【文献】
味村裕、他,”マルチコア光増幅技術の展望と課題”,2011年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会 通信講演論文集1,2011年 9月,通信講演論文集1,p.SS−59〜60
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記MCゲインドープファイバがコアと内部クラッドとを有し、各コアが内部クラッドに対しておよそ0.08〜およそ0.17の間の開口数を有する、請求項2に記載のシステム。
前記MCゲインドープファイバが内部クラッドを有し、前記MCゲインドープファイバは更に前記内部クラッドを取り囲む外部クラッドを有する、請求項2に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
デジタルネットワークはあらゆるところからアクセスできるようになり、これらのネットワークにおける、より大容量化の要求が増大している。マルチコア(MC)ファイバを使った空間分割多重(SDM)伝送は、光ネットワークにおけるそれらの要求を満たすための見込みある解決法である。そのようなシステムは高いレベルの光集積化をもたらし、よって、光ハードウェア量において同じような増減を要求することなく、帯域幅を増減することができる。MC光アンプは、マルチコアファイバ(MCF)を使ったSDM高密度波長分割多重(DWDM)方式の長距離多重スパン伝送においては、ある程度、普及してきた。しかしながら、MCF光アンプの設計および製造には、厄介な技術的課題がある。これらの課題が生じるのは、MCFにおけるコアは間隔が接近しており、MC光アンプにおける信号の増幅は、光信号利得が各コアで発生させられるというように、励起エネルギーが各コアで信号光と効率良く結合されることを必要とするからである。
【0009】
ファンインファンアウト(fan-in-out)デバイスを使ったMCアンプが知られているが、それらのデバイスは、あまり魅力的でなく、あまり費用効果がない。なぜなら、各コアの分離を必要とし、各コアは通常、それぞれ個々の励起光源によって別々に励起されることを必要とするからである。そのような構造は、空間的に多重化されたシステムを推進する基本的な要因である集積をもたらさない。さらに、個々の信号各々をMCFの各コアに結合し戻すため、しばしば、追加的ファンインファンアウトデバイスが要求される。したがって、MCFを使った多重スパンSDM−DWDM伝送のためのMC光アンプは、これまでのところ報告されていない。
【0010】
集積されたマルチコアファイバアンプ(MCFA)をもたらすために、特定の設計基準が考察されるべきである。まずは、モード変換をもたらすと同時に各信号コアと励起光を結合することができる励起信号多重変換装置の望ましさであり、それによって、アンプ入力とMC−EDFのコア(通常、より小さいモードフィールド径(MFD)を有し、間隔がより接近している)との間での低損失結合を可能にすることである。他の考察は、広帯域利得での信号のシングルモード動作である。その上、設計は、度々、高い達成可能な利得、高いパワー交換効率、低ノイズ、高い飽和出力パワー、低クロストーク、短尺な増幅ファイバ、等の考察を伴う。
【0011】
これらの考察全てを考慮すると、ダブルクラッド励起(DC)マルチコア(MC)のエルビウムドープファイバアンプ(EDFA)を設計することにおける一つの問題は、相応にファイバ長を増加する励起光の低吸収である。これは、より高パワーで重要となるであろう非線形効果だけでなく、ファイバにおける無視できないバックグラウンド減衰のため、弊害をもたらす。イッテルビウム(Yb)およびリン(P)とのエルビウム(Er)の共ドーピングは、通常、励起吸収を増加するため、DC励起アンプに使用される。しかしながら、このリンの共ドーピングはErの断面スペクトルを変更し、波長分割多重(WDM)信号の増幅に、特に短波長において、悪影響を与える。WDMシステムにおける良い利得平坦性のためには、しばしば、低濃度またはゼロ濃度のリンを有することが望ましく、増幅の広帯域な利得スペクトルを得るために、ファイバがAlを共ドープしたYbフリーであることを要求する。
【0012】
DCファイバの励起吸収係数は、コア領域に対する内部クラッド領域の割合に反比例するので、内部クラッド直径を減少することは、励起吸収を増加する。しかしながら、より小さい内部クラッド直径は、より小さいコアピッチを必要とし、それはMC−EDFにおけるコア間でのクロストークの原因になり得る。より大きいコア直径は、より高い励起吸収係数を可能にするが、より大きいコア直径は、マルチモード動作または過度の曲げ損失を引き起こすかもしれず、長距離通信への利用にとっては望ましくない。高吸収は、ペア誘起消光、および、または980nmでの高励起を使った励起状態吸収(ESA)といった効果のせいで、Er濃度の増加によって任意に増加することができない。したがって、DWDM利用における実際のMC−EDFAを設計することは、他のマルチコアファイバ設計を考慮しても、些細でも自明でもないということを、当業者は十分理解するであろう。本開示のDC−MC−EDFAの様々な実施形態は、少なくともこれら矛盾する利益を念頭において設計される。
