特許第6794467号(P6794467)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6794467
(24)【登録日】2020年11月13日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】グラフィックを有する着用可能物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/514 20060101AFI20201119BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20201119BHJP
   A61F 13/51 20060101ALI20201119BHJP
   A61F 13/496 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   A61F13/514 400
   A61F13/49 410
   A61F13/49 311Z
   A61F13/49 312Z
   A61F13/51
   A61F13/496 100
【請求項の数】16
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-552750(P2018-552750)
(86)(22)【出願日】2017年2月21日
(65)【公表番号】特表2019-513462(P2019-513462A)
(43)【公表日】2019年5月30日
(86)【国際出願番号】CN2017074259
(87)【国際公開番号】WO2017173894
(87)【国際公開日】20171012
【審査請求日】2018年10月5日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2016/078774
(32)【優先日】2016年4月8日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】森本 広一
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シュエチュン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、チュンミン
【審査官】 西本 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0058628(US,A1)
【文献】 特開2009−160129(JP,A)
【文献】 特表2015−515920(JP,A)
【文献】 特表2015−519118(JP,A)
【文献】 特開2015−173751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15 − 13/84
A61L 15/16 − 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向及び横方向に連続する着用可能物品であって、
最も衣類に面する側の外側カバー層及び前記外側カバー層の肌対向面に付着しているバックシートを含む本体であって、前記本体は、前側腰部パネル、後側腰部パネル、及び前記前側腰部パネルと前記後側腰部パネルとの間の股部パネルを有し、前記外側カバー層の長手方向長さは、前記股部パネルの長手方向長さより長く、前記バックシートの長手方向長さより短い、本体と、
前側ベルト及び後側ベルトを含む環状ベルトであって、前記前側ベルト及び前記後側ベルトのそれぞれは、内側シート、外側シート及び前記内側シートと前記外側シートとの間に挟まれた複数の弾性ストランドを含み、前記前側ベルト及び前記後側ベルトは、前記物品が脚部開口部及び腰部開口部を含むように形成された、第1及び第2のシームによりシーム接合されており、前記前側及び前記後側ベルトのそれぞれは、前記本体と重なり合っていない左側パネル及び右側パネルを有し、前記前側ベルトの中心は、前記本体の前記前側腰部パネルに接合され、前記後側ベルトの中心は、前記本体の前記後側腰部パネルに接合された、環状ベルトと、
前記外側カバー層が存在しない前記前側腰部パネルに配置され、前記外側シート及び前記内側シートの両方が前記前側腰部パネルに重なり合う前側腰部グラフィック領域、及び前記外側カバー層が存在しない前記後側腰部パネルに配置され、前記外側シート及び前記内側シートの両方が前記後側腰部パネルに重なり合う後側腰部グラフィック領域であって、前記前側腰部グラフィック領域及び前記後側腰部グラフィック領域のうちの少なくとも一方は、前記本体に印刷された腰部グラフィックを含む、前側腰部グラフィック領域及び後側腰部グラフィック領域と、
前記外側カバー層が存在する前記前側腰部パネル及び前記後側腰部パネルに配置された移行領域と、
前記前側及び前記後側ベルトのうちの一方又は両方に配置された第1のベルトグラフィックであって、前記第1のベルトグラフィックは、前記本体によって提供されていない、第1のベルトグラフィックと、を含み、
前記外側シートの不透明度をOOとし、前記前側ベルト及び前記後側ベルトの一方又は両方の不透明度をOBとしたとき、OOとOBとの間の差は20%未満である、着用可能物品。
【請求項2】
前記前側腰部グラフィック領域の長手方向長さは、前記前側腰部パネルの長手方向長さの50%よりも大きい、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記前側腰部パネルに配置された前記移行領域は、20mm未満の長手方向長さを有する、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記ベルトグラフィックは、前記外側シートの身体対向面又は前記内側シートの衣類対向面に配置された材料によって提供されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品。
【請求項5】
前記第1のベルトグラフィックは、弾性ストランド、接着剤、印刷インク、ウェブ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料によって提供されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
前記第1のベルトグラフィックは、前記外側シート及び前記内側シートの一方に印刷されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
前記第1のベルトグラフィックは、前記腰部開口部から少なくとも5mm離れて、前記腰部開口部周りに隣接して配置され、かつ、前記腰部開口部の周囲に延在する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
前記第1のベルトグラフィックのうちの少なくとも一部は、前記前側腰部パネルと重なり合う領域に配置されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項9】
前記腰部グラフィックは、前記バックシートに印刷されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項10】
前記前側及び前記後側ベルトの一方又は両方は、第2のベルトグラフィックを更に含み、前記第2のベルトグラフィックは、前記本体によって提供されていない、請求項1〜9のいずれか一項に記載の物品。
【請求項11】
前記第2のベルトグラフィックは、サイドシームに配置されているか、又は、サイドシームに隣接して配置されている、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
前記第2のベルトグラフィックは、それぞれの前記脚部開口部周りの少なくとも一部に隣接して配置されている、請求項10に記載の物品。
【請求項13】
前記股部パネルは、前記バックシートに印刷されている股部グラフィックを含み、前記外側カバー層の不透明度をOCとし、前記腰部グラフィックを含む前記前側ベルト及び前記後側ベルトの一方又は両方の不透明度をOBとしたとき、OCとOBとの間の差は20%未満である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の物品。
【請求項14】
前記腰部グラフィック及び前記股部グラフィックは、連続的なグラフィックを形成している、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
