特許第6794578号(P6794578)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6794578
(24)【登録日】2020年11月13日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】X線及び超音波画像の位置合わせ
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20201119BHJP
   A61B 6/12 20060101ALI20201119BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   A61B8/12
   A61B6/12
   A61B6/03 350A
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-503916(P2020-503916)
(86)(22)【出願日】2018年7月20日
(65)【公表番号】特表2020-526354(P2020-526354A)
(43)【公表日】2020年8月31日
(86)【国際出願番号】EP2018069699
(87)【国際公開番号】WO2019020498
(87)【国際公開日】20190131
【審査請求日】2020年1月24日
(31)【優先権主張番号】17183317.1
(32)【優先日】2017年7月26日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ナイホフ ニルス
(72)【発明者】
【氏名】ハークス ゴドフリドゥス アントニウス
【審査官】 佐々木 龍
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−526066(JP,A)
【文献】 特表2016−540604(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0122514(US,A1)
【文献】 特開2010−057910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00−8/15
A61B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム形成超音波プローブの超音波画像のライブストリームをX線画像と位置合わせする画像位置合わせシステムにおいて、前記位置合わせが、i)前記ビーム形成超音波プローブと、前記X線画像において表される医療装置上に配置され、前記医療装置に対して所定の空間的関係を持つ超音波トランスデューサとの間で送信された超音波信号、及びii)前記X線画像から得られた前記医療装置の位置に基づき、前記画像位置合わせシステムが、
前記超音波画像のライブストリームを受信し、
前記医療装置の表現を含む前記X線画像を受信し、
前記受信されたX線画像から、前記医療装置の位置を識別し、
前記ビーム形成超音波プローブと前記医療装置上に配置された前記超音波トランスデューサとの間で送信された超音波信号に対応する送信及び検出された信号を受信し、
前記受信された信号に基づいて、i)最大の検出された信号に対応する前記ビーム形成超音波プローブの超音波ビームを選択し、ii)前記選択された超音波ビームに対して、前記送信された超音波信号の飛行時間に基づいて前記ビーム形成超音波プローブと前記超音波トランスデューサとの間の距離を計算することにより、前記ビーム形成超音波プローブに対する前記超音波トランスデューサの場所を決定し、
前記医療装置の前記識別された位置に基づいて前記ライブストリームからの各超音波画像を前記X線画像と位置合わせし、ここで前記位置合わせが、i)前記医療装置に対する前記超音波トランスデューサの前記所定の空間的関係及びii)前記ビーム形成超音波プローブに対する前記超音波トランスデューサの前記決定された場所に基づく前記識別された位置からのオフセットを決定することを含む、
ように構成された少なくとも1つのプロセッサを有する、画像位置合わせシステム。
【請求項2】
前記X線画像が、超音波センサの表現を含み、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記受信されたX線画像から、前記X線画像に表された前記超音波センサの位置に基づいて前記医療装置の位置を識別するように構成される、請求項1に記載の画像位置合わせシステム。
【請求項3】
前記医療装置が、前記X線画像に表される少なくとも1つのX線基準を含み、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記受信されたX線画像から、前記X線画像に表される前記少なくとも1つのX線基準の位置に基づいて前記医療装置の位置を識別するように構成される、請求項1に記載の画像位置合わせシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記受信されたX線画像から、前記医療装置の表現を前記X線画像と位置合わせすることにより前記医療装置の位置を識別するように構成される、請求項1に記載の画像位置合わせシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記X線画像上のオーバレイとして前記ライブストリームの各超音波画像を連続して表示するように構成される、請求項1に記載の画像位置合わせシステム。
【請求項6】
前記X線画像が、前記ライブストリームの各超音波画像より早い時間に生成された過去のX線画像であり、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記過去のX線画像より新しい更新されたX線画像を受信し、前記過去のX線画像を前記更新されたX線画像で置き換えるように構成される、請求項1に記載の画像位置合わせシステム。
【請求項7】
前記超音波トランスデューサが、非撮像超音波トランスデューサである、請求項1に記載の画像位置合わせシステム。
【請求項8】
前記超音波画像のライブストリームが、i)心臓プローブ、ii)心臓内超音波検査ICEプローブ、iii)経食道心エコー図TEEプローブ、iv)経胸腔心エコー図TTEプローブ、v)血管内超音波IVUSプローブのグループから選択されたビーム形成超音波プローブにより提供される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像位置合わせシステム。
【請求項9】
