(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レシート発行手段は、前記アレルゲン情報を原材料情報として他の原材料情報とともに付加する場合には、アレルゲンに対応する原材料情報が他の原材料情報とは異なる態様で表示されるように付加された電子レシートを発行する、
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のレシート処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
図1は、電子レシートシステムの全体構成図である。
図1の電子レシートシステムは、サーバ1と、POS端末2と、携帯端末3を備えている。サーバ1と、POS端末2と、携帯端末3とは、ネットワークNWによって互いに通信可能に接続されている。
【0011】
サーバ1は、例えば、計算機であり、外部の管理センタに配置されている。
POS端末2は、例えば、商品の販売処理を行う据置型のコンピュータであり、店舗に配置されている。POS端末2は、商品マスタMを有する。商品マスタMは、店舗で販売される商品に関する情報を登録する。商品マスタMにて登録される情報は、例えば、商品コード、商品名、単価、を含む。
携帯端末3は、例えば、スマートフォンであり、顧客が所持している。携帯端末3は、レシートアプリAをインストールしている。レシートアプリAは、顧客が購入した商品に関する電子レシートを処理するためのアプリケーションである。
【0012】
図2は、サーバのハードウェアの構成図である。サーバ1は、CPU1aと、ROM1bと、RAM1cと、通信部1dと、HDD1eといったハードウェアを備える。CPU1aは、ROM1bと、RAM1cと、通信部1dと、HDD1eとに接続している。
【0013】
CPU1aは、サーバ1の制御部を構成する。CPU1aは、ROM1bに記憶されているプログラム(図示せず)に従って所定の処理を実行する。
ROM1bは、例えば、不揮発性メモリであり、サーバ1の記憶部を構成する。ROM1bは、CPU1aが実行するプログラムや各種データ等を記憶する。
RAM1cは、例えば、揮発性メモリであり、CPU1aが実行するプログラムに係る各種変数や各種データ等を記憶する。
通信部1dは、例えば、アンテナと無線通信回路の組合せであり、無線通信によってネットワークNWに接続して、POS端末2と、携帯端末3と相互に通信を行う。
HDD1eは、例えば、外部記憶装置であり、サーバ1が保持する各種データベース(後記)に格納されるデータ等を記憶する。
【0014】
図3は、POS端末のハードウェアの構成図である。POS端末2は、CPU2aと、ROM2bと、RAM2cと、通信部2dと、キーボード2eと、スキャナ2fと、ディスプレイ2gと、プリンタ2hと、ドロワ2iといったハードウェアを備える。CPU2aは、ROM2bと、RAM2cと、通信部2dと、キーボード2eと、スキャナ2fと、ディスプレイ2gと、プリンタ2hと、ドロワ2iとに接続している。
【0015】
CPU2aは、POS端末2の制御部を構成する。CPU2aは、ROM2bに記憶されているプログラム(図示せず)に従って所定の処理を実行する。
ROM2bは、例えば、不揮発性メモリであり、POS端末2の記憶部を構成する。ROM2bは、CPU2aが実行するプログラムや各種データ等を記憶する。
RAM2cは、例えば、揮発性メモリであり、CPU2aが実行するプログラムに係る各種変数や各種データ等を記憶する。
通信部2dは、例えば、アンテナと無線通信回路の組合せであり、無線通信によってネットワークNWに接続して、サーバ1と、携帯端末3と相互に通信を行う。
【0016】
キーボード2eは、例えば、置数キー、小計キー、預/現計キーであり、POS端末2の入力部を構成する。キーボード2eは、商品販売取引に関する商品データを入力することができる。
スキャナ2fは、例えば、バーコードリーダであり、POS端末2の入力部を構成する。スキャナ2fは、商品に付されたバーコードに埋め込まれたPLU(Price Look Up)や、携帯端末3に表示されたQRコード(登録商標)を読み取ることができる(詳細は後記)。
【0017】
ディスプレイ2gは、例えば、液晶パネルであり、POS端末2の表示部を構成する。ディスプレイ2gは、CPU2aから受信した画面を表示する。
プリンタ2hは、例えば、熱転写プリンタであり、POS端末2の出力部を構成する。プリンタ2hは、商品販売取引の結果を紙のレシートに印字する。
ドロワ2iは、現金を収容する部位であり、CPU2aからの指令に応じて開閉する。
【0018】
図4は、携帯端末のハードウェアの構成図である。携帯端末3は、CPU3aと、ROM3bと、RAM3cと、通信部3dと、タッチパネル3eと、ディスプレイ3fと、スピーカ3gといったハードウェアを備える。CPU3aは、ROM3bと、RAM3cと、通信部3dと、タッチパネル3eと、ディスプレイ3fと、スピーカ3gとに接続している。
【0019】
CPU3aは、携帯端末3の制御部を構成する。CPU3aは、ROM3bに記憶されているプログラム(図示せず)に従って所定の処理を実行する。
ROM3bは、例えば、不揮発性メモリであり、携帯端末3の記憶部を構成する。ROM3bは、CPU3aが実行するプログラムや各種データ等を記憶する。
RAM3cは、例えば、揮発性メモリであり、CPU3aが実行するプログラムに係る各種変数や各種データ等を記憶する。
通信部3dは、例えば、アンテナと無線通信回路の組合せであり、無線通信によってネットワークNWに接続して、サーバ1と、POS端末2と相互に通信を行う。
【0020】
タッチパネル3eは、例えば透明電極で構成され、ディスプレイ3fの上層に貼設されている。タッチパネル3eは、ポインティングデバイスの1種であり、顧客が指やタッチペンなどでタッチした画面上の位置を検知する。
