特許第6794423号(P6794423)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6794423クレーンの制御装置、クレーンシステム、及びクレーンの制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6794423
(24)【登録日】2020年11月13日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】クレーンの制御装置、クレーンシステム、及びクレーンの制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B66C 13/22 20060101AFI20201119BHJP
   B66C 23/32 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   B66C13/22 M
   B66C23/32 Z
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-244121(P2018-244121)
(22)【出願日】2018年12月27日
(65)【公開番号】特開2020-104964(P2020-104964A)
(43)【公開日】2020年7月9日
【審査請求日】2020年9月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000154901
【氏名又は名称】株式会社北川鉄工所
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】特許業務法人IPX
(74)【代理人】
【識別番号】100200872
【弁理士】
【氏名又は名称】押谷 昌宗
(74)【代理人】
【識別番号】100210103
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 光平
(72)【発明者】
【氏名】倉本 奏
【審査官】 羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−189401(JP,A)
【文献】 特開昭52−135150(JP,A)
【文献】 特開平4−235895(JP,A)
【文献】 特開平3−284599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/00−15/06
B66C 23/00−23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーンの制御装置であって、前記クレーンは、鉛直上方向に延在するマストと傾斜角が変動可能なジブとを有するクライミングクレーンであり、
当該制御装置は、通信部と、記憶部と、制御部とを備え、
前記通信部は、吊荷情報を受信可能に構成され、ここで前記吊荷情報とは、前記クレーンに吊るす吊荷の重量を有する情報で、
前記記憶部は、マスト情報を予め記憶し、ここで前記マスト情報とは、前記吊荷の重量に依存する前記マストのたわみ量を有する情報で、
前記制御部は、前記通信部が受信した前記吊荷情報と、前記記憶部に記憶された前記マスト情報とに基づいて、前記ジブの傾斜角を所定角に制御するための制御信号を生成し、ここで前記所定角とは、前記吊荷の地切り時において前記ジブの先端及び前記吊荷の重心が略鉛直方向に並ぶような前記ジブの傾斜角である、
制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置において、
前記マストのたわみ量は、前記マストの上端及び下端の水平方向の変位として規定される、
制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の制御装置において、
前記通信部は、ジブ情報を受信可能に構成され、ここで前記ジブ情報とは、前記ジブの傾斜角を有する情報で、
前記制御部は、前記通信部が受信した前記吊荷情報及び前記ジブ情報と、前記記憶部に記憶された前記マスト情報とに基づいて、前記制御信号を生成する、
制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の制御装置において、
前記制御部は、
前記ジブ情報に基づいて、前記ジブの作業半径を計算し、
前記吊荷情報と、前記作業半径とに基づいて、前記制御信号を生成する、
制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の制御装置において、
