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特許6794468自動レベリング機能を有する洗濯機脚および洗濯機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6794468
(24)【登録日】2020年11月13日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】自動レベリング機能を有する洗濯機脚および洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/12 20060101AFI20201119BHJP
   F16M 7/00 20060101ALI20201119BHJP
   F16M 11/24 20060101ALI20201119BHJP
   F16M 11/32 20060101ALI20201119BHJP
   F16M 11/26 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   D06F39/12 Z
   F16M7/00 D
   F16M7/00 B
   F16M11/24 J
   F16M11/24 C
   F16M11/32 E
   F16M11/26 R
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-553915(P2018-553915)
(86)(22)【出願日】2016年6月7日
(65)【公表番号】特表2019-516439(P2019-516439A)
(43)【公表日】2019年6月20日
(86)【国際出願番号】CN2016085074
(87)【国際公開番号】WO2017177530
(87)【国際公開日】20171019
【審査請求日】2019年1月9日
(31)【優先権主張番号】201610229105.3
(32)【優先日】2016年4月13日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】518357782
【氏名又は名称】青島海爾智能技術研発有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】趙志強
(72)【発明者】
【氏名】許升
【審査官】 柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】 スイス国特許発明第00695348(CH,A5)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0180720(US,A1)
【文献】 実公昭47−016188(JP,Y1)
【文献】 米国特許第04446634(US,A)
【文献】 米国特許第05794361(US,A)
【文献】 特開平06−071199(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3138899(JP,U)
【文献】 特表2003−530913(JP,A)
【文献】 特開2010−194028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/12
F16M 7/00
F16M 11/20−11/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機の底部に複数取り付けられる、自動レベリング機能を有する洗濯機脚であって、前記脚は固定部および可動部を含み、固定部および可動部間に中空空洞が形成され、中空空洞内に油圧媒体が充填され
前記脚の2つずつの間が高圧油管を介して接続され、2つの脚の中空空洞が相互に通じることを実現するか、または全ての前記脚が高圧油管を介してそれぞれ連通装置に接続され、全ての脚の中空空洞が相互に通じることを実現し
圧力作用下で、前記油圧媒体は相互に通じる脚の中空空洞間で流動し、可動部の伸縮を実現することができ、自動レベリングを行い、