前記超音波画像のライブストリームが、現在の超音波画像を含み、前記画像位置合わせシステムが、前記現在の超音波画像内の位置を示すユーザ入力を受信し、前記位置合わせされたX線画像において、前記現在の超音波画像内の前記位置に対応するマーカを提供するように構成される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像位置合わせシステム。
【請求項10】
前記医療装置が、食道温度プローブである、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像位置合わせシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記食道温度プローブから、前記食道温度プローブ上の位置における温度を示す温度信号を受信し、前記位置合わせされたX線画像内の対応する位置において前記受信された温度を示すように構成される、請求項10に記載の画像位置合わせシステム。
【請求項12】
前記X線画像が、蛍光透視画像である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の画像位置合わせシステム。
【請求項13】
前記X線画像を提供するX線撮像システム、ビーム形成超音波プローブ、医療装置及び/又は前記医療装置上に配置された前記超音波トランスデューサ及び/又は前記X線画像内で対応する基準表現を提供する少なくとも1つのX線基準の少なくとも1つを有する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の画像位置合わせシステム。
【請求項14】
前記X線画像が、X線画像座標系を含み、前記超音波画像のライブストリームが、前記ビーム形成超音波プローブに対して固定された超音波画像座標系を含み、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記超音波画像座標系を前記X線画像座標系にマッピングすることにより前記医療装置の前記識別された位置に基づいて前記ライブストリームの各超音波画像を前記X線画像と位置合わせするように構成される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の画像位置合わせシステム。
【請求項15】
i)ビーム形成超音波プローブと、X線画像において表される医療装置上に配置され、前記医療装置に対して所定の空間的関係を持つ超音波トランスデューサとの間で送信された超音波信号及びii)前記X線画像から得られる前記医療装置の位置に基づいて、前記ビーム形成超音波プローブの超音波画像のライブストリームを前記X線画像と位置合わせする画像位置合わせシステムの少なくとも1つのプロセッサ上で実行される場合に、前記少なくとも1つのプロセッサに、
前記超音波画像のライブストリームを受信するステップと、
前記医療装置の表現を含む前記X線画像を受信するステップと、
前記受信されたX線画像から、前記医療装置の位置を識別するステップと、
前記ビーム形成超音波プローブと前記医療装置上に配置された前記超音波トランスデューサとの間で送信された超音波信号に対応する送信及び検出された信号を受信するステップと、
前記受信された信号に基づいて、i)最大の検出された信号に対応する前記ビーム形成超音波プローブの超音波ビームを選択し、ii)前記選択された超音波ビームに対して、前記送信された超音波信号の飛行時間に基づいて前記ビーム形成超音波プローブと前記超音波トランスデューサとの間の距離を計算することにより、前記ビーム形成超音波プローブに対する前記超音波トランスデューサの場所を決定するステップと、
前記医療装置の前記識別された位置に基づいて前記ライブストリームからの各超音波画像を前記X線画像と位置合わせするステップであって、前記位置合わせが、i)前記医療装置に対する前記超音波トランスデューサの前記所定の空間的関係及びii)前記ビーム形成超音波プローブに対する前記超音波トランスデューサの前記決定された場所に基づく前記識別された位置からのオフセットを決定することを含む、ステップと、
を実行させる命令を有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビーム形成超音波プローブの超音波画像のライブストリームをX線画像と位置合わせする画像位置合わせシステムに関する。本発明は、広くは医療撮像分野、より具体的にはインターベンション処置中の心臓又は腔内撮像において使用されうる。本発明は、電気生理学及び心臓疾患の治療のような医療処置において使用されうる。
【背景技術】
【0002】
インターベンション処置は、X線ガイダンスの下で日常的に実行される。X線撮像は、このような処置において使用される医療装置の良好な視覚化を提供するが、貧弱な軟組織コントラストに悩まされる。超音波撮像は、しばしば、X線画像の貧弱な軟組織コントラストを増加させるのに使用されるが、超音波下の医療装置の視覚化は、しばしば困難である。特に、特定の入射角における医療装置の鏡面反射は、超音波画像においてこのような医療装置を位置特定することを難しくする。X線画像をライブ超音波画像と位置合わせ又は融合する既知のシステムは、良好な軟組織コントラスト及び医療装置の改善された視覚化を提供する。
【0003】
文献US8126239B2は、蛍光透視画像を、体積を表すデータと位置合わせすること、及び術前体積データにより表される体積に対してカテーテル位置を識別することを含む方法を開示している。カテーテル位置は、カテーテルをスキャンすることなしに取得されたデータにより表される患者体積に対して表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、医療処置中のインターベンション装置のガイダンスを改善する余地が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前述の問題を軽減する画像位置合わせシステムを提供しようとする。このために、ビーム形成超音波プローブの超音波画像のライブストリームをX線画像と位置合わせする画像位置合わせシステムが、提供される。前記位置合わせは、i)前記X線画像において表される医療装置上に配置される超音波トランスデューサと前記ビーム形成超音波プローブとの間で送信された超音波信号に基づき、前記超音波トランスデューサは、前記医療装置と所定の空間的関係を持つ。前記位置合わせは、ii)前記X線画像から得られた前記医療装置の位置にも基づく。