特許第6794535号(P6794535)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6794535
(24)【登録日】2020年11月13日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】内燃機関のためのオイル容器
(51)【国際特許分類】
   F01M 11/00 20060101AFI20201119BHJP
   F02F 7/00 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   F01M11/00 K
   F01M11/00 L
   F02F7/00 302A
   F02F7/00 302Z
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-515938(P2019-515938)
(86)(22)【出願日】2017年9月26日
(65)【公表番号】特表2019-529781(P2019-529781A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】EP2017074301
(87)【国際公開番号】WO2018069034
(87)【国際公開日】20180419
【審査請求日】2019年3月22日
(31)【優先権主張番号】102016119507.3
(32)【優先日】2016年10月13日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510153962
【氏名又は名称】マン・エナジー・ソリューションズ・エスイー
【氏名又は名称原語表記】MAN ENERGY SOLUTIONS SE
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ハートマン
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・ドリュックミラー
【審査官】 家喜 健太
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−166205(JP,U)
【文献】 実開昭62−175208(JP,U)
【文献】 実開昭60−105809(JP,U)
【文献】 特開昭53−041655(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102014001965(DE,A1)
【文献】 特開昭63−105268(JP,A)
【文献】 実開昭62−016711(JP,U)
【文献】 米国特許第02938601(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0120805(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01M 1/00 − 1/28
F01M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のオイル容器(10)であって、
前記内燃機関を潤滑させるために、当該オイル容器(10)に収集されたオイルが、当該オイル容器(10)から移動させられ、前記内燃機関の方向で送られ、その後、前記内燃機関から流出して当該オイル容器(10)内に戻され、
中央オイルチャンバ(15)であって、当該中央オイルチャンバからオイルが吸引され前記内燃機関の方向で送られる、中央オイルチャンバと、
当該オイル容器(10)の傾斜位置に応じて、前記中央オイルチャンバ(15)の斜め上方あるいは斜め下方に位置する側方オイルチャンバ(16、17)であって、前記内燃機関から流出したオイルが、当該側方オイルチャンバ(16、17)に戻される、側方オイルチャンバと、
を有し、
前記中央オイルチャンバ(15)が、当該オイル容器(10)の傾斜位置に応じて、当該中央オイルチャンバ(15)の第1側において当該中央オイルチャンバに隣接する第1の前記側方オイルチャンバ(16)に連結されている、または、当該中央オイルチャンバ(15)の第2側において受動的に制御されている少なくとも1つの逆止弁(20)を介して当該中央オイルチャンバ(15)に連結されており、
前記側方オイルチャンバ(16、17)それぞれが、複数の部分オイルチャンバ(16a、16b、17a、17b)に細分されており、
前記側方オイルチャンバ(16、17)それぞれが、少なくとも1つの内側側方部分オイルチャンバ(16a、17a)と少なくとも1つの外側側方部分オイルチャンバ(16b、17b)とに細分されており、
互いに隣接する前記部分オイルチャンバ(16a、16b、17a、17b)が、恒久的に開いておりそのためオイルを通すことが可能な凹所(22)を有する分離壁(21)を介して連結されており、
前記側方オイルチャンバ(16、17)それぞれの前記内側側方部分オイルチャンバ(16a、17a)が、頂部を閉じられていることを特徴とするオイル容器。
【請求項2】
前記逆止弁(20)が、オイル圧制御されていることを特徴とする請求項1に記載のオイル容器。
【請求項3】
前記逆止弁(20)が、重力制御されていることを特徴とする請求項1または2に記載のオイル容器。
【請求項4】
