(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
互いに組み付けられて配線・配管材の配設経路を構成する基台と蓋体とから成り、内部に同様の配設経路を有する他の保護カバーが接続される接続口を備えた保護カバー接続体であって、
前記基台は、建物壁に固定される板状の基板部と、前記蓋体の係合部と係合されて、当該蓋体の建物壁から離れる方向への移動を規制する被係合部と、を備え、
前記蓋体は、天壁と、当該天壁の両端から垂下された側壁とを備え、当該各側壁のそれぞれの内側に、前記基台の複数の被係合部と係合する複数の係合部が設けられ、
前記蓋体の各側壁の内側に設けられた各係合部と係合される基台の各被係合部は、前記配線・配管材の配設方向と直交する方向に沿って同一方向を向いてそれぞれ形成され、
前記各側壁のうち、一方の側壁の係合部は、前記基台の一方の被係合部に対してオーバーハング状態で内側から係合されて、当該一方の側壁を他方の側壁に向けて撓み変形させることで、前記一方の被係合部との係合が解除されるように構成され、
前記各側壁のうち、他方の側壁の係合部は、前記基台の他方の被係合部に対して対向状態で外側から係合されていることを特徴とする保護カバー接続体。
前記蓋体の一方の側壁の係合部と基台の被係合部との係合が解除されるまで当該一方の側壁を撓み変形させるべく、当該一方の側壁を内側に押圧した際に、前記他方の側壁の係合部が基台の他方の被係合部から離脱して、係合状態が解除されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の保護カバー接続体。
前記蓋体の各係合部と基台の各被係合部との係合状態において、当該蓋体の他方の側壁の係合部を支点にして、当該蓋体を建物壁から離れる方向に回動させることで、全ての係合状態が解除されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の保護カバー接続体。
前記蓋体の他方の側壁の係合部が係合する基台の被係合部は、当該被係合部が形成された部分が内側に撓み変形することで、当該係合が解除される構成であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の保護カバー接続体。
前記蓋体の屈曲内側には、前記天壁から屈曲内側の側壁の間に補強リブが形成され、当該補強リブに挟まれて前記係合部が形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の保護カバー接続体。
前記蓋体の他方の側壁に形成された係合部は、一方の側壁に形成された係合部に対して建物壁から離れた位置に形成されていることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の保護カバー接続体。
前記基台に対して蓋体は、その側壁の下端面が建物壁に当接又は近接した状態で組み付けられ、当該蓋体の一方の側壁の係合部が係合する当該基台の一方の被係合部は、当該一方の側壁の内面から離れた位置に設けられて、当該一方の側壁の内側に撓み空間が形成され、当該撓み空間は、当該一方の側壁が延びる方向に沿って部分的に形成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の保護カバー接続体。
互いに組み付けられて配線・配管材の配設経路を構成する基台と蓋体とから成り、当該配設経路の両端に、建物壁にそれぞれ配設される他の保護カバーが接続される一対の接続口が設けられ、各接続口の間の空間部が前記配線・配管材の配設経路を構成していて、全体がL字状をなす保護カバー接続体であって、
前記基台は、建物壁に固定される板状の基板部と、前記蓋体の複数の係合部と係合されて、当該蓋体の建物壁から離れる方向への移動を規制する複数の被係合部と、を備え、
前記蓋体は、L字状の天壁と、当該天壁の両端から垂下された側壁とを備え、当該各側壁のそれぞれの内側に、前記基台の被係合部と係合する係合部が設けられ、
前記蓋体の各側壁の内側に設けられた各係合部と係合される基台の各被係合部は、いずれも蓋体の各側壁のうち一方の側壁の側を向いた同一方向に形成され、
前記各側壁のうち、一方の側壁の係合部は、前記基台の一方の被係合部に対してオーバーハング状態で内側から係合されて、当該一方の側壁を他方の側壁に向けて撓み変形させることで、前記一方の被係合部との係合が解除されるように構成され、
前記各側壁のうち、他方の側壁の係合部は、前記基台の他方の被係合部に対して対向状態で外側から係合されて、前記一方の側壁の前記他方の側壁に向けた撓み変形により、当該他方の側壁が外側に離間することで係合状態が解除されるように構成されていることを特徴とする保護カバー接続体。
互いに組み付けられて配線・配管材の配設経路を構成する基台と蓋体とから成り、内部に配線・配管材の配設経路を有する他の保護カバーが直状に接続される主接続口が対向して一対設けられ、各主接続口の間は、主配設経路となっていると共に、当該主配設経路の途中に直交する分岐配設経路が形成されて、全体がT字状をなす保護カバー接続体であって、
前記基台は、建物壁に固定される板状の基板部と、前記蓋体の複数の係合部と係合されて、当該蓋体の建物壁から離れる方向への移動を規制する複数の被係合部と、を備え、
前記蓋体は、T字状の天壁と、当該天壁の両端から垂下された複数の側壁とを備え、当該各側壁のそれぞれの内側に、前記基台の各被係合部と係合する各係合部がそれぞれ設けられ、
前記一対の主接続口の間に対向して配置された前記蓋体の主配設経路側の各側壁に形成された各係合部と、前記基台における当該主配設経路側の各側壁に対応する部分に形成された各被係合部との各係合は、係合方向及び係合解除方向が同一となっており、
前記分岐配設経路の側の蓋体の両側壁と、前記基台における当該両側壁に対応する部分には、当該両側壁を基台に対してスライドさせることで係合が解除される分岐側係合部及び分岐側被係合部がそれぞれ形成され、
前記一対の主接続口の間に対向して配置された蓋体の直状の各側壁のうち、主配設経路に沿って連続している外側の側壁を撓み変形させることで、係合部と被係合部とが係合した全ての組の係合箇所の係合が解除される構成であることを特徴とする保護カバー接続体。
互いに組み付けられて配線・配管材の配設経路を構成する基台と蓋体とから成り、内部に配線・配管材の配設経路を有する他の保護カバーが直状に接続される主接続口が対向して一対設けられ、各主接続口の間は、主配設経路となっていると共に、当該主配設経路の途中に直交する分岐配設経路が形成されて、全体がT字状をなす保護カバー接続体であって、
前記基台は、建物壁に固定される板状の基板部と、前記蓋体の複数の係合部と係合されて、当該蓋体の建物壁から離れる方向への移動を規制する複数の被係合部と、を備え、
前記蓋体は、T字状の天壁と、当該天壁の両端から垂下された複数の側壁とを備え、当該各側壁のうち主配設経路の方向に沿って連続する外側の側壁、及び主配設経路に沿って分離された内側の各側壁と分岐配設経路側の各側壁とを連結する各連結側壁の内側に、前記基台の各被係合部と係合する各係合部がそれぞれ設けられ、
前記主配設経路に沿って配置された係合部と被係合部との組である各係合箇所、及び当該主配設経路と前記分岐配設経路とを接続する屈曲配設経路に沿って配置された同様の各係合箇所の係合方向及び係合解除方向は、同一となっており、
