(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記冷却機構及び前記加熱機構は、前記ガラスが前記ガラスの歪み点と200℃との間の温度である場合に、前記ガラスが前記ガラスの軟化点と前記ガラスの歪み点との間の温度である場合よりも迅速な平均冷却速度で、前記ガラスが冷却されるように、構成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
前記冷却機構及び前記加熱機構は、前記ガラスが前記ガラスの作業点と前記ガラスの軟化点との間の温度である場合に、前記ガラスが前記ガラスの軟化点と前記ガラスの歪み点との間の温度である場合よりも迅速な平均冷却速度で、前記ガラスが冷却されるように、構成される、請求項6に記載の装置。
前記冷却機構及び前記加熱機構は、前記ガラスが前記ガラスの歪み点と200℃との間の温度である場合に、前記ガラスが前記ガラスの軟化点と前記ガラスの歪み点との間の温度である場合よりも迅速な平均冷却速度で、前記ガラスが冷却されるように、動作する、請求項8〜12のいずれか1項に記載の方法。
前記冷却機構及び前記加熱機構は、前記ガラスが前記ガラスの作業点と前記ガラスの軟化点との間の温度である場合に、前記ガラスが前記ガラスの軟化点と前記ガラスの歪み点との間の温度である場合よりも迅速な平均冷却速度で、前記ガラスが冷却されるように、動作する、請求項13に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
これより、本開示の実施形態を参照する。上記実施形態の例は添付の図面に図示されている。可能な限り、図面全体を通して、同一の又は同様の部品を指すために同一の参照番号を使用する。
【0011】
本明細書中で使用される場合、用語「装置の少なくとも1つの壁内の(in at least one wall of the apparatus)」は、ガラスが少なくともガラス作業点以下の温度からガラス歪み点以下の温度まで冷却される、ガラス製作装置のある領域を、少なくとも部分的に取り囲む領域を指し、上記壁と一体であるか、又は上記壁に取り付けられているか、又は上記壁の内部にあるかにかかわらず、1つ以上のバッフルを含む、上記壁内の又は上記壁上の要素及び材料を含む。
【0012】
本明細書中で使用される場合、用語「放射熱伝達を増強する冷却機構(cooling mechanism that enhances radiation heat transfer)」は、このような冷却機構が存在しない状況に対して、ガラスリボンから上記装置の壁への放射熱伝達の増大を提供する機構を指す。
【0013】
本明細書中で使用される場合、用語「放射熱伝達に影響を及ぼす加熱機構(heating mechanism that affects radiation heat transfer)」は、このような加熱機構が存在しない状況に対して、ガラスリボンから上記装置の壁への放射熱伝達の減少を提供する機構を指す。特に、放射熱伝達に影響を及ぼす加熱機構は、加熱素子であって、上記加熱素子に最も近接した上記ガラスリボンの一部分の温度より高い、低い、又は上記温度におおよそ等しい、加熱素子を含んでよい。
【0014】
本明細書中で使用される場合、用語「作業点(working point)」は、上記ガラスの粘度が10
4ポアズ(10
3Pa・s)となる摂氏度での温度を指す。
【0015】
本明細書中で使用される場合、用語「軟化点」は、上記ガラスの粘度が10
7.6ポアズ(10
6.6Pa・s)となる摂氏度での温度を指す。
【0016】
本明細書中で使用される場合、用語「アニール点」は、上記ガラスの粘度が10
13ポアズ(10
12Pa・s)となる摂氏度での温度を指す。
【0017】
本明細書中で使用される場合、用語「歪み点」は、上記ガラスの粘度が10
14.5ポアズ(10
13.5Pa・s)となる摂氏度での温度を指す。
【0018】
本明細書において開示される実施形態は、例えば200℃とガラスの作業点との間のガラス温度(これは、ガラスの沈降範囲を包含する温度範囲、又は例えば所与の温度におけるガラスの組成及び冷却速度に応じて様々な特性をガラスに付与する温度範囲として、幅広く定義できる)において、ガラス流量がますます高くなり、かつ厚さが低減された状態で、ガラスシート等のガラスの冷却の改善を可能とすることができる。このような温度範囲はまた、ガラスの軟化点と歪み点との間の温度範囲も含むことができ、これは、ガラスの軟化点とアニール点との間の、及びガラスのアニール点と歪み点との間の温度範囲を含む。
【0019】
図1は、後でガラスシートへと加工するためにガラスリボン103をフュージョンドロー加工するためのガラス形成装置101の、例示的な概略図である。図示されているガラス形成装置はフュージョンドロー装置を備えるが、更なる例では他のフュージョン形成装置を設けてもよい。ガラス形成装置101は、貯蔵ビン109からバッチ材料107を受承するよう構成された溶融用容器(又は溶融炉)105を含むことができる。バッチ材料107は、モータ113によって動力供給されるバッチ送達デバイス111によって導入できる。任意のコントローラ115は、矢印117で示すように、所望量のバッチ材料107を溶融用容器105に導入するために、モータ113を起動するよう構成できる。ガラス液位プローブ119を用いて、スタンドパイプ123内のガラス溶融物(又は溶融ガラス)121の液位を測定でき、また通信ライン125によって、測定された情報をコントローラ115へと通信できる。
