(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記他方の連結部は、前記進行方向に沿って延びその先端側に前記係合部が設けられたアーム部材と、前記アーム部材の基端側を前記台車本体に対し上下方向に沿って揺動可能に支持する支持部材と、前記アーム部材を前記上下方向に沿って前記凹部の底側へ付勢する付勢部材と、を備え、
前記凹部の外側の縁部には、前記上下方向に対し傾斜するテーパ面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る搬送システムとしてのモジュール製造システムSの構成について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本実施形態に係るモジュール製造システムSを含む自動車製造ラインLの構成を示す図である。自動車製造ラインLは、2以上の機種の自動車を製造する製造ラインであり、様々な機種の車体が流れるメインラインLmと、このメインラインLmを流れる車体に組み付けられる複数種類のモジュール部品Mを製造し搬送するモジュール製造システムSと、を備える。
【0020】
メインラインLmには、所定の生産計画に従って定められた順序で2以上の機種の車体が流れる。メインラインLmは、上流から流れてくる車体に対し、その対象とする車体の機種に応じた様々なモジュール部品Mを組み付ける複数の車体組付工程を含む。
図1には、メインラインLmに含まれる複数の車体組付工程のうち、モジュール製造システムSにおいて製造されるモジュール部品Mであるインパネモジュール、フロントエンドモジュール、及びバンパーモジュールを車体に組み付ける3つの工程のみを図示する。
【0021】
インパネ組付工程L1では、メインラインLmを流れる車体に対し、モジュール製造システムSから供給される各機種のインパネモジュールのうち、対象とする車体の機種に応じたものを組み付ける組付作業が行われる。フロントエンドモジュール組付工程L2では、メインラインLmを流れる車体に対し、モジュール製造システムSから供給される各機種のフロントエンドモジュールのうち、対象とする車体の機種に応じたものを組み付ける組付作業が行われる。バンパー組付工程L3では、メインラインLmを流れる車体に対し、モジュール製造システムSから供給される各機種のバンパーモジュールのうち、対象とする車体の機種に応じたものを組み付ける組付作業が行われる。
【0022】
モジュール製造システムSは、指令に応じて移動する複数台の自動搬送台車2と、複数の作業者により複数台の自動搬送台車2に骨格部品Wを搭載する骨格部品搭載作業が行われる骨格部品セットパックエリア3と、複数の作業者により複数台の自動搬送台車2に複数の小部品Pを搭載する小部品搭載作業が行われる小部品セットパックエリア6と、複数の作業者によって骨格部品Wに複数の小部品Pを組み付けることによりモジュール部品Mを製造する組付作業が行われる組付作業エリア1と、これら複数の自動搬送台車2を少なくとも組付作業エリア1を含む所定の経路に沿って所定の投入順序で移動させる台車コントローラ7と、を備える。
【0023】
各自動搬送台車2は、台車コントローラ7からの指令を受信する通信器と、骨格部品W、小部品P、及びモジュール部品M等が搭載される台車本体と、この台車本体を移動させる動力を発生する駆動装置と、駆動装置を制御し台車コントローラ7から送信される指令に応じて定められた経路に沿って所定の速度で台を移動させる制御装置と、を備える。なお、自動搬送台車2の詳細な構成については、後に
図3等を参照しながら説明する。
【0024】
台車コントローラ7は、各自動搬送台車2に搭載される通信器と例えば無線によって通信可能である。台車コントローラ7は、各自動搬送台車2へ無線によって指令を送信することにより、各自動搬送台車2をそれぞれ以下で説明する経路に沿って所定の投入順序で移動させる。
【0025】
骨格部品セットパックエリア3から払い出される自動搬送台車2が辿る骨格部品台車経路は、骨格部品セットパックエリア3から組付作業エリア1に至る経路C21と、組付作業エリア1からメインラインLmに至る経路C22と、メインラインLmから骨格部品セットパックエリア3に至る経路C23と、を含む。
【0026】
小部品セットパックエリア6から払い出される自動搬送台車2が辿る小部品台車経路は、小部品セットパックエリア6から組付作業エリア1に至る経路C51と、組付作業エリア1から小部品セットパックエリア6に至る経路C52と、を含む。
【0027】
骨格部品セットパックエリア3における骨格部品搭載作業を経て新たな骨格部品Wが搭載された自動搬送台車2は、骨格部品セットパックエリア3から経路C21を辿り組付作業エリア1に至る。小部品セットパックエリア6における小部品搭載作業を経て新たな複数の小部品Pが搭載された自動搬送台車2は、小部品セットパックエリア6から経路C51を辿り組付作業エリア1に至る。
【0028】
組付作業エリア1における組付作業を経て製造されたモジュール部品Mを搭載する自動搬送台車2は、組付作業エリア1から経路C22を辿りメインラインLmに至る。ここで自動搬送台車2に搭載されるモジュール部品Mがインパネモジュールである場合には、自動搬送台車2はメインラインLmのインパネ組付工程L1へ移動し、インパネモジュールをこのインパネ組付工程L1へ供給する。自動搬送台車2に搭載されるモジュール部品Mがフロントエンドモジュールである場合には、自動搬送台車2はメインラインLmのフロントエンドモジュール組付工程L2へ移動し、フロントエンドモジュールをこのフロントエンドモジュール組付工程L2へ供給する。また自動搬送台車2に搭載されるモジュール部品Mがバンパーモジュールである場合には、自動搬送台車2はメインラインLmのバンパー組付工程L3へ移動し、バンパーモジュールをこのバンパー組付工程L3へ供給する。
