【文献】
Coralie Saby et al.,A Combined Chemical and Electrochemical Approach Using Bis(trifluoroacetoxy)iodobenzene and Glucose Oxidase for the Detection of Chlorinated Phenols,Analytical Chemistry,1997年,Vol.69, No.21,pp.4324-4330
【文献】
Tse-Hong Chen et al.,Visible light-promoted selective oxidation of sulfides to sulfoxides catalyzed by ruthenium porphyrins with iodobenzene diacetate,Applied Catalysis A: General,2014年,Vol.478,pp.275-282
【文献】
Zhi Wang Yang et al.,Oxidation of alcohols using iodosylbenzene as oxidant catalyzed by ruthenium complexes under mild reaction conditions,Journal of Molecular Catalysis A: Chemical,2007年,Vol.261190.195,190-195
【文献】
落合正仁,ヨウ素資源の活用 −超原子価有機ヨウ素化合物の合成と反応−,TCIメール,東京化成工業株式会社,1999年10月,No.104,pp.2-11
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
3価のヨードベンゼン化合物が、ヨードソベンゼン、2,4,6−トリメチル(ジアセトキシヨード)ベンゼン、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ペンタフルオロベンゼン、[ヒドロキシ(トシルオキシ)ヨード]ベンゼン、2−ヨードソ安息香酸、1−フルオロ−3,3−ジメチル−1,2−ベンゾヨードキソール、及び[ヒドロキシ(メタンスルホニルオキシ)ヨード]ベンゼンからなる群から選択される化合物である、請求項1記載の方法。
前記工程(A)において、前記試薬が酸化反応を触媒する酵素をさらに含み、前記酵素により前記アナライトが酸化されると共に、前記電子メディエータが還元される、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
電子メディエータが、金属錯体、キノン化合物、フェナジン化合物、ビオロゲン化合物、フェノチアジン化合物、及びフェノール化合物からなる群から選択される化合物である、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
電子メディエータが、フェリシアン化カリウム、ヘキサアンミンルテニウム、フェロセン、ポリ(1−ビニルイミダゾール)−ビス(ビピリジン)クロロオスミウム、ヒドロキノン、2−メチル−1,4−ベンゾキノン、1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2,7−ジスルホン酸又はその塩、1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン、アントラキノン−2−スルホン酸又はその塩、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルサルフェート、ヒドロキシフェナジン、メチルビオロゲン、ベンジルビオロゲン、メチレンブルー、メチレングリーン、2−アミノフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、及び2,4−ジアミノフェノールからなる群から選択される1以上の化合物である、請求項7記載の方法。
電子メディエータが、金属錯体、キノン化合物、フェナジン化合物、ビオロゲン化合物、フェノチアジン化合物、及びフェノール化合物からなる群から選択される化合物である、請求項9〜13のいずれか1項記載のアナライト測定用試薬。
電子メディエータが、フェリシアン化カリウム、ヘキサアンミンルテニウム、フェロセン、ポリ(1−ビニルイミダゾール)−ビス(ビピリジン)クロロオスミウム、ヒドロキノン、2−メチル−1,4−ベンゾキノン、1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2,7−ジスルホン酸又はその塩、1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン、アントラキノン−2−スルホン酸又はその塩、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルサルフェート、ヒドロキシフェナジン、メチルビオロゲン、ベンジルビオロゲン、メチレンブルー、メチレングリーン、2−アミノフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、及び2,4−ジアミノフェノールからなる群から選択される1以上の化合物である、請求項14記載のアナライト測定用試薬。
電子メディエータが、金属錯体、キノン化合物、フェナジン化合物、ビオロゲン化合物、フェノチアジン化合物、及びフェノール化合物からなる群から選択される化合物である、請求項16〜20のいずれか1項記載のセンサ。
電子メディエータが、フェリシアン化カリウム、ヘキサアンミンルテニウム、フェロセン、ポリ(1−ビニルイミダゾール)−ビス(ビピリジン)クロロオスミウム、ヒドロキノン、2−メチル−1,4−ベンゾキノン、1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2,7−ジスルホン酸又はその塩、1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン、アントラキノン−2−スルホン酸又はその塩、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルサルフェート、ヒドロキシフェナジン、メチルビオロゲン、ベンジルビオロゲン、メチレンブルー、メチレングリーン、2−アミノフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、及び2,4−ジアミノフェノールからなる群から選択される1以上の化合物である、請求項21記載のセンサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、電気化学測定過程又は電気化学測定技術を採用した電気化学式センサの製造過程において、電子メディエータの保存状態により、アナライトの酸化反応とは無関係に電子メディエータが還元されてしまうという課題を見出した。例えば、電子メディエータとしてフェリシアン化カリウムを用いる場合、フェリシアン化カリウムの溶液を電極系に滴下し、乾燥させる過程において、空気中の水分や光によりフェリシアン化カリウムの一部がフェロシアン化カリウムに還元されてしまうことが分かった。また、吸湿性の高い緩衝液成分等の試薬とフェリシアン化カリウムを溶解した液体を電極系に滴下し、乾燥させる場合は、保存状態によっては、フェリシアン化カリウムの一部がフェロシアン化カリウムに還元されてしまうことも分かった。このような意図しない電子メディエータの還元は、アナライトの測定値に影響を与えてしまい、測定精度の低下をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明者らが鋭意研究した結果、驚くべきことに、3価のヨードベンゼン化合物を含む酸化剤を用いることにより前記の課題を解決できることを見出した。
