(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
図1は実施形態に係る異物検査装置1の正面図である。
図1に示される異物検査装置1は、被検査物に含まれる異物を検出する装置である。被検査物は例えば食品である。異物検査装置1は、その内部において被検査物を搬送しつつX線検査及び金属検出を行い、被検査物に異物が含まれるか否かを検査する。
【0016】
X線検査は、X線の透過性を利用して被検査物に含まれる異物を検出する手法であり、X線検査部2(
図2参照)によって実現される。X線検査では、被検査物とは異なるX線透過性を有する異物を検出することができる。一方、金属検出は、磁界と金属との相互作用を利用して被検査物に含まれる異物を検出する手法であり、金属検出部3(
図2参照)によって実現される。金属検出では金属異物を検出することができる。X線検査部2及び金属検出部3の詳細については後述する。
【0017】
異物検査装置1は、その内部に空間が画成された筐体4を有する。筐体4は、X線検査部2及び金属検出部3を内部に収容する。筐体4は、X線検査部2により発生されるX線を遮蔽し、X線の外部漏洩を抑制する。筐体4は、例えばステンレスなどで形成される。
【0018】
筐体4は、本実施形態では箱状を呈している。筐体4の左側面には、筐体4の内部に連通する開口部4aが形成されている。同様に、筐体4の右側面には、筐体4の内部に連通する開口部4bが形成されている。本実施形態では、被検査物は、開口部4aから筐体4の内部へ搬入されて検査が行われ、開口部4bから筐体4の外部へ搬出される。つまり、開口部4aが被検査物の搬入口となり、開口部4bが被検査物の搬出口となる。
【0019】
筐体4の前面には、筐体4を開閉する上部扉40及び下部扉41が設けられている。上部扉40及び下部扉41は、例えば開き戸構造である。上部扉40又は下部扉41が開閉されることで、後述するX線検査部2及び金属検出部3の少なくとも一部が外部に露出される。上部扉40及び下部扉41は、例えばステンレスなどで形成される。
【0020】
上部扉40の前面には、ディスプレイ5及び操作スイッチ6が設けられている。ディスプレイ5は、表示機能と入力機能を兼ね備えた表示装置であり、例えばタッチパネルである。ディスプレイ5は、X線検査及び金属検出の結果などを表示するとともに、金属検出及びX線検査に関する各種パラメータの設定を行う操作画面を表示する。操作スイッチ6は、X線検査部2及び金属検出部3の電源スイッチなどである。
【0021】
筐体4は、支持台7によって支持されている。筐体4の上面には、報知部8及びクーラー9が設けられている。報知部8は、異物混入や機器の作動状態を報知する。報知部8は、X線検査部2に対応する第1報知器81、及び金属検出部3に対応する第2報知器82を備えている。クーラー9は、筐体4の内部に冷気を送り、筐体4の内部に配置された機器の温度を調整する。
【0022】
図2は、
図1に示される異物検査装置1の内部構成及び制御系を説明する概念図である。
図2に示されるように、筐体4の内部は、後述するX線発生器の一部や構成要素の制御基板などが配置される基板室T1と、被検査物Sが搬入されて検査が行われる検査室T2とに区画されている。基板室T1は、上述したクーラー9によって温度調整されている。
【0023】
検査室T2には、被検査物Sを搬送するコンベヤ(搬送部)10が配置されている。コンベヤ10は、本実施形態ではローラ式のベルトコンベヤであり、一端部が開口部4aに位置し且つ他端部が開口部4bに位置した状態で、筐体4の内部を水平方向に延在している。つまり、筐体4は、コンベヤ10のうち一端部及び他端部を除く部分を内部に収容している。本実施形態のコンベヤ10は、開口部4aを介して被検査物Sを筐体4の内部に搬入し、開口部4bを介して被検査物Sを筐体4の外部に搬出する。
【0024】
