(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
用語の定義
本明細書で使用される冠詞「a」及び「an」は、特許請求の範囲において使用される場合、特許請求又は記載されるものの1つ以上を意味するものと理解される。
【0016】
本明細書で使用するとき、「を実質的に含まない(substantially free of)」又は「を実質的に含まない(substantially free from)」という用語は、指示された材料が、組成物の約5重量%以下、好ましくは約2重量%以下、より好ましくは約1重量%以下の量で存在することを意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、「を本質的に含まない(essentially free of)」又は「を本質的に含まない(essentially free from)」という用語は、指示された材料が、組成物の約0.1重量%以下の量で存在するか、あるいは、好ましくはそのような組成物中に、分析的に検出可能な濃度では存在しないことを意味する。示される物質がかかる組成物に意図的に添加された物質のうちの1つ以上の不純物としてのみ存在するような組成物が含まれ得る。
【0018】
本明細書で使用するとき、「洗浄組成物」、「洗剤組成物」、あるいは「洗剤組成物又は洗浄組成物」という語句は、汚れ表面の洗浄用に設計された組成物及び配合物を指すために、本明細書中で互換的に用いられる。そのような組成物は、洗濯洗剤組成物、布地柔軟化組成物、布地増強組成物、布地消臭組成物、予洗い用洗剤(laundry prewash)、洗濯前処理剤、洗濯補助剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、食器洗浄組成物、硬質面洗浄組成物、単位用量配合剤、遅延送達配合剤、多孔性基材又は不織布シート上又は中に含有される洗剤、及び本明細書の教示を考慮すると当業者に明らかであり得る他の好適な形態を含むが、これらに限定されない。このような組成物は、洗浄前処理剤、洗浄後処理剤として使用してもよいし、あるいは、洗浄プロセスのすすぎ又は洗浄サイクル中に加えてもよい。この洗浄組成物は、液体、粉末、単相若しくは多相の単位用量若しくはパウチ形態、錠剤、ゲル、ペースト、バー、又はフレークから選択される形態を有し得る。本発明の好ましい実施形態において、本発明の洗浄組成物は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)又はそのコポリマーなどの水溶性ポリマーにより形成された単区画又は多区画水溶性パウチによって封入された、単一相又は多相単位用量形態である、洗濯洗剤組成物又は食器用洗剤組成物を含む。好ましくは組成物は手動洗浄用である。好ましくは本発明の洗浄組成物は、食器洗浄洗剤である。好ましくは、組成物は液体の形態である。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「泡立ち寿命の延長」は、オレイン酸転換酵素の非存在下での同じ組成物及びプロセスによって提供される泡立ち寿命と比較した、オレイン酸転換酵素を含む組成物を使用して汚れた物品を洗浄する洗浄プロセスにおける目視可能な泡立ちの持続時間の増加を意味する。
【0020】
本明細書で使用される「洗濯洗剤」という用語は、液体又は固体の組成物を意味し、特に断らない限り、顆粒形態又は粉末形態の汎用又は「重質」洗浄剤、特に、洗浄洗剤、並びに漂白添加剤又は前処理タイプなどの洗浄助剤が含まれる。本発明の好ましい実施形態において、洗濯洗剤は、液体洗濯洗剤組成物である。好ましくは、組成物は手動洗浄用である。好ましくは、洗剤組成物は、洗濯洗剤組成物、好ましくは繊細な布地を洗浄するためのものを含む。
【0021】
本明細書で使用するとき、「汚れ表面」という用語は、限定されないが、木綿、亜麻布、ウール、ポリエステル、ナイロン、絹、アクリルなど、並びに様々なブレンド及び組み合わせなどである、天然、人工、及び合成繊維を含む天然又は人工繊維の網状構造からなる任意のタイプの可撓性材料を非特定的に指す。汚れ表面は、限定されないが、タイル、花崗岩、しっくい、ガラス、複合材料、ビニル、堅木、金属、調理用表面、プラスチックなど、並びにブレンド及び組み合わせ、並びに食器などの天然、人工、及び合成表面を含む任意のタイプの硬質表面を更に指す場合がある。
【0022】
本明細書で使用するとき、「水硬度」又は「硬度」という用語は、アルカリ性条件下で沈殿し、それにより、界面活性剤の界面活性及び洗浄能力を減ずる可能性のある、水中に存在する非複合型カチオンイオン(すなわち、Ca
2+又はMg
2+)を意味する。更に、「高い水硬度」又は「水硬度の上昇」という用語は、互換的に用いることができ、本発明の目的に関する相対語であり、限定されないが、水1ガロン当たり少なくとも12グラムのカルシウムイオンを含有する硬度レベル(gpg、「米国穀粒硬度」単位)を含むよう意図される。
【0023】
オレイン酸転換酵素
オレイン酸転換酵素は、オレイン酸及び/又はその塩を転換し、つまり、オレイン酸転換酵素は、オレイン酸又はその塩の量が低減されるように、オレイン酸又はその塩に作用してその化学構造を変化させる酵素である。オレイン酸転換酵素は、好ましくは活性タンパク質の重量に基づいて0.00001〜2重量%の量で組成物中に存在する。より好ましくは、オレイン酸転換酵素は、活性タンパク質に基づいて0.0001〜1重量%、より好ましくは0.0005〜0.5重量%、又は0.001〜0.2重量%の量で存在してもよい。
【0024】
オレイン酸転換酵素は、例えば、E.C.分類番号1.11.2.3(植物種子ペルオキシゲナーゼ)、1.13.11.77(オレイン酸10Sリポキシゲナーゼ)、3.1.2.14(オレオイル−[アシル−担体−タンパク質]加水分解酵素、3.5.1.99(脂肪酸アミド加水分解酵素)、4.2.1.53(オレイン酸ヒドラターゼ)及びこれらの混合物から選択されてもよい。必要に応じて、組成物は、酵素の有効な機能に必要な任意の追加の基質を含むか、それへのアクセスを提供するか、又はインサイチュで形成する:植物種ペルオキシゲナーゼのためのヒドロペルオキシド、オレイン酸10Sリポキシゲナーゼのための酸素、オレオイル−[アシル−担体−タンパク質]加水分解酵素のためのチオール、脂肪酸加水分解酵素のためのアンモニア又はアミン、オレイン酸ヒドラターゼのための水。オレイン酸転換酵素は、クラスEC 4.2.1.53からのオレイン酸ヒドラターゼであることが好ましい。好適なオレイン酸ヒドラターゼは表1に列挙した野生型オレイン酸ヒドラターゼ及びヒドラターゼ活性を示すその変異体を含むことができる。好ましいオレイン酸ヒドラターゼは、表1に列挙された野生型オレイン酸ヒドラターゼの1つ以上に対して、20、30、40、50、60、70、80、90、95、又は98%以上の同一性を示す。
【0026】
オレイン酸転換酵素は、酵素顆粒などの添加剤粒子を介して、若しくは封入の形態で洗剤組成物中に組み込まれてもよく、又は液体配合物の形態で添加されてもよい。
【0027】
好適な酵素顆粒には、(i)噴霧乾燥粒子、(ii)予め形成された不活性コアの周りの層として酵素が被覆され、流動床装置が、コーティング材料を含有する水溶液からコーティング材料の層を付着させるために使用される、層状粒子、(iii)酵素がコアに吸収される、粒子、(iv)酵素含有ペーストをペレットにプレスするか、又は圧力下でオリフィスを通して押し出し、乾燥させる前に粒子に切断する、押出又はペレット化酵素粒子、(v)酵素粉末を溶融ワックス中に懸濁させ、懸濁液を(例えば、回転ディスクアトマイザーを介して)冷却チャンバーに噴霧する、プリル化生成物、(vi)酵素含有液体を、従来の造粒材料例えば、必要に応じてセルロース繊維などのフィラメント、又はポリビニルピロリドン又はポリビニルアルコールフィラメントなどのポリマーフィラメントと混合した充填剤及び結合剤、を含む乾燥粉末組成物に添加して、余分な強度を与え、粉剤を低減するプロセスによって調製された、凝集酵素粒子が挙げられる。
【0028】
特に、洗浄組成物が液体を含む場合、封入されたものを介して酵素を組み込むことが好ましい場合がある酵素を封入することは、組成物中の酵素の安定性を促進し、漂白剤、プロテアーゼ、界面活性剤、キレート剤などの、組成物中に存在するあらゆる敵対化合物の効果を妨げる助けとなる。
【0029】
封入形態である場合、酵素は通常、ポリマー材料中に封入される。酵素を封入する方法は、例えば、酵素及びポリマーを含む液体組成物を噴霧乾燥することによって、又は酵素(複数可)及びポリマー(複数可)を含有する液体組成物を乾燥させることによって、又は任意に酵素の存在下で乳化重合、コアセルベーション、沈殿場合により酵素の存在下で沈殿又は界面重合を行い、任意にその後乾燥及び/又はサイズ縮小プロセスを行うことにより行われる。好適な酵素を封入するポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、ポリカルボン酸、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、タンパク質、多分岐ポリアミン例えばポリエチレンイミン(PEI)、(疎水変性)多糖類、セルロースからなる群から選択されるポリマー、及びそれらの混合物及びそれらの誘導体又はコポリマーが挙げられる。変性セルロース系ポリマーの例としては、上記のものが挙げられ、加えて、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタレート、セルロースアセテートフタレートが挙げられる。変性ゴムの例としては、変性グアーガム、アランベンゾリン、アラゴガコン、アラビアガム、アラキシアが挙げられる。変性タンパク質の例としては、変性カゼイン、ゼラチン及びアルブミンが挙げられる。変性ポリマーの例は、少なくとも1つの疎水性ビニルモノマーと少なくとも1つの親水性ビニルモノマーとのコポリマーから選択することができる。好適な親水性ビニル系モノマーはビニルピロリドンである。好適な疎水性ビニルモノマーは、C1〜C18アルキルアクリレート、C1〜C18アルキルメタアクリレート、C3〜C18シクロアルキルアクリレート、C3〜C18シクロアルキルメタクリレート及びビニルC1〜C18アルカン、並びにこれらの混合物である。ポリマーは、C−C−主鎖を有するホモポリマー及びコポリマーから選択されるポリマーを含むことができ、C−C−骨格は、酸性形態又は中和形態で存在し得るカルボキシル基を有し、C−C−骨格は、疎水性反復単位のポリマーの総重量に基づいて(すなわち、ポリマーP中の繰り返し単位の総重量に基づいて)、少なくとも20重量%、例えば、20〜98重量%である。ポリマーは、分岐を含むことができ。例えば、ビニルピロリドン及び酢酸ビニルから形成される分岐したコポリマーマトリックス粒子を含むことができる。このポリマーは、コポリマー、例えば国際公開第2010/003934号に記載されるように、マレイン酸又は(メタ)アクリル酸に基づくものを含んでもよい。ポリマーは、場合により架橋されていてもよい。