前記本体は、吸収性コアを含み、弾性ベルトは、色彩的に寄与しないパネル接着剤を含み、前記パネル接着剤は、前記弾性ベルトが厚さ方向において前記吸収性コアと重なり合っている部分で、前記外側シートと前記内側シートとを接合するために使用され、厚さ方向において前記弾性ベルトが前記吸収性コアと重なり合っている領域全体に対し、前記パネル接着剤が塗布される領域は、少なくとも20%である、請求項13又は14に記載の物品。
【請求項16】
前記パネル接着剤の領域は、前記長手方向において間隔をおいて配置され、前記パネル接着剤の領域間の任意の間隔は、前記腰部グラフィックと重なり合う部分では12mm以下である、請求項15に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前側領域及び後側領域の少なくとも一方にグラフィックを有する着用可能物品に関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児、及び失禁症状のあるその他の個人は、尿及び他の身体排出物を受容及び収容する着用可能物品(おむつなど)を着用する。プルオン型着用可能物品、即ちパンツタイプの着用可能物品は、着用者の両脚を脚部開口部に挿入し、物品を下部胴体の周りの位置まで上方に滑らせることによって着用される物品である。パンツタイプの吸収性物品は、歩くことができて多くの場合トイレのトレーニング中の幼児用として、更には、もう少し年下の幼児であっても、テープで止めるタイプの吸収性物品をつけさせるのがより困難になりがちな、動きの激しい幼児用に広く普及している。
【0003】
多くのパンツタイプの着用可能物品は、弾性的に収縮可能な状態で腰部開口部及び/又は脚部開口部に固定される弾性要素を使用している。一般的に、使い捨てではない下着の場合のように、確実に脚部及び腰部の周りで完全に弾性的にフィットするようにするために、脚部開口部及び腰部開口部は、少なくとも部分的に、それぞれの開口部の周囲に沿って位置決めされる伸縮性をもたせた要素で囲まれている。
【0004】
着用者の股部領域を覆う本体と、腰部開口部及び脚部開口部を画定する別体の弾性ベルトとを有する、パンツタイプの着用可能物品は、国際公開第2006/17718(A)号に記載されたもののように、当該分野においては公知である。かかるパンツタイプの着用可能物品は、ベルトタイプパンツと呼ばれることがある。他方で、特定のパンツタイプの着用可能物品は、着用可能な本体の外側カバーが物品の衣類対向面全体を完全に覆うように構成されている。かかるパンツタイプの着用可能物品は、一体型パンツと呼ばれることがある。一体型パンツと比べると、ベルトタイプのパンツは、物品の特定の範囲にある材料の層がより少数であることにより、通気性がより良好であり得る点、また経済的に製造できるという点で有利なことがある。一方、本体と弾性ベルトとの間の構造的な違いにより、ベルトタイプのパンツは、視覚的一体性を提供する印刷されたアートワークを設ける際に不利である場合がある。
【0005】
ベルトタイプであるか一体型であるかにかかわらず、吸収性物品の本体及びベルトの両方に調和的かつ統一的なグラフィックを設けたいという要望が存在するが、これは、こうした調和的かつ統一的なグラフィックを有する吸収性物品により、より下着に類似した外観及び感触を提供でき、これによりトイレトレーニングを補助できるためである。更に、吸収性物品が、より下着のような外観及び感触を持つなら、より使用者が製品の使用を喜んで受け入れ易くなる。同様に、失禁を経験している大人向けの着用可能物品では、全体が白色のおむつらしい外観とは対照的に、下着のような外観が大人に著しい心理的影響を与える可能性があり、したがって、吸収性物品の使用を大人に受け入れてもらうことにおいて重要である。
【0006】
現在入手可能な着用可能物品では、グラフィックは、典型的に物品の本体上にのみ印刷される。不浸透性フィルム層である本体の外側層は、典型的にはグラフィックを提供するために利用される。ベルト上に印刷を有する吸収性物品がいくつかある。ベルトからなる不織布材料にグラフィックを印刷すると、ユーザの装着状態で発生するインクの擦れ落ちを回避するために特別なインクを必要とする分、製造コストが大幅に増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2006/17718(A)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述に基づいて、下着のような外観及び感触を提供する使い捨て吸収性物品に対する必要性が存在する。また、フィット性、耐久性、着用中の快適性、たるみの防止、及び漏れの防止など吸収性物品としての性能を損なうことなく、かかる吸収性物品を提供することに対する必要性が存在する。更に、かかる吸収性物品を経済的な方法で提供することに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、長手方向及び横方向に連続する着用可能物品に関し、本着用可能物品は、最も衣類に面する側の外側カバー層及び外側カバー層の肌対向面に付着しているバックシートを含む本体であって、本体は、前側腰部パネル、後側腰部パネル、及び前側腰部パネルと後側腰部パネルとの間の股部パネルを有し、外側カバー層の長手方向長さは、股部パネルの長手方向長さより長く、バックシートの長手方向長さより短い、本体と、前側ベルト及び後側ベルトを含む環状ベルトであって、前側ベルト及び後側ベルトのそれぞれは、内側シート、外側シート及び内側シートと外側シートとの間に挟まれた複数の弾性ストランドを含む、環状ベルトと、外側カバー層が存在しない前側腰部パネルに配置された前側腰部グラフィック領域、及び外側カバー層が存在しない後側腰部パネルに配置された後側腰部グラフィック領域であって、前側腰部グラフィック領域及び後側腰部グラフィック領域のうちの少なくとも一方は、本体に印刷された腰部グラフィックを含む、前側腰部グラフィック領域及び後側腰部グラフィック領域と、外側カバー層が存在する前側腰部パネル及び後側腰部パネルに配置された移行領域と、前側及び後側ベルトのうちの一方又は両方に配置された第1のベルトグラフィックであって、第1のベルトグラフィックは、本体によって提供されていない、第1のベルトグラフィックと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書の末尾には、本発明を構成するものと見なされる主題を具体的に特定しかつ個別に特許請求する特許請求の範囲が添付されているが、本発明は、実質的に同一の要素が同様の符号を用いて指定されている添付の図面と以下の説明文を併せ読むことで、より良く理解されるものと考えられる。
図1】本発明の着用可能物品の一実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明の着用可能物品の一実施形態の、シームの接合が解除されて取り外されて、衣類対向面を見せるように、平たく伸ばした状態の概略平面図である。
図3図2の線4−4に沿ってとられた例示的な着用可能物品の第1の実施形態の概略断面図である。
図4】従来技術の着用可能物品の概略断面図である。
図5】本発明の着用可能物品の一実施形態の衣類対向面を示す部分的概略平面図である。
図6】本発明の着用可能物品の別の実施形態の衣類対向面を示す部分的概略平面図である。
図7】本発明のパネル接着剤領域を特徴とする着用可能物品の別の実施形態の概略平面図である。
図8】本発明のパネル接着剤領域を特徴とする着用可能物品の別の実施形態の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用するとき、以下の用語は後に指定される意味を有するものとする。
「着用可能物品」は、パンツ、テープ式おむつ、失禁者用ブリーフ、女性の生理用衣類などの形態であり得る着用物品を指す。「着用可能物品」は、尿、大便、経血など、身体から排出される様々な排出物を吸収し収容するように構成されてもよい。「着用可能物品」は、国際特許公開第2011/087503(A)号に開示されているものなど、吸収及び収容機能を提供するための分離可能な使い捨ての吸収性インサートと接合されるように適合可能である、外側カバーとしての役割を果たし得る。
【0012】
「パンツ」とは、予め形成された腰部及び脚部開口部を有する使い捨て吸収性物品を指す。パンツは、着用者の両脚を脚部開口部に挿入し、着用者の下部胴体の周囲の位置までパンツを滑らせることによって着用され得る。パンツは、通常、「閉鎖型おむつ」、「予締結式おむつ」、「プルオン式おむつ」、「トレーニングパンツ」、及び「おむつパンツ」とも呼ばれる。
【0013】
