(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定数の遊技媒体が投入された後、前記回転リールが全て停止している状態で前記スタートスイッチが操作された場合に、前記内部抽せんが行われると共に、前記回転リールが回転し、
前記特別役が、最大投入数よりも少ない数の前記遊技媒体が投入された場合に行われた前記内部抽せんでのみ、当せんする可能性がある、請求項1の遊技機。
遊技状態として、前記特別役持ち越し状態、前記特別役非持ち越し状態、および、前記特別役非持ち越し状態で行われた前記内部抽せんにより前記特別役に当せんしかつ前記特別役が入賞することで設定される特別役実施状態とを有し、
前記遊技状態設定部は、
遊技状態が前記特別役実施状態である場合において、前記設定値制御部により現在設定されている前記設定値と同一または異なる前記設定値に変更された場合、遊技状態の設定を前記特別役実施状態から前記特別役非持ち越し状態に変更する、請求項1または2の遊技機。
前記特別役持ち越し状態において、前記特別役以外の役の当せんおよび入賞により、持ち越されている前記特別役が入賞しないように制御されている、請求項1から3のいずれか1つの遊技機。
複数種類の前記特別役として、前記ストップスイッチを操作して前記回転リールを全て停止させた場合に前記有効ライン上に対応する前記図柄の組み合わせが必ず配置されて入賞すると共に、入賞することで遊技者にとって有利となる第2の特別役を有し、
前記特別役持ち越し状態は、前記内部抽せんによって前記特別役または前記第2の特別役に当せんしたが前記特別役または前記第2の特別役の入賞が持ち越されている遊技状態であり、前記特別役非持ち越し状態は、前記特別役または前記第2の特別役の入賞が持ち越されていない遊技状態であり、
前記遊技状態設定部は、
遊技状態が前記特別役持ち越し状態のときに前記設定値制御部により現在設定されている前記設定値と同一または異なる前記設定値に変更され、かつ、前記第2の特別役が持ち越されている場合、遊技状態の設定を前記特別役非持ち越し状態に変更する、請求項6の遊技機。
指示機能に係る処理および抽せんを実行不可能な区間である通常区間であって出玉に係る前記指示機能が発生しない一般遊技状態で進行する前記通常区間と、前記指示機能に係る処理および抽せんを実行可能な区間である有利区間であって前記一般遊技状態または出玉に係る前記指示機能が発生する特別遊技状態で進行する前記有利区間とを含む複数の遊技区間の中から前記内部抽せんが行われる1つの前記遊技区間を設定する区間制御部をさらに備え、
前記遊技状態設定部は、
複数の前記遊技区間の中から選択された1つの前記遊技区間が設定され、前記内部抽せんにより前記特別役に当せんしかつ当せんした前記特別役が入賞する前の状態において、前記設定値制御部により現在設定されている前記設定値とは異なる前記設定値に変更された場合、設定されている前記遊技区間に応じて、遊技状態の設定を前記特別役持ち越し状態のままにするか、または、前記特別役非持ち越し状態に移行させるかを決定する、請求項1から8のいずれか1つの遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態のスロットマシン1(遊技機の一例)は、
図1に示すように、直方体形状の筺体10を備えている。この筺体10は、前面(すなわち、
図1の紙面貫通方向の手前側の面)に図示しない開口部と、この開口部を開閉可能な板状の前扉20とを有している。
【0011】
前扉20は、その略中央部分に設けられた透光性の表示窓21を有し、筺体10に対してロック可能に取り付けられている。表示窓21は、前扉20により筺体10の開口部を閉鎖した状態で、後述する各回転リール41,42,43の表面に配置された複数の図柄を視認可能に配置されている。
【0012】
また、筺体10は、表示装置の一例の液晶表示装置22、電飾装置23およびスピーカ24を有している。液晶表示装置22、電飾装置23およびスピーカ24の各々は、前扉20の表示窓21の上部に配置されている。遊技中の各種の演出は、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24を用いて行われる。例えば、液晶表示装置22は、遊技中に各種の演出画像(演出動画)を表示したり、所定の情報等を表示したりする。また、電飾装置23は、所定の条件を満たした場合に、所定のパターンで点灯または消灯し、スピーカ24は、所定の条件を満たした場合に、所定の音を出力する。
【0013】
また、筺体10は、メダルが払い出される払い出し口25、払い出し口25から払い出されたメダルを貯留する下皿26および操作部30を有している。払い出し口25、下皿26および操作部30の各々は、前扉20の表示窓21の下部に配置されている。
【0014】
操作部30は、遊技媒体の一例としてのメダルを投入するためのメダル投入口31と、メダルをベットするためのベットスイッチ32と、前扉20に操作可能に設けられ操作により各回転リール41,42,43を回転させるスタートスイッチ33と、前扉20に操作可能に設けられ操作により回転中の各回転リール41,42,43を停止させるストップスイッチ34,35,36とを有している。操作部30の各スイッチは、遊技者の操作に基づいて操作信号を出力する。また、メダル投入口31には図示しないメダルセンサが設けられており、遊技者によるメダル投入口31へのメダルの投入を検出し、検出信号を出力する。
【0015】
なお、操作部30には、他に、精算スイッチ(図示せず)および表示部の一例の貯留メダル表示部(図示せず)等が設けられている。この貯留メダル表示部は、貯留されたメダルの数に加えて、後述する遊技区間が有利区間であることが表示可能に構成されている。
【0016】
また、スロットマシン1は、
図2に示すように、スロットマシン1全体を制御する制御装置100、回転リールユニット40、回転リール位置検出センサ44、および、メダルを払い出すホッパーユニット50を備えている。制御装置100、回転リールユニット40、回転リール位置検出センサ44、および、ホッパーユニット50は、スロットマシン1の主電源をオン/オフする電源装置(図示せず)、スロットマシン1の設定値を変更するときに管理者が操作する操作部45等と共に、筺体10の内部に配置されている。