前記中央オイルチャンバ(15)が、頂部を閉じられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のオイル容器。
【請求項5】
前記側方オイルチャンバ(16、17)それぞれの前記内側側方部分オイルチャンバ(16a、17a)が、受動的に制御されている少なくとも1つの逆止弁(20)を介して前記中央オイルチャンバ(15)に連結されていることを特徴とする請求項に記載のオイル容器。
【請求項6】
前記側方オイルチャンバ(16、17)それぞれの少なくとも1つの前記外側側方部分オイルチャンバ(16b、17b)が、前記中央オイルチャンバ(15)から最も離間し
て位置しており、頂部が開いていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のオイル容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルにかかる内燃機関のオイル容器に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関は、主として、オイルパンとして設計されたオイル容器を備え、このオイル容器内には、潤滑するようにかつ必要に応じて内燃機関を冷却するように機能するオイルを収集し得る。オイル容器から流出すると、オイル容器内に収集されたオイルは、潤滑のためにかつ必要に応じて冷却のために、内燃機関の組立体それぞれに供給され得る。これに続き、内燃機関の組立体それぞれから流出したオイルは、オイル容器に戻され得る。内燃機関の場合、内燃機関から出たオイルは、内燃機関からオイル容器内へ直接下方に排出される、または、オイルは、オイル容器への方向で内燃機関からパイプを介して送られる。特に船舶に搭載される用途において要求されることは、船舶に備え付けられた内燃機関が同様に傾斜位置であっても動作し続け得ること、である。
【0003】
特許文献1から及び特許文献2から、文献それぞれにおける船舶に備え付けられる内燃機関のためのオイル容器は、公知であり、これらオイル容器は、オイル容器が恒久的に不変である傾斜位置にある状態で内燃機関へのオイル供給を保証する。ここで、オイル容器は、中央オイルチャンバ及び側方オイルチャンバに細分されており、側方オイルチャンバからのオイルは、ポンプを使用して中央オイルチャンバに送られ、それにより、オイルが内燃機関の方向で吸引される中央オイル容器において、オイル容器または内燃機関が恒久的に不変である傾斜位置にある状態であっても、オイルは、吸引され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102014001965号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102014001966号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
すでに説明したように、従来技術から公知のオイル容器は、オイル容器がひいては内燃機関が恒久的に不変である傾斜位置にある状態で、内燃機関にオイル容器から流出したオイルを供給することを保証する。しかしながら、この従来技術から公知のオイル容器は、精巧な設計を有している。したがって、より簡素な設計のオイル容器であって、傾斜位置が周期的に変化する場合において、内燃機関へ所定のオイルの供給を可能とするオイル容器に関する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここから開始して、本発明は、内燃機関の新規のタイプのオイル容器を形成するという目的に基づいている。この目的は、請求項1にかかるオイル容器によって解決される。オイル容器の傾斜位置に応じて、中央オイルチャンバは、本発明に応じて、各場合において、少なくとも1つの受動的に制御された逆止弁を介して、中央オイルチャンバの第1側において中央オイルチャンバに隣接する第1側方オイルチャンバに、または、中央オイルチャンバの第2側において中央オイルチャンバに隣接する第2側方オイルチャンバに、連結され得る。
【0007】
本発明にかかるオイル容器は、受動的に制御された逆止弁を利用しており、そのため、ポンプを用いずに維持する。したがって、従来技術から公知のオイル容器と比較して、本発明にかかるオイル容器は、著しく簡素な構成からなる。特にオイル容器の傾斜位置が周期的に変化する場合、内燃機関の規定したオイル供給は、このようなオイル容器を用いて保証され得る。
【0008】
好ましくは、逆止弁それぞれは、オイル圧制御されかつ重力制御されている。オイル圧制御されかつ重力制御され、したがって純粋に受動的に制御されたこのような逆止弁は、特に簡素かつ効率的である。
【0009】
有利なさらなる展開によれば、中央オイルチャンバは、頂部が閉じられている。このようにして、傾斜位置の結果として、オイルが中央オイルチャンバから頂部において漏れないことを保証する。このようにして、オイル容器から流出することによる内燃機関へのこのオイル供給をさらに改善し得る。
【0010】
