特許第6794553号(P6794553)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6794553データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ、ネットワークチェーン、およびそのデータ処理伝送方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6794553
(24)【登録日】2020年11月13日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ、ネットワークチェーン、およびそのデータ処理伝送方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20201119BHJP
   B61D 19/02 20060101ALI20201119BHJP
   E05F 15/655 20150101ALI20201119BHJP
【FI】
   H04Q9/00 311J
   B61D19/02 V
   E05F15/655
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-535427(P2019-535427)
(86)(22)【出願日】2016年9月22日
(65)【公表番号】特表2020-503773(P2020-503773A)
(43)【公表日】2020年1月30日
(86)【国際出願番号】CN2016099659
(87)【国際公開番号】WO2018049695
(87)【国際公開日】20180322
【審査請求日】2019年4月12日
(31)【優先権主張番号】201610825491.2
(32)【優先日】2016年9月14日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518258423
【氏名又は名称】南京康尼机電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】許 志興
(72)【発明者】
【氏名】后 暁鵬
(72)【発明者】
【氏名】王 愛青
(72)【発明者】
【氏名】史 翔
【審査官】 田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第104635680(CN,A)
【文献】 特開2005−145240(JP,A)
【文献】 特開2005−195376(JP,A)
【文献】 特開2016−063451(JP,A)
【文献】 特開2011−250496(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0102903(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00− 9/16
B61D 17/00−49/00
E05F 15/00−15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラにおいて、
モータ駆動信号をリアルタイムに収集するためのモータ駆動データ収集ユニットを内蔵し、モータの運転を駆動するためのモータ駆動モジュールと、
ドアコントローラと車両バスとの間の通信情報を収集するためのバス通信データ収集ユニットを内蔵し、車両バスと通信するためのバス通信モジュールと、
車両ドアシステムの開閉信号を収集するための車両ドア開閉制御データ収集ユニットを内蔵し、車両ドアの開閉を制御するための車両ドア開閉制御モジュールと、
ドアコントローラ自身の内部の運転状態パラメータを収集するための運転パラメータ収集ユニットを内蔵し、ドアコントローラの運転パラメータを記録するためのパラメータ制御モジュールと、
モータ駆動データ収集ユニット、車両ドア開閉制御データ収集ユニット、運転パラメータ収集ユニットおよびバス通信データ収集ユニットで収集した4種類のデータを受信して処理し、処理後の前記4種類のデータを、診断分析のためにバックグランドサーバに伝送するためのデータ収集伝送装置と、を含むことを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ収集伝送装置が集積されたドアコントローラにおいて、
データ収集伝送装置は、ドアコントローラに集積され、CANインタフェースとSPIインタフェースを含むドアコントローラ内部のシリアルポートを介してドアコントローラと通信することを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ。
【請求項3】
請求項1に記載のデータ収集伝送装置が集積されたドアコントローラにおいて、
データ収集伝送装置は、モータ駆動データ収集ユニットがリアルタイムに収集したモータ駆動信号を受信し、計算処理および分析をすることによって、回転角度、回転速度、トルクおよびドア開閉時間を含むモータパラメータを得ることを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ。