前記マスト情報は、
前記吊荷によって前記ジブにかかる負荷と、前記作業半径とを変数とする関数もしくはテーブル、又は
前記吊荷によって前記ジブにかかる負荷と前記作業半径と、によって規定されるモーメントを変数とする関数もしくはテーブル、として定義される、
制御装置。
【請求項6】
クレーンシステムであって、
クレーンと、入力装置と、制御装置とを備え、
前記クレーンは、マストとジブとを備えるクライミングクレーンであり、
前記マストは、鉛直上方向に延在し、
前記ジブは、その傾斜角が変動可能に構成され、
前記入力装置は、吊荷情報を入力可能に構成され、ここで前記吊荷情報とは、前記クレーンに吊るす吊荷の重量を有する情報で、
前記制御装置は、通信部と、記憶部と、制御部とを備え、
前記通信部は、前記吊荷情報を前記入力装置より受信可能に構成され、
前記記憶部は、マスト情報を予め記憶し、ここで前記マスト情報とは、前記吊荷の重量に依存する前記マストのたわみ量を有する情報であり、
前記制御部は、前記通信部が受信した前記吊荷情報と、前記記憶部に記憶された前記マスト情報とに基づいて、制御信号を生成し、
前記クレーンが前記制御信号を受信すると、前記吊荷の地切り時において前記ジブの先端及び前記吊荷の重心が略鉛直方向に並ぶように前記ジブの傾斜角が制御される、
クレーンシステム。
【請求項7】
クレーンの制御プログラムであって、前記クレーンは、鉛直上方向に延在するマストと傾斜角が変動可能なジブとを有するクライミングクレーンであり、
コンピュータに、
マスト情報を記憶させ、ここで前記マスト情報とは、前記クレーンに吊るす吊荷の重量に依存する前記マストのたわみ量を有する情報で、
さらに、受信機能と、制御機能とを実現させ、
前記受信機能によれば、吊荷情報を受信させ、ここで前記吊荷情報とは、前記吊荷の重量を有する情報で、
前記制御機能によれば、前記吊荷情報と、前記マスト情報とに基づいて、前記ジブの傾斜角を所定角に制御するための制御信号を生成させ、ここで前記所定角とは、前記吊荷の地切り時において前記ジブの先端及び前記吊荷の重心が略鉛直方向に並ぶような前記ジブの傾斜角である、
制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンの制御装置、クレーンシステム、及びクレーンの制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉛直上方向に延在するマストと、傾斜角が変動可能に構成されるジブ(ブームとも称する)とを備えるクライミングクレーンと呼ばれるクレーンがある(例えば、図5に例示)。かかるクライミングクレーンにおいて、巻上げロープ23(ジブ21の末端21rから中継シーブ27を介して先端21fに向かって延在し且つ先端21fから垂下)の一端に取り付けられたフック24に吊荷Lを吊るして鉛直上方向に力Fをかけて持ち上げようとすると(図6A参照)、その反作用でジブ21に鉛直下方向の負荷がかかる。その結果、ジブ21の末端21rの近傍に接続されたマスト22が引っ張られてたわみ、吊荷Lを巻上げる際にジブ21の先端21fと吊荷Lの重心が略鉛直線上に位置せず(図6B参照)、地切り時に荷振れが生じるという問題が生じる(図6C参照)。
【0003】
一方他のクレーンに着目すると、例えば、特許文献1に開示されるクレーン(ラフテレーンクレーン)では、地切り時の荷振れを防止するために、ブームの先端の姿勢のみに基づいて、ブームのたわみを補正するようにブームを起伏させるための制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−131586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本明細書で着目しているクライミングクレーンでは、マストのたわみ量がジブの先端のたわみ量に比べて相対的に大きく、特許文献1に開示されるような手法では、荷振れ抑制の効果が期待できない。特に、クライミングクレーンを使用する作業現場の安全性を高めるために、このような荷振れを極力防止することが必要不可欠である。
【0006】