前記脚は第1脚および第2脚を含み、前記第1脚および前記第2脚はそれぞれ1つのオリフィスと、第1バルブ孔、第2バルブ孔の2つのバルブ孔とを有し、
前記オリフィス、前記第1バルブ孔および前記第2バルブ孔はそれぞれ中空空洞と通じ、
前記第1脚のオリフィスおよび第2脚の第1バルブ孔は第1高圧油管を介して接続され、第1脚の第1バルブ孔および第2脚のオリフィスは第2高圧油管を介して接続され、
第1脚の第2バルブ孔および第2脚の第2バルブ孔は第3高圧油管を介して接続され、
第1の圧力下で、前記オリフィスおよび前記バルブ孔はいずれも導通を保持し、
第2の圧力下で、前記可動部はバルブ孔を塞ぐまで圧縮され、オリフィスは導通を保持することを特徴とする洗濯機脚。
【請求項2】
脚受け、可撓性収容体および調整脚を含み前記脚受け内に中空空洞を有し、脚受けに中空空洞と通じるオリフィスおよびバルブ孔がそれぞれ設けられ、オリフィスおよびバルブ孔はそれぞれ高圧油管と接続され
前記可撓性収容体は中空空洞内に設置され、可撓性収容体内部に収容空洞を有し、収容空洞内部に油圧媒体が充填され、圧力作用下で、複数の脚内の油圧媒体は高圧油管を介して相互に流動することができ
前記調整脚の一端は中空空洞内に相対して摺動可能に設置され、可撓性収容体は調整脚と接触または接続されることを特徴とする、請求項に記載の自動レベリング機能を有する洗濯機脚。
【請求項3】
前記脚受けは相互に接続される受け体およびスリーブを含み、受け体に溝が設けられ、受け体およびスリーブ間にプレスリングが設けられ
前記可撓性収容体の一端に開口を有し、開口部分に密封構造を有し、密封構造の一端は溝内に設置され、もう一端はプレスリングのプレス嵌合下で、可撓性収容体および受け体間の密封接続を保持することを特徴とする、請求項に記載の自動レベリング機能を有する洗濯機脚。
【請求項4】
前記受け体内に1つのオリフィスおよび少なくとも2つのバルブ孔が設けられ、オリフィスおよびバルブ孔はそれぞれ可撓性収容体の開口と通じ、オリフィスはバルブ孔の中間に設けられことを特徴とする、請求項に記載の自動レベリング機能を有する洗濯機脚。
【請求項5】
前記可撓性収容体の開口と中空空洞との間に細径構造を有し、細径構造の内径は開口および中空空洞の内径より小さいことを特徴とする、請求項3または4に記載の自動レベリング機能を有する洗濯機脚。
【請求項6】
前記受け体内にオリフィスおよびバルブ孔が設けられ、オリフィスおよびバルブ孔およびバルブ孔はそれぞれ可撓性収容体の開口と通じ
前記受け体に複数のノズルが設けられ、ノズルはそれぞれオリフィスおよびバルブ孔と通じ、ノズルは脱落防止ボスを有し、脱落防止ボスの外径は高圧油管の内径より大きいことを特徴とする、請求項に記載の自動レベリング機能を有する洗濯機脚。
【請求項7】
前記スリーブの内壁に縦方向の位置制限溝が設けられ、調整脚の外壁に縦方向の位置制限突起が相応して設けられ、縦方向の位置制限突起は縦方向の位置制限溝と組み合わさり、調整脚を垂直、上下の伸縮運動に限定することを特徴とする、請求項に記載の自動レベリング機能を有する洗濯機脚。
【請求項8】
前記受け体に、洗濯機と組み立てる少なくとも1つの取付孔、または洗濯機と組み立てる少なくとも1つの接続スタッドが設けられることを特徴とする、請求項に記載の自動レベリング機能を有する洗濯機脚。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか1項に記載の自動レベリング機能を有する洗濯機脚を有する洗濯機であって、筐体を含み、筐体の底部に複数の前記洗濯機脚が取り付けられ、洗濯機脚内部に充填される油圧媒体は、洗濯機脚間で流動し、レベリングを実現することができることを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機装置の技術分野に関し、具体的に、自動レベリング機能を有する洗濯機脚および洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