【0029】
メインラインLmにおける組付作業を経て空になった自動搬送台車2は、メインラインLmから経路C23を辿り骨格部品セットパックエリア3に至る。このように骨格部品セットパックエリア3に帰還した自動搬送台車2には、骨格部品セットパックエリア3における骨格部品搭載作業を経て新たな骨格部品Wが搭載され、再び経路C21を辿り組付作業エリア1に払い出される。
【0030】
組付作業エリア1における組付作業を経て空となった自動搬送台車2は、組付作業エリア1から経路C52を辿り小部品セットパックエリア6に至る。このように小部品セットパックエリア6に帰還した自動搬送台車2には、小部品セットパックエリア6における小部品搭載作業を経て新たな複数の小部品Pが搭載され、再び経路C51を辿り組付作業エリア1に払い出される。
【0031】
図2は、組付作業エリア1の構成を示す図である。以下では、組付作業エリア1において、2機種(機種A及び機種B)分のインパネモジュール、フロントエンドモジュール、及びバンパーモジュールを製造する場合について説明するが、本発明はこれに限らない。組付作業エリアにおいて製造するモジュール部品の種類は、これらインパネモジュール、フロントエンドモジュール、及びバンパーモジュールの3種に限らないし、組付作業エリアにおいて製造するモジュール部品の機種数は機種A及び機種Bの2機種に限らない。
【0032】
組付作業エリア1は、組付作業を担う作業者が移動自在な固定プラットフォーム10と、この固定プラットフォーム10に形成された第1作業ステーション11に接岸されている複数台(
図2の例では、10台)の台車と、固定プラットフォーム10に形成された第2作業ステーション12に接岸されている複数台(
図2の例では、10台)の台車と、によって構成される。
【0033】
固定プラットフォーム10は、例えば
図2において左右に延びる矩形島状である。固定プラットフォーム10のうち
図2中上方側には長手方向に沿って延びる第1作業ステーション11が形成され、
図2中下方側には長手方向に沿って延びる第2作業ステーション12が形成されている。
【0034】
第1作業ステーション11のうち
図2中左方側の端部は、経路C21を辿って組付作業エリア1に投入される自動搬送台車2及び経路C51を辿って組付作業エリア1に投入される自動搬送台車2が着岸する第1着岸点11aとなっている。また第1作業ステーション11のうち
図2中右方側の端部は、第1作業ステーション11に接岸している自動搬送台車2が離岸する第1離岸点11bとなっている。第1作業ステーション11のうち第1着岸点11aと第1離岸点11bとの間には、
図2中左右方向に沿って延び、各自動搬送台車2を第1作業ステーション11に接岸するための第1ステーションガイドレール13が形成されている。
【0035】
第2作業ステーション12のうち
図2中右方側の端部は、経路C21を辿って組付作業エリア1に投入される自動搬送台車2及び経路C51を辿って組付作業エリア1に投入される自動搬送台車2が着岸する第2着岸点12aとなっている。また第2作業ステーション12のうち
図2中左方側の端部は、第2作業ステーション12に接岸している自動搬送台車2が離岸する第2離岸点12bとなっている。第2作業ステーション12のうち第2着岸点12aと第2離岸点12bとの間には、
図2中左右方向に沿って延び、各自動搬送台車2を第2作業ステーション12に接岸するための第2ステーションガイドレール14が形成されている。
【0036】
また
図2に示すように、第1着岸点11aと第2離岸点12bとは固定プラットフォーム10の短手方向に沿って対向し、第1離岸点11bと第2着岸点12aとは固定プラットフォーム10の短手方向に沿って対向する。
【0037】
自動搬送台車2は、平面視では矩形状であり、基本的には短手方向を進行方向として移動する。なお自動搬送台車2の平面視における形状や進行方向はこれに限らない。自動搬送台車2の平面視における形状は、矩形状に限らず正方形状でもよいし、その他どのような形状であってもよい。また自動搬送台車2の進行方向は、短手方向に限らず長手方向であってもよい。
【0038】
骨格部品セットパックエリア3から払い出される自動搬送台車2の長手方向に沿って中央には、骨格部品が設置される骨格部品台51が設けられている。また骨格部品セットパックエリア3から払い出される自動搬送台車2のうち、骨格部品台51の両側には、それぞれ作業者が搭乗可能な第1作業ステージ52及び第2作業ステージ53が形成されている。したがって作業者は、これら第1作業ステージ52及び第2作業ステージ53に搭乗し、自動搬送台車2が移動している間に骨格部品台51に搭載されている骨格部品に対し組付作業を行うことが可能となっている。
【0039】
骨格部品セットパックエリア3から払い出される自動搬送台車2は、台車コントローラ7による制御下で経路C21を辿り第1着岸点11a(又は第2着岸点12a)に到達すると、後に
図6を参照して説明するサイドリンクアーム26が第1ステーションガイドレール13(又は第2ステーションガイドレール14)に係合し、これにより自動搬送台車2が第1作業ステーション11(又は第2作業ステーション12)に着岸する。また第1着岸点11a(又は第2着岸点12a)において着岸した自動搬送台車2は、台車コントローラ7による制御下で、第1作業ステーション11(又は第2作業ステーション12)に接岸した状態を維持したまま、第1ステーションガイドレール13(又は第2ステーションガイドレール14)に沿って延びる第1ステーション経路CS1(又は第2ステーション経路CS2)に沿って移動し、第1離岸点11b(又は第2離岸点12b)に到達する。また自動搬送台車2が第1離岸点11b(又は第2離岸点12b)に到達すると、サイドリンクアーム26が第1ステーションガイドレール13(又は第2ステーションガイドレール14)から外れ、第1作業ステーション11(又は第2作業ステーション12)から離岸する。第1離岸点11b(又は第2離岸点12b)において離岸した自動搬送台車2は、台車コントローラ7による制御下で経路C22を辿ってメインラインLmへ移動する。
