブである請求項14に記載の真空式ダスト除去装置。
【請求項18】
前記アダプタが前記リテーナを収容するクラムシェル型である請求項17に記載の真空式ダスト除去装置。
【請求項19】
工具に衝撃を与えるエアツール用の真空式ダスト除去装置であって、
エアツールに着脱自在に固定され、工具の露出部を取り囲み、工具によってワークに衝撃を与えた際に発生するダストを集めるためのシュノーケル部およびベローズと、
前記シュノーケル部の出口に連結された吸引ホースと、
前記吸引ホースに連結された集塵器を備え、
前記シュノーケル部のインボード側の端部が筒状のカプラを介して前記エアツールに固定され、
前記筒状のカプラが前記エアツールの円筒状のスリーブに着脱自在に固定され、
前記エアツールがバレル部と、前記バレル部に固定され、前記工具の外向きの移動を制限することで前記バレル部内に前記工具のインボード側の端部を保持するリテーナを備え、
前記エアツールが、前記リテーナの内部に設けられ、前記工具の衝撃運動を制限する外側スリーブをさらに備え、前記エアツールの円筒状スリーブは、前記リテーナのアウトボード側の端部から突出する、前記外側スリーブの延長部であり、
前記集塵器は、
所定量の閉じ込められた水を保持するキャニスタと、前記キャニスタの縁部に固定された蓋と、吸引ホースが連結され、前記蓋に取付けられたエアの吸引ポートと、前記吸引ポートから前記閉じ込められた水の中まで下方に延びるダウンパイプと、ダストを含むエアを、前記吸引ホース、前記ダウンパイプ、前記閉じ込められた水を介して引き込むための真空を前記キャニスタの内部に生じさせる、前記蓋に取付けられ圧縮エアで作動する真空ユニットを備え、前記ダストを含むエアの吸引後、水でろ過されたエアを前記真空ユニットを介して排出する、
真空式ダスト除去装置。
【請求項20】
工具に衝撃を与えるエアツール用の真空式ダスト除去装置であって、
エアツールに着脱自在に固定され、工具の露出部を取り囲み、工具によってワークに衝撃を与えた際に発生するダストを集めるためのシュノーケル部およびベローズと、
前記シュノーケル部の出口に連結された吸引ホースと、
前記吸引ホースに連結された集塵器を備え、
前記シュノーケル部のインボード側の端部が筒状のカプラを介して前記エアツールに固定され、
前記筒状のカプラが前記エアツールの円筒状のスリーブに着脱自在に固定され、
前記エアツールがバレル部と、前記バレル部に固定され、前記工具の外向きの移動を制限することで前記バレル部内に前記工具のインボード側の端部を保持するリテーナを備え、
前記エアツールの円筒状のスリーブが、前記リテーナのアウトボード側の端部に形成された円筒状のスリーブであり、
前記集塵器は、
所定量の閉じ込められた水を保持するキャニスタと、前記キャニスタの縁部に固定された蓋と、吸引ホースが連結され、前記蓋に取付けられたエアの吸引ポートと、前記吸引ポートから前記閉じ込められた水の中まで下方に延びるダウンパイプと、ダストを含むエアを、前記吸引ホース、前記ダウンパイプ、前記閉じ込められた水を介して引き込むための真空を前記キャニスタの内部に生じさせる、前記蓋に取付けられ圧縮エアで作動する真空ユニットを備え、前記ダストを含むエアの吸引後、水でろ過されたエアを前記真空ユニットを介して排出する、
真空式ダスト除去装置。
【請求項21】
工具に衝撃を与えるエアツール用の真空式ダスト除去装置であって、
エアツールに着脱自在に固定され、工具の露出部を取り囲み、工具によってワークに衝撃を与えた際に発生するダストを集めるためのシュノーケル部およびベローズと、
前記シュノーケル部の出口に連結された吸引ホースと、
前記吸引ホースに連結された集塵器を備え、
前記シュノーケル部のインボード側の端部が筒状のカプラを介して前記エアツールに固定され、
前記筒状のカプラが前記エアツールの円筒状のスリーブに着脱自在に固定され、
前記エアツールがバレル部と、前記バレル部に固定され、前記工具の外向きの移動を制限することで前記バレル部内に前記工具のインボード側の端部を保持するリテーナを備え、
前記エアツールの円筒状のスリーブが、前記リテーナに着脱自在に固定されたアダプタのアウトボード側の端部に形成された円筒状のスリーブであり、
前記集塵器は、