【0013】
ここに記載されているDC−MC−EDFAのいくつかの実施形態は、各コア内に生じた光信号利得を有する、ある長さのDC−MCエルビウムドープファイバ(EDF)を有する。ある実施形態において、光信号はMCの信号励起テーパーファイバ結合器(MC−TFC)によってDC−MC−EDFに結合される。励起エネルギーも、MC−TFCを通して、MC−EDFに結合される。いくつかの実施形態において、光信号は、さらに、MC−TFCを通してDC−MC−EDFの外に伝送される。励起は、共伝搬配列、対向伝搬励起配列、または、共伝搬および対向伝搬配列の両方によってもたらされる。DC−MC−EDFAは、MC−TFCとDC−MC−EDFをコアとコアを整合させた接続によって形成される。他の実施形態では、光信号および励起は、サイドポンプ配列によって結合される。
【0014】
全体として、DC−MC−EDFAの記載されたいくつかの実施形態を以って、図面において説明された実施形態の記述に詳しく言及される。いくつかの実施はこれらの図面に関連して記載されているが、ここに記載された実施形態に対する開示を制限する意図はない。それどころか、その意図は、全ての代替手段、変更、および同等のものに及ぶ。
【0015】
マルチコア(MC)エルビウムドープファイバ(EDF)
図1Aは、一つの実施形態であるダブルクラッド励起(DC)のマルチコア(MC)エルビウムドープファイバ(EDF)の断面を示す略図である。
図1Aの実施形態において、DC−MC−EDF100は、7つの希土類元素ドープコア105a〜105g(一括で、105)を有している。この特定の実施形態の場合、希土類元素ドーパントはエルビウム(Er)である。しかし、当然のことながら、アルミニウム(Al)、ランタン(La)、ゲルマニウム(Ge)、リン(P)、フッ素(F)等といった追加の共ドーパント、またはこれら共ドーパントのあらゆる組み合わせが使用できる。Erドープコア105は、より低い屈折率の内部クラッド110によって取り囲まれ、その内部クラッド110は、さらに低い屈折率の外部クラッド115(例えば、ガラス、軟質ポリマー、もしくは、大気、または他の適切な材料、等)によって取り囲まれる。コア105は、コア直径d1、ピッチw1、および内部クラッドに対して開口数NA1を有し、内部クラッド110は、直径d2および外部クラッド115に対して開口数NA2を有し、それに対して、外部クラッド直径はd3と表示される。光学クロストークを避けるための異なる伝搬定数といった望ましい光学特性をもたらすよう、コア105は同一、または異なるであろう。
図1Aの実施形態では、DC−MC−EDFは、高いエルビウム(Er)濃度および、または他のドーパントを有するコア105のDCファイバである。
【0016】
図1Bは、
図1AのDC−MC−EDFの屈折率プロファイルを示す略図である。いくつかの実施形態において、マルチモード(MM)励起光は内部クラッド110によって導波される一方、他の実施形態においてMM励起光がコア105によっても導波される。通常シングルモードである信号光は、各コア105によって導波される。一つ、またはそれ以上のMM励起光源からの光は、ファイバの内部クラッド110に沿って伝送される。励起光は各コア105と交差する、または重なるので、希土類元素ドーパントによって吸収され、誘導放出のかなりの部分が各コア105で生成され、その結果、各コア105それぞれにおいて信号の増幅利得を生じる。
【0017】
選択肢として、内部クラッド110は、各コア105それぞれで、信号との励起光の相互作用を増加し、それ故、励起光吸収を向上するために非円形の凸凹な外形(例えば、
図1Aに示された星形)に構成されるであろう。この構成において、各コアでの信号のアクティブゲインは共通励起光によって生成され、DC励起は低コストのMM励起の使用をも可能にする。そのようにして、従来の単一コアのコア励起EDFAの構成と比べて、大幅なエネルギー節約が実現される。
【0018】
図2Aは、一実施形態であるDC−MC−EDFにおけるパラメーター例の表を示す。言い換えれば、単純ステップインデックス設計を有するDC−MC−EDFのいくつかの主要なファイバパラメーターが、
図2Aの表に示されている。
図2Aに示されるとおり、約100μmの直径を有する内部クラッドは、市販のマルチモード(MM)ダイオードのピグテールファイバ(105/125μm、NA=0.15)を整合させるのと同時に高パワー効率を可能にする。比較的大きい信号コア直径(約12μm)は、励起吸収の増加を促進し、一方で基本モード(シングルモード)でのファイバの動作条件を保持する。これは、シングルモードファイバの基準、π×NA1×d1/λ<Vcを満たすよう、コア屈折率とコア直径を選択することで成し遂げられる。ここで、λは動作波長、NA1は内部クラッドに対するコア105(