【0030】
好ましいポリマーは1000〜500,000、又は2000〜200000ダルトンの重量平均の分子量を有する。典型的には、酵素のポリマーに対する重量比は、1:50〜10:1である。
【0031】
例えばポリマーが、ポリマーの総重量に基づいて35〜95% w/wの親水性モノマー単位を含む例えば国際公開第2008/084093号に記載されているように、ポリマーは、方法1によれば、0mol/kgのイオン強度を有する水溶液に実質的に可溶性であり、1mol/kgを超えるイオン強度を有する水溶液には不溶性であるように選択することができる。
【0032】
任意に60%を超える、又は80若しくは90%を超える高レベルの加水分解を有する、疎水変性ポリビニルアルコール又は疎水変性ポリビニルピロリドンが好ましくあり得る。好適な疎水性修飾基としては、ケトエステル及び/又はブチリル基とそれらの混合物が挙げられ、好ましくは全置換度(DS)が約3%〜約20%である。
【0033】
オレイン酸転換酵素は、添加剤粒子中に存在する場合に、添加剤粒子中の唯一の酵素であってもよく、又は添加剤粒子中に1つ以上の追加酵素と組み合わせて存在していてもよい。
【0034】
好適な追加酵素には、プロテアーゼ、例えばメタロプロテアーゼ又はアルカリ性セリンプロテアーゼ、例えばサブチリシン、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼ、DNAse、酸化還元酵素、ペルオキシダーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、セロビオヒドロラーゼ、セロビオースデヒドロゲナーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、アミラーゼ、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましい実施形態では、オレイン酸転換酵素は、アミラーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ及び/又はリパーゼ酵素、好ましくはリパーゼ及び/又はプロテアーゼ酵素と組み合わせて、添加剤粒子に組み込まれてもよい。
【0035】
界面活性剤系
洗剤は典型的には、その約1重量%〜約60重量%、好ましくは約5重量%〜約50重量%、より好ましくは約8重量%〜約45重量%の界面活性剤系を含む。界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性イオン界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の界面活性剤を含む。界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルコキシル化アルキル硫酸塩、アルキル硫酸塩、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤を含むことが好ましい。
【0036】
食品洗浄及び良好な泡プロファイルを提供するための好ましい界面活性剤系はi)アニオン性界面活性剤、及びii)両性及び/又は双極性イオン界面活性剤を含む。好ましくは、アニオン性界面活性剤対両性及び/又は双極性イオン界面活性剤の重量比は、9:1未満、より好ましくは5:1未満〜約1:2、より好ましくは約4:1〜約1:1、特に約4:1〜約2:1である。
【0037】
本明細書において使用するための非常に有用な界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤を含み、更にアミンオキシド及び/又はベタイン界面活性剤を含むものを含む。アミン酸化物界面活性剤が特に好ましい。好ましくは界面活性剤系は、アルキル硫酸、アルキルアルコキシサルフェート、特にアルキルエトキシサルフェート、及びこれらの混合物から選択されるアニオン性界面活性剤をアミンオキシドと組み合わせて、最も好ましくは重量%比で9:1未満、より好ましくは5:1未満〜約1:2、更により好ましくは約4:1〜約1:1、特に約4:1〜約2:1で含む。
【0038】
本明細書で使用するための別の好ましい界面活性剤系は、アニオン性と両性/双極性イオン性との系であり、両性対双極性イオン性の重量比が好ましくは、約2:1〜約1:2、である。特に、両性界面活性剤がアミンオキシド界面活性剤を含み、双極性イオン界面活性剤がベタインを含む系である。好ましいアミン酸化物対ベタインの比は1.5:1〜1:1.5、好ましくは1.2:1〜1:1.2に、最も好ましくは約1:1である。
【0039】
やはり本明細書での使用に好ましいものとして、非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤系がある。本発明の組成物のために特に好ましい界面活性剤系は、好ましくは、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート及びそれらの混合物、より好ましくはアルコキシル化サルフェートからなる群から選択されるアニオン性界面活性剤を含む。好ましい界面活性剤系は、更に、両性界面活性剤、好ましくはアミンオキシド界面活性剤を含む。好ましい界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤を含む。要約すると、本明細書で使用するのに最も好ましい界面活性剤系は、アルコキシル化サルフェート界面活性剤と、アミンオキシドと非イオン性界面活性剤とを含むものである。最も好ましくは、非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化アルコール界面活性剤、特にエトキシ化アルコール界面活性剤である。
【0040】
アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤としては、その分子構造中に一般に8〜22個の炭素原子又は一般に8〜18個の炭素原子を含む有機疎水性基と、スルホネート、サルフェート、及びカルボキシレートから好ましくは選択される、水溶性化合物を形成するための少なくとも1つの水可溶化基と、を含有する表面活性化合物が挙げられるが、これらに限定されない。通常、疎水基は、C8〜C22のアルキル基、及び/又はアシル基を含む。かかる界面活性剤は水溶性塩の形態で使用され、塩形成カチオンは、通常、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム、及びモノ、ジ又はトリ−C2−C3アルカノールアンモニウムから選択され、通常選択されるカチオンはナトリウムである。
【0041】
好ましくは界面活性剤系はアニオン性界面活性剤又はその混合物である。アニオン性界面活性剤は、好ましくはアニオン性サルフェート又はスルホネートの界面活性剤又はそれらの混合物から選択される、いずれかのアニオン性洗浄界面活性剤を含む。
【0042】
好ましくは、アニオン性界面活性剤は、アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤、好ましくはエトキシ化アルキルサルフェート界面活性剤であり、好ましくは約0.2〜約3、より好ましくは約0.3〜約2、更により好ましくは約0.4〜約1.5、特に約0.4〜約1の平均エトキシ化度を有するものである。アニオン界面活性剤が界面活性剤の混合物である場合、アルコキシル化度は、混合物の全成分の重量平均アルコキシル化度(重量平均アルコキシル化度)である。重量平均アルコキシ化度の計算において、アルコキシ化された基を有しないアニオン性界面活性剤成分の重量も含める必要がある。
【0043】
重量平均アルコキシ化度=(x1
*界面活性剤1のアルコキシ化度+x2
*界面活性剤2のアルコキシ化度+....)/(x1+x2+...)、式中、x1、x2、...は、混合物の各アニオン性界面活性剤のグラム単位の重量であり、アルコキシ化度は、各アニオン性界面活性剤のアルコキシ基の数である。
【0044】
典型的には約2%〜約60%の重量平均分枝率を有する分枝状アニオン性界面活性剤が好ましく、より好ましくは、約5%〜約40%の重量平均分枝率を有するものである。
【0045】
好ましくは、本発明の洗剤で使用するアニオン性界面活性剤は、約5%〜約40%、好ましくは約10%〜約35%、より好ましくは約20%〜約30%の分枝率を有する分枝状アニオン性界面活性剤を含む。好ましくは、分岐基はアルキルである。典型的には、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、環状アルキル基、及びこれらの混合物から選択される。単一又は複数のアルキル分枝基は、本発明の洗剤で使用するアニオン性界面活性剤を生成するために用いる、出発アルコール(複数を含む)のヒドロカルビル主鎖に存在することができる。最も好ましくは、分枝状アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、及びこれらの混合物から選択される。
【0046】
分枝状アニオン性界面活性剤は、単一のアニオン性界面活性剤又はアニオン性界面活性剤の混合物であり得る。単一の界面活性剤の場合、分岐の割合は、界面活性剤が誘導される元のアルコールにおいて分岐しているヒドロカルビル鎖の重量%を指す。
【0047】
界面活性剤混合物の場合、分岐の割合は重量平均であり、以下の式に従って定義され、
分岐の重量平均(%)=[(x1
*アルコール1中の分岐アルコール1の重量%+x2
*アルコール2中の分岐アルコール2の重量%+....)/(x1+x2+....)]