「長手方向」とは、物品の腰部縁部から、反対側の腰部縁部まで実質的に垂直に、及び物品の最大直線寸法にほぼ平行に延びる方向を指す。
【0014】
「横方向」とは、長手方向と垂直な方向を指す。
【0015】
「身体に対向する(及び身体に面する)」及び「衣類に対向する(及び衣類に面する)」とは、それぞれ、要素、又は要素の表面、又は要素の群の相対位置を指す。「身体に対向する(及び身体に面する)」とは、要素又は表面が、何らかの他の要素又は表面よりも、着用時に着用者により近いことを意味する。「衣類に対向する(及び衣類に面する)」とは、要素又は表面が、何らかの他の要素又は表面よりも、着用時に着用者からより遠く離れている(即ち、要素又は表面が、使い捨て吸収性物品の上に着用され得る着用者の衣類に対して近位にある)ことを意味する。
【0016】
「グラフィック」という用語は、色のついた視覚的提示を示す。本明細書において、「色」又は「着色」という用語は、白色以外のいずれかの原色、即ち、黒色、赤色、青色、紫色、オレンジ色、黄色、緑色及び藍色、並びにそれらの淡色又は混合色のいずれかを含み得る。「ノンカラー」又は「非着色」という用語は、白色を指し、少なくとも94のL*値、0±2に等しいa値、及び0±2に等しいb値を有する色として更に定義される。
【0017】
「配置される」(disposed)とは、要素が、ある特定の場所又は位置に置かれていることを指す。
【0018】
「接合された」とは、要素を他の要素に直接付着させることによって、その要素が別の要素に直接固定されている形態、及び要素を1つ以上の中間部材に付着させ、その中間部材が更に他の要素に付着されることによって、その要素が他の要素に間接的に固定されている形態を指す。
【0019】
「ウェブ」とは、織布、不織布、フィルム、又は、上述のいずれかの材料の組み合わせ又は積層体のような繊維状要素の集合体である材料を指す。
【0020】
着用可能物品
図1は、本発明の着用可能物品20の一実施形態の斜視図である。図2は、シーム接合されておらず、平たく伸ばした状態で衣類対向面を見せている、図1の着用可能物品を示す概略平面図である。図1及び図2を参照すると、着用可能物品20は、長手方向軸線としての役割も果たす長手方向中心線L1と、横方向軸線としての役割も果たす横方向中心線T1と、を有する。本発明の着用可能物品20は、肌対向面、衣類対向面と、前側領域26と、後側領域28と、前側領域26と後側領域28との間の股部領域30と、シーム32とを有し、シーム32は、前側領域26及び後側領域28を、それらの横方向縁部において接合して、2つの脚部開口部及び1つの腰部開口部を形成する。着用可能物品20は、股部領域30に配置される本体38及び前側、股部及び後側領域が連続するように、少なくとも長手方向の一部に前側領域26及び後側領域28を含む。図1に示す実施形態では、前側ベルト84及び後側ベルト86は、それぞれ前側領域26及び後側領域28を画定する。前側及び後側ベルト84、86は、腰部開口部を横方向に画定する環状の弾性ベルト40(以下、「腰部ベルト」と称する)を連帯的に形成してもよい。前側ベルト84及び後側ベルト86の横方向縁部は、シーム32によって接合されて、本体38と連帯的に腰部開口部及び2つの脚部開口部を形成する。
【0021】
図2を参照すると、本体38は、本体38に配置される身体排出物を吸収し収容するための吸収性コア62を含んでもよい。着用可能物品20はまた、本体38を覆う外側カバー層42を含んでもよい。前側及び後側ベルト84、86は、本体38の少なくとも一部と重なり合ってもよく、ベルト部分の一方又は両方は、本体38の衣類対向面あるいは本体の身体対向面に配置されてもよい。本体38は、概ね長方形であり、長手方向に左右に延在する側縁部48(以下、「側縁部」と称する場合がある)、及び横方向に前後に延在する端縁部50(以下、「端縁部」と称する場合がある)を有する。また、本体38は、着用可能物品20の前側領域26に位置決めされた前側腰部パネル52と、後側領域28に位置決めされた後側腰部パネル54と、股部領域30で前側腰部パネル52と後側腰部パネル54との間にある股部パネル56と、を有する。前側ベルト84の中心部は本体38の前側腰部パネル52に接合され、後側ベルト86の中心部は本体38の後側腰部パネル54に接合され、前側及び後側ベルト84、86はそれぞれ、本体38が重ならない左側パネル及び右側パネル82を有してもよい。左側パネル及び右側パネル82、86は、前側ベルト84の中心及び後側ベルト86の中心を挟む。
【0022】
図1及び図2を参照すると、前側ベルト84及び後側ベルト86によって少なくとも部分的に形成されたベルト40は、フィット力を動的に生成し、着用中に動的に生成された力を分散させるように作用する。本明細書において、用語「近位」は、「近位」部分の位置が、物品の横方向中心線T1に対してより近いこと示すために使用される。このため、ベルト40の近位縁部90は、横方向中心線T1に対してベルトの遠位縁部88よりも近くに位置している。前側及び後側ベルト84、86は、側縁部89のみにおいてシーム32で互いに接合されて、腰部開口部及び2つの脚部開口部を有する着用可能物品を形成することができる。各脚部開口部は、前側ベルト84、後側ベルト86、及び本体38による弾性の組み合わせによって、脚部開口部の周囲に弾性を持たせてもよい。例えば、前側脚部開口部領域120は、前側ベルト84の左右側部パネル82の近位縁部90に沿って、脚部開口部に隣接して配置される。
【0023】
前側及び後側ベルト84、86は、股部領域30で互いに連続していてもよいし、又は連続していなくてもよい。前側及び後側ベルト84、86が連続しない場合、物品の着用者対向面又は衣類対向面のどちらか全体を覆う材料はない。前側中央パネル80は、本体38の前側腰部パネル52と部分的に重なり合ってもよい。後側中央パネル80は、本体38の後側腰部パネル54と部分的に重なり合ってもよい。しかしながら、中央パネル80は、本体38の股部パネル56内までは延在しなくてもよく、股部パネル56には配置されなくてもよい。図2に示される実施形態では、中央パネル80はそれぞれ、前側腰部パネル52及び後側腰部パネル54と部分的に重なり合い、それらに接合される。
【0024】
前側ベルト84及び後側ベルト86はそれぞれ、内側シート94、外側シート92(以下、まとめて「ベルトシート」と呼ぶ)を含み、ベルト40に弾力性を付与するよう構成されている。前側及び後側ベルト84、86はそれぞれ、前側及び後側領域26、28に弾性を付与するために、単一の弾性パネル、複数の弾性パネルによって、又は内側シート94と外側シート92との間に挟まれる複数の弾性ストランド96を有する積層体として形成されていてよい。一実施形態では、弾性ストランド96は横方向に延在しており、前側ベルト84及び後側ベルト86が接合されると、環状弾性ベルト40を提供する。少なくともいくつかの弾性ストランド96が、横方向に、互いに実質的に平行に延在している。全ての弾性ストランド96が、横方向に、互いに実質的に平行に延在してもよい。かかる物品は経済的に作製することができる。
【0025】
図示されないが、前側及び後側ベルト84、86は、弾性基材から構成されてもよく、又は2層未満又は3層以上によって構成されてもよい。更に、前側ベルト84及び後側ベルト86は、異なる材質及び/又は層から構成されてもよい。前側ベルト84及び後側ベルト86がそれぞれ、同一の内側シート94、同一の外側シート92、及び複数の弾性ストランド96で構成されている場合、弾性ストランド96は、同一又は異なるデニール、間隔及び前後の間の力で、及びベルトの異なる長手方向位置に配置されてもよい。前側及び/又は後側ベルト84、86は、本体38の前側及び/又は後側腰部パネルと重なり合う領域の特定部分の弾性が取り除かれるように処理されてもよい。アートワークが表示されている領域からの弾性の除去は、アートワークの視認性を補助することができる。
【0026】
伸ばした状態での後側ベルト86の有効横方向幅LWは、同じ条件の前側ベルト84の横方向幅と等しくなっていてもよい。用語「有効横方向幅」は、物品の、衣類対向面を形成するために利用できる幅を意味する。図2に示されるように、前側ベルト84及び後側ベルト86の近位縁部90及び遠位縁部88のそれぞれは、実質的に平行であってもよい。
【0027】
後側ベルト86の全幅LWに沿った、後側ベルト86の後側遠位縁部88と後側近位縁部90との間の長手方向長さLBは、前側ベルト84の前側遠位縁部88と前側近位縁部90との間の長手方向長さLFとほぼ同じであってもよい。かかる実施形態では、シーム32が前側ベルト84及び後側ベルト86の同じ長さの側縁部89を閉じて、物品を形成している。かかる物品は経済的に作製することができる。