前記画像位置合わせシステムは、a)前記超音波画像のライブストリームを受信し、b)前記医療装置の表現を含む前記X線画像を受信し、c)前記受信されたX線画像から、前記医療装置の位置を識別し、d)前記医療装置上に配置された前記超音波トランスデューサと前記ビーム形成超音波プローブとの間で送信された超音波信号に対応する送信及び検出された信号を受信し、e)前記受信された信号に基づいて、i)最大の検出された信号に対応する前記ビーム形成超音波プローブの超音波ビームを選択し、ii)前記選択された超音波ビームに対して、前記送信された超音波信号の飛行時間に基づいて前記ビーム形成超音波プローブと前記超音波トランスデューサとの間の距離を計算することにより前記ビーム形成超音波プローブに対する前記超音波トランスデューサの場所を決定し、f)前記医療装置の前記識別された位置に基づいて前記ライブストリームからの各超音波画像を前記X線画像と位置合わせするように構成される少なくとも1つのプロセッサを含み、前記位置合わせは、i)前記医療装置に対する前記超音波トランスデューサの前記所定の空間的関係及びii)前記ビーム形成超音波プローブに対する前記超音波トランスデューサの前記決定された場所に基づく前記識別された位置からのオフセットを決定することを含む。
【0006】
そうする際に、前記画像位置合わせシステムは、ライブ超音波画像、すなわち高い軟組織コントラストを持つ後続のリアルタイム画像を対応するX線画像に正確に位置合わせする。前記超音波画像により提供される前記高い軟組織コントラストは、解剖学的ガイダンスに対して有益である。前記位置合わせは、前記X線画像から得られた前記医療装置の位置を基準位置として使用して実行される。前記医療装置に対する前記ビーム形成超音波プローブのいかなる後続の移動も、前記X線画像に対する前記超音波画像のライブストリームの位置合わせにより考慮される。前記X線画像は、前記医療装置の良好な視覚化を提供し、したがって、前記医療装置の基準位置は、正確に決定される。更に、前記ビーム形成超音波プローブと前記医療装置との間で送信される信号を使用する前記医療装置の追跡は、X線及び超音波座標系の間のリンクを提供するために前記ビーム形成超音波プローブ及び前記医療装置を独立して追跡する必要性を取り除く。前記位置合わせは、超音波信号、すなわち前記位置合わせにおいて使用される前記ビーム形成超音波プローブの超音波ビームが、前記ビーム形成超音波プローブに対して正確にアラインされるので、前記ライブ超音波画像を前記X線画像と正確にアラインする。更に、位置決めに対する超音波信号の使用は、既知の磁気ベースの追跡システムの磁場を歪ませる金属体のリスクを避ける。前記画像位置合わせシステムは、したがって、インターベンション処置中に医療装置を正確にガイドするのに使用されることができる。記載された発明からの更なる利点も、当業者に明らかである。
【0007】
一態様によると、前記X線画像は、前記超音波センサの表現及び/又は前記医療装置の少なくとも1つのX線基準を更に含む。前記医療装置の位置は、前記X線画像内に表される前記超音波センサの位置及び/又は前記医療装置の少なくとも1つのX線基準に更に基づいて識別される。前記超音波センサの位置及び/又は前記医療装置の前記少なくとも1つのX線基準は、位置決めの精度及び結果的に位置合わせの精度を改善するのに使用される前記X線画像内の追加の基準位置を提供する。これらの位置は、例えば、前記医療装置の向き又は回転の決定を改善しうる。
【0008】
他の態様によると、前記X線画像は、前記ライブストリームの各超音波画像より前の時間に生成された過去のX線画像である。この態様において、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記過去のX線画像より新しい更新されたX線画像を受信し、前記過去のX線画像を前記更新されたX線画像で置き替える。前記更新されたX線画像は、結果的に最近の解剖学的変化を示してもよく、又は生体構造内の異なる位置を示してもよい。後者は、生体構造内の新しい場所で医療処置を実行する場合に有用でありうる。
【0009】
他の態様によると、前記超音波画像のライブストリームは、現在の超音波画像を含む。この態様において、前記画像位置合わせシステムは、更に、前記現在の超音波画像内の位置を示すユーザ入力を受信し、前記位置合わせされたX線画像において、前記現在の超音波画像内の前記位置に対応する位置を提供する。前記マーカは、前記生体構造内の関心位置を示してもよい。これは、例えば、アブレーションのような意図される医療処置の場所であってもよい。この態様は、したがって、医療処置のガイダンスを改善するのに使用されうる。
【0010】
他の態様によると、前記医療装置は、例えば、食道温度プローブであってもよい。医療処置中に、食道温度プローブは、有利には、前記生体構造内で比較的静止したままである傾向にある。結果的に、前記X線画像内の前記医療装置の位置は、長い時間期間に対して有効なままである。前記ビーム形成超音波プローブの前記超音波画像のライブストリームは、したがって、前記X線画像が生成された後に長い時間期間に対して前記X線画像と正確に位置合わせされる。これは、前記生体構造内の前記医療装置の現在の位置を反映するように定期的なX線画像を作成する必要性を低減し、これにより患者に対するX線量を低減する。オプションとして、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記食道温度プローブから、前記食道温度プローブ上の位置における温度を示す温度信号を受信し、前記位置合わせされたX線画像内の対応する位置において前記受信された温度を示してもよい。これは、医療処置中の患者に対する負傷のリスクを低減するのに使用されうる。
【0011】
他の態様によると、前記X線画像は、蛍光透視画像、すなわちライブX線画像である。この態様において、ライブ超音波画像は、したがって、ライブX線画像と位置合わせされる。この態様は、各モダリティからの最も新しい画像が位置合わせされるので、特に前記医療装置及び/又はインターベンション装置が前記生体構造内で大きな又は速い変位を受ける場合に改善された解剖学的ガイダンスを提供する。
【0012】