【請求項4】
請求項1に記載のデータ収集伝送装置が集積されたドアコントローラにおいて、
車両ドアの故障時に、データ収集伝送装置は、バス通信データ収集ユニットが収集したドアコントローラと車両バスとの間の通信情報を受信し、計算処理および分析をすることによって、車両ドア故障パラメータを得ることを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ。
【請求項5】
請求項1に記載のデータ収集伝送装置が集積されたドアコントローラにおいて、
データ収集伝送装置は、処理後の4種類のデータをバックグランドサーバに送信するための、無線通信モジュールと有線通信モジュールを含む通信モジュールを内蔵することを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ。
【請求項6】
請求項5に記載のデータ収集伝送装置が集積されたドアコントローラにおいて、
無線通信モジュールは、WIFI、3G、Zigbee、470MHz無線モジュールのうちのひとつまたは複数を含み、
有線通信モジュールは、イーサネットモジュールおよび/またはCANモジュールを含むことを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ。
【請求項7】
請求項5に記載のデータ収集伝送装置が集積されたドアコントローラを複数備えるネットワークチェーンであって、
各ドアコントローラは、他のドアコントローラと有線通信モジュールによってチェーンネットワーキング通信を行うことを特徴とする、
ネットワークチェーン。
【請求項8】
請求項1に記載のデータ収集伝送装置が集積されたドアコントローラにおいて、
前記データ収集伝送装置は、データ収集伝送装置が受信したオリジナル収集データを記憶するための第1バッファエリアと、オリジナル収集データを判断した後の有効データを記憶するための第2バッファエリアとを含む記憶モジュールを含むことを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ。
【請求項9】
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラのデータ処理伝送方法において、
(1)データ収集伝送装置が、モータ駆動データ収集ユニット、車両ドア開閉制御データ収集ユニット、運転パラメータ収集ユニットおよびバス通信データ収集ユニットで収集したデータを受信して第1バッファエリアに記憶し、
(2)収集されたデータが有効データであるかをデータ検査によって判断し、有効データである場合、当該データを第2バッファエリアに記憶するが、そうでない場合、当該データをクリアし、
(3)第2バッファエリアに記憶されたデータを分類し、当該データが、リアルタイムのモータ駆動信号、ドアコントローラと車両バスとの間の通信情報、車両ドアシステムの開閉信号、ドアコントローラ自身の内部の運転状態パラメータのうちのいずれに該当するかを判断し、
(4)ステップ(3)で分類した後のデータの処理または記憶をし、リアルタイムのモータ駆動信号を処理してリアルタイムのモータパラメータを得て、ドアコントローラと車両バスとの間の通信情報を処理して故障時の車両ドア故障パラメータを得て、車両ドアシステムの開閉信号を処理して車両ドア開閉状態変化量を得て、モータパラメータ、車両ドア故障パラメータ、車両ドア開閉状態変化量、及びドアコントローラ自身の内部の運転状態パラメータを第2バッファエリアに記憶
(5)ステップ(4)で記憶したデータを、診断分析のために、通信モジュールによってバックグランドサーバに伝送することを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラのデータ処理伝送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアコントローラに係り、特にデータ収集伝送装置が集積されたドアコントローラおよびそのデータ処理伝送方法に係る。
【背景技術】
【0002】
軌道交通列車は、複数の車両で構成される。各車両は、その両側に複数の車両ドアを持つ。各車両ドアの開閉は、システム内のドアコントローラによって制御される。軌道車両のドアシステムは、軌道交通車両のA類の重要なコアコンポーネントとして挙げられ、最も使用されている車両機器でもある。運営中に、車両ドアシステムが頻繁に開閉される必要があり、大きな乗客の流れの影響と相まって、客室の車両ドアに故障が頻発する。統計によると、車両ドアの故障は、車両の運行故障の30%以上を占め、通常の車両運行に深刻な影響を及ぼす。軌道車両ドアの開閉動作中に最も重要なコンポーネントは、ドアコントローラである。ドアコントローラの動作状態は、車両ドアの全体的な動作状態を間接的に反映することもできる。よって、ドアコントローラの重要なパラメータの監視によって、直接または間接的に車両ドアの動作状態の状況を監視することができる。ドアコントローラは、軌道車両ドアの運転状態を判断するデータソースである。