【0009】
本願は、下記の態様を提供する。
[1]3価のヨードベンゼン化合物を含む、電子メディエータの酸化剤、
[2]3価のヨードベンゼン化合物が、式I〜式III:
【化1】
[式中、R
1〜R
5は、各々独立して、水素原子、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アセチル基、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、
X及びYは、各々独立して、ヒドロキシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルキルベンゼンスルホニルオキシ基、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、
Zは、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルペルオキシ基、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、
W
1及びW
2は各々、メチル基を表すか、又はW
1及びW
2は一緒になってオキソ(=O)を表す]
のいずれかで表される化合物である、[1]記載の酸化剤、
[3]式Iにおいて、R
1〜R
5は、各々独立して、水素原子、ハロゲン、ニトロ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4個の直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を表し、X及びYは、各々独立して、ヒドロキシル基、アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基、トシルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、又はハロゲンで置換された炭素数1〜10個の直鎖の飽和炭化水素基を表し、 式IIにおいて、R
1〜R
5は、各々独立して、水素原子、ハロゲン、ニトロ基、カルボキシル基、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4個の直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を表し、 式IIIにおいて、R
1〜R
4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン、ニトロ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4個の直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を表し、Zは、ハロゲン、ヒドロキシル基、アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基、又は炭素数1〜6個の直鎖もしくは分枝鎖アルキルペルオキシ基を表し、W
1及びW
2は各々、メチル基を表すか、又はW
1及びW
2は一緒になってオキソ(=O)を表す、[2]記載の酸化剤、
[4]3価のヨードベンゼン化合物が、ヨードソベンゼン、2,4,6−トリメチル(ジアセトキシヨード)ベンゼン、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ペンタフルオロベンゼン、[ヒドロキシ(トシルオキシ)ヨード]ベンゼン、2−ヨードソ安息香酸、1−フルオロ−3,3−ジメチル−1,2−ベンゾヨードキソール、及び[ヒドロキシ(メタンスルホニルオキシ)ヨード]ベンゼンからなる群から選択される化合物である、[1]記載の酸化剤、
[5]電子メディエータが、金属錯体、キノン化合物、フェナジン化合物、ビオロゲン化合物、フェノチアジン化合物、及びフェノール化合物からなる群から選択される化合物である、[1]〜[4]のいずれか1項記載の酸化剤、
[6]電子メディエータが、フェリシアン化カリウム、ヘキサアンミンルテニウム、フェロセン、ポリ(1−ビニルイミダゾール)−ビス(ビピリジン)クロロオスミウム、ヒドロキノン、2−メチル−1,4−ベンゾキノン、1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2,7−ジスルホン酸又はその塩、1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン、アントラキノン−2−スルホン酸又はその塩、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルサルフェート、ヒドロキシフェナジン、メチルビオロゲン、ベンジルビオロゲン、メチレンブルー、メチレングリーン、2−アミノフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、及び2,4−ジアミノフェノールからなる群から選択される1以上の化合物である、[5]記載の酸化剤、
[7]電子メディエータ、及び[1]〜[4]のいずれか1項記載の酸化剤を含む、アナライト測定用試薬、
[8]酸化反応を触媒する酵素をさらに含む、[7]記載のアナライト測定用試薬、
[9]電子メディエータが、金属錯体、キノン化合物、フェナジン化合物、ビオロゲン化合物、フェノチアジン化合物、及びフェノール化合物からなる群から選択される化合物である、[7]又は[8]記載のアナライト測定用試薬、
[10]電子メディエータが、フェリシアン化カリウム、ヘキサアンミンルテニウム、フェロセン、ポリ(1−ビニルイミダゾール)−ビス(ビピリジン)クロロオスミウム、ヒドロキノン、2−メチル−1,4−ベンゾキノン、1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2,7−ジスルホン酸又はその塩、1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン、アントラキノン−2−スルホン酸又はその塩、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルサルフェート、ヒドロキシフェナジン、メチルビオロゲン、ベンジルビオロゲン、メチレンブルー、メチレングリーン、2−アミノフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、及び2,4−ジアミノフェノールからなる群から選択される1以上の化合物である、[9]記載のアナライト測定用試薬、
[11]作用極、対極、及び試薬層を含むセンサであって、
前記試薬層が、電子メディエータ、及び[1]〜[4]のいずれか1項記載の酸化剤を含む、センサ、
[12]試薬層が、酸化反応を触媒する酵素をさらに含む、[11]記載のセンサ、
[13]電子メディエータが、金属錯体、キノン化合物、フェナジン化合物、ビオロゲン化合物、フェノチアジン化合物、及びフェノール化合物からなる群から選択される化合物である、[11]又は[12]記載のセンサ、