他の態様によると、コンピュータプログラムが、開示される。前記コンピュータプログラムは、前記画像位置合わせシステムの少なくとも1つのプロセッサ上で実行される場合に、前記プロセッサに、前記方法ステップ、すなわち、a)前記超音波画像のライブストリームを受信するステップと、b)前記医療装置の表現を含む前記X線画像を受信するステップと、c)前記受信されたX線画像から、前記医療装置の位置を識別するステップと、d)前記ビーム形成超音波プローブと前記医療装置上に配置された前記超音波トランスデューサとの間で送信される超音波信号に対応する送信及び検出された信号を受信するステップと、e)前記受信された信号に基づいて、i)最大の検出された信号に対応する前記ビーム形成超音波プローブの超音波ビームを選択し、ii)前記選択された超音波ビームに対して、前記送信された超音波信号の飛行時間に基づいて前記ビーム形成超音波プローブと前記超音波トランスデューサとの間の距離を計算することにより、前記ビーム形成超音波プローブに対する前記超音波トランスデューサの場所を決定するステップと、f)前記医療装置の前記識別された位置に基づいて前記ライブストリームからの各超音波画像を前記X線画像と位置合わせするステップであって、前記位置合わせが、i)前記医療装置に対する前記超音波トランスデューサの所定の空間的関係及びii)前記ビーム形成超音波プローブに対する前記超音波トランスデューサの前記決定された場所に基づく、前記識別された位置からのオフセットを決定することを含む、ステップとを実行させる命令を含む。
【0013】
更なる態様は、添付の請求項を参照して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一部の態様による画像位置合わせシステム111を含む構成110を示す。
図2】視野120内の食道温度プローブ131を持つICEカテーテル130の第1の実施例を示す。
図3】視野120内の食道温度プローブ131を持つICEカテーテルの第2の実施例を示す。
図4】コンピュータプログラムにより実行されうる様々な方法ステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の原理を示すために、心臓内超音波検査、すなわちICEからの超音波画像のライブストリームをX線画像と位置合わせする画像位置合わせシステムが、記載される。しかしながら、本発明が、一般にビーム形成超音波プローブに応用されると理解されたい。例えば、前記ビーム形成超音波プローブは、代替的には、一般に心臓プローブ、2次元又は3次元ICEプローブ、経食道心エコー図TEEプローブ、経胸腔心エコー図TTEプローブ、又は血管内超音波IVUSプローブであってもよい。更に、記載された画像位置合わせシステムにおいて、静止X線画像が、参照される。本発明が、X線画像、すなわち蛍光透視X線画像のライブストリームとともに使用されてもよいことも理解されたい。更に、前記X線画像内に表される前記医療装置が食道温度プローブである画像位置合わせシステムが、記載される。特に食道温度プローブが参照されるが、前記医療装置が、この例に限定されず、前記医療装置が、代替的に、例えば、カテーテル、アブレーションカテーテル、生検装置、ガイドワイヤ、プローブ、内視鏡、ロボット、フィルタ装置、バルーン装置、ステント、僧帽弁クリップ、左心耳閉鎖装置、大動脈弁、ペースメーカ、静脈ライン、排水管路、手術ツール、組織封止装置、又は組織切断装置であってもよいことも理解されたい。上記の例は、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0016】
図1は、本発明の一部の態様による画像位置合わせシステム111を含む構成110を示す。画像位置合わせシステム111は、ビーム形成超音波プローブ113から受信された超音波画像のライブストリーム112を、X線撮像システム118から受信されたX線画像114と位置合わせするのに使用されうる。
【0017】
図1のビーム形成超音波プローブ113は、一緒に視野120を規定する複数の超音波ビームを生成する撮像プローブである。視野120は、例えば、生体構造の一部でありうる関心領域121を含みうる、すなわち関心領域121と重複しうる。使用時に、ビーム形成超音波プローブ113は、したがって、視野120に対応する、したがって、視野121を含む超音波画像を生成するのに使用されうる。特定の例において、ビーム形成超音波プローブ113は、例えば、心臓の一部のような関心領域121を撮像するのに使用される2次元又は3次元ICEプローブであってもよい。
【0018】
輝度モード、すなわちBモード撮像のような超音波撮像処置中に、ビーム形成超音波プローブ113内の1又は2次元トランスデューサアレイは、視野120を規定する複数の超音波ビームを送信する。前記ビームは、シーケンス、又は「フレーム」で送信される。前記フレームは、超音波画像112のライブ、すなわち後続のリアルタイムストリームを生成するために複数回繰り返される。各ビームは、前記トランスデューサアレイの素子により送信される超音波信号に様々な遅延を加えることにより既知のビーム形成技術を使用して生成される。各ビームが送信された後に、ビーム形成超音波プローブ113は、受信モードに切り替わり、反射された超音波信号を検出する。1以上の関連するプロセッサは、前記トランスデューサアレイにより検出された超音波信号に様々な遅延を加えることにより各ビームに沿った音響密度を決定する。視野120の音響密度に対応する超音波画像が、各フレームに対する全てのビームに対する応答を結合することにより前記1以上の関連するプロセッサにより決定される。前記1以上の関連するプロセッサは、図1に示されていないが、しかしながら、これらは、ビーム形成超音波プローブ113内に、又は図1に示されない別個の超音波コンソール内に配置されてもよく、又は代替的にはこれらの機能が、ビーム形成超音波プローブ113内、前記別個の超音波コンソール内の前記1以上のプロセッサ、又は画像位置合わせシステム111内の前記1以上のプロセッサ117の間で分散されてもよい。
【0019】
図1のX線撮像システム118は、視野119を持ち、一般に、任意のX線撮像システムでありうる。一例において、X線撮像システム118は、CアームX線撮像システムであり、他の例において、X線撮像システム118は、コンピュータ断層撮影、すなわちCT撮像システムである。X線画像114は、したがって、平面又は投影画像であってもよく、又は断層撮影画像であってもよい。更に、X線画像は、蛍光透視X線画像、すなわちライブX線画像であってもよい。
【0020】