前記一対の主接続口の間に対向して配置された蓋体の直状の各側壁のうち、主配設経路に沿って連続している外側の側壁を撓み変形させることで、全ての組の係合箇所の係合が解除される構成であることを特徴とする保護カバー接続体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、蓋体の対向する各側壁を作業者の一方の手で同時に掴めない程のサイズの大きな保護カバー接続体であっても、配線・配管材の収容時には、蓋体の係合部と基台の被係合部との係合状態をしっかり維持したうえで、作業者の一方の手で容易に係合解除ができるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、互いに組み付けられて配線・配管材の配設経路を構成する基台と蓋体とから成り、内部に同様の配設経路を有する他の保護カバーが接続される接続口を備えた保護カバー接続体であって、
前記基台は、建物壁に固定される板状の基板部と、前記蓋体の係合部と係合されて、当該蓋体の建物壁から離れる方向への移動を規制する被係合部と、を備え、
前記蓋体は、天壁と、当該天壁の両端から垂下された側壁とを備え、当該各側壁のそれぞれの内側に、前記基台の複数の被係合部と係合する複数の係合部が設けられ、
前記蓋体の各側壁の内側に設けられた各係合部と係合される基台の各被係合部は、前記配線・配管材の配設方向と直交する方向に沿って同一方向を向いてそれぞれ形成され、
前記各側壁のうち、一方の側壁の係合部は、前記基台の一方の被係合部に対してオーバーハング状態で内側から係合されて、当該一方の側壁を他方の側壁に向けて撓み変形させることで、前記一方の被係合部との係合が解除されるように構成され、
前記各側壁のうち、他方の側壁の係合部は、前記基台の他方の被係合部に対して対向状態で外側から係合されていることを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明によれば、蓋体の各側壁の内側に設けられた各係合部と係合される基台の各被係合部は、配線・配管材の配設方向と直交する方向に沿って同一方向を向いてそれぞれ形成されることで、保護カバー接続体を構成する蓋体の各側壁のうち、一方の側壁の係合部は、前記基台の一方の被係合部に対してオーバーハング状態で内側から係合されていると共に、当該各側壁のうち、他方の側壁の係合部は、前記基台の他方の被係合部に対して対向状態で外側から係合されている。このため、蓋体の一方の側壁を他方の側壁に向けて撓み変形させることで、基台の一方の被係合部との係合が解除されると共に、前記一方の側壁の前記他方の側壁に向けた撓み変形により、当該他方の側壁が基台に対して外側に離間することで、基台の他方の被係合部との係合が解除される。よって、作業者は、蓋体の一方の側壁を他方の側壁に向けて撓み変形させて、当該蓋体を回動させることで、蓋体の各側壁の内側に設けられた各係合部と、基台の各被係合部との各係合は、一連の係合解除操作で連続的に解除されるため、保護カバー接続体のサイズが大きくなって、作業者の一方の手で蓋体の各側壁を同時に掴むことができなくても、基台から蓋体を容易に取り外すことができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記蓋体の一方の側壁の係合部と基台の被係合部との係合が解除されるまで当該一方の側壁を撓み変形させるべく、当該一方の側壁を内側に押圧した際に、前記他方の側壁の係合部が基台の他方の被係合部から離脱して、係合状態が解除されるように構成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明によれば、蓋体の一方の側壁の側の係合箇所(側壁の係合部と基台の被係合部とが対となって互いに係合し合う部分、又は係合している部分のことをいう)と、当該蓋体の他方の側壁の側の係合箇所との係合解除が、時間的にずれがなく同時に行われるため、保護カバー接続体を構成する基台に対する蓋体の取り外しを一層確実に、しかも容易に行える。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記蓋体の各係合部と基台の各被係合部との係合状態において、当該蓋体の他方の側壁の係合部を支点にして、当該蓋体を建物壁から離れる方向に回動させることで、全ての係合状態が解除されるように構成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項1を引用する請求項3の発明は、蓋体の各側壁の内側に設けられた各係合部と係合される基台の各被係合部は、配線・配管材の配設方向と直交する方向に沿って同一方向を向いてそれぞれ形成されているため、前記蓋体の各係合部と基台の各被係合部との係合状態において、当該蓋体の他方の側壁の係合部を支点にして、当該蓋体を建物壁から離れる方向に回動させると、基台に対して蓋体が、配線・配管材の配設方向と直交する方向に沿って僅かにずれることで、基台と蓋体との全ての係合状態が同時に解除される。よって、基台に対する蓋体の取り外しを容易に行える。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記蓋体の他方の側壁の係合部が係合する基台の被係合部は、当該被係合部が形成された部分が内側に撓み変形することで、当該係合が解除される構成であることを特徴としている。
【0014】
請求項4の発明によれば、蓋体の一方の側壁を他方の側壁に向けて撓み変形させることで、基台の一方の被係合部との係合が解除された後に、当該蓋体を屈曲内側の係合箇所を支点にして回動させる際に、蓋体の他方の側壁の傾動時に、基台の被係合部が形成された部分が内側に撓み変形されることがあり、これにより、基台と蓋体との内側の係合箇所の係合の解除が容易となる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記保護カバー接続体は、内部に建物壁に沿って屈曲される配線・配管材の屈曲配設経路を構成し、前記蓋体の天壁は、前記屈曲配設経路に沿って屈曲されており、
当該蓋体の一方の側壁及び他方の側壁は、それぞれ屈曲部の外側及び内側に位置していることを特徴としている。
【0016】
請求項5の発明によれば、建物壁に沿って屈曲された基台に対して同様の形態の蓋体を、屈曲部の内側に向けて押圧したり、或いは屈曲部の内側を支点にして、屈曲部の外側の部分が建物壁から離間するように回動させることで、蓋体の各係合部と基台の各被係合部との各係合状態は、ほぼ同時的に解除される。
【0017】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記係合部と前記被係合部とを一組の係合箇所とした場合に、前記一方の側壁が存在する屈曲外側に、二組の係合箇所が各接続口に近い部分にそれぞれ設けられ、
前記他方の側壁が存在する屈曲内側に、一組の係合箇所が配線・配管材の配設方向に沿った中間部に設けられていることを特徴としている。
【0018】
請求項6の発明によれば、屈曲外側の配線・配管材の配設方向に沿った長さは、屈曲内側のそれよりも遥かに長いので、屈曲外側の接続口に近い部分に二組の係合箇所を設けて、屈曲内側の前記配設方向に沿った中間部に一組の係合箇所を配置することで、屈曲形状の基台と蓋体とをバランスよく係合させて、一体に組み付けられる。