【0003】
しかしながら、従来のドアコントローラは、軌道車両ドアに故障が生じた場合に故障の発生を検出できるが、保守担当者にリアルタイムに通知することができず、しかも、故障発生時の車両ドアモータなどのリアルタイムの運転状態を記録することができず、車両ドアシステムの半健康状態を判断することもできない。
【0004】
現在、ドアコントローラの検出手段も提案されており、すなわち、RS232やRS485などのバスを用いて、ドアコントローラの外部インターフェースに検出機器を外部接続して検出を行う。しかし、外部接続装置の回路が複雑であり、スペースを取り、システムの集積化に有利ではない。さらに、検出機器がドアコントローラとモータとの間に接続されているため、検出可能なデータとしてドアコントローラと車両バスとの通信情報およびモータの駆動情報に限られ、車両ドア開閉制御情報およびドアコントローラ内部の運転状態パラメータを収集することができない。しかしながら、これらの情報は、故障時の検出および判断に非常に重要な情報である。これらの情報がなければ、故障判断の情報が不完全だけではなく、リアルタイムの検出および故障の早期警報の機能を実現することもできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来技術の不備に対し、本発明は、データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラおよびその処理伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラにおいて、モータ駆動信号をリアルタイムに収集するためのモータ駆動データ収集ユニットを内蔵し、モータの運転を駆動するためのモータ駆動モジュールと、ドアコントローラと車両バスとの間の通信情報を収集するためのバス通信データ収集ユニットを内蔵し、車両バスと通信するためのバス通信モジュールと、車両ドアシステムの開閉信号を収集するための車両ドア開閉制御データ収集ユニットを内蔵し、車両ドアの開閉を制御するための車両ドア開閉制御モジュールと、ドアコントローラ自身の内部の運転状態パラメータを収集するための運転パラメータ収集ユニットを内蔵し、ドアコントローラの運転パラメータを記録するためのパラメータ制御モジュールと、モータ駆動データ収集ユニット、車両ドア開閉制御データ収集ユニット、運転パラメータ収集ユニットおよびバス通信データ収集ユニットで収集した4種類のデータを受信して処理し、処理後の前記4種類のデータをバックグランドサーバに伝送するためのデータ収集伝送装置と、を含む。
【0007】
さらに、データ収集伝送装置は、ドアコントローラに集積され、CANインタフェースとSPIインタフェースを含むドアコントローラ内部のシリアルポートを介してドアコントローラと通信する。
【0008】
さらに、データ収集伝送装置は、モータ駆動データ収集ユニットがリアルタイムに収集したモータ駆動信号を受信し、計算処理および分析をすることによって、回転角度、回転速度、トルクおよびドア開閉時間を含むモータパラメータを得る。
【0009】
さらに、車両ドアの故障時に、データ収集伝送装置は、バス通信データ収集ユニットが収集したドアコントローラと車両バスとの間の通信情報を受信し、計算処理および分析をすることによって、車両ドア故障パラメータを得る。
【0010】
さらに、データ収集伝送装置は、処理後の4種類のデータをバックグランドサーバに送信するための、無線通信モジュールと有線通信モジュールを含む通信モジュールを内蔵する。
【0011】
さらに、無線通信モジュールは、WIFI、3G、Zigbee、470MHz無線モジュールのうちのひとつまたは複数を含み、有線通信モジュールは、イーサネットモジュールおよび/またはCANモジュールを含む。
【0012】
さらに、各車両の複数のデータ収集伝送装置は、有線通信モジュールによってチェーンネットワーキング通信を行う。
【0013】
さらに、データ収集伝送装置は、データ収集伝送装置が受信したオリジナル収集データを記憶するための第1バッファエリアと、オリジナル収集データを判断した後の有効データを記憶するための第2バッファエリアとを含む記憶モジュールを含む。
【0014】
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラのデータ処理伝送方法において、
(1)データ収集伝送装置が、モータ駆動データ収集ユニット、車両ドア開閉制御データ収集ユニット、運転パラメータ収集ユニットおよびバス通信データ収集ユニットで収集したデータを受信して第1バッファエリアに記憶し、