有利なさらなる展開によれば、側方オイルチャンバそれぞれは、複数の部分オイルチャンバに細分されている。好ましくは、側方オイルチャンバそれぞれは、内側側方部分オイルチャンバと少なくとも1つの外側側方部分オイルチャンバとに細分されており、互いに隣接する部分オイルチャンバは、恒久的に開いておりこのためオイルを通すことが可能な凹所を有する分離壁を介して連結されている。側方オイルチャンバそれぞれの内側側方部分オイルチャンバそれぞれは、各場合において、少なくとも1つの受動的に制御された逆止弁を介して、中央オイルチャンバに連結され得る。側方部分オイルチャンバを部分オイルチャンバに細分することによって、オイル容器から流出することによる内燃機関へのオイル供給をさらに改善し得る。
【0011】
好ましくは、側方オイルチャンバそれぞれの内側側方部分オイルチャンバそれぞれは、頂部が閉じられている。側方オイルチャンバそれぞれのうち中央オイルチャンバから最も離間して位置している少なくとも外側側方オイルチャンバそれぞれは、頂部が開いている。内側側方部分オイルチャンバを閉じることによって、オイル容器から流出することによる内燃機関へのオイル供給をさらに改善する。外側側方部分オイルチャンバによって、オイルは、オイル容器に戻るように流動し得る。内燃機関から流出してオイル容器に戻るように流動するオイルは、側方オイルチャンバで初期的に沈静化され、その後でのみ、中央オイルチャンバを介して内燃機関の方向に至る。
【0012】
本発明の好ましいさらなる展開は、従属請求項及び以下の説明から得られる。本発明の例示的な実施形態は、図面に限定されない図面を用いて詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明にかかるオイル容器であって通常位置にあるオイル容器を示す概略断面図である。
図2】本発明にかかるオイル容器であって傾斜位置にあるオイル容器を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、内燃機関のためのオイル容器に関する。本発明にかかるオイル容器は、特に船舶に備え付けられる内燃機関で特に採用される。
【0015】
図1及び図2それぞれは、本発明にかかる内燃機関のオイル容器10を通る概略断面を示している。オイル容器10は、底壁11及び側壁12によって画定されており、オイル容器10の底壁11及び側壁12は、オイルのための受容空間13を画定する。オイル容器10において、すなわちオイル容器の受容空間13において、オイルは、準備状態で維持されており、オイルは、内燃機関を潤滑するかつ必要に応じて冷却するためにオイル容器10から移動させられ得る。図1及び図2は、吸引パイプの吸引開口14を示しており、オイルは、この吸引パイプを通してオイル容器10から吸引され、内燃機関の方向で送られ得る。内燃機関から流出すると、オイルは、オイル容器10内へ、すなわち受容空間13内へ戻され得、この目的のために、オイル容器10は、底壁11とは反対側に位置する頂部において開口して具現化されている。
【0016】
オイル容器10は、中央オイルチャンバ15と中央オイルチャンバ15の両側に隣接する側方オイルチャンバ16及び17とを備える。図1及び図2によれば、オイルがオイル容器10から吸引される吸引開口部14は、中央オイルチャンバ15に設けられており、それにより、吸引開口部14を介して、オイルは、中央オイルチャンバ15から吸引され、そして、内燃機関の方向で送られ得る。
【0017】
すでに説明したように、側方オイルチャンバ16、17それぞれは、中央オイルチャンバ15の両側に配設されている。オイル容器10の傾斜位置に応じて、側方オイルチャンバ16、17は、中央オイルチャンバ15の斜め上方にまたは斜め下方に位置する。図1は、通常位置に、すなわち傾斜位置にないオイル容器10を示している。図2の傾斜位置において、側方オイルチャンバ16は、中央オイルチャンバ15の斜め下方に配設され、側方オイルチャンバ17は、中央オイルチャンバの斜め上方に配設されている。
【0018】
内燃機関から流出すると、オイル容器10の方向で戻されたオイルは、内燃機関から流出して側方オイルチャンバ16、17内へ戻され得る。
【0019】
中央オイルチャンバ15は、中央オイルチャンバに隣接する側方オイルチャンバ16、17から分離壁18によって分離されている。
【0020】
図示した好ましい例示的な実施形態において、中央オイルチャンバ15は、蓋壁19によって、底壁11とは反対側に位置する頂部が閉じられている(中央オイルチャンバは、同様に開口していることも可能である)。
【0021】
オイル容器10の傾斜位置に応じて、中央オイルチャンバ15は、中央オイルチャンバ15の第1側に配設されている側方オイルチャンバ16に、または、反対側である中央オイルチャンバ15の第2側に配設されている側方オイルチャンバ17に、受動的に制御されている少なくとも1つの逆止弁20を介して、各別に連結されている。
【0022】
受動的に制御されている逆止弁20それぞれは、中央オイルチャンバ15とそれぞれ隣接している側方オイルチャンバ16、17との間にある分離壁18それぞれに一体化されている。
【0023】
特にオイル容器10が図1に示す通常位置にあるとき、逆止弁20は、主として、半開している。オイルは、側方オイルチャンバから中間チャンバ内へ流動する。
【0024】