【0020】
ガラス形成装置101はまた、溶融用容器105から下流に配置され、第1の接続チューブ129によって溶融用容器105に流体接続された、清澄用チューブ等の清澄用容器127も含むことができる。撹拌チャンバ等の混合用容器131も、清澄用容器127から下流に配置でき、ボウル等の送達用容器133を、混合用容器131から下流に配置してよい。図示されているように、第2の接続チューブ135は、清澄用容器127を混合用容器131に接続でき、第3の接続チューブ137は、混合用容器131を送達用容器133に接続できる。更に図示されているように、下降管139を、送達用容器133から形成デバイス143の流入口141へとガラス溶融物121を送達するように位置決めできる。図示されているように、溶融用容器105、清澄用容器127、混合用容器131、送達用容器133及び形成デバイス143は、ガラス形成装置101に沿って直列に配置できるガラス溶融ステーションの例である。
【0021】
溶融用容器105は典型的には、耐火性(例えばセラミック)レンガ等の耐火性材料から作製される。ガラス形成装置101は更に、典型的には白金、又は白金‐ロジウム、白金‐イリジウム及びこれらの組み合わせといった白金含有金属から作製される一方で、モリブデン、パラジウム、レニウム、タンタル、チタン、タングステン、ルテニウム、オスミウム、ジルコニウム及びこれらの合金並びに/又は二酸化ジルコニウムといった耐火性金属も含んでよい、構成部品を含んでよい。白金含有構成部品は、第1の接続チューブ129、清澄用容器127(例えば清澄器チューブ)、第2の接続チューブ135、スタンドパイプ123、混合用容器131(例えば撹拌チャンバ)、第3の接続チューブ137、送達用容器133(例えばボウル)、下降管139及び流入口141のうちの1つ以上を含むことができる。形成デバイス143は、耐火物等のセラミック材料から作製され、ガラスリボン103を形成するよう設計される。
【0022】
図2は、ガラス形成装置101の、
図1の線2‐2に沿った断面斜視図である。図示されているように、形成デバイス143は、1対の堰によって少なくとも部分的に画定されるトラフ201を含むことができ、上記1対の堰は、トラフ201の対向する側部を画定する第1の堰203及び第2の堰205を含む。更に図示されているように、上記トラフはまた、底部壁207によって少なくとも部分的に画定され得る。図示されているように、堰203、205及び底部壁207の内側表面は、丸みを帯びた角部を備えてよい、略U字型の形状を画定する。更なる例では、上記U字型の形状は、互いに対して略90°の複数の表面を有してよい。また更なる例では、上記トラフは、堰203、205の内側表面の交差部分によって画定された底部表面を有してよい。例えば上記トラフは、V字型プロファイルを有してよい。図示されていないが、追加の例では、上記トラフは更なる構成を含むことができる。
【0023】
図示されているように、トラフ201は、上記堰の頂部とトラフ201の下部との間に深さ「D」を有することができ、上記深さは軸209に沿って略同一としてもよいものの、上記深さは軸209に沿って変動する。トラフ201の深さ「D」が変動することにより、ガラスリボン103の幅に亘ってガラスリボン厚さを容易に一定とすることができる。単なる一例として、
図2に示すように、形成デバイス143の上記流入口付近の深さ「D
1」は、トラフ201の流入口から下流の位置にあるトラフ201の深さ「D
2」より大きくすることができる。破線210で示されているように、底部壁207は、軸209に対して鋭角に延在してよく、これにより、流入口側端部から反対側の端部まで、形成デバイス143の長さに沿って、略連続した深さの減少を提供する。
【0024】
形成デバイス143は更に形成用ウェッジ211を含み、この形成用ウェッジ211は、形成用ウェッジ211の対向する端部間に延在する、下方に傾斜した形成用表面部分213、215のペアを備える。下方に傾斜した形成用部分213、215のペアは、下流方向217に沿って集束して、基部219を形成する。ドロー平面221は基部219を通って延在し、ガラスリボン103は、ドロー平面221に沿って下流方向217にドロー加工できる。図示されているように、ドロー平面221は基部219を二等分できるが、ドロー平面221は、基部219に対して他の配向で延在してもよい。
【0025】
形成デバイス143は任意に、下方に傾斜した形成用表面部分213、215のペアのうちの少なくとも1つと交差する、1つ以上の縁部配向器223を備えてよい。更なる例では、上記1つ以上の縁部配向器は、下方に傾斜した形成用表面部分213、215両方と交差できる。更なる例では、縁部配向器は、形成用ウェッジ211の対向する端部それぞれに位置決めでき、ガラスリボン103の縁部は、上記縁部配向器から離れるように流れる溶融ガラスによって形成される。例えば