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、クライミングクレーンにおいて、地切り時の荷振れを抑制することができるクレーンの制御装置、クレーンシステム、及びクレーンの制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、クレーンの制御装置であって、前記クレーンは、鉛直上方向に延在するマストと傾斜角が変動可能なジブとを有するクライミングクレーンであり、当該制御装置は、通信部と、記憶部と、制御部とを備え、前記通信部は、吊荷情報を受信可能に構成され、ここで前記吊荷情報とは、前記クレーンに吊るす吊荷の重量を有する情報で、前記記憶部は、マスト情報を予め記憶し、ここで前記マスト情報とは、前記吊荷の重量に依存する前記マストのたわみ量を有する情報で、前記制御部は、前記通信部が受信した前記吊荷情報と、前記記憶部に記憶された前記マスト情報とに基づいて、前記ジブの傾斜角を所定角に制御するための制御信号を生成し、ここで前記所定角とは、前記吊荷の地切り時において前記ジブの先端及び前記吊荷の重心が略鉛直方向に並ぶような前記ジブの傾斜角である、制御装置が提供される。
【0008】
本発明に係るクレーンの制御装置では、通信部が受信した吊荷情報と、記憶部に記憶されたマスト情報とに基づいて、ジブの傾斜角を制御する制御信号が生成され、かかる制御信号によって、ジブの先端と吊荷の重心とが略鉛直方向に並ぶようにジブの傾斜角が制御される。つまり、マストのたわみ量が吊荷の重量に依存することから、吊荷の重量を有する吊荷情報を制御装置が受信し、これを用いて予想されるマストのたわみ量を特定するとともに、当該たわみ量に起因するジブの先端と吊荷の重心とのずれを相殺するようにジブの傾斜角を制御することで、マストのたわみ量が大きいクライミングクレーンにおいても、地切り時の荷振れを抑制することができるという有利な効果を奏する。
【0009】
好ましくは、前記制御装置において、前記マストのたわみ量は、前記マストの一端及び他端の水平方向の変位として規定される、制御装置が提供される。
好ましくは、前記制御装置において、前記通信部は、ジブ情報を受信可能に構成され、ここで前記ジブ情報とは、前記ジブの傾斜角を有する情報で、前記制御部は、前記通信部が受信した前記吊荷情報及び前記ジブ情報と、前記記憶部に記憶された前記マスト情報とに基づいて、前記制御信号を生成する、制御装置が提供される。
好ましくは、前記制御装置において、前記制御部は、前記ジブ情報に基づいて、前記ジブの作業半径を計算し、前記吊荷情報と、前記作業半径とに基づいて、前記制御信号を生成する、制御装置が提供される。
好ましくは、前記制御装置において、前記マスト情報は、前記吊荷によって前記ジブにかかる負荷と、前記作業半径とを変数とする2変数の関数もしくはテーブル、又は前記吊荷によって前記ジブにかかる負荷と、前記作業半径とによって規定されるモーメントを変数とする関数もしくはテーブル、として定義される、制御装置が提供される。
好ましくは、クレーンシステムであって、クライミングクレーンと、入力装置と、制御装置とを備え、前記クライミングクレーンは、マストとジブとを備え、前記マストは、鉛直上方向に延在し、前記ジブは、その傾斜角が変動可能に構成され、前記入力装置は、吊荷情報を入力可能に構成され、ここで前記吊荷情報とは、前記クレーンに吊るす吊荷の重量を有する情報で、前記制御装置は、通信部と、記憶部と、制御部とを備え、前記通信部は、前記吊荷情報を前記入力装置より受信可能に構成され、前記記憶部は、マスト情報を予め記憶し、ここで前記マスト情報とは、前記吊荷の重量に依存する前記マストのたわみ量を有する情報であり、前記制御部は、前記通信部が受信した前記吊荷情報と、前記記憶部に記憶された前記マスト情報とに基づいて、制御信号を生成し、前記クライミングクレーンが前記制御信号を受信すると、前記吊荷の地切り時において前記ジブの一端及び他端が略鉛直方向に並ぶように前記ジブの傾斜角が制御される、クレーンシステムが提供される。
好ましくは、クレーンの制御プログラムであって、前記クレーンは、鉛直上方向に延在するマストと傾斜角が変動可能なジブとを有するクライミングクレーンであり、コンピュータに、マスト情報を記憶させ、ここで前記マスト情報とは、前記クレーンに吊るす吊荷の重量に依存する前記マストのたわみ量を有する情報であり、さらに、受信機能と、制御機能とを実現させ、前記受信機能によれば、吊荷情報を受信させ、ここで前記吊荷情報とは、前記吊荷の重量を有する情報で、前記制御機能によれば、前記吊荷情報と、前記マスト情報とに基づいて、前記ジブの傾斜角を所定角に制御するための制御信号を生成させ、ここで前記所定角とは、前記吊荷の地切り時において前記ジブの一端及び他端が略鉛直方向に並ぶような前記ジブの傾斜角である、制御プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係るクレーンシステムの機能ブロック図。
図2】[図2A]マスト情報の一例である2次元ルックアップテーブル、[図2B]マスト情報の一例である1次元ルックアップテーブル。