【0017】
回転リールユニット40は、筺体10の内部の略中央に配置され、複数の回転リール(この実施形態では、3つの回転リール41,42,43)と、この回転リール41,42,43を駆動するステッピングモータ61,62,63とで構成されている。各回転リール41,42,43は、略円筒状で、その表面には、
図3に示すように、各回転リール41,42,43の周方向に沿って間隔を空けて配列された複数の図柄と、基準点(図示せず)とが設けられている。基準点は、例えば、回転リール41,42,43のゼロ番の図柄(ベルA)の中心に配置されている。
【0018】
ここで、
図1〜
図7を参照して、スロットマシン1で行われる遊技の概要について説明する。
【0019】
図1に示すように、スロットマシン1で遊技を行う場合、まず、メダルをメダル投入口31から投入する、または、ベットスイッチ32を操作することにより貯留しているメダル(すなわち、クレジット)を使用して、メダルをベットする。予め設定されている規定の枚数(例えば、1〜3枚)のメダルがベットされると、有効ラインが有効化され、スタートスイッチ33の操作が可能な状態、すなわち、遊技が開始可能な状態になる。このとき、遊技状態等に応じて設定されている規定の枚数を超えて投入されたメダルは、クレジットとして貯留される。
【0020】
有効ラインは、
図4に示すように、役の入賞を決定するための仮想ラインであり、この有効ラインによって、表示窓21に表示される各回転リール41,42,43の図柄が、それぞれ1つずつ連結されている。このスロットマシン1では、有効ラインは、例えば、右下がりライン70で構成され、所定枚数(例えば、3枚)のメダルがベットされることにより有効化される。なお、一例として、このスロットマシン1の表示窓21に表示される図柄は、各回転リールにつき3図柄である。
【0021】
遊技が開始可能な状態でスタートスイッチ33が操作されると、スロットマシン1内で行われる電子計算機によるくじ(以下、内部抽せんという。)が行われ、各回転リール41,42,43の回転が開始される。この状態で、いずれかのストップスイッチ34,35,36が操作されると、操作されたストップスイッチ34,35,36に対応する回転リール41,42,43が停止し、表示窓21に、当せんした役に応じた結果が表示される。全ての回転リール41,42,43が停止すると、入賞した役に応じて、所定の枚数のメダルが払い出され、1ゲームが終了する。この実施形態では、全ての回転リール41,42,43が停止した状態で、内部抽せんにより当せんした役毎に設定された図柄の組み合わせが、有効ライン70上に配置された場合に、有効ライン70上に配置された図柄の組み合わせに対応する役が入賞したと判定される。なお、有効ライン70上に役に対応する図柄の組み合わせが停止しなかった場合(いわゆるハズレ時)も、入賞に含まれる。
【0022】
このように、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33およびストップスイッチ34,35,36を操作して、遊技の結果を得る一連の動作を遊技という。遊技の単位はゲームであり、1ゲームを単位遊技という。
【0023】
また、遊技中は、複数の遊技区間の中から1つの遊技区間が設定され、複数の遊技状態の中から1つ遊技状態が設定される。そして、設定された遊技区間および遊技状態に基づいて、内部抽せんが行われる。遊技状態には、
図5〜
図7に示すように、第1遊技状態、第2遊技状態および第3遊技状態が含まれる。
【0024】
第1遊技状態は、内部抽せんにより当せんする役(以下、単に当せん役という。)のうち、リプレイ役の種類(
図9参照)およびその当せん確率を決定するための遊技状態であり、一例として、
図5に示すように、RT0と、RT1とで構成されている。
【0025】
RT0は、第2遊技状態が特別役実施状態から特別役非持ち越し状態に移行した場合、または、遊技状態の初期化時(例えば、RAMクリア時)に設定される(すなわち、第1遊技状態がRT1からRT0に移行する)。また、スロットマシン1が店舗等に設置された直後の第1遊技状態もRT0に設定されている。言い換えると、第1遊技状態は、一種BBまたは二種BBが実施されている場合を除いて、全てRT0に設定されている。
【0026】
RT1は、第2遊技状態が特別役非持ち越し状態から特別役実施状態に移行した場合に設定される(すなわち、第1遊技状態がRT0からRT1に移行する)。RT1では、
図9に示すように、全てのリプレイ役および特別役(この実施形態では、複数種類の特別役、すなわち、一種BBおよび二種BB)に当せんする可能性はない。また、RT1では、後述する区間移行抽せんおよび後述するAT抽せんが行われない。なお、二種BBに当せんしかつ入賞してRT1に移行した場合、成立役にかかわらず入賞する全ての役が、払い出しが2枚の役(すなわち、2枚役)となる。
【0027】
第2遊技状態は、内部抽せんにより当せんした特別役(すなわち、一種BBおよび二種BB)の入賞が持ち越されていない特別役非持ち越し状態と、内部抽せんにより当せんした特別役の入賞が持ち越されている特別役持ち越し状態と、入賞した特別役を実施するための特別役実施状態とを含む。
【0028】
特別役非持ち越し状態は、特別役実施状態に移行したときから払い出されたメダルが所定数(例えば、180枚または2枚)を超えた場合、または、遊技状態の初期化(例えば、RAMクリア時)などの所定条件を満たした場合に設定される。
【0029】
特別役持ち越し状態は、内部抽せんにより特別役に当せんしかつ後述する所定の条件を満たした場合に設定される。
【0030】
一種BBは、一種特別役物に係る役物連続作動装置(いわゆるビッグボーナス)であり、
図9に示すように、3枚(すなわち、最大投入数)のメダルがベットされているとき(すなわち、3枚掛け時)のみ当せんする可能性がある特別役である。二種BBは、二種特別役物に係る役物連続作動装置であり、
図9に示すように、最大投入数よりも少ない数である2枚のメダルがベットされているとき(いわゆる2枚掛け時)のみ当せんする可能性がある特別役である。
【0031】