図2に示すように、縁部配向器223は、第1の対向する端部225に位置決めでき、第2の同一の縁部配向器(
図2には図示せず)は、第2の対向する端部(
図1の227参照)に位置決めできる。各縁部配向器223は、下方に傾斜した形成用表面部分213、215の両方と交差するように構成できる。各縁部配向器223は互いに略同一とすることができるが、更なる例では、上記縁部配向器は異なる特徴を有してよい。様々な形成用ウェッジ及び縁部配向器の構成を、本開示の態様に従って使用してよい。例えば本開示の態様は、米国特許第3451798号明細書、米国特許第3537834号明細書、米国特許第7409839号明細書、及び/又は2009年2月26出願の米国仮特許出願第61/155669号明細書に開示されている形成用ウェッジ及び縁部配向器の構成と共に使用してよく、これらの各文献は、参照によりその全体が本出願に援用される。
【0026】
図3は、ガラス形成装置101の第1の壁302aと第2の壁302bとの間のガラスリボン103の断面図である。壁302a及び302bはそれぞれ、例えば鋼鉄製フレームを備えてよい。第1の壁302aの内部は、
図3において304a及び304bとして示されている複数のバッフルを備える。第2の壁302bの内部もまた、
図3において304c及び304dとして示されている複数のバッフルを備える。バッフルは、上記壁自体を構成する材料と同一の材料又は異なる材料を含んでよい。
図3は、第1の壁302a及び第2の壁302bそれぞれに2つのバッフルを示しているが、本明細書において開示される実施形態はそのように限定されず、上記装置の各壁にいずれの個数のバッフル、例えば、1〜1000個のバッフルを含む、更には2〜500個のバッフルを含む、また更には5〜200個のバッフルを含む、少なくとも1つのバッフルを備えてよいことを理解されたい。
【0027】
壁302a及び302bはそれぞれ冷却機構を含み、上記冷却機構は、以下で更に詳細に説明するように、溶融ガラスと上記装置の上記壁との間の放射熱伝達を増強し、また垂直方向及び水平方向の両方において調整可能である。また壁302a及び302bはそれぞれ加熱機構も含み、上記加熱機構は、以下で更に詳細に説明するように、溶融ガラスと上記装置の壁との間の放射熱伝達に影響を及ぼし、垂直方向及び水平方向の両方において調整可能であり、上記冷却機構とは独立して動作可能である。
【0028】
具体的には、
図3に示されている実施形態において、第1の壁302a及び第2の壁302bはそれぞれ、導管内の流体流を含む冷却機構を含む。特に第1の壁302aは、
図3において310a、310b、310c、310d及び310eとして示されている複数の導管を含み、上記導管は、上記壁の内部に格納される。同様に、第2の壁302bは、
図3において310f、310g、310h、310i及び310jとして示されている複数の導管を含み、上記導管は、上記壁の内部に格納される。
図3は、第1の壁302a及び第2の壁302bそれぞれに5つの導管を示しているが、本明細書において開示される実施形態はそのように限定されず、上記装置の各壁にいずれの個数の導管、例えば1〜1000個の導管を含む、更には2〜500個の導管を含む、また更には5〜200個の導管を含む、少なくとも1つの導管を備えてよいことを理解されたい。
【0029】
上記導管を通って流れる流体は、例えば空気等の気体、又は液体であってよい。特定の例示的実施形態では、上記流体は液体であり、ある特定の実施形態では、上記流体は水である。
【0030】
例示的実施形態では、上記導管を通って流れる流体は、20℃〜100℃を含む、更には30℃〜90℃を含む、また更には40℃〜80℃を含む、100℃未満、例えば90℃、更には例えば80℃未満の温度を有する。
【0031】
例えば、ある好ましい例示的実施形態では、上記流体は、温度が100℃未満、例えば90℃未満、更には例えば80℃未満の、水である。
【0032】
上記導管を通って流れる流体は、上記装置の一方の側部から他方の側部へ、例えば上記ガラス形成デバイスの上記流入口に最も近い側部から、上記ガラス形成デバイスの圧縮側に最も近い側部へ、又はその逆に、流れることができる。あるいは流体は、各壁の中央付近から各壁の端部へ(即ち上記壁の中央から両端部へと反対方向に)流れることができる。
【0033】
異なる導管内を流れる流体が、同様の又は異なる温度及び/又は流量となるように、各上記導管を独立して制御できる。例えばいくつかの導管では、上記流体の温度及び/又は流量を、他の導管内の上記流体の温度及び/又は流量と、同一の又は異なる温度及び/又は流量とすることができる。更に、同一の又は異なる流体が、異なる導管を通って流れてもよい。例えば空気等の気体が少なくとも1つの導管を通って流れてよく、その一方で少なくとも1つの他の導管内には水等の液体が流れてよい。
【0034】