図1A)の開口数、d1はコア105(
図1A)の直径、Vcはカットオフ波長(ステップインデックスファイバにおいてVc=2.405)である。
【0019】
主要な問題の一つは、シングルモード動作を維持しクロストークを低く保持すると同時に、Erドープの領域を最大限にすることと思われ、通常はコア直径を最大限にすることにより達せられる。DC−MC−EDFを設計するにあたり、ファイバの実効カットオフに対する曲げの影響を考慮すべきである。ファイバは、通常、コイル状にされる、またはスプールに巻きつけられるため、ファイバの曲げは、カットオフをより低い波長へと強いて、より小さい曲げ直径で観測されるよりも、より高いモードの効率的な除去をもたらす。そのような曲げは、実際には別の数モードのファイバを作るであろう。それ故、大きいコア領域と低いカットオフを維持すると同時に、より高いモードを除去することは、屈折率トレンチでコアを取り囲むことにより成し遂げられる。
【0020】
図2Bは、
図2AのDC−MC−EDFにおける開口数とコア直径の関数として、シングルモード動作領域を示した略図である。具体的には、
図2Bは、コア直径d1の関数として、従来の遠距離通信での応用に適した1520nmのカットオフ波長におけるNA1を示す。シングルモード動作は、基本モードのみを選択的に励起するように信号光を慎重に入射することでも達成される。さらには、より複雑なコア設計は、シングルモード動作を保持しつつコア領域を増加するのに利用される。これらは、より高次のモードを抑制するため、低屈折率トレンチおよび、または高屈折率リングの利用を含む。いくつかの実施形態において、トレンチはドープされる領域の最大化を許し、同時に、良好な曲げ損失特性およびシングルモード動作も維持する。これらの好都合な特性は、参照することによりその全体が明確に記されるように本書に組み込まれる、2012年8月29日に出願されたTaunay他による“Double−clad, Gain−Producing Fibers with Increased Cladding Absorption while Maintaining Single Mode Operation”と題する米国仮特許出願第13/621,376号により詳しく記載されている。
【0021】
そのような30dB/mのEr吸収ピークを有するMC−EDFの設計により、A(クラッド):A(コア)の面積比は、約65:1〜約70:1である。これは、約0.4〜約0.5dB/mのクラッド吸収係数をもたらす。90%の励起吸収を仮定すると、約50mの長さにおける効率の良いアンプ(例えば、利得>20dB)を構築するのに、これらの吸収係数は十分高い。ここで留意すべきは、Er濃度が標準的なアンプで使用されるよりも高く、光学的効率において無視できないほどの障害をもたらすであろうという事実にも関わらず、従来のコア励起アンプと比較して、このファイバ長は比較的長い。これらの点は、MC−EDFの設計が困難な代償を要求するということを説明している。
【0022】
A(クラッド):A(コア)=約50:1というような低い面積比は、より短いファイバ長でさえ可能にする。約100km〜何万kmという伝送距離と比較して、DC−MC−EDFAにおけるDC−MC−EDFの長さが比較的短い(10m単位の範囲で)あろうことから、22μm程度〜25μm程度のコアピッチは、コア間のクロストークを十分に低くし、その結果、動作波長における伝送ペナルティを大部分は免れるであろう。これは、内部クラッド径の減少、さらにはファイバ長の減少を可能にする。さらに、これは、ノイズを最小にすることにおいて重要な要因である励起強度増加という利点がある。
【0023】
DC−MC−EDFにおいて十分に高い励起吸収を獲得するのに加え、その他の問題は、十分に高い励起強度を実現して、動作領域の有効な利得帯域全体にわたって、高利得および低ノイズのための反転分布レベルを生成することができるかどうかである。エルビウム(Er)の場合、50%反転分布の励起強度しきい値は、Ith=hν/στで与えられ、およそ10kW/cm
2である。ここで、hνは光子エネルギー、980nmでのσ=2×10
−21cm
2は吸収断面、τ(およそ10ms)は上準位寿命である。
【0024】
約100μmの内部クラッド直径の場合、これは、50%反転分布を獲得するため、DC−MC−EDFにおいて、980nmの励起波長で約785mWの励起パワーをもたらす。アンプにおける高利得と低ノイズ性能を実現するため、約75%より大きい反転分布が通常は望ましく、Ithのおよそ3〜4倍、または、およそ40kW/cm
2の励起強度に相当する。これは、約100μmのクラッド直径を有するDC−MC−EDFにおいて、約3Wの局所的な励起パワーに相当する。
【0025】