図3】荷振れを抑制するための、クレーンシステムを用いたクレーンの制御方法を示すフローチャート。
図4】[図4A]〜[図4D図3に示される制御方法を実施した上で地切りを行った場合の概要図。
図5】本体となるクレーンの一例を示す正面図。
図6】[図6A]〜[図6C]従来からの課題である荷振れを説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。特に、本明細書において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.全体構成
第1節では、クレーンシステム1の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係るクレーンシステム1の構成概要を示す図である。クレーンシステム1は、クレーン2と、クレーン2を制御するための制御装置3と、ユーザU(操作者)が種々の入力情報を入力可能に構成される入力装置4とを備え、これらが電気的に接続されたシステムである。クレーンシステム1は、ユーザUが入力装置4を介してクレーン2を操作することで、吊荷Lを運搬・移動可能に構成されるものである。
【0014】
1.1 クレーン2
本実施形態に係るクレーンシステム1において、クレーン2の形態は特に限定されるものではないが、例えば図5に示されるクライミングクレーンが採用されうる。具体的には、クレーン2は、ベースフレーム221の上にマスト本体222が上方に延在しているように構成されるマスト22を有し、その頂部にクレーン本体2aが設置されている。
【0015】
クレーン2は、フロアクライミングとマストクライミングとを行えるようになっている。クレーン本体2aは、マスト22の頂部に設けた旋回ベアリング(不図示)に回転自在に支持される旋回体25と、この旋回体25に起伏モータ21m(図1参照)を介して起伏可能に支持されるジブ21と、旋回体25に固定され且つ巻上げモータ26m(図1参照)を有する巻上げウインチ26と、この巻上げウインチ26に巻き上げられるように構成され、且つジブ21の末端21rから中継シーブ27を介して先端21fに向かって延在し且つ先端21fから垂下する巻上げロープ23と、この巻上げロープ23の一端に取り付けられるフック24とを備えている。
【0016】
1.2 制御装置3
制御装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素が制御装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。以下、各構成要素についてさらに説明する。
【0017】
<通信部31>
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。これらは一例であり、専用の通信規格を採用してもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。
【0018】
特に、図1に示されるように、通信部31は、吊荷情報受信部311と、制御情報受信部312と、ジブ情報受信部313と、制御信号送信部314とを備える。これらは物理的に別々に実施してもよいし、これらのうちの少なくとも一部を兼用して実施してもよい。以下、これらの構成要素についてさらに詳述する。
【0019】
[吊荷情報受信部311]
吊荷情報受信部311は、ユーザUが後述の入力装置4より入力した吊荷情報LIを受信可能に構成される。ここで吊荷情報LIとは、クレーン2におけるフック24に吊るす吊荷Lの重量wを有する情報である。もちろん重量wに限らず、吊荷Lの種類、形状、材質、取り扱い等についての情報を適宜含んでいてもよい。
【0020】
[制御情報受信部312]
制御情報受信部312は、ユーザUが後述の入力装置4より入力した制御情報CIを受信可能に構成される。ここで制御情報CIとは、クレーン2を操作・駆動させるための各種情報であり、例えばジブ21の旋回及び起伏と、巻上げロープ23の巻上げ又は巻下げとに係る情報を有する。もちろん、クレーン2に関する他の駆動箇所がある場合には、制御情報CIは、当該箇所を操作・駆動させるための情報を含んでいてもよい。
【0021】
[ジブ情報受信部313]