更に、各上記導管は、上記装置の各壁の長さの一部分のみを通って延在してよい。例えば、上記装置の各壁は、上記壁に沿ってX及びY方向に延在する、導管の行と列のアレイを備えてよい。異なる導管内を流れる流体が、同様の又は異なる温度及び/又は流量となるように、上記導管のアレイ内の各上記導管を、独立して制御できる。例えばいくつかの導管では、上記流体の温度及び/又は流量を、他の導管内の上記流体の温度及び/又は流量と、同一の又は異なる温度及び/又は流量とすることができる。更に、同一の又は異なる流体が、異なる導管を通って流れてもよい。例えば空気等の気体がいくつかの導管を通って流れてよく、その一方で他の導管内には水等の液体が流れてよい。このようにして、上記冷却機構を、垂直方向及び水平方向の両方において調整可能とすることができる。
【0035】
上記冷却機構による放射熱伝達は、壁302a及び302bの内側(即ち上記壁の、ガラスリボン103に最も近い側)をそれぞれ、Cetek Ceramic Technologiesから入手可能な高放射率セラミックコーティング等の高放射率コーティングでコーティングすることによって、更に増強できる。このような高放射率コーティングは、
図3において304a、304b、304c及び304dとして示されているバッフルの外側表面上にコーティングできる。
【0036】
放射熱伝達はまた、形成用ウェッジ211の下方の形成装置101の上部領域に、少なくとも4つの冷却用バヨネット等の少なくとも1つの冷却用バヨネット(
図3には図示せず)を含めることによって、増強できる。
【0037】
放射熱伝達はまた、上記バッフルの上方及び/又は下方に存在するはずの断熱バスケット(
図3には図示せず)を除去することによって、増強できる。
【0038】
例えば上記装置内に少なくとも部分的な真空を生成し、これにより、壁302aと壁302bとの間又は壁302a及び302bそれぞれの中といった上記装置内の空気流等の流体の対流、例えばバッフル304a〜d内の空気流等の流体の流れを増大させることによって、上記装置内の対流熱伝達の量を増大させることにより、更なる熱伝達を実現できる。このような増強された対流熱伝達機構の実施形態の例は、米国特許出願第61/829566号明細書に開示されており、上記特許出願の開示全体は、参照により本出願に援用される。
【0039】
図3に示されている実施形態では、壁302a及び302bはそれぞれ、加熱機構を含む。具体的には、第1の壁302aは、
図3において306a及び306bとして示されている複数の加熱素子を含む。第2の壁302bもまた、
図3において306c及び306dとして示されている複数の加熱素子を含む。各加熱素子306a〜dは、上記壁の、ガラスリボン103に最も近い側である、壁302a、302bの内側表面に配置される。
図3では第1の壁302a及び第2の壁302bそれぞれに2つの加熱素子が示されているが、本明細書において開示される実施形態はそのように限定されず、上記装置の各壁にいずれの個数の加熱素子、例えば1〜2000個の加熱素子を含む、更には2〜1000個の加熱素子を含む、また更には5〜500個の加熱素子を含む、少なくとも1つの加熱素子を備えてよいことを理解されたい。
【0040】
図3では、上記壁の、上記ガラスリボン103に最も近い内側表面上の、加熱素子306a〜dが示されているが、本明細書において開示される実施形態は、加熱素子が上記壁の内側に格納される実施形態を含むことを理解されたい。例えば特定の例示的実施形態では、いくつかの加熱素子を、(例えば
図3に示されているように)各壁の内側表面上に配設してよく、その一方で他の加熱素子は、各壁の内側に格納される。
【0041】
特定の例示的実施形態における加熱素子は、電気抵抗性加熱素子であってよい。例えば特定の実施形態では、上記加熱素子は、Kanthalから入手可能な電気抵抗性加熱素子を含んでよい。特定の実施形態では、上記加熱素子は、二ケイ化モリブデン(MoSi
2)、並びに鉄、クロム及びアルミニウムの合金(FeCrAl)からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含んでよい。動作時の電気抵抗性加熱素子の温度は例えば、1300℃〜1800℃、更に1400℃〜1700℃等、1200℃〜1900℃であってよい。
【0042】
各上記加熱素子は独立して制御できる。例えば、いくつかの加熱素子の温度又はパーセント電力飽和が、他の加熱素子の温度又はパーセント電力飽和と同一とするか又は異なるものとすることができるように、各上記加熱素子を制御してよい。
【0043】
更に、各上記加熱素子は、上記装置の各壁の長さの一部分のみを通って延在してよい。例えば、上記装置の各壁は、上記壁に沿ってX及びY方向に延在する、加熱素子の行と列のアレイを備えてよい。上記加熱素子のアレイ内の各上記加熱素子は、独立して制御できる。例えばいくつかの加熱素子では、温度又はパーセント電力飽和を、他の加熱素子における温度又はパーセント電力飽和と、同一とするか又は異なるものとすることができる。このようにして、上記加熱機構を、垂直方向及び水平方向の両方において調整可能とすることができる。このようにして、上記加熱機構は、上記冷却機構から独立して動作可能とすることもできる。
