特許第6794306号(P6794306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6794306触媒コンバータユニットおよび排気ガス触媒コンバータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6794306
(24)【登録日】2020年11月13日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】触媒コンバータユニットおよび排気ガス触媒コンバータ
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/28 20060101AFI20201119BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   F01N3/28 301U
   F01N3/28 301W
   B01D53/94 222
   B01D53/94 300
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-67168(P2017-67168)
(22)【出願日】2017年3月30日
(65)【公開番号】特開2017-190774(P2017-190774A)
(43)【公開日】2017年10月19日
【審査請求日】2019年9月9日
(31)【優先権主張番号】10 2016 205 316.7
(32)【優先日】2016年3月31日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510153962
【氏名又は名称】マン・エナジー・ソリューションズ・エスイー
【氏名又は名称原語表記】MAN ENERGY SOLUTIONS SE
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】プラーメン・トシェフ
(72)【発明者】
【氏名】フランシス・ナナ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・デーリング
【審査官】 櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/166076(WO,A1)
【文献】 実開昭56−110829(JP,U)
【文献】 実開昭54−046846(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3058445(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/28
B01D 53/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の触媒コンバータモジュール(11)を備える、排気ガス触媒コンバータのための触媒コンバータユニット(10)であって、
各触媒コンバータモジュール(11)は、排気ガスが流通するセラミック触媒本体(13)と、前記触媒本体(13)のための金属ハウジング(12)と、を備えており、個々の前記触媒本体(13)は、個々の前記金属ハウジング(12)内に受容されており、かつ特定のセクションにおいて前記金属ハウジング(12)によって包囲されており、
前記触媒コンバータユニット(10)は、前記複数の触媒コンバータモジュール(11)のための支持構造(14)を備えており、前記触媒コンバータモジュール(11)は、それらの金属ハウジング(12)を介して前記支持構造(14)に固定されており、
前記支持構造(14)は、各触媒コンバータモジュール(11)を受容するための複数の開口部(16)と、前記開口部(16)に対して突出しておりかつフレーム状に前記開口部(16)を取り囲む突出部(17)と、を有するプレート状の基体(15)を有しており、
前記プレート状の基体(15)から離れる側において、前記突出部(17)はそれぞれ、前記開口部(16)に対して外側へ向けて突出する第1の固定フランジ(18)を形成しており、
前記触媒コンバータモジュール(11)の前記金属ハウジング(12)は、一端において、前記ハウジング(12)に対して外側へ向けて突出するカラー(19)を有しており、前記カラー(19)は、特に触媒コンバータユニット(11)が前記支持構造(14)の開口部(16)内に挿入される場合に、前記開口部(16)を取り囲む前記突出部(17)の前記第1の固定フランジ(18)に対して接触され、
各触媒コンバータモジュール(11)は、個々の前記触媒コンバータモジュール(11)の前記金属ハウジング(12)の前記カラー(19)によって提供される第2の固定フランジ(21)を介してまたは別個の第2の固定フランジ(21a)を介して、かつ前記固定フランジと相互作用する少なくとも1つの取り外し可能な固定手段を介して、個々の前記触媒コンバータモジュール(11)を受容する前記開口部(16)を取り囲む前記突出部(17)の前記第1の固定フランジ(18)に固定されることを特徴とする触媒コンバータユニット。
【請求項2】