【0040】
また以上のようにして第1ステーション経路CS1(又は第2ステーション経路CS2)に沿って移動している間、骨格部品を搭載する自動搬送台車2は、後に
図5Bを参照して説明するように第1ステーション経路CS1(又は第2ステーション経路CS2)を先行して移動する自動搬送台車2の進行方向後方側の端部に連結した状態が維持されるようになっている。
【0041】
小部品セットパックエリア6から払い出される自動搬送台車2には、それぞれ複数の小部品が搭載される第1前方コンテナ54、第2前方コンテナ55、第1後方コンテナ56、及び第2後方コンテナ57が設けられている。
【0042】
小部品セットパックエリア6から払い出される自動搬送台車2のうち進行方向前方側には、前方コンテナ54,55が設けられ、進行方向後方側には後方コンテナ56,57はが設けられている。第1前方コンテナ54は進行方向に沿って視て右側(すなわち、作業ステーション11,12側)に設けられ、第2前方コンテナ55は進行方向に沿って視て左側に設けられている。また第1後方コンテナ56は進行方向に沿って視て右側に設けられ、第2後方コンテナ57は進行方向に沿って視て左側に設けられている。
【0043】
このため例えば小部品を搭載する自動搬送台車2の進行方向前方側に骨格部品を搭載する自動搬送台車2が連結されている場合、先行車の第1作業ステージ52に搭乗する作業者は、第1前方コンテナ54に設けられている小部品を取り出して骨格部品台51に搭載されている骨格部品に組み付ける組付作業を行うことができる。また先行車の第2作業ステージ53に搭乗する作業者は、第2前方コンテナ55に設けられている小部品を取り出して骨格部品台51に搭載されている骨格部品に組み付ける組付作業を行うことができる。
【0044】
また小部品を搭載する自動搬送台車2の進行方向後方側に骨格部品を搭載する自動搬送台車2が連結されている場合、後行車の第1作業ステージ52に搭乗する作業者は、第1後方コンテナ56に設けられている小部品を取り出して骨格部品台51に搭載されている骨格部品に組み付ける組付作業を行うことができる。また後行車の第2作業ステージ53に搭乗する作業者は、第2後方コンテナ57に設けられている小部品を取り出して骨格部品台51に搭載されている骨格部品に組み付ける組付作業を行うことができる。
【0045】
小部品セットパックエリア6から払い出される自動搬送台車2は、台車コントローラ7による制御下で経路C51を辿り第1着岸点11a(又は第2着岸点12a)に到達すると、第1ステーションガイドレール13(又は第2ステーションガイドレール14)に係合し、これにより自動搬送台車2が第1作業ステーション11(又は第2作業ステーション12)に着岸する。また第1着岸点11a(又は第2着岸点12a)において着岸した自動搬送台車2は、台車コントローラ7による制御下で、第1作業ステーション11(又は第2作業ステーション12)に接岸した状態を維持したまま、第1ステーション経路CS1(又は第2ステーション経路CS2)に沿って移動し、第1離岸点11b(又は第2離岸点12b)に到達する。また自動搬送台車2が第1離岸点11b(又は第2離岸点12b)に到達すると、自動搬送台車2は第1ステーションガイドレール13(又は第2ステーションガイドレール14)から外れ、第1作業ステーション11(又は第2作業ステーション12)から離岸する。第1離岸点11b(又は第2離岸点12b)において離岸した自動搬送台車2は、台車コントローラ7による制御下で経路C52を辿って小部品セットパックエリア6へ移動する。
【0046】
また以上のようにして第1ステーション経路CS1(又は第2ステーション経路CS2)に沿って移動している間、小部品を搭載する自動搬送台車2は、第1ステーション経路CS1(又は第2ステーション経路CS2)を先行して移動する台車の進行方向後方側の端部に連結した状態が維持されるようになっている。また
図2に示すように、第1作業ステーション11(又は第2作業ステーション12)には、所定の複数台(
図2の例では、10台)の自動搬送台車2を同時に接岸することが可能となっている。このため
図2に示すように、第1作業ステーション11(又は第2作業ステーション12)に接岸しながら第1ステーション経路CS1(又は第2ステーション経路CS2)に沿って移動する複数台の自動搬送台車2は列状に連結される。これにより第1作業ステーション11(又は第2作業ステーション12)には、複数台の自動搬送台車2を列状に連結して構成される作業エリアが形成される。
【0047】
このため作業者は、ある骨格部品が搭載されている自動搬送台車2が第1着岸点11a(又は第2着岸点12a)において着岸してから、この自動搬送台車2が第1離岸点11b(又は第2離岸点12b)において離岸するまでの間において、この自動搬送台車2に搭載されている骨格部品に対し組付作業を行うことが可能となっている。また上述のように第1作業ステーション11(又は第2作業ステーション12)に接岸されている複数台の台車は連結されている。このため作業者は、これら連結されている自動搬送台車2を行き来し、最初に搭乗した自動搬送台車2とは別の自動搬送台車2に搭載されている骨格部品の組付作業を行うことが可能になっている。