【0044】
上記加熱素子と上記装置の上記壁自体との間に十分な断熱材を位置決めすることによって、上記加熱機構による放射熱伝達に更に影響を及ぼすことができる。
図3に示されているように、断熱材308aは、加熱素子306aと第1の壁302aとの間に位置決めされ、断熱材308bは、加熱素子306bと第1の壁302aとの間に位置決めされ、断熱材308cは、加熱素子306cと第2の壁302bとの間に位置決めされ、断熱材308dは、加熱素子306dと第2の壁302bとの間に位置決めされる。
【0045】
いずれの特定の材料に限定されないが、特定の例示的実施形態では、断熱材は、600℃において5.0W/mK未満(例えば2.5W/mK未満、更には1.0W/mK未満、また更には0.5W/mK、また更には0.25W/mK)、例えば600℃において0.1〜5.0W/mK(0.1〜2.0W/mK、更には0.1〜1.0W/mK、また更には0.1〜0.5W/mK、また更には0.1〜0.25W/mK等、0.1〜5.0W/mKを含む)の熱伝導率を有する。断熱材のための例示的な材料としては、Unifrax製Fiberfrax(登録商標)アルミノシリケートファイバを含む材料が挙げられる。
【0046】
図5は、ガラス形成装置101の第1の壁302aと第2の壁302bとの間のガラスリボン103の断面図であり、これは、導管310a〜jが第1の壁302a及び第2の壁302bの外側表面上に位置決めされていることを除いて、
図3に示されている実施形態と同様である。
【0047】
図7は、ガラス形成装置101の第1の壁302aと第2の壁302bとの間のガラスリボン103の断面図であり、これは、バッフル304a‐dそれぞれが流体流導管312a〜dを含むことを除いて、
図3に示されている実施形態と同様であり、導管312aはバッフル304aに対応し、導管312bはバッフル304bに対応し、導管312cはバッフル304cに対応し、導管312dはバッフル304dに対応する。
図7に示されている実施形態では、導管は、上記バッフルの、ガラスリボン103に最も近い部分付近に位置決めされているが、本明細書において開示される実施形態は、導管がバッフルの他の領域に位置決めされる実施形態、及び導管がバッフルの更に大きい表面積と接触するジオメトリを有する実施形態、及び2つ以上の導管が同一のバッフル内に存在する実施形態を含むことを理解されたい。
【0048】
バッフル導管を通って流れる流体は例えば、空気等の気体、又は液体であってよい。特定の例示的実施形態では、上記流体は液体であり、ある特定の例示的実施形態では上記流体は水である。
【0049】
例示的実施形態では、バッフル導管を通って流れる流体は、90℃未満、更には80℃未満、例えば20℃〜100℃、更には30℃〜90℃、また更には40℃〜80℃といった、100℃未満の温度を有する。
【0050】
例えばある好ましい例示的実施形態では、上記流体は、90℃未満、更には80℃未満といった、100℃未満の温度の水である。
【0051】
バッフル導管が上記壁の一方の側部から他方の側部へと延在する場合、流体は各壁の中央付近から、各壁の端部に向かって(即ち上記壁の中央から両端部へと反対方向に)流れることができる。
【0052】
異なるバッフル導管内を流れる流体が、同様の又は異なる温度及び/又は流量となるように、バッフル導管をそれぞれ独立して制御できる。例えばいくつかのバッフル導管では、上記流体の温度及び/又は流量は、他のバッフル導管内の流体の温度及び/又は流量と同一の又は異なる温度及び/又は流量とすることができる。更に、同一の又は異なる流体が、異なるバッフル導管を通って流れてもよい。例えば空気等の気体が少なくとも1つのバッフル導管を通って流れてよく、その一方で少なくとも1つの他のバッフル導管内には水等の液体が流れてよい。
【0053】
更に、各上記バッフル導管は、上記装置の各壁の長さの一部分のみを通って延在してよい。例えば、上記装置の各壁は、上記壁に沿ってX及びY方向に延在する、バッフル導管の行と列のアレイを備えてよい。異なるバッフル導管内を流れる流体が、同様の又は異なる温度及び/又は流量となるように、上記導管のアレイ内の各上記バッフル導管を、独立して制御できる。例えばいくつかのバッフル導管では、上記流体の温度及び/又は流量は、他のバッフル導管内の流体の温度及び/又は流量と同一の又は異なる温度及び/又は流量とすることができる。更に、同一の又は異なる流体が、異なるバッフル導管を通って流れてもよい。例えば空気等の気体がいくつかのバッフル導管を通って流れてよく、その一方で他の導管内には水等の液体が流れてよい。このようにして、上記冷却機構を、垂直方向及び水平方向の両方において更に調整可能とすることができる。
【0054】
図9は、ガラス形成装置101の第1の壁302aと第2の壁302bとの間のガラスリボン103の断面図であり、これは、導管310a‐jが第1の壁302a及び第2の壁302bの外側表面上に位置決めされていることを除いて、
図7に示されている実施形態と同様である。
【0055】