一種BBおよび二種BB共に、ストップスイッチ34、35、36を操作して回転リール41、42、43を全て停止させた場合に必ず有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが配置されて入賞する。言い換えると、一種BBおよび二種BBは、ストップスイッチ34、35、36を操作する順番またはタイミングを変えたとしても、後述する所定の条件を満たさない限り、その当せんゲームにおける入賞を回避することができない。一方の特別役が持ち越されている場合、他方の特別役の抽せんは行われない。すなわち、例えば、二種BBが持ち越されている状態では、一種BBの抽せんは行われない。また、一種BBおよび二種BBの各フラグは、設定値を変更しても消滅しないように構成されているが、消滅するように構成しても構わない。
【0032】
なお、一種BBおよび二種BBは、入賞することで遊技者にとって不利となる特別役(いわゆるペナルティボーナス)の一例である。「入賞すると遊技者とって不利となる」とは、「入賞することで相対的にメダル獲得期待度がマイナスになり、メダルが減少する状態が続く」、「入賞することで遊技全体におけるメダルの獲得期待値が低下する」、「入賞することでAT抽せんなどが行われず時間を浪費する」、「指示機能に係る抽せんが行われなかったり、指示が発生する可能性がある役に当せんしても指示が発生しなかったりする」または「いわゆる天井到達までに必要なゲーム数が減らない」など、「入賞した場合と入賞しなかった場合とを比較して不利となる」ことを意味する。逆に、「入賞することで遊技者にとって有利となる」とは、「入賞した場合と入賞しなかった場合とを比較して有利となる」ことを意味する。
【0033】
例えば、スロットマシン1では、一種BBに入賞すると、一種BB入賞後に獲得したメダルが180枚を超えるまで、区間移行抽せんおよびAT抽せんが行われない。また、RB実施状態では、殆どの遊技で一枚役が当せんして、出玉率が100%未満になる。遊技者にとって不利となる。また、二種BBに入賞すると、2枚掛け2枚払い出しの遊技が、二種BB入賞後に獲得したメダルが2枚を超えるまで(すなわち、2ゲーム間)、区間移行抽せんおよびAT抽せんが行われない。
【0034】
特別役実施状態は、内部抽せんにより特別役に当せんしかつ入賞した場合に設定される。一種BBに入賞して特別役実施状態に移行した場合、一種BB実施状態に移行し、二種BBに入賞した場合、二種BB実施状態に移行する。第2遊技状態が一種BB実施状態であるときに、内部抽せんによりRB(すなわち、
図9のJAC1〜4)に当せんして入賞した場合、RB実施状態に移行する。RB実施状態は、12ゲーム消化するか、または、8回入賞することで、一種BB実施状態に移行する。一種BB実施状態は3枚掛けまたは2枚掛けで遊技が行われ、一種BB実施状態から移行するRB実施状態は3枚掛けで遊技が行われ、二種BB実施状態は2枚掛けで遊技が行われる。
【0035】
第3遊技状態は、遊技中に行われる演出を決定するための状態であり、一例として、
図6に示すように、一般遊技状態とAT状態とで構成されている。
【0036】
一般遊技状態は、指示機能が発生しない状態であり、例えば、設定値の変更後、RAMクリア後およびAT終了後、AT抽せんに当せんするまで設定される。AT抽せんは、一例として、第1遊技状態がRT0であり、かつ、遊技区間が有利区間である場合に、内部抽せんにより当せんした役に応じて行われる。
【0037】
ATは、指示機能が発生する特別遊技状態の一例であり、第3遊技状態がATに移行したときから経過した遊技数が、AT状態で遊技可能な遊技数(すなわち、ATゲーム数)に到達するまで設定される。ATでは、メダルの払い出しのある押し順役の押し順の報知が行われる。
【0038】
遊技区間は、指示機能に係る処理が行われるか否かを決定するための状態であり、一例として、
図7に示すように、有利区間と通常区間とで構成されている。
【0039】
有利区間は、指示機能に係る処理および抽せんを実行可能な区間であり、遊技区間が通常区間で行われた内部抽せんの結果に基づいて行われる区間移行抽せんに当せんした後、有利区間が終了する条件を満たすまで設定される。なお、有利区間には、第3遊技状態が一般遊技状態で進行する有利区間と、第3遊技状態が特別遊技状態(すなわち、AT状態)で進行する有利区間とが含まれる。
【0040】
通常区間は、指示機能に係る処理および抽せんを実行不可能な区間であり、遊技区間として有利区間が設定されていない場合に設定される。通常区間は、第3遊技状態が一般遊技状態で進行する。
【0041】
なお、指示機能とは、出玉に影響する操作手順(例えば、押し順役の押し順)または操作方法を何らかの方法によって遊技者に教える機能であり、例えば、ストップスイッチ34,35,36を所定の操作手順で操作することで入賞可能な押し順役の押し順を指示する機能、または、ストップスイッチ34,35,36の操作が行われたときの回転リール41,42,43の位置が予め定められた操作位置であった場合に入賞可能な役の操作位置を指示する機能をいう。すなわち、遊技区間が有利区間である場合にのみ、第3遊技状態としてATが設定される。
【0042】
次に、制御装置100について説明する。制御装置100は、
図2に示すように、メイン制御部110とサブ制御部120とで構成されている。
【0043】
メイン制御部110およびサブ制御部120の各々は、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラムまたはデータ等を記憶しておくROMおよびRAM等を備えている。メイン制御部110は、内部抽せん部111と、回転リール制御部112と、遊技結果判定部113と、区間制御部114と、遊技状態制御部115と、計測部116と、設定値制御部117とを有し、遊技を進行させるための制御を行う。サブ制御部120は、演出制御部121を有し、各種演出等を行うための制御を行う。
【0044】
なお、以下に説明するメイン制御部110およびサブ制御部120の各部は、CPUが所定のプログラムを実行することにより実現される機能である。
【0045】