所定量の閉じ込められた水を保持するキャニスタと、前記キャニスタの縁部に固定された蓋と、吸引ホースが連結され、前記蓋に取付けられたエアの吸引ポートと、前記吸引ポートから前記閉じ込められた水の中まで下方に延びるダウンパイプと、ダストを含むエアを、前記吸引ホース、前記ダウンパイプ、前記閉じ込められた水を介して引き込むための真空を前記キャニスタの内部に生じさせる、前記蓋に取付けられ圧縮エアで作動する真空ユニットを備え、前記ダストを含むエアの吸引後、水でろ過されたエアを前記真空ユニットを介して排出する、
真空式ダスト除去装置。
【請求項22】
前記ダウンパイプが、
アダプタで接続された上部パイプおよび下部パイプを有し、前記上部パイプが前記吸引ポートに連結されており、前記下部パイプが前記閉じ込められた水の中に差し込まれており、前記下部パイプの内径が前記上部パイプの内径よりも大きい請求項19から21のいずれかに記載の真空式ダスト除去装置。
【請求項23】
前記下部パイプの内径が前記上部パイプの内径の1.5倍以上2.5倍未満である請求項22に記載の真空式ダスト除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回収対象物を吸引して捕捉する集塵器、およびその集塵器を用いた真空式ダスト除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ピックハンマー、チゼルハンマー、リベットバスタなどの空気圧式の衝撃エアツールは様々な産業分野で用いられており、工具の衝撃運動により発生する浮遊ダストの量を最小限に抑えるか、浮遊ダストを閉じ込めるという目的のために様々な手法が用いられている。特に、コンクリートやモルタルで作られた壁、基礎、ブロックなどの構築物を、エアツールを用いて解体したり修理したりするときには、シリカを含む浮遊ダストが大量に発生し、作業者の健康や、周辺の環境に悪い影響を与えるおそれがあるため、浮遊ダストの量を最小限に抑えるか、浮遊ダストを閉じ込めることが求められる。そこで、例えばBleicher他の下記特許文献1およびKasuya他の下記特許文献2においては、上記目的を達成するために、エアツールのハウジングの工具側の端部に取付けたダスト閉じ込め用フードと、ダスト閉じ込め用フードからダストを吸引し、捕捉し、処理する集塵器とを用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,740,086号明細書
【特許文献2】米国特許第9,022,702号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの構造は効果的ではあるが、集塵器が、衝撃エアツールの作動により発生する粒径の細かいダストを捕捉できないか、そのような細かいダストですぐに詰まってしまう、ペーパカートリッジや他のフィルタ要素などの機械的なフィルタ構造を必要とするため、必ずしも実用的とは言えない。さらにエアツールはその等級や種類によって互いに大きく異なる場合があるため、一つの種類のエアツールに用いることができるダスト閉じ込め用フードを、別の種類のエアツールに用いることができるとは限らない。そこで作業の現場で、衝撃エアツールから発生するダストを捕捉するのに特に適した集塵器が望まれる。さらにその集塵器を備えた真空式ダスト除去装置であって、この装置のダスト閉じ込め部をあらゆる種類のエアツールに連結することを可能にする連結構造を備えたものが望まれる。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、粒径の細かいダストを捕捉することができ、かつフィルタ要素の詰まりの問題がない集塵器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、この発明では、以下の構成の集塵器を提供する。
所定量の閉じ込められた水を保持するキャニスタと、前記キャニスタの縁部に固定された蓋と、吸引ホースが連結され、前記蓋に取付けられたエアの吸引ポートと、前記吸引ポートから前記閉じ込められた水の中まで下方に延びるダウンパイプと、ダストを含むエアを、前記吸引ホース、前記ダウンパイプ、前記閉じ込められた水を介して引き込むための真空を前記キャニスタの内部に生じさせる、前記蓋に取付けられ圧縮エアで作動する真空ユニットを備え、前記ダストを含むエアの吸引後、水でろ過されたエアを前記真空ユニットを介して排出する集塵器。