各触媒コンバータモジュール(11)は、前記第2の固定フランジ(21,21a)を介してかつ前記固定フランジ(18,21,21a)を通って延在するねじ接続部(22)を介して、個々の前記第1の固定フランジ(18)に固定されることを特徴とする請求項1に記載の触媒コンバータユニット。
【請求項3】
前記第1の固定フランジ(18)および前記第2の固定フランジ(21,21a)は、前記ねじ接続部(22)を受容しかつガイドするための、外側へ向けて突出するセグメント(23,24)を備えており、
これらのセグメント(23,24)は、一側において、挿入スロット(25,26)を有しており、
前記挿入スロット(25,26)を介して、ねじ(22a)と前記ねじ(22a)に予め組み付けられたナット(22b)とからなる個々の前記ねじ接続部(22)が、前記固定フランジ(18,21,21a)の前記セグメント(23,24)において横方向に挿入可能であることを特徴とする請求項2に記載の触媒コンバータユニット。
【請求項4】
前記挿入スロット(25,26)は、前記セグメント(23,24)のうち前記触媒コンバータモジュール(11)から離れて面する側に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の触媒コンバータユニット。
【請求項5】
前記開口部(16)をフレーム状に取り囲む前記突出部(17)には、前記ナット(22b)のためのホルダ(27)が形成されており、
前記ホルダ(27)によって、前記ナット(22b)は、前記セグメント(23,24)の挿入スロット(25,26)にねじ(22a)と予め組み付けられたナット(22b)とからなる前記ねじ接続部(22)を挿入する間または挿入した後に係合状態にもたらされ、前記ホルダ(27)は、前記ねじ接続部(22)を締め付ける際に前記ナット(22b)を固定することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の触媒コンバータユニット。
【請求項6】
互いに直接隣接する触媒コンバータモジュール(11)の領域において、前記固定フランジ(18,21,21a)の前記セグメント(23,24)は、互いに対してずらされていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の触媒コンバータユニット。
【請求項7】
各触媒コンバータモジュール(11)は、前記第2の固定フランジ(21,21a)を介して、かつ前記固定フランジ(18,21,21a)と相互作用するVクランプ(28)またはクランプを介して、個々の前記第1の固定フランジ(18)に固定されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の触媒コンバータユニット。
【請求項8】
前記触媒コンバータモジュール(11)は、断面が円形の触媒コンバータ本体(13)と、断面が円形の金属ハウジング(12)とを有しており、
前記支持構造(14)の前記開口部(16)および前記突出部(17)は、断面が円形であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の触媒コンバータユニット。
【請求項9】
前記触媒コンバータモジュール(11)は、断面に角がある触媒コンバータ本体(13)と、断面に角がある金属ハウジング(12)とを有しており、
前記支持構造(14)の前記開口部(16)および前記突出部(17)は、断面に角があることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の触媒コンバータユニット。
【請求項10】
複数の触媒コンバータモジュールの前記固定フランジ(21a)は組み合わせられていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の触媒コンバータユニット。
【請求項11】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の触媒コンバータユニット(10)を複数有する排気ガス触媒コンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲の請求項1のプリアンブルに基づく触媒コンバータユニットに関するものである。本発明はさらに排気ガス触媒コンバータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
排気ガス触媒コンバータのための触媒コンバータユニットは、複数の触媒コンバータモジュールを備える。各触媒コンバータモジュールは、排気ガスが流動するセラミック触媒本体と、セラミック触媒本体のための金属ハウジングとを備えており、ハウジングは、キャニングとも称される。それぞれの触媒コンバータモジュールのハウジングは、それぞれの触媒本体を受容し、かつ特定のセクションにおいてつまり触媒本体の流動端を除いて、触媒本体を取り囲む。各触媒本体の端部のうち、一方の流動端が流入端を提供し、他方の流動端が流出端を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