効率の良いアンプでは、ほぼ完全な励起光吸収を可能にするためにファイバは十分に長くなければならないので、局所的な励起強度は、共励起アンプにおける位置の関数としておおよそ指数関数的に減少し、アンプの前端から遠ざかるにしたがって、局所的反転分布における減少を引き起こす。さらに、励起パワーについてのもう一つの考察は、MC−EDF内の他のコアにおける吸収が原因で生じるであろう喪失(depletion)である。それらの要因のため、励起パワーは、上記で算出された値の約2倍または3倍で、より大きくなりがちである。そのため、25dBよりも大きい利得を有するDC7コアEDFAを構成するためには、6W〜9Wの総パワーが望ましいであろう。
【0026】
今のところ、10Wより大きい出力パワーを有する低コストの980nmマルチモードダイオードは、市販されている。ファイバ長に沿った励起強度の変化を減らすため、アンプは、後の
図7で示されるとおり、双方向励起であってもよい。いくつかの実施形態では、DC−MC−EDFは、さらに、後の
図7の右側にあるMC−TFC210bのみを採用することで逆励起されてもよい。利得、ノイズ、および飽和出力パワーを向上させるため、多段のアンプも使用することもできる。開示された実施形態において、約5〜7dBのノイズフロアが予想され、4dB未満のノイズフロアを達成するのはむずかしいかもしれない。しかしながら、約5〜7dBのノイズフロアは、長距離の二地点間伝送システムの多重増幅されたスパンにおけるインラインおよびパワーブースターアンプにとっては、十分良好である。
【0027】
その他の関連する設計の特徴は、内部クラッド領域を最小限にすること、必要な励起パワーとファイバ長を最小限にすると同時に励起強度を最大限にすること、および内部クラッドのNAを最大限にすることを含む。これらの設計基準に適応するため、MC−EDF内で接近したコア間隔を持つことが望ましい。さらに、MC−MCF(以下に、より詳細に記載されている)は、サイドポンプ配列(以下に、より詳細に記載されている)よりも、これらの設計基準により良く適応するかもしれないということが理解されるであろう。
【0028】
マルチコア(MC)信号励起テーパーファイバ結合器(TFC)
図3は、DC−MC−EDFに接続されたMC信号励起テーパーファイバ結合器(TFC)の一実施形態を示す略図である。MC光アンプの設計における技術的困難の一つは、低雑音指数で妥当な利得を生成するのに十分な高効率(低光損失)および高パワー強度を持って励起光を各コアの活性媒体に結合することである。
図3の実施形態は、励起光235をDC−MC−EDF100の内部クラッド領域へ効率的に結合するためにMC−TFC210を使用することにより、この技術的困難を解決しようと試みるものである。
【0029】
図3の実施形態は、励起ピグテールMMファイバ225の環によって取り囲まれたMCF245を有している。これら励起ピグテールMMファイバ225は、束の断面220に示されたとおり、密集して一緒に束ねられている。束ねられたMMファイバとMCFは、その後、コアピッチとコアモードフィールド直径(MFD)のDC−MC−EDF100への整合を得るよう、融着されテーパー状にされる。テーパー状にされた束は、切断され205でDC−MC−EDF100に接続される。テーパー状の領域215および接続領域は、低屈折率の高分子コーティングといった低屈折率材料で上からコーティング(任意)をすることができる。光信号240は、中央のMCF245を通ってDC−MC−EDF100に結合され、励起光235は、励起ピグテールMMファイバ225を通ってDC−MC−EDF100の内部クラッド領域110に結合される。
【0030】
図3の具体的な例において、MC−TFC210の中心のMCF245は、他のコア数と配列形状も可能であるが、六角形配列に配置された7つのコアを有している。接続端で低損失にコアを整合させた接続を得るため、MC−TFC210のテーパー端でのコアピッチおよびモードフィールド直径(MFD)は、DC−MC−EDF100のそれらと整合させられる。非テーパー端でのコアピッチとMFDは、他のファイバスパンのそれらと整合させられるか、または、他のマルチコア部品(例えば、MCアイソレーター、MC利得平坦化フィルター、等)のそれらと整合させられる。整合される際に、非テーパー端と他のファイバスパン、または、他のマルチコア部品は、一緒に接続されるか、または自由空間光学を使って結合されるであろう。他の例では、MCF245は別々のファイバの束を有し、各々は光信号240を伝送する単一コアを含む。
【0031】
図4は、MC−TFC210の一実施形態の製造過程での様々な断面を示す略図である。
図4に示されるとおり、コア直径d4、コアピッチw2、および外部クラッド径d5を有する7コアのペデスタルファイバからりうるMCF305の単一素線(single strand)は、エッチングされたファイバ310を作るため、初めに端部でエッチングされ、コアと各コアのMFDに影響を及ぼすことなしに減少されたクラッド径(d5からd5′へ)を有する。ここで、