【0007】
前記吸引ポートに、大気中の空気を前記吸引ポートに導入する少なくとも一つのブリーダ通路を設けることができる。
【0008】
前記閉じ込められた水の中に部分的に沈んでいる円筒状の速度リングをさらに備え、速度リングは、速度リングの外側にある前記閉じ込められた水が前記速度リングで取り囲まれた空間に流入でき、かつ前記ダウンパイプが前記空間中および前記空間中の閉じ込められた水の中に差し込まれた状態となるように、前記キャニスタの床面に支持されているものを採用することができる。
【0009】
前記速度リングは、速度リングの外側にある前記閉じ込められた水が、前記速度リングの下端とキャニスタの床面との間を流れ、前記速度リングで取り囲まれた空間に流入できるように、前記キャニスタの床面に載置されているものを採用することができる。
【0010】
前記ダウンパイプは、前記キャニスタの床面の近傍まで下方に延びており、
前記ダウンパイプが、前記キャニスタの床面の近傍に位置する水中出口ポートを備え、この水中出口ポートからダストを含むエアが前記速度リング中の閉じ込められた水の中に放出されるものを採用することができる。
【0011】
前記ダウンパイプは、前記キャニスタの床面近傍の端部が閉じたものを採用することができる。
【0012】
前記水中出口ポートは前記ダウンパイプの側壁に形成することができる。
【0013】
前記ダウンパイプは、
アダプタで接続された上部パイプおよび下部パイプを有し、前記上部パイプが前記吸引ポートに連結されており、前記下部パイプが前記閉じ込められた水の中に差し込まれており、前記下部パイプの内径が前記上部パイプの内径よりも大きいものを採用すると好ましい。
【0014】
このようにすると、下部パイプの内径が上部パイプの内径よりも大きいので、ダストを含むエアが上部パイプから下部パイプに移動するときに、ダストを含むエアの流速が低下し、ダストを含むエアと水を効果的に混合することが可能となる。
【0015】
前記下部パイプの内径は前記上部パイプの内径の1.5倍以上2.5倍未満とすることができる。
【0016】
さらにこの発明では、上記集塵器を用いた真空式ダスト除去装置として、以下の構成のものを提供する。
工具に衝撃を与えるエアツール用の真空式ダスト除去装置であって、
エアツールに着脱自在に固定され、工具の露出部を取り囲み、工具によってワークに衝撃を与えた際に発生するダストを集めるためのシュノーケル部およびベローズと、
前記シュノーケル部の出口に連結された吸引ホースと、
前記吸引ホースに連結された上記の集塵器を備えた真空式ダスト除去装置。
【0017】
前記シュノーケル部のインボード側の端部は筒状のカプラを介して前記エアツールに固定することができる。
【0018】
前記筒状のカプラの第1の端部が、前記シュノーケル部のインボード側の端部に形成された第1の円筒状のスリーブに着脱自在に固定されており、前記筒状のカプラの第2の端部が前記エアツールの第2の円筒状のスリーブに着脱自在に固定されている構成を採用することができる。
【0019】
前記第1および第2の円筒状のスリーブが前記筒状のカプラの第1および第2の端部に挿入され、着脱自在の保持要素によりこれらの端部に固定されたものを採用することができる。
【0020】
前記筒状のカプラは前記エアツールの円筒状のスリーブに着脱自在に固定されたものを採用することができる。
【0021】
前記エアツールがバレル部と、前記バレル部に固定され、前記バレル部内に前記工具のインボード側の端部を保持するリテーナを備え、
前記エアツールが、前記リテーナの内部に設けられ、前記工具の衝撃運動を制限する外側スリーブをさらに備え、前記エアツールの円筒状スリーブは、前記リテーナのアウトボード側の端部から突出する、前記外側スリーブの延長部とすることができる。
【0022】
前記エアツールがバレル部と、前記バレル部に固定され、前記バレル部内に前記工具のインボード側の端部を保持するリテーナを備え、
前記エアツールの円筒状のスリーブは、前記リテーナのアウトボード側の端部に形成された円筒状のスリーブとすることができる。
【0023】
前記エアツールがバレル部と、前記バレル部に固定され、前記バレル部内に前記工具のインボード側の端部を保持するリテーナを備え、