家電製品は、一般的に筐体の底部にレベリング装置が設けられ、家電製品を設置するとき、レベリング装置を調節することにより、安定した設置状態を達成することができる。レベリング後に設置すると、レベリング装置は家電製品を支持し、安定を保持することができる。
【0003】
洗濯機を例とすると、図1に示すように、既存の洗濯機は一般的に筐体の底板901または洗濯機底部に脚が取り付けられる。脚はボルトA、ナットワッシャBおよびラバーパッドCを含み、ナットワッシャBはボルトAで上下に回転することができ、ボルトAも底板901のネジ孔中で上下に回転することができ、脚のボルトAが底板901のネジ孔に螺入される長さにより、洗濯機の高さの調整を実現する。大部分の洗濯機脚は、反時計回りに回転させると高くなり、時計回りに回転させると低くなる。該脚の高さを調整すると、緩みを防止するナットワッシャBを締めて安定を保持する。
【0004】
上記洗濯機の脚は洗濯機のレベリングを実現したが、ユーザが手動で調節する必要があり、洗濯機自体が比較的重いか、または設置空間が狭い場合、ユーザの操作が不便である。他に、洗濯機の長期に渡る動作過程での振動もレベリング脚に作用し、その支持が容易に機能しなくなり、洗濯機の設置が平らでなくなる。
【0005】
例えば、既存の8KGドラム式洗濯機は一般的に80Kg前後であり、比較的重い。消費者の調節は極めて不便であり、たとえ調節を完了しても洗濯機の調整が最適な状態であると保証することはできない。洗濯機が洗濯で特に0r/minから1400r/min前後に加速して遠心脱水を行うとき、洗濯機に水平でない、またはガタが生じる問題が存在すると、極めて大きな振動を引き起こし、消費者の使用の快適さに極めて大きな影響を及ぼす。
【0006】
他に、洗濯機が平らでないことによる振動で、脚のネジが緩むことがあり、脚のブラケットが垂直に移動する。この種の不安定さは、洗濯機の水平状態を変化させることがあり、より強烈な振動が生じる。この種の悪循環により、洗濯機を使用する時間は長くなり、騒音は次第に大きくなり、洗濯機自体にも一定のダメージを引き起こし、使用寿命を短くする。
【0007】
したがって、既存の洗濯機のレベリングは手動で調節する必要があり、手間がかかり、精度が比較的劣る問題が存在する。
【0008】
このことを考慮して、特に本発明を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題および課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題を解決するため、本発明における第1の発明の目的は、自動レベリング機能を有する洗濯機脚を提供することである。具体的に、以下の技術案を採用した。
自動レベリング機能を有する洗濯機脚において、前記洗濯機の底部に複数の脚が取り付けられる。前記脚は固定部および可動部を含み、固定部および可動部間に中空空洞が形成され、中空空洞内に油圧媒体が充填される。
前記脚の2つずつの間が高圧油管を介して接続され、2つの脚の中空空洞が相互に通じることを実現するか、または全ての前記脚は高圧油管を介してそれぞれ連通装置に接続され、全ての脚の中空空洞が相互に通じることを実現する。
圧力作用下で、前記油圧媒体は相互に通じる脚の中空空洞間で流動し、可動部の伸縮を実現することができ、自動レベリングを行う。
【0010】
さらに、第1脚および第2脚を含み、第1脚および第2脚はそれぞれオリフィスおよびバルブ孔を有し、オリフィスおよびバルブ孔はそれぞれ中空空洞と通じる。前記第1脚のオリフィスおよび第2脚のバルブ孔は高圧油管を介して接続され、第1脚のバルブ孔および第2脚のオリフィスは高圧油管を介して接続される。
【0011】
さらに、前記第1脚および第2脚はそれぞれ1つのオリフィスと、第1バルブ孔、第2バルブ孔の2つのバルブ孔とを有し、オリフィス、第1バルブ孔および第2バルブ孔はそれぞれ中空空洞と通じる。
前記第1脚のオリフィスおよび第2脚の第1バルブ孔は高圧油管を介して接続され、第1脚の第1バルブ孔および第2脚のオリフィスは高圧油管を介して接続され、第1脚の第2バルブ孔および第2脚の第2バルブ孔は高圧油管を介して接続される。
【0012】