*100
式中、xl、x2、...は、本発明の洗剤のアニオン性界面活性剤のための出発原料として使用したアルコールの全アルコール混合物中の各アルコールのグラム単位の重量である。重量平均分枝化度の計算には、分枝基を有しないアニオン性界面活性剤成分の重量も含めなければならない。
【0048】
好ましくは、界面活性剤系は、界面活性剤系の少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、特に少なくとも70重量%の分枝状エトキシル化アルコールを含む。特に好ましい界面活性剤系では、分枝状アニオン性界面活性剤は、約0.1〜約5の又は0.2〜約3の平均エトキシル化度、及び好ましくは約5%〜約40%の分枝率を有するアルキルエトキシル化サルフェートをその50重量%超含む。
【0049】
好ましくは、分枝状アニオン性界面活性剤は、分枝状アニオン性界面活性剤の少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、特に少なくとも70重量%のサルフェート界面活性剤を含む。洗浄観点の技術から特に好ましい洗剤は、分枝状アニオン性界面活性剤がその50重量%超、より好ましくは少なくとも60重量%、特に少なくとも70重量%のサルフェート界面活性剤を含んでおり、このサルフェート界面活性剤がアルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート及びこれらの混合物からなる群から選択される洗剤である。更により好ましいのは、分枝状アニオン性界面活性剤が約0.2〜約3、より好ましくは約0.3〜約2、更により好ましくは約0.4〜約1.5、特に約0.4〜約1のエトキシ化度を有しており、更により好ましくはアニオン性界面活性剤が約10%〜約35%、より好ましくは約20%〜約30%の分枝率を有するものである。
【0050】
サルフェート界面活性剤
好ましくは、界面活性剤は、アニオン性サルフェート界面活性剤を含む。アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート及びそれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性サルフェート界面活性剤は、特に食器洗浄組成物のために特に好ましくあり得る。
【0051】
特に、アルコキシル化アニオン性界面活性剤、より好ましくはアルキルアルコキシサルフェート界面活性剤が好ましい。本明細書に用いるのに好ましいアルキルアルコキシサルフェートは、アルキルエトキシサルフェートである。本明細書で使用するのに好適なサルフェート界面活性剤としては、C8〜C18のアルキル若しくはヒドロキシアルキル、サルフェート及び/又はエーテルサルフェートの水溶性塩が挙げられる。好適な対イオンとしては、アルカリ金属カチオン又はアンモニウム若しくは置換アンモニウムが挙げられるが、ナトリウムが好ましい。
【0052】
サルフェート界面活性剤は、C8〜C18の第一級分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS);C8〜C18の第二級(2,3)アルキルサルフェート;C8〜C18のアルキルアルコキシサルフェート(AExS)(式中、好ましくは、xは1〜30であり、アルコキシ基はエトキシ、プロポキシ、ブトキシ、又は更にはより高級なアルコキシ基、及びこれらの混合物から選択することができる)から選択することができる。アルコキシル化アニオン性界面活性剤は、通常、約0.1〜11又は0.1〜7、好ましくは約0.2〜約4、更により好ましくは約0.3〜約3、更により好ましくは約0.4〜約1.5、特に約0.4又は0.2〜約1の平均アルコキシル化度を有する。好ましくは、アルコキシ基は、エトキシである。
【0053】
アルキルサルフェート及びアルキルアルコキシサルフェートは、様々な鎖長、エトキシ化度及び分枝度で市販されている。市販品として入手可能なサルフェートとしては、Shell社製のNeodolアルコール、Sasol社製のLial−Isalchem及びSafol、Procter & Gamble Chemicals社製の天然アルコールをベースにしたものが挙げられる。
【0054】
界面活性剤系は、アルキルサルフェート及び/又はアルキルエトキシサルフェート、より好ましくは、組み合わせた平均エトキシ化度が5未満、好ましくは3未満、より好ましくは2未満及び0.5超である、アルキルサルフェート及び/又はアルキルエトキシサルフェートの組み合わせを含む。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、約5%〜約40%の平均分枝度を有する。
【0055】
スルホネート界面活性剤
本明細書における使用に適したスルホネート界面活性剤としては、C8〜C18アルキル又はヒドロキシアルキルスルホネートの水溶性塩;国際公開第99/05243号、同第99/05242号、同第99/05244号、同第99/05082号、同第99/05084号、同第99/05241号、同第99/07656号、同第00/23549号、及び同第00/23548号に記載されるC11〜C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES);及びα−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。スルホネート界面活性剤としては、モノスルホネート及び/又はジスルホネートであり得るパラフィンスルホネートも挙げられ、10〜20個の炭素原子を有するパラフィンのスルホン化により得られる。スルホネート界面活性剤としては、アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤も挙げられる。特に、洗濯洗剤に関して、アニオン性界面活性剤は、好ましくは少なくとも40%、又はより好ましくは少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は更には少なくとも80%若しくは90%のスルホネート界面活性剤を含む。
【0056】
脂肪酸
高級脂肪酸の水溶性塩、すなわち「石鹸」はまた、本発明の洗浄組成物において有用なアニオン性界面活性剤であり得る。これには、約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約12〜約18個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、及びアルキルアンモニウム塩のような、アルカリ金属石鹸が挙げられる。石鹸は、油脂の直接鹸化によって、又は遊離脂肪酸の中和によって作製することができる。かかるアルカリ塩としては、脂肪酸の、ナトリウム、カリウム、リチウム及び/又はマグネシウム塩並びにアンモニウム及び/若しくはアルキルアンモニウム塩等の、一価又は二価のアルカリ金属塩、好ましくはナトリウム塩が挙げられる。特に有用なものは、ココヤシ油、パーム核油及び獣脂由来の脂肪酸の混合物のナトリウム塩及びカリウム塩、すなわち、ナトリウム又はカリウムタロー、パーム核及びココヤシ石鹸である。洗剤組成物は、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約3重量%、より好ましくは約1重量%〜約1.5重量%の1種以上の脂肪酸及び/又はそのアルカリ塩を含んでもよい。これは、改善されたすすぎを提供するのに特に有利であり得る。しかしながら、本発明の洗浄組成物は、石鹸を、例えば、好ましくは約5重量%以下、より好ましくは約2重量%以下又は1重量%以下の比較的低い濃度で含有し、洗浄組成物は、石鹸を本質的に含まないことが最も好ましい。脂肪酸が添加される場合、脂肪酸は、非常に低レベルの不飽和脂肪酸、特にオレイン酸を含有することが好ましい。組成物中のオレイン酸のレベルは、好ましくは組成物の0.5重量%未満、より好ましくは0.3重量%未満、より好ましくは0.2重量%未満、又は更には0.1重量%未満であり、最も好ましくはオレイン酸を実質的に含まない。より高いレベルが適応され得るが、それらの存在によって引き起こされる競合に対抗するために、追加の酵素が存在する必要があり得る。オレイン酸が組み込まれている場合には、酵素安定剤もまた組み込むことが好ましくあり得る。封入によるなどの物理的安定化が特に好ましい場合がある。
【0057】
非イオン性界面活性剤
存在する場合、非イオン性界面活性剤は通常、組成物の0.05重量%〜30重量%、好ましくは0.1重量%〜20重量%、最も好ましくは0.5重量%〜10重量%若しくは0.5重量%〜7重量%、又は更には0.5重量%〜3重量%の量で存在する。非イオン性界面活性剤は、好ましくは界面活性剤系の1〜60重量%の量で界面活性剤系中に存在し、特に洗濯洗剤については、好ましくは界面活性剤系に基づいて2〜60、又は5〜55重量%である。好適な非イオン性界面活性剤としては、脂肪族アルコールと1〜25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、一級であっても二級であってもよく、一般的に8〜22個の炭素原子を含有し得る。特に好ましいのは、10〜18個の炭素原子、好ましくは10〜15個の炭素原子を含有するアルキル基を有するアルコールと、アルコール1モル当たり2〜18モル、好ましくは2〜15モル、より好ましくは5〜12モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。極めて好ましい非イオン性界面活性剤は、ゲルベアルコールと、アルコール1モル当たり2〜18モル、好ましくは2〜15モル、より好ましくは5〜12モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。
【0058】
しかしながら、本発明のある好ましい実施形態において、特に食器洗浄に関して、洗浄組成物は、非イオン性界面活性剤を、比較的低い濃度、例えば、約3重量%以下、より好ましくは約2重量%以下又は1重量%以下で含有し、前述の洗浄組成物が非イオン性界面活性剤を本質的に含まないことが最も好ましい。
【0059】
本明細書において有用な他の界面活性剤としては、両性界面活性剤、双極性イオン界面活性剤及びカチオン性界面活性剤が挙げられる。そのような界面活性剤は、典型的には、約0.2重量%、0.5重量%又は1重量%〜約10重量%、20重量%又は30重量%のレベルで存在する。更に好ましい実施形態では、本発明の組成物は、両性及び/又は双極性イオン界面活性剤、より好ましくはアミンオキシド又はベタイン界面活性剤、最も好ましくはアミンオキシドを更に含む。
【0060】
本発明の好ましいが必須ではない実施形態では、洗浄組成物は、1種以上の両性及び/又は双極性イオン界面活性剤、好ましくはアミンオキシドを約0.5重量%〜約20重量%含有する液体食器用洗剤組成物である。
【0061】
両性界面活性剤