前記エアツールの円筒状のスリーブは、前記リテーナに着脱自在に固定されたアダプタのアウトボード側の端部に形成された円筒状のスリーブとすることができる。
【0024】
前記アダプタは前記リテーナを収容するクラムシェル型とすることができる。
【発明の効果】
【0025】
この発明の集塵器は、粒径の細かいダストを捕捉することができ、フィルタ要素の詰まりの問題も生じない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施形態にかかる集塵器を用いた真空式ダスト除去装置を、衝撃式リベットバスタエアツールに取り付けた例を示す概略図
【
図2】
図1のダスト除去装置のダスト閉じ込め部の分解等角概略図
【
図3】本発明の実施形態にかかる集塵器を用いた真空式ダスト除去装置を、衝撃式チゼルハンマーエアツールに取り付けた例を示す概略図
【
図4】
図3のダスト除去装置のダスト閉じ込め部の分解等角概略図
【
図5】
図1および
図3に示す真空式ダスト除去装置に用いられるクラムシェル型アダプタの分解概略図
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の集塵器を用いた真空式ダスト除去装置は、チッピングハンマー、リベット打ちハンマー、リベットバスタ、ハンマードリル、コンクリートドリル、コンクリートブレーカなどの衝撃エアツールに一般に用いることができる。
図1、
図2は、本発明の実施形態にかかる集塵器を用いた真空式ダスト除去装置を、衝撃エアツールの一種であるリベットバスタに取り付けた例を示し、
図3、
図4は、本発明の実施形態にかかる集塵器を用いた真空式ダスト除去装置を、別の種類の衝撃エアツール、すなわちチゼルハンマーに取り付けた例を示す。図示の連結構造は別の種類のエアツールにも用いることができる。
【0028】
図1、
図2に示す衝撃エアツールとしてのリベットバスタは、本発明の実施形態にかかる集塵器30を用いた真空式ダスト除去装置に連結されている。このリベットバスタは、軸方向一端にハンドル1が取付けられ、軸方向他端にリテーナ7が取付けられた筒状のバレル部3を有する。ハンドル1は図示以外の形状(例えばD字形やT字形)であってもよく、エアホース23を介して圧縮エア源に連結される入口ポート1aと、ハンドル1に一体に固定されているトリガ1bで操作される制御バルブ(図示省略)を介して入口ポート1aをピストン4の収容室に連通させる内部エア通路を有する。
【0029】
工具15(
図1の例ではチゼル)がバレル部3と内側スリーブ8内に収容されており、リテーナ7がリテーナスプリング6によりロック位置に固定され、
リテーナ7がチゼル15をバレル部3内に保持している。チゼル15の内向きの移動は内側スリーブ8によって制限され、チゼル15の外向きの移動は外側スリーブ9と筒状のゴムバンパー10
とを介してリテーナ7で制限されている。外側スリーブ9のインボード側の端部にはフランジが形成されており、ゴムバンパー10は外側スリーブ9の周囲において、外側スリーブ9のフランジが形成されている側の端部とリテーナ7のアウトボード側の端部の間に挟持されている。外側スリーブ9のアウトボード側の端部はリテーナ7を貫通し、その終端は
図2に示すように外周に円周溝9bを有する円筒状のスリーブ9aとなっている。従来のリベットバスタにおいては、外側スリーブ9はリテーナ7の内部に全体が収容されているが、この実施形態では、外側スリーブ9のアウトボード側端部はリテーナ7から突出しており、その突出部が、真空式ダスト除去装置のダスト閉じ込め部の取付け部となっている。
【0030】
この装置のダスト閉じ込め部の全体を、
図1から
図4において参照符号11で示す。ダスト閉じ込め部11は、アコーディオン状のひだを有し可撓性のあるダストベローズすなわちブーツ14と、シュノーケル部13と、シュノーケル部13の出口パイプ13aに連結された可撓性のある吸引ホース19とを有する。ベローズ14の本体部は、