使用時に、図1のX線撮像システム118は、医療装置116の表現を含むX線画像114を生成する。医療装置116は、X線画像114が生成される時間にX線撮像システム118の視野119内に配置されている。結果的に、医療装置116の少なくとも一部が、X線画像114内で可視である。医療装置116は、例えば、食道温度プローブであってもよい。食道温度プローブは、有利には、医療処置中に比較的静止したままであり、したがって、比較的固定された基準位置を提供することができる。更に、図1の医療装置116は、超音波トランスデューサ115を含む。超音波トランスデューサ115は、超音波エミッタ又は検出器であってもよく、又は実際には超音波信号の放射及び検出の両方ができてもよく、すなわちトランスポンダであってもよい。使用時に、超音波トランスデューサ115は、超音波トランスデューサ115が、ビーム形成超音波プローブ113により送信された超音波ビームの少なくとも1つを感知できるか、又はビーム形成超音波プローブ113が、超音波ビームの少なくとも1つの中で、超音波トランスデューサ115により放射された超音波信号を感知できるかのいずれかであるように、ビーム形成超音波プローブ113の視野120内である。好適な構成において、超音波トランスデューサ115は、ビーム形成超音波プローブ113により放射された超音波信号を感知できる検出器である。
【0021】
更に、医療装置116内に配置された超音波トランスデューサ115は、医療装置116と所定の空間的関係を持つ。一例において、超音波トランスデューサ115は、医療装置116上の位置に対する既知の位置又は向き又は回転において配置されうる。一例において、医療装置116は、遠位端を含んでもよく、超音波トランスデューサ115は、前記遠位端から既知の距離に配置されてもよい。他の例において、医療装置116は、軸を持つボディを含んでもよく、超音波トランスデューサ115は、前記ボディの軸に対して既知の回転角に配置されてもよい。他の例において、複数の超音波トランスデューサ115が、医療装置116上に配置されてもよい。前記複数の超音波トランスデューサは、例えば、例えば医療装置116の遠位端に対して既知のパターンで配置されてもよい。
【0022】
様々なタイプの超音波トランスデューサが、図1の超音波トランスデューサ115として考えられる。これらは、圧電、ピエゾ抵抗及び容量性トランスデューサを含む。より具体的には、微小電気機械システム、すなわちMEMS、又は容量性微小機械超音波トランスデューサ、すなわちCMUT型超音波トランスデューサも、使用されうる。適切な圧電材料は、ポリフッ化ビニリデンのような高分子圧電材料、ポリフッ化ビニリデン三フッ化エチレンのようなPVDF共重合体、又はP(VDF−TrFE−CTFE)のようなPVDFターポリマを含む。高分子圧電材料は、高い可撓性を提供し、したがって、非平坦地形を持つ表面にコンフォーマルに取り付けられうる。好ましくは、非撮像超音波トランスデューサ、すなわち不十分な画素を持つ又は他の形で画像を生成するように制御されていない超音波トランスデューサが、使用されるが、しかしながら、撮像トランスデューサが使用されてもよいことも、考えられる。換言すると、超音波トランスデューサ115は、撮像医療装置116の撮像アレイの一部を形成しうる。
【0023】
図1において、画像位置合わせシステム111と、X線撮像システム118、超音波トランスデューサ115、及びビーム形成超音波プローブ113との間の接続は、有線接続であるものとして示されている。前記有線接続は、様々なユニット間の信号及び/又は制御信号のようなデータの受信又は送信を容易化する。これらの有線接続の1以上を無線接続で置き換えることも、考えられる。更に、X線画像114は、図示されるように、X線撮像システム118から直接的に受信されるのではなく、メモリから受信されてもよい。
【0024】
上述のように、図1の画像位置合わせシステム111は、少なくとも1つのプロセッサ117を含む。少なくとも1つのプロセッサ117は、a)超音波画像のライブストリーム112を受信し、b)医療装置116の表現を含むX線画像114を受信し、c)受信されたX線画像114から医療装置116の位置を識別し、d)ビーム形成超音波プローブ113と医療装置116上に配置された超音波トランスデューサ115との間で送信された超音波信号に対応する送信及び検出された信号を受信し、e)前記受信された信号に基づいて、i)最大の検出された信号に対応するビーム形成超音波プローブ113の超音波ビームを選択し、ii)前記選択された超音波ビームに対して、前記送信された超音波信号の飛行時間に基づいてビーム形成超音波プローブ113と超音波トランスデューサ115との間の距離を計算することにより、ビーム形成超音波プローブ113に対する超音波トランスデューサ115の場所を決定し、f)医療装置116の前記識別された位置に基づいて、ライブストリーム112からの各超音波画像をX線画像114と位置合わせするように構成される。前記位置合わせは、i)医療装置116に対する超音波トランスデューサ115の所定の空間的関係及びii)ビーム形成超音波プローブ113に対する超音波トランスデューサ115の前記決定された場所に基づく前記識別された位置からのオフセットを決定することを含む。
【0025】
結果的に、ステップf)におけるX線画像114に対する超音波画像のライブストリーム112の位置合わせは、X線画像114内の医療装置116の位置からの2つのオフセットを使用して決定される。第1のオフセットは、超音波トランスデューサ115と医療装置116との間の既知の空間的関係により規定される。第2のオフセットは、ビーム形成超音波プローブ113に対する超音波トランスデューサ115の場所により規定される。実際の位置に依存して、前記オフセットは、例えば、平行移動、回転又は回転及び平行移動の組み合わせでありうる。前記位置合わせにおいてこのような回転及び平行移動を実行する多くの適切な技術は、医療画像位置合わせ分野から既知である。文献Medical image registration, Hill, D. L. G, et al, PHYSICS IN MEDICINE AND BIOLOGY, Phys. Med. Biol. 46 (2001) R1-R45に記載されたもののような医療撮像分野からの既知の位置合わせ技術が、使用されてもよい。特に、オフセットi)及びii)を組み込む剛体変換は、前記位置合わせにおいて使用されてもよい。
【0026】
上のステップc)、すなわち受信されたX線画像114から、医療装置116の位置を識別することに関して、様々な方法が、考えられる。好適な実施例において、前記医療装置の表現は、既知の医療画像位置合わせ技術を使用して前記X線画像と位置合わせされる。1つの適切な技術は、フィリップスのEchonavigatorシステムにおいて実施される。これは、前記医療装置のモデルの位置が前記X線画像内のものと最良にマッチするまで二又は三次元画像空間において前記医療装置のモデルの位置を調節することを含む。マッチング位置は、例えば、最小二乗法又は最小エネルギ計算を使用して決定されうる。前記画像位置合わせは、例えば、前記X線画像において勾配を計算してもよく、及び/又は医療装置116の輪郭を決定するために前記X線画像に対してエッジ検出アルゴリズムを適用してもよい。適切な既知のエッジ検出方法は、周波数ドメインフィルタリング及びフーリエ変換を含む。