(2)収集されたデータが有効データであるかをデータ検査によって判断し、有効データである場合、当該データを第2バッファエリアに記憶するが、そうでない場合、当該データをクリアし、
(3)第2バッファエリアに記憶されたデータを分類し、当該データが、リアルタイムのモータ駆動信号、ドアコントローラと車両バスとの間の通信情報、車両ドアシステムの開閉信号、ドアコントローラ自身の内部の運転状態パラメータのうちのいずれに該当するかを判断し、
(4)ステップ(3)で分類した後のデータの処理または記憶をし、リアルタイムのモータ駆動信号を処理してリアルタイムのモータパラメータを得て記憶し、ドアコントローラと車両バスとの間の通信情報を処理して故障時の車両ドア故障パラメータを得て記憶し、車両ドアシステムの開閉信号を処理して車両ドア開閉状態変化量を得て記憶し、ドアコントローラ自身の内部の運転状態パラメータを記憶し、
(5)ステップ(4)で記憶したデータを、通信モジュールによってバックグランドサーバに伝送する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、ドアコントローラ内のシリアルポートを介してドアコントローラと通信できるようにデータ収集伝送装置をドアコントローラの内部に集積し、ドアコントローラのリアルタイムのモータ駆動信号、ドアコントローラと車両バスとの間の通信情報、車両ドアシステムの開閉信号およびドアコントローラ自身の内部の運転状態パラメータを収集し、これらのパラメータを処理してサーバに伝送することによって、故障の発生時に故障の原因を早急に突き止めることができる。故障が生じないときに各パラメータが正常であるかをリアルタイムに監視し、記録してデータベースを形成し、各パラメータの変化に応じて分析することで、故障が生じうる状況を早急警報をすることができる。記録されたデータベースおよびパラメータの変化の傾向が、将来の故障研究や、故障の自動処理または処理対策の提案に大きく貢献し、車両運行の故障検出保守に対し重大な意義を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ドアコントローラのオリジナル機能モジュールの構造図である。
図2】本発明の構造図である。
図3】ドアコントローラの各機能モジュールで収集される情報の模式図である。
図4】各車両のチェーンネットワーキング構造図である。
図5】データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラのデータ処理伝送方法のフローチャートである。
図6】バックグランドサーバの全体的なアーキテクチャを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施例を通じ、図面も参照して本発明を詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラは、モータ駆動モジュールと、バス通信モジュールと、車両ドア開閉制御モジュールと、パラメータ制御モジュールとを含み、図2に示すように、さらにデータ収集伝送装置を含む。データ収集伝送装置は、ドアコントローラに集積され、CANインタフェースとSPIインタフェースを含むドアコントローラ内部のシリアルポートを介してドアコントローラと通信する。本発明は、データ収集伝送装置のボードをドアコントローラの内部に嵌め込み、ドアコントローラの取付構造や方式および機能を変更させることなく、元のドアコントローラとは構造上一体化し、完全に元のドアコントローラに取って代わることができる。
【0019】
図3に示すように、モータ駆動モジュールは、モータ駆動信号をリアルタイムに収集するためのモータ駆動データ収集ユニットを内蔵し、モータの運転を駆動することに用いられる。データ収集伝送装置は、モータ駆動データ収集ユニットがリアルタイムに収集したモータ駆動信号を受信し、計算処理および分析をすることによって、回転角度、回転速度、トルクおよびドア開閉時間を含むモータパラメータを得る。
【0020】
バス通信モジュールは、ドアコントローラと車両バスとの間の通信情報を収集するためのバス通信データ収集ユニットを内蔵し、車両バスと通信することに用いられる。車両ドアの故障時に、データ収集伝送装置は、バス通信データ収集ユニットが収集したドアコントローラと車両バスとの間の通信情報を受信し、計算処理および分析をすることによって、車両ドア故障パラメータを得る。
【0021】
車両ドア開閉制御モジュールは、車両ドアシステムのすべての開閉信号を収集することのできる車両ドア開閉制御データ収集ユニットを内蔵し、車両ドアの開閉を制御することに用いられる。
【0022】
パラメータ制御モジュールは、ドアコントローラ自身の内部の運転状態パラメータを収集するための運転パラメータ収集ユニットを内蔵し、ドアコントローラの運転パラメータを記録することに用いられる。
【0023】