図2の傾斜位置において、中央オイルチャンバ15と側方オイルチャンバ16との間にある分離壁18に設けられた逆止弁20は、閉じている一方、中央オイルチャンバ15と側方オイルチャンバ17との間にある分離壁18に設けられた逆止弁20は、開いており、それにより、中央オイルチャンバ15の斜め上方に位置する側方オイルチャンバ17から流出し、オイルは、側方オイルチャンバ17から中央オイルチャンバ15内へ流動し得る。中央オイルチャンバ15が好ましくは蓋壁19によって頂部が閉じられているという事実のため、傾斜位置の結果として、オイルが中央オイルチャンバ15から中央オイルチャンバの側方斜め下方に配設された図2の側方オイルチャンバ16内へ流動することは、防止されている。
【0025】
特に図2のオイル容器10が図2と比較して他方に向けて傾いていると、すなわち、側方オイルチャンバ16が中央オイルチャンバ15の斜め上方に配設されかつ側方オイルチャンバ17が中央オイルチャンバの斜め下方に配設されていると、側方オイルチャンバ16と中央オイルチャンバ15との間にある分離壁18に設けられた逆止弁20は、開き、それにより、オイルは、側方オイルチャンバ16から流出し、そして、中央オイルチャンバ15内へ流入し得る。この場合において、中央オイルチャンバ15と側方オイルチャンバ17との間にある分離壁18に設けられた逆止弁20は、閉じている。
【0026】
図1及び図2では、細部A及びBがオイル容器10の横に示されており、図1において、細部A及びBによれば、受動型逆止弁20双方は、半開している一方、図2において、細部Aによれば、逆止弁20は、閉じ、細部Bによれば、他方の逆止弁20は、開いている。
【0027】
すでに説明したように、逆止弁20は、受動的に制御されている。特に、逆止弁は、オイル圧制御されており、かつ、重力制御されている。互いに隣接するオイルチャンバ15及び16並びにオイルチャンバ15及び17におけるオイル圧の圧力差に応じて、かつ、オイル容器10の傾斜位置及び傾斜位置の結果として作用する重力に応じて、逆止弁20は、相応して開閉する。
【0028】
図示した好ましい例示的な実施形態において、側方オイルチャンバ16、17それぞれは、複数の部分オイルチャンバ16a、16b及び17a、17bに各別に細分されている。したがって、図1及び図2の例示的な実施形態において、側方オイルチャンバ16、17それぞれは、2つの部分オイルチャンバ16a、16b及び17a、17bそれぞれに、すなわち、内側側方部分オイルチャンバ16a、17aと外側側方部分オイルチャンバ16b、17bとに細分されている。複数の外側部分オイルチャンバ16b、17bは、同様に、一列で互いに側方で隣り合って配設され得る。
【0029】
内側側方部分オイルチャンバ16a、17aは、中央オイルチャンバ15に隣接しており、分離壁18及び受動的に制御された逆止弁20によって中央オイルチャンバから分離されている、または、受動的に制御された逆止弁20によって中央オイルチャンバに連結されている。内側部分オイルチャンバ16a、17aは、分離壁21によって外側部分オイルチャンバ16b、17bから分離されており、これら分離壁21は、恒久的に開いており、このため、これら分離壁21には、恒久的にオイルを通すことが可能な凹所22が形成されている。側方オイルチャンバ16、17それぞれの部分オイルチャンバ16a、16b及び17a、17b間では、オイルは、恒久的に開いておりこのため恒久的にオイルを通すことが可能な凹所22を介して、すなわち、オイル容器10の傾斜位置に応じて、恒久的に流動し得る。
【0030】
図1及び図2の図示した例示的な実施形態において、単に、中央オイルチャンバ15は、蓋壁19によって、底壁11とは反対側に位置する頂部が閉じられており、側方オイルチャンバ16、17は、頂部が完全に、すなわち部分オイルチャンバ16a、16b及び17a、17b双方の領域において、開いている。
【0031】
図1及び図2の例示的な実施形態とは対照的に、可能であることは、中央オイルチャンバ15に直接隣接している内側側方部分オイルチャンバ16a、17aが蓋壁(図示略)によって頂部を閉じられていること、である。この場合において、中央オイルチャンバ15からさらに離間して位置している側方外側部分オイルチャンバ16b、17bは、図1及び図2において頂部を開いて設計されており、そのため、オイルは、内燃機関から流出し、オイル容器10の方向で戻るように流動し、外側側方部分オイルチャンバ16b、17bを介して内側へ、その後、内側側方部分オイルチャンバ16a、17aを介して流動し、そして、中央オイルチャンバ15の領域に入る。このため、内燃機関から流出してオイル容器10の領域へ戻るように流動するオイルは、沈静化され、沈静化された結果、内燃機関に潤滑オイルまたは冷却オイルを特に有利に供給することが可能である。
【0032】
本発明にかかるオイル容器10は、簡素な設計の構造を有しており、受動的に制御されている逆止弁20を利用している。例えばポンプのような能動的に制御されている組立体を必要としない。本発明にかかるオイル容器10を用いて、オイル容器10の傾斜位置が周期的に変化する内燃機関に冷却オイルまたは潤滑オイルを安定して供給することを保証し得る。
【符号の説明】
【0033】
10 オイル容器
11 底壁
12 側壁
13 受容空間
14 吸引開口部
15 オイルチャンバ
16 オイルチャンバ
16a 部分オイルチャンバ
16b 部分オイルチャンバ
17 オイルチャンバ
17a 部分オイルチャンバ
17b 部分オイルチャンバ
18 分離壁
19 蓋壁
20 逆止弁
21 分離壁
22 開口部
図1
図2