開口部4aには、X線遮蔽カーテン42が配置されている。同様に、開口部4bには、X線遮蔽カーテン43が配置されている。X線遮蔽カーテン42,43は、上端が筐体4に対する固定端であり且つ下端が自由端である。X線遮蔽カーテン42,43は、X線検査部2が発生したX線を遮蔽し、X線の外部漏洩を抑制する。X線遮蔽カーテン42,43は、例えばタングステンを含有する可撓性材料などにより形成される。なお、被検査物Sの搬入及び搬出を自動化すべく、コンベヤ10の右側に搬入用コンベヤ11を配置し、コンベヤ10の左側に搬出用コンベヤ12を配置してもよい。また、搬出用コンベヤ12が、被検査物Sの振分機能を備えていてもよい。
【0025】
検査室T2には、被検査物Sを通過させるための貫通穴31aが形成された筒状のケース31が配置されている。コンベヤ10は、貫通穴31aを介してケース31を貫通している。被検査物Sは、コンベヤ10によってケース31の貫通穴31aを通過し、ケース31においてX線検査及び金属検出が順次実行される。ケース31は、例えばステンレスなどで形成される。
【0026】
最初に、X線検査を行うX線検査部2について説明する。X線検査部2は、X線検査制御部20、X線発生器21、X線検出器22、基板ケース(ケース)23、及びカバー24(
図6参照)を備える。X線発生器21は、X線を発生するX線源、及びスリット機構を含む。X線検出器22は、X線発生器21で発生したX線を検出する。X線発生器21及びX線検出器22は、コンベヤ10及びケース31を上下方向から挟むように対向配置されている。なお、X線発生器21のうち、X線源などは基板室T1に配置され、X線を照射する機構が検査室T2に配置されている。X線検出器22としては、例えば複数のX線検出センサ22a(
図5参照)を並設したラインセンサが用いられる。X線検出器22は、X線漏洩を低減させるために、基板ケース23に収容されている。基板ケース23には、X線検出器22へX線を到達させるために、スリット23a(
図4参照)が設けられている。X線検出器22が基板ケース23に収容されている構成、及びカバー24の詳細については後述する。
【0027】
X線検査制御部20は、外部との信号の入出力などを行う入出力インターフェースI/O、処理を行うためのプログラムおよび情報などが記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(RandomAccess Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶媒体、CPU(Central Processing Unit)、及び通信回路などを有する。X線検査制御部20は、CPUが出力する信号に基づいて、入力データをRAMに記憶し、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行することで、後述する機能を実現する。
【0028】
X線検査制御部20は、基板室T1に配置され、X線発生器21及びX線検出器22に接続されている。X線検査制御部20は、ディスプレイ5に接続され、操作画面を介して作業員から操作情報を受け付ける。X線検査制御部20は、操作情報に基づいてX線発生器21及びX線検出器22の動作プロファイルを設定するとともに、X線発生器21及びX線検出器22の動作を制御する。X線検査制御部20は、X線発生器21及びX線検出器22よりも上流側に配置されたレーザセンサ25を用いて被検査物Sを検出した場合、当該被検査物Sの検査を開始する。X線検査制御部20は、X線発生器21を制御して、コンベヤ10によって搬送されている被検査物SにX線を照射させる。X線検出器22は、被検査物Sを透過したX線のX線透過量を計測し、計測したX線透過量をX線検査制御部20へ出力する。
【0029】
X線検査制御部20は、時系列で取得したX線透過量を画素値に反映させたX線透過画像を生成する。そして、X線検査制御部20は、画像処理技術によりX線透過画像を解析して、異物を検出する。例えば、X線検査制御部20は、X線透過画像の画素値に基づいて、被検査物Sの基準透過率との差が所定値以上となる画像領域が存在するか否かを判定する。そして、X線検査制御部20は、被検査物Sの基準透過率との差が所定値以上となる画像領域が存在する場合には、異物を検出したと判定する。
【0030】