[14]電子メディエータが、フェリシアン化カリウム、ヘキサアンミンルテニウム、フェロセン、ポリ(1−ビニルイミダゾール)−ビス(ビピリジン)クロロオスミウム、ヒドロキノン、2−メチル−1,4−ベンゾキノン、1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2,7−ジスルホン酸又はその塩、1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン、アントラキノン−2−スルホン酸又はその塩、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルサルフェート、ヒドロキシフェナジン、メチルビオロゲン、ベンジルビオロゲン、メチレンブルー、メチレングリーン、2−アミノフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、及び2,4−ジアミノフェノールからなる群から選択される1以上の化合物である、[13]記載のセンサ、
[15]電気化学的にアナライトを測定する方法であって、下記の工程を含む方法:
(A)アナライトを含む試料を、電子メディエータ及び[1]〜[4]のいずれか1項記載の酸化剤を含む試薬と接触させ、それにより、前記アナライトを酸化させると共に、前記電子メディエータを還元させる工程、及び、
(B)少なくとも作用極及び対極を含む電極系を用いて、前記還元された電子メディエータから電気化学シグナルを取得する工程、
[16]前記工程(A)において、前記電子メディエータにより前記アナライトが酸化されると共に、前記電子メディエータが還元される、[15]記載の方法、
[17]前記工程(A)において、前記試薬が酸化反応を触媒する酵素をさらに含み、前記酵素により前記アナライトが酸化されると共に、前記電子メディエータが還元される、[15]記載の方法、
[18]電子メディエータが、金属錯体、キノン化合物、フェナジン化合物、ビオロゲン化合物、フェノチアジン化合物、及びフェノール化合物からなる群から選択される化合物である、[15]〜[17]のいずれか1項記載の方法、
[19]電子メディエータが、フェリシアン化カリウム、ヘキサアンミンルテニウム、フェロセン、ポリ(1−ビニルイミダゾール)−ビス(ビピリジン)クロロオスミウム、ヒドロキノン、2−メチル−1,4−ベンゾキノン、1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2,7−ジスルホン酸又はその塩、1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン、アントラキノン−2−スルホン酸又はその塩、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルサルフェート、ヒドロキシフェナジン、メチルビオロゲン、ベンジルビオロゲン、メチレンブルー、メチレングリーン、2−アミノフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、及び2,4−ジアミノフェノールからなる群から選択される1以上の化合物である、[18]記載の方法、
[20]電子メディエータの劣化を低減するための、[1]〜[4]のいずれか1項記載の酸化剤の使用、
[21]電子メディエータが、金属錯体、キノン化合物、フェナジン化合物、ビオロゲン化合物、フェノチアジン化合物、及びフェノール化合物からなる群から選択される化合物である、[20]記載の使用、
[22]電子メディエータが、フェリシアン化カリウム、ヘキサアンミンルテニウム、フェロセン、ポリ(1−ビニルイミダゾール)−ビス(ビピリジン)クロロオスミウム、ヒドロキノン、2−メチル−1,4−ベンゾキノン、1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2,7−ジスルホン酸又はその塩、1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン、アントラキノン−2−スルホン酸又はその塩、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルサルフェート、ヒドロキシフェナジン、メチルビオロゲン、ベンジルビオロゲン、メチレンブルー、メチレングリーン、2−アミノフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、及び2,4−ジアミノフェノールからなる群から選択される1以上の化合物である、[21]記載の使用、
[23][1]〜[4]のいずれか1項記載の酸化剤を用いることを特徴とする、電子メディエータの劣化を防止する方法、
[24]電子メディエータが、金属錯体、キノン化合物、フェナジン化合物、ビオロゲン化合物、フェノチアジン化合物、及びフェノール化合物からなる群から選択される化合物である、[23]記載の方法、及び
[25]電子メディエータが、フェリシアン化カリウム、ヘキサアンミンルテニウム、フェロセン、ポリ(1−ビニルイミダゾール)−ビス(ビピリジン)クロロオスミウム、ヒドロキノン、2−メチル−1,4−ベンゾキノン、1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2,7−ジスルホン酸又はその塩、1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン、アントラキノン−2−スルホン酸又はその塩、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルサルフェート、ヒドロキシフェナジン、メチルビオロゲン、ベンジルビオロゲン、メチレンブルー、メチレングリーン、2−アミノフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、及び2,4−ジアミノフェノールからなる群から選択される1以上の化合物である、[24]記載の方法。
【発明の効果】
【0010】
本願の酸化剤を使用することにより、アナライトの電気化学的測定の精度が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.本願の電子メディエータの酸化剤
本願の電子メディエータの酸化剤(以下、「本願の酸化剤」ともいう)は、電子メディエータを酸化するための酸化剤である。本願の酸化剤は、特に、電子メディエータを用いたアナライトの電気化学的測定又は電気化学測定技術を採用した電気化学式センサの製造過程において、アナライトの酸化反応とは無関係に還元された電子メディエータを酸化するために使用される。なお、本願において「アナライト」とは、測定対象物質を意味する。
【0013】
電子メディエータは、例えば、空気中の水分や光又は電子メディエータを溶解するための緩衝液成分(特に、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム等のリン酸塩の多くや、クエン酸等の吸湿性の高い緩衝液成分)等の保存環境により還元されることが分かった。本願の酸化剤を電子メディエータと共存させることにより、前記したような電子メディエータの劣化を低減または防止することができる。
【0014】
具体的には、本願の酸化剤は、3価のヨードベンゼン化合物を含む。本願の酸化剤は、3価のヨードベンゼン化合物そのものであってもよく、又は3価のヨードベンゼン化合物の他に、必要に応じて、水、溶媒、緩衝液、タンパク質、高分子材料、糖類、塩類、界面活性剤等の、3価のヨードベンゼン化合物の酸化作用に悪影響を与えない付加的成分を含んでいてもよい。また、本願の酸化剤は、2種以上の3価のヨードベンゼン化合物を含んでいてもよい。
【0015】
本願において使用される3価のヨードベンゼン化合物は、特に限定されないが、例えば、式I〜式III:
【化2】
[式中、R
1〜R
5は、各々独立して、水素原子、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アセチル基、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、