好ましい両性界面活性剤は、例えば、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシドのようなアミンオキシド界面活性剤からなる群から選択され、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、特にココジメチルアミノオキシドである。アミンオキシドは、直鎖又は中鎖分枝状アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖アミンオキシドとしては、1つのR1 C8〜18アルキル部分と、C1〜3アルキル基及びC1〜3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つのR2及びR3部分とを含有する水溶性アミンオキシドが挙げられる。好ましくは、アミンオキシドは、式R1−N(R2)(R3)O(式中、R1はC8〜18アルキルであり、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、及び3−ヒドロキシプロピルからなる群から選択される)により特徴付けられる。直鎖アミンオキシド系界面活性剤としては、特に、直鎖C10〜C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖C8〜C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。好ましいアミンオキシドとしては、直鎖C10、直鎖C10〜C12、及び直鎖C12〜C14アルキルジメチルアミンオキシドが挙げられる。本明細書で使用するとき、「中鎖分枝状(mid-branched)」とは、アミンオキシドが、n1個の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、このアルキル部分における1つのアルキル分枝がn2個の炭素原子を有することを意味する。アルキル分枝は、アルキル部分の窒素のα炭素に位置する。アミンオキシドにおけるこの種の分岐は、当該技術分野において、内部アミンオキシドとしても知られている。n1とn2との合計は、10〜24個の炭素原子、好ましくは12〜20個、より好ましくは10〜16個である。1つのアルキル部分と1つのアルキル分岐とが対称となるように、1つのアルキル部分の炭素原子数(n1)は、1つのアルキル分岐の炭素原子数(n2)とおよそ同じでなければならない。本明細書で使用するとき、「対称」とは、本明細書で使用される中鎖分枝状アミンオキシドの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%〜100重量%において、|n1−n2|が5以下、好ましくは4、最も好ましくは0〜4の炭素原子であることを意味する。アミンオキシドは、C1〜3アルキル、C1〜3ヒドロキシアルキル基、又は平均して約1〜約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基から独立して選択される2つの部分を更に含む。好ましくは、2つの部分は、C1〜3アルキルから選択され、より好ましくはいずれもC1アルキルとして選択される。最も好ましくは、補助界面活性剤は、アミンオキシド、特に、C10〜C18アルキルジメチルアミンオキシドである。
【0062】
双極性イオン界面活性剤
他の好適な界面活性剤には、ベタイン、例えばアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミダゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタインとも呼ばれる)並びにホスホベタインが含まれる。好ましいベタイン類は、式Iを満たし、
R
1−[CO−X(CH
2)
n]
x−N
+(R
2)(R
3)−(CH
2)
m−[CH(OH)−CH
2]
y−Y− (I)
式中、R
1は、飽和又は不飽和C6〜22アルキル残基であり、好ましくはC8〜18アルキル残基、特に飽和C10〜16アルキル残基、例えば飽和C12〜14アルキル残基であり、
Xは、NH、C1〜4アルキル残基R
4を有するNR
4、O又はSであり、
nは、1〜10の数、好ましくは2〜5、特に3であり、
xは、0又は1、好ましくは1であり、
R
2、R
3は独立して、ヒドロキシエチル、好ましくはメチルなどのヒドロキシ置換される可能性のあるC1〜4アルキル残基であり、
mは、1〜4の数、特に1、2又は3であり、
yは、0又は1であり、
Yは、COO、SO3、OPO(OR
5)O又はP(O)(OR
5)Oであり、式中、R
5は、水素原子H又はC1〜4アルキル残基である。
【0063】
好ましいベタインは、式(Ia)のアルキルベタイン、式(Ib)のアルキルアミドプロピルベタイン、式(Ic)のスルホベタイン、及び式(Id)のアミドスルホベタインであり、
R
1−N
+(CH
3)
2−CH
2COO
− (Ia)
R
1−CO−NH(CH
2)
3−N
+(CH
3)
2−CH
2COO
− (Ib)
R
1−N
+(CH
3)
2−CH
2CH(OH)CH
2SO
3− (Ic)
R
1−CO−NH−(CH
2)
3−N
+(CH
3)
2−CH
2CH(OH)CH
2SO
3− (Id)、式中、R
11は、式Iと同じ意味である。特に好ましいベタインは、カルボベタイン[式中、Y
−=COO
−]であり、特に式(Ia)及び(Ib)のカルボベタインであり、式(Ib)のアルキルアミドベタインがより好ましい。
【0064】
好適なベタイン及びスルホベタインの例は、アーモンドアミドプロピルベタイン、アプリコットアミドプロピルベタイン、アボカドアミドプロピルベタイン、ババスアミドプロピルベタイン、ベヘナミドプロピルベタイン、ベヘニルベタイン、ベタイン、キャノーラミドプロピルベタイン、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、カルニチン、セチルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタイン、ココヒドロキシスルタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、ココスルタイン、デシルベタイン、ジヒドロキシエチルオレイルグリシネート、ジヒドロキシエチル大豆グリシネート、ジヒドロキシエチルステアリルグリシネート、ジヒドロキシエチルタローグリシネート、PG−ベタインのプロピルジメチコーン、エルカミドプロピルヒドロキシスルタイン、水素添加タローベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、ミルクアミドプロピルベタイン、ミンクアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレイルベタイン、オリーブアミドプロピルベタイン、ヤシアミドプロピルベタイン、パルミタミドプロピルベタイン、パルミトイルカルニチン、ヤシ仁アミドプロピルベタイン、ポリテトラフルオロエチレンアセトキシプロピルベタイン、リシノール酸アミドプロピルベタイン、セサミドプロピルベタイン、ソイアミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、タローアミドプロピルベタイン、タローアミドプロピルヒドロキシスルタイン、タローベタイン、タロージヒドロキシエチルベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、及び小麦胚芽アミドプロピルベタインである[INCIに従って表記]。例えば、好ましいベタインは、ココアミドプロピルベタインである。
【0065】
したがって、本発明の洗剤組成物において最も好ましい界面活性剤系は、(1)全組成物の1重量%〜40重量%、好ましくは6重量%〜32重量%、より好ましくは8重量%〜25重量%のアニオン性界面活性剤、好ましくはアルコキシ化サルフェート界面活性剤、(2)組成物の0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.2重量%〜15重量%、より好ましくは0.5重量%〜10重量%の両性及び/又は双極性イオン及び/又は非イオン性界面活性剤を含む。好ましい組成物は、両性及び非イオン性界面活性剤の組成物の0.01重量%〜20重量%を含み、最も好ましくは両性界面活性剤がアミンオキシド界面活性剤を含む。オレイン酸ヒドラターゼ酵素と組み合わせたそのような界面活性剤系は、特に、脂性汚れ及び脂性汚れの分解生成物の存在下で、非常に良好な泡立ち特性を有すると同時に、手動食器洗浄洗剤から必要とされる優れた洗浄を提供し、洗浄物の良好な仕上がりを提供することがわかった。
【0066】
酵素安定剤
好ましくは、本発明の組成物は酵素安定剤を含む。好適な酵素安定剤は、(a)アルカリ土類金属、アルカリ金属、アルミニウム、鉄、銅及び亜鉛、好ましくはアルカリ金属及びアルカリ土類金属の無機塩又は有機塩、好ましくはハロゲン化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、及びそれらの混合物とのアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩からなる群から好ましくは選択される、一価、二価及び/又は三価カチオンからなる群から選択されてもよい。好ましい実施形態において、塩は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、乳酸カルシウム、硝酸カルシウム及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましいものは、塩化カルシウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、乳酸カルシウム、硝酸カルシウム、及びこれらの混合物からなる群から選択された塩であり、特に、塩化カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、ギ酸カリウム、プロピオン酸カリウム、乳酸カリウム及びこれらの混合物からなる群から選択されるカリウム塩である。酢酸カリウム及び塩化カリウムが最も好ましい。好ましいカルシウム塩は、ギ酸カルシウム、乳酸カルシウム、硝酸カルシウム四水和物を含む硝酸カルシウムである。ギ酸カルシウム及びギ酸ナトリウム塩も好ましい。これらのカチオンは、総組成物の少なくとも約0.01重量%、好ましくは少なくとも約0.03重量%、より好ましくは少なくとも約0.05重量%、最も好ましくは少なくとも約0.25重量%で、約2重量%まで、更に1重量%までで存在する。これらの塩は、組成物の総重量に対して約0.1〜約5重量%、好ましくは約0.2〜約4重量%、より好ましくは約0.3〜約3重量%、最も好ましくは約0.5〜約2重量%で配合される。更に酵素安定剤は、(b)オリゴ糖、多糖類及びそれらの混合物、例えば国際公開第201219844号に記載のグリセリン単糖からなる群から選択される炭水化物、(c)フェニルボロン酸及びその誘導体、好ましくは4−ホルミルフェニルボロン酸からなる群から選択される大量で効率的な可逆的プロテアーゼ阻害剤、(d)1,2−プロパンジオール、プロピレングリコール等のアルコール、(e)ペプチドアルデヒド安定剤例えば、Cbz−Gly−Ala−Tyr−Hのようなトリペプチドアルデヒド、又は二置換アラニンアミド、(f)カルボン酸、例えば国際公開第2012/19849号に記載のフェニルアルキルジカルボン酸のようなカルボン酸、又は国際公開第2012/19848号に記載されるようなベンジル基の少なくとも2つの炭素原子にカルボキシル基を含む多重置換ベンジルカルボン酸、フタロイルグルタミン酸、フタロイルアスパラギン酸、アミノフタル酸及び/又はオリゴアミノ−ビフェニル−オリゴカルボン酸、及び(g)それらの混合物、の群から選択することができる。適切な混合物の例は、(1)ホウ素含有化合物などの可逆的プロテアーゼ阻害剤、(2)1−2プロパンジオール、(3)ギ酸カルシウム及び/又はギ酸ナトリウム、(4)それらの任意の組み合わせを含む。
【0067】
本発明の洗浄組成物が粉末形態で提供される場合、同様に、この粉末がビルダーを低濃度で含むか又は更には本質的に含まないことが、特に好ましい場合があり得る。「実質的に含まない」なる用語は、組成物が「意図的に添加された」量のその成分を含まないことを意味する。好ましい実施形態において、本発明の洗浄組成物は、ビルダーをいっさい含まない。
【0068】
追加酵素
好適な追加酵素としては、プロテアーゼ、例えばメタロプロテアーゼ又はアルカリ性セリンプロテアーゼ、例えばサブチリシン、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼ、DNAse、酸化還元酵素、ペルオキシダーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、セロビオヒドロラーゼ、セロビオースデヒドロゲナーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、アミラーゼ、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0069】