X線検査制御部20は、作業員からの要求に応じて、X線検査の結果データをディスプレイ5に表示させたり、記憶部に結果データを記憶したりする。また、X線検査制御部20は、X線発生器21及びX線検出器22が正常に作動している場合、第1報知器81を用いてX線検査に係る機器が作動中である旨を作業員に報知する。さらに、X線検査制御部20は、異物を検出したと判定した場合、第1報知器81を用いて異物を検知した旨を作業員に報知する。
【0031】
図3は、
図2のX線検査部2及び金属検出部3の主要構成の説明図である。
図4は、
図2のX線検査部2及び金属検出部3の主要構成の斜視図である。
図3及び
図4に示されるように、ケース31は、本体部32、第1フード部33、及び第2フード部34を有する。第1フード部33は、本体部32に対して開口部4a側(搬入口側)に設けられている。第2フード部34は、本体部32に対して開口部4b側(搬出口側)に設けられている。上述したケース31の貫通穴31aは、本体部32、第1フード部33、及び第2フード部34それぞれの内壁によって画成されている。
【0032】
第1フード部33の上面には、X線を通過させるX線通過スリット33aがX線発生器21の下方に位置するように形成されている。第1フード部33の下面には、X線を通過させるX線通過スリット33bがX線通過スリット33aと対向するように形成されている。X線通過スリット33bの下方には、X線検出器22が配置される。このように構成することで、X線発生器21が発生したX線21aは、X線通過スリット33a,33bを通過し、ケース31の内部を搬送されている被検査物Sに照射される。なお、第1フード部33の側面において、X線通過スリット33a,33bよりも下流側(本体部32側)にはスリット33cが設けられている。スリット33cには、レーザセンサ38が配置される。レーザセンサ38は、スリット33cを介してコンベヤ10上の被検査物Sにレーザを照射する。
【0033】
次に、金属検出を行う金属検出部3について説明する。金属検出部3は、金属検出制御部30、サーチコイルである環状の送信コイル35、及びサーチコイルである環状の受信コイル36,37を備える。送信コイル35及び受信コイル36,37は、金属などの導電性材料で形成され、ケース31の本体部32の内部に配置されている。送信コイル35及び受信コイル36,37は、貫通穴31aの延在方向と同軸に配置されている。つまり、送信コイル35及び受信コイル36,37は、貫通穴31aを囲むように配置されている。これにより、被検査物Sは、コンベヤ10によって送信コイル35及び受信コイル36,37を通過する。
【0034】
送信コイル35は、受信コイル36と受信コイル37との間に配置されている。受信コイル36,37は、互いに差動接続されるとともに送信コイル35に対して対称に配置されている。2つの受信コイル36,37は、同一の鎖交磁束を有する。送信コイル35は、通電可能に構成されており、磁束を発生する。受信コイル36,37それぞれには、送信コイル35が発生した磁界の電磁誘導によって電圧が励起する。なお、第1フード部33及び第2フード部34は、送信コイル35が発生した磁界の外部漏洩と外来磁界の進入を遮蔽する。
【0035】
金属検出制御部30は、外部との信号の入出力などを行う入出力インターフェースI/O、処理を行うためのプログラムおよび情報などが記憶されたROM、データを一時的に記憶するRAM、HDDなどの記憶媒体、CPU、及び通信回路などを有する。金属検出制御部30は、CPUが出力する信号に基づいて、入力データをRAMに記憶し、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行することで、後述する機能を実現する。
【0036】
金属検出制御部30は、基板室T1に配置されるとともにX線検査制御部20に接続され、X線検査制御部20を介してディスプレイ5の操作画面に入力された作業員からの操作情報を受け付ける。金属検出制御部30は、操作情報に基づいて送信コイル35及び受信コイル36,37の動作プロファイルを設定する。金属検出制御部30は、送信コイル35及び受信コイル36,37よりも上流側に配置されたレーザセンサ38を用いて被検査物Sを検出した場合、当該被検査物Sの金属検出を開始する。
