特許第6794637号(P6794637)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6794637放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6794637
(24)【登録日】2020年11月16日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20201119BHJP
【FI】
   A61B6/00 320Z
   A61B6/00 310
   A61B6/00 300W
   A61B6/00 300S
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-40657(P2016-40657)
(22)【出願日】2016年3月3日
(65)【公開番号】特開2017-153761(P2017-153761A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2019年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣重 陽
(72)【発明者】
【氏名】久保田 哲生
(72)【発明者】
【氏名】柿木 章徳
【審査官】 松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−167449(JP,A)
【文献】 特開2009−219585(JP,A)
【文献】 特開2006−208310(JP,A)
【文献】 特開2012−105787(JP,A)
【文献】 特開2012−008567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00−6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
外部コネクターと接続可能なコネクターと、
を備える放射線画像撮影装置であって、
前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフを制御可能な制御手段と、
前記放射線画像撮影装置が撮影に用いられる撮影環境を検知する検知手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記放射線画像撮影装置の前記コネクターが前記外部コネクターと接続された際、前記放射線画像撮影装置の電源がオンの状態である場合には、前記放射線画像撮影装置の電源をオフするように制御し、前記放射線画像撮影装置の前記コネクターと前記外部コネクターとの接続が解除された際、前記放射線画像撮影装置の電源がオフの状態である場合には、前記放射線画像撮影装置の電源をオンするように制御し、前記放射線画像撮影装置の前記コネクターと前記外部コネクターとの接続が解除された際、前記放射線画像撮影装置の電源がオンの状態である場合には、前記放射線画像撮影装置の電源がオンの状態を維持するように制御するように前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフ制御を行う第1のオン/オフ制御と、
前記第1のオン/オフ制御とは異なる第2のオン/オフ制御と、
の間で前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフ制御の仕方を切り替えることが可能とされており、
前記検知手段が検知した前記撮影環境がポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境である場合には、前記第1のオン/オフ制御に従って前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフを制御し、
前記検知手段が検知した前記撮影環境が撮影室で撮影が行われる撮影環境である場合には、前記第2のオン/オフ制御に従って前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフを制御することを特徴とする放射線画像撮影装置。
【請求項2】
前記外部コネクターは、回診車に搭載された充電装置のコネクター、またはクレードルのコネクターであることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記検知手段が検知した前記撮影環境が撮影室で撮影が行われる撮影環境である場合には、前記第2のオン/オフ制御として、前記放射線画像撮影装置に接続されている外部機器の電源のオン/オフに連動して、前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフを制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項4】
外部から識別情報を取得する取得手段を備え、
前記検知手段は、前記取得手段が取得した識別情報に基づいて、前記撮影環境を検知する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項5】
前記検知手段は、前記取得手段が取得した、前記外部コネクターに取り付けられているケーブルのID又は前記ケーブルを介して電気的に接続されている外部機器のIDに基づいて前記撮影環境を判断する請求項4に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項6】