本発明の好ましい組成物はリパーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ及びそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上の酵素を含む。
【0070】
各追加の酵素は、典型的には0.0001〜1重量%(活性タンパク質の重量)、より好ましくは0.0005〜0.5重量%、最も好ましくは0.005〜0.1%の量で存在する。本発明の組成物は、リパーゼ酵素を更に含むことが特に好ましくあり得る。リパーゼは、脂肪酸エステルの汚れを脂肪酸に分解し、次いで、それはオレイン酸転換酵素によって泡立ち中性剤又は泡立ち増進剤へと作用される。好適なリパーゼとしては、細菌由来、真菌由来、又は合成由来、及びこれらの変異体が挙げられる。化学的に改変された又はタンパク質操作された突然変異体も適している。好適なリパーゼの例としては、フミコーラ(Humicola)(同意語サーモマイセル(Thermomyces))由来、例えば、H.ラヌギノサ(H. lanuginosa)(T.ラヌギノサス(T. lanuginosus))由来のリパーゼが挙げられる。
【0071】
リパーゼは、例えば、国際公開第06/090335号、及び国際公開第13/116261号に記載のリパーゼ等の「第1のサイクルリパーゼ」であってもよい。一態様では、リパーゼは、第1の洗浄用リパーゼであり、好ましくは、T231R及び/又はN233R突然変異を含む、サーモマイセス・ラヌギノサス由来の野生型リパーゼの変異体である。好ましいリパーゼとしては、Novozymes(Bagsvaerd,Denmark)によりLipex(登録商標)、Lipolex(登録商標)、及びLipoclean(登録商標)の商品名で販売されているリパーゼが挙げられる。
【0072】
他の好適なリパーゼとしては、Liprl 139(例えば、国際公開第2013/171241号に記載)及びTfulLip2(例えば、国際公開第2011/084412号及び国際公開第2013/033318号に記載)が挙げられる。
【0073】
本発明の組成物は、プロテアーゼ酵素を更に含むことが特に好ましくあり得る。オレイン酸及びその他の発泡抑制脂肪酸は体の汚れやヒトの皮膚にも存在するため、プロテアーゼ酵素はスキンケア剤として作用し、又はタンパク質性汚れを破壊するため、放出された脂肪酸は分解され、泡立ちの抑制が抑制される。好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ及び/又はセリンプロテアーゼが挙げられる。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、サブチリシン(EC 3.4.21.62)、トリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ、及びメタロプロテアーゼが挙げられる。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に改変された突然変異体が挙げられる。
【0074】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、Novozymes A/S(Denmark)より、Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)及びEsperase(登録商標)の商品名で販売されているもの、DuPontより、Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Preferenz(登録商標)P280、Preferenz(登録商標)P281、Preferenz(登録商標)P2018−C、Preferenz(登録商標)P2081−WE、Preferenz(登録商標)P2082−EE及びPreferenz(登録商標)P2083−A/Jを含む、Preferenz(登録商標)シリーズのプロテアーゼ、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)の商品名で販売されているもの、Solvay Enzymesより、Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Henkel/Kemiraより入手可能なもの、すなわちBLAP(以下の突然変異S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sを有する、米国特許第5,352,604号の
図29で示される配列、以下BLAPという)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)(全てHenkel/Kemiraより入手可能);並びにKaoのKAP(突然変異A230V+S256G+S259Nを有するバチルス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)由来のサブチリシン)が挙げられる。
【0075】
好適なプロテアーゼについては、国際公開第11/140316号及び同第11/072117号に記載されている。
【0076】
本発明の組成物は、アミラーゼ酵素を更に含むことが特に好ましくあり得る。油性汚れが一般にデンプン質汚れに捕捉されるため、アミラーゼ及びヒドラターゼ酵素は一緒に相乗的に作用し、デンプン質汚れのアミラーゼによる分解によって脂肪酸汚れが放出され、したがって、ヒドラターゼ酵素は、洗浄液中の泡立ちに悪影響を及ぼさないことを確実にする上で特に有効である。好ましいアミラーゼは、バチルス種DSM12649に内在するAA560αアミラーゼから誘導され、好ましくは以下の突然変異:R118K,D183
*,G184
*,N195F,R320K,及び/又はR458K.を有する。好適な市販のアミラーゼとしては、Stainzyme(登録商標)、Stainzyme(登録商標)Plus、Natalase、Termamyl(登録商標)、Termamyl(登録商標)Ultra、Liquezyme(登録商標)SZ、Duramyl(登録商標)、Everest(登録商標)(全てNovozymes)及びSpezyme(登録商標)AA、Preferenz S(登録商標)シリーズのアミラーゼ、Purastar(登録商標)及びPurastar(登録商標)Ox Am、Optisize(登録商標)HT Plus(全てDu Pont)が挙げられる。好適なアミラーゼについては、国際公開第06/002643号に記載されている。
【0077】
本発明の組成物は、セルラーゼ酵素を更に含むことが特に好ましくあり得る。好適なセルラーゼとしては、細菌由来又は真菌由来のセルラーゼが挙げられる。化学的に改変された又はタンパク質操作された突然変異体も適している。好適なセルラーゼとしては、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、フミコーラ(Humicola)属、フサリウム(Fusarium)属、チエラビア(Thielavia)属、アクレモニウム(Acremonium)属由来のセルラーゼ、例えば、フミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)、ミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、及びフサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)から生成される、真菌セルラーゼが挙げられる。
【0078】
市販のセルラーゼとしては、Celluzyme(登録商標)、Carezyme(登録商標)、及びCarezyme(登録商標)Premium、Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S)、Revitalenz(登録商標)シリーズの酵素(Du Pont)、並びにBiotouch(登録商標)シリーズの酵素(AB Enzymes)が挙げられる。好適な市販のセルラーゼとしては、Carezyme(登録商標)Premium、Celluclean(登録商標)Classicが挙げられる。好適なセルラーゼについては、国際公開第07/144857号及び同第10/056652号に記載されている。
【0079】
キレート剤
本発明の組成物は、キレート剤を組成物の総量の0.1重量%〜20%重量%、好ましくは0.2重量%〜5重量%、より好ましくは0.2重量%〜3重量%の濃度で含む。
【0080】
洗剤分野において通常理解されるように、キレート化は、本明細書において、二座配位子又は多座配位子の結合又は錯化を意味する。多くの場合有機化合物であるこれらの配位子は、キレート剤、キレーター、キレート化剤、及び/又は金属イオン封鎖剤と呼ばれる。キレート化剤は、単一金属イオンと多重結合を形成する。キレート剤は、特定の金属イオンと可溶性錯体分子を形成する化学物質であり、これらイオンが他の元素又はイオンと正常に反応して沈殿物又はスケールを生成することができないように、これらイオンを不活性化し、又は汚れにそれらを取り除くことをより困難にする殻を形成する。配位子は、基質とキレート錯体を形成する。この用語は、金属イオンがキレート剤の2つ以上の原子と結合する錯体のためにある。
【0081】
好適なキレート剤は、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、ポリカルボキシレートキレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0082】
本明細書で用いるのに好ましいキレート剤は、アミノ酸系キレート剤、及び好ましくはグルタミン酸−N,N−二酢酸(GLDA)、メチル−グリシン−二酢酸(MGDA)並びに誘導体、並びに/又はホスホネート系キレート剤、及び好ましくはジエチレントリアミンペンタメチルホスホン酸若しくはヒドロキシエチルジホスホン酸である。GLDA(その塩及び誘導体)は、本発明によれば特に好ましく、その四ナトリウム塩が特に好ましい。
【0083】
他のキレート剤としては、ポリカルボン酸、及びその部分又は完全中和塩、モノマーのポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸、並びにそれらの塩のホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。好適なポリカルボン酸は、非環式、脂環式、複素環式及び芳香族カルボン酸であり、この場合、これらは、いずれの場合も、好ましくは2個以下の炭素原子によって互いに離れている少なくとも2つのカルボキシル基を含有する。好適なヒドロキシカルボン酸は、例えばクエン酸である。別の好適なポリカルボン酸は、アクリル酸のホモポリマーである。スルホネートでエンドキャップされたポリカルボキシレートが好ましい。
【0084】
溶媒
洗浄組成物は、液体洗剤組成物、好ましくは洗濯又は液体食器洗浄洗剤の形態である場合、組成物の総重量の約1重量%〜約80重量%、好ましくは約5重量%〜約70重量%、より好ましくは約10重量%〜約60重量%、より好ましくは約15重量%〜約50重量%、最も好ましくは約20重量%〜約45重量%の範囲の量で存在し得る、1種以上の有機溶媒を更に含み得る。組成物は、特に、組成物が食器洗浄組成物である場合に、洗浄溶媒を含むことが好ましい。
【0085】
洗浄溶媒:
本発明の液体組成物は、油脂洗浄溶媒又はこれらの混合物を、非常に好ましい任意成分として含んでもよい。適切な溶媒は、4〜14個の炭素原子、好ましくは6〜12個の炭素原子、より好ましくは8〜10個の炭素原子を有するエーテル類及びジエーテル類;グリコール類又はアルコキシ化グリコール類;アルコキシル化芳香族アルコール類;芳香族アルコール類;アルコキシル化脂肪族アルコール類;脂肪族アルコール類;C8〜C14アルキル及びシクロアルキル炭化水素類及びハロ炭化水素類;C6〜C16のグリコールエーテル類;アルカノールアミン;テルペン類;及びこれらの混合物からなる群から選択される。典型的には、本明細書の液体組成物は、組成物全体の30重量%まで、好ましくは1重量%〜25重量%、より好ましくは1重量%〜20重量%、最も好ましくは2重量%〜10重量%の上記溶媒又はその混合物を含み得る。