内部抽せん部111は、複数の内部抽せんテーブルを有し、スタートスイッチ33の操作の受付に伴って、内部抽せんを行う。詳しくは、内部抽せん部111は、スタートスイッチ33の操作が受け付けられたときの遊技状態を判定し、判定された遊技状態に基づいて内部抽せんテーブルを選択する。そして、内部抽せん部111は、選択された内部抽せんテーブルと、スタートスイッチ33の操作が受け付けられたときに取得される乱数とに基づいて、内部抽せんを行う。
【0046】
例えば、当せん役については、
図9に示す内部抽せんテーブルに基づいて決定される。この内部抽せんテーブルは、第1遊技状態(言い換えると、RT状態)および第2遊技状態毎に設けられており、内部抽せんにより当せんの可能性がある当せん領域に関する情報を有している。この当せん領域には、図柄の組み合わせが対応付けられている役が、少なくとも1つ設定されている。
【0047】
図9では、RT状態および第2遊技状態毎に、当せんする可能性のある当せん領域が“○”で示され、当せんする可能性のない当せん領域が“×”で示されている。すなわち、各内部抽せんテーブルには、スタートスイッチ33の操作が行われた場合に取得される乱数に対応する役が記憶されている複数の領域(置数の領域)が設けられており、この領域の各々が、
図9の“○”で示されている当せん領域にそれぞれ対応付けられている。
【0048】
この実施形態のスロットマシン1では、当せんした当せん領域に設定されている役が、全て同時に当せんするように設定されている。例えば、当せん役として、メダルの払い出しのある押し順役(すなわち、“左正解ベル”、“中・左・右ベル”、“中・右・左ベル”、“右・左・中ベル”および“右・中・左ベル”)に当せんした場合、各ベルと1枚役とに同時に当せんする。これにより、押し順役の押し順通りにストップスイッチ34,35,36が操作された場合は、8枚のメダルの払い出される各ベルが入賞し、押し順役の押し順とは異なる順番でストップスイッチ34,35,36が操作された場合は、ハズレまたは1枚役が入賞する。なお、第2遊技状態が二種BB実施状態である場合、当せんした押し順役は、押し順にかかわらず押し順正解のベルに対応する図柄が有効ライン70上に停止して、2枚のメダルが払い出される。
【0049】
回転リール制御部112は、スタートスイッチ33または各ストップスイッチ34、35、36の操作の受付に伴って回転リールユニット40のステッピングモータ61,62,63を制御して、各回転リール41,42,43の回転を開始または停止させる(すなわち、回転リール41,42,43の回転を制御する)。
【0050】
例えば、全ての回転リール41,42,43が停止している状態でスタートスイッチ33が操作された場合、回転リール制御部112は、全ての回転リール41,42,43を回転させる。いずれかの回転リール41,42,43が回転している状態で、回転中の回転リール41,42,43に対応するストップスイッチ34,35,36が操作された場合、回転リール制御部112は、操作されたストップスイッチ34,35,36に対応する回転リール41,42,43を停止させる。
【0051】
各回転リール41、42、43を停止させる場合、回転リール制御部112は、内部抽せんにより当せんした役と、各ストップスイッチ34,35,36が操作されたタイミング(すなわち、各ストップスイッチ34、35、36の操作が受け付けられたときの対応する回転リール41、42、43の位置)に応じて、引き込み制御または蹴飛ばし制御を行う。引き込み制御は、当せんした役に対応する図柄を有効ライン70上に引き込むように各回転リール41,42,43の回転を停止させる制御である。蹴飛ばし制御は、当せんしていない役に対応する図柄が有効ライン70上に揃わないように回転リール41,42,43の回転を停止させる制御である。
【0052】
遊技結果判定部113は、内部抽せんの結果および回転リール41,42,43の停止制御の結果に基づいて、遊技の結果を判定する。遊技の結果には、例えば、有効ライン上に揃った図柄に基づいて、当せんした役が入賞したか否かの判定が含まれる。
【0053】
また、遊技結果判定部113は、判定した遊技の結果、または、精算スイッチの操作の受付に基づいて、ホッパーユニット50を制御し、メダルの払い出しを行う。遊技の結果に基づいて払い出されたメダル(すなわち、役の当せんまたは入賞により得られたメダル)は、まず、クレジットとして貯留される。そして、メダルを貯留した結果、クレジットの上限(例えば、50枚)を超えた場合には、その上限を超えた分のメダルがホッパーユニット50から払い出される。また、1枚以上の貯留メダルがある場合(すなわち、クレジットが1以上の場合)に精算スイッチが操作された場合には、貯留されているメダルがホッパーユニット50から払い出される。
【0054】
さらに、遊技結果判定部113は、例えば、第3遊技状態がATに移行した場合、第3遊技状態がATに移行したことを表す信号をホールコンピュータに出力して、管理者に報知する。
【0055】
区間制御部114は、複数の遊技区間(この実施形態では、通常区間および有利区間)の中から遊技区間を設定する。
【0056】
具体的には、区間制御部114は、遊技区間が通常区間である場合に、遊技区間を通常区間のままとするか、または、有利区間に設定するかの抽せんである区間移行抽せんを行い、区間移行抽せんに当せんした場合に遊技区間を有利区間に設定する。区間移行抽せんの当否は、例えば、当せんにより区間移行抽せんが行われる役(すなわち、抽せん対象役)に内部抽せんにより当せんした場合に行われる抽せんに当せんしたか否かで決定される。
【0057】
なお、区間移行抽せんは、スロットマシン1の設定値によって当せん確率に差を設けてもよいし、設けなくてもよい。区間移行抽せんの当せん確率に差を設ける場合、例えば、抽せん対象役の内部抽せんにおける当せん確率に設定差を設けることで実現してもよいし、内部抽せんにより抽せん対象役に当せんしたときに行われる抽せんの当せん確率に設定差を設けることで実現してもよい。
【0058】
また、区間制御部114は、遊技区間が有利区間である場合、遊技区間を有利区間のままとするか、または、通常区間に設定するかを決定する。この実施形態では、区間制御部114は、遊技状態がATのとき(すなわち、遊技区間が有利区間のとき)に一般遊技状態が設定されたか否かを判定し、一般遊技状態が設定されたと判定した場合に、遊技区間を有利区間から通常区間に設定する。
【0059】