慣習的に公知となっている触媒コンバータユニットの場合、触媒コンバータモジュールは、複数のラインおよびギャップを伴う形態で支持構造上にアレイ状に配置されており、それらの金属ハウジングの領域内で触媒コンバータモジュールは支持構造にしっかりと接続されており、かつ/または特に溶接によって相互に結合されている。特に触媒コンバータユニットにおいて触媒コンバータモジュールを交換する必要があった場合、これら溶接された接続部は例えば砥石切断によって分離しなければならず、その結果、支持構造および/または隣接する触媒コンバータモジュールが損傷されることがあった。さらに、隣接する触媒コンバータモジュールを溶接によって接続することは、ハウジングの断面が矩形状である場合にのみ実際に利用できる。そのため、触媒コンバータモジュールをそのハウジングの形状に関係なく容易に交換することができるような触媒コンバータのための触媒コンバータユニットが必要とされている。これを起点として、本発明は、排気ガス触媒コンバータのための新しいタイプの触媒コンバータユニットおよびそうした触媒コンバータユニットを有する排気ガス触媒コンバータを提供するという目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、本願の請求項1に記載の触媒コンバータユニットによって達成される。
【0005】
本発明によれば、触媒コンバータモジュールを受容するように機能する支持構造は、個々の触媒コンバータモジュールをそれぞれ受容するための複数の開口部と、プレート状の基体に対して突出する突出部とを有しており、突出部は、フレーム状に開口部を取り囲んでおり、突出部は、プレート状の基体とは反対側の側において、開口部に対して外側に突出する第1の固定フランジを形成する。触媒コンバータモジュールの金属ハウジングは一端においてカラーを備えており、当該カラーは、ハウジングに対して外側に突出しており、特に触媒コンバータモジュールが支持構造の開口部に挿入された場合にこの開口部を取り囲む第1の固定フランジに隣接する。各触媒コンバータモジュールは、個々の触媒コンバータモジュールの金属ハウジングのカラーによって提供される第2の固定フランジを介してまたは第2の別個の固定フランジを介してかつ固定フランジと相互作用する少なくとも1つの取り外し可能な固定手段を介して、個々の触媒コンバータモジュールを受容する開口部を取り囲む突出部の第1の固定フランジに固定される。
【0006】
本発明は、触媒コンバータモジュールを触媒コンバータユニットの支持構造に固定することに関して大きな利点を提案する。支持構造の開口部をフレーム状に取り囲む支持構造の突出部は第1の固定フランジを形成する。開口部に挿入される触媒コンバータモジュールのハウジングは、個々のハウジングのカラーによって、これらの第1の固定フランジに接触する。
【0007】
このカラーによって一体的に提供される第2の固定フランジまたは別個の第2の固定フランジは、個々の開口部をフレーム状に取り囲む突出部の第1の固定フランジとともに、つまり固定フランジと相互作用する固定手段を介して、触媒コンバータモジュールを支持構造に取り外し可能に固定するよう機能する。高い充填密度を提供することで、複数の触媒コンバータモジュールを、触媒コンバータユニットの支持構造に容易に交換できるように取り付けることができる。
【0008】
有利な更なる展開例によれば、各触媒コンバータモジュールは、第2の固定フランジを介して、かつ固定フランジを通って延在するねじ接続部を介して、個々の第1の固定フランジに固定される。固定フランジと相互作用するねじ接続部を介して触媒コンバータモジュールを支持構造に接続することは、簡単であり、そのため好ましい。
【0009】
さらに有利な別の展開例によれば、第1の固定フランジおよび第2の固定フランジは、ねじ接続部を受容しかつガイドするために外側に突出するセグメントを備えており、これらのセグメントは一側において挿入スロットを備えており、当該挿入スロットを介して、ねじと当該ねじに予め組み付けられたナットとからなる個々のねじ接続部を固定フランジのセグメントに横方向に挿入することができる。この方法によって、触媒コンバータモジュールを触媒コンバータユニットの支持構造に特に有利に固定することが可能となる。予め組み付けられたナットを有するねじは、固定フランジのセグメントの挿入スロット内に横方向に挿入可能である。この方法によって、空間が狭い状況でも、触媒コンバータモジュールを支持構造に容易にかつしっかりと固定することができる。特に、アクセスが難しい支持構造の隣接する突出部同士の間の領域で、ねじにゆるんだナットを別々に固定する必要がない。
【0010】
優先的には、ナットのためのホルダが、フレーム状に開口部を取り囲む突出部に形成されており、当該ホルダによって、ナットは、ねじと予め組み付けられたナットとからなるねじ接続部をセグメントの挿入スロットに挿入する間またはその後に係合状態にもたらされ、かつホルダは、ねじ接続部が締め付けられた際にナットを固定する。これは、ねじ接続部を締め付けるときに、アクセスが困難なナットにアクセスする必要がなくなるという利点を有する。個々のねじ接続部のナットは、ねじ接続部を簡単に締め付けることができるように、ホルダに自動的に固定される。