図1に示すように、チゼル15を取り囲むように、チゼル15のほぼ先端まで延びている。ベローズ14の材質としては比較的透明性の高いものを用い、ユーザがチゼル15とチゼル15の先端付近のワークとを視認できるようにするとともに、ベローズ14がダストで詰まっていないことも視認できるようにするのが好ましい。ダストベローズ14のインボード側の端部は、シュノーケル部13のアウトボード側端部の円筒状スリーブ13b上をスライドする。チゼル15とシュノーケル部13のスリーブ13bとの間には環状の空間25が形成されており、チゼル15の作動によって発生した、ダストベローズ14中に吸い込まれるダストが、空間25とシュノーケル部13のパイプ13aを通過するようになっている。シュノーケル部13のインボード側端部の終端は、外側スリーブ9の円筒状スリーブ9aと外径が等しい円筒状スリーブ13cとなっている。そして円筒状スリーブ9aと同様に、円筒状スリーブ13cの外周にも、
図2に示すように円周溝13dが形成されている。
【0031】
シュノーケル部13は、筒状のカプラ12を介してエアツールの外側スリーブ9に連結されている。筒状のカプラ12の内径は円筒状スリーブ13c、9aの外径より少し大きくなっており、その内周に、カプラ12の側壁に形成された1対のスロット開口部12c、12dと軸方向の位置が一致するように1対の円周溝12a、12bが互いに間隔をおいて設けられている。カプラ12を、シュノーケル部13のインボード側端部の円筒状スリーブ13cに沿って、円周溝12aと13dの軸方向の位置が一致するまでスライドさせると、保持要素としてのゴム製のOリング15aが、軸方向の位置が一致している円周溝12aと13dによって形成される環状の空間に入り込み、カプラ12をシュノーケル部13に固定する。同様に、カプラ12を、外側スリーブ9のアウトボード側端部の、リテーナ7から突出している円筒状スリーブ9aに沿って、円周溝9bと12bの軸方向の位置が一致するまでスライドさせると、保持要素としてのリテーナスプリング15bがカプラ12のスロット開口部12dに挿入され、カプラ12を外側スリーブ9に固定する。リテーナスプリング15bがスロット開口部12dに挿入された状態で、リテーナスプリング15bは軸方向の位置が一致している円周溝9b、12bによって形成される環状空間に入り込むとともに、その舌部16がスロット開口部12dから突出する。このため、リテーナスプリング15bを後で取り外すことができる。
【0032】
図3、
図4は本発明の実施形態にかかる集塵器30を用いた真空式ダスト除去装置を、衝撃エアツールとしてのチゼルハンマーに取り付けた例を示す。このチゼルハンマーは、本発明の実施形態にかかる集塵器30を用いた真空式ダスト除去装置に連結されている。このチゼルハンマーは、チゼルの衝撃運動を制限するためのスリーブ8、9を備えていない点を除けば、
図1、
図2のリベットバスタとほぼ同様の構造である。この例では、真空式ダスト除去装置のダスト閉じ込め部11に対する共通の取付け部として、
図1、
図2の従来のリテーナ7に代えて、改良式のリテーナ7′を用いている。この改良式のリテーナ7′は、アウトボード側端部の終端が円筒状スリーブ7aとなっている点で、リテーナ7と異なる。円筒状スリーブ7aの外径は、シュノーケル部13の円筒状スリーブ13cの外径と等しく、また
図4に示すように、円筒状スリーブ7aの外周には、
図1、
図2の外側スリーブ9の突出部と同様に、円周溝7bが形成されている。
図3、
図4のカプラ12、Oリング15a、リテーナスプリング15bは
図1、
図2のものと同じものであるが、この例では、リテーナスプリング15bは、カプラ12を上記の改良式のリテーナ7′の円筒状スリーブ7aに固定している。すなわちカプラ12を円筒状スリーブ7aに沿って、円周溝7b、12bの軸方向の位置が一致するまでスライドさせることで、リテーナスプリング15bが、軸方向の位置が一致している円周溝7b、12bによって形成される環状空間に入り込むとともに、カプラ12のスロット開口部12dに挿入され、舌部16がそこから突出することにより、このリテーナスプリング15bによって、カプラ12は改良式のリテーナ7′に固定される。
【0033】
図5は
図1、