従って本明細書において開示される実施形態は、上記冷却機構が少なくとも2つの冷却機構構成部品、即ち第1の冷却機構構成部品及び第2の冷却機構構成部品を備える実施形態を含み、上記第1の冷却機構構成部品は、例えば
図7に示すように上記装置の壁の内側内、又は
図9に示すように上記装置の壁の外側表面上等、上記第2の冷却機構構成部品に比べて上記ガラスリボンから比較的遠距離にある導管内の流体流を含む。上記第2の冷却機構構成部品は、例えば
図7及び9に示すようにバッフル導管内等、上記第1の冷却機構構成部品よりも上記ガラスリボンに近い導管内の流体流を含む。上記冷却機構の上記第1及び第2の構成部品の導管を通って流れる流体は例えば、同一であるか又は異なっていてよく、気体又は液体であってよい。特定の例示的実施形態では、上記冷却機構の上記第1及び第2の構成部品の両方の導管を通って流れる流体は液体であり、ある特定の例示的実施形態では、上記流体は水である。
【0056】
上記冷却機構の第1及び第2の構成部品は、協働する際、同一の又は異なる流量及び温度の流体流に関与し得る。例えば上記装置の各壁は、上記冷却機構の上記第1及び第2の構成部品それぞれの導管の、行と列のアレイを備えてよく、上記導管は上記壁に沿ってX及びY方向に延在する。異なる導管内を流れる流体が同様の又は異なる温度及び/又は流量となるよう、上記冷却機構のいずれの構成部品の各上記導管を、独立して制御できる。
【0057】
上述のものを含む、本明細書において開示される実施形態は、ますます高い流量及び低減された厚さでのガラスの製造を可能とすることができ、上記製造は、密度、圧縮率、ヤング率、比弾性率、熱膨張係数、ポアソン比、並びに低い応力及び反りといった、優れた特性を有するガラスシートの製造を可能とする所定の冷却曲線に、可能な限り近づいたものである。例えば本明細書において開示される実施形態は、0.5ミリメートル未満の厚さ、2.6g/cm
3未満の密度、少なくとも65GPaのヤング率、及び100マイクロメートル未満の反りを有するガラスの、ますます高い流量での製造を可能とすることができる。
【0058】
例えば、ガラス流量が増大するに従って、上記冷却機構を垂直方向及び水平方向のうちの少なくとも一方において調節または調整して、上記装置からより多くの熱を抽出し、比較的高い流量の結果としての、上記装置に与えられるエネルギの増大を補償できる。同時に、上記加熱機構を垂直方向及び水平方向のうちの少なくとも一方において調節または調整することによって、加熱素子とガラスとの間の熱伝達を修正し、増大した流量におけるガラスの冷却を、上記所定の冷却曲線に可能な限り近いものとすることができ、またいずれのプロセスドリフトに対して調整できる。また、上記冷却及び加熱機構を調整することによって、異なるガラス流量だけでなく、異なる所定の冷却曲線を有する異なるガラス組成に対処できる。
【0059】
本明細書において開示される実施形態では、プロセス制御アルゴリズム等の調整アルゴリズムを採用でき、これは例えば、1つの装置内で異なる流量の異なるガラス組成の熱応答に対処して、冷却及び加熱機構それぞれをリアルタイムで調整し、ガラスの冷却を、所定の冷却曲線に可能な限り近いものとする。特定の実施形態では、上記調整アルゴリズムは、コンピュータプロセッサを使用することになる。特定の実施形態では、上記調整アルゴリズムは、上記ガラスの冷却を、ダウンドロー方向においてだけでなくドローを横断する方向においても考慮し、これにより、垂直方向及び水平方向の両方におけるガラスのリアルタイム制御下冷却を可能とする。
【0060】
垂直方向及び水平方向の両方における上記冷却及び加熱機構の調整可能性は、上記デバイスのいずれの垂直又は水平領域に、少なくとも1つの多段冷却及び誘導加熱素子を組み込むことによって、更に増強できる。このような素子は、多段冷却システムが動作しているか誘導加熱システムが動作しているかに応じて、デバイスの同一の領域を加熱又は冷却するように動作できる。例示的な多段冷却及び誘導加熱システムは、米国特許出願第14/460447号明細書に開示されており、上記特許出願の開示全体は、参照により本出願に援用される。
【0061】
図4は、本明細書において開示される実施形態による冷却及び加熱機構400の動作の概略図である。
図4に示されている実施形態では、列C1〜C6は、ドローを横断する領域を表す(C3及びC4は、ガラスシートの中央に対応する領域を表し、C1及びC6は、ガラスシートの縁部に対応する領域を表す)。対照的に、行R1〜R6はドローを下がってゆく領域を表す(R1は、ガラスが比較的高温である、ドローの比較的高い地点にあり、R6は、ガラスが比較的低温である、ドローの比較的低い地点にある)。各セル(C1‐R1等)内において、長方形の背景領域は冷却機構を表し、菱形の前景領域は加熱機構を表す。具体的には、あるセル内の影の度合いが濃くなるほど、上記装置の当該領域における冷却又は加熱機構の冷却又は加熱の量が大きくなる(又は飽和に対するパーセンテージが高くなる)。例えば、影の度合いが濃い長方形の背景セルは、影の度合いが薄い長方形の背景セルに対して、冷却機構からの冷却の量が大きいことを示している。同様に、影の度合いが濃い菱形領域は、影の度合いが薄い菱形領域に対して、加熱機構からの加熱の量が大きいことを示している。長方形の背景セル又は菱形領域内に影がない場合、これは、冷却又は加熱機構が、上記装置の当該領域において効果的にオフにされていることを示している。