【0048】
またこのように自動搬送台車2が第1作業ステーション11(又は第2作業ステーション12)を通過するまでの間にかかる通過時間(より具体的には、自動搬送台車2が第1着岸点11a(又は第2着岸点12a)において着岸してから第1離岸点11b(又は第2離岸点12b)において離岸するまでの間にかかる時間)は、台車コントローラ7によってこれら自動搬送台車2の第1ステーション経路CS1(又は第2ステーション経路CS2)に沿った速度を制御することによって調整される。
【0049】
そこで作業者は、例えば第1着岸点11a(又は第2着岸点12a)において固定プラットフォーム10から骨格部品が搭載されている自動搬送台車2に搭乗し、その後第1離岸点11b(又は第2離岸点12b)において自動搬送台車2から降車することにより、基本的には通過時間にわたり組付作業を行うことができる。また上述のように第1離岸点11bは第2着岸点12aと固定プラットフォーム10の短手方向に沿って対向し、第2離岸点12bは第1着岸点11aと固定プラットフォーム10の短手方向に沿って対向する。したがって上述のように第1作業ステーション11側(又は第2作業ステーション12側)で組付作業を行った作業者は、第1離岸点11b(又は第2離岸点12b)において降車した後、第2着岸点12a(又は第1着岸点11a)において固定プラットフォーム10から再び自動搬送台車2に搭乗し、その後第2離岸点12b(又は第1離岸点11b)において自動搬送台車2から降車することにより、基本的には通過時間にわたり組付作業を行うことができる。よって作業者は、少ない移動距離で第1作業ステーション11における組付作業と第2作業ステーション12における組付作業とを交互に繰り返し行うことができる。
【0050】
以上のような組付作業エリア1では、自動搬送台車2に搭載された骨格部品には、この自動搬送台車2が第1ステーション経路CS1(又は第2ステーション経路CS2)を通過する間に、作業者による組付作業が施され、これによりモジュール部品が完成する。完成したモジュール部品を搭載する自動搬送台車2は、第1離岸点11b(又は第2離岸点12b)において離岸した後、台車コントローラ7による制御下において、経路C22を辿ってメインラインLmへ移動する。
【0051】
また以上のような組付作業エリア1では、自動搬送台車2に搭載された複数の小部品は、この自動搬送台車2が第1ステーション経路CS1(又は第2ステーション経路CS2)を通過する間に、作業者による組付作業に供される。このように必要な複数の小部品が取り出された後の自動搬送台車2は、第1離岸点11b(又は第2離岸点12b)において離岸した後、台車コントローラ7による制御下において、経路C52を辿って小部品セットパックエリア6へ移動する。
【0052】
また上述のようにある骨格部品が搭載されている自動搬送台車2の進行方向前後それぞれに小部品が搭載されている自動搬送台車2が連結されている場合、真ん中の自動搬送台車2に搭乗する作業者は、前後に連結されている2台の自動搬送台車2から小部品を取り出し、組付作業を行うことができる。そこで台車コントローラ7は、骨格部品が搭載されている自動搬送台車2と、この自動搬送台車2に搭載されている骨格部品に組み付けられる複数の小部品を搭載する自動搬送台車2と、が連結された状態で、第1ステーション経路CS1(又は第2ステーション経路CS2)に沿って並走するように、骨格部品セットパックエリア3から払い出される自動搬送台車2と小部品セットパックエリア6から払い出される自動搬送台車2とを交互に第1作業ステーション11(又は第2作業ステーション12)へ投入することが好ましい。
【0053】
なお
図2では、機種Aのバンパーモジュールの骨格部品であるバンパー骨格Aを搭載する自動搬送台車2と、バンパー骨格Aに組み付けられる小部品Bpr−A及び機種Aのフロントエンドモジュールの骨格部品であるフロント骨格Aに組み付けられる小部品FEM−Aを搭載する自動搬送台車2と、フロント骨格Aを搭載する自動搬送台車2と、小部品FEM−A及び機種Aのインパネモジュールの骨格部品であるインパネ骨格Aに組み付けられる小部品IP−Aを搭載する自動搬送台車2と、インパネ骨格Aを搭載する自動搬送台車2と、小部品IP−A及び小部品Bpr−Aを搭載する自動搬送台車2と、バンパー骨格Aを搭載する自動搬送台車2と、小部品Bpr−A及び小部品FEM−Aを搭載する自動搬送台車2と、フロント骨格Aを搭載する自動搬送台車2と、小部品FEM−A及び小部品IP−Aを搭載する自動搬送台車2と、をこの順序で第1作業ステーション11に投入した場合を示す。これにより第1作業ステーション11に接岸する自動搬送台車2に搭乗する作業者は、各々の左右から必要な小部品を取り出し、同乗する骨格部品に組み付ける組付作業を、少ない移動距離で行うことができる。
【0054】
また
図2では、機種Bのバンパーモジュールの骨格部品であるバンパー骨格Bを搭載する自動搬送台車2と、バンパー骨格Bに組み付けられる小部品Bpr−B及び機種Bのフロントエンドモジュールの骨格部品であるフロント骨格Bに組み付けられる小部品FEM−Bを搭載する自動搬送台車2と、フロント骨格Bを搭載する自動搬送台車2と、小部品FEM−B及び機種Bのインパネモジュールの骨格部品であるインパネ骨格Bに組み付けられる小部品IP−Bを搭載する自動搬送台車2と、インパネ骨格Bを搭載する自動搬送台車2と、小部品IP−B及び小部品Bpr−Bを搭載する自動搬送台車2と、バンパー骨格Bを搭載する自動搬送台車2と、小部品Bpr−B及び小部品FEM−Bを搭載する自動搬送台車2と、フロント骨格Bを搭載する自動搬送台車2と、小部品FEM−B及び小部品IP−Bを搭載する自動搬送台車2と、をこの順序で第2作業ステーション12に投入した場合を示す。これにより第2作業ステーション12に接岸する各自動搬送台車2に搭乗する作業者は、各々の左右から必要な小部品を取り出し、同乗する骨格部品に組み付ける組付作業を、少ない移動距離で行うことができる。