図3のエアツール(第1、第2の実施形態)のカプラ12への取付け構造の第3の実施形態を示す。この実施形態では、エアツール側の部品は同じ(バレル部3とリテーナ7)であり、カプラ12への取付け部がリテーナ7に嵌合される2部品から成るクラムシェル(clamshell)型アダプタで構成されている。このクラムシェル型アダプタは、リテーナ7の上下の側にそれぞれ配置され、互いに連結することでリテーナ7を効果的に収容する筒状部材を構成する上半部17および下半部18から成る。アダプタの上半部17および下半部18は、円周溝17b、18bが形成されたアウトボード側スリーブ部17a、18aを有する。リテーナ7を収容するためにアダプタの上半部17と下半部18を連結すると、スリーブ部17a、18aによって、リテーナ7のアウトボード側に位置する円筒状のスリーブが形成され、カプラ12がこの円筒状スリーブに連結される。すなわち、カプラ12をアダプタの円筒状スリーブに沿って、円周溝17b、18bと12bの軸方向の位置が一致するまでスライドさせると、リテーナスプリング15bによって、カプラ12がアダプタの円筒状スリーブに固定される。アダプタの上半部17および下半部18の外周のそれぞれには、互いに間隔をおいて3本の円周溝が、上半部17および下半部18の他方の3本の円周溝と軸方向の位置が一致するように形成されており、上半部と下半部は3本のゴム製のOリング(図示省略)を対応する円周溝に嵌めることで、互いに固定される。
【0034】
エアツールの構成がどのようなものであろうと、吸引ホース19は水ろ過式の産業用集塵器30に接続される。
図1と
図3から明らかなように、集塵器30は標準的な、容量5ガロンの金属製のペールすなわちキャニスタ32と、キャニスタ32の上縁部に着脱自在に固定される金属製の蓋34を有する。吸引ホース19の下流側端部は、蓋34に取付けた吸引ポート38の入口に締結されており、やはり蓋34に取付けられた真空ユニット40によってキャニスタ32内を吸引することで、ダスト閉じ込め部11からダストを含むエアをキャニスタ32内に引き込み、次に清浄な空気を大気中に排出するようになっている。
図1、
図3、
図6には示していないが、キャニスタ32の側壁には複数の周方向のリブを設けて、側壁の剛性と曲げ抵抗を高めるのがよい。
【0035】
好ましい実施形態の真空ユニット40は、エアホース33から供給される圧縮エアで作動する空気圧式真空装置である。すなわち真空ユニット40はベンチュリ40aを有し、圧縮エアが分散アレー配置の内部エア通路(図示省略)を介してベンチュリ40aに送られ、ベンチュリ40aの上流側に吸引力を付与する。この場合、ベンチュリ40aの下流側すなわち出口側端部は排気ダイバータ42を介して大気に連通させ、ベンチュリ40aの上流側すなわち入口側端部は真空キャニスタ32の蓋34に固定されたベンチュリマウント46に連結する。
【0036】
図3に示すように、所定の量の水44(深さ約3インチ)がキャニスタ32の底部に存在しており(この水を「閉じ込められた水」と呼ぶ)、キャニスタ32に収容され、一部が閉じ込められた水44に沈んでいる(
図6に基づき以下に説明する)水ろ過ユニット50により、吸引ポート38からキャニスタ32に流入するダストを含むエアからダストが除去される。
図3と
図6に示すように、集塵器30はさらにキャニスタ32の上部にバッフルディスク59を備えており、水ろ過ユニット50でダストが除去されたエアは、真空ユニット40のベンチュリ40aを通って大気中に排出される前に、バッフルディスク59を通過する。バッフルディスク59の主要な目的は、閉じ込められた水44がベンチュリ40aに流入するのを防止することである。
【0037】
図6に示すように、水ろ過ユニット50は、キャニスタ32の底部すなわち床面32aに支持された円筒状の速度(velocity)リング52と、吸引ポート38から下方に延び、速度リング52中に差し込まれたダウンパイプ54を有する。図示の実施形態では、速度リング52は、キャニスタ32の床面32aに置かれた6インチのPVCパイプから成る。速度リング52の高さは約5インチであり、破線44aで示す閉じ込められた水44の深さは約3インチとする。言い換えると、速度リング52の高さは、閉じ込められた水44の深さよりも大きく、速度リング52は、一部が閉じ込められた水44に沈んだ状態で、床面32aに支持されている。そしてこの速度リング52はキャニスタ32の床面32aに単に載置されているだけなので、閉じ込められた水44は速度リング52の下端とキャニスタ32の床面32aとの間を自由に流れて、破線44bで示すように、速度リング52の外部の水の深さとほぼ同じ深さ(すなわち約3インチ)になるまで速度リング52に流入する。しかしもちろんこれ以外の構成を採用することもできる。例えば速度リング52はキャニスタ32の床面に固定してもよい。この場合、何らかの手段を用いて、速度リング52の外側にある閉じ込められた水44が、速度リング52の内部に流入できるようにする必要がある。例えば、速度リング52の外側にある閉じこめられた水44が、速度リング52の側壁に形成された1つまたはそれ以上の図示しない開口を通って、速度リング52の内部に流入するようにする。