図4の実施形態は、行と列の6×6のアレイを示しているが、本明細書において開示される実施形態はそのように限定されず、いずれの数の行及び列を含んでよく、また異なる行又は列内に異なる数のセルを含んでもよいことを理解されたい。
【0062】
図4の実施形態では、上記冷却機構は、上記装置の左右及び上下に亘っておおよそ一定となるように動作している。対照的に、上記加熱機構は、(所与の垂直方向位置において)上記装置の左右に亘っておおよそ一定であるものの、垂直方向高さに応じて変動するように動作しており、中ほどの高さの領域において加熱量が比較的多く、高さが高い、及び低い領域において加熱量が比較的少ない。
図4から分かるように、本明細書において開示される実施形態は、加熱機構及び冷却機構の両方がデバイスの同一の領域で動作する実施形態を包含する。
【0063】
図6は、本明細書において開示される実施形態による冷却及び加熱機構400の動作の別の概略図である。
図6の実施形態では、冷却機構及び加熱機構の両方は、(所与の垂直方向位置において)上記装置の左右に亘っておおよそ一定であるものの、垂直方向高さに応じて変動するように動作しており、中ほどの高さの領域において加熱量が比較的多く、高さが高い、及び低い領域において冷却量が比較的多い。
【0064】
図8は、本明細書において開示される実施形態による冷却及び加熱機構400の動作の別の概略図である。
図8の実施形態では、冷却機構は、(所与の垂直方向位置において)上記装置の左右に亘っておおよそ一定であるものの、垂直方向高さに応じて変動するように動作しており、高さが高い、及び低い領域において冷却量が比較的多く、中ほどの高さの領域において冷却量が比較的少ない。対照的に、加熱機構は、水平方向及び垂直方向の両方において変動する。
【0065】
図10は、本明細書において開示される実施形態による冷却及び加熱機構400の動作の別の概略図である。
図10の実施形態では、冷却機構及び加熱機構の両方が、水平方向及び垂直方向の両方において変動する。
【0066】
上述のように、本明細書において開示される実施形態は、ますます高い流量におけるガラスの製造を可能とすることができ、上記製造は、所定の冷却曲線に可能な限り近いものである。例えば本明細書において開示される実施形態は、変動するガラス流量において、ガラスが上記ガラスの歪み点と200℃との間の温度である場合に、上記ガラスが上記ガラスの軟化点と上記ガラスの歪み点との間の温度である場合よりも迅速な平均冷却速度で、上記ガラスが冷却されるように、冷却機構及び加熱機構が構成された実施形態を含むことができる。このような実施形態はまた、変動するガラス流量において、上記ガラスが上記ガラスの作業点と上記ガラスの軟化点との間の温度である場合に、上記ガラスが上記ガラスの軟化点と上記ガラスの歪み点との間の温度である場合よりも迅速な平均冷却速度で、上記ガラスが冷却されるように、冷却機構及び加熱機構が構成された実施形態も含むことができる。このような実施形態は更に、変動するガラス流量において、ガラスが上記ガラスのアニール点と上記ガラスの歪み点との間の温度である場合に、上記ガラスが上記ガラスの軟化点と上記ガラスのアニール点との間の温度である場合よりも迅速な平均冷却速度で、上記ガラスが冷却されるように、冷却機構及び加熱機構が構成された実施形態を含むことができる。このような実施形態は、同時に所定の冷却曲線をたどりながら、比較的高い溶融ガラス流量における薄型ガラスシート、例えば厚さ0.5ミリメートル未満のガラスシートの製造を可能とすることができ、溶融ガラスリボンを取り囲む環境は最小限しか破壊されず(これは薄型ガラスにとって特に重要である)、従ってプロセスの不調を最小限に抑さえて、高品質の製品を安定して製造できる。
【0067】
限定するものではないが、例示的なガラスの作業点としては、1100℃〜1500℃が挙げられる。限定するものではないが、例示的なガラスの軟化点としては、800℃〜1200℃が挙げられる。限定するものではないが、例示的なガラスのアニール点としては、550℃〜950℃が挙げられる。限定するものではないが、例示的なガラスの歪み点としては、500℃〜900℃が挙げられる。
【0068】
本明細書において開示される具体的実施形態について、オーバフローダウンドロープロセスに関連して説明してきたが、このような実施形態の動作の原理は、フロープロセス及びスロットドロープロセスといった、他のガラス形成プロセスにも適用してよいことを理解されたい。
【0069】
本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示の実施形態に対して様々な修正及び変更を実施できることは、当業者には明らかであろう。従って本開示は、これらの及びその他の実施形態の修正形態及び変形形態が、添付の請求項及びその均等物の範囲内にある限り、上記修正形態及び変形形態を包含することが意図されている。