データ収集伝送装置は、モータ駆動データ収集ユニット、車両ドア開閉制御データ収集ユニット、運転パラメータ収集ユニットおよびバス通信データ収集ユニットで収集した4種類のデータを受信して処理し、処理後の4種類のデータをバックグランドサーバに伝送することに用いられる。データ収集伝送装置は、収集した車両ドアのリアルタイムのオリジナル運転データに対し内部で計算処理および分析をして、車両ドアのリアルタイムの運転状態を監視し、半健康状態または車両ドア運転故障タイプを判断することによって、軌道車両ドア運転状態をリアルタイムに監視する目的を達成することができ、故障の初期判断もでき、すなわち車両ドアの半健康などの状態で早急に判断することができる。
【0024】
データ収集伝送装置は、通信モジュールと、記憶モジュールと、データ処理用のMCUモジュールを含む。記憶モジュールは、データ収集伝送装置が受信したオリジナル収集データを記憶するための第1バッファエリアと、オリジナル収集データを判断した後の有効データを記憶するための第2バッファエリアとを含む。
【0025】
通信モジュールは、処理後の4種類のデータをバックグランドサーバに送信することに用いられ、無線通信モジュールと有線通信モジュールを含む。
【0026】
無線通信モジュールは、ボード上のWIFI、3G、Zigbee、470MHz無線モジュールのうちのひとつまたは複数を含み、有線通信モジュールは、イーサネットモジュールおよび/またはCANモジュールを含む。有線通信モジュールを選択して使用した場合、各車両の複数のデータ収集伝送装置は、有線通信モジュールによってチェーンネットワーキング通信を行う。図4に示すように、イーサネットモジュールによってチェーンイーサネットネットワーキング通信を行う。各データ収集伝送装置には2つのイーサネットインタフェースを含む。各車両の10個のデータ収集伝送装置は、チェーンネットワーキングを採用し、チェーンイーサネットで首尾を接続され、先頭の収集伝送装置がスイッチに接続され、一台の列車のすべてのドアの運転データをイーサネットでバックグランドサーバに伝送する。このようなネットワーキング方式は、回路が簡単であるだけではなく、各車両のすべてのドアコントローラがスイッチの1つのイーサネットインタフェースしか占用しないため、車両全体で1つのスイッチのみによってすべてのドアコントローラの通信が実現される。CAN通信を採用するのであれば、図の中のチェーンイーサネットをCAN通信に変更すればよいが、チェーンネットワーキング方式は変わらない。
【0027】
図5に示すように、データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラのデータ処理伝送方法において、データ収集伝送装置は、まずドアコントローラと正常に通信し、データを正しく受信し、それからデータの分類処理および分析をし、最後にバックグランドサーバに送信する。具体的に、以下のステップを含む。
(1)データ収集伝送装置は、モータ駆動データ収集ユニット、車両ドア開閉制御データ収集ユニット、運転パラメータ収集ユニットおよびバス通信データ収集ユニットで収集したデータを受信して第1バッファエリアに記憶する。収集したオリジナルデータは、ドアモータの回転角度、回転速度、電流、車両ドアシステムのIO信号、車両ドア故障コード、ドアコントローラ運転状態パラメータなどのデータを含む。
(2)収集されたデータが有効データであるかをデータ検査によって判断し、有効データである場合、当該データを第2バッファエリアに記憶するが、そうでない場合、当該データをクリアする。
(3)第2バッファエリアに記憶されたデータを分類し、当該データが、リアルタイムのモータ駆動信号、ドアコントローラと車両バスとの間の通信情報、車両ドアシステムの開閉信号、ドアコントローラ自身の内部の運転状態パラメータのうちのいずれに該当するかを判断する。
(4)ステップ(3)で分類した後のデータの処理または記憶をする。リアルタイムのモータ駆動信号を処理してリアルタイムのモータパラメータを得て記憶する。ドアコントローラと車両バスとの間の通信情報を処理して故障時の車両ドア故障パラメータを得て記憶し、回転角度、回転速度、トルク、温度およびドア開閉時間が含まれる。車両ドアシステムの開閉信号を処理して車両ドア開閉状態変化量を得て記憶する。ドアコントローラ自身の内部の運転状態パラメータを記憶する。
(5)ステップ(4)で記憶したデータを、通信モジュールによってバックグランドサーバに伝送する。
【0028】
図6は、バックグランドサーバの全体的なアーキテクチャを示す図面である。データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラから、通信モジュールによって、ドア運転データをバックグランドサーバに伝送して記憶および分析を行う。それにより、ユーザは、クライアントで、通信モジュールによってバックグランドサーバにアクセスすることができる。この方式によれば、ユーザは、各ネットワークの伝送機器の運転状況が正常であるかを知ることができ、点検者の検査データへのフィードバック、毎日の点検、毎週の点検などのデータを記録することができる。また、ドアシステムの故障データの分析と診断をオンラインで行い、同一応用シーンに適する診断基準や専門家の経験をドアコントローラに配信することができる。
