【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一態様は、
一対の上部横部材と、一対の下部横部材と、前記一対の上部横部材及び前記一対の下部横部材を連結する連結部と、を含む治具本体と、
前記一対の上部横部材間に平行に支持される複数の第1支持部材と、
前記複数の第1支持部材の各々に支持され、矩形である複数のワークの各々の上端部をクランプする複数の第1クランプ部材と、
前記一対の下部横部材間に平行に支持される複数の第2支持部材と、
前記複数の第2支持部材の各々に支持され、前記複数のワークの各々の下端部をクランプする複数の第2クランプ部材と、
を有し、
前記複数の第1支持部材及び複数の第2支持部材の一方は、前記一対の上部横部材及び前記一対の下部横部材の一方に昇降可能に支持されるワーク保持治具に関する。
【0008】
本発明の一態様によれば、複数の第1クランプ部材及び複数の第2クランプ部材にクランプされる複数のワークの各々は、複数の第1支持部材及び複数の第2支持部材の一方が他方に対して遠ざかるように移動されることによりテンションが付与される。それにより、複数のワークを撓ませずに平行に配置することができる。結果として、このワーク保持治具に保持された複数のワークをメッキ浴に浸漬すると、たとえ薄いワークであっても隣り合うワーク間には無電解メッキ液が流通できる適正な隙間が確保される。それにより、メッキ品質を維持しながら無電解メッキして複数のワークをバッチ処理することができる。なお、複数の第1支持部材及び複数の第2支持部材の一方を他方に対して遠ざかるように移動させる力は、後述の(2)のように治具の一部の部材の自重を利用するもの、後述の(3)のように治具に設けたバネなどの付勢力を利用するものの他、少なくとも処理槽に配置される治具に作用する外力を利用することができる。また、複数の第1支持部材及び複数の第2支持部材の双方を、一対の上部横部材及び一対の下部横部材の双方に対してに昇降可能に支持しても良い。
【0009】
(2)本発明の一態様では、前記複数の第2支持部材の各々は、前記一対の下部横部材に昇降可能に案内され、かつ、前記一対の下部横部材枠により下限位置が設定され、前記複数のワークの各々は、前記複数の第2支持部材の一つと、該一つの第2支持部材に支持された前記複数の第2クランプ部材との自重により、テンションが付与されてもよい。
【0010】
こうして、複数の第1クランプ部材により吊り下げられる複数のワークの各々の下端部に、複数の第2支持部材の各々と複数の第2クランプ部材との自重を作用させることができる。それにより、ばねの付勢力等による外力を用いずに複数のワークを撓ませずに平行に配置することができる。
【0011】
(3)本発明の一態様では、前記複数の第1支持部材の各々は、前記一対の上部横部材に昇降可能に案内され、かつ、スプリング等の付勢部材や重り等により上方への付勢力が付与され、前記複数のワークの各々は、前記付勢力により、テンションが付与されても良い。
【0012】
(4)本発明の一態様では、前記連結部は、前記一対の上部横部材と前記一対の下部横部材との間の上下方向距離を調整可能な機構を含むことができる。連結部は、例えばスライド機構とロック機構等の公知の機構により、一対の上部横部材と一対の下部横部材との間の上下方向距離を調整可能とすることで、縦サイズの異なるワークがワーク保持治具に保持可能となる。
【0013】
(5)本発明の一態様では、前記複数の第1支持部材の各々に固定され、前記複数の第1クランプ部材の可動片を揺動可能に支持する複数の第1ホルダーをさらに有し、
前記複数の第1ホルダーの各々は第1垂直面を含み、
前記複数の第1クランプ部材の前記可動片は、前記第1垂直面に対して接離されても良い。
【0014】
このように、ワークの上端部を挟む一対の部材の一方を、複数の第1クランプ部材の可動片を揺動可能に支持する第1ホルダーに設けた第1垂直面とすることで、部材点数が減少する。さらに、複数の第1クランプ部材の可動片と対向する領域に形成された第1垂直面に倣ってワークの垂直姿勢を確保することができる。
【0015】
(6)本発明の一態様では、
前記複数の第1支持部材の各々は第1垂直面を含み、
前記複数の第1クランプ部材の可動片は前記第1垂直面に対して接離されても良い。
