【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、プラスチックハウジングのためのプラスチックの装置を提供するものである。プラスチックハウジングは、例えば電子的な構成要素を格納するために用いられることができる。プラスチックの装置は、第1のプラスチック構成要素と、第2のプラスチック構成要素と、第2のプラスチック構成要素の一部を第1のプラスチック構成要素の一部と固定又はロックするためのプラスチックのロック機構とを含んでいる。
【0006】
一実施例では、第1のプラスチック構成要素はプラスチックケーシングと呼ばれる一方、第2のプラスチック構成要素は保守点検ドアと呼ばれる。プラスチックのロック機構は、保守点検ドアをプラスチックケーシングに固定するためのプッシュトゥロック機構の役割を果たす。プッシュトゥロックロック機構は、スナップフィット機構とは異なる。
【0007】
スナップフィット機構は、フックのような1つの構成要素の突出部を含んでいるとともに、結合操作中に一時的に偏向されるか、又は曲げられる。そして、突出部は、相手方構成要素のくぼみ又はアンダーカットにおいて係合する。
【0008】
プッシュトゥロック機構においては、相手方構成要素のくぼみ又はアンダーカットと係合又は引っ掛けるためにユーザが突出部を押圧する必要がある。
【0009】
プラスチックのロック機構は、第1のロックユニット及び第2のロックユニットを含んでいる。
【0010】
第1のロックユニットは、U字状のカンチレバー部材、キャッチ要素及びキャッチ要素保持ユニットを含んでいる。
【0011】
偏向装置としての役割を果たすU字状のカンチレバー部材は、第2のプラスチック構成要素の一端部と一体的に結合される。
【0012】
キャッチ要素はU字状のカンチレバー部材と一体的に結合されている一方、キャッチ要素保持部は、第1のプラスチック構成要素と一体的に結合されている。キャッチ要素及びキャッチ要素保持部の両者は、第1の保持機構としての役割を果たし、ロック状態では、キャッチ要素保持部がキャッチ要素の移動をブロック又は制限する。
【0013】
第2のロックユニットは、突出部材及び突出部材保持部を含んでいる。突出部材はU字状のカンチレバー部材と一体的に結合されている一方、突出部材保持部は、第1のプラスチック構成要素の一端部と一体的に結合されている。突出部材及び突出部材保持部は、第2の保持機構として作用し、ロック状態では、突出部材の移動を制限するために、突出部材保持部が突出部材を保持又は把持する。
【0014】
プラスチックのロック機構は、解除位置及びロック位置を
提供する。
【0015】
解除位置では、キャッチ要素は、
固定されない位置に位置決めされる。この固定さ
れない位置では、キャッチ要素保持部がキャッチ要素をブロックしないようにキャッチ要素が位置決めされる。さらに、突出部材も、突出部材保持部が突出部材を保持しないように位置決めされる。これら部材の位置決めにより、第2のプラスチック構成要素が第1のプラスチック構成要素から固定
を解除されることが可能である。換言すれば、第2のプラスチック構成要素は、第1のプラスチック構成要素から離れるように移動することが可能である。
【0016】
ロック位置では、キャッチ要素は、固
定位置に位置決めされ、第2のプラスチック構成要素を第1のプラスチック構成要素に固定するためにキャッチ要素保持部がキャッチ要素の移動をブロック又は制限するようにキャッチ要素保持部がキャッチ要素に隣接して位置決めされる。同時に、突出部材保持部は、キャッチ要素を固定位置に維持するために、突出部材を受け入れるとともに保持する。キャッチ要素は、突出部材保持部が突出部材から離れて位置決めされていないとともに突出部材を保持する限り、
固定されない位置へ移動することはできない。
【0017】
プラスチックのロック機構は、プラスチックのロック機構を解除位置からロック位置に位置決めするためにU字状のカンチレバー部材の第1の端部がU字状のカンチレバー部材の第2の端部から離れるよう押圧されるように適合されている。
【0018】
詳細には、ユーザは、第2のプラスチック構成要素の外面が第1のプラスチック構成要素の外面と同一平面であるように第2のプラスチック構成要素を第1のプラスチック構成要素に隣接して位置決めすることができる。そして、ユーザは、U字状のカンチレバー部材がキャッチ要素の移動をブロックするキャッチ要素保持部にキャッチ要素を隣接させるようにたわむか、又は曲げられるように、U字状のカンチレバー部材の第2の端部から離れるようにU字状のカンチレバー部材の第1の端部を押圧する。固定されたU字状のカンチレバー部材も、突出部材を受け入れるとともに保持するために、突出部材保持部に対して突出部材を位置決めする。これら部材の位置決めは、プラスチックのロック機構をロック位置に位置決めするものである。
【0019】
第1のプラスチック構成要素、第2のプラスチック構成要素及びプラスチックのロック機構は、低コストで剛直な、タルクで満たされたポリプロピレン材料を含んでいる。換言すれば、これら全ての部材は同一の材料で生産されることができ、これにより、これら部材のセンサをプラスチック射出成形の単一のステップによって生産することが可能である。
【0020】
有利には、プラスチックのロック機構は、第2のプラスチック構成要素を第1のプラスチック構成要素に対して固定するためのより安定的
なそしてより確実なロック位置を提供するために、2つのロックユニットを備えている。このようなプラスチックのロック機構は、振動試験及び機械的な衝撃試験のような自動車試験要件にも適合し得る。
【0021】