【0011】
本発明による排気ガス触媒コンバータは、特許請求の範囲の請求項10で規定される。
【0012】
本発明の好ましいさらなる発展形態は特許請求の範囲に記載の従属請求項および以下の説明から得られる。本発明の例示的な実施形態は図面を用いてより詳細に説明されるが、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明による排気ガス触媒コンバータのための第1の触媒コンバータユニットの分解斜視図である。
図2図1の触媒コンバータユニットの詳細図である。
図3図2の詳細の代替例を示す図である。
図4図2および図3の詳細のさらなる代替例を示す図である。
図5】本発明による排気ガス触媒コンバータのための第2の触媒コンバータユニットの分解斜視図である。
図6図5の触媒コンバータユニットの詳細図である。
図7図6の詳細の代替例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、内燃機関の排気ガス触媒コンバータのための触媒コンバータユニットおよび排気ガス触媒コンバータに関するものである。
【0015】
優先的には、本発明は、船舶または海事の用途のための内燃機関に使用される。特に、本発明による触媒コンバータユニットは、船舶のディーゼルエンジンのSCR排気ガス触媒コンバータのためのSCR触媒コンバータユニットとして設計されている。
【0016】
本発明による触媒コンバータユニット10は、複数の触媒コンバータモジュール11を備える。各触媒コンバータモジュール11は、セラミック触媒本体13を収容する金属ハウジング12を含む。金属ハウジング12およびセラミック触媒コンバータ本体13は、図1から図4においては矩形状の断面を有し、図5から図7では円形の断面を有する。これらのハウジング12は、個々のセラミック触媒本体13をその外側における特定の領域で包囲する。キャニングとも称されるハウジング12は、それぞれの触媒コンバータモジュール11の流入端および流出端を形成する両端部において、セラミック触媒本体13を見えるようにする。
【0017】
さらに、触媒コンバータユニット10は、複数の触媒コンバータモジュール11のための金属支持構造14を備えており、この触媒コンバータモジュール11は、その金属ハウジング12を介して支持構造14に固定されている。
【0018】
支持構造14は、複数の開口部16を有するプレート状の基体15を備えており、各開口部16は、触媒コンバータモジュール11を受け入れるように機能する。さらに、支持構造14は、フレーム状の、触媒コンバータモジュール11をその都度受け入れるよう機能する突出部17を備えている。突出部17は、プレート状の基体15から触媒コンバータモジュール11へ向けて、少なくとも片側において、優先的には両側において突出する。これら突出部17は、支持構造14の基体15を補強する。
【0019】
各突出部17は、プレート状の基体15から離れた側において、フレーム状で複数の開口部16のうちの1つを取り囲み、かつ開口部16に対して外側に突出する第1の固定フランジ18を形成する。そのため各突出部17が、支持構造14のプレート状の基体15のクリアランス16の1つをフレーム状に取り囲む場合、突出部17は、基体15に対して突出した端部上で当該基体15から離れた端部において第1の固定フランジ18を備える。この第1の固定フランジ18は、基体15から離れた側で個々のクリアランス16をフレーム状に取り囲む。それぞれの第1の固定フランジ18は優先的には個々の突出部17の一体部分である。
【0020】
触媒コンバータモジュール11の金属ハウジング12は、その端部において、ハウジング12に対して外側に突出するカラー19を備える。そうしたカラー19は、優先的には、触媒コンバータモジュール11のハウジング12の一体部分であり、フランジ加工によって容易に製造できる。
【0021】
特に、触媒コンバータモジュール11が支持構造14のクリアランス16に挿入された場合、触媒コンバータモジュール11のハウジング12に対して外側に突出するこのカラー19は、この開口部16を取り囲む突出部17の個々の第1の固定フランジ18に担持される。とりわけカラー19を有する触媒コンバータモジュール11が突出部17に接触すると、突出部17は、触媒コンバータモジュール11の重量を支え、かつその力を基体15に加える。
【0022】
ここで、第1の固定フランジ18とカラー19とにおけるギャップをシールするために、支持構造14の個々の突出部17の個々の第1の固定フランジ18と個々の触媒コンバータモジュール11のハウジング12のカラー19との間には、優先的に、シール要素20が配置される。
【0023】
各触媒コンバータモジュール11は、個々の触媒コンバータモジュール11の金属ハウジング12のカラー19によって一体的に設けられた第2の固定フランジ21(図2参照)を用いて、あるいは第2の別体の固定フランジ21a(図3参照)を介して、それぞれの触媒コンバータモジュール11を受容する開口16を取り囲む突出部17の第1の固定フランジ18に固定される。