【0016】
このように、ワークの上端部を挟む一対の部材の一方を、複数の第1クランプ部材を保持する第1支持部材に設けた第1垂直面とすることで、部材点数が減少する。さらに、複数の第1クランプ部材の可動片と対向する領域に形成された第1垂直面に倣ってワークの垂直姿勢を確保することができる。
【0017】
(7)本発明の一態様では、
前記複数の第2支持部材の各々に固定され、前記複数の第2クランプ部材の可動片を揺動可能に支持する複数の第2ホルダーをさらに有し、
前記複数の第2ホルダーの各々は第2垂直面を含み、
前記複数の第2クランプ部材の前記可動片は、前記第2垂直面に対して接離されても良い。
【0018】
このように、ワークの下端部を挟む一対の部材の一方を、複数の第2クランプ部材の可動片を揺動可能に支持する第2ホルダーに設けた第2垂直面とすることで、部材点数が減少する。さらに、複数の第2クランプ部材の可動片と対向する領域に形成された第2垂直面に倣ってワークの垂直姿勢を確保することができる。
【0019】
(8)本発明の一態様では、
前記複数の第2支持部材の各々は第2垂直面を含み、
前記複数の第2クランプ部材の可動片は前記第2垂直面に対して接離されても良い。
【0020】
このように、ワークの下端部を挟む一対の部材の一方を、複数の第2クランプ部材を保持する第2支持部材に設けた第2垂直面とすることで、部材点数が減少する。さらに、複数の第2クランプ部材の可動片と対向する領域に形成された第2垂直面に倣ってワークの垂直姿勢を確保することができる。特に、ワークの上端部が第1垂直面に倣い、ワークの下端部が第2垂直面に倣うことで、ワークの垂直姿勢をより確実に確保することができる。それにより、ワーク間には無電解メッキ液が流通できる適正な隙間が確実に確保される。
【0021】
(9)本発明の一態様では、前記治具本体は、垂直状態の前記複数のワークの各々を水平移動させて前記治具本体内への搬入を許容する搬入口を有することができる。
【0022】
このような搬入口を有するワーク保持治具を用いると、後述する(10)のワーク取付方法を実現することができる。
【0023】
(10)本発明の他の態様は、上述の(9)に記載のワーク保持治具に複数のワークを取り付ける方法であって、
前記複数の第1支持部材の一つに保持された前記複数の第1クランプ部材を、第1外力を付与してクランプ可能な状態にする第1工程と、
前記複数の第1クランプ部材の一つ及び前記複数の第2支持部材の一つの一方を、第2外力を付与して上下方向の一方に移動させ、かつ、前記複数の第2支持部材の一つに保持された前記複数の第2クランプ部材を、第3外力を付与してクランプ可能な状態にする第2工程と、
前記複数のワークの一枚を垂直状態にして、第1方向に水平移動させて前記搬入口より前記治具本体内に搬入する第3工程と、
前記第1及び第3外力を解除して、前記複数の第1クランプ部材及び前記複数の第2クランプ部材を用いて、前記一枚のワークの上端部と下端部とをクランプする第4工程と、
前記複数の第1クランプ部材の一つ及び前記複数の第2支持部材の一つの一方を、前記第2外力の解除により前記上下方向の他方に移動させ、前記一枚のワークにテンションを付与する第5工程と、
を有し、
前記ワーク保持治具への前記複数のワークの全ての取り付けが完了するまで、前記第1〜第5工程を繰り返し実施するワーク保持治具へのワーク取付方法に関する。
【0024】
本発明の他の態様によれば、ワーク保持治具に対する第1〜第3外力の付与/解除(第1,2,4,5工程)と、ワークの第1方向への水平移動(第3工程)とにより、ワーク保持治具に複数のワークを取り付けることができ、ワーク保持治具へのワークの取り付けの自動化が容易となる。
【0025】
(11)本発明の他の態様では、前記第5工程後に、前記ワーク保持治具へ取り付けられる次のワークの搬入に備えて、前記ワーク保持治具を前記第1方向と直交する第2方向に水平移動させる第6工程をさらに有することができる。
【0026】
こうすると、上述の方法を自動化するにあたり、ワーク保持治具を第2方向に水平移動させるだけで、第1〜第3外力を付与/解除する装置とワークを搬入する装置とは移動を要することなく、ワーク保持治具への全てのワークの取り付けが完了させることができる。