X及びYは、各々独立して、ヒドロキシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルキルベンゼンスルホニルオキシ基、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、
Zは、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルペルオキシ基、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、
W
1及びW
2は各々、メチル基を表すか、又はW
1及びW
2は一緒になってオキソ(=O)を表す]
で表される化合物が挙げられる。
【0016】
本願において、ハロゲンの例として、臭素、塩素、ヨウ素、又はフッ素が挙げられ、好ましくは、臭素又はフッ素が使用される。
【0017】
本願において、炭化水素基は、飽和又は不飽和の直鎖、分枝鎖又は環状の炭化水素基を包含し、例えば、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖又は環状の炭化水素基が挙げられる。該炭化水素基が有していてもよい置換基の例としては、ハロゲン、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、及びアセチル基からなる群より選択される少なくとも一種の置換基が挙げられる。好ましくは、炭化水素基は、ハロゲンで置換されているか、又は非置換の炭化水素基である。炭化水素基が有していてもよい置換基の数は特に限定されず、該炭化水素基が有する水素原子の一部が置換基で置換されていてもよく、又は該炭化水素基が有する水素原子の全てが置換基で置換されていてもよい。
【0018】
本願において、アルキルは、ハロゲンで置換されていてもよく、該アルキルが有する水素原子の一部又は全てがハロゲンで置換されていてもよい。アルキルの例としては、炭素数1〜6個、好ましくは炭素数1〜4個の直鎖又は分枝鎖アルキルが挙げられる。
【0019】
本願において、3価のヨードベンゼン化合物の好ましい例は、式I、式II、又は式IIIで表される化合物であって、式中、R
1〜R
5は、各々独立して、水素原子、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アセチル基、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を表し、
X及びYは、各々独立して、ヒドロキシル基、アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基、トシルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、又は炭素数1〜10個の直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和の置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、
Zは、ハロゲン、ヒドロキシル基、アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基、炭素数1〜6個の直鎖もしくは分枝鎖アルキルペルオキシ基、又は炭素数1〜4個の直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和の置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、
W
1及びW
2は各々、メチル基を表すか、又はW
1及びW
2は一緒になってオキソ(=O)を表す、化合物である。
【0020】
式Iにおいて、より好ましくは、R
1〜R
5は、各々独立して、水素原子、ハロゲン、ニトロ基、又は炭素数1〜4個の直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和の置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、さらに好ましくは、R
1〜R
5は、各々独立して、水素原子、ハロゲン、ニトロ基、又は炭素数1又は2個の飽和もしくは不飽和の非置換の炭化水素基を表し;より好ましくは、X及びYは、各々独立して、ヒドロキシル基、アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基、トシルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基又はハロゲンで置換された炭素数1〜10個の直鎖の飽和炭化水素基を表し、さらに好ましくは、X及びYは同一であり、アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基、トシルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表すか、或いは、X又はYの一方は、ヒドロキシル基又はハロゲンで置換された炭素数1〜10個の直鎖の飽和炭化水素基を表し、他方は、アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基、トシルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す。また、さらに好ましくは、式Iにおいて、R
1〜R
5は全て同一であるか;R
1、R
3及びR
5は同一であり、水素原子以外の上記置換基を表し、かつ、R
2及びR
4は同一であり、水素原子を表すか;或いは、R
3は、水素原子以外の上記置換基を表し、かつ、R
1、R
2、R
4及びR
5は同一であり、水素原子を表す。R
1〜R
5が全て同一である場合、好ましくは、水素又はハロゲンを表す。また、さらに好ましくは、式Iにおいて、X及びYは同一であり、アセトキシ基、又はトリフルオロアセトキシ基を表すか;或いはXはヒドロキシル基を表し、Yはトシルオキシ基又はメタンスルホニルオキシ基を表す。
【0021】
式Iにおいて、R
3がビニル基である場合、式Iで表される化合物は、ポリスチレンとしてポリマーの形態を取り得る。このようなポリマー形態の3価のヨードベンゼン化合物も、本願の酸化剤に包含される。
【0022】
式IIにおいて、より好ましくは、R
1〜R
5は、各々独立して、水素原子、ハロゲン、ニトロ基、カルボキシル基、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4個の直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を表す。さらに好ましくは、式IIにおいて、R
1〜R
5は、各々独立して、水素原子、ハロゲン、ニトロ基、カルボキシル基、又は炭素数1又は2個の飽和もしくは不飽和の非置換の炭化水素基を表す。
【0023】
式IIにおいて、ヨードソベンゼンがカルボキシル基で置換される場合、該カルボキシル基は、好ましくは、オルト位に置換している。式IIにおいて、オルト位にカルボキシル基が置換している場合は、環化して、式IIIで表される互変形態を取り得る。
【0024】
R
1及びR
5がカルボキシル基以外である式IIで表されるヨードソベンゼン化合物は、通常、I−O−I−O鎖からなるポリマーの形態であると考えられる。このようなポリマー形態のヨードソベンゼン化合物も、本願の酸化剤に包含される。
【0025】
式IIIにおいて、より好ましくは、R
1〜R