【0027】
上のステップd)及びe)、すなわち、ビーム形成超音波プローブ113と前記医療装置上に配置された超音波トランスデューサ115との間で送信される超音波信号に基づいてビーム形成超音波プローブ113に対する超音波トランスデューサ115の場所を決定することに関して、文献WO2011/138698A1及び刊行物"A New Sensor Technology for 2D Ultrasound-Guided Needle Tracking", Huanxiang Lu et al, MICCAI 2014, Part II, LNCS 8674, pp. 389-10 396, 2014に記載されたものと同様である手法が、実施されてもよい。
【0028】
図1を参照すると、この手法において、超音波トランスデューサ115は、好ましくは、ビーム形成超音波プローブ113により放射された撮像超音波信号を感知することができる検出器である。上述のように、従来の超音波撮像モード、例えば輝度、すなわちBモードにおいて、ビーム形成超音波プローブ113の一又は二次元トランスデューサアレイは、各超音波画像を生成するために視野120内のビームのシーケンスを送信する。各ビームは、前記トランスデューサアレイの素子により送信される超音波信号に様々な遅延を加えることにより生成される。各ビームが送信された後に、ビーム形成超音波プローブ113は、受信モードに切り替わり、前記トランスデューサアレイにより検出された超音波信号に様々な遅延を加えることにより前記ビームに沿った音響密度を決定する。視野120の音響密度に対応する超音波画像は、各フレームに対して全てのビームに対する応答を結合することにより決定される。超音波トランスデューサ115が、ビーム形成超音波プローブ113の視野120内にある場合、各放射された超音波ビームは、前記ビームからの横変位に部分的に依存する信号強度で検出される。検出器115に最も近いビームは、最大の検出された信号強度を生成し、このビームは、ビーム形成超音波プローブ113と超音波トランスデューサ115との間の角度又は方角を識別する。検出器115が配置される実際のビームは、各撮像フレーム内の前記ビームの送信のタイミングの情報を使用して画像位置合わせシステム111により決定される。更に、ビーム形成超音波プローブ113と超音波トランスデューサ115との間の距離は、当該ビームの飛行時間、すなわち、ビーム形成超音波プローブ113のトランスデューサアレイによる送信と超音波トランスデューサ115による検出との間の時間から画像位置合わせシステム111により計算される。ビーム形成超音波プローブ113と超音波トランスデューサ115との間の角度及び距離は、既知であるので、これは、ビーム形成超音波プローブ113に対する超音波トランスデューサ115の場所を提供する。この手法は、他の超音波撮像モードを用いて同様な様式で使用されうる。
【0029】
上記手法の1つの変形例において、超音波トランスデューサ115の相対位置を決定するのにビーム形成超音波プローブ113の超音波撮像ビームを使用する代わりに、専用追跡ビームが、同様に送信され、超音波トランスデューサ115の相対位置を決定するように同じ様式で検出されてもよい。これらの追跡ビームは、前記撮像ビーム間に時間的にインタリーブされてもよく、例えば、これらは、画像フレーム内で又は画像フレーム間に送信されてもよい。有利には、これらの追跡ビームは、必ずしも前記撮像ビームと空間的に一致する又は同じ空間的解像度を持つ必要はない。上記手法の他の変形例において、検出器である超音波トランスデューサ115の代わりに、超音波エミッタが、使用されてもよい。この変形例において、前記超音波エミッタは、超音波パルス、又は前記パルスの放射の時間に対する補正の後に、超音波エミッタ115の位置において明るいスポットとしてビーム形成超音波プローブ113により生成される超音波画像のライブストリームにおいて現れるシグネチャを周期的に発してもよい。上記手法の他の変形例において、超音波トランスデューサ115は、超音波パルス又はビーム形成超音波プローブ113からの超音波信号の検出に対するシグネチャを発するトランスポンダとして動作してもよい。再び、前記パルスの放射の時間に対する補正の後に、エミッタ115の位置は、明るいスポットとして前記超音波画像のライブストリーム内に現れる。したがって、これらの記載された変形例の各々において、ビーム形成超音波プローブ113に対する超音波トランスデューサ115の場所は、ビーム形成超音波プローブ113と医療装置116上に配置された超音波トランスデューサ115との間で送信された超音波信号に基づいて決定される。
【0030】
更に、ビーム形成超音波プローブ113に対する超音波トランスデューサ115の場所は、ステップe)において、i)最大の検出された信号に対応する前記ビーム形成超音波プローブの超音波ビームを選択し、ii)前記選択された超音波ビームに対して、前記送信された超音波信号の飛行時間に基づいて前記ビーム形成超音波プローブと前記超音波トランスデューサの間の距離を計算することにより決定される。超音波トランスデューサ115がエミッタとして動作する場合、ステップi)及びii)は、前記超音波画像のライブストリームにおいて明るいスポットとして前記エミッタの位置を提供する場合に前記ビーム形成超音波プローブのプロセッサにより本質的に実行される。
【0031】
最後に、ステップf)に関して、ライブストリーム112からの各超音波画像は、医療装置116の識別された位置に基づいてX線画像114と位置合わせされる。前記位置合わせは、i)医療装置116に対する超音波トランスデューサ115の所定の空間的関係及びii)ビーム形成超音波プローブ113に対する超音波トランスデューサ115の決定された場所に基づく前記識別された位置からのオフセットを決定することを含む。
【0032】