ディスプレイ3fは、例えば液晶パネルであり、携帯端末3の表示部を構成する。ディスプレイ3fは、CPU3aから受信した画面を表示する。
スピーカ3gは、例えば、振動子と音声信号処理回路の組合せであり、携帯端末3の音声出力部を構成する。
【0021】
図5は、電子レシートシステムの機能構成図である。サーバ1は、取得部11と、レシート発行部12と、顧客判定部13と、電子レシートDB(Data Base)(D1)と、詳細情報DB(D2)と、顧客情報DB(D3)とを備える。取得部11(取得手段)と、レシート発行部12(レシート発行手段)と、顧客判定部13と、電子レシートDB(D1)と、詳細情報DB(D2)と、顧客情報DB(D3)は、ROM1bが記憶するプログラムをCPU1aが実行することにより具現化される。
【0022】
取得部11は、商品販売取引があったPOS端末2から、顧客が購入した商品に対する商品明細情報を取得する。商品明細情報は、顧客が購入した商品ごとに、商品名および金額(単価)を含む。取得部11は、商品明細情報を用いて電子レシートDB(D1)に格納する情報を生成し、その情報を電子レシートDB(D1)に格納する。電子レシートDB(D1)に格納される情報の詳細については、後記する。
【0023】
また、取得部11は、顧客が購入した商品そのものの機能性、品質などに関する詳細を示す詳細情報を取得する。詳細情報は、例えば、消費者への提示目的で使用され、商品または商品の包装に記載された内容に相当する情報を含む。取得部11は、商品明細情報を用いて詳細情報DB(D2)に格納する情報を生成し、その情報を詳細情報DB(D2)に格納する。詳細情報DB(D2)に格納される情報の詳細については、後記する。
なお、取得部11は、詳細情報をPOS端末2から取得することもできるし、また、店舗側が有するストアコンピュータ(図示せず)から取得することもできる。ストアコンピュータは、例えば、店舗内のすべてのPOS端末2と接続しており、店舗内の全体の売上状況や在庫状況を管理し、また、管理対象の商品の詳細情報を記憶する計算機である。
【0024】
また、取得部11は、電子レシートの発行の際、電子レシートDB(D1)と、詳細情報DB(D2)とから、対応する商品についての情報を取得し、取得した情報をレシート発行部12に送信する。
【0025】
また、取得部11は、商品を購入した顧客を示す顧客情報を、POS端末2から取得することができる。顧客情報は、商品購入時にPOS端末2のスキャナ2fが携帯端末3に表示されたQRコードから読み取った情報である。よって、POS端末2およびサーバ1は、購入された商品と購入した顧客とを関連付けて管理することができる。顧客はレシートアプリA(
図1)を利用するために自身の顧客情報を携帯端末3に登録しており、サーバ1は、携帯端末3から取得した顧客情報を顧客情報DB(D3)に格納している。取得部11は、必要に応じて顧客情報DB(D3)から顧客情報を読み出す。顧客情報DB(D3)に格納される顧客情報の詳細については、後記する。
【0026】
レシート発行部12は、取得部11から受信した情報を用いて電子レシートを発行する。具体的には、レシート発行部12は、取得部11が取得した商品明細情報を購入商品の商品項目と対応付けて発行する電子レシートに、その購入商品に関して取得部11が詳細情報DB(D2)から抽出した詳細情報を付加する。
なお、レシート発行部12は、取得部11を介することなく、電子レシートDB(D1)や詳細情報DB(D2)から、対応する商品についての情報を取得して、取得した情報を用いて電子レシートを発行してもよい。
【0027】
また、レシート発行部12は、詳細情報を付加した電子レシートを携帯端末3に送信する。具体的には、レシート発行部12は、携帯端末3からの電子レシート参照要求に対応する電子レシートを、携帯端末3のレシートアプリA(
図1)が備えるブラウザ機能によって閲覧できるように処理する。
【0028】
顧客判定部13は、レシートアプリAの利用を開始する携帯端末3を所持する顧客について認証判定を行う。具体的には、顧客判定部13は、携帯端末3の顧客がレシートアプリAに対して事前に設定したログインIDおよびログインパスワードと、顧客情報DB(D3)に格納されているログインIDおよびログインパスワードとを比較して、本人確認を行う。認証が成功すると、顧客判定部13は、レシート発行部12にレシート発行許可を出す。よって、レシート発行部12は、購入した商品に関する電子レシートを、その商品を購入した顧客に確実に発行することができる。
【0029】
また、
図5に示すように、携帯端末3は、表示項目設定部31と、項目表示制御部32とを備える。表示項目設定部31と、項目表示制御部32とは、ROM3bが記憶するプログラムをCPU3aが実行することにより具現化される。
【0030】
表示項目設定部31は、顧客からの入力により、購入商品の詳細情報を構成する表示項目を設定する。詳細情報は、例えば、購入商品に関して顧客に提示する複数の項目を組み合わせて構成された情報である。これらの項目は、携帯端末3の表示部が表示する表示項目となる。表示項目そのものに関する具体的な説明は後記する。
【0031】
表示項目設定部31は、携帯端末3の表示部に、顧客が所望する表示項目を選択するための表示項目設定画面(詳細は後記)を表示させる。表示項目設定部31は、購入商品について顧客が選択した表示項目をサーバ1に送信する。サーバ1は、受信した表示項目を、顧客が表示を希望する詳細情報として顧客情報DB(D3)に格納することができる。
【0032】
項目表示制御部32は、顧客が購入した商品の表示項目を所定の態様で表示する。具体的には、項目表示制御部32は、レシート発行部12が発行した電子レシートを携帯端末3の表示部に表示する際、電子レシートに付加された表示項目を、顧客が予め設定した表示形式で表示する。項目表示制御部32は、携帯端末3の表示部に、顧客が表示項目の表示形式を設定するための表示形式設定画面(詳細は後記)を表示させる。