【0028】
後側ベルト86の横方向における全幅LWに沿った、後側ベルト86の後側遠位縁部88と後側近位縁部90との間の長手方向の長さLBは、前側ベルト84の前側遠位縁部88と前側近位縁部90との間の長手方向長さLFより長くてもよい。かかる実施形態では、着用可能物品が組み立てられて、腰部開口部及び脚部開口部が形成されるとき、着用可能物品20は、前側遠位縁部88が後側遠位縁部88と位置合わせされるように、横方向中心線T1に沿って折り畳まれる。前側側縁部89も後側側縁部89の一部分と位置合わせされる。次に、前側ベルト84及び後側ベルト86が、前側及び後側側縁部89においてシーム32で接合される。しかしながら、前側及び後側近位縁部90は互いに位置合わせされなくてもよい。後側近位縁部90は、後側側部パネル82の近位部分が前側近位縁部90を超えて本体38の股部パネル56に向かって延在するように、横方向中心線T1に対して長手方向に前側近位縁部90よりも近くに配置されてもよい。後側側部パネル82の近位部分の側縁部は、どこにも接合されず、付着されていなくてもよい。このようにして、後側側部パネル82の近位部分は、図1に示すような臀部カバー95を提供する。
【0029】
後側ベルト86の長手方向長さLB及び前側ベルト84の長手方向長さLFが同じであるか否かに関わらず、前側ベルト84のベルト側縁部89の長手方向長さLFの全体が、後側ベルト86のベルト側縁部89と継ぎ合わされて、シーム長LSを画定する。前側ベルト84が、互いに実質的に平行である直線の遠位縁部88及び近位縁部90を有する場合、前側ベルト84の長手方向長さLFはシーム長さLSに等しい。
【0030】
図3及び図4を参照すると、遠位縁部88に向かう前側又は後側ベルト84、86の外側シート92は、内側シート94の長手方向のサイズよりも長くなっていてもよい。また、外側シート92の端部フラップは、腰部開口部において内側シート94の遠位端の上に折り畳まれて、外側シート折り畳み部93を形成してもよい。前側及び後側ベルト84、86は、ベルト40の通気性及び柔軟性のために低厚不織布材料で提供されてよい。
【0031】
図2及び図3を参照すると、本体38は、外側カバー層42及び外側カバー層42の肌対向面に付着しているバックシート60を含む。外側カバー層42は、少なくとも本体38の股部パネル56を長手方向に覆うように、着用可能物品20の衣類対向面22に配置されてもよい。外側カバー層42は、本体38の前側腰部パネル52及び後側腰部パネル54の一方又は両方の内部に延在して一部を覆う。外側カバー層42は、バックシート及び/又は本体の一部分を形成してもよい。外側カバー層42は、本体38の液体不透過性バックシート60の一部に直接接合されて覆ってもよい。前側及び後側ベルト84、86の中央パネル80は、外側カバー層42が、前側及び後側ベルト84、86と本体38の液体不透過性バックシート60との間に配置されるように、外側カバー層42を通して本体38の前側及び後側腰部パネル52、54と接合されてもよい。外側カバー層42は、前側腰部パネル52及び/又は後側腰部パネル54の長手方向に部分的にのみに延在し、前側腰部パネル52及び/又は後側腰部パネル54の遠位部が外側カバー層42を含まないままにする。即ち、外側カバー層42の長手方向長さは、股部パネル56の長手方向長さよりも長く、かつ、バックシート60の長手方向長さよりも短い。このような構成によれば、前側腰部パネル52及び/又は後側腰部パネル54の遠位部には、外側カバー層42が存在せず、全体的な物品としてより良い通気性が提供される。更に、このような構成は、図4の構成と比べてコストの軽減を提供し得る。したがって、衣類対向面と本体38のバックシート60との間の要素の層を見ると、前方遠位側から後方遠位側に向かって下記5つの領域が存在してもよい。1)外側カバー層42のない前側腰部パネル52の上に配置される前側腰部グラフィック領域40F、2)外側カバー層42が存在する前側腰部パネル52の上に配置される前側移行領域34F、3)股部パネル56の上に配置される股部グラフィック領域、4)外側カバー層42が存在する後側腰部パネル54の上に配置される後側移行領域34B、及び5)外側カバー層42のない後側腰部パネル54の上に配置される後側腰部グラフィック領域40B。衣類対向面と本体38のバックシート60との間の要素の層を見ると、股部グラフィック領域は、外側カバー層42のみから構成され、腰部グラフィック領域40F、40Bは、弾性ベルト40を構成する層から構成され、移行領域34F、34Bは、外側カバー層42及び弾性ベルト40を構成する層の両方で構成される。
【0032】
着用可能物品に魅力的な印刷を経済的に提供するために、バックシート60の衣類対向面に印刷を施すことが一般的に実施されている。前側腰部グラフィック領域40F又は後側腰部グラフィック領域40Bの長手方向長さは、可能な限り長く構成されてもよい。前側腰部グラフィック領域40Fの長手方向長さは、前側腰部パネル52の長手方向長さの約50%より大きい、又は60%より大きい、又は70%より大きい、又は80%より大きくてもよい。後側腰部グラフィック領域40Bの長手方向長さは、後側腰部パネル54の長手方向長さの約50%より大きい、又は60%より大きい、又は70%より大きい、又は80%より大きくてもよい。移行領域34F、34Bの長手方向長さは、可能な限り短く構成されてもよい。
【0033】
移行領域34F、34Bの長手方向長さは、20mm未満、又は15mm未満、又は10mm未満であってもよい。移行領域34F、34Bを可能な限り小さく提供することにより、より魅力的な印刷を経済的に提供することができる。移行領域34F、34B、特に前側移行領域34Fにおけるグラフィックの表示を回避することで、腰部グラフィック領域におけるグラフィックと移行領域におけるグラフィックとの間の損なわれた外見を回避することができる。
【0034】
本体38は、更に液体透過性トップシート58及びトップシート58とバックシート60との間に配置される身体排出物を吸収し収容するための吸収性コア62を含んでもよい。トップシート58は、吸収性コア62の身体対向面に隣接して位置付けられていてもよく、当該技術分野において既知の任意の取り付け手段によって、吸収性コア62の身体対向面及び/又はバックシート60に接合されてもよい。トップシート58は、吸収性コア62の身体対向面に隣接して位置付けられていてもよく、当該技術分野において既知の任意の取り付け手段によって、吸収性コア62の身体対向面及び/又はバックシート60に接合されてもよい。液体不透過性バックシート60は概して、吸収性コア62の衣類対向面に隣接して位置付けられる着用可能物品20の部分であり、吸収性コア62内に吸収され収容された排出物が、着用可能物品20に接触し得る物品を汚すのを防止する。
【0035】
本発明に係る着用可能物品のために好適なトップシート58、バックシート60、及び吸収性コア62は、多くの既知の材料から製造され得る。好適なトップシート材料は、多孔質発泡体、網状発泡体、有孔プラスチックフィルム、又は天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維若しくはポリプロピレン繊維)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせによる織布ウェブ又は不織布ウェブなどを含み得る。好適なバックシート材料は、排出物がバックシートを通過するのを防ぎながらも蒸気がおむつから逃げるのを可能にする通気可能な材料を含んでもよく、フィルム、微小多孔性及び/又は単一体のフィルム、織布ウェブ及び不織布ウェブなど、並びにこれらの材料の組み合わせから形成されてもよい。バックシートの織布ウェブ又は不織布ウェブは、天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維若しくはポリプロピレン繊維)、又は天然繊維及び合成繊維の組み合わせから形成されてもよい。
【0036】
着用可能物品20に使用するのに適した吸収性コアは、一般に圧縮可能で、形状適合可能で、着用者の肌を刺激せず、尿及び他の特定の身体排出物などの液体を吸収し保持することができる、任意の吸収材料を含んでもよい。加えて、吸収性コアの構成及び構造はまた、多様であってもよい(例えば、吸収性コア(単数又は複数)又はその他の吸収性構造(単数又は複数)は、様々なキャリパーゾーン、親水性勾配(単数又は複数)、超吸収性勾配(単数又は複数)、若しくはより低い平均密度及びより低い平均坪量獲得ゾーンを有してもよく、又は1つ以上の層若しくは構造を含んでもよい)。いくつかの実施形態では、吸収性コアは、流体獲得構成要素、流体分配構成要素、及び流体貯蔵構成要素を含む1つ以上の要素を含んでもよい。流体獲得構成要素、流体分配構成要素、及び流体貯蔵構成要素を有する好適な吸収性コアの例は、米国特許第6,590,136号、同第6,664,439号、及び同第6,989,006号に説明される。