【0037】
金属検出制御部30は、送信コイル35へ交番励磁電流を供給し、磁束を発生させる。送信コイル35によって発生された磁束は、2つの受信コイル36,37を貫通し、電磁誘導によって受信コイル36,37それぞれに電圧が励起される。金属検出制御部30は、受信コイル36,37の差動接続の出力電圧を取得して、金属検出の判定を行う。金属検出制御部30は、差動接続の出力電圧が0のときは、金属異物を検出していないと判定する。一方、金属検出制御部30は、差動接続の出力電圧が0でないときは、金属異物を検出したと判定する。
【0038】
金属検出制御部30は、作業員からの要求に応じて、金属検出の結果データをディスプレイ5に表示させたり、記憶部に結果データを記憶したりする。また、金属検出制御部30は、送信コイル35及び受信コイル36,37が正常に作動している場合、第2報知器82を用いて金属検出に係る機器が作動中である旨を作業員に報知する。さらに、金属検出制御部30は、異物を検出したと判定した場合、第2報知器82を用いて異物を検知した旨を作業員に報知する。なお、ケース31は、耐振特性向上の目的で防振台39(防振台39a,39b)により保持されていてもよい。
【0039】
上述したX線検査部2及び金属検出部3は、それぞれ独立に作動可能に構成されている。つまり、異物検査装置1は、X線検査及び金属検出の両方を行うだけでなく、X線検査及び金属検出の何れか一方を実行することもできる。上述のとおり、本実施形態では、X線検査部2がディスプレイ5の表示制御を行うため、X線検査部2が停止している場合には、ディスプレイ5に金属検出部3の操作画面が表示されない。このため、筐体4の内部には、金属検出部3に接続されたサブディスプレイ(不図示)が配置されている。金属検出部3は、X線検査部2が停止している場合には、サブディスプレイを介して操作情報を受け付け、サブディスプレイに結果データなどを表示する。
【0040】
次に、X線検出器22周りの構成の詳細について
図5及び
図6を用いて説明する。なお、
図5において、カバー24は図示が省略されている。
図5に示すように、基板ケース23は、ケース本体部23bと、蓋部23cとを備えている。ケース本体部23bは、略箱状に形成されると共に、一面に開口部23dを有している。X線検出器22は、開口部23dを介してケース本体部23b内に収容される。ケース本体部23bの上面には、上述したスリット23aが設けられている。スリット23aは、X線通過スリット33a,33bの延在方向に沿って延びている。蓋部23cは、ケース本体部23bの開口部23dを覆う。ケース本体部23bと蓋部23cとは、ビスを用いるなど、種々の方法によって接合されている。基板ケース23(ケース本体部23b、蓋部23c)は、例えばステンレスなどで形成される。基板ケース23は、金属検出部3で発生した磁気ノイズがX線検出器22のセンサ機能に影響を与えることを低減している。
【0041】
X線検出器22は、複数のX線検出センサ22aと、X線検出センサ22aが取り付けられる基板22bとを備えている。X線検出センサ22aは、スリット23aの延在方向に沿って並べて配置されている。基板22bは、基板22b又は蓋部23cに固定されている。基板22bには、図示しないケーブルの一端が接続されている。基板22bに接続されたケーブルの他端は、基板ケース23に設けられた図示しない孔を介してX線検査制御部20に接続されている。
【0042】
図6に示すように、カバー24は、基板ケース23のスリット23aを覆っている。本実施形態においてカバー24は、基板ケース23の外側に設けられている。また、カバー24は、基板ケース23の外面全体を覆っている。すなわち、カバー24は、スリット23aを基板ケース23の外側から覆っている。カバー24は、基板ケース23よりもX線の透過率が高い。また、カバー24は、導電性を有する材料によって形成されている。カバー24は、基板ケース23の外面に両面テープなどで貼り付けられることによって基板ケース23に固定されていてもよい。