【0029】
本発明のバックグランドサーバは、主に、すべての車載監視機器搭載済みの列車ドアのドアシステム動作状態データを受信し、データの診断分析を行い、すべての車両ドア運転状態データおよび診断の故障データを記憶し、可視化界面を提供し、データ履歴やドアデータ統計テーブルなどの検索などに供することができる。具体的な、以下の主要な機能を実現する。
(1)リアルタイム通信サービス(リダイレクションサービス含む)機能:本装置搭載済みのすべての列車ドアのドアシステムデータを取得する。
(2)データ処理機能:データセンタ全体の内部データ変換とデータ処理機能、ドアシステムの故障データ分析と診断、オンライン監視表示機能、データセキュリティ処理と加工、知識ベースの計算と保守、データベース操作などの機能がある。
(3)ウェブアプリケーションサービス:主にデータセンタ全体にウェブアプリケーションサービスを提供する。ユーザは、コンピュータに専用のクライアントをインストールすることなく、ブラウザを通じてデータセンタのデータにアクセスすることができる。
(4)ファイルサービス:主にデータファイル管理(データベースのバックアップ、アップグレードファイルの管理など)、リモートデバイスのバージョンのダウンロード、アップグレード、デバイス設定項目の変更などをサポートする。
(5)データベースと専門知識ベース:データセンタのデータベースは、一般的に、基本データベース、リアルタイムデータベース、サービスデータベースおよびログライブラリに分けられる。
(6)モバイルアプリケーション機能:モバイルAPP、およびモバイルバックグラウンドサービス処理サービス、フォールトモバイルAPPのオンライン共同処理をサポートし、遠隔診断移動化や、運用および保守の移動化作業を実現する。
【0030】
その利点は、以下である。
(1)一旦故障が発生すると、故障過程の完全な情報を自動的に記録することができ、その後、同様の事故を回避するための故障原因分析に供する。ドアシステムの性能を十分に理解し、設計、製造および保守のレベル向上を強力にサポートする。
(2)ドアシステムの異常運転状態の分析を通して、故障の原因、程度および位置を明らかにし、ドアシステムの保守と点検のために科学的根拠を提供する。ライフサイクルを延ばし、保守コストを下げ、運営と保守コストを減らし、車両ドアシステムのオンライン監視および状態保守のための技術的準備をする。
(3)故障の早期の兆候を識別し、対応する対応策を講じ、重大事故の発生を回避、緩和、減少し、地下鉄車両ドアシステムの運転の信頼性と安全性を高め、車両ドアの故障数を減らし、運営秩序を改善する。
(4)ビッグデータ分析とネットワークインテリジェント運営保守システムにより、設計者、テスタ、検査官、現場設置および試運転担当者、アフターメンテナンス担当者、および運営保守担当者間のマルチレベルの共同管理が実現される。
【0031】
本発明によって収集された情報に対し、モノのインターネットおよびビッグデータ分析技術の応用が可能であり、軌道ドアシステムの動作状態の遠隔オンライン監視を実現し、ドアシステムの故障発生過程の完全な情報を記録し、故障原因の徹底分析を支援し、ドアシステムの半健康状態を予測することができ、車両ドアの保守方式を、故障後保守、保守予定から、徐々に状態保守を推し進める。
【0032】
以上は、単に本発明の好適な実施形態に過ぎない。なお、当業者は、本発明の原理を逸脱することなくいくつかの改良や修正を行うこともでき、これらの改良や修正も本発の保護範囲として見なされるべきである。
【0033】
(付記)
(付記1)
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラにおいて、
モータ駆動信号をリアルタイムに収集するためのモータ駆動データ収集ユニットを内蔵し、モータの運転を駆動するためのモータ駆動モジュールと、
ドアコントローラと車両バスとの間の通信情報を収集するためのバス通信データ収集ユニットを内蔵し、車両バスと通信するためのバス通信モジュールと、
車両ドアシステムの開閉信号を収集するための車両ドア開閉制御データ収集ユニットを内蔵し、車両ドアの開閉を制御するための車両ドア開閉制御モジュールと、
ドアコントローラ自身の内部の運転状態パラメータを収集するための運転パラメータ収集ユニットを内蔵し、ドアコントローラの運転パラメータを記録するためのパラメータ制御モジュールと、
モータ駆動データ収集ユニット、車両ドア開閉制御データ収集ユニット、運転パラメータ収集ユニットおよびバス通信データ収集ユニットで収集した4種類のデータを受信して処理し、処理後の前記4種類のデータをバックグランドサーバに伝送するためのデータ収集伝送装置と、を含むことを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ。