さらに、区間制御部114は、計測部117で計測された遊技区間が有利区間に設定された以降に経過した遊技数(すなわち、有利区間消化ゲーム数)が所定値(例えば、1500ゲーム)に到達した場合、または、遊技区間が有利区間に設定された以降のメダルの差枚数が所定値(例えば、2400枚)に到達した場合、遊技区間を有利区間から通常区間に強制的に設定する。
【0060】
なお、遊技区間が有利区間に移行した場合、区間制御部114は、有利区間中に指示機能が作動し、かつ、役物(すなわち、RBまたはCT)および役物連続作動装置(すなわち、一種BBまたは二種BB)を除いて小役を払い出し枚数最大で入賞させるように遊技を進めた場合の出玉率の平均が100%を超える場合にのみ、操作部30に設けた表示部を介して、有利区間であることを表示する。
【0061】
遊技状態制御部115は、複数の遊技状態の中から1つの遊技状態を設定する。この遊技状態制御部115は、RT状態制御部1151と、遊技状態設定部1152とを有している。
【0062】
RT状態制御部1151は、複数のRT状態(この実施形態では、R0およびRT1)の中から内部抽せんが行われる1つのRT状態を設定する。
【0063】
具体的には、RT状態制御部1151は、前述のとおり、第2遊技状態が特別役非持ち越し状態に移行した場合、第1遊技状態をRT0に設定し、第2遊技状態が特別役実施状態に移行した場合、第1遊技状態をRT1に設定する。
【0064】
遊技状態設定部1152は、複数の第2遊技状態(すなわち、特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態)の中から1つの遊技状態を設定し、複数の第3遊技状態(すなわち、一般遊技状態およびAT状態)の中から1つの遊技状態を設定する。
【0065】
例えば、遊技状態設定部1152は、内部抽せんにより特別役(すなわち、一種BBおよび二種BB)に当せんしかつ所定の条件を満たした場合、すなわち、内部抽せんにより特別役に当せんした後、この特別役が入賞する前の状態において、設定値制御部117により現在設定されている設定値と同一または異なる設定値に変更された場合、第2遊技状態を特別役持ち越し状態に設定する。特別役持ち越し状態では、特別役以外の役(例えば、リプレイまたはベル)の当せんおよび入賞により、持ち越されている特別役が入賞しないように回転リール41、42、43が制御される。
【0066】
この場合、区間制御部114により複数の遊技区間の中から選択された1つの遊技区間が設定されている場合、設定されている遊技区間に応じて、第2遊技状態の設定を特別役持ち越し状態のままにするか、または、特別役非持ち越し状態に変更するかを決定してもよい。
【0067】
なお、回転リール41、42、43の少なくとも1つが回転しているか否かについては、回転リール制御部112により停止制御されていない回転リール41、42、43が存在するか否かに基づいて、判断される。
【0068】
また、遊技状態設定部1152は、第2遊技状態が特別役実施状態である場合において、設定値制御部117により現在設定されている設定値と同一または異なる設定値に変更された場合、第2遊技状態の設定を特別役実施状態から特別役非持ち越し状態に変更する。
【0069】
また、遊技状態設定部1152は、第2遊技状態が特別役持ち越し状態である場合において、設定値制御部117により現在設定されている設定値と同一または異なる設定値に変更された場合、設定値が変更されたときの遊技進行の状態に応じて、第2遊技状態の設定を特別役持ち越し状態のままにするか、または、特別役非持ち越し状態に移行させるかを決定することができる。なお、遊技進行の状態とは、スタートスイッチ33が操作されて全ての回転リール41、42、43が停止するまでの1ゲーム間で行われる操作の進行状況をいう。
【0070】
例えば、遊技状態設定部1152は、3つの回転リール41、42、43のうちの1つが停止している場合、第2遊技状態の設定を特別役持ち越し状態のまま変更せず、3つの回転リール41、42、43のうちの2つが停止している場合、または、3つの回転リール41、42、43の全てが停止していない場合、第2遊技状態の設定を特別役非持ち越し状態に変更する。
【0071】
また、遊技状態設定部1152は、AT抽せんの結果に基づいて、第3遊技状態をATに設定するか否か(すなわち、ATに当せんしたか否か)を判定する。
【0072】
詳しくは、遊技状態設定部1152は、第1遊技状態がRT0であり、かつ、遊技区間が有利区間である場合に行われるAT抽せんに当せんしたと判定した場合に、第3遊技状態を特別遊技状態(すなわち、AT)に設定する。第3遊技状態がATに設定された場合、遊技状態設定部1152は、メダルの払い出しのある押し順役の押し順の報知を行う。押し順役の押し順の報知は、例えば、液晶表示装置22を介して行われる。
【0073】
計測部116は、例えば、遊技結果判定部113により判定された遊技の結果に基づいて、遊技区間が有利区間に設定された以降に経過した遊技数(すなわち、有利区間消化ゲーム数)、および、遊技区間が有利区間に設定された以降のメダルの差枚数を計測する。また、計測部117は、全ての回転リール41,42,43が定常回転となった以降に設定された起算点から経過した時間を計測する。
【0074】
設定値制御部117は、管理者が操作部45を操作することにより、遊技に対する有利度合い(例えば、機械割)が異なる複数の設定値(この実施形態では6つ)の中から1つの設定値を設定する。有利度合いの差は、例えば、所定の役に対する内部抽せんの当せん確率に差を設けることで実現している。また、設定値制御部117は、有利区間への移行率、AT抽せん、AT上乗せ抽せん等の出玉関連の有利度合を設定する。
【0075】
設定値を設定する方法の一例を以下に示す。この方法は、(1)から(7)の順に行われる。
(1)前扉20を開ける。
(2)スロットマシン1の主電源をオフする。スロットマシン1bの主電源をオフすることで、回転中の回転リール41、42、43は全て停止するが、この回転リール41、42、43の停止による入賞判定は行われない。
(3)操作部45の所定箇所に設定変更キーを挿入し、設定変更モードをオフからオンに変更する。
(4)スロットマシン1の主電源をオンする。