【0033】
図6は、電子レシートDBのデータ構造を示す図である。電子レシートDB(D1)は、商品販売取引の結果を示す電子レシートを管理するデータベースである。電子レシートDB(D1)は、(a)パートと(b)パートに分かれている。
【0034】
電子レシートDB(D1)の(a)パートは、「レシートID」、「日時」、「店舗」、「POS端末」、「顧客ID」といった欄を有しており、商品販売取引ごとに、各欄の値が格納されたレコードを有している。また、電子レシートDB(D1)の(b)パートは、「レシートID」、「商品ID」、「商品名」、「メーカ」、「商品分類」、「金額」といった欄を有しており、商品販売取引ごとに、各欄の値が格納されたレコードを有している。1つの商品販売取引にて複数種類の商品の購入があった場合、電子レシートDB(D1)の(a)パートには1つのレコードが作成されるのに対し、電子レシートDB(D1)の(b)パートには複数のレコードが作成される。電子レシートDB(D1)の(b)パートは、商品明細情報を構成することができる。
【0035】
「レシートID」欄には、電子レシートの識別番号が格納される。
「日時」欄には、商品購入が行われた日時が格納される。なお、「日時」欄に年度を含めることもできる。
「店舗」欄には、商品購入が行われた店舗名が格納される。なお、「店舗」欄には、店舗名だけでなく、支店名(例:グループ店の1つを特定する支店名など)を含めることもできる。
「POS端末」欄には、店舗内に配置されている1または複数のPOS端末の識別番号が格納される。
「顧客ID」欄には、携帯端末3を利用する顧客の識別番号が格納される。
【0036】
「商品ID」欄には、購入された商品の商品コードが格納される。
「商品名」欄には、購入された商品の名称が格納される。
「メーカ」欄には、購入された商品を製造したメーカの名称が格納される。
「商品分類」欄には、購入された商品の種別の名称が格納される。
「金額」欄には、購入された商品の金額が格納される。購入された商品が1つの場合は単価を表し、複数の場合には、単価に購入個数を掛けた価格を表す。
【0037】
図7は、詳細情報DBのデータ構造を示す図である。詳細情報DB(D2)は、購入された商品の詳細情報を管理するデータベースである。詳細情報DB(D2)は、「商品ID」、「原材料」、「栄養成分」、「生産国」、「トレーサビリティ」といった欄を有しており、購入された商品ごとに、各欄の値が格納されたレコードを有している。「原材料」欄、「栄養成分」欄、「生産国」欄、「トレーサビリティ」欄、および、これらの欄に格納される値は、表示項目設定部31が設定する表示項目となり得る。
【0038】
「商品ID」欄は、電子レシートDB(D1)(
図6)の「商品ID」欄と同等である。
「原材料」欄には、購入された商品に使用されている1または複数種類の原材料の名称が格納される。原材料にアレルギー物質が含まれている場合は、その旨を示すフラグを、「原材料」欄に格納される値に付与することができる。
【0039】
「栄養成分」欄には、購入された商品の1または複数種類の栄養成分について、その名称(例:熱量、タンパク質)および成分量(例:200kcal、30g)の組が格納される。
「生産国」欄には、購入された商品が生産された国の名称が格納される。
「トレーサビリティ」欄には、購入された商品の流通履歴を示すトレーサビリティ情報が格納される。トレーサビリティ情報の具体例としては、購入された商品の生産地、生産者名などを挙げることができ、生産者の顔写真の画像データがあってもよい。
【0040】
図8は、顧客情報DBのデータ構造を示す図である。顧客情報DB(D3)は、携帯端末3のレシートアプリAを利用する顧客の顧客情報を管理するデータベースである。顧客情報DB(D3)は、「顧客ID」、「ログインID」、「ログインPW(パスワード)」、「氏名」、「表示項目」といった欄を有しており、商品を購入する顧客ごとに、各欄の値が格納されたレコードを有している。
【0041】
「顧客ID」欄には、携帯端末3を利用する顧客の識別番号が格納される。
「ログインID」欄には、レシートアプリA(
図1)を利用する際のログインに必要なIDが格納される。
「ログインPW」欄には、レシートアプリA(
図1)を利用する際のログインに必要なパスワードが格納される。
「氏名」欄には、レシートアプリA(
図1)を利用する顧客の氏名が格納される。
「表示項目」欄には、レシートアプリA(
図1)を利用する顧客の携帯端末3の表示項目設定部31が設定した1または複数種類の表示項目が格納される。
【0042】
ログインID、ログインPW、氏名、表示項目は、携帯端末3を操作する顧客からの入力により、商品の購入前にすでに設定されている。表示項目は、商品の購入後であっても表示項目設定部31が顧客の操作に応じて適宜変更設定することができる。サーバ1は、ログインID、ログインPW、氏名、表示項目に対して顧客IDを生成して割り当てることで、顧客情報を生成し、顧客情報DB(D3)に格納する。また、携帯端末3のレシートアプリAは、サーバ1から顧客IDを取得し、顧客IDを含むQRコードを生成する。
【0043】
〔処理〕
次に、電子レシートシステムが実行する処理について説明する。
図9は、商品を購入した顧客が電子レシートを閲覧する手順を示す全体シーケンスである。この全体シーケンスは、顧客が購入する商品について、POS端末2が商品販売取引を実行するときに開始され、ステップQ10に進む。
【0044】
ステップQ10にて、携帯端末3は、顧客IDを含むQRコードをPOS端末2に送信する。具体的には、まず、顧客が携帯端末3のレシートアプリAを起動し、ログインIDおよびログインPWを入力する。認証が成功した場合、携帯端末3は、初期画面を表示する。