【0055】
なお台車コントローラ7によるこれら自動搬送台車2の第1作業ステーション11及び第2作業ステーション12への投入順序は、
図2に示すものに限らない。自動搬送台車2の投入順序は、作業者による組付作業におけるロスが少なくなるように、自動搬送台車2に搭載されている骨格部品に対する組付作業の組付工数に応じて定められる。
【0056】
なお
図2には、台車コントローラ7は、機種Aの骨格部品を搭載する自動搬送台車2やこの機種Aの骨格部品に組み付けられる小部品を搭載する自動搬送台車2を第1作業ステーション11に投入することにより、この第1作業ステーション11において機種Aに用いられるモジュール部品を製造し、機種Bの骨格部品を搭載する自動搬送台車2やこの機種Bの骨格部品に組み付けられる小部品を搭載する自動搬送台車2を第2作業ステーション12に投入することにより、この第2作業ステーション12において機種Bに用いられるモジュール部品を製造する場合について示すが、本発明はこれに限らない。作業ステーション11,12には、機種A及び機種Bの骨格部品や小部品を混流して投入するようにし、各ステーション11,12において機種A及び機種Bのモジュール部品を製造するようにしてもよい。
【0057】
次に、各自動搬送台車2の詳細な構成について、
図3〜
図7を参照しながら説明する。
【0058】
図3は、自動搬送台車2の斜視図である。自動搬送台車2は、平板状の台車本体21と、この台車本体21の4つの端部にそれぞれ設けられた前後リンクアーム24、前後リンクレール25、サイドリンクアーム26、及びサイドリンクレール27と、この台車本体21の下面側に設けられた駆動装置22、ターンテーブル23、通信器(図示せず)及び制御装置(図示せず)と、を備える。
【0059】
台車本体21は、平面視では矩形状である。台車本体21の上面には、
図2を参照して説明したように骨格部品が設けられた骨格部品台51や複数の小部品が納められたコンテナ54〜57等を設置したり、作業者が搭乗可能な作業ステージ52,53を形成したりすることが可能となっている。
【0060】
駆動装置22は、4つの駆動輪22a〜22dと、骨格部品セットパックエリア3や小部品セットパックエリア6等において適宜充電可能なバッテリ22eと、バッテリ22eから供給される電力で図示しない複数のモータを駆動することにより、駆動輪22a〜22dを回転駆動したり駆動輪22a〜22dの操舵角を変化させたりする駆動装置本体22fと、を備える。制御装置は、通信器を介して受信した台車コントローラ7からの指令に応じて駆動装置本体22fを制御し、台車本体21を、台車本体21の短手方向に沿って延びる進行方向Fdの前方側へ前進させたり、台車本体21を進行方向Fdの後方側へ後進させたりする。
【0061】
また駆動装置本体22fは、鉛直方向に沿って延び台車本体21の中心を通過する回動軸O周りで回動自在なターンテーブル23を介して台車本体21の下面の中央に取り付けられている。このため制御装置は、通信器を介して受信した台車コントローラ7からの指令に応じてターンテーブル23を回動軸O周りで回動させることにより、駆動輪22a〜22dの向きを進行方向Fdに対し直交させ、さらにこの台車本体21を進行方向Fdに対し直交する幅方向Wdに沿って並進させることが可能となっている。また、駆動輪22a〜22dの向きを進行方向Fdに対し傾斜させることにより、台車本体21を進行方向Fdに対し斜め方向に移動させることも可能となっている。
【0062】
台車本体21の下面側のうち、進行方向Fdに沿って前方側の端部には、先行台車と連結するための前方連結部として、台車本体21の進行方向Fdに沿って延びる2本の前後リンクアーム24が設けられている。また台車本体21の下面側のうち、進行方向Fdに沿って後方側の端部には、後行台車と連結するための後方連結部として、幅方向Wdに沿って延びる1本の前後リンクレール25が設けられている。
【0063】
図4は、自動搬送台車2の前後リンクアーム24、及びこの自動搬送台車2に対し進行方向Fdに沿って前方側を走行する先行台車2aの前後リンクレール25を幅方向Wdに沿って視た図である。
【0064】
前後リンクレール25は、進行方向Fdに対し直交する幅方向Wdに沿って延び、断面視では上下方向に沿って下方側へ凹状の凹部251が形成されている。この凹部251の外側の縁部252には、上下方向に対し傾斜するテーパ面253が形成されている。
【0065】
前後リンクアーム24は、前後リンクレール25の凹部251に係合するカムフォロワ241と、進行方向Fdに沿って延びその先端側にカムフォロワ241が設けられたアーム部材242と、アーム部材242の基端側を台車本体21に対し上下方向に沿って揺動可能に支持する支持部材243と、アーム部材242を上下方向に沿って付勢する付勢部材244と、を備える。
【0066】
カムフォロワ241は、凹部251の内壁面と接する外周面241bを備えるローラ241aと、このローラ241aを回転自在に支持するシャフト241cと、を備える。シャフト241cは、アーム部材242の先端側に設けられる。シャフト241cは、上下方向に沿って延びる。
【0067】