(5)現在の設定値が、例えば、操作部30の貯メダル表示部に表示される。所定のボタンを操作して、貯メダル表示部に表示された設定値を所望の設定値に合わせる。
(6)スタートスイッチ33を操作する。スタートスイッチ33を操作することで、スロットマシン1の設定値が貯メダル表示部に表示された設定値に変更される。
(7)設定変更モードをオンからオフに変更して、設定変更キーを抜出する。
【0076】
演出制御部121は、例えば、内部抽せんが行われた遊技状態と、内部抽せんの結果とに基づいて、1ゲーム毎に演出を決定し、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24を介して、決定された演出を出力する。
【0077】
例えば、演出制御部121は、内部抽せんにより一種BBおよび二種BBに当せんした場合、液晶表示装置22を介して一種BBおよび二種BBの当せんを報知する。
【0078】
続いて、
図9を参照して、スロットマシン1の二種BBの入賞回避処理について説明する。なお、以下に説明する制御は、制御装置100が所定のプログラムを実行することで実施される。
【0079】
図9に示すように、内部抽せんにより二種BBに当せんすると(ステップS1)、遊技状態設定部1152は、回転リール41、42,43が全て停止しているか否かを判定する(ステップS2)。
【0080】
回転リール41、42、43が全て停止していると判定された場合、二種BBが入賞し(ステップS5)、二種BBの入賞回避処理を終了する。
【0081】
一方、回転リール41、42、43が全て停止していないと判定された場合、遊技状態設定部1152は、設定値制御部117によって現在設定されている設定値と同一または異なる設定値に変更されたか否かを判定する(ステップS3)。
【0082】
現在設定されている設定値と同一または異なる設定値に変更されていないと判定された場合、ステップS2に戻り、再び回転リール41、42,43が全て停止しているか否かが判定される。
【0083】
一方、現在設定されている設定値と同一または異なる設定値に変更されたと判定された場合、遊技状態設定部1152は、第2遊技状態を特別役持ち越し状態に移行させ(ステップS4)、二種BBの入賞が回避される。これにより、二種BBの入賞回避処理を終了する。なお、一種BBの入賞回避処置についても、二種BBの入賞回避処理と同様に行われる。
【0084】
このように、スロットマシン1によれば、内部抽せんにより入賞することで遊技者にとって不利な特別役(この実施形態では、一種BBおよび二種BB)に当せんしかつこの特別役が入賞する前の状態において、設定値制御部117により現在設定されている設定値と同一または異なる設定値に変更された場合、遊技状態(すなわち、第2遊技状態)を特別役持ち越し状態に設定する。このような構成により、目押しの技量にかかわらず、ストップスイッチ34、35、36を操作して回転リール41、42、43を全て停止させた場合に必ず有効ライン70上に対応する図柄の組み合わせが配置されて入賞する一種BBおよび二種BBの入賞を回避することができる。その結果、入賞することで遊技者にとって不利となる特別役の入賞を目押しの技量にかかわらず容易に回避可能な新たな管理手段を有するスロットマシン1を実現できる。
【0085】
また、二種BBが、最大投入数(この実施形態では、3枚)よりも少ない数(この実施形態では、2枚)のメダルが投入された場合に行われた内部抽せんでのみ、当せんする可能性がある。一般的に、スロットマシン1は、最大投入数のメダルを投入して遊技が行われる。このため、最大投入数以外の数のメダルが投入された場合に行われた内部抽せんでのみ、いわゆるペナルティボーナスである二種BBが当せんする可能性があるように構成することで、遊技者が誤って二種BBを入賞させる可能性を低減している。
【0086】
また、遊技状態制御部115の一部を構成する遊技状態設定部1152は、第2遊技状態が特別役実施状態である場合において、設定値制御部117により現在設定されている設定値と同一または異なる設定値に変更された場合、第2遊技状態の設定を特別役実施状態から特別役非持ち越し状態に変更する。このような構成により、入賞することで遊技者にとって不利となる特別役の入賞を目押しの技量にかかわらず容易に回避可能な新たな管理手段を有するスロットマシン1を実現できる。
【0087】
また、特別役持ち越し状態において、一種BBおよび二種BB以外の役の当せんおよび入賞により、持ち越されている一種BBおよび二種BBが入賞しないように制御されている。このような構成により、入賞することで遊技者にとって不利となる特別役の入賞を目押しの技量にかかわらず容易に回避可能な新たな管理手段を有するスロットマシン1を実現できる。
【0088】
また、遊技状態設定部1152は、第2遊技状態が特別役持ち越し状態のときに設定値制御部117により現在設定されている設定値と同一または異なる設定値に変更された場合、設定値が変更されたときの遊技進行の状態に応じて、第2遊技状態の設定を特別役持ち越し状態のままにするか、または、特別役非持ち越し状態に移行させるかを決定する。このような構成により、入賞することで遊技者にとって不利となる特別役の入賞を目押しの技量にかかわらず容易に回避可能な新たな管理手段を有するスロットマシン1を実現できる。
【0089】
また、内部抽せんの結果に基づいて決定される演出を表示する表示装置22をさらに備え、一種BBおよび二種BBの当せんが表示装置22を介して報知される。このような構成により、入賞することで遊技者にとって不利となる特別役の入賞を目押しの技量にかかわらず容易に回避可能な新たな管理手段を有するスロットマシン1を実現できる。
【0090】
また、遊技状態設定部1152は、複数の遊技区間の中から選択された1つの遊技区間が設定され、かつ、内部抽せんにより一種BBまたは二種BBに当せんしかつ当せんした一種BBまたは二種BBが入賞することなく持ち越されている状態において、設定値制御部117により現在設定されている設定値とは異なる設定値に変更された場合、設定されている遊技区間に応じて、第2遊技状態の設定を特別役持ち越し状態のままにするか、または、特別役非持ち越し状態に変更するかを決定する。このような構成により、入賞することで遊技者にとって不利となる特別役の入賞を目押しの技量にかかわらず容易に回避可能な新たな管理手段を有するスロットマシン1を実現できる。