【0019】
請求項7の発明は、請求項5又は6の発明において、前記蓋体の屈曲内側には、前記天壁から屈曲内側の側壁の間に補強リブが形成され、当該補強リブに挟まれて前記係合部が形成されていることを特徴としている。
【0020】
蓋体の屈曲内側の側壁の配線・配管材の配設方向に沿った長さは、蓋体の屈曲外側のそれに比較して、短くなるので、蓋体の屈曲内側の側壁に配線・配管材の自重が作用するような形態で、保護カバー接続体が使用された場合には、蓋体の屈曲内側の側壁が変形され、当該変形が一定限度を超えた場合には、屈曲内側の側壁の係合部と基台の被係合部との係合が解除される恐れがある。しかし、請求項7の発明によれば、蓋体の屈曲内側には、天壁から屈曲内側の側壁の間に補強リブが形成され、当該補強リブに挟まれて係合部が形成されているため、蓋体の屈曲内側の側壁の耐変形性が高められると共に、耐変形性が最も高められた補強リブに挟まれて係合部が形成されているため、蓋体の屈曲内側の側壁に配線・配管材の自重が作用した場合でも、蓋体の屈曲内側の側壁の変形が防止されるか、仮に変形されたとして、その変形量を少なくできると共に、屈曲内側の側壁の係合部と基台の被係合部との係合の完全解除を防止できる。
【0021】
請求項8の発明は、請求項5ないし7のいずれかの発明において、前記蓋体の他方の側壁に形成された係合部は、一方の側壁に形成された係合部に対して建物壁から離れた位置に形成されていることを特徴としている。
【0022】
蓋体の他方の側壁である屈曲内側の側壁は、屈曲外側の側壁に比較して配線・配管材の配設方向に沿った長さが短いため、屈曲内側の側壁に配線・配管材の自重が長期間に亘って作用した場合には、当該屈曲内側の側壁が外側に変形されることで、当該屈曲内側の側壁の係合部と基台の被係合部との係合が解除又は緩む恐れがある。しかし、請求項8の発明によれば、蓋体の他方の側壁である屈曲内側の側壁に形成された係合部は、一方の側壁である屈曲外側の側壁に形成された係合部に対して建物壁から離れた位置に形成されているため、屈曲内側の側壁が変形された場合においても、当該屈曲内側の側壁の係合部が設けられている部分の変形量は、屈曲外側の係合部と同一位置(同一高さ)に設けられている場合に比較して、小さく抑えることが可能となって、当該屈曲内側の側壁の係合部と基台の被係合部との係合が解除又は緩みを防止できる。また、基台の被係合部の部分に配線・配管材の自重が作用した場合には、当該基台の被係合部の部分を外側に変形されるように作用し、当該基台の被係合部の部分の当該変形は、蓋体の係合部との係合をより確実にするような係合方向であるので、当該係合状態が維持される。
【0023】
請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれかの発明において、前記基台に対して蓋体は、その側壁の下端面が建物壁に当接又は近接した状態で組み付けられ、当該蓋体の一方の側壁の係合部が係合する当該基台の一方の被係合部は、当該一方の側壁の内面から離れた位置に設けられて、当該一方の側壁の内側に撓み空間が形成され、当該撓み空間は、当該一方の側壁が延びる方向に沿って部分的に形成されていることを特徴としている。
【0024】
請求項9の発明によれば、蓋体の一方の側壁における係合部が設けられている部分の内側には、当該一方の側壁の変形を容易にするための撓み空間が形成されているため、当該一方の側壁の撓み変形量を大きくできて、当該係合部と基台の被係合部との係合の解除を容易に行える。
【0025】
請求項10の発明は、互いに組み付けられて配線・配管材の配設経路を構成する基台と蓋体とから成り、当該配設経路の両端に、建物壁にそれぞれ配設される他の保護カバーが接続される一対の接続口が設けられ、各接続口の間の空間部が前記配線・配管材の配設経路を構成していて、全体がL字状をなす保護カバー接続体であって、
前記基台は、建物壁に固定される板状の基板部と、前記蓋体の複数の係合部と係合されて、当該蓋体の建物壁から離れる方向への移動を規制する複数の被係合部と、を備え、
前記蓋体は、L字状の天壁と、当該天壁の両端から垂下された側壁とを備え、当該各側壁のそれぞれの内側に、前記基台の被係合部と係合する係合部が設けられ、
前記蓋体の各側壁の内側に設けられた各係合部と係合される基台の各被係合部は、いずれも蓋体の各側壁のうち一方の側壁の側を向いた同一方向に形成され、
前記各側壁のうち、一方の側壁の係合部は、前記基台の一方の被係合部に対してオーバーハング状態で内側から係合されて、当該一方の側壁を他方の側壁に向けて撓み変形させることで、前記一方の被係合部との係合が解除されるように構成され、
前記各側壁のうち、他方の側壁の係合部は、前記基台の他方の被係合部に対して対向状態で外側から係合されて、前記一方の側壁の前記他方の側壁に向けた撓み変形により、当該他方の側壁が外側に離間することで係合状態が解除されるように構成されていることを特徴としている。
【0026】
請求項10の発明は、請求項1の発明に対して、保護カバー接続体の全体形状がL字状に特定したものであり、蓋体の各側壁の内側に設けられた各係合部と係合される基台の各被係合部は、いずれも当該基台の全体形状であるL字状の内側を向いた同一方向に形成されていて、蓋体の各側壁の内側に設けられた各係合部と、基台の各被係合部との係合方向、及び係合解除方向が、いずれも同一である特徴的作用は、請求項1の発明と同一である。
【0027】
請求項11の発明は、互いに組み付けられて配線・配管材の配設経路を構成する基台と蓋体とから成り、内部に配線・配管材の配設経路を有する他の保護カバーが直状に接続される主接続口が対向して一対設けられ、各主接続口の間は、主配設経路となっていると共に、当該主配設経路の途中に直交する分岐配設経路が形成されて、全体がT字状をなす保護カバー接続体であって、
前記基台は、建物壁に固定される板状の基板部と、前記蓋体の複数の係合部と係合されて、当該蓋体の建物壁から離れる方向への移動を規制する複数の被係合部と、を備え、
前記蓋体は、T字状の天壁と、当該天壁の両端から垂下された複数の側壁とを備え、当該各側壁のそれぞれの内側に、前記基台の各被係合部と係合する各係合部がそれぞれ設けられ、
前記一対の主接続口の間に対向して配置された前記蓋体の主配設経路側の各側壁に形成された各係合部と、前記基台における当該主配設経路側の各側壁に対応する部分に形成された各被係合部との各係合は、係合方向及び係合解除方向が同一となっており、
前記分岐配設経路の側の蓋体の両側壁と、前記基台における当該両側壁に対応する部分には、当該両側壁を基台に対してスライドさせることで係合が解除される分岐側係合部及び分岐側被係合部がそれぞれ形成され、
前記一対の主接続口の間に対向して配置された蓋体の直状の各側壁のうち、主配設経路に沿って連続している外側の側壁を撓み変形させることで、係合部と被係合部とが係合した全ての組の係合箇所の係合が解除される構成であることを特徴としている。
【0028】