支持部材243は、アーム部材242の基端側に設けられ幅方向Wdに沿って延びる回動軸243aと、台車本体21の下面に固定されかつ回動軸243aを回動自在に軸支するステー243bと、を備える。これにより支持部材243は、アーム部材242を上下方向に沿って揺動可能に支持する。
【0068】
付勢部材244は、例えば上下方向に沿って延びる引張コイルばねであり、その上端部244aはアーム部材242に固定され、下端部244bはステー243bに固定されている。より具体的には、付勢部材244の上端部244aは、進行方向Fdに沿って延びるアーム部材242のうち、回動軸243aよりも進行方向Fdに沿って後方側に固定されている。また付勢部材244の下端部244bは、ステー243bのうち上端部244aよりも下方側に固定されている。付勢部材244は、上下方向に沿って上端部244aと下端部244bとを接近させる向きの弾性力を常時発生する。これにより付勢部材244は、アーム部材242を上下方向に沿って前後リンクレール25の凹部251の底部254側へ付勢する。
【0069】
図5A及び
図5Bは、自動搬送台車2の前後リンクアーム24と先行台車2aの前後リンクレール25とを連結する手順を説明するための図である。
【0070】
始めに自動搬送台車2を進行方向Fdに沿って前進させることによって先行台車2aに接近させると、前後リンクアーム24のカムフォロワ241は、前後リンクレール25のテーパ面253に接する。この状態から、付勢部材244による弾性力に抗して自動搬送台車2を先行台車2aにさらに接近させると、
図5Aに示すように、カムフォロワ241は、テーパ面253に沿って下方側へ摺動する。
【0071】
また
図5Aに示す状態からさらに自動搬送台車2を先行台車2aに接近させると、カムフォロワ241は、凹部251の縁部252を乗り越える。またカムフォロワ241が縁部252を乗り越えると、カムフォロワ241は、付勢部材244によって凹部251の底部254側へ付勢され、これによりカムフォロワ241が凹部251に係合する。これにより自動搬送台車2と先行台車2aとが連結され、進行方向Fdに沿った移動が規制される。以上のように自動搬送台車2と先行台車2aとは、互いに進行方向Fdに沿って接近させるだけで連結される。
【0072】
また上述のようにカムフォロワ241のローラ241aは、上下方向に沿って延びるシャフト241cによって回転可能に軸支されている。このためカムフォロワ241は、ローラ241aが凹部251に係合した状態を維持しながら、前後リンクレール25の延在方向(すなわち、幅方向Wd)に沿って摺動させることが可能となっている。よって自動搬送台車2と先行台車2aとを連結した後は、これら自動搬送台車2及び先行台車2aの何れかを幅方向Wdに沿って移動させることによってこれら前後リンクアーム24及び前後リンクレール25による連結を解除できる。
【0073】
図3に戻り、台車本体21のうち、進行方向Fdに沿って視て右方側(すなわち、作業ステーション11,12側)の端部には、作業ステーション11,12又は並走台車と連結するための側方連結部として、幅方向Wdに沿って延びる2本のサイドリンクアーム26が設けられている。
【0074】
図6は、自動搬送台車2のサイドリンクアーム26、及び第1作業ステーション11に設けられた第1ステーションガイドレール13を進行方向Fdと平行な第1ステーションガイドレールの延在方向に沿って視た図である。なお第2作業ステーション12に設けられた第2ステーションガイドレール14の構成は第1ステーションガイドレール13とほぼ同じであるので、以下では説明を省略する。
【0075】
第1ステーションガイドレール13は、その延在方向に沿って延び、断面視では上下方向に沿って下方側へ凹状の凹部131が形成されている。この凹部131の外側の縁部132には、上下方向に対し傾斜するテーパ面133が形成されている。
【0076】
サイドリンクアーム26は、第1ステーションガイドレール13の凹部131に係合するカムフォロワ261と、幅方向Wdに沿って延びその先端側にカムフォロワ261が設けられたアーム部材262と、アーム部材262の基端側を台車本体21に対し上下方向に沿って揺動可能に支持する支持部材263と、アーム部材262を上下方向に沿って付勢する付勢部材264と、を備える。
【0077】
カムフォロワ261は、凹部131の内壁面と接する外周面261bを備えるローラ261aと、このローラ261aを回転自在に支持するシャフト261cと、を備える。シャフト261cは、アーム部材262の先端側に設けられる。シャフト261cは、上下方向に沿って延びる。
【0078】
支持部材263は、アーム部材262の基端側に設けられ進行方向Fdに沿って延びる回動軸263aと、台車本体21の下面に固定されかつ回動軸263aを回動自在に軸支するステー263bと、を備える。これにより支持部材263は、アーム部材262を上下方向に沿って揺動可能に支持する。
【0079】
付勢部材264は、例えば上下方向に沿って延びる引張コイルばねであり、その上端部264aはアーム部材262に固定され、下端部264bはステー263bに固定されている。より具体的には、付勢部材264の上端部264aは、幅方向Wdに沿って延びるアーム部材262のうち、回動軸263aよりも幅方向Wdに沿って内側に固定されている。また付勢部材264の下端部264bは、ステー263bのうち上端部264aよりも下方側に固定されている。付勢部材264は、上下方向に沿って上端部264aと下端部264bとを接近させる向きの弾性力を常時発生する。これにより付勢部材264は、アーム部材262を上下方向に沿って第1ステーションガイドレール13の凹部131の底部134側へ付勢する。
【0080】