図10は、携帯端末が表示する初期画面の例である。携帯端末3の初期画面には、顧客IDを含むQRコード101が描かれている。POS端末2のスキャナ2fは、携帯端末3が表示するQRコード101を読み取ることで、顧客IDを取得し、POS端末2のCPU2aは、顧客IDと、顧客が購入する商品とを関連付けることができる。
【0045】
なお、
図10に示すように、レシートアプリAを起動した携帯端末3の画面の下部には、トップボタン102、リストボタン103、表示項目ボタン104、削除ボタン105が表示される。トップボタン102は、タップすると初期画面を表示するボタンである。リストボタン103は、タップするとレシートリスト画面(詳細は後記)を表示するボタンである。表示項目ボタン104は、タップすると表示項目設定画面を表示するボタンである。削除ボタン105は、タップすると、表示中のレシート詳細画面(詳細は後記)を削除するボタンである。
ステップQ10の後、ステップQ11に進む。
【0046】
ステップQ11にて、POS端末2は、顧客が購入した商品に関する商品明細情報をサーバ1に送信する。具体的には、POS端末2は、顧客が購入した商品に対する商品明細情報を生成するとともに、レシートIDを生成して商品明細情報に関連付ける。このとき、POS端末2は、QRコード101から取得した顧客IDも商品明細情報に関連付ける。サーバ1の取得部11は、POS端末2から商品明細情報を取得する。ステップQ11の処理は、サーバ1の管理対象となる店舗ごと、かつ、店舗に配置されているPOS端末2ごとに実行される。よって、サーバ1は、管理対象となるすべての店舗にて実行された商品販売取引を管理することができる。ステップQ11の後、ステップQ12に進む。
【0047】
ステップQ12にて、サーバ1は、取得部11が取得した情報を各種DB(D1,D2)に保存する。具体的には、取得部11は、POS端末2から取得した商品明細情報を用いて、電子レシートDB(D1)にレコードを追加し、「レシートID」、「日時」、「店舗」、「POS端末」、「顧客ID」、「商品ID」、「商品名」、「メーカ」、「商品分類」、「金額」の各欄の値を格納する。これらの値はいずれも、例えば、POS端末2が決定することができる。
【0048】
また、取得部11は、POS端末2から取得した商品明細情報を用いて、詳細情報DB(D2)にレコードを追加し、「商品ID」、「原材料」、「栄養成分」、「生産国」、「トレーサビリティ」の各欄の値を格納する。これらの値のうち、「商品ID」の欄の値は、例えば、POS端末2が決定することができる。また、「原材料」、「栄養成分」、「生産国」、「トレーサビリティ」の欄の値は、例えば、サーバ1が、店舗側のストアコンピュータ(図示せず)から情報を取得することで決定することができる。よって、サーバ1は、管理対象となるすべての店舗で販売される商品についての詳細情報を記憶することができる。
ステップQ12の後、ステップQ20に進む。
【0049】
ステップQ20にて、携帯端末3は、表示項目設定部31が設定した表示項目をサーバ1に送信する。具体的には、まず、顧客がレシートアプリAを起動し、認証が成功した携帯端末3は、顧客から表示項目ボタン104が操作されると、表示項目設定画面を表示する。
【0050】
図11は、携帯端末が表示する表示項目設定画面の例である。この画面は、上下方向にドラッグすることによりスクロールする。携帯端末3の表示項目設定画面の左側には、購入商品の詳細情報を構成する表示項目の具体例となる原材料1101と、生産国1102と、アレルゲン1103と、栄養成分1104と、トレーサビリティ1105とが記述されている。原材料1101と、生産国1102と、栄養成分1104と、トレーサビリティ1105は、詳細情報DB(D2)の「原材料」欄、「栄養成分」欄、「生産国」欄、「トレーサビリティ」欄に対応している。アレルゲン1103は、詳細情報DB(D2)の「原材料」欄に格納される値に対応している。
【0051】
表示項目設定画面において、特定の表示項目に対して表示小項目を記述することができる。例えば、表示小項目として、アレルゲン1103に対しては、小麦1103a、大豆1103bなどが記述され、栄養成分1104に対しては、熱量1104a、タンパク質1104b、炭水化物1105cなどが記述され、トレーサビリティ1105に対しては、生産地1105a、生産者1105bなどが記述されている。これらの表示小項目は、詳細情報DB(D2)の各欄に格納されている値に対応している。
【0052】
一方、携帯端末3の表示項目設定画面の右側には、表示項目の各々および表示小項目の各々に対して「ON」「OFF」を選択するチェックボックス1106が設けられている。顧客は、表示項目ごとに、および、表示小項目ごとに、チェックボックス1106の「ON」または「OFF」をタップすることができる。表示項目設定部31は、タップされた箇所にチェックマークを書きこむことで選択状態を表示することができる。
【0053】
顧客によるチェックボックス1106への入力が完了し、決定ボタン1107をタップすると、表示項目設定部31は、「ON」のチェックボックス1106が選択状態になった表示項目および表示小項目をサーバ1に送信する。
なお、説明の便宜上、表示項目および表示小項目を包括して、「表示項目」と呼ぶ場合がある。ステップQ20の後、ステップQ21に進む。
【0054】
ステップQ21にて、サーバ1は、携帯端末3から受信した表示項目をデータベースに保存する。具体的には、サーバ1は、表示項目設定部31から受信した表示項目および表示小項目を、顧客情報DB(D3)の「表示項目」欄に格納する。これにより、サーバ1は、詳細情報DB(D2)に格納されているデータに対して、顧客が表示を所望する表示項目および表示小項目を特定することができる。
ステップQ21の後、ステップQ30に進む。