前記検知手段は、前記取得手段が取得した、当該放射線画像撮影装置と電気的に接続されているコンソールのIDに基づいて前記撮影環境を判断する請求項4に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項7】
前記検知手段は、前記取得手段が取得した、無線通信で使用するアクセスポイントのIDに基づいて前記撮影環境を判断する請求項4に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項8】
前記取得手段は、前記識別情報を、前記外部コネクターに取り付けられているケーブル又は前記ケーブルを介して電気的に接続されている外部機器から有線で取得する請求項4に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項9】
前記取得手段は、前記識別情報を、外部機器から無線で取得する請求項4に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項10】
前記取得手段は、前記識別情報を、無線通信で使用するアクセスポイントから無線で取得する請求項9に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項11】
二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、外部コネクターと接続可能なコネクターとを備える放射線画像撮影装置と、
前記放射線画像撮影装置が撮影に用いられる撮影環境を検知可能なコンソールと、
を備え、
前記放射線画像撮影装置は、
前記放射線画像撮影装置の前記コネクターが前記外部コネクターと接続された際、前記放射線画像撮影装置の電源がオンの状態である場合には前記放射線画像撮影装置の電源をオフするように制御し、前記放射線画像撮影装置の前記コネクターと前記外部コネクターとの接続が解除された際、前記放射線画像撮影装置の電源がオフの状態である場合には前記放射線画像撮影装置の電源をオンするように制御し、前記放射線画像撮影装置の前記コネクターと前記外部コネクターとの接続が解除された際、前記放射線画像撮影装置の電源がオンの状態である場合には、前記放射線画像撮影装置の電源がオンの状態を維持するように制御するように前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフ制御を行う第1のオン/オフ制御と、
前記第1のオン/オフ制御とは異なる第2のオン/オフ制御と、
の間で前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフ制御の仕方を切り替えることが可能とされており、
前記コンソールは、
検知した前記撮影環境がポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境である場合には、前記放射線画像撮影装置に、前記第1のオン/オフ制御に従って前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフ制御を行わせ、
検知した前記撮影環境が撮影室で撮影が行われる撮影環境である場合には、前記放射線画像撮影装置に、前記第2のオン/オフ制御に従って前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフ制御を行わせて、
前記撮影環境に応じて電源のオン/オフ制御を切り替えるように前記放射線画像撮影装置を制御することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項12】
前記ポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境は、前記放射線画像撮影装置のコネクターと、クレードルのコネクターまたは回診車に搭載された充電装置のコネクターとが接続され、またはそれらの接続が解除される撮影環境であることを特徴とする請求項11に記載の放射線画像撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムに係り、放射線画像撮影装置の電源のオン/オフ制御が可能な放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の放射線検出素子が二次元状(マトリクス状)に配列され、被写体を透過した放射線を、各放射線検出素子で放射線の強度に応じて信号値に変換して読み出す放射線画像撮影装置(flat panel detector)が種々開発されている。また、近年、各放射線検出素子を筐体内に収納して持ち運び可能とした可搬型の放射線画像撮影装置も上市されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
そして、放射線画像撮影装置は、例えば胸部のレントゲン撮影の場合のように病院等の施設の撮影室に設置されている撮影台に装填して撮影に用いることも可能であるが、撮影台から取り出し、被写体である患者の身体にあてがったり、ベッド上に横臥している患者とベッドとの間に差し込んだりして撮影に用いることもできる。
【0004】
ところで、例えば放射線画像撮影装置を健診車等の車載の撮影システムで用いる場合、スペースが狭いこともあり、放射線画像撮影装置がカセッテホルダーにネジ止めされて撮影に用いられる場合もある。そして、そのような場合、放射線画像撮影装置の電源をオン/オフするためにいちいちネジ止めを外さなければならないと放射線技師等の操作者にとって非常に使い勝手が悪いものとなる。
【0005】