さらに、脚受け、可撓性収容体および調整脚を含む。前記脚受け内に中空空洞を有し、脚受けに中空空洞と通じるオリフィスおよびバルブ孔がそれぞれ設けられ、オリフィスおよびバルブ孔はそれぞれ高圧油管と接続される。
前記可撓性収容体は中空空洞内に設置され、可撓性収容体内部に収容空洞を有し、収容空洞内部に油圧媒体が充填され、圧力作用下で、複数の脚内の油圧媒体は高圧油管を介して相互に流動することができる。
前記調整脚の一端は中空空洞内に相対して摺動可能に設置され、可撓性収容体は調整脚と接触または接続される。
【0013】
さらに、前記脚受けは相互に接続される受け体およびスリーブを含み、受け体に溝が設けられ、受け体およびスリーブ間にプレスリングが設けられる。
前記可撓性収容体の一端に開口を有し、開口部分に密封構造を有する。密封構造の一端は溝内に設置され、もう一端はプレスリングのプレス嵌合下で、可撓性収容体および受け体間の密封接続を保持する。
【0014】
さらに、前記受け体内に1つのオリフィスおよび少なくとも2つのバルブ孔が設けられ、オリフィスおよびバルブ孔はそれぞれ可撓性収容体の開口と通じ、オリフィスはバルブ孔の中間に設けられる。
第1の圧力下で、前記オリフィスおよびバルブ孔はいずれも導通を保持し、第2の圧力下で、可撓性収容体はバルブ孔を塞ぐまで圧縮され、オリフィスは導通を保持する。
【0015】
さらに、前記可撓性収容体の開口と中空空洞との間に細径構造を有し、細径構造の内径は開口および中空空洞の内径より小さい。
【0016】
さらに、前記受け体内にオリフィスおよびバルブ孔が設けられ、オリフィスおよびバルブ孔およびバルブ孔はそれぞれ可撓性収容体の開口と通じる。
前記受け体に複数のノズルが設けられ、ノズルはそれぞれオリフィスおよびバルブ孔と通じる。ノズルは脱落防止ボスを有し、脱落防止ボスの外径は高圧油管の内径より大きい。さらに、前記スリーブの内壁に縦方向の位置制限溝が設けられ、調整脚の外壁に縦方向の位置制限突起が相応して設けられ、縦方向の位置制限突起は縦方向の位置制限溝と組み合わさり、調整脚を垂直、上下の伸縮運動に限定する。
【0017】
さらに、前記受け体に、洗濯機と組み立てる少なくとも1つの取付孔、または洗濯機と組み立てる少なくとも1つの接続スタッドが設けられる。
【0018】
本発明における第2の発明の目的は洗濯機を提供することである。具体的に、以下の技術案を採用した。
上記自動レベリング機能を有する洗濯機脚を有する洗濯機は筐体を含み、筐体の底部に複数の前記洗濯機脚が取り付けられる。洗濯機脚内部に充填される油圧媒体は、洗濯機脚間で流動し、レベリングを実現することができる。
【0019】
本発明の自動レベリング機能の洗濯機脚は、油圧の原理に基づき、脚中に油圧媒体が充填される。脚は様々な圧力に対して、油圧媒体の流動性により脚に対する適切な調整を自動で行う。液体媒体が全ての脚間で流動することができ、調整範囲はより大きく、調整効果はより良好である。
【0020】
他に、本発明の自動レベリング機能の洗濯機脚は、油圧媒体が密封の可撓性収容体内に入れられる。該可撓性収容体は調整脚内部に配置され、油圧媒体が漏出する問題を効果的に解決し、脚の動作の安定性を確実に保証する。
【0021】
したがって、本発明における洗濯機脚の構造は簡単で、コストは低く、使用は便利で、信頼性が高い。振動を顕著に低下させ、騒音を低下させることができ、洗濯機のユーザ体験における快適さを高める。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、既存の家電製品における脚の構造概要図である。
図2図2は、本発明の実施例における洗濯機脚の立体構造の概要図である。
図3図3は、本発明の実施例における洗濯機脚の構造分解図である。
図4図4は、本発明の実施例における洗濯機脚の正面図である。
図5図5は、本発明の実施例における洗濯機脚の側面図である。
図6図6は、本発明の実施例における洗濯機脚の図4中のG−G面に沿った断面図である。
図7図7は、本発明の実施例における洗濯機脚の図4中のH−H面に沿った断面図である。
図8図8は、本発明の実施例における洗濯機脚の図5中のJ−J面に沿った断面図である。