【0037】
第1及び第2のベルト84、86は、任意の既知の材料を含んでいてもよい。第1及び第2のベルト84、86のための好適な材料は、プラスチックフィルム、有孔プラスチックフィルム、天然材料(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、若しくはポリプロピレン繊維)、又は天然繊維及び/若しくは合成繊維の組み合わせによる織布ウェブ又は不織布ウェブ、あるいは、コーティングされた織布又は不織布ウェブなどの広範な材料から製造され得る。ベルトは、合成繊維の不織布ウェブを含んでいてもよい。ベルトは、伸縮性不織布、又はエラストマー不織布、エラストマーフィルム、ストランド、リボン又は類似のもの、及びそれらの組み合わせを含んでいてもよい。ベルトは、内側の疎水性非伸縮性の不織布材料、及び外側の疎水性非伸縮性の不織布材料を含んでいてもよい。
【0038】
外側及び内側シート92、94は、実質的に同じ材料で形成されてもよく、又は異なる材料を含んでもよい。外側及び内側シート92、94は、不織布、フィルム、発泡体、弾性の不織布、又はそれらの組み合わせから形成されてもよい。
【0039】
弾性ストランド96は、1つ以上の弾性ストランド、エラストマーフィルム、エラストマーリボン、エラストマー不織布、エラストマーフィラメント、エラストマー接着剤、エラストマー発泡体、スクリム、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。特定の実施形態では、外側及び内側シート92、94のうちの1つ又は両方は、上述したように、エラストマー材料から形成されてもよい。
【0040】
本発明に係る着用可能物品のために好適なトップシート58、バックシート60、及び吸収性コア62は、多くの既知の材料から製造され得る。好適なトップシート材料は、多孔質発泡体、網状発泡体、有孔プラスチックフィルム、又は天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維若しくはポリプロピレン繊維)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせによる織布ウェブ又は不織布ウェブなどを含み得る。好適なバックシート材料は、排出物がバックシートを通過するのを防ぎながらも蒸気がおむつから逃げるのを可能にする通気可能な材料を含んでもよく、フィルム、微小多孔性及び/又は単一体のフィルム、織布ウェブ及び不織布ウェブなど、並びにこれらの材料の組み合わせから形成されてもよい。バックシートの織布ウェブ又は不織布ウェブは、天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維若しくはポリプロピレン繊維)、又は天然繊維及び合成繊維の組み合わせから形成されてもよい。
【0041】
着用可能物品20に使用するのに適した吸収性コアは、一般に圧縮可能で、形状適合可能で、着用者の肌を刺激せず、尿及び他の特定の身体排出物などの液体を吸収し保持することができる、任意の吸収材料を含んでもよい。加えて、吸収性コアの構成及び構造はまた、多様であってもよい(例えば、吸収性コア(単数又は複数)又はその他の吸収性構造(単数又は複数)は、様々なキャリパーゾーン、親水性勾配(単数又は複数)、超吸収性勾配(単数又は複数)、若しくはより低い平均密度及びより低い平均坪量獲得ゾーンを有してもよく、又は1つ以上の層若しくは構造を含んでもよい)。いくつかの実施形態では、吸収性コアは、流体獲得構成要素、流体分配構成要素、及び流体貯蔵構成要素を含む1つ以上の要素を含んでもよい。流体獲得構成要素、流体分配構成要素、及び流体貯蔵構成要素を有する好適な吸収性コアの例は、米国特許第6,590,136号、同第6,664,439号、及び同第6,989,006号に説明される。
【0042】
脚部弾性材料140は、本体38の長手方向側縁部48に沿って、概ね長手方向に延在するように配置されてもよい。脚部弾性材料140は、少なくとも着用可能物品20の股部領域30内に配置されてもよく、又は長手方向側縁部48の全体に沿って配置されてもよい。
【0043】
外側カバー層42は、ベルト40を構成する内側シート94及び/又は外側シート92の材料とは別の材料を含んでもよい。外側カバー層42は、材料の2つ以上の層を含んでもよい。外側カバー層42は、任意の既知の材料を含んでもよく、上述したように、第1及び第2のベルト84、86に用いた材料を含んでもよい。外側カバー層42は、合成繊維、天然繊維、又は、天然繊維と合成繊維との組み合わせの不織布のウェブの単層を含んでもよい。外側カバー層42は、フィルム、発泡体、不織布、織布材料若しくは類似のもの、並びに/又はフィルム及び不織布の積層体などのそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0044】
第1及び第2のベルト84、86は、任意の既知の材料を含んでいてもよい。第1及び第2のベルト84、86のための好適な材料は、プラスチックフィルム、有孔プラスチックフィルム、天然材料(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、若しくはポリプロピレン繊維)、又は天然繊維及び/若しくは合成繊維の組み合わせによる織布ウェブ又は不織布ウェブ、あるいは、コーティングされた織布又は不織布ウェブなどの広範な材料から製造され得る。ベルトは、合成繊維の不織布ウェブを含んでいてもよい。ベルトは、伸縮性不織布、又はエラストマー不織布、エラストマーフィルム、ストランド、リボン又は類似のもの、及びそれらの組み合わせを含んでいてもよい。ベルトは、内側の疎水性非伸縮性の不織布材料、及び外側の疎水性非伸縮性の不織布材料を含んでいてもよい。
【0045】
外側及び内側シート92、94は、実質的に同じ材料で形成されてもよく、又は異なる材料を含んでもよい。外側及び内側シート92、94は、不織布、フィルム、発泡体、弾性の不織布、又はそれらの組み合わせから形成されてもよい。
【0046】
弾性ストランド96は、1つ以上の弾性ストランド、エラストマーフィルム、エラストマーリボン、エラストマー不織布、エラストマーフィラメント、エラストマー接着剤、エラストマー発泡体、スクリム、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。特定の実施形態では、外側及び内側シート92、94のうちの1つ又は両方は、上述したように、エラストマー材料から形成されてもよい。
【0047】
グラフィック領域
図2及び図3を参照すると、本発明の着用可能物品は、前側腰部グラフィック領域40F及び後側腰部グラフィック領域40Bを含む。前側腰部グラフィック領域40Fは、外側カバー層42がない前側腰部パネル52に配置され、後側腰部グラフィック領域40Bは、外側カバー層42がない後側腰部パネル54に配置される。前側腰部グラフィック領域40F及び後側腰部グラフィック領域40Bのうち少なくとも1つは、本体38に印刷された腰部グラフィックを含む。
【0048】
本発明の着用可能物品は、更に、前側及び後側ベルトの一方又は両方に配置された第1のベルトグラフィックを含む。第1のベルトグラフィックは、本体によって提供されるものではない。
【0049】
第1のベルトグラフィックは、単一のグラフィック又は複数のグラフィックユニットの集合体であってもよい。第1のベルトグラフィックが複数の第1のグラフィックユニットの集合体である場合、第1のグラフィックユニットは、着用可能物品において規則的又はランダム配置で提供されてもよい。第1のグラフィックユニットのいくつかは、他のグラフィックユニットとは異なる色を有することができる。
【0050】
第1のベルトグラフィックは、着用可能物品の腰部周囲の少なくとも一部に沿って配置されてもよい。例えば、第1のベルトグラフィックは、腰部開口部に又は腰部開口部に隣接して配置され、腰部開口部の周りに延びてもよい。あるいは、又は加えて、第1のベルトグラフィックは、着用可能物品の脚部開口部のそれぞれの少なくとも一部に又は隣接した領域に配置されてもよい。腰部開口部又は脚部開口部に「隣接する」とは、腰部開口部又は脚部開口部との間の距離は、約15mm又は約10mm未満であるが、腰部開口部又は脚部開口部から少なくとも約5mm離れるということを指す。第1のベルトグラフィックは、外側シート折り畳み部93に配置することを回避し得る。第1のベルトグラフィックは、サイドシーム32に隣接した領域に配置され得る。第1のベルトグラフィックは、前側腰部パネル52及び後側腰部パネル54の少なくとも1つと重なり合う領域に配置され得る。