【0043】
カバー24は、基板ケース23よりもX線の透過率が高ければ、アルミニウムを主成分とする金属によって形成されていてもよい。カバー24は、基板ケース23よりもX線の透過率が高ければ、アルミニウム以外にも、銅、
又はX線の吸収が少ない金属(例えば軽金属など
)によって形成されていてもよい。また、基板ケース23よりもカバー24のX線の透過率が高ければ、基板ケース23の材料とカバー24の材料とが異なっていてもよく、基板ケース23の材料とカバー24の材料とが同じであってもよい。基板ケース23とカバー24とを同じ材料によって形成する場合、例えば、基板ケース23よりもカバー24の厚さを薄くすることによって、基板ケース23よりもカバー24のX線の透過率を高くしてもよい。
【0044】
本実施形態は以上のように構成され、X線検出器22を収容する基板ケース23のスリット23aは、カバー24によって覆われている。このカバー24は、基板ケース23よりもX線の透過率が高く且つ導電性を有している。これにより、金属検出部3で用いられる磁界が基板ケース23のスリット23aを介してX線検出器22に直接影響を与えることを抑制できる。このように、金属検出部3で用いられる磁界がX線検出器22に与える影響を抑制できるので、異物検査装置1は、X線検査部2での検出精度の低下を抑制できる。
【0045】
また、カバー24におけるX線の透過率は、基板ケース23におけるX線の透過率よりも高い。このため、スリット23aがカバー24で覆われていても、基板ケース23で覆われている部分に比べて、スリット23a及びカバー24を介して多くのX線をX線検出器22に到達させることができる。
【0046】
カバー24は、基板ケース23の外側に設けられている。これにより、例えば、カバー24を交換する必要が生じた場合など、基板ケース23を開けることなく基板ケース23の外側からカバー24を容易に着脱できる。
【0047】
カバー24は、基板ケース23の外面全体を覆っている。このように、X線検出器22全体がカバー24によって覆われているため、異物検査装置1は、金属検出部3で用いられる磁界がX線検出器22に与える影響を更に抑制できる。
【0048】
なお、カバー24は、アルミニウムを主成分とする金属で形成されていてもよい。この場合には、金属の中で比較的加工が容易なアルミニウムを主成分とする金属を用いて、カバー24を容易に形成できる。
【0049】
(第1変形例)
カバーの第1変形例について説明する。第1変形例に係るカバーは、実施形態におけるカバー24に対して大きさが異なるだけで同じ特性を有している。
図7に示すように本変形例に係るカバー24Aは、基板ケース23の外側に設けられている。また、カバー24Aは、基板ケース23の外側からスリット23aを覆っている。カバー24Aは、スリット23aが設けられている部分及びその周囲のみを覆っている。すなわち、カバー24Aは、実施形態に係るカバー24のように基板ケース23の全体を覆っていない。カバー24Aは、基板ケース23の外面に両面テープなどで貼り付けられることによって基板ケース23に固定されていてもよい。
【0050】
この場合であっても、スリット23aが導電性を有するカバー24Aによって覆われているので、異物検査装置1は、実施形態と同様に、X線検査部2での検出精度の低下を抑制できる。
【0051】
また、基板ケース23の全体をカバーによって覆う場合に比べて、カバー24Aを容易に設置することができる。カバー24Aが基板ケース23の外側に設けられているので、基板ケース23を開けることなく基板ケース23の外側からカバー24Aを容易に着脱できる。
【0052】
(第2変形例)
カバーの第2変形例について説明する。第2変形例に係るカバーは、実施形態におけるカバー24に対して大きさ及び設けられる位置が異なるだけで同じ特性を有している。