請求項11の発明によれば、一対の主接続口の間に対向して配置された蓋体の主接続口側の各側壁のうち、主配設経路に沿って連続している外側の側壁を撓み変形させると、主配設経路に設けられている各係合箇所の係合が全て解除されると共に、分岐配設経路に設けられている各係合箇所においては、基台に形成された被係合部に対して蓋体に形成された係合部が、前記撓み変形量だけスライドされることで、分岐配設経路に設けられている各係合箇所の係合も同時に解除されることで、全ての係合箇所の係合が同時に解除されて、基台に対して蓋体が取り外される。
【0029】
請求項12の発明は、互いに組み付けられて配線・配管材の配設経路を構成する基台と蓋体とから成り、内部に配線・配管材の配設経路を有する他の保護カバーが直状に接続される主接続口が対向して一対設けられ、各主接続口の間は、主配設経路となっていると共に、当該主配設経路の途中に直交する分岐配設経路が形成されて、全体がT字状をなす保護カバー接続体であって、
前記基台は、建物壁に固定される板状の基板部と、前記蓋体の複数の係合部と係合されて、当該蓋体の建物壁から離れる方向への移動を規制する複数の被係合部と、を備え、
前記蓋体は、T字状の天壁と、当該天壁の両端から垂下された複数の側壁とを備え、当該各側壁のうち主配設経路の方向に沿って連続する外側の側壁、及び主配設経路に沿って分離された内側の各側壁と分岐配設経路側の各側壁とを連結する各連結側壁の内側に、前記基台の各被係合部と係合する各係合部がそれぞれ設けられ、
前記主配設経路に沿って配置された係合部と被係合部との組である各係合箇所、及び当該主配設経路と前記分岐配設経路とを接続する屈曲配設経路に沿って配置された同様の各係合箇所の係合方向及び係合解除方向は、同一となっており、
前記一対の主接続口の間に対向して配置された蓋体の直状の各側壁のうち、主配設経路に沿って連続している外側の側壁を撓み変形させることで、全ての組の係合箇所の係合が解除される構成であることを特徴としている。
【0030】
請求項12の発明によれば、一対の主接続口の間に対向して配置された蓋体の直状の各側壁のうち、主配設経路に沿って連続している外側の側壁を撓み変形させると、主配設経路に沿って配置された各係合箇所、及び主配設経路と分岐配設経路とを接続する屈曲配設経路に沿って配置された各係合箇所の全ての係合が同時に解除されて、基台に対して蓋体が取り外される。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、蓋体の各側壁の内側に設けられた各係合部と係合される基台の各被係合部は、配線・配管材の配設方向と直交する方向に沿って同一方向を向いてそれぞれ形成されていて、基台の被係合部と蓋体の係合部との組み合わせである各係合箇所における係合方向及び係合解除方向は同一となるので、蓋体の一方の側壁を撓み変形させることで、全ての係合箇所の係合を同時に解除できる。よって、サイズの大きな保護カバー接続体において、蓋体の対向する各側壁を一方の手で同時に掴めなくても、一方の側壁を押圧して撓み変形させることで、当該一方の側壁の側の前記係合を解除させつつ、蓋体の回動操作により他方の側壁の側の係合の解除を連続的に行えて、サイズの大きな保護カバー接続体の基台に対する蓋体の取り外しを容易に、しかも確実に行える。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、複数の実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。
【実施例1】
【0034】
最初に、
図1〜
図10を参照して、交差角度(θ)が90°で建物壁の壁面Wに配設される2本の直状保護カバーC
0 を接続するための保護カバー接続体C
1 について説明する。保護カバー接続体C
1 は、建物壁の壁面Wにビス固定される基台V
1 と、当該基台V
1 に係合構造により一体に組み付けられる蓋体L
1 とから成り、当該基台V
1 及び蓋体L
1 は、いずれも樹脂の射出成形品である。基台V
1 は、
図4、
図5及び
図7に示されるように、壁面Wにビス固定される基板1は、正方形の一方の対角線方向に沿って対向する各コーナー部が、同一側に中心を有する円弧状に形成された形状であって、当該基板1の円弧状に形成された各部分には、外側立壁2の円弧状外側立壁部2a及び内側立壁3がそれぞれ立設され、当該外側立壁2は、円弧状外側立壁部2aと、当該円弧状外側立壁部2aの両端部から、内側に段差状となった段差部4を介してそれぞれ延設された直状外側立壁部2bとから成る。内側立壁3は、横断面L字形の立壁基部3aが基板1に一体に形成され、当該基部3aの先端部に板状の立壁板部3bが一体に形成された形状として断面係数を大きくすることで、曲げ強度を高めている。基板1における外側立壁2及び内側立壁3が形成されていない直交する二辺の部分は、蓋体L
1 と協働して、直状保護カバーC
0 の接続口24を形成する部分であって、基板1における当該接続口24を形成する二辺の部分には、接続される直状保護カバーC
0 の基台V
0 の幅方向の位置決めを行う一対の位置決め片5が管体Pの配設方向Aに沿って突設されている。
【0035】
基台V
1 の外側及び内側の各立壁2,3の高さは、蓋体L
1 の後述の外側壁22及び内側壁23の高さに比較して相当に低くなっているため、外側立壁2の各直状外側立壁部2bの外側被係合部F
11が形成される部分、及び内側立壁3の内側被係合部F
12が形成される部分は、いずれも所定長だけ上方に延設されて被係合部形成板部6,7となっていて、他の一般部よりも部分的に高く形成されている。外側の各被係合部形成板部6の内側(内面)には、突条状態の外側被係合部F
11が基板1に平行に形成され、各被係合部形成板部6における外側被係合部F
11の内端(接続口24と反対側の端)よりも僅かに内側の部分には、蓋体L
1 の外側係合部E
11の内側側方に一体に形成された挿入板部26を挿入する挿入溝8が基板1に対して垂直に形成されている。一方、内側の被係合部形成板部6の上端の外側(外面)には、突条状態の内側被係合部F
12が基板1と平行に平成されている。
【0036】
このように、基台V
1 の外側及び内側の各立壁2,3にそれぞれ形成される外側及び内側の各被係合部F
11,F
12は、管体Pが配設される配設方向Aと直交する方向(以下、「配設直交方向」という)Bに対して同一方向を向いて形成されていて、互いに対向配置されていない構成、換言すると、配設経路(配設空間又は収容空間)R
0 に対して、外側被係合部F
11は、内側を向いて形成されていると共に、内側被係合部F
12は、外側を向いて形成されている構成が本発明の特徴である。この点に関しては、「背景技術」の項目で述べたように、従来の保護カバー接続体においては、蓋体の対向する各側壁を互いに内側に撓み変形させて、係合解除を行う構成であるため、基台の立壁部に設けられる各被係合部は、いずれも当該各立壁部の内側に設けられて、互いに対向している構成と異なる。実施例1では、外側及び内側の各被係合部F
11,F
12における各配設直交方向Bは、45°で交差する。
【0037】
また、保護カバー接続体C
1 は、壁面W上で直交配置される2本の直状保護カバーC
0 を接続するために、蓋体L
1 の内側壁23は、外側壁22に対して管体Pの配設方向Aに沿った長さが短くなって、当該内側壁23が下方に配置される配設形態となると、管体Pの自重に対する内側壁23の支持力が小さくなって、屈曲の内側の係合が解除される恐れがある。このことを考慮して、