図9図9は、本発明の実施例における洗濯機脚が完全に圧縮した後の図5中のJ−J面に沿った断面図である。
図10図10は、本発明の実施例における洗濯機脚の組立、取付概要図である。
図11図11は、本発明の実施例における洗濯機脚を洗濯機に取り付けた取付概要図である。
図12図12は、本発明の別の実施例における洗濯機脚を洗濯機に取り付けた取付概要図である。
図13図13は、本発明の別の実施例における洗濯機脚の組立、取付概要図である。
図14図14は、本発明の別の実施例における洗濯機脚を洗濯機に取り付けた取付概要図である。
図15図15は、本発明の実施例における洗濯機脚の動作状態の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図を組み合わせて、本発明の自動レベリング機能を有する洗濯機脚および洗濯機について詳細に記載する。
図2図9に示すように、本実施例における自動レベリング機能を有する洗濯機脚は脚受け、可撓性収容体6および調整脚4を含む。前記脚受け内に中空空洞を有し、脚受けに中空空洞と通じるオリフィス7およびバルブ孔8がそれぞれ設けられ、オリフィス7およびバルブ孔8は高圧油管とそれぞれ接続される。前記可撓性収容体6は中空空洞内に設置され、可撓性収容体6内部に収容空洞を有し、収容空洞内部に油圧媒体が充填され、圧力作用下で、複数の脚内の油圧媒体は高圧油管を介して相互に流動することができる。前記調整脚4の一端は中空空洞内に相対して摺動可能に設置され、可撓性収容体6は調整脚4と接触または接続される。
【0024】
本実施例における自動レベリング機能の洗濯機脚は、油圧の原理に基づき、脚中に油圧媒体が充填される。脚は様々な圧力に対して、油圧媒体の流動性により脚に対する適切な調整を自動で行う。
【0025】
本実施例における洗濯機脚のオリフィス7およびバルブ孔8は、それぞれ高圧油管に接続されるため、高圧油管を介して脚間が通じることを実現することができ、調整範囲はより大きく、調整効果はより良好である。
【0026】
本実施例の洗濯機脚は、油圧媒体が密封の可撓性収容体6内に入れられる。該可撓性収容体6は調整脚4内部に配置され、油圧媒体が漏出する問題を効果的に解決し、脚の動作の安定性を確実に保証する。
【0027】
したがって、本実施例における洗濯機脚の構造は簡単で、コストは比較的低く、使用は便利で、信頼性が高い。振動を顕著に低下させ、騒音を低下させることができ、洗濯機のユーザ体験における快適さを高める。
【0028】
さらに、本実施例の脚受けは相互に接続される受け体1およびスリーブ3を含み、受け体に溝が設けられ、受け体1およびスリーブ3間にプレスリング11が設置される。前記可撓性収容体6の一端に開口604を有し、開口部分に密封構造603を有する。密封構造603の一端は溝内に設置され、もう一端はプレスリング11のプレス嵌合下で、可撓性収容体6および受け体1間の密封接続を保持する。
【0029】
さらに、本実施例の受け体1内に1つのオリフィス7および少なくとも2つのバルブ孔8が設けられ、オリフィス7およびバルブ孔8はそれぞれ可撓性収容体6の開口604と通じ、オリフィス7はバルブ孔8の中間に設けられる。第1の圧力下で、前記オリフィス7およびバルブ孔8はいずれも導通を保持し、第2の圧力下で、可撓性収容体6はバルブ孔8を塞ぐまで圧縮され、オリフィス7は導通を保持する。
【0030】
本実施例の受け体1に複数のノズル2が設けられ、ノズル2はオリフィス7およびバルブ孔8とそれぞれ通じる。ノズル2は脱落防止ボス201を有し、脱落防止ボス201の外径は高圧油管の内径より大きく、具体的に0.1mm〜1.5mmである。
【0031】
ノズル2の開始端に誘導構造202が設けられ、具体的に誘導構造202は面取り構造であり、これによりノズルの開始端は容易に油管に挿入される。
【0032】
具体的に、図に示すように、本実施例の洗濯機脚は1つのオリフィス7および2つのバルブ孔8を含み、オリフィス7は2つのバルブ孔8の間に設けられる。前記オリフィス7は第2ノズル204に接続され、2つのバルブ孔8はそれぞれ第1ノズル203および第3ノズル205に接続される。