一実施例において、X線画像114は、X線画像座標系を含み、超音波画像のライブストリーム112は、ビーム形成超音波プローブ113に対して固定された超音波画像座標系を含む。少なくとも1つのプロセッサ117は、前記超音波画像座標系を前記X線画像座標系にマッピングすることにより医療装置116の前記識別された位置に基づいてライブストリーム112からの各超音波画像をX線画像114と位置合わせするように構成されてもよい。前記超音波画像座標系及び/又は前記X線画像座標系は、例えば、極座標、デカルト座標系、円筒又は球座標系であってもよい。様々なマッピング手法が、これに対して考えられ、医療画像位置合わせ分野から周知である。
【0033】
一実施例において、図1の画像位置合わせシステム111の少なくとも1つのプロセッサ117は、X線画像114上のオーバレイとしてライブストリーム112の各超音波画像を連続して表示するように構成される。換言すると、ライブストリーム112の現在の又は最も新しい超音波画像を有する融合画像が、表示されてもよい。
【0034】
ステップf)において実行される前記位置合わせの精度を改善するために、ステップe)において超音波トランスデューサ115の場所を決定する精度が、オプションとして、医療装置116上に1以上の追加の超音波トランスデューサを含めることにより改善されうる。これに対して、図2は、視野120内に食道温度プローブ131を持つICEカテーテル130の第1の実施例を示す。ICEカテーテル130は、図1のビーム形成超音波プローブ113に対応し、食道温度プローブ131は、図1の医療装置116に対応する。図2において、ICEカテーテル130は、関心領域121を含む、すなわち関心領域121と重複する視野120を持つ。ICEカテーテル130は、したがって、関心領域121を含む画像のライブストリーム112を生成するように構成される。食道温度プローブ131は、視野121に含まれ、すなわち視野121により重複される。複数の超音波トランスデューサ115nは、食道温度プローブ131上に配置され、ICEカテーテル130により送信された超音波ビームを検出するように構成される。複数の超音波トランスデューサ115nの各々の場所は、図1の単一の超音波トランスデューサに対して上に記載されたものと同じ様式でICEカテーテル130に対して決定される。複数の超音波トランスデューサ115nにより提供される追加の場所情報は、ICEカテーテル130に対する食道温度プローブ131の場所を決定する精度を改善する。例えば、複数の超音波トランスデューサ115nは、前記トランスデューサの1つが視野120の外側である場合に、他のトランスデューサの1つが、前記視野内でありうるような冗長性を提供する。更に、複数の超音波トランスデューサ115nは、医療装置116に関する追加の回転及び/又は向き情報を提供し、これは、ステップf)におけるより正確な位置合わせの結果となる。
【0035】
上記ステップf)において実行される前記位置合わせの精度を更に改善するために、ステップc)におけるX線画像114内の医療装置116の位置の識別が、オプションとして、改善されてもよい。これに対して、前記X線画像において識別される、前記超音波センサの位置は、医療装置116の位置の識別を改善するように医療装置116上の追加の基準点を提供するのに使用されてもよい。前記超音波センサの輪郭は、例えば、特徴的な形状又は特徴的なX線吸収のために前記X線画像内に表されてもよい。代替的には、1以上のX線基準が、医療装置116上に含まれてもよい。これらの基準は、結果的にX線画像114内に表され、X線画像114内の医療装置116の位置を識別するのに同じ様式で使用されてもよい。これに対して、図3は、視野120内に食道温度プローブ131を持つICEカテーテル130の第2の実施例を示す。図3の食道温度プローブ131は、複数のX線基準132nを含む。X線基準は、前記X線画像においてこのようなものとして識別されることを可能にする特徴的なX線ハウンスフィールド単位吸収を持ち、これにより組織及び骨のような典型的な解剖学的画像フィーチャからの区別を可能にする。明らかに、複数のX線基準132nは、代替的には、単一の超音波トランスデューサ115と組み合わせて使用されてもよい。好ましくは、X線基準132n及び超音波トランスデューサ115nは、これらの識別を単純化するために食道温度プローブ131に対して既知の構成又はパターンで配置され、結果的にこの既知のパターンは、X線画像114内の食道温度プローブ131の位置を識別する際に使用される。再び、食道温度プローブ131に関する既知のパターンを含むモデルが、食道温度プローブ131の位置を決定するように医療装置116に関して上に記載されるように使用されうる。
【0036】
一実施例において、図1のX線画像114は、ライブストリーム112の各超音波画像より速い時間に生成された過去のX線画像である。この実施例において、少なくとも1つのプロセッサ117は、前記過去のX線画像より新しい更新されたX線画像を受信し、前記過去のX線画像を前記更新されたX線画像で置き換える。最も新しいX線画像は、これにより、最近の解剖学的変化を示してもよく、又は生体構造内の異なる位置を示してもよい。後者は、生体構造内の新しい場所で医療処置を実行する場合に有用でありうる。
【0037】
他の実施例において、図1の超音波画像のライブストリーム112は、現在の超音波画像、すなわち最も新しい、又は実質的にリアルタイムの超音波画像を含む。この実施例において、画像位置合わせシステム111は、前記現在の超音波画像内の位置を示すユーザ入力を受信するように構成され、前記位置合わせされたX線画像において、前記現在の超音波画像内の位置に対応するマーカを提供する。ユーザ入力は、スイッチ、キーボード、マウス又はジョイスティックのようなユーザ入力装置から受信されてもよい。ユーザ入力は、例えば、ビーム形成超音波プローブ113に関連付けられた又は医療装置116に関連付けられたスイッチ又は他の制御装置から受信されてもよい。ユーザは、例えば、マウスカーソルを前記現在の超音波画像内の位置に移動し、前記マウスをクリックしてもよく、この位置は、前記現在の超音波画像内で前記マーカにより示される。円又は十字等のような様々な形状及び/又は色が、前記マーカに対して使用されてもよい。前記マーカは、記録として機能するように所定の時間期間に対して、又はその後、無期限に表示されてもよい。一例において、前記ユーザ入力は、ビーム形成超音波プローブ113から受信される。前記マーカは、例えば、後続の医療処置が行われることが計画されている位置を示してもよい。外科医は、例えば、この設備を、例えば心臓内の心室にマークするようにナビゲーション補助として、又は後で組織を切除する医療処置中に当該位置に戻るためのリマインダとして使用してもよい。他の例において、図1の医療装置116は、食道温度プローブであり、少なくとも1つのプロセッサ117は、前記食道温度プローブから、前記食道温度プローブ上の位置における温度を示す温度信号を受信する。