【0091】
なお、スロットマシン1は、内部抽せんにより入賞することで遊技者にとって不利となる特別役(例えば、一種BBおよび二種BB)に当せんしかつこの特別役が入賞する前の状態において、設定値制御部117により現在設定されている設定値と同一または異なる設定値に変更された場合、第2遊技状態の設定を特別役持ち越し状態に設定することが可能な任意の構成を採用できる。
【0092】
例えば、二種BBは、2枚掛けで内部抽せんが行われたときのみ当せんする可能性があるように構成しているが、これに限らず、3枚掛けで内部抽せんが行われたときに当せんする可能性があるように構成してもよい。一種BBについても、二種BBと同様に、2枚掛けで内部抽せんが行われたときに当せんする可能性があるように構成することができる。
【0093】
スロットマシン1には、内部抽せんにより当せんする役として、入賞することで遊技者にとって不利となる特別役が少なくとも1つ含まれていればよい。
【0094】
内部抽せんにより複数種類の特別役に当せんする可能性がある場合、少なくとも1つの特別役が、ストップスイッチ34、35、36を操作して回転リール41、42、43を全て停止させた場合に必ず有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが配置されて入賞するように構成されていればよい。
【0095】
遊技状態設定部1152による次に示す第2遊技状態の設定処理は、いずれか1つまたは複数が行われるように構成してもよいし、いずれの第2遊技状態の移行も行われないように構成してもよい。
・第2遊技状態が特別役実施状態である場合において、設定値制御部117により現在設定されている設定値と同一または異なる設定値に変更された場合、第2遊技状態の設定を特別役実施状態から通常状態の特別役非持ち越し状態に変更する。
・第2遊技状態が特別役持ち越し状態のときに設定値制御部117により現在設定されている設定値と同一または異なる設定値に変更された場合、設定値が変更されたときの遊技進行の状態に応じて、第2遊技状態の設定を特別役持ち越し状態のままにするか、または、特別役非持ち越し状態に変更するかを決定する。
・複数の遊技区間の中から選択された1つの遊技区間が設定され、かつ、内部抽せんにより特別役に当せんしかつこの特別役が入賞する前の状態において、設定値制御部117により現在設定されている設定値とは異なる設定値に変更された場合、設定されている遊技区間に応じて、または、有利区間であることを示す表示がされているか否かに基づいて第2遊技状態の設定を特別役持ち越し状態のままにするか、または、特別役非持ち越し状態に変更するかを決定する。
【0096】
また、例えば、スロットマシン1が、内部抽せんによって特別役に当せんした状態で、フリーズするように構成されていたとする。この場合、フリーズ中に、所定の操作(例えば、現在設定されている設定値と同一または異なる設定値への変更)が行われた場合にのみ、第2遊技状態の設定を特別役実施状態から通常状態の特別役非持ち越し状態に変更するようにしてもよい。なお、フリーズとは、通常よりも回転リール41、42、43の回転開始が遅れたり、回転リール41、42、43の回転開始から所定期間の間、ストップスイッチ34、35、36の操作が一時的に不能になったり、回転リール41、42、43の回転開始後、全ての回転リール41、42、43が停止する前(すなわち、特別役が入賞する前)に、いずれかのストップスイッチ34、35、36が操作されたときから所定期間の間、ストップスイッチ34、35、36の操作が不能になったりする状態をいう。また、特別役に当せんした当選ゲームにフリーズが発生するように構成することもできる。この場合、フリーズの発生が特別役当せんの合図となり、設定値の変更をユーザに促すことができる。
【0097】
特別役持ち越し状態において、特別役(例えば、一種BBおよび二種BB)以外の役の当せんおよび入賞により、持ち越されている特別役が入賞しないように制御されているが、これに限らず、持ち越されている特別役が入賞しない任意の制御を採用できる。
【0098】
特別役の当せんは、液晶表示装置22に限らず、例えば、電飾装置23またはスピーカ24により報知するように構成してもよいし、別途役物を設け、この役物を介して報知するように構成してもよい。
【0099】
一種BBおよび二種BBは、次のように構成することができる。
・特別役持ち越し状態において、一種BBおよび二種BBが入賞するように構成してもよい。この場合、一種BBおよび二種BBは、例えば、内部抽せんの結果、所定の役(例えば、チェリー)に当せんした場合、所定のタイミングおよび/または所定の順番でストップスイッチ34、35、36を操作することで入賞するように構成してもよいし、内部抽せんの結果、ハズレに当せんした場合、ストップスイッチ34、35、36を操作する順番およびタイミングにかかわらず100%入賞するように構成してもよい。
・一種BBは、3枚掛けで遊技が行われた場合にのみ入賞するように構成することができる。また、二種BBは、2枚掛けで遊技が行われた場合にのみ入賞するように構成することができる。
・一種BBおよび二種BBのいずれか一方のみが、ストップスイッチ34、35、36を操作して回転リール41、42、43を全て停止させた場合に必ず有効ライン70上に対応する図柄の組み合わせが配置されて入賞するように構成されていてもよい。
これらの構成を組み合わせることで、特別役の入賞を目押しの技量にかかわらず容易に回避可能な新たな管理手段の幅を広げることができる。例えば、2枚掛けでのみ当せんする可能性のある特別役(例えば、二種BB)が持ち越されて第2遊技状態が特別役持ち越し状態に移行した後、3枚掛けで遊技する場合には特別役は入賞しないが、2枚掛けで遊技することで特別役を入賞可能にすることができる。また、ストップスイッチ34、35、36を所定のタイミングおよび/または所定の順番で操作して特別役の入賞を回避し続けながら、遊技者に遊技させ続けることもできる。
【0100】