【0051】
第1のベルトグラフィックは、連続的又は非連続的であってもよい。第1のベルトグラフィックは、少なくとも部分的に周囲的に延在し、長手方向に繰り返される線状又は波状パターンであってもよい。「線状パターン」という用語は、全体的に腰部縁部(腰周り)と平行なパターンという意味を意図し、線状パターンは、必ずしも直線状でなくてもよい。例えば、線状パターンは、全体として腰部縁部と実質的に平行に配置された曲線セグメントのような2つ以上の非直線状セグメントの複合体であってもよい。線状パターンは、平面図における微視的詳細毎に腰部縁部と必ずしも平行にする必要がなく、マクロ的に見た場合に腰部縁部に沿って延在するパターンとすることができる。より下着のような外見を物品に提供するには、第1のベルトグラフィックが直線状又は波状パターンである場合、横方向において少なくとも約10mm又は少なくとも約15mmの幅を有してもよい。第1のベルトグラフィックは、一方のサイドシームから反対側のサイドシームへ連続的であってもよい。第1のベルトグラフィックは、単一のグラフィック又は複数のグラフィックの集合体であってもよい。複数の着色グラフィックは、着用可能吸収体に規則的又はランダム配列で提供され得る。
【0052】
本発明の着用可能物品は、前側及び後側ベルトの一方又は両方に配置された第2のグラフィック領域を更に含むことができる。第2のグラフィック領域は、第2のベルトグラフィックを含む。第2のベルトグラフィックは、第1の着色材とは異なる第2の着色材によって形成されてもよい。色のみ異なる材料は、本発明のコンテキストでは異なる材料として考慮されない。上記の第1のベルトグラフィックに関して述べられる説明は、第2のベルトグラフィックにも適用可能である。
【0053】
第1のベルトグラフィック及び第2のベルトグラフィックは、同一パターンでもよく、又は異なるパターンであってもよい。第1のベルトグラフィック及び第2のベルトグラフィックは、互いに間隔をおいて配置されてもよく、又は少なくとも部分的に互いに重なり合ってもよい。
【0054】
本明細書で説明した様々なアートワークの組み合わせは、共通色、形状及び/又はパターン、及び/又は関連形状などの均一なグラフィック要素を形成するように調和的であってもよい。
【0055】
着用可能物品を含み、着色グラフィックを提供する部品に適用可能な任意の材料が、第1のベルトグラフィックを形成するために使用され得る。第1のベルトグラフィックの材料は、接着剤及び印刷インクなど、着用可能物品からなる部品に適用されるときには液体状であってよく、適用後は、固体となってもよい。第1のベルトグラフィックの材料は、弾性ストランド、ファイバ、及びウェブなど、着用可能物品からなる部品に適用されるときに固体状であってよく、適用後も、固体のままであってもよい。
【0056】
第1のベルトグラフィックの材料は、弾性ストランド、接着剤、印刷インク、ウェブ及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。前側及び後側領域26、28からなる構成部品のうちの1つをベルトグラフィックを形成するための材料として使用することは、コスト効率の観点から好ましい場合がある。
【0057】
第1のベルトグラフィックの材料は、着色弾性ストランドであってもよい。前側及び後側領域26、28のそれぞれは、外側シート92、内側シート94、及び外側と内側シート92、94との間に挟まれる複数の弾性ストランド96を含む。第1のベルトグラフィックのための材料が着色弾性ストランドである場合、複数の弾性ストランド96のうちの1つ以上の弾性ストランドは、着色弾性ストランドである。弾性ストランド96は、当業者によく知られている様々な方法及び器具によって前側及び後側領域26、28に設けられる。例えば、外側及び内側シート92、94及び複数の弾性ストランド96を機械方向に前進させて弾性ストランド96を機械方向に伸ばし、3つの構成要素の特定の部分を互いに付着させることによって弾性ストランド96がベルト40に設けられる。接着は、ホットメルト接着法、熱ボンディング、超音波ボンディング、又は当該技術分野において既知である任意の他の方法によって提供されてもよい。弾性領域内の弾性ストランドは、切断されない。そのような工程によって、また弾性ストランドを伸張させる張力が最終的に除去された後で、弾性ストランドは、その弛緩状態に戻り、図1に示されるように外側及び内側シート92及び94でギャザーを形成する。着色弾性ストランドを含む弾性ストランド96は、必要に応じて互いに任意の間隔で、長手方向における任意の長さで位置付けられてもよい。
【0058】
第1のベルトグラフィックの材料は、接着剤であってもよい。前側及び後側領域26、28は、外側シート92、内側シート94、外側シート92と内側シート94との間に挟まれる複数の弾性ストランド96を含み、外側及び内側シート及び/又は弾性ストランドは、接着剤によって互いに付着できる。接着剤は、メルトブローン接着剤、スプレーコーティング樹脂、又はウェブ形成樹脂の形態であり、外側又は内側シートのいずれかの内側に配置されてもよい。例えば、広く従来技術で記載されているスロットダイ塗布、ダイレクトグラビア、オフセットグラビア、及びリバースグラビアロール塗布プロセスによる予め決められたパターンで、前進するウェブにホットメルト接着剤が塗布される。接着剤は、外側及び/又は内側シートの内側に様々なパターンで塗布され、シートを結合させてもよい。パターンの形状、それぞれのパターンの幅及び長さ、又は隣接する2つのパターンの間の間隔は、必要に応じて決定することができる。第1のベルトグラフィックの材料が接着剤である場合、1つ以上のパターンの接着剤を塗布してベルトグラフィックを提供することができる。例えば、パターンにおける接着剤は、米国特許出願公開第2011/0274834(A)号及び米国特許出願公開第2014/0148773(A)号などの参照元に開示されているパターン要素を含むスロットダイアプリケータ及び基材キャリアを採用するスロットダイ塗布を使用して塗布されてもよい。パターン要素は、様々な異なる形状及びサイズで構成されてもよく、様々な異なるパターンを画定するように構成されてもよいことを理解されたい。このように、スロットダイ塗布装置から接着剤を転写して、基材上の様々なパターン、この場合、外側及び/又は内側シート92、94を画定してもよい。
【0059】
第1のベルトグラフィックのための材料は、印刷インクであってもよい。第1のベルトグラフィックは、1つの側、好ましくは外側シートの身体対向面又は内側シートの衣類対向面にグラフィックを印刷することにより形成できる。外側又は内側シート92、94のグラフィックは、リトグラフ法、スクリーンプリント、フレキソ法、グラビアインクジェット印刷技術又は方法など当業者によく知られている様々な方法及び器具で印刷でき、実質的に、任意の色又は色の組み合わせの任意のグラフィックをシート上に描写できる。
【0060】
図2及び図3を参照すると、第3の本発明では、前側ベルト84及び後側ベルト86は、それぞれ内側シート94及び外側シート92を含み、第1のベルトグラフィックは、内側シート94の衣類対向面又は外側シート92の身体対向面に印刷され、腰部グラフィックはバックシート60に印刷されている。これらの特定の層にグラフィックを印刷することで、衣類対向面と印刷との層間の層数差、層の不透明度の差を最小限に抑え、外観の相違を緩和し、異なる領域のグラフィックは、視覚的な一体感を提供することができる。
【0061】
第1のベルトグラフィックのための材料は、着色ウェブであってもよい。着色ウェブは、外側シート92と内側シート94との間に配置されてもよい。
【0062】
着用可能物品は、前側及び後側ベルトの一方又は両方に配置された第2のベルトグラフィックを更に含むことができる。第2のベルトグラフィックは、本体によって提供されるものではない。第2のベルトグラフィックは、シームに又はシームに隣接して配置できるか、又は少なくとも脚部開口部のそれぞれの周縁の一部に又は周縁の一部に隣接して配置できる。第1のベルトグラフィックの材料に関して記載された記述は、第2のベルトグラフィックのための材料に適用することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、第1又は第2のベルトグラフィックは、内側シート94の衣類対向面又は外側シート92の身体対向面に提供され、腰部グラフィックは、衣類に面する側から物品として見たときにベルトグラフィック及び腰部グラフィックの明度が実質的に同様であるように見えるように、バックシート60に印刷されている。