d5′≧2×w2+d4
である。MC−TFCを作るにあたり、ピッチの整合を得るために、必要ならば、このクラッドの減少が実行される。
【0032】
図4の実施形態に示されるとおり、6本のマルチモードファイバは、クラッド径がd5からd5′に減少されるようエッチングされた単一の7コアファイバの周りに配置される。各々がコア径d6(例えば105μm)および開口数NA3(例えば0.15)を有するMMF(断面230で示される)の環は、MCFのエッチングされた端部の周りに側面に沿って配置され、束(断面220)(この場合、d6=d5′)を作る。束は、その後、高温で一つに融着され、その次にテーパーの断面315を得るためにテーパー状にされる。融着およびテーパー状にする工程は、束を固定し、束の下のガスバーナー(およそ1000℃まで束を加熱する炎を有する)といったもので熱を加え、両端を引っ張ることにより成し遂げられるであろう。均一に熱を与えるため、融着およびテーパー状にする工程の間、束は回転されてもよい。信号(各コア内の)および励起(内部クラッドの)の両方にとっての過剰損失を避けるため、この段階でのテーパー状にする比率は、以下のように既定される。
【0033】
初めに、MC−TFC210のテーパー端部でのコアピッチw2′は、DC−MC−EDF100でのコアピッチw1と等しくなるように設定される。次に、テーパー端部での各コアのモードフィールド直径(MFD)は、DC−MC−EDF100での各コア105のMFDとおおよそ整合するように設定される。ファイバが接続され、結合損失を減少するために既知の接続最適化の方法が使用されるならば、正確な整合は必要でない。その後、MC−TFCのテーパー端部での直径は、DC−MC−EDF100の内部クラッド110の直径に近くなるよう整合され、優先的に以下のおおよそ目標条件を保持する。
M(лd
62)NA
3≦(лd
22)NA
inner−clad
ここで、NA
inner−cladはDC−MC−EDF100の内部クラッドの開口数、Mは励起ピグテールMMファイバ225の数である。MC−TFCにおける高マルチモードの処理能力(すなわち、励起光の低挿入損失)を得るために、この条件は望ましい。
【0034】
テーパー状にした後、融着された束の端部は、きれいでなめらかな端部をもたらすため、慎重に切断される。このなめらかな端部は、その後、DC−MC−EDF100にコアを整合させて接続される。これを行うため、MC−TFC210の端部はDC−MC−EDF100に突合せ結合され、市販の融着接続器で行うことができる。結果として生じる融着接続は、DC−MC−EDF100におけるコア105とのMC−TFC210のコアの複合的な配列を最適化することにより得られる。その後、MC−TFC210のコアとDC−MC−EDF100のコア105が適切な配列に保たれつつ、例えばプラズマアークといった高温の熱源が、接続領域に適用される。DC−MC−EDF100に接続された最終のMC−TFC210は、図式的に
図3に示されている。ここでも、既知の接続最適化の方法は、コアMFDの若干の変更を通じて接続損失を向上するのに使用されてもよい。
【0035】
例として、MC−TFC210における7コアファイバは、10μmのコア直径(d4)、54μmのコアピッチ(w2)、および200μmの外径(d5)を有する。この7コアファイバのカットオフ波長は、約1500nmである。7コアファイバの外径(OD)をd5′、約125μmにまでエッチングした後、各々が約105μmのコア直径、約125μmの外径および約0.15の開口数(NA)を有する6つのMMFで取り囲む。当然のことながら、MC−TFC210が、MMFの外径と外径d5が整合するように設計されていれば、エッチング段階は省略されてもよい。
【0036】
束は、その後、約1:2.5の割合にまでテーパー状にされ、それによってMC−TFC210のテーパー端でコアピッチw2′をもたらし、約22μmで
図1Aのw1に整合する。ファイバをテーパー状にすることで、ファイバの屈折率プロファイルは熱拡散のために変化するかもしれず、物理的にテーパー状にすることでコア直径は減少する。結果として、MCFのコア直径およびコアピッチだけでなく、モードフィールド特性も通常、変化する。MFDの不整合またはコアピッチの不整合は、しばしば高い接合損失をもたらす。よって、ここでの設計基準は、接続損失を減少するため、(1)DC−MC−EDFとの間でのMDFとコアピッチの整合、および(2)MC−TFC210のテーパー端部である。言い換えれば、MFDは、テーパー状にすることでは実質的には変化しないままでなければならない。MFDが実質的に変化しないままであることを確かにするため、ファイバの特殊化した設計が、MFDを操作するのに使用される。MFDを操作する一例は、ペデスタルファイバを採用することであり、
図5Aおよび
図5Bを参照してより詳細に記載されている。