ジブ情報受信部313は、ジブ情報JIを受信可能に構成される。ここでジブ情報JIとは、起伏モータ21mに取り付けられたエンコーダ(不図示)から送信された、現在のジブ21の傾斜角θを有する情報である。傾斜角θは、一般的な仰角として規定しているが、これに限らず例えば鉛直軸との間に挟まれる角として規定する等してもよい。ここで、ジブ21の旋回中心からジブ21の先端21fまでの長さは一定(既知)であるから、ジブ情報JIが含む傾斜角θからクレーン2の作業半径rを導出することができる。特に、本実施形態に係るクレーンシステム1では、前述の吊荷情報LIに含まれる吊荷Lの重量wと、導出された作業半径rとに基づいて、傾斜角θを所定角β(図4B参照)に制御するための制御信号CSが生成されることに留意されたい。なお、所定角βは荷振れを抑制するための傾斜角θの値であり、具体的には、所定角βとは、吊荷Lの地切り時においてジブ21の先端21f及び吊荷Lの重心Gが略鉛直方向に並ぶような、ジブ21の傾斜角θである。これについては、第2節においても詳述する。
【0022】
[制御信号送信部314]
制御信号送信部314は、クレーン2におけるジブ21の起伏モータ21mや巻上げロープ23に係る巻上げモータ26mに制御信号CSを送信可能に構成される。なお厳密には、それぞれ不図示のインバータを介して、制御信号CSに対応する任意の電圧及び周波数の電力が起伏モータ21m及び巻上げモータ26mに送電されることに留意されたい。ここでは、かかる概念も含めて制御信号CSとして簡単に説明している。なお、制御信号CSは、後述の制御部33における制御信号生成部333において生成されるもので、ユーザUが入力装置4を介して入力した制御情報CIに基づいてユーザUが所望する値を送信することもできるが、むしろ、第2節で説明する制御方法に基づいて、傾斜角θが所定角βとなるような制御信号CSが生成されることに留意されたい。
【0023】
<記憶部32>
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶媒体である。これは、例えばソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
【0024】
特に、記憶部32は、入力装置4から通信部31を介して受信した吊荷情報LI及び制御情報CI、並びに起伏モータ21mから受信したジブ情報JIを記憶する。さらに、記憶部32は、マスト情報MIを予め記憶していることに留意されたい。ここでマスト情報MIとは、少なくとも吊荷Lの重量wに依存するマスト22のたわみ量dを有する情報である。また、たわみ量dとは、マスト22の上端22t及び下端22bの水平方向の変位として規定される(図4C参照)。もちろん、たわみ量dは、マスト22の材質、マスト22の長さ、マスト22の構造等にも依存するので、これらについては予め調査して既知の情報として記憶部32に記憶させる必要があることに留意されたい。
【0025】
また、記憶部32は、現在のジブ21の傾斜角θから作業半径rを計算するための作業半径計算プログラムを記憶している。記憶部32は、荷振れを抑制するための所定角βを計算するための所定角計算プログラムを記憶している。記憶部32は、傾斜角θを所定角βに制御する制御信号CSを生成するための制御信号生成プログラムを記憶している。さらに、記憶部32は、これ以外にも制御部33によって実行される制御装置3に係る種々のプログラム等を記憶していることが好ましい。
【0026】
<制御部33>
制御部33は、制御装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、制御装置3に係る種々の機能を実現する。具体的には、現在のジブ21の傾斜角θから作業半径rを計算するための作業半径計算機能、荷振れを抑制するための所定角βを計算するための所定角計算機能、傾斜角θを所定角βに制御する制御信号CSを生成するための制御信号生成機能が該当する。すなわち、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、作業半径計算部331、所定角計算部332、及び制御信号生成部333として実行されうる。なお、図1においては、単一の制御部33として表記されているが、実際はこれに限るものではなく、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。以下、作業半径計算部331、所定角計算部332、及び制御信号生成部333についてさらに詳述する。
【0027】
[作業半径計算部331]
作業半径計算部331は、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されているものである。作業半径計算部331は、クレーン2の作業半径rを計算可能に構成される。より具体的には、ジブ21の長さが既知であり、且つ起伏モータ21mにおける不図示のエンコーダより受信した現在のジブ21の傾斜角θから、現在の作業半径rが計算されうる。