4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン、ニトロ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4個の直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を表し、さらに好ましくは、R
1〜R
4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン、ニトロ基、又は炭素数1又は2個の飽和もしくは不飽和の非置換の炭化水素基を表し;より好ましくは、Zは、ハロゲン、ヒドロキシル基、アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基、又は炭素数1〜6個の直鎖もしくは分枝鎖アルキルペルオキシ基を表し、さらに好ましくは、Zは、フッ素、ヒドロキシル基、アセトキシ基、又は炭素数1〜4個の直鎖もしくは分枝鎖アルキルペルオキシ基を表し;W
1及びW
2は各々、メチル基を表すか、又はW
1及びW
2は一緒になってオキソ(=O)を表す。また、さらに好ましくは、式IIIにおいて、R
2は、水素原子、ハロゲン、又はニトロ基を表し、かつ、R
1、R
3及びR
4は同一であり、水素原子を表す。
【0026】
本願において酸化剤として使用される3価のヨードベンゼン化合物の具体例としては、限定するものではないが、ヨードソベンゼン、2,4,6−トリメチル(ジアセトキシヨード)ベンゼン、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ペンタフルオロベンゼン、[ヒドロキシ(トシルオキシ)ヨード]ベンゼン、2−ヨードソ安息香酸[別名:1−ヒドロキシ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン]、1−アセトキシ−5−ブロモ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン、1−アセトキシ−5−ニトロ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン、4−ニトロ(ジアセトキシヨード)ベンゼン、1−(tert−ブチルペルオキシ)−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン、(ジアセトキシヨード)ベンゼン、[ヒドロキシ(メタンスルホニルオキシ)ヨード]ベンゼン、ポリ[4−(ジアセトキシヨード)スチレン]、1−フルオロ−3,3−ジメチル−1,2−ベンゾヨードキソール、(ペルフルオロプロピル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、(ペルフルオロヘキシル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、及び(ペルフルオロ−n−オクチル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナートが挙げられる。
【0027】
本願の酸化剤が酸化する電子メディエータは、特に限定されず、電気化学的測定において使用可能ないずれの電子メディエータであってもよい。電子メディエータの例としては、限定するものではないが、金属錯体(例えば、オスミウム錯体、ルテニウム錯体、鉄錯体等)、キノン化合物(例えば、ベンゾキノン、ナフトキノン、フェナントレンキノン、フェナントロリンキノン、アントラキノン、及びそれらの誘導体等)、フェナジン化合物、ビオロゲン化合物、フェノチアジン化合物、及びフェノール化合物が挙げられる。例えば、電子メディエータとして、フェリシアン化カリウム、ヘキサアンミンルテニウム、フェロセン、ポリ(1−ビニルイミダゾール)−ビス(ビピリジン)クロロオスミウム、ヒドロキノン、2−メチル−1,4−ベンゾキノン、1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2−スルホン酸又はその塩、9,10−フェナントレンキノン−2,7−ジスルホン酸又はその塩、1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン、アントラキノン−2−スルホン酸又はその塩、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルサルフェート、ヒドロキシフェナジン、メチルビオロゲン、ベンジルビオロゲン、メチレンブルー、メチレングリーン、2−アミノフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、及び2,4−ジアミノフェノールからなる群から選ばれる1種以上が用いられる。上記塩としては、限定するものではないが、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、リチウム塩等が挙げられる。
【0028】
2.本願の測定方法
本願の酸化剤は、アナライトの電気化学的測定において、電子メディエータと共存させて使用することができる。アナライトの電気化学的測定において本願の酸化剤を電子メディエータと共存させることにより、空気中の水分や光又は溶液中の成分等の保存環境によって還元した電子メディエータを酸化させることができ、それにより、アナライトとは無関係の電子メディエータの還元に起因する測定精度の低下を防止し、アナライトの正確な測定値を得ることができる。したがって、アナライトの電気化学的測定において本願の酸化剤を使用することにより、測定精度が向上し、アナライトのより正確な測定値を得ることができる。
【0029】
本願の酸化剤を使用することを特徴とする電気化学的にアナライトを測定する方法(以下、「本願の測定方法」ともいう)は、下記の工程を含む:
(A)アナライトを含む試料を、電子メディエータ及び本願の酸化剤を含む試薬と接触させ、それにより、前記アナライトを酸化させると共に、前記電子メディエータを還元させる工程、及び、
(B)少なくとも作用極及び対極を含む電極系を用いて、前記還元された電子メディエータから電気化学シグナルを取得する工程。なお、本願において、「測定」とは、「定量」及び「定性」のいずれの測定をも含む。
【0030】
本願の測定方法で測定されるアナライトとしては、例えば、限定するものではないが、ヘモグロビン、グルコース、ケトン体(3−ヒドロキシ酪酸)、乳酸、糖化ヘモグロビン、糖化アルブミン等が挙げられる。
【0031】
本願の測定方法に供される試料は、アナライトを含むいずれの試料であってもよく、特に限定されない。例えば、全血、血漿、血清、血球、血液希釈物等の血液試料(例えば、ヒト由来の希釈血液試料)、尿、髄液、汗、涙液、唾液、皮膚、粘膜、毛髪等の生体試料、各種食品又はその抽出液、アルコール及びジュース等の飲料等が挙げられる。また、生体試料はヒト由来に限らない。血液試料は、溶血処理していてもよい。溶血処理は常法により行えばよい。
【0032】
本願の測定方法で使用される電子メディエータは、特に限定されず、アナライトの種類や測定条件等に応じて適宜決定することができる。例えば、前記で例示した電子メディエータを使用することができる。
【0033】