図9に示されるように、内側被係合部F
12は、基板1に対して外側被係合部F
11よりも高い位置に配置することで、蓋体L
1 の内側壁23の変形時における内側係合部E
12の変形量が小さくなるようにして、係合解除されるのを防止している。また、基台V
1 の内側被係合部F
12の部分に管体Pの自重が作用した場合には、当該基台V
1 の内側被係合部F
12が設けられ被係合部形成板部7を外側に変形されるように作用し、当該被係合部形成板部7の当該変形の方向は、蓋体L
1 の係合部E
12と基台V
1 の内側被係合部F
12との係合をより確実にするような係合方向であるので、当該係合状態が維持される。なお、
図4及び
図7において、9は、基板1に形成されたビス挿通孔を示し、11は、直状外側立壁部2bの外端に設けられた補強リブを示し、12は、被係合部形成板部6に対してアンダーカット状に形成された外側被係合部F
11を成形するためのスライド型の逃げ孔を示す。
【0038】
一方、蓋体L
1 は、
図3〜
図5及び
図8に示されるように、平面視で略L字状をなしていて、平面状の天壁21における前記基台V
1 の外側及び内側の各立壁2,3に対応する両端から外側壁22及び内側壁23が垂下(垂直状態で一体に形成されていること)された形状であって、管体Pの配設方向Aに沿った両端は、前記天壁21と外側及び内側の各立壁2,3で形成される接続口24となっている。蓋体L
1 の幅(K)と高さ(H
0 )〔いずれも
図9参照〕は、作業者の一方の手によって対向する内外の側壁22,23を同時に掴むことができない大きさを有している。
【0039】
外側壁22の内面における前記基台V
1 の各外側被係合部F
11に対応する部分には、それぞれ外側係合部E
11が、内方に突出して形成されている。外側係合部E
11が形成される垂直板部25は、外側壁22の内面に対して所定間隔をおいて当該外側壁22と平行に配置され、天壁21の側の端部、及び内側の端部がそれぞれ挿入板部26及び水平連結板部27を介して外側壁22の内面に一体に形成されていて、当該垂直板部25の下端部の内側に外側被係合部F
11が天壁21と平行に設けられている。
【0040】
内側壁23の内面における配設方向Aに沿った中央部であって、当該内側壁23の端面から起算した所定長の部分を除いて天壁21に至る部分には、一対の補強リブ28が所定間隔をおいて形成され、内側壁23の内面における当該一対の補強リブ28の下端に近い部分に、狭幅板状の内側係合部E
12が天壁21に平行となって形成されている。狭幅板状の内側係合部E
12の長手方向の両端部は、当該内側壁23の端面の側から補強リブ29で補強されている。前記一対の補強リブ28の下端部には、蓋体L
1 の内側係合部E
12と基台V
1 の内側被係合部F
12との係合開始時において、両者を位置合わせして係合を容易にするために、基台V
1 の被係合部形成板部7を挟むように配置されるガイド爪31が設けられている。
【0041】
そして、壁面Wの上において直交する2本の直状保護カバーC
0 と、上記した保護カバー接続体C
1 とを用いて、管体Pを屈曲させて配設するには、以下のようにして行う。まず、壁面Wの定められた位置に、保護カバー接続体C
1 の基台V
1 をビス91を介して固定し、その後に、当該基台V
1 の各接続口24の部分に2本の直状保護カバーC
0 の各基台V
0 を、位置決め片5により幅方向に位置決めされた状態でそれぞれ接続して、当該基台V
0 を壁面にビス固定する。次に、2本の直状保護カバーC
0 及び保護カバー接続体C
1 の各基台V
0 ,V
1 上に複数本の管体Pの途中を大きく屈曲させた状態で束ねて配設し、その後に、直状保護カバーC
0 の基台V
0 に蓋体L
0 を覆蓋させて、複数本の管体Pの直状部を直状保護カバーC
0 の内部に収容保護させる。
【0042】
最後に、保護カバー接続体C
1 の基台V
1 の直上から蓋体L
1 を落とし込みながら軽く押圧すると、基台V
1 の外側立壁2の部分では、蓋体L
1 の外側壁22の各接続口24に近い部分に設けられた2つの挿入板部26が、基台V
1 の2つの挿入溝8にそれぞれ挿入されることで、蓋体L
1 の2つの外側係合部E
11は、外側壁22が僅かに内側に撓むことで、基台V
1 の外側立壁2の内側に形成された各外側被係合部F
11を乗り越えて、蓋体L
1 の各外側係合部E
11は、基台V
1 の各外側被係合部F
11に対してオーバーハング状態で係合されると共に、蓋体L
1 の1つの内側係合部E
12は、蓋体L
1 の内側壁23が僅かに外側に撓わんで、一対の補強リブ28の端部の各ガイド爪31が、基台V
1 の被係合部形成板部7を両側から挟むことで、基台V
1 の内側部に対する蓋体L
1 の内側部の配置位置が適正となるようにガイドされた状態で、基台V
1 の内側被係合部F
12を乗り越えて、蓋体L
1 の内側係合部E
12とは、基台V
1 の外側被係合部F
11に対して対向状態で係合される。蓋体L
1 の外側壁22に設けられた2つの挿入板部26が、基台V
1 の2つの挿入溝8にそれぞれ挿入された状態で、蓋体L
1 の各外側係合部E
11が、基台V
1 の各外側被係合部F
11に対してオーバーハング状態で係合されることで、基台V
1 に対して蓋体L
1 は、配設経路R
0 の方向に沿ってずれなくなって、係合状態が安定する。このように、基台V
1 と蓋体L
1 との係合箇所は、屈曲の外側に2箇所、屈曲の内側に1箇所設けられていて、各係合箇所の係合方向は、いずれも屈曲の内側に、蓋体L
1 の外側及び内側の各係合部E
11,E
12が配置される関係にあって、各係合箇所の係合方向は、屈曲の内外において同一であることが、本発明の特徴である。
【0043】
ここで、上記した「蓋体L
1 の各外側係合部E
11は、基台V
1 の各外側被係合部F
11に対してオーバーハング状態で係合される」とは、蓋体L
1 の外側壁22の内側面の内側に当該内側面に対して所定の間隔をおいて対向して設けられた外側係合部E
11と、当該外側係合部E
11と前記蓋体L
1 の内側面との間に配置されるように、基台V
1 に設けられた外側被係合部F
11との係合により、当該基台V
1 と蓋体L
1 とが組み付けられると共に、前記蓋体L
1 の外側壁22を内側壁23の側ちる向けて撓ませることにより、前記係合が解除されること言う。
【0044】
これにより、
図5に示されるように、保護カバー接続体C
1 の蓋体L
1 の各接続口24の部分が、直状保護カバーC
0 の蓋体L
0 の外側を所定長だけ覆った状態で、保護カバー接続体C
1 の基台V
1 に対して蓋体L
1 が一体に組付けられて、複数本の管体Pの屈曲部が蓋体L
1 で覆われることで、
図5に示されるように、基台V
1 の外側立壁2のうち配設方向Aに沿って両側の各直状外側立壁部2bと、蓋体L
1 の外側壁22との間に、当該外側壁22の撓み変形を助ける撓み空間32が配設方向Aに沿って形成される。基台V
1 と蓋体L
1 の外側の2つの各係合箇所は、いずれも前記撓み空間32の配設方向Aに沿った中間部に配置されることで、蓋体L
1 の外側壁22の撓み変形量が最も大きくなる位置に係合箇所が配置されている。
【0045】
そして、保護カバー接続体C
1 の基台V
1 に組み付けられた蓋体L