更に、少なくとも1つのプロセッサ117は、前記位置合わせされたX線画像114内の対応する位置において前記受信された温度を示すように構成される。そうする際に、画像位置合わせシステム111により生成された前記位置合わせされた又は融合された画像は、指定された位置において記録された温度の記録を表示してもよい。前記温度は、過去の又はライブ、すなわち実質的にリアルタイムの温度であってもよい。前記温度は、これにより、心臓アブレーション処置中に健康な組織を損傷するリスクに関する外科医に対する警告として機能しうる。ユーザ入力は、代替的には、心臓アブレーションカテーテルのような図1に示されていない別個のインターベンション装置から受信されてもよい。一例において、ユーザ入力は、心臓アブレーションカテーテルから受信され、前記カテーテルの起動に対応する。前記位置合わせされた又は融合されたX線画像において提供される前記マーカは、前記起動の位置に対応し、生体構造内の各アブレーションポイントに関するオペレータに対する標示として機能する。要約すると、前記マーカは、したがって、前記生体構造内の関心位置を示しうる。
【0038】
他の実施例において、図1の画像位置合わせシステム111とともに使用するコンピュータプログラムが、開示される。これに対して、図4は、前記コンピュータプログラムにより実行されうる様々な方法ステップを示す。前記コンピュータプログラムは、画像位置合わせシステム111の少なくとも1つのプロセッサ117により実行される場合に、プロセッサ117に方法ステップ、すなわち、a)超音波画像のライブストリーム112を受信するステップと、b)医療装置116の表現を含むX線画像114を受信するステップと、c)受信されたX線画像114から、医療装置116の位置を識別するステップと、d)ビーム形成超音波プローブ113と医療装置116上に配置された超音波トランスデューサ115との間で送信された超音波信号に対応する送信及び検出された信号を受信するステップと、e)前記受信された信号に基づいて、i)最大の検出された信号に対応するビーム形成超音波プローブ113の超音波ビームを選択し、ii)前記選択された超音波ビームに対して、前記送信された超音波信号の飛行時間に基づいてビーム形成超音波プローブ113と超音波トランスデューサ115との間の距離を計算することにより、ビーム形成超音波プローブ113に対する超音波トランスデューサ115の場所を決定するステップと、f)医療装置116の識別された位置に基づいてライブストリーム112からの各超音波画像をX線画像114と位置合わせするステップであって、前記位置合わせが、i)医療装置116に対する超音波トランスデューサ115の所定の空間的関係及びii)ビーム形成超音波プローブ113に対する超音波トランスデューサ115の前記決定された場所に基づく前記識別された位置からのオフセットを決定することを含む、ステップとを実行させる命令を含む。前記コンピュータプログラムは、画像位置合わせシステム111に関連してここに記載される追加の方法ステップを実行する命令を更に含んでもよい。
【0039】
前記コンピュータプログラムは、適切なソフトウェアと共同してソフトウェアを実行することができるハードウェア及び専用ハードウェアにより提供されてもよい。プロセッサにより提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサにより、単一の共有プロセッサにより、又は一部が共有であることができる複数の個別のプロセッサにより提供されることができる。更に、用語「プロセッサ」又は「コントローラ」の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアを排他的に指すと解釈されるべきではなく、限定なしで、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ソフトウェアを記憶する読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性記憶装置等を暗示的に含むことができる。更に、本発明の実施例は、コンピュータ又は任意の命令実行システムにより又は関連して使用するプログラムコードを提供するコンピュータ使用可能又はコンピュータ可読記憶媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムの形を取ることができる。この記載の目的で、コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスにより又は関連して使用するプログラムを含む、記憶する、通信する、伝搬する、又は輸送することができる任意の装置であることができる。前記媒体は、電子、磁気、光学、電磁、赤外、又は半導体システム、又は装置若しくはデバイス、又は伝搬媒体であることができる。コンピュータ可読媒体の例は、半導体又は固体メモリ、磁気テープ、取り外し可能コンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、剛体磁気ディスク及び光学ディスクを含む。光学ディスクの現在の例は、コンパクトディスク−読取専用メモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク−読取/書込(CD−R/W)、Blu-Ray(登録商標)及びDVDを含む。
【0040】
要約すると、ビーム形成超音波プローブの超音波画像のライブストリームをX線画像と位置合わせする画像位置合わせシステムが、記載されている。前記画像位置合わせシステムは、前記X線画像から、前記X線画像内に表された医療装置の位置を識別し、前記ビーム形成超音波プローブと前記医療装置上に配置された超音波トランスデューサとの間で送信された超音波信号に基づいて、前記ビーム形成超音波プローブに対する前記超音波トランスデューサの場所を決定する。前記ライブストリームからの各超音波画像は、前記医療装置の識別された位置に基づいて前記X線画像と位置合わせされる。前記位置合わせは、i)前記医療装置に対する前記超音波トランスデューサの所定の空間的関係及びii)前記ビーム形成超音波プローブに対する前記超音波トランスデューサの決定された場所に基づく前記識別された位置からのオフセットを決定することを含む。様々な実施例及びオプションが、前記システムに関連して記載されており、前記様々な実施例が、更なる有利な効果を達成するように組み合わせられてもよいことに注意する。
図1
図2
図3
図4