【0033】
受け体1に複数の取付孔101を有し、ボルトまたはネジにより洗濯機の底板901に締め付けることができる。これにより受け体1の中心位置に1つのネジ付きスタッドを有し、洗濯機の底板901に螺入することを連想することができる。
【0034】
本実施例の洗濯機脚において、前記可撓性収容体6の開口604と中空空洞との間に細径構造602を有し、細径構造602の内径は開口604および中空空洞の内径より小さい。
【0035】
本実施例の可撓性収容体6の細径構造602は、中間に開口604と導通を保持する油孔を有し、細径構造602の特徴は、油孔がオリフィス7、バルブ孔8から絶えず流入または流出することができる油圧媒体を有することである。一旦、調整脚4の圧力が過度に大きくなると、細径構造602の周辺のゴムは受け体1に密着し、バルブ孔8を密封し、より大きなスロットル調整の作用を実現する。
【0036】
本実施例の可撓性収容体6はジャバラ管部分を有し、ジャバラ管部分の内部は中空空洞である。ジャバラ管部分により、可撓性収容体6が圧縮または伸長するとき、不必要なひだが生じ、使用寿命を高める。
【0037】
本実施例の洗濯機脚において、前記スリーブ3の内壁に縦方向の位置制限溝301が設けられ、調整脚4の外壁に縦方向の位置制限突起401が相応して設けられ、縦方向の位置制限突起401は縦方向の位置制限溝301と組み合わさり、調整脚を垂直、上下の伸縮運動に限定する。このような設置は以下の利点を有する。
(1)調整脚4は垂直に上下運動し、側方に偏位しない。
(2)調整脚4がスリーブ3中で回転運動するのを防止し、洗濯機の振動を大幅に低下させた。
(3)調整脚4がスリーブ3から脱落するのを効果的に防止し、可撓性収容体6が破裂するか、または直接床に接触し、鋭い物で破裂するのを防止する。
【0038】
図10図11図12図13および図14に示すように、本実施例の自動レベリング機能を有する洗濯機脚において、前記洗濯機の底部に複数の脚10が取り付けられる。前記脚10は固定部および可動部を含み、固定部および可動部間に中空空洞が形成され、中空空洞内に油圧媒体が充填される。前記脚10の2つずつの間が高圧油管を介して接続され、2つの脚10の中空空洞が相互に通じることを実現するか、または全ての前記脚10が高圧油管を介してそれぞれ連通装置15に接続され、全ての脚の中空空洞が相互に通じることを実現する。圧力作用下、前記油圧媒体は相互に通じる脚10の中空空洞間で流動し、可動部の伸縮を実現することができ、自動レベリングを行う。
【0039】
本実施例における洗濯機脚は、一定の圧力作用下で、油圧媒体が気体を圧縮し、可動部はこれに伴って適切に伸縮する。圧力がさらに増大すると、気体はこれ以上圧縮されず、気体の内部圧力は油圧媒体に反作用し、可動部はこれに伴って充分な支持力を有するため、本実施例における洗濯機脚は適切な自動レベリング機能を有する。本実施例の油圧媒体は、具体的に油圧作動油を選択することができる。
【0040】
本実施例における自動レベリング機能の洗濯機脚は、油圧の原理に基づき、脚中に油圧媒体が充填される。脚は様々な圧力に対して、油圧媒体の流動性により脚に対する適切な調整を自動で行う。液体媒体は全ての脚間で流動することができ、このうちの1つの脚が力を受けて圧縮するとき、油圧媒体はこれと通じる別の脚に流動し、別の脚内の油圧媒体が多くなり、圧力が増大して脚が延出し、これにより充分な支持を確実に保証する。したがって、本実施例の洗濯機脚の調整範囲はより大きく、調整効果はより良好である。
【0041】
したがって、本実施例における洗濯機脚の構造は簡単で、コストは比較的低く、使用は便利で、信頼性が高い。振動を顕著に低下させ、騒音を低下させることができ、洗濯機のユーザ体験における快適さを高める。
【0042】
本発明はドラム式洗濯機を例に挙げて説明する。ドラム式洗濯機は、
衣類を入れて洗濯する洗濯ドラムと;
粉末洗剤、液体洗剤または柔軟剤などを入れる洗剤ケースと;
洗濯機を操作する操作パネル14と;
開いて衣類を取り出すか、または投入するドアと;
少なくとも1つの回転可能な伝動軸と接続され、少なくとも1つの出力を実現するモータモジュールと;