さらに、プラスチックのロック機構は、高耐久性を有し得る。プラスチックのロック機構を、破断することなく多数回ロック及びアンロックすることも可能である。
【0022】
さらに、プラスチックの装置は、単一部材で設けられることができ、この単一部材は、1つの動作ステップで成形され、これにより、短い処理時間及び低コストが得られる。加えて、タルクが充填された低コストのポリプロピレンの使用により、更にコストが削減される。
【0023】
本願は、更にプラスチックの装置も提供する。プラスチックの装置は、第1のプラスチック構成要素と、第2のプラスチック構成要素と、第2のプラスチック構成要素を第1のプラスチック構成要素と固定するためのプラスチックのロック機構とを含んでいる。
【0024】
プラスチックのロック機構は、第1のロックユニット及び第2のロックユニットを含んでいる。
【0025】
第1のロックユニットは、U字状のカンチレバー部材、キャッチ要素及びキャッチ要素保持ユニットを含んでいる。U字状のカンチレバー部材は、第2のプラスチック構成要素と一体的に結合される。キャッチ要素はU字状のカンチレバー部材と一体的に結合されており、キャッチ要素保持部は、第1のプラスチック構成要素と一体的に結合されている。
【0026】
第2のロックユニットは、突出部材及び突出部材保持部を含んでいる。突出部材はU字状のカンチレバー部材と一体的に結合されている一方、突出部材保持部は、第1のプラスチック構成要素と一体的に結合されている。
【0027】
プラスチックのロック機構は、解除位置及びロック位置を
提供する。
【0028】
解除位置では、キャッチ要素は、固定
されない位置に位置決めされる。この固定
されない位置では、キャッチ要素保持部がキャッチ要素をブロックしないようにキャッチ要素が位置決めされ、第2のプラスチック構成要素を第1のプラスチック構成要素から固定
を解除するために突出部材保持部が突出部を保持しないように突出部材が位置決めされる。
【0029】
ロック位置では、キャッチ要素は、固定位置に位置決めされる。この固定位置では、キャッチ要素保持部が、第2のプラスチック構成要素を第1のプラスチック構成要素に固定するためにキャッチ要素の移動をブロック又は制限し、突出部材保持部は、キャッチ要素を固定位置に維持するために突出部材を保持する。
【0030】
第1のプラスチック構成要素、第2のプラスチック構成要素及びプラスチックのロック機構は、タルクで満たされたポリプロピレン材料を含むことができる。
【0031】
プラスチックのロック機構は、プラスチックのロック機構を解除位置からロック位置に位置決めするためにU字状のカンチレバー部材の第1の端部がU字状のカンチレバー部材の第2の端部から離れるよう押圧されるように適合されることができる。
【0032】
逆に、プラスチックのロック機構は、プラスチックのロック機構を解除位置からロック位置に位置決めするためにU字状のカンチレバー部材の第1の端部がU字状のカンチレバー部材の第2の端部へ向けて押圧されるように適合されることができる。
【0033】
ロック位置では、キャッチ要素保持部は、キャッチ要素の第1の方向
への、プラスチック構成要素
の固定を解除する移動をブロックすることができる。第1の方向は、第1のプラスチック構成要素の外面に対して垂直な平面における方向と呼ばれる。第1の方向へのキャッチ要素の移動は、第2のプラスチック構成要素を第1のプラスチック構成要素から固定
が解除
されるように作用する。
【0034】
ロック位置では、突出部材保持部は、
突出部材の第2の方向
への、突出部材
の固定を解除する移動をブロックすることができる。第2の方向への突出部材の移動は、キャッチ要素を
、固定されない位置に位置決めするように作用する。
【0035】
第2の方向は、第1の方向に対して垂直であり得る。
【0036】
上述の2つの異なる直交する方向におけるキャッチ要素及び突出部材の
移動の制限により、より確実で安定したロック機構の効果的な実施が可能となる。
【0037】
突出部材は、容易な実施のために、キャッチ要素とU字状のカンチレバー部材の第1の端部の間に位置決めされることが可能である。
【0038】
突出部材はディスク要素を含むことができる一方、突出部材保持部は、一対の保持アームを含むことができる。そして、保持アーム及びディスク要素は、より確実で安定した結合を提供することができるソケット及びボール結合機構を提供する。
【0039】
本願の一形態においては、プラスチックの装置は、U字状のカンチレバー部材の移動を制限するための偏向制限部を含んでおり、偏向制限部は、第2のプラスチック構成要素と一体的に結合されることができる。移動の制限は、U字状のカンチレバー部材の高耐久性のためにU字状のカンチレバー部材への応力を低減するように作用する。
【0040】
プラスチックの装置は、第1のプラスチック構成要素を第2のプラスチック構成要素に結合するためのプラスチックの一体成形ヒンジも含むことができる。プラスチックの一体成形ヒンジにより、射出成形が可能である。
【0041】
第1のプラスチック構成要素、第2のプラスチック構成要素及びプラスチックのロック機構は、短い処理時間及び低い生産コストを有するプラスチック射出成形の単一のステップにより生産されることが可能である。
【0042】
本願は、電子的な構成要素を格納するためのプラスチックハウジングも提供するものである。プラスチックハウジングは、第1のプラスチック構成要素、第2のプラスチック構成要素及びプラスチックのロック機構を含む上述のプラスチックの装置を含んでいる。プラスチックのロック機構は第2のプラスチック構成要素を第1のプラスチック構成要素に固定するために用いられる一方、第2のプラスチック構成要素は、保守点検ドアとしての役割を果たす。