スロットマシン1では、入賞すると遊技者にとって不利となる特別役として、一種BBおよび二種BBを有しているが、これに限らない。例えば、一種BBおよび二種BBのいずれか一方を入賞すると遊技者にとって有利となる特別役(すなわち、第2の特別役)としてもよい。遊技者にとって不利となる特別役が入賞した場合、遊技結果判定部113により第2遊技状態が特別役実施状態に移行したことを表す信号が出力される。
【0101】
例えば、スロットマシン1が、第2の特別役を有している場合、遊技状態設定部1152が、第2遊技状態が特別役持ち越し状態である場合において、設定値制御部117により現在設定されている設定値と同一または異なる設定値に変更された場合、持ち越されている特別役の種類に応じて、第2遊技状態の設定を特別役持ち越し状態のままにするか、または、特別役非持ち越し状態に移行させるかを決定するように構成してもよい。例えば、遊技状態設定部1152は、入賞することで遊技者にとって不利となる特別役が持ち越されている場合は、第2遊技状態の設定を特別役持ち越し状態のまま変更せず、入賞することで遊技者にとって有利となる第2の特別役が持ち越されている場合、第2遊技状態の設定を特別役非持ち越し状態に変更するように構成することができる。このような構成により、入賞することで遊技者にとって不利となる特別役の入賞を目押しの技量にかかわらず容易に回避可能な新たな管理手段を有するスロットマシン1を実現できる。
【0102】
入賞すると遊技者にとって不利となる特別役は、一種特別役物に係る役物連続作動装置および二種特別役物に係る役物連続作動装置に限らず、一種特別役物(RB)、二種特別役物、または、普通役物であってもよい。
【0103】
区間制御部114による有利区間の通常区間への強制的設定の条件は、有利区間消化ゲーム数が1500ゲームに到達する、および、有利区間の差枚数が2400枚に到達することに限らない。これらの条件とは異なる条件で、有利区間を通常区間に強制的に設定してもよいし、また、有利区間を通常区間に強制的に設定する条件を設けなくてもよい。例えば、有利区間消化ゲーム数が1500ゲームに到達することで有利区間が通常区間に強制的に設定されるが、有利区間の差枚数が2400枚に到達することでは、有利区間が通常区間に強制的に設定されないように構成してもよい。また、例えば、有利区間が通常区間に強制的に設定された場合を除いて、一旦、遊技区間が有利区間に設定されると、いわゆるボーナス(例えば、一種BB)が1回入賞するか、または、メダルの払い出しが最大となる押し順役(例えば、押し順ベル)の押し順を1回報知するまでは、有利区間を通常区間に設定できないように構成してもよい。
【0104】
スロットマシン1の設定値が変更された場合、遊技区間は、スロットマシン1の設定値が変更される直前の状態を引き継ぐように設定してもよいし、予め設定されている初期状態に設定される(すなわち、初期化される)ようにしてもよい。
【0105】
前記実施形態では、有利区間中に指示機能が作動し、かつ、役物および役物連続作動装置を除いて小役を払い出し枚数最大で入賞させるように遊技を進めた場合の出玉率の平均が100%を超える場合にのみ、有利区間であることが表示部に表示されるように構成しているが、これに限らない。例えば、遊技区間が有利区間へ移行したときに、表示部に有利区間中であることを必ず表示されるように構成してもよい。
【0106】
前記実施形態では、遊技区間が有利区間に移行した場合、区間制御部114が、操作部30に設けた表示部を介して、遊技区間が有利区間であることを表示するように構成しているが、これに限らない。例えば、液晶表示装置22が表示部を兼ねるように構成してもよいし、表示部を省略して遊技区間が有利区間であることを表示しないように構成してもよい。表示部に有利区間であることが表示された後は、有利区間が終了するまで、有利区間であることを表示し続けてもよいし、有利区間であることを表示し続けなくてもよい。
【0107】
制御装置100は、ソフトウェアと協働して所定の機能を実行するCPUに代えて、ハードウェアのみで所定の機能を実現するように専用に設計されているFPGA(field-programmable gate array)、または、ASIC(application specific integrated circuit)を含んでいてもよい。
【0108】
メイン制御部110およびサブ制御部120は、それぞれ異なる基板に設けてもよいし、同一基板上に設けてもよい。すなわち、メイン制御部110およびサブ制御部120は、それぞれがCPU、ROMおよびRAM等を備えていてもよいし、CPU、ROMおよびRAM等を共有していてもよい。
【0109】
押し順役は、所定の押し順でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞する場合に限らない。押し順役は、例えば、所定の位置でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞するようにしてもよいし、所定の位置に加え、所定の押し順でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞するようにしてもよい。
【0110】
内部抽せんテーブルは、
図9に示されている情報に限らず、スロットマシンの設計に応じて、他の任意の情報を含むことができる。
【0111】
有効ラインは、少なくとも1本設定されていればよく、2本以上であっても構わない。
【0112】
可能であれば、メイン制御部110の構成をサブ制御部120に設けてもよいし、サブ制御部120の構成をメイン制御部110に設けてもよい。
【0113】
なお、前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【解決手段】遊技機が、複数の回転リールと、スタートスイッチおよび複数のストップスイッチと、スタートスイッチの操作に伴って内部抽せんを行う内部抽せん部と、回転リール制御部と、遊技に対する有利度合いを規定する設定値を設定する設定値制御部と、複数の遊技状態の中から1つの遊技状態を設定する遊技状態設定部とを備える。遊技状態設定部は、内部抽せんにより入賞することで遊技者にとって不利となる特別役に当せんしかつ当せんした特別役が入賞する前の状態において、設定値制御部により現在設定されている設定値と同一または異なる設定値に変更された場合、遊技状態を特別役持ち越し状態に設定する。