【0038】
図示の実施形態では、ダウンパイプ54は、吸引ホース19とほぼ同径の(実施形態では内径が約1インチ)上部パイプ54aと、下方に延び速度リング52中に差し込まれる、径が約2インチの下部パイプ54bと、上部および下部パイプ54a、54bを連結するアダプタ54cを有する。図示の実施形態では、上部パイプ54aは金属製で、下部パイプ54bはPVC製である。また図に示すように、アダプタ54cの上面は、一つ以上のベンチュリマウント46の支持部56とともに、バッフルディスク59を支持する機能も有する。下部パイプ54bの底部は円形のプレート58で閉じられており、下部パイプ54bの側壁のプレート58のすぐ上に、吸引ポート38から流入するダストを含むエアが必ず通過する出口ポートとしての小さい円形の水中出口ポート60が形成されている。
図6からわかるように、円形の水中出口ポート60の径は上部パイプ54aの径よりかなり小さく、図示の実施形態では約9/16インチである。水中出口ポート60は、吸引ポート38からダウンパイプ54内に流入するダストを含むエアを、速度リング52の内周面に向かって水平に排出するように、速度リング52の内周面と水平に対向する位置に設けられている。ダウンパイプ54の構成としてはこれ以外のものを採用することもできるが、図示の構成がダストを除去する効果が特に高いことが分かった。またこれも
図6からわかるように、吸引ポート38には複数のブリーダ通路38aが穿設されており、これにより少量の大気中のエアが吸引ポート38のハウジングを通過して、吸引ホース19からダウンパイプ54中に引き込まれるダストを含むエアと混ざるようになっている。この構成は、装置のダスト吸引能力に比較的小さい影響を及ぼす一方で、何らかの理由でダスト閉じ込め部11または吸引ホース19を通過するエアの流れが部分的または完全に遮断された場合に、キャニスタ32内に発生する負圧を大幅に抑えることができるという効果をもたらす。
【0039】
ダウンパイプ54の長さ、特に下部パイプ54bの長さは、側壁の水中出口ポート60が、キャニスタ32の床面32aに十分近い位置にあり、速度リング52内の閉じ込められた水44に完全に没するように設定する。これにより、吸引ポート38に流入するダストを含むエアは、閉じ込められた水44の水面より十分低い位置にある円形の水中出口ポート60から、高速の流れとなって排出されることで、速度リング52内の閉じ込められた水44に大きな乱流が生じ、その結果泡状の水とエアの混合物が閉じ込められた水44の中を上昇し、速度リング52から出て、キャニスタ32の内部空間に至る。このようにダストを含むエアと速度リング52内の閉じ込められた水44が乱流により混合することにより、エア中のダストは十分に湿潤状態となるため、キャニスタ32の、閉じ込められた水44とバッフルディスク59間の空間に放出され、その後ベンチュリ40aを通って排出されるエアは実質的にダストを含んでいない状態になる。
【0040】
すなわち、本発明の実施形態にかかる集塵器30は、エアツールの工具15によってワークに加えられる衝撃によって発生するダストを、効率的かつ効果的に除去し、捕捉することができる。装置の様々な要素のサイズは図示の例に限定されず、またその材質も適宜金属またはプラスチックを採用することができる。そして本発明は好ましい実施形態に基づき説明したが、当業者ならこれらの実施形態に様々な変更を加えることができることは当然のことである。例えば、筒状のカプラ12とシュノーケル部13を一体に形成することもできる。このような変更およびその他の変更が加えられた装置も、本発明の範囲内であることが理解されると思われる。
【0041】