【0024】
別体の第2の固定フランジ21aは再利用できかつ触媒コンバータモジュール11のハウジング12は容易に製造できるため、別体の第2の固定フランジ21aは図3に基づくものが好ましい。加えて、固定フランジ18,21および固定フランジ18,21aのそれぞれと相互作用する取り外し可能な固定手段は、触媒コンバータモジュール11を支持構造14に固定するのに役立つ。
【0025】
触媒コンバータモジュール11の取り外し可能な固定に役立つ固定手段は、優先的にねじ接続部22として実現される。これらねじ接続部22の各々は、ねじ22aと、ねじ22aと相互作用するナット22bとを備える。ねじ接続部22すなわちこのねじ接続部22のねじ22aは、この場合、個々の第1の固定フランジ18と個々の第2の固定フランジ21および21aとを介して、支持構造14に固定された個々の触媒コンバータモジュール11の領域内に延在する。
【0026】
第1の固定フランジ18および第2の固定フランジ21,21aはそれぞれ、外側に突出するセグメント23および24を備える、つまり第1の固定フランジ18に対応するセグメント23と、第2の固定フランジ21,21aに対応するセグメント24とを備えている。いずれの場合においても、セグメント23および24は、ねじ接続部22つまりねじ接続部22のねじ22aを受け入れてガイドする役割を果たし、かつこれに関して、ねじ結合部22のねじ22aをガイドするための通路開口部を備える。各ねじ接続部22は、2つのセグメント、つまり第1の固定フランジ18のセグメント23および第2の固定フランジ21または21aのセグメント24と相互作用する。
【0027】
各ねじ接続部22は、固定フランジ18,21,21aのそれぞれのセグメント23,24の通路開口部を通って、すなわち支持構造14のそれぞれの開口部16における個々の触媒コンバータモジュール11の挿入方向に平行な方向に延在する。
【0028】
外側へ向けて突出する固定フランジ18または21,21aのセグメント23,24は、開口部16から離れる側に面し、ひいては開口部16内に配置されるとともに支持構造14の隣接する突出部17同士の間にある隣接する個々の開口部16同士の間の領域に位置決めされる触媒コンバータモジュール23から離れる側に面する。
【0029】
図2および図3から明らかなように、これらセグメント23,24はそれぞれ、ねじ接続部22をその都度受け入れかつガイドするのに役立つ個々の固定フランジ18,21,21aの外側へ向けて突出しており、挿入スロット25,26が形成される側において開口するよう形成されている。つまりこれらセグメント23,24は、セグメント23,24のこれらの挿入スロット25,26を介して、ねじ22aと当該ねじ22に予め組み付けられたナット22bとからなるねじ接続部22を固定フランジ18または21,21aのセグメント23または24に横方向に挿入することができる、すなわちねじ22aのためのセグメントの通路開口部に挿入できる様式で、形成されている。
【0030】
むしろ、ゆるんだナット22bを個々のねじ22aに固定するために当該ゆるんだナット22bを固定フランジ18,21,21aのセグメント23,24の通路開口部を介して挿入した後、予め組み立てられたねじ接続部22をねじスロット25,26を介して固定フランジ18,21,21aのセグメント23,24内につまりセグメント23,24の通路開口部に横方向に挿入するために、ナット22をねじ22aに予め組み付けることができるようにする必要はない。
【0031】
図2および図3から最もよく理解されるように、これらの挿入スロット25および26は、触媒コンバータモジュール11から離れて面するセグメント23および24の側に形成されている。それによって、ねじ22aと予め組み付けられたナット22bとからなるねじ接続部22は、セグメント23および24の挿入スロット25および25を介して固定フランジ18,21,21aのセグメント23,24内に、個々の開口部16を取り囲む突出部17の対応する部分に垂直な方向において、挿入可能となる。
【0032】
セグメント23,24の挿入スロット25,26へのねじ接続部22の挿入は、支持構造14の個々の開口部16内への個々の触媒コンバータモジュール11の挿入方向に直交する方向において、ひいてはねじ接続部22のための個々のセグメント23,24の通路開口部の延在方向に直交する方向において、実施される。
【0033】
優先的には、挿入スロット25,26を介して挿入される予め組み立てられたねじ接続部22のナット22bのためのホルダ27が、フレーム状に支持構造14のプレート状の基体15の開口部を取り囲む突出部17に形成される。
【0034】