【0037】
図5Aは、一つの実施形態であるテーパー状にする前のペデスタルファイバの屈折率プロファイルを示す略図であり、
図5Bは、テーパー状にした後の
図5Aのペデスタルファイバの屈折率プロファイルを示す略図である。
図3の実施形態の記述から、DC−MC−EDF100でのコア間隔は、DC−MC−EDF100が結合された伝送ファイバでのコア間隔よりも狭いであろう(時には狭くなければならない)。このことは、より狭いクラッド領域をもたらすが、伝送ファイバと比較してDC−MC−EDFの比較的短い長さにより、信号のクロストークは管理できる範囲内に保たれるので、それでもなお許容可能である。
【0038】
ファイバをテーパー状にすることにより(
図5Aおよび
図5Bで示されるとおり)、ファイバの屈折率プロファイルは、熱拡散のために変化させられる(405から455へ)かもしれず、同時にコア直径は、物理的にテーパー状にすることで減少(d4からd4′へ)させられる。結果として、MCFのコア直径およびコアピッチはもちろんモードフィールド特性も変化し、場合によっては接続点でモードフィールドの不整合と高い接続損失を引き起こす。従って、“ペデスタルファイバ”といった特別に設計された屈折率プロファイルは、テーパーファイバへの接続点でMFDを整合するのに使用される。当業者は、ペデスタルを採用する必要なしに、MFDが整合するようMC−TFCでのコアを設計することが可能でありうることを十分理解するであろう。それ故、ペデスタルの利用は、数ある中でも、単に一実施形態である。
【0039】
本発明の実施形態において、ペデスタルファイバは、通常、より低い屈折率のペデスタルd5によって囲まれるコアd4を有する。それ故、ファイバがテーパー状でない405の時、クラッドとして振る舞うペデスタルd5と共に、光はコアd4によって導波される。ファイバがテーパー状455の時、ファイバのコアd4′はモードを閉じ込めるには小さくなりすぎており、光は主にペデスタル領域d5′によって導波されるようになる。
【0040】
図6は、
図5Aおよび
図5Bのペデスタルファイバを使用し、コア直径の関数としてのモードフィールド径(MFD)のシミュレーション結果を示す略図である。
図6に示されたとおり、そのようなファイバのコア径が11μmから3μmまでテーパー状に小さくされたとき、MFDは実質的には変化していない。MC−TFC210において、テーパー状にされた後のMFDおよびコアピッチの両者は、DC−MC−EDFのそれらと整合させられる。それ故、低損失は、MC−TFC210がDC−MC−EDF100にコアを整合され接続されたときに得られる。しかしながら、例えば、MCFのMFDをよりよく整合するため、MC−TFC210のテーパー状にされていないコアのMFDは、DC−MC−EDF100のそれらとは異なるように設計されてもよい。そのような場合、MC−TFC210のコアの屈折率プロファイルは、MC−TFC210のテーパー端とDC−MC−EDF100との間の低接続損失の基準に結果的に合うように設計されなければならない。
【0041】
周囲を取り囲むファイバは、マルチモードファイバ(MMF)であり、各々が、MMの光源からDC−MC−EDF100の内部クラッド110へ光を結合することができる。それらは、MMのダイオードのピグテールファイバと似ている、または同じであってもよく、通常、より低い屈折率のフッ素(F)がドープされたクラッドによって取り囲まれた純石英コアを有する。この点において、注目すべきは、
図4、
図7および
図10は多重励起ポートを示すが、励起が十分な励起強度を有する限り、アンプは単一励起によって動作させることができる。設計目標は励起強度を最大限にすることなので、いくつかの実施形態では、励起ポートの数を減らすのが望ましい場合がある。アンプを動作させるのに使用される励起ポートの数に関係なく、注目すべきは、MC−EDFのコアとMC−TFCのコアとの間での接続において、間隔とモードフィールドは、整合されなければならないということである。
【0042】
ダブルクラッド(DC)励起マルチコア(MC)エルビウムドープファイバアンプ(EDFA)
図7は、DC−MC−EDFAの一実施形態を示した略図である。
図7の実施形態に示されるとおり、コアは、市販のMMポンプ235a、235b(一括で、235)の励起光源を共有する。いくつかの実施形態において、これら励起のMMポンプ235は980nmで操作される。エルビウムアンプは、1480nm付近でも、または、実際にエルビウムが共鳴吸収帯を有するいかなる波長でも、励起されうる。
【0043】
DC−MC−EDFAは、一つ(または二つ)のMC−TFC210a、210b(一括で、210)への接続においてコア整合された、ある長さのDC−MC−EDF100を有している。MC−TFC210は、その中央に一つのマルチコア“パッシブ”ファイバ245を有し、一つ、またはそれ以上の励起ピグテールMMファイバ(