【0055】
なお、携帯端末3が表示項目設定画面(
図11)を表示している場合、表示項目の各々および表示小項目の各々に対するチェックボックス1106の入力が完了し、決定ボタン1107をタップすると、携帯端末3は、表示形式設定画面を表示する。
図12は、携帯端末が表示する表示形式設定画面の例である。表示形式設定画面の上部は、表示形式の指定エリア1201を構成し、表示形式設定画面の下部は、表示項目の初期表示の指定エリア1202を構成する。
【0056】
顧客は、指定エリア1201に記述されている別レイヤ表示1201a、または、2次元展開表示1201bのいずれかをタップすることができる。別レイヤ表示1201aがタップされ、決定ボタン1203がタップされると、項目表示制御部32は、レシート詳細画面において、顧客が選択した表示項目に対応する詳細情報を、別レイヤ形式で表示する(詳細は後記)。また、2次元展開表示1201bがタップされ、決定ボタン1203がタップされると、項目表示制御部32は、レシート詳細画面において、顧客が選択した表示項目に対応する詳細情報を、2次元展開表示形式で表示する(詳細は後記)。このように、項目表示制御部32は、詳細情報の表示に関して、顧客が所望する表示形式を選択させることができる。
【0057】
また、顧客は、指定エリア1202内の「ON」「OFF」のチェックボックス1020a,1020bのいずれかをタップすることができる。「ON」がタップされ、決定ボタン1203がタップされると、チェックボックス1020aにチェックマークが書き込まれ、選択状態となる。これにより、項目表示制御部32は、表示直後レシート詳細画面(後記)において、表示項目設定部31によって設定された表示項目の詳細情報を表示する。一方、「OFF」がタップされ、決定ボタン1203がタップされると、チェックボックス1020bにチェックマークが書き込まれ、選択状態となる。これにより、項目表示制御部32は、表示直後のレシート詳細画面(後記)において、表示項目設定部31によって設定された表示項目の詳細情報を表示しない。このように、項目表示制御部32は、詳細情報に関して、初期表示の有無を顧客に選択させることができる。
【0058】
図9に戻って、ステップQ30にて、携帯端末3は、電子レシート参照要求をサーバ1に送信する。具体的には、まず、表示項目および表示形式の設定が完了した携帯端末3は、顧客からリストボタン103が操作されると、レシートリスト画面を表示する。なお、電子レシート参照要求は、POS端末2が読み取る携帯端末3のQRコードに含まれる顧客IDと同じ顧客IDを含む。
【0059】
図13は、携帯端末が表示するレシートリスト画面の例である。携帯端末3のレシートリスト画面には、顧客がこれまでに商品を購入した店舗の名称が記載されている。これらの店舗の名称には、商品購入時にPOS端末2が生成したレシートIDが関連付けられている。店舗の名称とレシートIDとの関連付けは、携帯端末3にレシートリスト画面を送信するサーバ1が実行する。レシートリスト画面上の店舗の名称は、購入日単位で区切られているため、顧客は、購入履歴を容易に把握することができる。
なお、サーバ1は、レシート参照要求に含まれている顧客IDと、POS端末2から取得される商品明細情報に関連付けられた顧客IDとが一致する電子レシートを特定することができる。レシートリスト画面には、この特定された電子レシートが一通り表示される。
【0060】
図13に示すように、レシートリスト画面上の店舗の名称の一つ(符号1301)を指でタップすると、携帯端末3は、タップされた店舗の名称に関連付けられているレシートIDと、顧客IDとを含む電子レシート参照要求をサーバ1のレシート発行部12に送信する。よって、レシート発行部12は、電子レシート参照要求に含まれるレシートIDを読み出すことで顧客が参照したい電子レシートを確実に特定することができる。
ステップQ30の後、ステップQ31に進む。
【0061】
ステップQ31にて、サーバ1は、レシート発行部12の機能により、電子レシート発行処理を実行する。電子レシート発行処理の詳細は後記する。結果として、レシート発行部12は、携帯端末3からのレシート参照要求に対応する電子レシートを発行することができる。ステップQ31の後、ステップQ32に進む。
【0062】
ステップQ32にて、サーバ1は、レシート発行部12の機能により、電子レシート発行処理によって発行された電子レシートを携帯端末3に送信する。
ステップQ32の後、ステップQ33に進む。
【0063】
ステップQ33にて、携帯端末3は、サーバ1から受信した電子レシートを、レシート詳細画面として表示する。
図14は、携帯端末が表示するレシート詳細画面の例である。レシート詳細画面には、主に、顧客が商品を購入した店舗の店舗名1401と、顧客が商品を購入したときにPOS端末2が付与したレシートID1402と、顧客が商品を購入したときの日時1403と、商品購入のための商品販売取引の処理を実行したPOS端末2の識別子1404と、購入商品の商品項目1405が記述されている。商品項目1405は、例えば、「領収書」欄にて、購入商品の商品名および金額を横に並べた態様で記述されている。レシート詳細画面の一部分に触れた指を上に動かすことで、未表示の商品項目1405をスクロール表示することができる。レシート詳細画面の記載内容は、商品購入時に店舗側から受け取る紙のレシートの記載内容に概ね等しい。
【0064】
商品項目1405の一部には、その商品名の左側にアイコンサイン1406a,1406bが隣接表示されている。アイコンサイン1406a,1406bは、表示項目設定部31によって設定された表示項目の値を含む詳細情報が、対応の商品項目1405に付加されていることを示す。アイコンサイン1406a,1406bについての説明は後記する。
【0065】