本願の測定方法の工程(A)において、試料中のアナライトは、電子メディエータによって酸化されるか、又は酸化反応を触媒する酵素を共存させて、該酵素によりアナライトを酸化させる。後者の場合、電子メディエータ及び本願の酸化剤を含む試薬がさらに、酸化反応を触媒する酵素を含む。前記酵素は、アナライトの種類に応じて適宜決定することができる。前記酵素の例としては、酸化還元酵素、例えば、酸化酵素及び脱水素酵素が挙げられ、具体例としては、限定するものではないが、グルコースデヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ、3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、フルクトシルペプチドオキシダーゼ等が挙げられる。前記酵素は、補酵素依存性であってもよい。補酵素の例としては、限定するものではないが、ピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)等が挙げられる。
【0034】
例えば、アナライトがヘモグロビンである場合、ヘモグロビンの第一鉄は、ヘモグロビン感応性の電子メディエータ、例えばフェリシアン化カリウムによって酸化され、同時に、該電子メディエータは還元される。例えば、アナライトがグルコースであり、前記酵素としてグルコースデヒドロゲナーゼを用いる場合、グルコースデヒドロゲナーゼがグルコースと反応して、グルコノラクトン及び電子を生成し、該電子によって電子メディエータが還元される。例えば、アナライトが乳酸であり、前記酵素として乳酸オキシダーゼを用いる場合、乳酸オキシダーゼが乳酸と反応して、ピルビン酸及び電子を生成し、該電子によって電子メディエータが還元される。例えば、アナライトが3−ヒドロキシ酪酸であり、前記酵素として3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼを用いる場合、3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼが3−ヒドロキシ酪酸と反応して、アセト酢酸及び電子を生成し、該電子によってニコチンアミドアデニンジヌクレオチドが還元する。さらに還元体のニコチンアミドアデニンジヌクレオチドは直接または、ジアホラーゼを介して電子メディエータを還元する。
【0035】
本願の測定方法において使用される本願の酸化剤の量は、特に限定されず、測定する試料、アナライト又は電子メディエータの種類又は量、酸化剤の種類及びその他の測定条件等に応じて適宜決定される。例えば、限定するものではないが、本願の酸化剤の反応時終濃度として、約10μM〜約5mM、約30μM〜約1mM、約50μM〜約500μMの範囲が挙げられる。
【0036】
本願の測定方法において使用される前記電子メディエータの量及び前記酵素の量についても、特に限定されず、測定する試料、アナライト、酸化剤又は電子メディエータの種類又は量、酵素の種類及びその他の測定条件等に応じて適宜決定すればよい。
【0037】
前記試薬は、さらに、試薬の安定化等のために、必要に応じて、緩衝液、界面活性剤、高分子材料、有機酸、タンパク質、糖類、塩類等の、前記電子メディエータ、酸化剤及び酵素の作用に悪影響を与えない付加的成分を含んでいてもよい。
【0038】
本願の測定方法で使用される電極系は、少なくとも作用極及び対極を含む。該電極系は、さらに参照極を含んでいてもよい。電極の構成材料については、特に限定されず、白金、金、銀、パラジウム、カーボン、イリジウム、酸化イリジウム等の電気化学的測定に通常用いられているいずれの材料であってもよい。好ましくは、金、白金、パラジウム、又はカーボン等が電極材料として用いられる。電極系は、電子メディエータ及び本願の酸化剤を含む試薬、又は電子メディエータ、本願の酸化剤及び酸化反応を触媒する酵素を含む試薬を担持していてもよい。前記試薬は、好ましくは、電極上に設けられた試薬層中に担持されていてもよい。
【0039】
本願の測定方法において、アナライトを含む試料と、電子メディエータ及び本願の酸化剤を含む試薬との接触は、好ましくは電極上で行う。例えば、前記接触は、前記試薬を担持している電極に試料を点着するか、又は該電極を試料に浸漬させることにより行ってもよい。
【0040】
本願の測定方法において、電気化学シグナルは、アナライトの量を反映する。電気化学シグナルとしては、例えば、電流、電荷量、電位、インピーダンス等が挙げられる。本願の測定方法において、電気化学シグナルは、作用極と対極との間に所定の電圧を印加、又は3電極方式の場合は作用極に参照極に対する所定の電圧を印加して、還元型電子メディエータを酸化させることによって取得することができる。具体的には、前記の電圧印加によって還元型電子メディエータの酸化反応を生じさせ、作用極に流れる電流値又は電荷量を検出する。
【0041】
「所定の電圧」とは、還元型電子メディエータが酸化する電位をいう。所定の電圧は、電極材料やpHなどの種々の条件に応じて適宜設定される。例えば、限定するものではないが、還元型メディエータがフェロシアン化カリウム(ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム)の場合、3電極方式[作用極(例えば、白金又はパラジウム)、対極、参照極(例えば、銀/塩化銀(飽和塩化カリウム)電極)]の場合、0.3V〜0.6V程度の電圧、2電極方式(作用極、対極)の場合、0.2V〜0.4V程度の電圧が挙げられる。
【0042】
3.本願の測定用試薬
本願は、電子メディエータ及び本願の酸化剤を含むアナライト測定用試薬(以下、「本願の測定用試薬」ともいう)を提供する。本願の測定用試薬は、さらに、酸化反応を触媒する酵素を含んでいてもよい。該酵素は、アナライトの酸化反応を触媒する酵素である。本願の測定用試薬は、アナライトの電気化学的測定のために使用される。好ましくは、本願の測定用試薬は、本願の測定方法において使用される。電子メディエータ、アナライト、及び酵素については、前記したとおりである。
【0043】
本願の測定用試薬は、さらに、試薬の安定化等のために、必要に応じて、緩衝液、界面活性剤、高分子材料、有機酸、タンパク質、糖類、塩類等の、前記電子メディエータ、酸化剤及び酵素の作用に悪影響を与えない付加的成分を含んでいてもよい。
【0044】
4.本願のセンサ
本願は、試料中のアナライトを測定するためのセンサであって、作用極及び対極を含む電極、並びに電子メディエータ及び本願の酸化剤を含む試薬層を含むセンサ(以下、「本願のセンサ」ともいう)を提供する。前記試薬層は、さらに、酸化反応を触媒する酵素を含んでいてもよい。該酵素は、アナライトの酸化反応を触媒する酵素である。また、本願のセンサにおいて、前記電極はさらに参照極を含んでいてもよい。本願のセンサは、アナライトの電気化学的測定のために使用される。好ましくは、本願のセンサは、本願の測定方法において使用される。電子メディエータ、アナライト、試料、酵素、並びに作用極、対極及び参照極の電極材料については、前記したとおりである。本願のセンサの製造方法は、当該分野で既知の方法にしたがえばよい。
【0045】
本願のセンサにおいて、試薬層は、電極の近傍に、または電極上に形成される。好ましくは、試薬層は電極上に形成される。試薬層は、作用極上にのみ形成されてもよく、または作用極および対極の両方に形成されてもよい。電極は、絶縁性基板上に形成されていてもよい。絶縁性基板材料としては、例えば、限定するものではないが、ポリエチレンテレフタレート、ビニルポリマー、ポリイミド、ポリエステル、及びスチレニクス等の樹脂、ガラス、セラミックス等が挙げられる。電子メディエータ及び本願の酸化剤、及び必要に応じて、酸化反応を触媒する酵素、を電極上の試薬層に担持させる方法は、特に限定されず、当該分野において知られた方法を用いることができる。例えば、インクジェット方式を用いてもよい。また、前記試薬層に担持させる前記電子メディエータ、酸化剤、及び酵素の量は、特に限定されず、当業者により適宜決定することができる。
【0046】
前記試薬層は、さらに、試薬の安定化等のために、必要に応じて、緩衝液、界面活性剤、高分子材料、有機酸、タンパク質、糖類、塩類等の、前記電子メディエータ、酸化剤及び酵素の作用に悪影響を与えない付加的成分を含んでいてもよい。