洗濯機全体の枠組みおよび外観を保持する筐体9と;
下面に本実施例の洗濯機脚を取り付ける底板901と;を含む。
【0043】
図10に示すように、本実施例の洗濯機脚は第1脚および第2脚を含み、第1脚および第2脚はそれぞれオリフィス7およびバルブ孔8を有し、オリフィス7およびバルブ孔8はそれぞれ中空空洞と通じる。前記第1脚のオリフィス7および第2脚のバルブ孔8は高圧油管を介して接続され、第1脚のバルブ孔8および第2脚のオリフィス7は高圧油管を介して接続される。
【0044】
具体的に、本実施例の第1脚および第2脚はそれぞれ1つのオリフィス7と、第1バルブ孔、第2バルブ孔の2つのバルブ孔5とを有し、オリフィス7、第1バルブ孔および第2バルブ孔はそれぞれ中空空洞と通じる。前記第1脚のオリフィス7および第2脚の第1バルブ孔は第2高圧油管1302を介して接続され、第1脚の第1バルブ孔および第2脚のオリフィス7は第1高圧油管1301を介して接続され、第1脚の第2バルブ孔および第2脚の第2バルブ孔は第3高圧油管1303を介して接続される。前記第1高圧油管1301、第2高圧油管1302および第3高圧油管1303は油圧管セット13を構成する。
【0045】
具体的に、図11に示すように、洗濯機の底板901の4つの角に4つの脚が取付、固定される。高圧油管セット13は、洗濯機の底板901における左側の2つの脚と通じ、第1脚セット1001を構成する。高圧油管セット13は、洗濯機の底板901における右側の2つの脚と通じ、第2脚セット1002を構成する。
【0046】
このように、第1脚セット1001の油圧媒体および一部の気体は、様々な圧力下で、この2つの脚間で相互に流動することができる。第2脚セット1002の油圧媒体および一部の気体は、様々な圧力下で、この2つの脚間で相互に流動することができる。
【0047】
図12に示すように、洗濯機の底板901の4つの角に4つの脚が取付、固定される。高圧油管セット13は、洗濯機の底板901における後面の2つの脚と通じ、第3脚セット1003を構成する。高圧油管セット13は、洗濯機の底板901における前面の2つの脚と通じ、第4脚セット1004を構成する。
【0048】
このように、第1脚セット1003の油圧媒体および一部の気体は、様々な圧力下で、この2つの脚間で相互に流動することができる。第2脚セット1004の油圧媒体および一部の気体は、様々な圧力下で、この2つの脚間で相互に流動することができる。
【0049】
図13および図14に示すように、筐体9の底板901の4つの角に、または筐体9の底板の円周方向に沿って、相互に通じる少なくとも4つの脚10が均等に設置される。各脚10内に油圧媒体および気体が充填され、第1の圧力範囲内で、各脚10内の油圧媒体および気体間の相互作用により可動部の伸縮を実現し、自動レベリングを行う。第2の圧力範囲内で、相互に通じる脚10内の油圧媒体および気体間の相互作用により可動部の伸縮を実現し、自動レベリングを行う。この方式は、全ての脚間が通じることを実現し、液体媒体が全ての脚間で流動することができ、調整範囲はより大きく、調整効果はより良好である。
【0050】
具体的に、前記脚10内部に、油圧媒体および気体を充填する密閉空洞を有し、前記密閉空洞に高圧油管セット13が通じる。各前記脚10の高圧油管セット13はそれぞれ連通装置15に通じ、これにより全ての脚10間が相互に通じることを実現する。
【0051】
本実施例における洗濯機脚は気体を弾性媒体とし、液体を圧力伝達媒体とする。良好な緩衝能力を有するだけでなく、制振作用も有し、さらに受けた圧力の大きさに基づいて、脚自体の高さを調節することもできる。
【0052】
図15に示すように、レベリングの原理を具体的に解説する。洗濯機を取り付けると、床16は平らでないため、異なる脚の水平高さは異なり、床の窪み1601部分に位置する脚の位置は低い。これにより、位置が高い部分の脚が先に洗濯機の重量を受け、さらに受ける重力は大きく、位置が低い脚はガタが生じるか、または受ける重力が小さいことがわかる。位置が高い部分の脚の調整脚は大きな圧力下で上に移動し、脚全体の高さは低くなる。油圧作動油を充満させた可撓性収容体6の中空空洞の容積は圧縮されて小さくなり、油圧媒体はオリフィスまたはバルブ孔に進入し、高圧油管セットを通過して位置が低い部分の脚内に進入せざるを得なくなる。位置が低い部分の脚における可撓性収容体6の油圧媒体は次第に多くなり、これにより可撓性収容体6は膨張して調整脚の伸長を推進する。