【0064】
着用可能物品は、股部グラフィックを含む股部パネル56に配置された股部グラフィック領域を更に含んでもよい。一実施形態では、着用可能物品が腰部パネル52、54の一方に腰部グラフィックを含み、股部グラフィック領域30に股部グラフィックを含む場合、腰部グラフィック及び股部グラフィックは、連続的なグラフィックを形成してもよい。
【0065】
図5を参照すると、着用可能物品は、外側シート92又は内側シート94の内側に配置されるプリントである第1のベルトグラフィック102及び腰部グラフィック40Aを含む前側及び/又は後側グラフィック領域34Fを含んでもよい。第1のベルトグラフィック102は、腰部縁部に隣接して配置され、前側ベルト84の腰部縁部の周りに延在する。腰部グラフィック40Aは、例えば、バックシートなどの本体に印刷されている。外側シート92の不透明度をOOとし、腰部グラフィックを含む前側ベルト及び後側ベルトの一方又は両方の不透明度をOBとした場合、OOとOBとの間の差は、20%未満、又は約15%未満、又は約10%未満である。下記の「不透明度の測定」に応じてシート材の不透明度を測定する。OOとOBとが20%未満の差を有するように提供することにより、第1のベルトグラフィック及び腰部グラフィックの外見は、例えば、観察者に対する明度の観点において、差異がより小さくなり得ることから、より良い視覚的な一体感を与える。OOの値は、約15%〜約70%又は約20%〜約50%であってよい。OBの値は、約15%〜約85%又は約20%〜約70%であってよい。OO及びOBの値は、下記に詳細に説明され、また、当該技術分野で既知の任意の手法に従って、外側及び内側シート92、94を作るための材料を選択することによって調整されてもよい。
【0066】
着用可能物品は更に、股部グラフィック30Aを含む股部グラフィック領域30を含むことができる。腰部グラフィック40A及び股部グラフィック30Aはバックシートに印刷され、外側カバー層の不透明度をOCとし、腰部グラフィックを含む前側ベルト及び後側ベルトの一方又は両方の不透明度をOBとした場合、OCとOBとの間の差は20%未満である。OBとOCとに対して20%未満の差を与えることにより、腰部グラフィック及び股部グラフィックの外見は、観察者に対してより差異が少なくなり、これにより良い視覚的一体感を与えることができる。OCとOBとの間の差は、約20%未満又は約15%未満、又は約10%未満であってもよい。OCの値は、約15%〜約70%又は約20%〜約50%であってもよい。OBの値は、約15%〜約85%又は約20%〜約70%であってよい。OC及びOBの値は、下記に詳細に説明するように、ベルトシート92、94及び外側カバー層42を作るための材料を選択することによって調整されてもよい。腰部グラフィックと股部グラフィックの全てをバックシートに印刷してもよい。
【0067】
外側シート92及び内側シート94に適した材料の例としては、5〜50g/mの不織布材料がある。ポリプロピレンなどの不織布ポリオレフィンは、使用に好適であってもよい。外側カバー層42に適した材料の例としては、5〜50g/mの不織布材料がある。パターン化された、キルティングされた、又はエンボス加工された材料は、物品の柔軟性又は高品質を暗示するために有用であってもよい。
【0068】
外側カバー層42は、不織布材料を作るために紡糸されるポリマー樹脂に白色着色剤/不透明化剤を加えることによって不透明性を付与されてもよい。様々な漂白/不透明化剤が十分ではあるが、二酸化チタン(TiO)が、その明るさ及び比較的高い屈折率のために、特に効果的であり得ると考えられる。繊維を形成するポリマー(単数又は複数)に、通常不織布の最大5.0重量%までの量でTiOを添加することは、所望の結果を達成するために効果的であり得ると考えられる。白色化剤/不透明化剤によってもたらされる不透明度の増加は、不織布の視覚的に特徴のある柔らかい外観をもたらすのに役立つと考えられる。一部の用途では、不織布繊維に紡糸される1つ以上のポリマー樹脂に着色剤又は色調剤を添加することが、望ましい場合もある。
【0069】
また、円形かつ内部が詰まった(中空ではない)形状以外、即ち、三葉状若しくは多葉状断面、又は中空形状、又はこれらの組み合わせの断面形状を有する繊維を用いて、不透明度も増強できる。これら非円形断面形状によって、厚み及び圧縮レジリエンスに関して利点をもたらすこともできる。
【0070】
図6を参照すると、他の実施形態では、着用可能物品は、接着剤によって提供される第1のベルトグラフィック102、着色弾性ストランドによって提供される第2のベルトグラフィック104、及びバックシート60に印刷された腰部グラフィック40Aを含む前側腰部領域40F及び/又は後側腰部グラフィック領域40Bを含む。第1のベルトグラフィック102は、腰部縁部に、又は腰部縁部に隣接して配置され、前側ベルト84の腰部縁部の周りに延在する。物品は、股部領域30に股部グラフィック30Aを更に含み、近位縁部90に若しくは近位縁部90に隣接して配置される第1のグラフィック102、又は第2のグラフィック104と、及び股部グラフィック30Aとが位置合わせされ、脚部開口部の周りで統一的(uniform)であってもよいし、又は統一的でなくてもよい、結合体グラフィック要素を生じるようになっていてもよい。腰部グラフィック領域におけるグラフィックと移行領域におけるグラフィックとの間の損なわれた外見が回避されるように、移行領域34Fにはグラフィックがない。
【0071】
上述したように、前側及び/又は後側ベルト84、86は、本体38の前側及び/又は後側腰部パネルと重なり合う領域の特定部分の弾性が取り除かれるように処理されてもよい。弾性のこのような除去は、弾性ベルト40の集合により吸収性コア62の材料が束ねられることをその除去が起こすため、本体38が吸収性コア62を含む場合に特に有益である。したがって、弾性ベルト40が吸収性コア62と厚み方向に重なり合う領域は、弾性ベルト40を製造するための弾性体96を基材に接合するための接着剤が存在しなくてもよい。
【0072】
材料を接合するために接着剤を塗布することは、材料の外観を変え得ることが知られている。即ち、接着剤は、塗布される基材をより透明にする傾向がある。図7及び図8を参照すると、色彩的に寄与しない接着剤であり、外側シート92及び内側シート94を接合するために使用されるパネル接着剤233は、第1のベルトグラフィック又は第2のベルトグラフィックに特有の影響を及ぼしてもよい。パネル接着剤233は、斜線のボックスによって示されるように、弾性体96が配置されない外側シート92及び内側シート94を直接的に付着させるために、塗布されてもよい。パネル接着剤領域233は、図7の長手方向に間隔をおいて配置されるか、又は図8のように連続した領域として設けられてもよい。吸収性コアと厚さ方向に重なり合う前側ベルト又は後側ベルトの全領域に対してパネル接着剤が塗布された領域は、少なくとも約20%又は少なくとも約30%であってもよい。図7のようにパネル接着剤領域233が長手方向に間隔をおいて配置される場合、かつ腰部グラフィックと重なり合う場合、パネル接着剤領域233の間の任意の間隔は、約12mm以下、又は約10mm以下、又は約8mm以下であってもよい。
【0073】
図5及び図6において、図示されない後側ベルトは、前側ベルト84に配置されるグラフィックと同一の第1のベルトグラフィック及び/又は腰部グラフィックを有してもよく、又は異なるグラフィックを有してもよい。
【0074】
後側ベルトには、着用可能物品の破棄を容易にするための使い捨てテープ33が衣類に面する側に、更に付着してあってもよい。使い捨てテープ33は、2層又は3層に折り畳んで、使い捨てテープの端縁部が後側ベルト86の遠位縁部88に向けられ、挟持部33Pとして形成されるように、接着剤を介して後側ベルト86の略中心に付着されてもよい。挟持部33Pは着色され、残りの使い捨てテープ33は透明又は半透明とされてもよく、これにより、使い捨てテープ33と重なり合う任意のアートワークが衣類に面する側から視認可能であり、しかも挟持部33Pが容易に見つけられる。使用後は、挟持部33を引っ張ることにより使い捨てテープ33を展開し、物品全体に巻き付ける。このような引っ張り及び巻き付けの際には、使い捨てテープ33が後側ベルト86に貼り付けられている領域に、相当の剥離力が付与され得る。潜在的な相当の剥離力に応じて使い捨てテープ33が後側ベルト86から早期にはぎ取られることを回避するために、使い捨てテープの根元縁部33Eを後側ベルト86にしっかりと貼り付けてもよい。このようなしっかりとした接着を増強するために、根元縁部33Eは、図8のようにパネル接着剤233を塗布した領域と重なり合うように位置付けられてもよい。図7のような別個の縦方向の領域にパネル接着剤233を設ける場合は、最も近いパネル接着剤間の距離33dが約5mm以内となるように、根元縁部33Eを位置付けてもよい。