【0047】
以下に、実施例に基づいて本願を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0048】
実施例1:還元型電子メディエータに対する酸化剤の反応性評価
本願の酸化剤が還元型電子メディエータを酸化させることを確認した。
【0049】
(方法)
酸化剤として、ヨードソベンゼン(以下、「化合物1」ともいう)、2,4,6−トリメチル(ジアセトキシヨード)ベンゼン(以下、「化合物2」ともいう)、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ペンタフルオロベンゼン(以下、「化合物3」ともいう)、[ヒドロキシ(トシルオキシ)ヨード]ベンゼン(以下、「化合物4」ともいう)、2−ヨードソ安息香酸(以下、「化合物5」ともいう)、1−フルオロ−3.3−ジメチル−1,2−ベンゾヨードキソール(以下、「化合物6」ともいう)、及び[ヒドロキシ(メタンスルホニルオキシ)ヨード]ベンゼン(以下、「化合物7」ともいう)(いずれも、東京化成工業株式会社製;各々、カタログ番号I0072、I0479、B1616、P1015、I0073、F0957、及びP1298)を使用した。還元型電子メディエータとして、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム三水和物(フェロシアン化カリウム)(和光純薬工業株式会社製)を使用した。また、対照の酸化剤として、ヒドロキシN−オキシド、WST−3(株式会社同仁化学研究所製)、及びデス−マーチンペルヨージナン(東京化成工業株式会社製)を使用した。
【0050】
表1に示す測定溶液の組成のうち、酸化剤以外の全ての成分を予め混ぜ合わせておき、次いで、該混合液に酸化剤を添加して所定時間(30秒、10分、又は60分)反応させた後、該反応溶液を、パラジウム電極からなる作用極及び対極を備えたセンサに点着し、0.4Vを作用極と対極に印加し、30秒後の電流値を測定した。また、対照として、酸化剤を含まない測定溶液を調製し、同様に測定した。
【0051】
【表1】
【0052】
(結果)
結果を
図1〜6に示す。
図1〜6において、酸化剤を添加していない測定溶液の電流値を100%としたときの、各酸化剤を含む測定溶液の相対的な電流値(%)を示した。図中、「化1」〜「化7」は、各々、化合物1〜化合物7を示す。
【0053】
図1〜6から明らかなように、化合物1〜化合物7の電流値は、酸化剤未添加時よりも減少していた。このことから、化合物1〜化合物7がフェロシアン化カリウムを酸化させていることが示される。また、本願の酸化剤以外の酸化剤(ヒドロキシN−オキシド、WST−3、及びデス−マーチンペルヨージナン)を添加した測定溶液では、化合物1〜7を添加した場合と比べて電流値の減少がほとんど見られなかった。
【0054】
また、
図2及び
図3から明らかなように、反応時間を延ばすことで、化合物5を添加した測定溶液の電流値がさらに減少していることから、化合物5もフェロシアン化カリウムを酸化させていることが分かる。一方、他の酸化剤(ヒドロキシN−オキシド、WST−3、デス−マーチンペルヨージナン)においては反応時間を延ばしても、電流値の顕著な減少は見られなかった。
【0055】
したがって、化合物1〜7は還元型電子メディエータを酸化させるのに優位な酸化剤であることが確認された。
【実施例2】
【0056】
実施例2:本願の酸化剤を含むセンサの性能試験1
本願の酸化剤を担持したセンサを用いてアナライトを測定し、測定精度を評価した。
【0057】
(方法)
酸化剤として、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ペンタフルオロベンゼン(化合物3)、及び[ヒドロキシ(トシルオキシ)ヨード]ベンゼン(化合物4)を使用した。電子メディエータとして、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム三水和物(フェリシアン化カリウム)(和光純薬工業株式会社製)を使用した。アナライトとして、総ヘモグロビン常用参照標準物質(検査医学標準物資機構より入手、JCCRM 912−2L、M、及びHのそれぞれの25倍希釈相当を使用)を使用した。
【0058】
表2に示す組成を有する測定溶液を調製し、表3の(A)〜(D)に示される試薬を担持したパラジウム電極からなる作用極及び対極を備えたセンサに点着し、0.2Vを作用極と対極に印加し、5秒後の電流値を測定した。また、対照として、酸化剤を含まない以外は同じ組成の試薬を担持したセンサを用いて、前記測定溶液を同様に測定した。さらに、ヘモグロビンを含まない以外は同じ組成を有する測定溶液(すなわち、陰イオン性界面活性剤5.0%(w/v)、グルタミン酸カリウム300mM、リン酸カリウム緩衝液30mM(pH8))を調製し、前記のセンサに点着して、ブランク電流値を測定した。なお、表中、「%」は全て「%(w/v)」を示す。陰イオン性界面活性剤として、N−ドデノカノイルサルコシン酸ナトリウムを使用した。賦形剤1として、アクパーナ(ポリアクリル酸部分中和物、住友精化株式会社製)を使用した。賦形剤2として、スタビリーゼQM[(メチルビニルエーテル/マレイン酸)クロスポリマー、アイエスピー・ジャパン株式会社製]を使用した。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
(結果)
結果を
図7〜9に示す。
図7は、化合物3又は化合物4をそれぞれ180μM担持したセンサで、総ヘモグロビン常用参照標準物質を測定した際のヘモグロビン濃度に対する電流応答を示す。
図8及び
図9は、各々、90μM又は180μMの化合物3及び化合物4を担持したセンサで、総ヘモグロビン常用参照標準物質を測定した際のヘモグロビン濃度に対する電流応答を示す。また、各測定結果の線形近似曲線の式を表4に示す。さらに、表5にブランク電流値を示し、表6に、総ヘモグロビン常用参照標準物質JCCRM 912−2H測定時の電流値をブランク電流値で割った値(S/N比)を示す。
【0062】
なお、図中、「化3」及び「化4」は、各々、化合物3及び化合物4を示し、「Hb」はヘモグロビンを示す。
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】
図7及び表4から明らかなように、本願の酸化剤を加えていないセンサと、化合物3又は化合物4を加えたセンサとでは、線形近似曲線の傾きがほぼ同じであり、ヘモグロビン濃度に対する電流応答変化に差はなかった。このことにより、短時間の測定において、本願の酸化剤を加えても、センサの測定性能は低下しないことが確認された。本願の酸化剤の存在は、恐らく反応速度の違いから、電子メディエータによるアナライトの酸化や、該酸化によってもたらされる還元型電子メディエータの酸化には影響しないと考えられる。一方、化合物3又は化合物4を加えたセンサでは、本願の酸化剤を加えていないセンサに比べてブランク電流値が減少し、S/N比が増加した(表5及び6)。このことは、本願の酸化剤を加えたセンサにおいて測定精度が向上していることを示す。
【0067】
次に、本願の酸化剤の効果の濃度依存を検討する。
図8、
図9、及び表4に示されるように、異なる濃度(90μM又は180μM)の本願の酸化剤を用いても、線形近似曲線の傾きがほぼ同じであり、ヘモグロビン濃度に対する電流応答変化に差はなかった。
【実施例3】
【0068】
実施例3:本願の酸化剤を含むセンサの性能試験2
(方法)