【0086】
液体洗剤組成物の相分離は、特にそのような組成物中の塩含量が高い場合、常に課題であるため、本発明の溶媒系は、相分離のリスクを最小限に抑えるように特に設計される。具体的には、本発明の溶媒系は、主にジオール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、及びこれらの組み合わせから構成される。ジオールは、本発明の液体洗剤組成物中に、約2重量%〜約50重量%の範囲の総量で存在する。本組成物中のエチレン、ジエチレングリコール、及び/又はプロピレングリコールの総含有量は、約5重量%〜約40重量%の範囲であることが好ましい。本組成物中のプロピレングリコール含有量は、約15重量%〜約35重量%の範囲であることがより好ましい。同様に存在し得る他の有機溶媒としては、限定されないが、メタノール、エタノール、グリセリン、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、クメンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、又はこれらの混合物が挙げられる。他の低級アルコール、例えば、モノエタノールアミン及び/又はトリエタノールアミンなどのC
1〜C
4のアルカノールアミンを使用することもできる。本発明の特に好ましい実施形態において、本発明の液体洗剤組成物はまた、ジオール(類)の他に、約5重量%〜約20重量%、好ましくは6重量%〜18重量%、より好ましくは8重量%〜16重量%のグリセリンも含有する。
【0087】
本発明の液体洗剤組成物には、水と共に担体(類)として上記の有機溶媒(類)が含有されていることが好ましい。いくつかの実施形態において、水は、本発明の液体洗剤組成物中に、約20重量%〜約90重量%、好ましくは約25重量%〜80重量%、より好ましくは約30重量%〜約70重量%の範囲の量で存在する。他の実施形態では、水は存在せず、組成物は無水である。本発明により得られる非常に好ましい組成物は、透明な等方性の液体である。
【0088】
本明細書において上記されている液体洗剤組成物はまた、外部構造剤を含有する場合があり、この外部構造剤は、組成物の総重量の約0.001重量%〜約1.0重量%、好ましくは約0.05重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約0.3重量%の範囲の量で存在し得る。適切な外部構造化剤としては、例えば米国特許出願第2007/169741号及び同第2005/0203213号に記載されるものが挙げられる。本発明を実施する上で特に好ましい外部構造化剤(external structurant)は、トリヒドロキシルステアリンとも呼ばれ、Thixin(登録商標)の商品名で市販されている硬化ヒマシ油、及び場合により柑橘類繊維のような変性天然繊維から選択される。
【0089】
本発明の洗浄組成物の残部は、典型的に、約5重量%〜約70重量%、又は約10重量%〜約60重量%の補助成分を含む。
【0090】
洗濯洗剤製品用の好適な補助成分としては、ビルダー、キレート化剤、移染防止剤、分散剤、レオロジー変性剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成済み過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ欠失/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、光漂白剤、構造伸縮性付与剤、柔軟仕上げ剤、担体、向水性物質、加工助剤、溶媒、色相剤、抗菌剤、遊離型香油、辛味剤、嫌悪剤、催吐剤、苦味物質並びに/又は顔料が挙げられる。下記開示に加えて、このような他の補助成分の好適な例及び使用量は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812号及び同第6,326,348号に記載されている。液体洗濯洗剤組成物中におけるこれら補助成分の正確な性質及びその濃度は、組成物の具体的な種類、及び組成物が使用される洗浄作業の性質などの要因によって決まる。
【0091】
食器用洗剤製品用の好適な補助成分としては、ビルダー、キレート剤、調整用ポリマー、洗浄用ポリマー、表面修飾用ポリマー、汚れ凝集用ポリマー、構造化剤、皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚再生活性物質、カルボン酸、スクラブ粒子、漂白剤及び漂白活性化剤、香料、悪臭防除剤、顔料、染料、乳白剤、ビーズ、真珠光沢粒子、マイクロカプセル、有機及び無機カチオン(例えばCa/Mgイオン及びジアミンなどのアルカリ土類金属)、抗菌剤、防腐剤、及びpH調整剤、及び緩衝化手段が挙げられる。
【0092】
組成物が固体流動性微粒子を含む場合、洗剤組成物は、好ましくは、洗濯洗剤組成物の一部のみを形成する噴霧乾燥粒子、押出粒子、又は凝集粒子などの洗濯洗剤組成物の一部分ではなく、完全に配合された洗濯洗剤組成物を含む。典型的には、固体組成物は、以下から選択される1つ以上の、典型的には2つ以上の、又は5つ以上の、又は更には10以上の粒子と組み合わせて、多くの化学的に異なる粒子例えば噴霧乾燥洗剤粒子及び/又は凝集化ベースの洗剤粒子及び/又は押出化ベースの洗剤粒子を含み、例えば界面活性剤凝集物、界面活性剤押出物、界面活性剤ニードル、界面活性剤ヌードル、界面活性剤フレークを含む、界面活性剤粒子、リン酸塩粒子、ゼオライト粒子、ケイ酸塩粒子、特にナトリウムケイ酸塩粒子、炭酸塩粒子、特に炭酸ナトリウム粒子ポリマー粒子例えばカルボキシレートポリマー粒子、セルロース系ポリマー粒子、澱粉粒子、ポリエステル粒子、ポリアミン粒子、テレフタレートポリマー粒子、ポリエチレングリコール粒子、審美粒子例えば、着色したヌードル、ニードル、ラメラ粒子及びリング状粒子、酵素粒子例えば、プロテアーゼ顆粒、アミラーゼ顆粒、リパーゼ顆粒、セルラーゼ顆粒、マンナナーゼ顆粒、ペクチンリアーゼ顆粒、キシログルカナーゼ顆粒、漂白酵素顆粒、及びこれらの酵素のいずれかの共顆粒化物、好ましくはこれらの酵素顆粒が、硫酸ナトリウムを含み、漂白剤粒子、例えば過炭酸塩粒子、特に被覆過炭酸塩粒子、例えば、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、ホウケイ酸塩、又はこれらの任意の組み合わせで被覆された過炭酸塩、過ホウ酸塩粒子、漂白活性化剤粒子、例えばテトラアセチルエチレンジアミン粒子及び/又はアルキルオキシベンゼンスルホネート粒子、漂白触媒粒子、例えば、遷移金属触媒粒子、及び/又はイソキノリニウム漂白触媒粒子、予備成形過酸粒子、特に被覆予備成形過酸粒子、充填剤粒子例えば、硫酸塩粒子や塩化物粒子、粘土粒子例えば、モンモリロナイト粒子、粘土とシリコーンの粒子、凝集剤粒子例えば、酸化ポリエチレン粒子、ワックス粒子例えば、ワックス凝集物、シリコーン粒子、増白剤粒子、移染防止剤、染料固着剤粒子、香料粒子例えば、香料マイクロカプセル及び澱粉封入香料アコード粒子、又はプロ香料粒子例えばシッフ塩基反応生成物粒子、色調染料粒子、キレート剤凝集物のようなキレート剤粒子;及びそれらの任意の組み合わせである。
【0093】
ポリマー
カルボキシレートポリマー:組成物は、マレエート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーなどのカルボキシレートポリマーを含んでもよい。好適なカルボキシレートポリマーは、4,000Da〜9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマー、50,000〜100,000Da、又は60,000Da〜80,000Daの分子量を有するマレエート/アクリレートランダムコポリマーを含む。
【0094】
別の好適なカルボキシレートポリマーは、(i)カルボキシル基を含む1つ以上のモノマーから誘導される50〜98重量%未満の構造単位;(ii)スルホネート部分を含む1つ以上のモノマーから誘導される1〜49重量%未満の構造単位;並びに(iii)式(I)及び(II)により表されるエーテル結合含有モノマーから選択される1種以上のモノマーから誘導される1〜49重量%の構造単位を含む、コポリマーである。
【0095】
【化1】
式(I)中、R
0は、水素原子又はCH
3基を表し、Rは、CH
2基、CH
2CH
2基又は単結合を表し、Xは、0〜5の数を表し、但し、Xは、Rが単結合である場合、1〜5の数を表し、R
1は、水素原子又はC
1〜C
20有機基であり、
【0096】
【化2】
式(II)中、R
0は、水素原子又はCH
3基を表し、Rは、CH
2基、CH
2CH
2基又は単結合を表し、Xは、0〜5の数を表し、R
1は、水素原子又はC
1〜C
20有機基である。
【0097】
ポリマーは、少なくとも50kDa、又は更には少なくとも70kDaの重量平均分子量を有することが好ましい場合がある。
【0098】
汚れ放出ポリマー:組成物は、汚れ放出ポリマーを含んでもよい。好適な汚れ放出ポリマーは、以下の構造(I)、(II)、又は(III)のうちの1つによって特定される構造を有し、
(I)−[(OCHR
1−CHR
2)
a−O−OC−Ar−CO−]
d
(II)−[(OCHR
3−CHR
4)
b−O−OC−sAr−CO−]
e
(III)−[(OCHR
5−CHR
6)
c−OR
7]
f
式中、
a、b及びcは、1〜200であり、
d、e及びfは、1〜50であり、
Arは、1,4−置換フェニレンであり、
sArは、5位がSO
3Meにより置換された1,3−置換フェニレンであり、
Meは、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−若しくはテトラアルキルアンモニウム(アルキル基は、C
1〜C
18アルキル又はC
2〜C
10ヒドロキシアルキルである)、又はこれらの混合物であり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
6は、独立して、H又はC
1〜C
18 n−若しくはイソ−アルキルから選択され、
R
7は、直鎖状若しくは分枝状C
1〜C
18アルキル、又は直鎖状若しくは分枝状C
2〜C
30アルケニル、又は5〜9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC
8〜C
30アリール基、又はC
6〜C
30アリールアルキル基である。
【0099】
好適な汚れ放出ポリマーは、Clariantにより、TexCare(登録商標)シリーズのポリマー、例えば、TexCare(登録商標)SRN240及びTexCare(登録商標)SRA300として販売されている。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Solvayにより、Repel−o−Tex(登録商標)シリーズのポリマー、例えば、Repel−o−Tex(登録商標)SF2及びRepel−o−Tex(登録商標)Crystalとして販売されている。
【0100】
再付着防止ポリマー:好適な再付着防止ポリマーとしては、ポリエチレングリコールポリマー及び/又はポリエチレンイミンポリマーが挙げられる。
【0101】
好適なポリエチレングリコールポリマーとしては、(i)ポリエチレングリコールを含む親水性骨格鎖、並びに(ii)C
4〜C
25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C
1〜C
6モノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC
1〜C
6アルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される疎水性側鎖(複数可)を含む、ランダムグラフトコポリマーが挙げられる。好適なポリエチレングリコールポリマーは、ランダムグラフトポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリエチレングリコール主鎖を有する。ポリエチレングリコール主鎖の平均分子量は、2,000Da〜20,000Da、又は4,000Da〜8,000Daの範囲であり得る。ポリエチレングリコール主鎖のポリ酢酸ビニル側鎖に対する分子量比は、1:1〜1:5又は1:1.2〜1:2の範囲であり得る。エチレンオキシド単位当たりのグラフト部位の平均数は、1未満、又は0.8未満であってもよく、エチレンオキシド単位当たりのグラフト部位の平均数は、0.5〜0.9の範囲であってもよく、あるいはエチレンオキシド単位当たりのグラフト部位の平均数は、0.1〜0.5、又は0.2〜0.4の範囲であってもよい。好適なポリエチレングリコールポリマーは、Sokalan HP22である。好適なポリエチレングリコールポリマーについては、国際公開第08/007320号に記載されている。
【0102】
セルロース系ポリマー、好適なセルロース系ポリマーは、アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシルアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロース、スルホアルキルセルロースから選択され、より好ましくはカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物から選択される。
【0103】
好適なカルボキシメチルセルロースは、0.5〜0.9のカルボキシメチル置換度、及び100,000Da〜300,000Daの分子量を有する。
【0104】
好適なカルボキシメチルセルロースは、例えば、国際公開第09/154933号に記載されているように、0.65超の置換度及び0.45超のブロック性度を有する。
【0105】
ケアポリマー:好適なケアポリマーとしては、カチオン変性又は疎水変性されたセルロース系ポリマーが挙げられる。かかる変性されたセルロースポリマーは、洗濯サイクル中に布地に抗摩擦効果及び染料ロック効果をもたらし得る。好適なセルロース系ポリマーとしては、カチオン変性ヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。
【0106】
他の好適なケアポリマーとしては、染料ロックポリマー、例えば、イミダゾール及びエピクロロヒドリンの縮合によって、好ましくは1:4:1の比率で生成される縮合オリゴマーが挙げられる。好適な市販の染料ロックポリマーは、Polyquart(登録商標)FDI(Cognis)である。
【0107】
他の好適なケアポリマーとしては、アミノシリコーンが挙げられ、アミノシリコーンは、布地感触効果及び布地形状維持効果をもたらし得る。
【0108】
漂白剤:好適な漂白剤としては、過酸化水素、漂白活性剤、漂白触媒、予成形過酸、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。とりわけ好適な漂白剤としては、過酸化水素源と漂白活性剤及び/又は漂白触媒との組み合わせが挙げられる。
【0109】
過酸化水素源:好適な過酸化水素源としては過ホウ酸ナトリウム及び/又は過炭酸ナトリウムが挙げられる。
【0110】
漂白活性剤:好適な漂白活性剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン及び/又はアルキルオキシベンゼンスルホネートが挙げられる。
【0111】
漂白触媒:組成物は、漂白触媒を含んでもよい。好適な漂白触媒としては、オキサジリジニウム系漂白触媒、遷移金属漂白触媒、特にマンガン及び鉄漂白触媒が挙げられる。好適な漂白触媒は、以下の一般式に対応する構造を有する:
【0112】
【化3】
式中、R
13は、2−エチルヘキシル、2−プロピルへプチル、2−ブチルオクチル、2−ペンチルノニル、2−ヘキシルデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、イソ−ノニル、イソ−デシル、イソ−トリデシル及びイソ−ペンタデシルからなる群から選択される。
【0113】
予成形過酸:好適な予形成過酸としては、フタルイミドペルオキシカルボン酸が挙げられる。
【0114】
光沢剤:好適な光沢剤としては、ジ−スチリルビフェニル化合物(例えばTinopal(登録商標)CBS−X)、ジ−アミノスチルベンジ−スルホン酸化合物(例えばTinopal(登録商標)DMS pure Xtra及びBlankophor(登録商標)HRH)、並びにピラゾリン化合物(例えばBlankophor(登録商標)SN)、並びにクマリン化合物(例えばTinopal(登録商標)SWN)が挙げられる。
【0115】
好ましい光沢剤には、ナトリウム2−(4−スチリル−3−スルフォフェニル)−2H−ナフトール[1,2−d]トリアゾール、ジナトリウム4,4’−ビス{[(4−アニリノ−6−(Nメチル−N−2−ヒドロキシエチル)アミノ1,3,5−トリアジン−2−イル)]アミノ}スチルベン−2−2’ジスルホネート、ジナトリウム4,4’−ビス{[(4−アニリノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)]アミノ}スチルベン−2−2’ジスルホネート、及びジナトリウム4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルがある。好適な蛍光光沢剤には、C.I.蛍光光沢剤260があり、そのβ若しくはα結晶形態で使用しても、又はこれらの形態の混合物で使用してもよい。
【0116】
色調剤:好適な色調剤としては、典型的には、例えば、ブルー、バイオレット、レッド、グリーン又はブラックとして分類される、アシッド染料、ダイレクト染料、ベーシック染料、リアクティブ染料(その加水分解した形態を含む)、又は溶剤染料、又は分散染料のカラーインデックス(C.I.)分類に入り、単独で又は組み合わせてのいずれかで所望の色合いをもたらす、小分子染料が挙げられる。好ましいかかる色調剤としては、アシッドバイオレット50、ダイレクトバイオレット9、66、及び99、溶剤バイオレット13、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0117】
国際公開第2014/089386号に記載されている色調剤等、本発明に好適であり得る、多くの色調剤が当該技術分野において既知であり、記載されている。
【0118】
好適な色調剤としては、国際公開第2009/069077号に記載されているような、フタロシアニン及びアゾ染料結合体が挙げられる。
【0119】
好適な色調剤は、アルコキシル化されていてもよい。かかるアルコキシル化化合物は、異なるアルコキシル化度を有する分子の混合物を製造することができる、有機合成によって製造され得る。このような混合物は、色調剤を提供するために直接、使用されてもよく、又は標的分子の割合を増加させるために精製工程を受けてもよい。好適な色調剤としては、国際公開第2012/054835号に記載されているように、アルコキシル化ビスアゾ染料及び/又は国際公開第2008/087497号及び同第2012/166768号に記載されているように、アルコキシル化チオフェンアゾ染料が挙げられる。
【0120】
色調剤は、任意の精製工程での染料分子の有機合成の結果である反応混合物の一部として、洗剤組成物に組み込んでもよい。このような反応混合物は、一般的に、染料分子自体を含み、更に、未反応の出発物質及び/又は有機合成経路の副生成物を含むことができる。好適な色調剤は、国際公開第2009/069077号に記載されているように、色調染料粒子に組み込まれ得る。
【0121】
移染阻害剤:好適な移染阻害剤としては、ポリアミンN−酸化物ポリマー、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルオキサゾリドン、ポリビニルイミダゾール、並びにこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルピリジンベタイン)、ポリ(ビニルピリジンN−酸化物)、ポリ(ビニルピロリドンービニルイミダゾール)、及びこれらの混合物である。好適な市販の移染阻害剤としては、PVP−K15及びK30(Ashland)、Sokalan(登録商標)HP165、HP50、HP53、HP59、HP56K、HP56、HP66(BASF)、Chromabond(登録商標)S−400、S403E、及びS−100(Ashland)が挙げられる。
【0122】
香料:好適な香料は以下の群から選択される香料材料を含む:(a)3.0未満のClogP及び250℃未満の沸点を有する香料物質(象限1の香料物質)、(b)3.0未満のClogP及び250℃以上の沸点を有する香料物質(象限2の香料物質)、(c)3.0以上のClogP及び250℃未満の沸点を有する香料物質(象限3香料材料);(d)3.0以上のClogP及び250℃以上の沸点を有する香料材料を(象限4香料材料)、並びにe)これらの混合物。
【0123】
香料は、香料送達技術の形態にあることが好ましい場合がある。このような送達技術は、更に、洗濯された布地からの香料の付着及び放出を安定させ、強化する。このような香料送達技術を使用して、洗濯された布地から香料が放出する寿命を更に延長することもできる。好適な香料送達技術としては、香料マイクロカプセル、プロ香料、ポリマー支援型送達、分子支援型送達、繊維支援型送達、アミン支援型送達、シクロデキストリン、澱粉封入アコード、ゼオライト及び他の無機担体、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられる。好適な香料マイクロカプセルは、国際公開第2009/101593号に記載されている。
【0124】
好ましい洗剤組成物は手動食器洗浄洗剤であり、好ましくは液体形態である。洗剤は、典型的には、30重量%〜95重量%、好ましくは40重量%〜90重量%、より好ましくは50重量%〜85重量%の液体担体を含有し、この担体には他の必須成分及び任意選択成分が溶解、分散、又は懸濁している。液体担体の好ましい1つの成分は、水である。
【0125】
好ましくは洗剤のpHは、3〜14、より好ましくは4〜13、より好ましくは6〜12、及び最も好ましくは8〜10の間に調整する。洗剤のpHは、当該技術分野において既知のpH調節成分を使用して調整することができる。
【0126】
洗浄方法
本発明の他の態様は、本発明の組成物により器、特に食器を洗浄する方法を対象とする。前述の方法は、好ましくは液体状の組成物を、希釈又は未希釈のいずれかの形態で汚れ表面、特に食器の表面に適用する工程と、組成物をすすぐか、又は表面をすすがずに組成物を表面に残したまま乾燥させる工程と、を含む。
【0127】
「そのままの形態」とは、本明細書において、上記組成物が、適用前(直前)に希釈されることなく、処理される表面及び/又は洗浄装置若しくは器具例えば前処理装置、布巾、スポンジ又は皿用ブラシに、直接適用されることを意味する。洗浄装置又は器具は、組成物が供給される前又は後で濡れていることが好ましい。本明細書において「希釈形態」とは、上記組成物が、使用者により、適当な溶媒、典型的には水で希釈されていることを意味する。本明細書において「すすぐ」とは、本明細書の液体組成物を食器に適用する工程の後、本発明に従うプロセスを用いて洗浄された食器のような表面を、大量の適切な溶媒、典型的には水と接触させることを意味する。「大量」とは、通常、約1〜約10リットルを意味する。
【0128】
本明細書の組成物は、希釈形態にて適用できる。汚れ表面、例えば、汚れた食器を、典型的には(処理される食器約25個当たり)約0.5mL〜約20mL、好ましくは約3mL〜約10mLの有効量の本発明の洗剤組成物(好ましくは液体形態)を水で希釈したものと接触させる。使用される洗剤組成物の実際の量は使用者の判断に基づき、典型的には、組成物中の活性成分の濃度を含む組成物の特定の生成物配合、洗浄される汚れた食器の数、食器の汚れの程度などの要因に依存する。一般に、約0.01mL〜約150mL、好ましくは約3mL〜約40mLの本発明の液体洗剤組成物が、約1000mL〜約20000mL、より典型的には約5000mL〜約15000mLの範囲の容積のシンク中で、約2000mL〜約20000mL、より典型的には約5000mL〜約15000mLの水と組み合わされる。汚れた食器をこのように希釈した組成物を入れたシンク内に浸漬して、食器の汚れた表面を布、スポンジ又は類似の物品と接触させて洗浄する。布、スポンジ、又は類似の物品は、食器表面と接触させる前に、洗剤組成物と水との混合物に浸漬させてもよく、通常は、約1〜約10秒の範囲の時間にわたって食器表面と接触するが、実際の時間は各適用及び使用者によって異なる。布、スポンジ、又は同様の物品を表面に接触させることは、好ましくは同時に表面をごしごしこすることによって達成される。