以上のように構成された第1ステーションガイドレール13及びサイドリンクアーム26によれば、自動搬送台車2と第1作業ステーション11とは、自動搬送台車2を幅方向Wdに沿って第1作業ステーション11に接近させるだけで連結される。なお自動搬送台車2と第1作業ステーション11とを連結させる具体的な手順については、
図5A及び
図5Bを参照して説明した手順と同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0081】
図3に戻り、台車本体21のうち、進行方向Fdに沿って視て左方側の端部には、並走台車と連結するため、進行方向Fdに沿って延びる1本のサイドリンクレール27が設けられている。
【0082】
図7は、自動搬送台車2のサイドリンクレール27、及びこの自動搬送台車2と並走する並走台車2bに設けられたサイドリンクアーム26を進行方向Fdに沿って視た図である。
【0083】
サイドリンクレール27は、進行方向Fdに沿って延び、断面視では上下方向に沿って下方側へ凹状の凹部271が形成されている。この凹部271の外側の縁部272には、上下方向に対し傾斜するテーパ面273が形成されている。サイドリンクアーム26の付勢部材264は、アーム部材262を上下方向に沿ってサイドリンクレール27の凹部271の底部274側へ付勢する。
【0084】
以上のように構成されたサイドリンクレール27及びサイドリンクアーム26によれば、自動搬送台車2と並走台車2bとは、自動搬送台車2と並走台車2bとを幅方向Wdに沿って接近させるだけで連結される。なお自動搬送台車2と並走台車2bとを連結させる具体的な手順については、
図5A及び
図5Bを参照して説明した手順と同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0085】
図8は、組付作業エリア1において複数(
図8の例では、6台)の自動搬送台車2が第1作業ステーション11に沿って走行している状態を示す図である。台車コントローラ7は、組付作業エリア1において、複数の自動搬送台車2を第1作業ステーション11に沿って列を成して移動させる。
【0086】
上述のように各自動搬送台車2は、各々の前後リンクアーム24を、進行方向Fdに沿って前方側を走行する先行台車の前後リンクレール25に係合させることにより列状に連結することが可能となっている。また各自動搬送台車2は、各々のサイドリンクアーム26を、第1作業ステーション11の第1ステーションガイドレール13に係合させることにより、第1作業ステーション11と連結することも可能となっている。このため台車コントローラ7は、
図8に示すように複数の自動搬送台車2を列状に連結することによって隊列を形成し、これら自動搬送台車2を第1作業ステーション11に接岸しながら第1ステーション経路CS1に沿って移動させることが可能となっている。これにより作業者は、固定プラットフォーム10から自動搬送台車2に搭乗し、組付作業を行うことが可能となっている。
【0087】
ところで
図1を参照して説明した骨格部品セットパックエリア3や小部品セットパックエリア6では、不具合がある小部品や骨格部品を搭載した自動搬送台車2を誤って払い出す場合がある。このような不具合が自動搬送台車2を払い出した後に発覚した場合、第1作業ステーション11において列を成して走行する複数の自動搬送台車2の中から、不具合がある小部品や骨格部品を搭載するもののみを中抜けさせる必要がある。このため第1作業ステーション11のうち、第1着岸点11aと第1離岸点11bとの間で定められた中抜け許可エリア8には、自動搬送台車2のサイドリンクアーム26と第1ステーションガイドレール13との連結を解除する連結解除機構80が設けられている。
【0088】
図9Aは、中抜け許可エリア8の進行方向Fdに対し垂直な断面に沿った断面図である。
図9Bは、
図9A中線IX−IXに沿った断面図である。
【0089】
これら
図9A及び
図9Bに示すように、連結解除機構80は、第1ステーションガイドレール13のうち、中抜け許可エリア8における凹部131のみに設けられた連結解除ブロック81によって構成される。
図9Bに示すように、連結解除ブロック81の両端には、テーパ面82,83が形成されている。このため第1作業ステーション11に沿って移動する自動搬送台車2が中抜け許可エリア8に侵入すると、
図9Aに示すようにサイドリンクアーム26のカムフォロワ261が連結解除ブロック81に乗り上げる。このため自動搬送台車2は、中抜け許可エリア8内では第1作業ステーション11との連結が一時的に解除される。そこで台車コントローラ7は、中抜け対象とする自動搬送台車2が中抜け許可エリア8に侵入し、連結解除機構80によって連結が解除された場合には、この一時的に連結が解除された自動搬送台車2を幅方向Wdに沿って第1作業ステーション11から離れる向きに並進させることにより、この中抜け対象とする自動搬送台車2を隊列から離脱させる。
【0090】
図10A及び
図10Bは、変形例1の連結解除機構80Aの構成を示す図である。この連結解除機構80Aは、第1ステーションガイドレール13に形成された貫通孔13aに設けられた連結解除ブロック81Aと、この連結解除ブロック81Aを水平方向に沿って進退させるアクチュエータ84Aと、を備える。この変形例1の連結解除機構80Aでは、中抜け対象とする自動搬送台車2が中抜け許可エリア8に侵入した場合には、