ねじ接続部22のナット22bは、セグメント23,24の挿入スロット25を介してセグメント23および24の通路開口部にねじ22aとナット22bとからなるねじ接続部22を挿入した後にナット22bがホルダ27に回転不能な様式で固定され、その後のねじ接続部22の締結中にナット22bに対する回転軸が不要となる様式で、これらのホルダ27を支持するようになる。このように個々のねじ接続部22のナット22bは、対応するホルダに回転不能な様式で固定されており、そのため各ねじ接続部22のねじ22aを締め付けることによって、各ねじ接続部22を簡単に締め付けることができる。
【0035】
上述のように支持構造14に触媒コンバータモジュール11を固定することは簡単であるだけでなく、さらに、ねじ接続部22を取り外す際にホルダ27から取り外されたナット22bが排気ガスターボチャージャーまたは触媒コンバータユニットを含む内燃機関のエンジンの方向へ向けて自由落下できないようにするとともに落下し得たとしてもナット22が支持構造14のプレート状の基体15によって捕捉されるという利点を有する。このようにして排気ターボチャージャおよびエンジンの損傷を防止できる。上述のように支持構造14に触媒コンバータモジュール11を固定することによるさらなる利点として、ねじ接続部22に側方から容易にアクセスできることも挙げられる。ねじ接続部22をブロックする場合、ねじ接続部22は、ねじ22aの領域において、触媒コンバータモジュール11に損傷を与えるリスクを伴わずに、ブロックされたねじ接続部22を取り外すために役立ち得る。
【0036】
触媒コンバータモジュール11の充填密度をできるだけ高く実現できるようにするために、触媒コンバータモジュール11のための隣接する開口16同士の間の距離は最小限に選択され、対応する固定フランジ18,21,21aおよびカラー19も同様に、シール20のための適切なシール面が保証されるように、受容開口部16から外側に向かって面する広がりが最小となるように実施される。
【0037】
ねじ接続部22を受容してガイドするよう機能するセグメント23,24は、互いに直接隣接する触媒コンバータモジュール11においてあるいは互いに直接隣接する触媒コンバータモジュール11のための受容開口部16において、互いにずれており、そうしたセグメント23,24は互いに直接対向するようには配置されておらず、それゆえ最小限の設置スペースしか必要とされない。これはまた、挿入スロットには容易にアクセスできるため、予め組み立てられたねじ接続部22をセグメント23および24の挿入スロット25,26に挿入する際に利点となる。
【0038】
図4は、触媒コンバータモジュール11を支持構造14上に固定するために、固定フランジ18または21,21aと相互作用するいわゆるVクランプまたはクランプ28が使用された本発明の構成を示す。そうしたVクランプを使用することによって、支持構造14への触媒コンバータモジュール11の組立ておよび支持構造14からの触媒コンバータモジュール11の分解を同様に単純化できる。この場合のVクランプ28の幾何学的輪郭は、フランジ18,21および21aの幾何学的輪郭に順応される。
【0039】
図1から図4に図示される例示的な実施形態では、触媒コンバータモジュール11は、矩形状のハウジング12によって断面が矩形となる輪郭を有しており、ハウジング12は、矩形状の輪郭を有するクリアランス16に収容され、クリアランス16は、フレーム状の、矩形状の輪郭を有する突出部によって取り囲まれる。この実施形態と比較して、図5図6および図7は、円形の断面を有する触媒コンバータモジュール11が、円形の断面を有するハウジング12と、円形の断面を有する触媒コンバータ本体13とを有する本発明の例示的な実施形態を示す。支持構造14のプレート状の基体15における受容開口部16は、断面が円形であり、かつ断面が円形のフレーム状の突出部17によって取り囲まれている。なお、すべての残りの詳細に関して、図5および図6の例示的な実施形態は図1および図2の例示的な実施形態に対応しており、図7の例示的な実施形態は図3の実施形態に対応する。必要のない繰り返しを避けるために、同じ参照番号が同じ部品に使用されている。
【0040】
断面が円形の触媒コンバータモジュール11と断面が円形の開口部16とを有する例示的な実施形態においても、触媒コンバータモジュール11を固定するためにVクランプを使用できる。
【0041】
構造全体の剛性に悪影響を及ぼすことなく支持構造14の重量を減少させることを実現するために、複数の触媒コンバータモジュール11の固定フランジ21aを組み合わせることが挙げられる。こうした理由から、複数のフランジ21aを組み合わせることにより強化格子構造が得られるため、基礎プレート15の厚さを薄くすることができる。
【符号の説明】
【0042】
10 触媒コンバータユニット
11 触媒コンバータモジュール
12 ハウジング
13 触媒本体
14 支持構造
15 基体
16 開口部
17 突出部
18 固定フランジ
19 カラー
20 シール
21 固定フランジ
21a 固定フランジ
22 ねじ接続部
22a ねじ
22b ナット
23 セグメント
24 セグメント
25 挿入スロット
26 挿入スロット
27 ホルダ
28 Vクランプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7