以上のように、集塵器30は、衝撃エアツールの工具15の衝撃作用によりワークから発生するダストを除去し捕捉するための、衝撃エアツール用の改良された真空式ダスト除去装置に組み込んで使用することができる。この装置はエアツールの工具15の側の端部に連結されたシュノーケル部13と、工具15を取り囲み、シュノーケル部13のアウトボード側の端部に固定されたダストベローズ14と、空気圧で駆動される水ろ過式工業用集塵器30と、シュノーケル部13と集塵器30を連結する吸引ホース19とを備えている。
【0042】
この装置のダスト閉じ込め部(すなわちシュノーケル部13とベローズ14)は、改良された連結構造により様々な種類のエアツールに連結することが可能である。この連結構造は、一端でシュノーケル部13の円筒状のスリーブ13c、他端でエアツールの円筒状のスリーブ9aに着脱自在に接続された筒状のカプラ12を有する。上記円筒状のスリーブ13c,9aの径は等しく、いずれも外周に円周溝13d,9bを有する。筒状のカプラ12の内周には、円筒状のスリーブ13c,9aがカプラ12の両端にそれぞれ挿入されると、各スリーブ13c,9aの円周溝13d,9bと軸方向の位置が一致する1対の円周溝12a、12bが互いに間隔をあけて形成されており、カプラ12のスロット開口部12dに挿入されたリテーナスプリング15bが、軸方向の位置が一致した円周溝9bと12bによって形成される環状の隙間に入り込み、装置のダスト閉じ込め部11をエアツールに固定するようになっている。第1の実施形態では、エアツールの円筒状スリーブは、リベットバスタの延長された外側スリーブ9であり、第2の実施形態では、エアツールの円筒状スリーブは、チゼルハンマーのリテーナ7′であり、第3の実施形態では、エアツールの円筒状のスリーブは、エアツールのリテーナ7の周囲に嵌合するクラムシェル型のアダプタ17,18である。
【0043】
この装置のもう一つの特徴は、ダストを除去するための適切な吸引力を発生させるとともに、吸引された空気の流れからダストを効果的にろ過する改良された工業用の集塵器30にある。この集塵器30は、内部空間の一部を占めるように水44が入っている(この水を「閉じ込められた水」と呼ぶ)キャニスタ32と、ダスト除去装置のダスト閉じ込め用フードに吸引ホース19を介して連結されているエアの吸引ポート38と、キャニスタ32の蓋34に取付けられ、吸引ホース19中に真空による空気の流れを生じさせる真空ユニット40と、上記空気の流れがキャニスタ32に流入し、真空ユニット40から大気中に排出される前に必ず通過する水ろ過ユニット50とを備えている。水ろ過ユニット50は、キャニスタ32の吸引ポート38に連結されたダウンパイプ54と、円筒状の速度(velocity)リング52を有する。速度リング52は、閉じ込められた水44が速度リング52の内部空間の一部を占めるまで速度リング52内に流入できるように、キャニスタ32の床面32aに載置されている。ダウンパイプ54は、吸引ポート38から下方に延び、キャニスタ32の床面32aにほぼ届くまで、速度リング52中に差し込まれており、このダウンパイプ54の水面より十分低い位置に、ダウンパイプ54中のエアが速度リング52中に放出される水中出口ポート60が形成されている。
【0044】
上記実施形態では、本発明の実施形態にかかる集塵器30を、衝撃エアツールから発生するダストを捕捉する真空式ダスト除去装置に組み込んだもの(すなわち、集塵器30を、真空式ダスト除去装置のシュノーケル部13に、エアホース19を介して連結したもの)を例に挙げて説明したが、本発明の実施形態にかかる集塵器30は、例えば、工業用掃除機の集塵器として用いることができ、また、回転式研磨機、回転式研削機、孔あけ工具等で生じる加工屑を捕捉する集塵器としても用いることができる。
【符号の説明】
【0045】
3 バレル部
7 リテーナ
7a スリーブ
8 内側スリーブ
9a スリーブ
12 カプラ
13 シュノーケル部
13c スリーブ
14 ブーツ
15 工具
15a Oリング
15b リテーナスプリング
19 吸引ホース
30 集塵器
32 キャニスタ
32a 床面
34 蓋
38 吸引ポート
38a ブリーダ通路
40 真空ユニット
44 閉じ込められた水
52 速度リング
54 ダウンパイプ
54a 上部パイプ
54b 下部パイプ
54c アダプタ
60 水中出口ポート