【0028】
[所定角計算部332]
所定角計算部332は、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されているものである。まず、所定角計算部332は、ユーザUが入力装置4を介して入力した吊荷情報LIに含まれる吊荷Lの重量wと、作業半径計算部331によって計算された現在の作業半径rと、記憶部32に記憶されたマスト情報MIとから、吊荷Lの地切り時に想定されうるマスト22のたわみ量dを特定する。続いて、所定角計算部332は、たわみ量dに起因するジブ21の先端21fと吊荷Lの重心Gとのずれを相殺するようなジブ21の傾斜角θの所定角βを計算する。より具体的には、例えば、現在の作業半径rにたわみ量dを減じた距離を目標作業半径r_tと規定し、かかる目標作業半径r_tを実現するようなジブ21の傾斜角θが所定角βとして計算されるとよい(図4A及び図4B参照)。
【0029】
なお、マスト情報MIについて補足すると、例えば、図2Aに示されるように、吊荷Lの重量w(例:w_1〜w_4)と、作業半径r(例:r_1〜r_4)とを変数とした2次元のルックアップテーブルがマスト情報MI(例:たわみ量d_11〜d_44)として記憶部32に予め記憶され、これを参照するように実施すればよい。あるいは、マスト22のたわみ量dは、吊荷Lの重量wに起因する力のモーメントMに依存するものであるから、重量wと作業半径rとからモーメントMを算出した後に、図2Bに示されるように、モーメントMを変数とした1次元のルックアップテーブル(記憶部32に予め記憶)をマスト情報MI(例:たわみ量d_1〜d_4)として参照するように実施してもよい。あるいは、ルックアップテーブルに代えて、マスト情報MIとなる関数(変数は、吊荷Lの重量w及び作業半径r、又はモーメントM)が記憶部32に記憶されているように実施してもよい。さらに前述の通り、たわみ量dは、マスト22の属性(材質、長さ、構造等)にも依存するので、マスト22の属性ごとに、異なるマスト情報MIが記憶されているとよい。
【0030】
以上を換言すると、マスト情報MIは、吊荷Lによってジブ21にかかる負荷(重量w)と、作業半径rとを変数とする関数もしくはテーブル、又は吊荷Lによってジブ21にかかる負荷(重量w)と、作業半径rとによって規定されるモーメントMを変数とする関数もしくはテーブル、として定義されることに留意されたい。
【0031】
[制御信号生成部333]
制御信号生成部333は、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されているものである。制御信号生成部333は、通信部31が受信した吊荷情報LI及びジブ情報JIと、記憶部32に記憶されたマスト情報MIとに基づいて、ジブ21の傾斜角θが、所定角計算部332が計算した所定角βとなるような制御信号CSを生成可能に構成される。もちろん、前述の通りユーザUが入力装置4を介して入力した制御情報CIに基づいてユーザUが所望する値を有する制御信号CSを生成することもできる。
【0032】
1.3 入力装置4
入力装置4は、クレーン2の操作者であるユーザUによって様々な入力情報が入力可能に構成される。図1においては、クレーン2と入力装置4とを別体の如く記載しているが、クレーン2の内部に入力装置4が包含されるように実施してもよい。入力装置4によって入力可能な入力情報には、クレーン2におけるフック24に吊るす吊荷Lの重量wを有する吊荷情報LIが含まれることに留意されたい。また、入力情報には、クレーン2を操作・駆動させるための制御情報CI(特に第2節で説明する制御方法を開始させるトリガ信号)が含まれる。
【0033】
入力装置4は、クレーン2において通常使用されうるスイッチボタン、レバー等はもちろん、必要に応じてマウス、キーボード、タッチパネル、音声入力装置等のインターフェースを適宜採用してもよい。入力装置4が、ユーザUの入力情報(コマンド)を受け付けると、その入力情報が電気通信回線を介して制御装置3に送信され、制御装置3における通信部31によって受信される。
【0034】
2.クレーン2の制御方法
第2節では、荷振れを抑制するための、クレーンシステム1におけるクレーン2の制御方法について説明する。図3は、計測方法の流れを示すフローチャートであり、図4A図4Dは、図3に示される制御方法を実施した上で地切りを行った場合の概要図を示している。以下、図3における各ステップに沿って説明する。
【0035】
[開始]
(ステップS1)