図15は、電子レシート発行処理を示すフローチャートである。ステップQ31の電子レシート発行処理は、レシート発行部12がレシート参照要求を携帯端末3から取得することで、ステップS1から開始する。
【0066】
ステップS1にて、レシート発行部12は、電子レシートのテンプレートを生成する。具体的には、レシート発行部12は、
図14のレシート詳細画面に表示される店舗名1401と、レシートID1402と、商品購入の日時1403と、POS端末2の識別子1404と、商品項目1405の入力欄を設けた電子レシートを生成する。レシート発行部12は、ステップS1にて、
図14のレシート詳細画面のレイアウトを決定することができる。なお、上記の入力欄以外の入力欄を適宜設けてもよい。ステップS1の後、ステップS2に進む。
【0067】
ステップS2にて、レシート発行部12は、電子レシートDB(D1)の情報を取得する。具体的には、レシート発行部12は、電子レシートDB(D1)のレコードのうち、レシート参照要求に含まれるレシートIDおよび顧客IDを有するレコードを取得する。なお、該当レコードは、レシート発行部12からの指示を受けた取得部11が電子レシートDB(D1)を参照して取得してもよいし、レシート発行部12が電子レシートDB(D1)を参照して取得してもよい。ステップS2の後、ステップS3に進む。
【0068】
ステップS3にて、レシート発行部12は、電子レシートDB(D1)の情報を、生成した電子レシートのテンプレートに入力する。具体的には、レシート発行部12は、ステップS1で生成した電子レシートのテンプレートの入力欄に、ステップS2で取得したレコードの値として、店舗名(
図14の符号1401に対応)と、レシートID(
図14の符号1402に対応)と、商品購入の日時(
図14の符号1403に対応)と、POS端末2の識別子(
図14の符号1404に対応)と、商品項目(
図14の符号1405に対応)とを入力する。また、レシート発行部12は、電子レシートのテンプレートに入力される商品項目に、購入商品に関する商品名及び金額の商品明細情報を対応付けておく。これにより、
図14のレシート詳細画面の「領収書」欄にて購入商品の商品名および金額を横に並べた態様で商品項目1405を記述することができる。ステップS3の後、ステップS4に進む。
【0069】
ステップS4にて、レシート発行部12は、詳細情報DB(D2)の情報を取得する。具体的には、レシート発行部12は、詳細情報DB(D2)のレコードのうち、電子レシートDB(D1)によって、レシート参照要求に含まれるレシートIDに関連付けられた商品IDを有するレコードを取得する。なお、該当レコードは、レシート発行部12からの指示を受けた取得部11が詳細情報DB(D2)を参照して取得してもよいし、レシート発行部12が詳細情報DB(D2)を参照して取得してもよい。ステップS4の後、ステップS5に進む。
【0070】
ステップS5にて、レシート発行部12は、顧客が設定した表示項目を取得する。具体的には、レシート発行部12は、顧客情報DB(D3)のレコードのうち、レシートアプリAを起動した携帯端末3の電子レシート参照要求から取得した顧客IDを含むレコードを特定し、特定したレコードの「表示項目」欄の値を取得する。なお、該当表示項目は、レシート発行部12からの指示を受けた取得部11が顧客情報DB(D3)を参照して取得してもよいし、レシート発行部12が顧客情報DB(D3)を参照して取得してもよい。ステップS5の後、ステップS6に進む。
【0071】
ステップS6にて、レシート発行部12は、購入商品に関する詳細情報を電子レシートに付加する。具体的には、レシート発行部12は、ステップS3にて電子レシートのテンプレートに入力された商品項目の各々に、ステップS4にて取得した詳細情報を構成する表示項目のうち、ステップS5にて取得した表示項目を、商品IDを用いて紐づける。つまり、レシート発行部12は、電子レシートDB(D1)を参照して商品項目に対応する商品IDを特定し、特定した商品IDをキーとして、詳細情報DB(D2)から該当の詳細情報を抽出する。そして、レシート発行部12は、抽出した詳細情報を構成する表示項目のうち、顧客情報DB(D3)の「表示項目」に格納された値に相当する表示項目を、テンプレート中の該当の商品項目に紐づける。なお、購入商品の詳細情報の表示項目の中に、顧客情報DB(D3)の「表示項目」に格納された値に相当する表示項目が存在しない場合には、テンプレート中の商品項目への表示項目の紐づけは行われない。ステップS6の処理により、携帯端末3の顧客による、特定の購入商品に対する詳細情報の閲覧操作を容易にすることができる。
ステップS6の後、電子レシート発行処理を終了する。
【0072】
図14のレシート詳細画面が表示されている際、顧客は、画面中の商品項目の1つに隣接表示されているアイコンサインの1つ(符号1406a)をタップする。すると、携帯端末3は、タップしたアイコンサインに対応の商品項目に紐づけられた詳細情報を詳細情報画面として表示する。詳細情報画面に表示される詳細情報の内容はさまざまであり、以下その具体例を説明する。
【0073】
〔具体例1〕
図16は、携帯端末が表示する詳細情報画面(1)の例である。詳細情報画面(1)は、詳細情報を対応の購入商品に対して2次元展開表示をしたときの画面である。詳細情報画面(1)は、レシート詳細画面(
図12)に対して、2次元展開表示した詳細情報を対応の購入商品に付随させた画面に相当する。詳細情報画面(1)は、表示形式設定画面(
図12)にて、顧客が2次元展開表示1201bをタップして選択することで表示される。
【0074】
図16に示すように、詳細情報画面(1)には、購入した商品ABCに対して、商品ABCに小麦、バター、乳が含まれている旨(符号1601)が詳細情報として表示されている。このような表示が実現されるのは、詳細情報DB(D2)(