【0053】
位置が高い部分の脚および位置が低い部分の脚の油圧が同じであるとき、油圧媒体はこれ以上高圧油管セットから流動せず、調整脚および洗濯機の底板の相対位置はこれ以上変化せず、洗濯機脚の自動調整は完了する。
【0054】
洗濯機の洗濯または脱水過程において、油圧媒体はゆっくりと流動して自らレベリングを行うこともでき、洗濯機の振動、騒音は大幅に低下する。
【0055】
本実施例は、上記自動レベリング機能を有する洗濯機脚を有する洗濯機を同時に提供している。筐体9を含み、筐体9の底部に複数の前記洗濯機脚10が取り付けられる。洗濯機脚内部に充填される油圧媒体は、洗濯機脚間で流動し、レベリングを実現することができる。
【0056】
本実施例の洗濯機は、出荷、設置される際、好ましくは洗濯機脚の高さは4つとも一致している。洗濯機を平らでない底面にランダムに設置すると、4つの洗濯機脚は底面が平らでない状況に基づき、異なる圧力を受け、調整脚がスリーブに圧入する長さが異なり、さらには洗濯機の自動レベリングを実現する。
【0057】
上記実施例について、以下をさらに説明する必要がある。
1、本発明の実施例における脚は2つずつつながり、3つないしそれ以上でもよい。数量N≧2で、好ましくは2つであり、コストは最も低く、さらに比較的良好な効果を実現することができる。
【0058】
本発明の実施例において、連通装置15の4つのポートを使用して、4つの脚がそれぞれ接続されるが、これにより3、5、6、N個のポートを有する1つの連通装置15を使用して、前記ポートに3、5、6、N個の脚がそれぞれ接続されると推理することができる。上記実施例は前記機能を実現することができる状況下で、最も適切な4つを使用したに過ぎず、これによりコストを最も低く制御することを実現する。
【0059】
2、本発明の実施例はドラム式洗濯機を例とし、本発明がドラム式洗濯機の自動レベリングを実現する原理および方法を詳述した。本発明をパルセータ式洗濯機に応用することができることを容易に連想することができる。
【0060】
3、本発明の実施例は洗濯機を例とし、本発明が洗濯機の自動レベリングを実現する原理および方法を詳述した。本発明を冷蔵庫、冷凍庫、食器洗浄器など家電製品に応用することができることを容易に連想することができる。
【0061】
以上の記載は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明をどのような形式でも制限しない。本発明は好ましい実施例により上記のように開示したが、本発明を限定するものではない。当業者は本発明の技術案を逸脱しない範囲内で、上記に示した技術内容を利用して同等変化した等価実施例に変更または修飾することができる。しかし、本発明の技術案の内容を逸脱せずに、本発明の技術的本質に基づき、以上の実施例に対して行う簡単な修正、均等変化および修飾は、いずれも本発明案の範囲内に属する。
【符号の説明】
【0062】
1 受け体
101 取付孔
2 ノズル
201 脱落防止ボス
202 誘導構造
203 第1ノズル
204 第2ノズル
205 第3ノズル
3 スリーブ
301 縦方向の位置制限溝
4 調整脚
401 縦方向の位置制限突起
5 弾性パッド
6 可撓性収容体
601 ジャバラ管部分
602 細径構造
603 密封構造
604 開口
7 オリフィス
8 バルブ孔
9 筐体
901 底板
10 脚
11 プレスリング
12 クランプ
13 高圧油管セット
1301 第1高圧油管
1302 第2高圧油管
1303 第3高圧油管
14 操作パネル
15 連通装置
16 床
1601 床の窪み
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15