図3に示されている)と結合されている。励起は、共伝搬配列、対向伝搬励起配列、または共伝搬および対向伝搬配列の両方によってもたらされる。DC−MC−EDF100およびMC−TFC210は、例えば、偏波保持(PM)ファイバ接続器を使ってコアを調整することによって、または個々のコアまたはコアの位置を示す目印の監視を可能にする他の方法によって、一つにコア整合接続される。DC−MC−EDFAの入力および出力は、MCF245またはマルチコアアイソレーターやMC利得平坦化フィルター(GFF)(
図10に示されるように)といったMC−DCFAに必要となりうる他のマルチコア光学部品に、コア整合融着接続される(または結合される)であろう。
【0044】
図7の実施形態の利点の一つは、DC−MC−EDFAにおける各コアでの入力および出力信号は、MCF245での各コアと結合するために分離される必要がないということである。
図7の実施形態のもう一つの利点は、DC−MC−EDFは、共通の励起パワーを共有するということであり、その結果、低コストでよりエネルギー効率の良い取り組みをもたらす。
【0045】
さらに、DCアンプファイバにおいて、長さはコア領域ではなくドープ領域によって決まるので、クラッド領域までドーピングを拡大することが可能である。これは、賢明に行われなければならない、すなわち、ドーパントは、信号強度が極端に低い領域にまで拡大するべきでない。これが生じた場合、高い自然放射増幅光(ASE)および非効率的な利得抽出が生じる場合がある。さらに、クラッド領域はより低い共ドープ濃度を有しているので、クラッド領域は、濃度消光やペア誘起消光といった有害な効果が生じやすい。それ故、エルビウム(Er)のクラッド濃度は、より高濃度にドープされたコア領域でのそれよりも低いであろう。
【0046】
具体的には、濃度、ドーパント、および導波路特性の性能に対する影響を考察しトレードオフすることにより、
図1A、
図1B、
図3、
図4および
図7の実施形態は、賢明にEr濃度を増加することでコアの吸収ピークを向上させたイッテルビウム(Yb)フリーのDC−MC−EDFを示す。これは、DC励起配列における十分な吸収をもたらし、同時に濃度消光および励起状態吸収(ESA)といった影響を、適正に小さく保つ。コアの吸収ピークは、局所的なErイオン濃度の指標として利用でき、望ましくは、1530nmにおいて5dB/mより大きく、さらに望ましくは10dB/mより大きい。いくつかの事例において、内部クラッド領域に対するドープ領域の割合によるが(以下に述べられるとおり)、25dB/m程度の吸収ピークを有することが望ましい場合があるが、望ましくは50dB/mよりは少ない。
【0047】
ダブルクラッド(DC)サイドポンプ(SP)配列
図8は、DCサイドポンプ(SP)配列の一実施形態を示す略図であり、一つの励起光ファイバ810a、または二つの励起光ファイバ810a、810b(一括で、810)がDC−MC−EDF800に接触している。それ故、励起光ファイバ810およびDC−MC−EDF800は、少なくともそれらの長さの一部に亘り光学的に接しており、共通の外部クラッドを形成している。
【0048】
DC−SP配列はさらに、励起光効率を向上する。なぜなら、励起ファイバ810およびDC−MC−EDF800との間での光学接触は、励起ファイバ810の表面に近い領域で伝搬する光が、DC−MC−EDF800の各コアに浸透することを可能にするからである。ファイバ800、810は共通の外部クラッド層を有するので、MMダイオード805a、805b、805c、805d(一括で、805)からのマルチモード励起光は、MC−EDF800の内部クラッドへ結合する。
【0049】
いくつかの実施形態において、DC−MC−EDF800でのコア間隔は、DC−MC−EDF800が結合される伝送ファイバでのコア間隔よりも小さくなければならない、ということは明らかである。これは、より小さいクラッド領域をもたらすが、それでもなお、許される。なぜなら、比較的非常に長い伝送ファイバと比べて、DC−MC−EDF800の比較的短い長さにより、信号クロストークは管理できる範囲内に保たれるからである。
【0050】
伝送ファイバまたは他の光学部品とのコア整合接続を作るため、もし必要ならば、DC−SP−MC−EDFAの入力および、または出力において、テーパー状のMCF815a、815b(一括で、815)が使用される。上記のペデスタルファイバは、そのようなテーパー状のMCF815の設計に使用されてもよい。さらに、テーパー状のMCF815のMFDおよびコア間隔は、一つの端部でのDC−MC−EDF800のMFDおよびコア間隔と、そして、他方の端部での伝送ファイバのMFDおよびコア間隔と整合させられなければならず、その結果、光信号240a、240b(一括で、240)がDC−MC−EDF800の各コアへ、および各コアから結合されることを可能にする。光信号利得は、各コアで発生させられる。MMダイオード805からの励起光は、励起ファイバ810を通り、DC−MC−EDF800の内部クラッドに結合することができる。DC−SP−MC−EDFAは、共伝搬励起配列、対向伝搬励起配列、またはその両方で構成される。