【0034】
(付記2)
付記1に記載のデータ収集伝送装置が集積されたドアコントローラにおいて、
データ収集伝送装置は、ドアコントローラに集積され、CANインタフェースとSPIインタフェースを含むドアコントローラ内部のシリアルポートを介してドアコントローラと通信することを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ。
【0035】
(付記3)
付記1に記載のデータ収集伝送装置が集積されたドアコントローラにおいて、
データ収集伝送装置は、モータ駆動データ収集ユニットがリアルタイムに収集したモータ駆動信号を受信し、計算処理および分析をすることによって、回転角度、回転速度、トルクおよびドア開閉時間を含むモータパラメータを得ることを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ。
【0036】
(付記4)
付記1に記載のデータ収集伝送装置が集積されたドアコントローラにおいて、
車両ドアの故障時に、データ収集伝送装置は、バス通信データ収集ユニットが収集したドアコントローラと車両バスとの間の通信情報を受信し、計算処理および分析をすることによって、車両ドア故障パラメータを得ることを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ。
【0037】
(付記5)
付記1に記載のデータ収集伝送装置が集積されたドアコントローラにおいて、
データ収集伝送装置は、処理後の4種類のデータをバックグランドサーバに送信するための、無線通信モジュールと有線通信モジュールを含む通信モジュールを内蔵することを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ。
【0038】
(付記6)
付記5に記載のデータ収集伝送装置が集積されたドアコントローラにおいて、
無線通信モジュールは、WIFI、3G、Zigbee、470MHz無線モジュールのうちのひとつまたは複数を含み、
有線通信モジュールは、イーサネットモジュールおよび/またはCANモジュールを含むことを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ。
【0039】
(付記7)
付記5に記載のデータ収集伝送装置が集積されたドアコントローラにおいて、
各車両の複数のデータ収集伝送装置は、有線通信モジュールによってチェーンネットワーキング通信を行うことを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ。
【0040】
(付記8)
付記1に記載のデータ収集伝送装置が集積されたドアコントローラにおいて、
前記データ収集伝送装置は、データ収集伝送装置が受信したオリジナル収集データを記憶するための第1バッファエリアと、オリジナル収集データを判断した後の有効データを記憶するための第2バッファエリアとを含む記憶モジュールを含むことを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラ。
【0041】
(付記9)
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラのデータ処理伝送方法において、
(1)データ収集伝送装置が、モータ駆動データ収集ユニット、車両ドア開閉制御データ収集ユニット、運転パラメータ収集ユニットおよびバス通信データ収集ユニットで収集したデータを受信して第1バッファエリアに記憶し、
(2)収集されたデータが有効データであるかをデータ検査によって判断し、有効データである場合、当該データを第2バッファエリアに記憶するが、そうでない場合、当該データをクリアし、
(3)第2バッファエリアに記憶されたデータを分類し、当該データが、リアルタイムのモータ駆動信号、ドアコントローラと車両バスとの間の通信情報、車両ドアシステムの開閉信号、ドアコントローラ自身の内部の運転状態パラメータのうちのいずれに該当するかを判断し、
(4)ステップ(3)で分類した後のデータの処理または記憶をし、リアルタイムのモータ駆動信号を処理してリアルタイムのモータパラメータを得て記憶し、ドアコントローラと車両バスとの間の通信情報を処理して故障時の車両ドア故障パラメータを得て記憶し、車両ドアシステムの開閉信号を処理して車両ドア開閉状態変化量を得て記憶し、ドアコントローラ自身の内部の運転状態パラメータを記憶し、本実施例で第2バッファエリアに記憶されるが、ほかの記憶方式も可能であり、
(5)ステップ(4)で記憶したデータを、通信モジュールによってバックグランドサーバに伝送することを特徴とする、
データ収集伝送装置が集積されたドアコントローラのデータ処理伝送方法。
図1
図2
図3
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図5
図6