1 を取り外す必要が生じた場合には、
図6及び
図10(a)に示されるように、作業者が蓋体L
1 の外側壁22の撓み空間32の部分を力Gで押圧すると、当該撓み空間32の部分の外側壁22は、大きく内側に撓むと共に、蓋体L
1 の全体が屈曲の内側に向けて僅かに移動することで、屈曲外側の2つの係合箇所と屈曲内側の1つの係合箇所の各係合は、同時に解除され、この状態で、
図10(b)に示されるように、蓋体L
1 の全体を、内側の係合箇所を中心にして壁面Wから離れる方向に回動させると、内外の計3つの係合箇所の各係合は、完全に解除されて、基台V
1 に対して蓋体L
1 が取り外される。なお、基台V
1 と蓋体L
1 の外側の2箇所の係合箇所の一方のみの係合を上記のようにして解除した状態で、当該蓋体L
1 を内側の一方の係合箇所を支点にして回動させることで、外側の他方の係合箇所の係合も連動して解除されるので、作業者が両外側壁22を同時に操作しなくても、基台V
1 に対して蓋体L
1 を容易に取り外すことができる。
【0046】
また、
図10(a)に示されるように、蓋体L
1 の外側壁22の撓み空間32の部分を力Gで押圧することで、屈曲外側の2つの係合箇所と屈曲内側の1つの係合箇所の各係合が、同時に解除された状態で、当該蓋体L
1 を、そのまま上方に持ち上げることで、基台V
1 に対して蓋体L
1 を分離させることもできる。なお、屈曲外側の2つの係合箇所と屈曲内側の1つの係合箇所の各係合が同時に解除されることなく、屈曲外側の2つの係合箇所の係合が最初に係合解除され、その後に、蓋体L
1 を回動させることで、屈曲内側の係合箇所が解除される場合には、当該蓋体L
1 の回動時に、蓋体L
1 の平板状の被係合部形成板部7が内側に僅かに撓まされることで、屈曲内側の1つの係合箇所の係合が解除されるようにすることも可能である。
【0047】
なお、蓋体L
1 の外側壁22に、壁面Wに沿った力Gを加えて、全ての係合箇所の係合を解除した状態では、各係合箇所の係合自体は解除されるが、この状態で、蓋体L
1 を回動させるか、或いは上方に持ち上げないと、基台V
1 に対して蓋体L
1 は分離されない。従って、配管作業中、或いは配管後において、保護カバー接続体C
1 の蓋体L
1 に対して不意に壁面Wに沿った力Gが作用しても、各係合箇所の係合が解除されるのみで、当該力Gが解除されると、弾性変形された前記外側壁22の復元力により、各係合箇所は、元の係合状態に復帰されるので、基台V
1 に対して蓋体L
1 が分離されることはない。基台V
1 に対して蓋体L
1 を分離させるには、各係合箇所の係合が全て解除されることに加えて、当該蓋体L
1 を回動させるか、或いは持ち上げないと、基台V
1 に対して蓋体L
1 が分離されず、このような不自然な力は、意識しない限り作用せず、蓋体L
1 に不意に作用することは、殆ど考えられないので、基台V
1 と蓋体L
1 とが組み付けられた後においては、蓋体L
1 が分離されることはない。
【実施例2】
【0048】
次に、
図11〜
図14を参照して本発明の実施例2の保護カバー接続体C
2 について説明する。実施例2の保護カバー接続体C
2 は、実施例1の保護カバー接続体C
1 と同様に、2本の直状保護カバーC
0 の建物壁の壁面Wにおいて交差して配設されるものであり、当該交差角度(θ)が、実施例1では(90°)であるのに対して、実施例2は鈍角(θ>90°)である点が異なるのみであって、屈曲外側の2箇所及び屈曲内側の1箇所の各係合箇所の係合、及び係合解除の各構造は、同一である。よって、実施例1と同一部分には、同一符号を付し、寸法又は形状が多少異なるが、機能は同一である部分には、同一符号に「’」を付し、図示を主体にして説明する。
【0049】
2本の直状保護カバーC
0 の交差角度(θ)が鈍角であって、外側及び内側の各被係合部F
21,F
22の部分の各配設直交方向Bの交差角度は、実施例1の45°よりも小さくなるため、作業者の手により蓋体L
2 の外側壁22’に力Gを加えて、内側の撓み空間32’を利用して当該外側壁22’を撓み変形させた場合に、2本の直状保護カバーC
0 の交差角度(θ)が90°である場合の実施例1に比較して、当該撓み変形量に対する内側壁23’の配設直交方向Bに沿った移動量の割合が大きくなるので、係合解除の操作が容易である利点を有する。
【0050】
このように、2本の直状保護カバーC
0 の任意の交差角度(θ)に対応した保護カバー接続体に対して本発明は実施可能である。
【実施例3】
【0051】
次に、
図15〜
図18を参照して本発明の実施例3の保護カバー接続体C
3 について説明する。保護カバー接続体C
3 は、管体Pを分岐配管させるために、壁面WにT字状に配設される3本の直状保護カバーC
0 を接続するものであり、業界では「チーズ継手」と呼称されていて、壁面Wに固定される基台V
3 と、当該基台V
3 に係合構造により一体に組み付けられる蓋体L
3 とから成る。実施例3の保護カバー接続体C
3 は、後述の実施例4の保護カバー接続体C
4 に対して直状保護カバーC
0 の接続部の長さが短いのが特徴である。なお、実施例3においても、実施例1の保護カバー接続体C
1 と同一部分には、同一符号を、形状等が異なるのみで機能が同一の部分には、同一符号に「’」を付して、図示のみ行う。
【0052】
基台V
3 は、正方形体の隣接する2つのコーナー部が円弧状に欠落された形状の基板41’を備え、当該基板41’の隣接する各コーナー部が欠落されていない1辺に外側立壁42’が形成され、当該基板41’の円弧状に欠落された各コーナー部に内側立壁43’が形成されている。外側立壁42’は、直状の主配設経路R
1 に平行に形成された直状壁であって、主配設経路R
1 に沿った中央部に、前記蓋体L
2 の外側立壁42’の内側に撓み空間59’を形成するための突部44が外方に突設されている。外側立壁42’の両端部と各内側立壁43’の一端部の間は、主接続口57となっていると共に、各内側立壁43’の他端部の間は、分岐接続口58となっている。
【0053】
外側立壁42’の各主接続口57に近い部分には、それぞれ被係合部形成板部45が上方に延設されて、各被係合部形成板部45の内側に外側被係合部F
31が基板41’と平行にそれぞれ設けられ、各外側被係合部F
31の内側に挿入溝46がそれぞれ形成されている。内側立壁43’は、実施例1の内側立壁3と同一構造であって、断面コの字形の立壁基部43a’の端部に、立壁板部43b’が前記基板41’に対して垂直となって一体に形成され、当該立壁板部43b’の屈曲配設経路R
3 に沿った中央部に、被係合部形成板部47が形成されて、当該被係合部形成板部47の外側に内側被係合部F
32が基板41’と平行に形成されている。実施例1と同様にして、基板41’から内側被係合部F
32までの高さ(H
1 )は、当該基板41’から外側被係合部F
31までの高さ(H
2 )よりも高くなっている(H
1 >H
2 )。
【0054】
一方、蓋体L
3 は、平面視でT字状をなす平板状の天壁51’の各端から平板状の外側壁52’が垂下されていると共に、内側壁53’と分岐側壁54’とが横断面円弧状の連結側壁55を介して合体された合体側壁56’が垂下されることで、外側壁52’の両端部と各合体側壁56’の一方の端部とで、主接続口57が形成されると共に、各合体側壁56’の他端部とで分岐接続口58が形成された構成である。蓋体L