そのため、このような場合には、放射線画像撮影装置に電力を供給したり放射線画像撮影装置と信号等の送受信を行ったりすることができるように、放射線画像撮影装置とケーブル等を介して接続される等して電気的に接続されている外部装置の電源をオン/オフする際、それに連動して放射線画像撮影装置の電源が自動的にオン/オフされるように構成される場合が多い。
【0006】
例えば、放射線画像撮影装置を撮影室の撮影台に装填した状態で、撮影が終了する等して、放射線画像撮影装置に電気的に接続されているコンソールや中継器等の電源をオフすると、放射線画像撮影装置の電源も自動的にオフされるように構成される場合がある。そして、このように構成すると、放射線技師等の操作者がいちいち放射線画像撮影装置を撮影台から取り出して放射線画像撮影装置の電源をオフしなくてもよく、コンソールや中継器等の外部装置の電源をオフすれば自動的に放射線画像撮影装置の電源もオフされるため、操作者にとって使い勝手がよいものとなる。
【0007】
また、上記のオン/オフ制御と同様に、放射線画像撮影装置に、他の機器から延びるケーブルが接続された時点で放射線画像撮影装置の電源が自動的にオンされ、放射線画像撮影装置からケーブルが取り外された時点で放射線画像撮影装置の電源が自動的にオフされるように構成される場合もある。
【0008】
このような制御は、放射線画像撮影装置が撮影室の撮影台に装填されて用いられる場合等でも同様に行われ得る。例えば、電源オフの放射線画像撮影装置を撮影台に装填して、放射線画像撮影装置のコネクターと撮影台のコネクターとが接続されると、放射線画像撮影装置の電源が自動的にオンされるように構成される場合がある。そして、このように構成すれば放射線技師等の操作者にとって使い勝手がよいものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2015−167449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上記のように、放射線画像撮影装置の電源が、コンソール等の外部装置と電気的に接続された外部装置の電源オンに連動したり外部装置から延びるケーブル等との接続に連動して自動的にオンされたり、また、電気的に接続された外部装置の電源オフに連動したりケーブル等と放射線画像撮影装置との接続の解除に連動して自動的にオフされるように構成されていると、放射線技師等の操作者にとって都合がよい場合が少なくない。
【0011】
しかし、例えば、放射線画像撮影装置を、ポータブルの放射線発生装置を搭載した回診車等とともに病室等に持ち込んで撮影を行うような場合、放射線画像撮影装置を病室まで搬送する間、放射線画像撮影装置と回診車とをケーブル等で接続して放射線画像撮影装置の内蔵電源の充電を行うように構成される場合がある。
【0012】
このような場合に、上記のように構成すると、放射線画像撮影装置の内蔵電源を充電するために放射線画像撮影装置に回診車のケーブル等が接続されると、放射線画像撮影装置はまだ撮影に用いられるわけではないのに、放射線画像撮影装置の電源が自動的にオンされてしまう。そのため、放射線画像撮影装置の内蔵電源から放射線画像撮影装置の各機能部に、供給する必要がない電力が供給されてしまい、放射線画像撮影装置の内蔵電源を充電しつつ内蔵電源の電力が消費される状態になってしまう。そのため、充電完了までの時間が長くなってしまうという問題が生じ得る。
【0013】
また、上記のように放射線画像撮影装置の内蔵電源を充電しつつ内蔵電源の電力が消費される状態になると、回診車側の充電装置に蓄積された電力を無駄に消費してしまうことにより、回診先が多かったり移動に長時間かかったりする場合には、充電装置側も放射線画像撮影装置側も内蔵電源やバッテリーの電力がなくなってしまう(すなわちいわば空になってしまう)ため回診先で撮影ができなくなるおそれがある。
【0014】
一方、上記のように構成すると、回診車等が病室に持ち込まれ、撮影を行うために回診車のケーブル等を放射線画像撮影装置から取り外すと、今度は、放射線画像撮影装置の電源が自動的にオフされてしまう。そのため、放射線技師等の操作者は、放射線画像撮影装置を撮影に用いるために、放射線画像撮影装置の電源を手動でオンしなければならず、放射線画像撮影装置の使い勝手が悪いと感じてしまうといった問題が生じ得る。
【0015】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、放射線画像撮影装置が用いられる撮影環境に応じて放射線画像撮影装置の電源のオン/オフを的確に制御することが可能な放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
外部コネクターと接続可能なコネクターと、
を備える放射線画像撮影装置であって、
前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフを制御可能な制御手段と、
前記放射線画像撮影装置が撮影に用いられる撮影環境を検知する検知手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記放射線画像撮影装置の前記コネクターが前記外部コネクターと接続された際、前記放射線画像撮影装置の電源がオンの状態である場合には、前記放射線画像撮影装置の電源をオフするように制御し、前記放射線画像撮影装置の前記コネクターと前記外部コネクターとの接続が解除された際、前記放射線画像撮影装置の電源がオフの状態である場合には、前記放射線画像撮影装置の電源をオンするように制御し、前記放射線画像撮影装置の前記コネクターと前記外部コネクターとの接続が解除された際、前記放射線画像撮影装置の電源がオンの状態である場合には、前記放射線画像撮影装置の電源がオンの状態を維持するように制御するように前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフ制御を行う第1のオン/オフ制御と、