図8に示すように本変形例に係るカバー24Bは、基板ケース23の内側に設けられている。また、カバー24Bは、基板ケース23の内面全体を覆っている。すなわち、カバー24Bは、スリット23aを基板ケース23の内側から覆っている。カバー24Bは、基板ケース23の内面に両面テープなどで貼り付けられることによって基板ケース23に固定されていてもよい。また、カバー24Bが基板ケース23の内面全体を覆うことによって、X線検出器22の全体がカバー24によって覆われる。
【0053】
この場合であっても、スリット23aが導電性を有するカバー24Bによって覆われているので、異物検査装置1は、実施形態と同様に、X線検査部2での検出精度の低下を抑制できる。
【0054】
カバー24Bは基板ケース23の内側に設けられている。これにより、例えば、上部扉40を開けて筐体4の内部の清掃を行うときに掃除用具や水がカバー24Bに直接接触しにくくなる。従って、カバー24Bが基板ケース23の外側に設けられている場合に比べて、カバー24Bの耐久性が向上する。
【0055】
カバー24Bは、基板ケース23の内面全体を覆っている。すなわち、X線検出器22全体がカバー24Bによって覆われている。これにより、異物検査装置1は、金属検出部3で用いられる磁界がX線検出器22に与える影響を更に抑制できる。
【0056】
(第3変形例)
カバーの第3変形例について説明する。第3変形例に係るカバーは、実施形態におけるカバー24に対して大きさ及び設けられる位置が異なるだけで同じ特性を有している。
図9に示すように本変形例に係るカバー24Cは、基板ケース23の内側に設けられている。また、カバー24Cは、基板ケース23の内側からスリット23aを覆っている。カバー24Cは、スリット23aが設けられている部分及びその周囲のみを覆っている。すなわち、カバー24Cは、第2変形例に係るカバー24Bのように、基板ケース23の内面全体を覆っていない。カバー24Cは、基板ケース23の内面に両面テープなどで貼り付けられることによって基板ケース23に固定されていてもよい。
【0057】
この場合であっても、スリット23aが導電性を有するカバー24Cによって覆われているので、異物検査装置1は、実施形態と同様に、X線検査部2での検出精度の低下を抑制できる。また、基板ケース23の内面全体をカバーによって覆う場合に比べて、カバー24Cを容易に設置することができる。
【0058】
カバー24Cは基板ケース23の内側に設けられているので、第2変形例に係るカバー24Bと同様に、カバーが基板ケース23の外側に設けられている場合に比べて、カバー24Cの耐久性が向上する。
【0059】
(第4変形例)
カバーの第4変形例について説明する。第4変形例に係るカバーは、実施形態におけるカバー24に対して大きさ及び設けられる位置が異なるだけで同じ特性を有している。
図10に示すように本変形例に係るカバー24Dは、スリット23a内に嵌め込まれている。すなわち、カバー24Dは、スリット23a内に嵌め込まれることによって、スリット23aを覆っている。
【0060】
ここで、カバーによってスリット23aを覆うこととは、
図6及び
図8などに示すようにスリット23aを基板ケース23の外側又は内側からカバーによって覆うこと、及び
図10に示すように、スリット23a内にカバーを配置することを含む。
【0061】
この場合であっても、スリット23aが導電性を有するカバー24Dによって覆われているので、異物検査装置1は、実施形態と同様に、X線検査部2での検出精度の低下を抑制できる。
【0062】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0063】
例えば、基板ケース23の形状、及び、基板ケース23がケース本体部23b及び蓋部23cを備えている構成については、上記で説明した形状及び構成に限定されない。
【0064】
また、上述した実施形態では、被検査物Sを開口部4aから開口部4bへ搬送する例を示したが、搬送方向を逆にしてもよい。この場合、レーザセンサ25を開口部4bと第2フード部34との間に配置し、第2フード部34の側面にスリットを設けてレーザセンサ38を配置すればよい。
【0065】
また、本実施形態では、筐体4の内部にコンベヤ10の一部を配置する例を説明したが、コンベヤ10はその全てが筐体4の内部に収容されていてもよい。