【0070】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0071】
実施形態1
ガラス物品を製造するための装置であって、
上記装置は:
上記装置の少なくとも1つの壁内の冷却機構であって、上記冷却機構は、溶融ガラスと上記装置の上記壁との間の放射熱伝達を増強し、また垂直方向及び水平方向の両方において調整可能であり、上記冷却機構は、上記冷却機構が存在しない状況に対して、ガラスリボンから上記装置の上記壁への放射熱伝達の増大を提供する、冷却機構;並びに
加熱機構であって、上記加熱機構は、上記溶融ガラスと上記装置の上記壁との間の放射熱伝達に影響を及ぼし、垂直方向及び水平方向の両方において調整可能であり、上記冷却機構とは独立して動作可能であり、上記加熱機構は、上記加熱機構が存在しない状況に対して、上記ガラスリボンから上記装置の上記壁への放射熱伝達の減少を提供する、加熱機構
を備える、装置。
【0072】
実施形態2
上記冷却機構は、上記装置の上記壁内の導管内に、流体流を含む、実施形態1に記載の装置。
【0073】
実施形態3
上記流体は液体である、実施形態2に記載の装置。
【0074】
実施形態4
上記液体は水である、実施形態3に記載の装置。
【0075】
実施形態5
上記流体の温度は100℃未満である、実施形態2に記載の装置。
【0076】
実施形態6
上記加熱機構は、少なくとも1つの電気抵抗性加熱素子を備える、実施形態1に記載の装置。
【0077】
実施形態7
オーバフローダウンドロー形成デバイスを備える、実施形態1に記載の装置。
【0078】
実施形態8
上記装置の上記壁内の少なくとも1つの流体流導管は、バッフル領域内に位置する、実施形態2に記載の装置。
【0079】
実施形態9
上記冷却機構及び上記加熱機構は、上記ガラスが上記ガラスの歪み点と200℃との間の温度である場合に、上記ガラスが上記ガラスの軟化点と上記ガラスの歪み点との間の温度である場合よりも迅速な平均冷却速度で、上記ガラスが冷却されるように、構成される、実施形態1に記載の装置。
【0080】
実施形態10
上記冷却機構及び上記加熱機構は、上記ガラスが上記ガラスの作業点と上記ガラスの軟化点との間の温度である場合に、上記ガラスが上記ガラスの軟化点と上記ガラスの歪み点との間の温度である場合よりも迅速な平均冷却速度で、上記ガラスが冷却されるように、構成される、実施形態9に記載の装置。
【0081】
実施形態11
上記ガラス物品は、厚さ0.5ミリメートル未満のガラスシートである、実施形態1に記載の装置。
【0082】
実施形態12
ガラス物品の製造方法であって、
上記方法は、装置内で上記ガラス物品を形成するステップを含み、
上記装置は:
上記装置の少なくとも1つの壁内の冷却機構であって、上記冷却機構は、溶融ガラスと上記装置の上記壁との間の放射熱伝達を増強し、また垂直方向及び水平方向の両方において調整可能であり、上記冷却機構は、上記冷却機構が存在しない状況に対して、ガラスリボンから上記装置の上記壁への放射熱伝達の増大を提供する、冷却機構;並びに
加熱機構であって、上記加熱機構は、上記溶融ガラスと上記装置の上記壁との間の放射熱伝達に影響を及ぼし、垂直方向及び水平方向の両方において調整可能であり、上記冷却機構とは独立して動作可能であり、上記加熱機構は、上記加熱機構が存在しない状況に対して、上記ガラスリボンから上記装置の上記壁への放射熱伝達の減少を提供する、加熱機構
を備える、方法。
【0083】
実施形態13
上記冷却機構は、上記装置の上記壁内の導管内に、流体流を含む、実施形態12に記載の方法。
【0084】
実施形態14
上記流体は液体である、実施形態13に記載の方法。
【0085】
実施形態15
上記液体は水である、実施形態14に記載の方法。
【0086】
実施形態16
上記流体の温度は100℃未満である、実施形態13に記載の方法。
【0087】
実施形態17
上記加熱機構は、少なくとも1つの電気抵抗性加熱素子を備える、実施形態12に記載の方法。
【0088】
実施形態18
上記装置は、オーバフローダウンドロー形成デバイスを備える、実施形態12に記載の方法。
【0089】
実施形態19
上記装置の上記壁内の少なくとも1つの流体流導管は、バッフル領域内に位置する、実施形態13に記載の方法。
【0090】
実施形態20
上記冷却機構及び上記加熱機構は、上記ガラスが上記ガラスの歪み点と200℃との間の温度である場合に、上記ガラスが上記ガラスの軟化点と上記ガラスの歪み点との間の温度である場合よりも迅速な平均冷却速度で、上記ガラスが冷却されるように、動作する、実施形態12に記載の方法。
【0091】
実施形態21
上記冷却機構及び上記加熱機構は、上記ガラスが上記ガラスの作業点と上記ガラスの軟化点との間の温度である場合に、上記ガラスが上記ガラスの軟化点と上記ガラスの歪み点との間の温度である場合よりも迅速な平均冷却速度で、上記ガラスが冷却されるように、動作する、実施形態20に記載の方法。
【0092】
実施形態22
上記ガラス物品は、厚さ0.5ミリメートル未満のガラスシートである、実施形態12に記載の方法。