前記第1のオン/オフ制御とは異なる第2のオン/オフ制御と、
の間で前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフ制御の仕方を切り替えることが可能とされており、
前記検知手段が検知した前記撮影環境がポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境である場合には、前記第1のオン/オフ制御に従って前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフを制御し、
前記検知手段が検知した前記撮影環境が撮影室で撮影が行われる撮影環境である場合には、前記第2のオン/オフ制御に従って前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフを制御することを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明の放射線画像撮影システムは、
二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、外部コネクターと接続可能なコネクターとを備える放射線画像撮影装置と、
前記放射線画像撮影装置が撮影に用いられる撮影環境を検知可能なコンソールと、
を備え、
前記放射線画像撮影装置は、
前記放射線画像撮影装置の前記コネクターが前記外部コネクターと接続された際、前記放射線画像撮影装置の電源がオンの状態である場合には前記放射線画像撮影装置の電源をオフするように制御し、前記放射線画像撮影装置の前記コネクターと前記外部コネクターとの接続が解除された際、前記放射線画像撮影装置の電源がオフの状態である場合には前記放射線画像撮影装置の電源をオンするように制御し、前記放射線画像撮影装置の前記コネクターと前記外部コネクターとの接続が解除された際、前記放射線画像撮影装置の電源がオンの状態である場合には、前記放射線画像撮影装置の電源がオンの状態を維持するように制御するように前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフ制御を行う第1のオン/オフ制御と、
前記第1のオン/オフ制御とは異なる第2のオン/オフ制御と、
の間で前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフ制御の仕方を切り替えることが可能とされており、
前記コンソールは、
検知した前記撮影環境がポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境である場合には、前記放射線画像撮影装置に、前記第1のオン/オフ制御に従って前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフ制御を行わせ、
検知した前記撮影環境が撮影室で撮影が行われる撮影環境である場合には、前記放射線画像撮影装置に、前記第2のオン/オフ制御に従って前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフ制御を行わせて、
前記撮影環境に応じて電源のオン/オフ制御を切り替えるように前記放射線画像撮影装置を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明のような方式の放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムによれば、放射線画像撮影装置が用いられる撮影環境に応じて放射線画像撮影装置の電源のオン/オフを的確に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図である。
図2】放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。
図3】放射線発生装置やコンソール等を搭載した回診車を病室に持ち込んで撮影が行われる撮影環境等を表す図である。
図4】回診車の一例の外観を示す斜視図である。
図5図4の例において回診車の本体部内に収納されるボックス内部の構成例を表す図である。
図6】放射線画像撮影装置のコネクターに回診車のコネクターを接続した状態を表す図である。
図7】患者の自宅等に放射線画像撮影装置やポータブルの放射線発生装置等を持ち込んで撮影が行われる撮影環境等を表す図である。
図8】クレードルに挿入された放射線画像撮影装置のコネクターとクレードルのコネクターとが接続された状態を表す図である。
図9】(A)放射線画像撮影装置のコネクターと外部コネクターが接続されると放射線画像撮影装置の電源がオフされ、(B)放射線画像撮影装置のコネクターと外部コネクターとの接続が解除されると放射線画像撮影装置の電源がオンされることを表す図である。
図10】撮影室で撮影が行われる撮影環境等を表す図である。
図11】撮影台のカセッテホルダーに設けられたコネクターの例を表す図である。
図12】第2のオン/オフ制御を表す図であり、(A)外部装置の電源のオン/オフに連動して放射線画像撮影装置の電源がオン/オフされ、(B)撮影台から取り出される場合には放射線画像撮影装置の電源がオンのままとされることを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
[放射線画像撮影装置の構成について]