【0075】
不透明度の測定
材料又は組み合わされた材料の不透明度とは、その材料によって遮断される光の度合いである。より高い不透明度の値は、その材料がより高度に光を遮断することを示す。不透明度は、0°照明/45°検出、周方向の(circumferential)光学的形状、Universal Software(Hunter Associates Laboratory Inc.,Reston,VA,USから入手可能)を実行する、HunterLab LabScan XEなどの、コンピュータインターフェースを備えた分光光度計を使用して測定してもよい。機器校正及び測定は、販売元によって提供されている標準白黒校正プレートを使用して行う。全ての試験は、約23±2℃及び相対湿度約50±5%で維持された室内で行う。
【0076】
基準に設定されたUVフィルタと共に、分光光度計は、XYZカラースケール、D65光源、10°標準観測者に対して構成される。計器は、製造元の手順に従って44.45mm(1.750インチ)の視野域を使用して標準化する。校正後、ソフトウェアはY不透明度手順に設定され、これは測定中に白又黒のいずれかの校正タイルで試料を覆うようにオペレータを促す。
【0077】
試験片を得るには、試料をベンチの上に平らに、身体対向面を下向きに置き、試料の101.6mm×101.6mm部分を解析用にハサミで切り取る。試料が複合材料である場合には、これらを重ね合わせて試験片を得る。試験前に、23℃±2℃、及び50%±5%の相対湿度で2時間、試料を予め調整する。
【0078】
試験片を測定ポート上に置く。試験片は、ポートに向けられた物品の衣類対向面に対応する表面で、ポートを完全に覆うべきである。試験片を、白色標準プレートで覆う。読み取りを行った後、試験片を動かすことなく、白色タイルを取り除き、黒色標準タイルに置き換える。2度目の読み取り値を取得し、不透明度を以下のように計算する。
不透明度=(Y値(黒色裏材)/Y値(白色裏材))×100
【0079】
合計3つの同一材料又は組み合わせた材料は、解析され、材料の不透明度結果が記録される。平均不透明度を0.1%単位で計算して、報告する。
【0080】
色の測定
グラフィックの色は、CIE Lカラーシステム(CIELAB)を用いて測定され得る。L、a及びb値は、着用可能物品20の衣類対向面22から測定される。例として、1200dpiで最低でも24ビットカラーを走査することが可能で、カラーマネジメントの手動制御機能を有する、Epson America Inc.(Long Beach CA、US)製のEpson Perfection V750 Pro又は等価機能を有する任意のスキャナなどのフラットベッドスキャナが、画像の取得に使用される。スキャナを、X−Rite(Grand Rapids,MI)から入手可能なMonacoEZColor又は同等の機能を有する任意のソフトウェアなどのカラーマネジメントソフトウェアを使用してANSI方式IT8.7/2−1993に準拠したカラー反射ターゲットに対して校正し、スキャナプロファイルを構築する。結果として得られる、校正したスキャナプロファイルを、Adobe Systems Inc.(San Jose,CA,US)から入手可能なPhotoshop S4又は着色グラフィックを測定する同等の機能を有する任意のイメージングプログラムなどのCIE Lにおけるサンプリングをサポートするイメージングプログラム内で開く。
【0081】
較正前の30分間、スキャナの電源をオンにする。スキャナガラス上に、IT8ターゲットを、表を下にして置き、スキャナの蓋を閉じる。MonacoEZColorソフトウェアを開き、スキャナに付属するTwainソフトウェアを使用して取得画像を選択する。Twainソフトウェア内で、アンシャープマスク設定及びそのソフトウェアに含まれ得る全ての自動色補正又はカラーマネジメントオプションの選択を解除する。自動カラーマネジメントを無効にすることができない場合、そのスキャナは、この用途には不適である。200dpi、24ビットカラーでプレビュースキャンを取得する。スキャンした画像が真っ直ぐであり、第1の衣類対向面が上向きであることを確認する。ターゲットの縁部に画像をトリミングし、ターゲットの周りの全ての余白を除いて、最終的な画像を取得する。MonacoEZColorソフトウェアは、この画像を使用して、含まれる基準ファイルと比較し、Photoshopと互換性のある校正したカラープロファイルを生成及びエクスポートする。プロファイルが作成された後、スキャン解像度(dpi)は変更可能であるが、他の全ての設定は、サンプルの撮像中、一定に保たれる必要がある。
【0082】
対象グラフィックが知覚される衣類対向面22内の領域を特定する。取り扱いの便宜上、サンプルサイズは75mm×75mm片であってもよいが、当業者によって理解されるように、より小さなサンプルサイズを使用してもよい。試料の全ての層を維持し、スキャナの上に全ての層を平らなどに置く。スキャナ蓋を開き、第1の衣類対向面をガラスに面して試料をスキャナガラスの上に置く。白色の背景で(この試験方法では、白は、L>94、−2<a<2、及び−2<b<2を有する色と定義される)試料を覆い、蓋を閉じる。試料のスキャンを取得し、600dpi、24ビットカラーでPhotoshopにインポートする。画像に、校正したスキャナプロファイルを割り当て、モードをLab Colorに変更する(Photoshopの「Lab Color」は、CIE L規格に対応する)。「スポイト」色選択ツールを選択する。隣接する無着色領域のピクセルを含むことなく、着色グラフィック内にできるだけ多くの画素を含むように、ツールのサンプリングサイズを設定する。スポイトツールを使用して、画像内のグラフィックにおけるL値を測定し、記録する。
【実施例】
【0083】
本発明に従った本発明の試料A〜Eは、前側腰部グラフィック領域の長手方向長さが100mmであり、前側移行領域の長手方向長さが10mmである、図2及び図3のベルトタイプの着用可能物品の構造を有する。比較試料Eは、前側腰部グラフィック領域の長手方向長さが100mmであり、移行領域の長手方向長さが10mmであり、約20%よりも大きいOBとOOとの間の不透明度差を有する、図2及び図3のベルトタイプの着用可能物品の構造を有する。比較試料F〜Iは、前側及び後側腰部グラフィック領域がない図4のベルトタイプの着用可能物品の構成を有する。
【0084】
全ての試料には、腰部縁部に隣接して配置される同一のベルトグラフィック、腰部グラフィック領域に配置される腰部グラフィック40A及び股部領域に配置される股部グラフィック30Aが設けられ、その両方は、バックシート60の同一位置に印刷された。
【0085】
試料中の外側カバー層42、内側シート94及び外側シート92の全ての材料は、同じ組成物を有するが、坪量(g/m)では差を有する。総合的なグラフィックの視覚的一体性を、訓練された熟練者のパネルによって観察して、以下のように評価した。結果を以下に示す。
【0086】
【表1】
1:第1のベルトグラフィックと腰部グラフィックの視覚的一体性
2:腰部グラフィックと股部グラフィックの視覚的一体性
【0087】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0088】
あらゆる相互参照される又は関連する特許若しくは出願を含む、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外される、又は別途限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、又はそれを単独で若しくは任意の他の参考文献と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照として組み込まれた文献内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に付与された意味又は定義が優先される。
【0089】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8