【0051】
図9Aは、SP−DC−MC−EDF900の一実施形態の断面を示す略図であり、DC−MC−EDF800が一つの励起ファイバ810eと光学的に接触している。
図9Bは、SP−MC−EDF950の一実施形態の断面を示す略図であり、DC−MC−EDF800は、二つの励起ファイバ810f、810gと光学的に接触している。DC−MC−EDF800の断面は、DC−MC−EDF800が六角形の配列に配置されるいくつかのコアを有するのを示す。DC−MC−EDF800および励起ファイバ810は、
図9Aおよび
図9Bに示されるとおり、共通の外部クラッドを形成するよう低屈折率のコーティング材910によって取り囲まれている。コーティング材は、内部クラッド材料の屈折率より低い屈折率を有する軟質ポリマーがあり得る。
【0052】
設計の一例は、励起ファイバ810が、MMダイオードにおける市販のピグテールファイバと互換性のある105μmのコア直径(dp)およびNAを有するというものである。MC−EDF800は、約12〜15μmのコア直径と約25〜30μmのコアピッチを有する。これらのコアは、少なくともエルビウム(Er)とアルミニウム(Al)で共ドープされ、約30〜35dB/mの吸収ピークを有し、約105μmの内部クラッド直径d
EDFを有する。MC−EDF800におけるコアと内部クラッドとの間のNAは、およそ0.08〜0.17である。内部クラッドと外部クラッド(低屈折率のポリマーまたはシリコーン樹脂であろう)との間のNAは、およそ0.18〜0.47の範囲にあり、コーティング材によって決まり、励起光の光度条件によって選択される。信号は、また、単一のMCFを採用するよりは、むしろ多段の別々の単一コアファイバからもたらされるということを十分理解すべきである。
【0053】
この配列において、励起吸収効率は、MC−TFCを使った先の配列(上記に示された)よりも高く、もし励起強度がより高ければ、増幅長は短くなる。あるいは、Er濃度は、ファイバ長の犠牲によって減少されうる。これが生じるのは、サイドポンプ配列が、
図3、
図4および
図7で示された対称的な設計よりも、より少ない励起ファイバの使用を可能にするからである。
【0054】
SP配列は、MC−EDF800のノイズを減少する。なぜなら、MC−EDF800に沿った反転分布は、MC−TFCを使用したエンド励起配列(
図3、
図4および
図7を参照)でのそれより、比較的に高いからである。それに応じて、数本のダミーファイバがあり、ただ一つまたは二つの励起ダイオードが実質的には必要とされるところでは、励起光効率もまた、MC−TFCを使ったものより高い。
【0055】
増幅システム
図10は、DC−MC−EDFA1105を採用するシステムの一実施形態を示す略図である。DC−MC−EDFA1105の実施形態は、DC−MC−EDF100、一対のMC−TFC210a、210b、一対のMCファイバアイソレーター1110a、1110b、およびMC利得平坦化フィルター(GFF)1115を有している。これらの部品は、コア整合接続で一つにまとめられる。MC−TFC210およびDC−MC−EDF100が上記で詳細に述べられている範囲において、それらの部品の更なる考察は、
図10に関しては省略される。加えて、コア整合接続の工程もすでに記載されているので、コア整合接続の更なる考察は
図10に関しては省略される。
【0056】
図1〜
図10に示されるとおり、DC−MC−EDFA1105およびDC−MC−EDF100の様々な実施形態は、光ネットワークにおける、より大容量への増え続ける要求と関連する課題に対処している。上記の実施形態は、マルチコア(MC)ファイバを使用した空間分割多重伝送(SDM)を可能にし、マルチコアファイバ(MCF)を使用したSDM高密度波長分割多重(DWDM)の長距離多重スパン伝送を可能にする。
【0057】
例となる実施形態が示され記載されてきたが、記載された本開示への複数の変更、改良、または修正を行いうるということは、当業者には明らかである。励起光は、単一の励起ダイオード光源、または複数のダイオードから導入されてもよく、冗長性によってあるレベルの構造安定性をもたらすように形状が決められている。例えば、励起は、さらに、異なるアンプや利得段において共有されてもよい。ポンプは、さらに、ラマンレーザーといった他のレーザータイプや、およそ1480nmまたは利得媒体の吸収帯域内のいずれかでの出力を有するアンプであってもよい。さらに、信号光は、MC−TSCの設計および組み立てへの適切な変更と共に、単一のMCファイバからというよりはむしろ複数の個々の単一コアファイバを通じて、MC−EDFに結合されてもよい。そのような変更、改良、および修正の全ては、それ故、本開示の範囲内であると見なされるべきである。