図1は、放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図であり、図2は、放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。本実施形態では、放射線画像撮影装置1は、複数の放射線検出素子7(図2参照)が筐体2(図1参照)内に収納されて形成されている。
【0023】
そして、図1に示すように、放射線画像撮影装置1の筐体2の一方の側面には、電源スイッチ25や切替スイッチ26、コネクター27、インジケーター28等が配置されている。また、図示を省略するが、筐体2の反対側の側面には、外部と無線方式で通信を行うためのアンテナ29(図2参照)が設けられている。
【0024】
本実施形態では、放射線画像撮影装置1の筐体2内には、図2に示すように、複数の放射線検出素子7が図示しないセンサー基板上に二次元状(マトリクス状)に配列されている。そして、各放射線検出素子7には、バイアス線9が接続されており、バイアス線9やそれらの結線10を介してバイアス電源14から逆バイアス電圧が印加される。
【0025】
また、各放射線検出素子7には、スイッチ素子としてTFT(Thin Film Transistor)8が接続されており、TFT8は信号線6に接続されている。そして、各放射線検出素子7では、図示しない被写体を介して照射された放射線の線量に応じた電荷が各放射線検出素子7内でそれぞれ発生するようになっている。
【0026】
また、走査駆動手段15では、配線15cを介して電源回路15aから供給されたオン電圧とオフ電圧がゲートドライバー15bで切り替えられて走査線5の各ラインL1〜Lxに印加される。そして、各TFT8は、走査線5を介してオフ電圧が印加されるとオフ状態になり、放射線検出素子7と信号線6との導通を遮断して、電荷を放射線検出素子7内に蓄積させる。また、走査線5を介してオン電圧が印加されるとオン状態になり、放射線検出素子7内に蓄積された電荷を信号線6に放出させる。
【0027】
各信号線6は、読み出しIC16内の各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。そして、信号値Dの読み出し処理の際には、ゲートドライバー15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧が順次印加される。そして、TFT8がオン状態になると、放射線検出素子7から電荷がTFT8や信号線6を介して読み出し回路17に流れ込み、増幅回路18で、流れ込んだ電荷の量に応じた電圧値が出力される。
【0028】
相関二重サンプリング回路(図2では「CDS」と記載されている。)19は、増幅回路18から出力された電圧値をアナログ値の信号値Dとして読み出して出力し、出力された信号値Dはアナログマルチプレクサー21を介してA/D変換器20に順次送信され、A/D変換器20でデジタル値の信号値Dに順次変換されて記憶手段23に順次保存されるようになっている。
【0029】
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピューターや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等で構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。
【0030】
また、制御手段22には、SRAM(Static RAM)やSDRAM(Synchronous DRAM)、NAND型フラッシュメモリー等で構成される記憶手段23や、リチウムイオンキャパシター等で構成される内蔵電源24が接続されており、また、前述したアンテナ29やコネクター27を介して外部と無線方式や有線方式で通信を行うための通信部30が接続されている。
【0031】
また、制御手段22は、上記のように、バイアス電源14から各放射線検出素子7への逆バイアス電圧の印加を制御したり、走査駆動手段15や読み出し回路17等の動作を制御して、各放射線検出素子7からの信号値Dの読み出し処理を行わせ、読み出された信号値Dを記憶手段23に保存したり、或いは、保存された信号値Dを、通信部30を介して外部に転送する等の制御を行うようになっている。
【0032】
また、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフを制御することができるようになっている。その際、制御手段22には、放射線画像撮影装置1の電源がオフの状態でも内蔵電源24から供給される非常に小さい電力で駆動する図示しないマイコンが含まれている。そのため、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の電源がオフの状態であっても放射線画像撮影装置1の電源のオフからオンへの切り替えを制御することができるようになっている。
【0033】
[第1の実施の形態]
次に、本発明の第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置1について説明する。本実施形態では、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、以下のようにして放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御を行うようになっている。
【0034】