3 の合体側壁56’の連結側壁55の内面には、一対の補強リブ28が天壁51’の部分まで形成されて、当該連結側壁55の内面における一対の補強リブ28の間には、基台V
3 の内側被係合部F
32と係合する内側係合部E
32が天壁51’と平行に形成されている。
【0055】
そして、壁面Wに固定された保護カバー接続体C
3 の基台V
3 と、一対の主接続口57と分岐接続口58との計3つの各接続口57,58の部分において、当該基台V
3 に対して直状保護カバーC
0 の基台V
0 をそれぞれ接続して、管体Pを分岐配設した後に、計3つの直状保護カバーC
0 の各基台V
0 に蓋体L
0 をそれぞれ係合構造により一体に組み付ける。その後に、保護カバー接続体C
3 の基台V
3 の直上に蓋体L
3 を配置して、そのまま当該基台V
3 に押し付けると、主配設経路R
1 の外側において、蓋体L
3 の2つの外側係合部E
31と、基台V
3 の2つの外側被係合部F
31とが係合されると共に、各屈曲配設経路R
3 の部分において、蓋体L
3 の各連結側壁55に形成された各内側係合部E
32と、基台V
3 の各内側立壁43’に形成された各内側被係合部F
32とが、それぞれ係合されることで、主配設経路R
1 の内外における2箇所ずつの計4箇所の各係合箇所において、基台V
3 と蓋体L
3 は、係合構造により一体に組み付けられる。これにより、蓋体L
3 の外側壁52’は、基台V
3 の外側立壁42’との間に、前記蓋体L
3 の外側壁52’の撓みを容易にするための各撓み空間59’が、前記突部44の両側に形成される。
【0056】
保護カバー接続体C
3 の基台V
3 に対し蓋体L
3 が組み付けられている状態において、当該蓋体L
3 を取り外すには、
図18に示されるように、蓋体L
3 の外側壁52’の外側係合部E
31が設けられている部分を作業者の手の力Gで押圧すると、当該蓋体L
3 の外側壁52’における基台V
3 の突部44の両側の部分がそれぞれ独立して内側に撓むことで、蓋体L
3 の全体が分岐接続口58の側に撓み変形量だけ移動させられることで、主配設経路R
1 の外側と内側にそれぞれ2つずつ設けられた計4つの係合箇所の係合が同時に解除され、このままの状態で、蓋体L
3 を直上に持ち上げるか、或いは内側の2箇所の係合箇所を中心にして、蓋体L
3 を回動させることで、基台V
3 に対して蓋体L
3 が容易に取り外される。
【実施例4】
【0057】
次に、
図19〜
図23を参照して本発明の実施例4の保護カバー接続体C
4 について説明する。保護カバー接続体C
4 は、実施例3の保護カバー接続体C
3 と同様に、管体Pを分岐配管させるための「チーズ継手」と称されるものであり、実施例3の保護カバー接続体C
3 に比較して、一対の主接続口57及び分岐接続口58の部分の長さが相対的に長くなっていて、一般的な寸法構成となっている点が異なり、実施例3の保護カバー接続体C
3 について説明済の部分には、同一符号を付して、異なる部分についてのみ説明する。
【0058】
実施例4の保護カバー接続体C
4 の基台V
4 は、実施例3の保護カバー接続体C
3 の基台V
3 に対して、一対の主接続口57及び分岐接続口58の部分の長さがいずれも長いために、主配設経路R
1 に沿った中央部に設けられる突部48の長さが長くなっていること、一対の内側立壁43における外側立壁42の平行な各内側壁部43cに被係合部形成板部47がそれぞれ一体に設けられて、当該被係合部形成板部47の先端部の外側に内側被係合部F
42が形成されていること、一対の内側立壁43における分岐配設経路R
2 と平行な各分岐壁部43dの分岐接続口58に近い部分の外側に、被係合突部F
43が形成されていることの3点が大きく異なっている。
【0059】
実施例4の保護カバー接続体C
4 の蓋体L
4 は、実施例3の保護カバー接続体C
3 の蓋体L
3 に対して、一対の主接続口57及び分岐接続口58の部分の長さがいずれも長いために、一対の合体側壁56の各内側壁53の内側にそれぞれ内側係合部E
42が形成されていること、及び一対の合体側壁56の各分岐側壁54の内側に、基台V
4 の被係合突部F
43の下方に配置されて互いに係合する係合突部E
43が形成されていることの2点が大きく異なる。
【0060】
図20は、基台V
4 と蓋体L
4 とが、計6箇所の係合箇所で互いに係合することで、一体に組み付けられた状態である。なお、
図23に示されるように、分岐接続口58の部分において、基台V
4 の分岐壁部43dの外側に形成された被係合突部F
43の下方に、蓋体L
4 の分岐側壁54の内側に形成された係合突部E
43が分岐配設経路R
2 の方向に沿って部分的に係合している。
【0061】
このため、基台V
4 と蓋体L
4 とが一体に組み付けられた状態で、蓋体L
4 の外側壁52における両端部の撓み空間59の部分を撓ませると、基台V
4 に対して蓋体L
4 の全体が分岐配設経路R
2 の方向に沿って撓み変形量(δ)だけ移動されて、計6箇所の全ての係合箇所の係合が同時に解除されるので、この状態で、基台V
4 に対して蓋体L
4 を直上に持ち上げるか、或いは分岐配設経路R
2 の部分の左右一対の係合箇所(但し、その係合は既に解除されている)を中心にして、蓋体L
4 の全体を回動させることで、基台V
4 から蓋体L
4 を取り外すことができる。
【実施例5】
【0062】
次に、
図24〜
図30を参照して本発明の実施例5の保護カバー接続体C
5 について説明する。実施例1〜4の各保護カバー接続体C
1 〜C
4 は、いずれも蓋体L
1 〜L
4 の側壁の下端面が壁面Wに当接又は近接することで、基台V
1 〜V
4 の全体が蓋体L
1 〜L
4 により覆われる構成であるのに対して、実施例5の保護カバー接続体C
5 は、高さ方向の途中で基台V
5 と蓋体L
5 の各側壁が密着して組み付けられることで、分割線Jが視認される構成である点で、実施例1〜4と実施例5とは、基台と蓋体との組み付けの基本構成が異なる。
【0063】
実施例5の保護カバー接続体C
5 は、実施例1の保護カバー接続体C
1 と同様に、交差角度(θ)が90°で壁面Wに配置される2本の直状保護カバーC
0 を接続するものであって、壁面Wにビス固定される基台V
5 と、当該基台V
5 に係合構造により一体に組み付けられる蓋体L
5 とから成る。基台V
5 は、基板61の屈曲内側及び屈曲外側の各周縁にそれぞれ内側立壁62及び外側立壁63が垂直となって一体に形成され、外側立壁63の配設経路R
0 に沿った両端部よりも僅かに内側の部分であって、当該外側立壁63の上端部の内側に外側被係合部F
51が基板61と平行にそれぞれ形成され、外側立壁63の内面における当該外側被係合部F
51の両側には、蓋体L
5 における基台V
5 の内側被係合部F
52と対応する部分に設けられた係合板部74が配設経路R
0 の方向に沿ってずれるのを防止するずれ規制板部64が全高に亘って形成されている。基台V
5 の内側立壁62の配設経路R
0 に沿った両端部よりも僅かに内側の部分には、被係合板部65が、当該内側立壁62の上端面よりも上方に突設され、当該被係合板部65に貫通孔で構成される内側被係合部F