図7)の、商品ABCに対応するレコードの「原材料」欄に小麦、バター、乳が含まれており、かつ、表示項目設定画面(
図11)において、顧客が原材料1101のチェックボックス1106にて「ON」を選択したことで、顧客情報DB(D3)(
図8)の「表示項目」欄には原材料全部、という値が含まれているからである。
【0075】
もし、表示項目設定画面(
図11)において、顧客がアレルゲン1103の表示小項目である小麦1103aのチェックボックス1106にて「ON」を選択している場合、
図16に示すように、携帯端末3の表示部は、商品ABCの詳細情報として表示されている小麦を下線表示などで強調表示することができる。
【0076】
商品ABCに関する上記の説明は、商品DEFと、商品LMNにもあてはまる。つまり、購入した商品DEFに対して、商品DEFが△△国生産である旨(符号1602)を表示することができる。このような表示が実現されるのは、詳細情報DB(D2)(
図7)の、商品DEFに対応するレコードの「生産国」欄に△△国が含まれており、かつ、表示項目設定画面(
図11)において、顧客が生産国1102のチェックボックス1106にて「ON」を選択したことで、顧客情報DB(D3)(
図8)の「表示項目」欄には△△国が含まれているからである。
【0077】
また、購入した商品LMNに対して、商品LMNにブタが含まれている旨(符号1603)を表示することができる。このような表示が実現されるのは、詳細情報DB(D2)(
図7)の、商品LMNに対応するレコードの「原材料」欄にブタが含まれており、かつ、表示項目設定画面(
図11)において、顧客が原材料1101のチェックボックス1106にて「ON」を選択したことで、顧客情報DB(D3)(
図8)の「表示項目」欄には原材料全部、という値が含まれているからである。購入した商品の原材料にブタが含まれているという情報は、ブタ由来の食品を摂取することが宗教上禁じられている顧客にとっては重宝する。
なお、表示項目設定画面(
図11)において、顧客が原材料としてブタのみを表示項目として選択することができ、顧客情報DB(D3)(
図8)の「表示項目」欄に、原材料としてブタのみが含まれていた場合であっても、商品LMNに対して同様の詳細情報を表示することができる。
【0078】
詳細情報画面(1)を見た顧客は、2次元展開された詳細情報を取得することで、購入商品を今後購入すべきか否かを、電子レシートを介して、判断することができる。
【0079】
なお、
図16の詳細情報画面(1)の商品IJKには、詳細情報が表示されていない。詳細情報DB(D2)(
図7)の、商品IJKに対応するレコードの各欄に所定の値が格納されていたとしても、表示項目設定画面(
図11)において、顧客が、詳細情報DB(D2)に格納されている値に対応する表示項目のチェックボックス1106にて「OFF」を選択したことで、顧客情報DB(D3)(
図8)の「表示項目」欄に、対応の値が含まれていないからである。このように、顧客は詳細情報の表示を所望しない表示項目については、表示項目設定画面(
図11)に表示させないことで、顧客にとって不要な情報に対する顧客の判断を省略させることができる。
【0080】
〔具体例2〕
図17は、携帯端末が表示する詳細情報画面(2)の例である。詳細情報画面(2)は、詳細情報を対応の購入商品に対して別レイヤ表示をしたときの画面である。詳細情報画面(2)は、レシート詳細画面(
図12)に対して、別レイヤ表示した詳細情報を対応の購入商品に付随させた画面に相当する。詳細情報画面(2)は、表示形式設定画面(
図12)にて、顧客が別レイヤ表示1021bをタップして選択することで表示される。なお、詳細情報画面(2)では、商品項目が記述されている領域を第1のレイヤとし、詳細情報が記述されている領域を第2のレイヤとし、第2のレイヤが第1のレイヤに載せられるように表示されている。
【0081】
図17に示すように、詳細情報画面(2)には、購入した商品ABCに対して、商品ABCの栄養成分の詳細(符号1701)が詳細情報として表示されている。このような表示が実現されるのは、表示項目設定画面(
図11)において、顧客が栄養成分の表示小項目(1104a、1104b、・・・)の少なくとも1つのチェックボックス1106にて「ON」を選択したことで、顧客情報DB(D3)(
図8)の「表示項目」欄には、選択された栄養成分の値(
図17の例によれば、熱量、たんぱく質、脂質など)が含まれることになったからである。
【0082】
詳細情報画面(2)を見た顧客は、別レイヤで表示された詳細情報を取得することで、購入商品を今後購入すべきか否かを、電子レシートを介して、判断することができる。
【0083】
具体例を取り上げて説明した、購入商品の詳細情報は、顧客が所望する情報であっても、店舗側が知ることはできない。従来の電子レシートの記載内容は、店舗側で決定したものであり、顧客は、電子レシートを利用しても店舗側が提供する情報を一方的に受け取ることしかできなかった。このため、顧客が所望する情報が電子レシートに含まれていないときはなす術がなかった。
【0084】
しかし、本実施形態の電子レシートシステムによれば、購入商品に関して顧客が所望する詳細情報を、電子レシートに付加して表示させることができる。また、商品の詳細情報については、一般的には、商品のメーカ側が、商品の包装などに記載して、顧客に注意喚起している。本実施形態の電子レシートシステムによれば、店舗での商品購入時に発行される電子レシートに購入商品の詳細情報を付加することで、店舗側で、購入商品について顧客への注意喚起を行うことができる。このため、顧客は、一度購入した商品に対して次回以降も購入してもよいか否かの判断を確実に行うことができる。その結果、顧客にとっての電子レシートの利便性を向上させることができる。
【0085】
また、携帯端末3が表示項目設定画面(