ユーザUが入力装置4に、吊荷情報LI(吊荷Lの重量wを含む)を入力する。かかる吊荷情報LIは、電気通信回線を通じて制御装置3における通信部31(吊荷情報受信部311)に受信される(ステップS2に続く)。
【0036】
(ステップS2)
続いて、通信部31(ジブ情報受信部313)がクレーン2におけるジブ21の起伏モータ21mにおける不図示のエンコーダから送信されたジブ情報JI(傾斜角θを含む)を受信する。現在の傾斜角θは、図4Aに示されるように例えばθ=αである。なお、本フローチャートでは、かかる工程を便宜的にステップS2として記載しているが、実際は、起伏モータ21mから現在の傾斜角θに関するジブ情報JIが制御装置3の動作周波数に沿って略定常的に送信され、通信部31(ジブ情報受信部313)がこれを略定常的に受信していることにも留意されたい(ステップS3に続く)。
【0037】
(ステップS3)
続いて、制御部33(作業半径計算部331)が、ステップS2において受信したジブ情報JIに基づいてクレーン2の現在の作業半径rを算出する(ステップS4に続く)。
【0038】
(ステップS4)
続いて、制御部33(所定角計算部332)が、ステップS1で受信した吊荷情報LI及びステップS4で算出した作業半径rと、記憶部32に予め記憶されたマスト情報MIに基づいて、マスト22のたわみ量dを特定するとともに、当該たわみ量dに起因するジブ21の先端21fと吊荷Lの重心Gとのずれを相殺するようなジブ21の傾斜角θの値である所定角βを算出する(ステップS5に続く)。
【0039】
(ステップS5)
続いて、制御部33(制御信号生成部333)が傾斜角θを所定角βとするための制御信号CSを生成する。生成された制御信号CSは、例えば、ユーザUが所望のタイミングで入力したトリガ信号(入力装置4によって入力)と同時に通信部31(制御信号送信部314)を介してジブ21における起伏モータ21mに送信される。これにより、起伏モータ21mが駆動してジブ21が起き上がり、傾斜角θが所定角βに制御される(図4B参照)。かかる制御方法は特に限定されず、例えば、PD制御、PI制御、又はPID制御等が適宜採用されうる。制御に係る各係数は、必要に応じて好ましい値を設定すればよい。より具体的には、クレーン2は特段に高速な制御を要求されるものではないため、安全性を考慮して緩やかに目標値に収束するような係数を設定することが好ましい。
[終了]
【0040】
上記のステップS1〜S5を実施した後に、その後巻上げモータ26mを用いて巻上げロープ23を巻き上げると、徐々に負荷がかかってマスト22がたわむこととなるが、かかる制御方法を実施したことにより、マスト22のたわみ量dに起因するジブ21の先端21fと吊荷Lの重心Gとのずれが、上記ステップS5に説明したジブ21の起き上がりによって相殺される。換言すると、この直後に行われる地切りのタイミングにおいて、ジブ21の先端21f及び吊荷Lの重心Gが略鉛直方向に並ぶこととなる(図4C参照)。そして、このような状態で地切りが行われると、従来問題となっていた荷振れ(図6C参照)が抑制され、作業現場の安全性を担保しながら吊荷Lを持ち上げることができる(図4D参照)。
【0041】
3.変形例
第3節では、本実施形態に係る変形例について説明する。すなわち、次のような態様によって、本実施形態に係るクレーンシステム1をさらに創意工夫してもよい。
【0042】
第一に、前述の実施形態では作業半径rを基準として、現在の作業半径rが目標作業半径r_tとなるような制御を行うものとして説明したが、たわみ量dに起因するジブ21の先端21fと吊荷Lの重心Gとのずれが地切りのタイミングにおいて相殺されるように傾斜角θを所定角βに制御できるのであれば、他のパラメータに基づいてもよい。例えば、傾斜角θそのものを基準として制御を実施してもよい。
【0043】
第二に、前述の実施形態では吊荷Lの重量wを含む吊荷情報LIがユーザUによって入力装置4から入力される場合を説明したが、汎用的な吊荷Lの場合は、かかる吊荷Lの重量wを含む吊荷情報LIを予め記憶部32に記憶させておいてもよい。
【0044】
第三に、前述の実施形態では、ユーザUが任意のタイミングでトリガ信号(制御情報CI)を入力することで当該制御が行われるものとして説明したが、吊荷情報LIを入力するタイミングをトリガ信号としても取り扱って、かかる制御が開始されるようにしてもよい。
【0045】
4.結言
以上のように、本実施形態によれば、クライミングクレーンにおいて、地切り時の荷振れを抑制することができるクレーン2の制御装置3を実施することができる。
【0046】