図10Bに示すようにアクチュエータ84Aによって連結解除ブロック81Aを凹部131の内部へ前進させる。これによりサイドリンクアーム26のカムフォロワ261が凹部131の内部から外部へ押し出され、自動搬送台車2と第1作業ステーション11との連結が解除される。また台車コントローラ7は、中抜け対象とする自動搬送台車2と第1作業ステーション11との連結が連結解除機構80Aによって解除された場合には、この自動搬送台車2を幅方向Wdに沿って第1作業ステーション11から離れる向きに並進させることにより、この中抜け対象とする自動搬送台車2を隊列から離脱させる。またこの変形例1の連結解除機構80Aでは、中抜け許可エリア8に侵入する自動搬送台車2が中抜け対象でない場合には、
図10Aに示すように連結解除ブロック81Aを凹部131の外部へ退避させる。これにより中抜け対象とする自動搬送台車2のみを第1作業ステーション11から離脱させることができる。
【0091】
図11A及び
図11Bは、変形例2の連結解除機構80Bの構成を示す図である。この連結解除機構80Bは、第1ステーションガイドレール13に形成された貫通孔13bに設けられた連結解除ブロック81Bと、この連結解除ブロック81Bを上下方向に沿って進退させるアクチュエータ84Bと、を備える。この変形例2の連結解除機構80Bでは、中抜け対象とする自動搬送台車2が中抜け許可エリア8に侵入した場合には、
図11Bに示すようにアクチュエータ84Bによって連結解除ブロック81Bを凹部131の内部へ前進させ、自動搬送台車2と第1作業ステーション11との連結を解除する。また台車コントローラ7は、中抜け対象とする自動搬送台車2と第1作業ステーション11との連結が連結解除機構80Bによって解除された場合には、この自動搬送台車2を幅方向Wdに沿って第1作業ステーション11から離れる向きに並進させることにより、この中抜け対象とする自動搬送台車2を隊列から離脱させる。またこの変形例2の連結解除機構80Bでは、中抜け許可エリア8に侵入する自動搬送台車2が中抜け対象でない場合には、
図11Bに示すように連結解除ブロック81Bを凹部131の外部へ退避させる。これにより中抜け対象とする自動搬送台車2のみを第1作業ステーション11から離脱させることができる。
【0092】
図12A及び
図12Bは、変形例3の連結解除機構80Cの構成を示す図である。この連結解除機構80Cは、第1ステーションガイドレール13に形成された貫通孔13cに設けられた連結解除ブロック81Cと、第1ステーションガイドレール13の延在方向に沿って延びる回転軸85Cを備えるアクチュエータ84Cと、この回転軸85Cの径方向に沿って延び回転軸85Cと連結解除ブロック81Cとを連結するスイングアーム86Cと、を備える。この変形例3の連結解除機構80Cでは、中抜け対象とする自動搬送台車2が中抜け許可エリア8に侵入した場合には、
図12Bに示すようにアクチュエータ84Cを用いて連結解除ブロック81Cを凹部131の内部へ前進させ、自動搬送台車2と第1作業ステーション11との連結を解除する。また台車コントローラ7は、中抜け対象とする自動搬送台車2と第1作業ステーション11との連結が連結解除機構80Cによって解除された場合には、この自動搬送台車2を幅方向Wdに沿って第1作業ステーション11から離れる向きに並進させることにより、この中抜け対象とする自動搬送台車2を隊列から離脱させる。またこの変形例3の連結解除機構80Cでは、中抜け許可エリア8に侵入する自動搬送台車2が中抜け対象でない場合には、
図12Bに示すように連結解除ブロック81Cを凹部131の外部へ退避させる。これにより中抜け対象とする自動搬送台車2のみを第1作業ステーション11から離脱させることができる。
【0093】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。例えば上記実施形態では、組付作業エリア1において組付作業を行う作業主体は作業者とした場合について説明したが、本発明はこれに限らない。作業主体は、作業者の他、ロボットであってもよいし、作業者及びロボットの組み合わせであってもよい。
【0094】
また上記実施形態では、
図8を参照して説明したように、台車コントローラ7は、複数の自動搬送台車2によって1列の隊列を形成し、この隊列を第1作業ステーション1に沿って移動させた場合について説明したが、本発明はこれに限らない。
図7を参照して説明したように、自動搬送台車2のサイドリンクレール27には、この自動搬送台車2と並走する並走台車に設けられたサイドリンクアーム26を係合させ、自動搬送台車2と並走台車とを連結させることができる。このため台車コントローラ7は、
図13に示すように第1作業ステーション11に連結されている隊列2cを構成する複数の自動搬送台車2の各々のサイドリンクレール27に、隊列2dを構成する複数の自動搬送台車2のサイドリンクアーム26を連結することにより、2列の隊列を形成することができる。
【0095】
また上記実施形態では、台車本体21のうち、進行方向Fdに沿って前方側の端部に前方連結部として前後リンクアーム24を設け、進行方向Fdに沿って後方側の端部に後方連結部として前後リンクレール25を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、台車本体21のうち、進行方向Fdに沿って前方側の端部に前方連結部として前後リンクレール25を設け、進行方向Fdに沿って後方側の端部に後方連結部として前後リンクアーム24を設けてもよい。
【0096】
また上記実施形態では、作業ステーションに対し先に連結した自動搬送台車の後方に、次の自動搬送台車を連結することにより、作業ステーションに自動搬送台車の隊列を形成する場合について説明したが、自動搬送台車を連結する手順はこれに限らない。例えば、作業ステーションに対し先に連結した自動搬送台車の前方に次の自動搬送台車を連結してもよいし、作業ステーションに先に連結されている2台の自動搬送台車の間に割り込むようにして次の自動搬送台車を連結してもよい。