【0129】
本発明の別の方法は、いかなる洗剤組成物も用いず、水浴中に食器などの汚れた物品を浸漬すること、又は流水下で保持することを含む。スポンジ又は前処理装置などの洗剤組成物を吸収するための装置は、典型的に約1〜約5秒の範囲の期間にわたって、別個の量の、好ましくは液体形態の未希釈洗剤組成物中に直接配置される。次いで、吸収装置、その結果として未希釈の洗剤組成物は、汚れた食器のそれぞれの表面と個々に接触して、前述の汚れを除去する。吸収装置は通常、約1〜約10秒の範囲の期間にわたって各表面と接触するが、実際の適用時間は、表面の汚れの程度などの要因に左右されることになる。吸収装置を食器表面に接触させることは、好ましくは同時にごしごしこすることを伴う。
【0130】
あるいは、装置は、汚れ表面と接触させる前に、洗剤組成物と水との混合物中に浸漬されてもよく、この濃縮溶液は、洗浄装置を収容できる小さい容器内で、使用者の習慣と洗浄作業に応じて、それぞれ約95:5〜約5:95、好ましくは約80:20〜約20:80、より好ましくは約70:30〜約30:70の範囲の洗剤組成物:水の重量比で、好ましくはそれぞれ液体形態の洗剤組成物:水の比で、洗剤を水で希釈することにより作製される。これらの方法は、食器である汚れ表面に特に適用される。
【0131】
本発明による洗剤組成物はまた、汚れた物を自動洗浄機にかける前の前処理組成物としても使用されてもよい。前処理に続いて、汚れた表面を洗浄機で洗浄してもよく、又は別の方法ですすいでもよい。機械方法では、汚れた表面は、有効量の本発明の洗浄組成物が溶解又は分配された水性洗浄液で処理されてもよい。洗浄組成物の「有効量」とは、約5L〜約65Lの体積の洗浄液中に、約10g〜約300gの製品が溶解又は分散していることを意味する。水温は、約5℃〜約100℃の範囲であってよい。水と汚れた材料(例えば、布地)との比率は、約1:1〜約30:1であってもよい。本組成物は、溶液中約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用され得る。布地洗濯組成物の文脈において、使用濃度は、また、汚れ及び染みのタイプ並びに程度だけでなく、洗浄水の温度、洗浄水の容量、及び洗濯機のタイプ(例えば、上側投入式、前側投入式、上側投入式、垂直軸型日本タイプ自動洗濯機)にも応じて変化してもよい。
【0132】
本発明は、特に手動洗浄方法又は手洗い/浸漬方法を対象とし、半自動洗濯機と組み合わせた手動洗浄もまた含まれる。温度は通常、50、45、40、35、30、又は25℃より低い。
【実施例】
【0133】
以降、本発明は、実施例に基づいてより詳細に説明される。全ての百分率は、特に指示がない限り、重量を基準とする。
【0134】
(実施例1):
酵素を含まない基準組成物の発泡可能性を、下記の試験プロトコルに従って、本発明による酵素を添加した同じ配合物を含む試験組成物の発泡可能性と比較した。オリーブオイルのオレイン酸源として使用した。
【0135】
試験プロトコル:
以下の基準配合物を水(水硬度15dH、20℃)中で、生成物濃度0.12%で希釈することによって、洗浄液を調製した。この洗浄溶液11gを40mLガラスバイアル(直径28mm及び高さ95mm)に添加した。試験の基準群には酵素を添加しなかった。配列番号1に従った90ppmのオレイン酸ヒドラターゼ酵素を、試験群Aに対して基準群配合物の頂部に添加した。配列番号2に従った90ppmのオレイン酸ヒドラターゼ酵素を、試験群Bに対して基準群の頂部に添加した。試験群A及びBが本発明に従った実施例である一方で、基準群は、本発明の範囲外の比較例である。
【0136】
0.22gのオリーブオイル(Bertoli:Olio Extra Vergine Di Oliva−Originale)を更に各バイアルに添加した。各バイアルに磁気撹拌棒(サイズ:長さ8mm、直径3mm)を加え、各溶液を液体高さの半分に達する渦で2分間、磁気撹拌板上で撹拌した。次いで、得られた均質化試料を、約20cm上向き及び20cm下向きの距離にわたる上下運動で、1分当たり120回の振とうの頻度で20秒間、45度の振とう振幅で、一緒に手で振とうした。1つの振とうは、1つの上向き動作及び1つの下向き動作を含む。次いで、3つの試験バイアルを、500rpmで撹拌する磁気撹拌板上の35℃の温水浴中に1時間入れた。その結果として、古い試料の泡の高さ(cm)を、20秒間の再度の手による振とう後に測定した。
【0137】
【表2】
【0138】
試験結果:
オレイン酸ヒドラターゼ酵素を含む両方の組成物が、本発明に従った酵素を含まない基準配合物と比較して、オリーブオイルの存在下でより多くの泡を構築することが、以下の泡高データから理解され得る。
【0139】
【表3】
【0140】
実施例2.例示的な手動食器洗浄洗剤組成物
【0141】
【表4】
【0142】
(実施例3)
例示的な液体洗濯洗剤組成物
次の液体洗濯洗剤組成物は、当業者に公知である伝統的な手法により次の成分を混合して調製される。
【0143】
【表5】
【0144】
(実施例4)
単位用量(UD)製品中に用いられる例示的な液体洗剤組成物
以下の液体洗剤組成物を調製し、ポリビニルアルコールフィルムにより形成した多区画パウチに封入した。
【0145】
【表6】
*限定されないが、プロパンジオール、グリセロール、エタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールを挙げることができる。
【0146】
(実施例5)
手洗い用又は洗濯機、通常はトップローディング式洗濯機用の顆粒状洗濯洗剤組成物
【0147】
【表7】
1 AESは、0〜20%の範囲の量の、AE
1.5S、AE
2S、及び/又はAE
3Sであり得る。
2 LASは、0〜20%の範囲の量で提供され得る。
3 AEは、Huntsman,Salt Lake City,Utah,USAから供給されている、平均エトキシル化度が7〜9のC12〜14のアルコールエトキシレートである。0〜10%の範囲の量で提供され得る。
4 プロテアーゼは、Genencor International(Palo Alto,California,USA)(例えばPurafect Prime(登録商標)、Excellase(登録商標))、又はNovozymes(Bagsvaerd,Denmark)(例えばLiquanase(登録商標)、Coronase(登録商標))から供給され得る。
5 Novozymes(Bagsvaerd,Denmark)(例えば、Natalase(登録商標)、Mannaway(登録商標))から入手可能。
6 Novozymes(例えば、Whitezyme(登録商標))から入手可能。
7 ランダムグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド骨格と複数のポリ酢酸ビニル側鎖とを有する、ポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は、約6000であり、ポリエチレンオキシドとポリ酢酸ビニルの重量比は、約40対60であり、50エチレンオキシド単位あたり1グラフト点を超えず、BASFからSokalan PG101(登録商標)として入手可能である。
8 次の一般構造、ビス((C
2H
5O)(C
2H
4O)
n)(CH
3)−N
+−C
xH
2x−N
+−(CH
3)−ビス((C
2H
5O)(C
2H
4O)
n)、(式中、n=20〜30、x=3〜8)を有する化合物又はその硫酸化若しくはスルホン化したもの(変異体)で、BASFからLutenzit Z 96(登録商標)として入手可能。
9 DTPAは、Dow Chemical(Midland,Michigan,USA)から供給されているジエチレントリアミン五酢酸である。
10 好適な蛍光白色剤は、例えば、Tinopal(登録商標)AMS、Tinopal(登録商標)CBS−X、スルホン化亜鉛フタロシアニン(Ciba Specialty Chemicals(Basel,Switzerland))である。0〜5%の範囲の量で提供され得る。
11 好適な防腐剤としては、0〜1%の範囲の量で提供され得るメチルイソシアゾリノン(MIT)又はベンズイソシアゾリノン(BIT)が挙げられる。
12 DTIは、ポリ(4−ビニルピリジン−1−オキシド)(Chromabond S−403E(登録商標)など)及び/又はポリ(1−ビニルピロリド−co−1−ビニルイミダゾール)(Sokalan HP56(登録商標)など)である。
13 キレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸、1−ヒドロキシエタン1,1−ジホスホン酸及び/又はエチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸、(S、S)異性体(EDDS)である。
14 S−ACMCは、Megazymeによって提供されたReactive Blue 19 Azo−CM−Celluloseである。
15 蛍光増白剤は、4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−モルホリノ−s−トリアジン−2−イル]−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホネート二ナトリウム、4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニル二ナトリウム(ナトリウム塩)及び/又は3V SigmaからのOptiblanc SPL10(登録商標)である
【0148】
酵素に与えられる全ての割合及び比率は、活性タンパク質に基づく。本明細書の全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、重量で計算される。全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、全組成物に基づいて計算される。
【0149】
本明細書の全体を通して記載される全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含するものと理解すべきである。本明細書の全体を通して示される全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、このようなより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含する。本明細書の全体を通して示される全ての数値範囲は、このような広い数値範囲内に収まるより狭い全ての数値範囲を、このようなより狭い数値範囲が全てあたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含する。
【0150】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0151】
あらゆる相互参照される又は関連する特許若しくは出願を含む、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外される、又は別途限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、又はそれを単独で若しくは任意の他の参考文献と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照として組み込まれた文献内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に付与された意味又は定義が優先される。