酸化剤として、[ヒドロキシ(トシルオキシ)ヨード]ベンゼン(化合物4)を使用した。電子メディエータとして、1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)を使用した。アナライトとして、グルコースを使用した。
リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いてグルコースを各濃度7.2mg/dL(400μM)、10.8mg/dL(600μm)、又は14.4mg/dL(800μM)になるように調整し、測定溶液とした。表7の(E)に示される試薬を担持したパラジウム電極からなる作用極及び対極を備えたセンサに、前記測定溶液を点着し、0.25Vを作用極と対極に印加し、10秒後の電流値を測定した。また、対照として、酸化剤を含まない以外は同じ組成の試薬を担持したセンサを用いて、前記測定溶液を同様に測定した。さらに、PBSを測定溶液として前記のセンサに点着して、ブランク電流値を測定した。なお、表中、「%」は全て「%(w/v)」を示す。
【0069】
【表7】
【0070】
(結果)
結果を
図10に示す。
図10は、化合物4及びグルコースデヒドロゲナーゼを担持したセンサでグルコースを測定した際のグルコース濃度に対する電流応答を示す。また、測定結果の線形近似曲線の式を表8に示す。表9にブランク電流値を示し、表10にグルコース14.4mg/dL測定時の電流値をブランク電流値で割った値(S/N比)を示す。
【0071】
なお、図中、「化4」は化合物4を示す。
【0072】
【表8】
【0073】
【表9】
【0074】
【表10】
【0075】
図10及び表8から明らかなように、本願の酸化剤を加えていないセンサと、化合物4を加えたセンサとでは、線形近似曲線の傾きがほぼ同じであり、グルコース濃度に対する電流応答変化に差はなかった。このことにより、短時間の測定において、本願の酸化剤を加えても、センサの測定性能は低下しないことが確認された。本願の酸化剤の存在は、恐らく反応速度の違いから、酵素によるアナライトの酸化や、該酸化によってもたらされる還元型電子メディエータの酸化には影響しないと考えられる。一方、化合物4を加えたセンサでは、本願の酸化剤を加えていないセンサに比べてブランク電流値が減少し、S/N比が増加した(表9及び10)。このことは、本願の酸化剤を加えたセンサにおいて測定精度が向上していることを示す。
【実施例4】
【0076】
実施例4:本願の酸化剤を含むセンサの性能試験3
(方法)
酸化剤として、1−フルオロ−3.3−ジメチル−1,2−ベンゾヨードキソール(化合物6)を使用した。電子メディエータとして、1−ヒドロキシフェナジン(東京化成工業株式会社製)を使用し、懸濁液の状態で試薬調整を行った。アナライトとして、グルコースを使用した。
リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いてグルコースを各濃度(0μM、25μM(0.45mg/dL)、又は60μM(1.08mg/dL))になるように調整し、測定溶液とした。表11の(F)に示される試薬を担持したパラジウム電極からなる作用極及び対極を備えたセンサに、前記測定溶液を点着し、0.25Vを作用極と対極との間に印加し、10秒後の電流値を測定した。また、対照として、酸化剤を含まない以外は同じ組成の試薬を担持したセンサを用いて、前記測定溶液を同様に測定した。さらに、PBSを測定溶液として前記のセンサに点着して、ブランク電流値を測定した。なお、表中、「%」は全て「%(w/v)」を示す。
【0077】
【表11】
【0078】
(結果)
結果を
図11に示す。
図11は、化合物6及びグルコースデヒドロゲナーゼを担持したセンサでグルコースを測定した際のグルコース濃度に対する電流応答を示す。また、測定結果の線形近似曲線の式を表12に示す。表13にブランク電流値を示し、表14にグルコース1.08mg/dL測定時の電流値をブランク電流値で割った値(S/N比)を示す。
【0079】
なお、図中、「化6」は化合物6を示す。
【0080】
【表12】
【0081】
【表13】
【0082】
【表14】
【0083】
図11及び表12から明らかなように、本願の酸化剤を加えていないセンサと、化合物6を加えたセンサとでは、線形近似曲線の傾きがほぼ同じであり、グルコース濃度に対する電流応答変化に差はなかった。このことにより、短時間の測定において、本願の酸化剤を加えても、センサの測定性能は低下しないことが確認された。本願の酸化剤の存在は、恐らく反応速度の違いから、酵素によるアナライトの酸化や、該酸化によってもたらされる還元型電子メディエータの酸化には影響しないと考えられる。一方、化合物6を加えたセンサでは、本願の酸化剤を加えていないセンサに比べてブランク電流値が減少し、S/N比が増加した(表13及び14)。このことは、本願の酸化剤を加えたセンサにおいて測定精度が向上していることを示す。
【実施例5】
【0084】
実施例5:本願の酸化剤を含むセンサの性能試験4(ブランク電流値)
酸化剤として、1−フルオロ−3.3−ジメチル−1,2−ベンゾヨードキソール(化合物6)を使用した。電子メディエータとして、アントラキノンβスルホン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)を使用した。測定溶液として、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を使用した。
【0085】
表15の(G)に示される試薬を担持したパラジウム電極からなる作用極及び対極を備えたセンサに、前記測定溶液を点着し、0.25Vを作用極と対極との間に印加し、10秒後のブランク電流値を測定した。また、対照として、酸化剤を含まない以外は同じ組成の試薬を担持したセンサを用いて、前記測定溶液を同様に測定した。結果を表16に示す。なお、表中、「%」は全て「%(w/v)」を示す。
【0086】
【表15】
【0087】
【表16】
【0088】
表16から明らかなように、化合物6を加えたセンサでは、本願の酸化剤を加えていないセンサに比べてブランク電流値が減少した。このことは、本願の酸化剤を加えることで、センサ作製時に意図せずに発生した電子メディエータの還元体が減少していることを示す。
【実施例6】
【0089】
実施例6:本願の酸化剤を含むセンサの性能試験5(ブランク電流値)
酸化剤として、[ヒドロキシ(トシルオキシ)ヨード]ベンゼン(化合物4)を使用した。電子メディエータとして、9,10−フェナントレンキノン−2−スルホン酸ナトリウムを使用した。9,10−フェナントレンキノン−2−スルホン酸ナトリウムは、市販の9,10−フェナントレンキノンを発煙硫酸にてスルフォニル化後、異性体の分取を行い、さらにNa塩化することによって得た。測定溶液として、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を使用した。
【0090】
表17の(H)に示される試薬を担持したパラジウム電極からなる作用極及び対極を備えたセンサに、前記測定溶液を点着し、0.25Vを作用極と対極との間に印加し、10秒後のブランク電流値を測定した。また、対照として、酸化剤を含まない以外は同じ組成の試薬を担持したセンサを用いて、前記測定溶液を同様に測定した。結果を表18に示す。なお、表中、「%」は全て「%(w/v)」を示す。
【0091】
【表17】
【0092】
【表18】
【0093】
表18から明らかなように、化合物4を加えたセンサでは、本願の酸化剤を加えていないセンサに比べてブランク電流値が減少した。このことは、本願の酸化剤を加えることで、センサ作製時に意図せずに発生した電子メディエータの還元体が減少していることを示す。