52がそれぞれ形成されている。
図29及び
図30に示されるように、基台V
5 と蓋体L
5 を高さ方向の途中に一体に組み付けた状態において、内外の各側壁の外面に段差が生じないようにするため、前記被係合板部65は、外側の部分で所定肉厚だけ欠肉されていると共に、内側の部分で所定肉厚だけ増肉(肉厚を大きくすること)されている。基台V
5 の外側立壁63には、配設経路R
0 の方向に沿って所定間隔をおいて大小の各サイズの各嵌合板部66,67が、当該外側立壁63の密着面63aから上方に突設されている。各嵌合板部66,67は、前記被係合板部65と同様に、外側立壁63の内外においてそれぞれ増肉及び欠肉されている。大サイズの一対の嵌合板部66は、外側立壁63の配設経路R
0 に沿った中央部に所定間隔をおいて設けられ、外側立壁63の内面における各嵌合板部66の間には、蓋体L
5 の嵌合板部77を嵌合させる方形状の嵌合溝部68が形成されている。また、内側立壁62の配設経路R
0 に沿った中央部に、大サイズの嵌合板部66が突設されている。なお、図中62aは、内側立壁62の密着面を示し、69は、基板61に設けられたビス挿通孔を示す。
【0064】
一方、蓋体L
5 は、平板状の天壁71の内外の両端にそれぞれ内側壁72及び外側壁73が垂下され、外側壁73の内面における基台V
5 の各外側被係合部F
51に対応する部分には、それぞれ係合板部74が当該外側壁73の密着面73aから下方に突設され、各係合板部74の外面の下端部には、外側係合部E
51が天壁71と平行に形成されている。また、
図29及び
図30に示されるように、内側壁72における基台V
5 の各内側被係合部F
52に対応する部分は、内側が欠肉されて薄肉に形成されて、貫通孔状の内側被係合部F
52に挿入係合される突起状の内側係合部E
52がそれぞれ形成されている。内外の各側壁72,73の内面における基台V
5 の大小の各嵌合板部66,67に対応する部分には、当該各嵌合板部66,67を嵌合させる方形状の各嵌合溝部75,76が形成され、外側壁73の内面に形成された大サイズの連結する嵌合溝部75の間には、基台V
5 の嵌合溝部68に嵌合される嵌合板部77が突設されている。また、蓋体L
5 の内外の各側壁72,73の外面における左右一対ずつの内側及び外側の各係合部E
51,E
52に対応する部分には、当該各係合部E
51,E
52の存在を示す係合部存在表示78,79が形成されている。なお、図中72aは、内側壁72の密着面を示す。
【0065】
このため、壁面Wにビス固定された基台V
5 に対して蓋体L
5 を係合構造により一体に組み付けるための内外2箇所ずつの各係合箇所の係合及び係合解除の方向は、いずれも同一方向である。即ち、基台V
5 の内側立壁62に形成された貫通孔状の内側被係合部F
52に対して、当該内側立壁62の外側に配置される蓋体L
5 の内側壁72の内面に形成された突起状の内側係合部E
52が挿入係合されると共に、基台V
5 の外側立壁63の内側に形成された外側被係合部F
51に対して、当該外側立壁63の外側に配置される蓋体L
5 の外側壁73の内面側に形成された突条状の外側係合部E
51が、当該外側被係合部F
51の内側から係合される。
【0066】
そして、壁面Wにビス固定された基台V
5 の直上から蓋体L
5 を押し付けると、
図29に示されるように、屈曲内側においては、蓋体L
5 の内側壁72の一対の内側係合部E
52が設けられた部分が僅かに内側に弾性変形されて、基台V
5 の内側立壁62の貫通孔状の一対の内側被係合部F
52に、突起状の各内側係合部E
52が挿入係合されると共に、屈曲外側においては、蓋体L
5 の外側壁73の一対の係合板部74が僅かに内側に弾性変形されて、基台V
5 の外側立壁63の内側に形成された突条状の一対の外側被係合部F
51の下方に、当該各係合板部74の下端部の外側に形成された一対の外側係合部E
51が配置されることで、互いに係合される。また、基台V
5 に設けられた大小の各嵌合板部66,67は、蓋体L
5 に設けられた対応する各嵌合溝部75,76にそれぞれ嵌合されると共に、蓋体L
5 の嵌合板部77は、基台V
5 の嵌合溝部68に嵌合されることで、基台V
5 の内側及び外側の各立壁62,63と、蓋体L
5 の内外の各側壁72,73が一体化されることで、基台V
5 と蓋体L
5 とがしっかりと組み付けられて、保護カバー接続体C
5 における配設経路R
0 に沿った両端部に、それぞれ直状保護カバーC
0 の接続口81が形成される。
【0067】
ここで、基台V
5 と蓋体L
5 とが一体に組み付けられている状態で、当該基台V
5 から当該蓋体L
5 を取り外すには、
図30に示されるように、蓋体L
5 の外側壁73における各接続口81に近い部分に形成された各係合部存在表示79のいずれか一方の部分に力Gを加えて、当該外側壁73を内側に撓ませると、外側の2つの係合箇所の一方である蓋体L
5 の外側係合部E
51と基台V
5 の外側被係合部F
51との係合が解除されて、当該蓋体L
5 を、内側の係合箇所を中心にして回動させると、当該回動の当初において、外側の他方の係合箇所の係合も連動して解除される。基台V
5 に対して蓋体L
5 が一定角度を超えて回動されると、内側の2つの係合箇所の係合は、基台V
5 の貫通孔状の内側被係合部F
52から、蓋体L
5 の突起状の内側係合部E
52が抜け出ることで、いずれも解除されて、基台V
5 に対して蓋体L
5 が取り外ささる。
【0068】
このように、実施例5の保護カバー接続体C
5 は、蓋体L
5 の外側壁73の接続口81に近い部分に力Gを加えることで、当該外側壁73を内側に撓ませて、外側の係合箇所の係合が解除された状態で、当該蓋体L
5 を、内側の係合箇所を支点にして上方に回動させるのみで、基台V
5 と蓋体L
5 とを分離させられるので、サイズの大きな保護カバー接続体C
5 であっても、作業者の片方の手で容易に、かつ確実に、基台V
5 と蓋体L
5 とを分離させられる。
【0069】
また、請求項1の各発明を実施した実施例1,2の保護カバー接続体C
1 ,C
2 は、いずれも壁面W上において所定角度(θ)で交差する直状保護カバーC
0 を接続するために、壁面Wと平行な面内において屈曲された形状であるが、請求項1の発明は、2本の直状保護カバーC
0 を交差することなく、直線状に接続するための直状の保護カバー接続体に対しても実施可能である。
【0070】
また、全体形状がL字状をした実施例1の保護カバー接続体C
1 は、請求項10の発明の実施例にも該当し、請求項10の発明は、壁面が直交する出済部及び入隅部に配置されて、直交する各壁面にぞれぞれ配置される直状保護カバーC
0 を接続するための出済部用及び入隅部用の各保護カバー接続体に対しても、実施可能である。
【0071】
なお、本発明は、作業者の一方の手によって蓋体の対向する内外の側壁を同時に掴むことができない保護カバー接続体に対して実施することが効果的であるが、本発明は、作業者の一方の手によって蓋体の各側壁を同時に掴むことのできるサイズの保護カバー接続体に対しても実施可能である。また、上記各実施例では、配設対象として管体(配管材)を示したが、配設対象は、配線材であっても同様である。