かかるクレーン2の制御装置3は、前記クレーン2が鉛直上方向に延在するマスト22と傾斜角θが変動可能なジブ21とを有するクライミングクレーンであり、当該制御装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備え、前記通信部31は、吊荷情報LIを受信可能に構成され、ここで前記吊荷情報LIとは、前記クレーン2に吊るす吊荷Lの重量wを有する情報で、前記記憶部32は、マスト情報MIを予め記憶し、ここで前記マスト情報MIとは、前記吊荷Lの重量wに依存する前記マスト22のたわみ量dを有する情報であり、前記制御部33は、前記通信部31が受信した前記吊荷情報LIと、前記記憶部32に記憶された前記マスト情報MIとに基づいて、前記ジブ21の傾斜角θを所定角βに制御するための制御信号CSを生成し、ここで前記所定角βとは、前記吊荷Lの地切り時において前記ジブ21の先端21f及び前記吊荷Lの重心Gが略鉛直方向に並ぶような前記ジブ21の傾斜角θである。
【0047】
また、クライミングクレーンにおいて、地切り時の荷振れを抑制することができるクレーンシステム1を実施することができる。
【0048】
かかるクレーンシステム1は、クレーン2と、入力装置4と、制御装置3とを備え、前記クレーン2は、マスト22とジブ21とを備え、前記マスト22は、鉛直上方向に延在し、前記ジブ21は、その傾斜角θが変動可能に構成され、前記入力装置4は、吊荷情報LIを入力可能に構成され、ここで前記吊荷情報LIとは、前記クレーン2に吊るす吊荷Lの重量wを有する情報で、前記制御装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備え、前記通信部31は、前記吊荷情報LIを前記入力装置4より受信可能に構成され、前記記憶部32は、マスト情報MIを予め記憶し、ここで前記マスト情報MIとは、前記吊荷Lの重量wに依存する前記マスト22のたわみ量dを有する情報であり、前記制御部33は、前記通信部31が受信した前記吊荷情報LIと、前記記憶部32に記憶された前記マスト情報MIとに基づいて、制御信号CSを生成し、前記クレーン2が前記制御信号CSを受信すると、前記吊荷Lの地切り時において前記ジブ21の先端21f及び前記吊荷Lの重心Gが略鉛直方向に並ぶように前記ジブ21の傾斜角θが制御される。
【0049】
また、クライミングクレーンにおいて、地切り時の荷振れを抑制することができるクレーン2の制御装置3又はクレーンシステム1をハードウェアとして実施するためのソフトウェアを、プログラムとして実施することもできる。そして、このようなプログラムを、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供してもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供してもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させて、クライアント端末で各機能を実施可能な、いわゆるクラウド・コンピューティングを実施してもよい。
【0050】
かかるクレーン2の制御プログラムは、前記クレーン2が鉛直上方向に延在するマスト22と傾斜角θが変動可能なジブ21とを有するクライミングクレーンであり、コンピュータ(制御装置3)に、マスト情報MIを記憶させ、ここで前記マスト情報MIとは、前記クレーン2に吊るす吊荷Lの重量2に依存する前記マスト22のたわみ量dを有する情報であり、さらに、受信機能と、制御機能とを実現させ、前記受信機能によれば、吊荷情報LIを受信させ、ここで前記吊荷情報LIとは、前記吊荷Lの重量wを有する情報で、前記制御機能によれば、前記吊荷情報LIと、前記マスト情報MIとに基づいて、前記ジブ21の傾斜角θを所定角βに制御するための制御信号CSを生成させ、ここで前記所定角βとは、前記吊荷Lの地切り時において前記ジブ21の先端21f及び前記吊荷Lの重心Gが略鉛直方向に並ぶような前記ジブ21の傾斜角θである。
【0051】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0052】
1 :クレーンシステム
2 :クレーン
21 :ジブ
21f :先端
22 :マスト
22b :下端
22t :上端
3 :制御装置
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
4 :入力装置
CS :制御信号
G :重心
JI :ジブ情報
L :吊荷
LI :吊荷情報
M :モーメント
MI :マスト情報
U :ユーザ
d :たわみ量
r :作業半径
β :所定角
θ :傾斜角
図1
図2
図3
図4
図5
図6