図11)を表示し、表示項目設定部31は、顧客が所望する表示項目を都度設定することができる。このため、顧客が設定する表示項目が設定の度に切り替わったとしても、電子レシートの商品項目に対する詳細情報の表示項目を切り替えて表示することができる。
【0086】
また、携帯端末3が表示形式設定画面(
図12)を表示し、項目表示制御部32は、顧客が所望する、詳細情報の表示形式を都度設定することができる。このため、顧客が設定する表示形式が設定の度に切り替わったとしても、電子レシートの商品項目に対する詳細情報の表示項目の表示形式を切り替えて表示することができる。このとき、項目表示制御部32は、詳細情報の表示項目を初期表示させるか否かも設定することができる。このため、顧客は、携帯端末3のような画面の表示領域のサイズを考慮して、詳細情報の表示項目を初期表示の内容を決定することができる。
【0087】
また、紙のレシートでは、紙面のサイズの都合上、購入商品の商品明細情報など以外の情報を記載することは容易ではないが、電子レシートであれば、購入商品の商品明細情報以外の情報として、購入商品の詳細情報を所望の表示態様で自在に記載することができる。
【0088】
〔変形例〕
(1):本実施形態の取得部11、レシート発行部12、顧客判定部13、電子レシートDB(D1)、詳細情報DB(D2)、顧客情報DB(D3)は、サーバ1が備える機能部として説明した。しかし、これらの機能部の少なくとも1つをPOS端末2や携帯端末3が備えるようにして、本実施形態の電子レシートシステムを構成してもよい。このように構成された電子レシートシステムは、本発明のレシート処理装置に相当する。
【0089】
(2):レシート発行処理(
図15)において、レシート発行部12は、レシート参照要求から特定される商品の詳細情報を詳細情報DB(D2)から取得する際(ステップS4)、その詳細情報を構成する表示項目の値のすべてを取得した後(ステップS5)、携帯端末3の表示項目設定部31が設定した表示項目の値のみを抽出して、抽出した値を電子レシートに付加してもよい(ステップS6)。また、レシート発行部12は、購入した商品の詳細情報を構成する表示項目の値のうち、携帯端末3の表示項目設定部31が設定した表示項目の値のみを、詳細情報DB(D2)から抽出して取得した後(ステップS5)、取得した表示項目の値のすべてを電子レシートに付加してもよい(ステップS6)。
【0090】
(3):本実施形態は、電子レシートに、購入商品の詳細情報を付加する技術について説明したが、紙のレシートに詳細情報を付加してもよい。例えば、商品販売取引の処理を行ったPOS端末2は、顧客が購入した商品に付した商品IDをサーバ1の取得部11に送信する。取得部11は、受信した商品IDに対応する詳細情報を詳細情報DB(D2)から取得して、POS端末2に送信する。よって、POS端末2のプリンタ2hは、顧客が購入した商品について、対応の詳細情報を付加した紙のレシートを発行することができ、POS端末2は、顧客に詳細情報を提供することができる。
【0091】
(4):本実施形態の電子レシートシステムにおいて、サーバ1が有する機能部の一部または全部を、POS端末2および携帯端末3の少なくともに備えるようにし、NFC(Near Field Communication)によってPOS端末2および携帯端末3の間で電子レシートのやり取りをしてもよい。
【0092】
本実施形態で説明した種々の技術を適宜組み合わせた技術を実現することもできる。本実施形態で説明したソフトウェアをハードウェアとして実現することもでき、ハードウェアをソフトウェアとして実現することもできる。その他、ハードウェア、ソフトウェア、フローチャートなどについて、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0093】
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
電子レシートを発行するレシート処理装置であって、
顧客が購入した商品に関する商品名及び金額の商品明細情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した商品明細情報を購入商品の商品項目と対応付けて電子レシートとして発行する際は、その購入商品の詳細情報を構成する表示項目のうち顧客が予め設定した表示項目を付加した電子レシートを発行するレシート発行手段と、
を備えたことを特徴とするレシート処理装置。
<請求項2>
前記レシート発行手段は、
前記商品明細情報が、前記顧客の携帯端末に表示される第1のレイヤと、
前記購入商品について前記電子レシートに付加された表示項目が、前記携帯端末に表示される第2のレイヤと、を有するように前記電子レシートを発行する、
ことを特徴とする請求項1に記載のレシート処理装置。
<請求項3>
前記レシート発行手段は、
前記商品明細情報が前記顧客の携帯端末に表示される画面にて、前記電子レシートに付加された表示項目が、対応する購入商品に付随して展開表示されるように前記電子レシートを発行する、
ことを特徴とする請求項1に記載のレシート処理装置。
<請求項4>
前記レシート発行手段は、
前記電子レシートに付加された表示項目が、前記携帯端末にて初期表示されるように、または、初期表示されないように前記電子レシートを発行する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレシート処理装置。
<請求項5>
顧客が購入した商品に関する商品名及び金額の商品明細情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した商品明細情報を購入商品の商品項目と対応付けて電子レシートとして発行する際は、その購入商品の詳細情報を構成する表示項目のうち顧客が予め設定した表示項目を付加した電子レシートを発行するレシート発行ステップと、
を有したことを特徴とするレシート処理方法。