すなわち、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、放射線画像撮影装置1のコネクター27(図1参照)が後述する外部コネクターと接続された際に、放射線画像撮影装置1の電源がオンの状態である場合には、放射線画像撮影装置1の電源をオフするように制御するようになっている。また、制御手段22は、放射線画像撮影装置1のコネクター27と外部コネクターとの接続が解除された際、放射線画像撮影装置1の電源がオフの状態である場合には、放射線画像撮影装置1の電源をオンするように制御するようになっている。
【0035】
[放射線画像撮影装置が用いられる撮影環境について]
以下、具体的に説明するために、まず、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1が用いられる撮影環境について説明する。
【0036】
撮影環境の例として、例えば、図3に示すように、放射線発生装置43やコンソール44等を搭載した回診車40を病室R1に持ち込んで撮影が行われる場合を挙げることができる。以下、まず、回診車40の構成等について簡単に説明する。
【0037】
図4は、回診車の一例の外観を示す斜視図である。なお、以下では、放射線発生装43のアーム42が設けられた側を回診車40の前側、ホルダー46が設けられた側を回診車40の後方や背面側として説明する。回診車40は、本体部41の前側に、アーム42が立設されており、アーム42に放射線を照射可能な放射線発生装置43が取り付けられている。また、本実施形態では、回診車40の本体部41の上面部には、コンソール44が搭載されている。
【0038】
なお、図4に示した例では、アーム42を回転させたり、アーム42を中心として放射線発生装置43を回動させたりすることができるようになっている。そして、回診車40を搬送する際には、図4に示したように放射線発生装置43が回診車40の本体部41の上方に配置された状態で搬送し、撮影時には、放射線発生装置43を図中の矢印方向に回動させて図3に示した状態にして使用することができるようになっている。
【0039】
回診車40の本体部41の背面側上部には、放射線技師等の操作者が回診車40を動かす際などに握るハンドルバー45が設けられている。また、回診車40の本体部41の背面には、放射線画像撮影装置1(図1等参照)を挿入可能なホルダー46が設けられている。そして、撮影に使用する放射線画像撮影装置1をホルダー46に挿入した状態で、放射線画像撮影装置1を回診車40とともに病室R1等に搬送することができるようになっている。
【0040】
また、図4に示した例では、回診車40の本体部41内には、ボックス50が収納されている。そして、図5に示すように、ボックス50内には、回診車40を制御するコンピューターユニット51やインターフェースユニット52、放射線画像撮影装置1と無線通信を行うためのアクセスポイント53、充電装置54、バッテリー55等が搭載されている。
【0041】
インターフェースユニット52やアクセスポイント53等は、コンソール44(図4参照)とも接続されている。そして、図4図5に示すように、アクセスポイント53のアンテナ56が回診車40の背面側に配設されている。また、本体部41内には、車輪を駆動させるためのモーターや放射線発生装置43のジェネレーター等の各種機器が配設されている。
【0042】
また、図4図5に示すように、充電装置54に接続されたケーブルCaが、回診車40の背面側に引き出されている。そして、上記のように、放射線画像撮影装置1を回診車40のホルダー46に挿入する際に、図6に示すように、放射線画像撮影装置1のコネクター27と、回診車40のケーブルCaの先端に取り付けられたコネクターCとが接続された状態で挿入されるようになっている。
【0043】
そして、回診車40がその状態で病室R1(図3参照)に搬送される際に、回診車40に搭載された充電装置54からケーブルCaを介して放射線画像撮影装置1の内蔵電源24(図2参照)に電力を供給して、放射線画像撮影装置1の内蔵電源24を充電することができるようになっている。
【0044】
また、撮影の際には、放射線画像撮影装置1が回診車40のホルダー46から取り出され、放射線画像撮影装置1のコネクター27からコネクターCが取り外される。そして、例えば図3に示したように、放射線画像撮影装置1が被写体Hである患者とベッドBeとの間に差し込まれたり患者の身体にあてがわれたりしてポジショニングされた後、放射線技師等の操作者Tが曝射スイッチ48を操作することで、放射線発生装置43から放射線を照射させて撮影が行われるようになっている。
【0045】
一方、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1が用いられる撮影環境は、上記のような回診車40とともに病室R1に搬送される場合に限らず、例えば図7に示すように、患者の自宅等に、放射線画像撮影装置1や、ポータブルの放射線発生装置60、放射線画像撮影装置1の充電装置としてのクレードル61、放射線画像撮影装置1を制御するコンソール62等を持ち込んで在宅の状態で撮影が行われる場合を挙げることもできる。
【0046】
この場合、放射線画像撮影装置1は、撮影に用いられていない際には、例えば図8に示すようにクレードル61に挿入されるようになっている。そして、放射線画像撮影装置1をクレードル61に挿入すると、放射線画像撮影装置1のコネクター27とクレードル61のコネクターCとが自動的に接続されるようになっている。
【0047】
そして、その状態でクレードル61から電力を供給して放射線画像撮影装置1の内蔵電源24(図2参照)の充電を行うことができるようになっている。また、撮影の際には、放射線画像撮影装置1はクレードル61から取り出され、図3に示した場合と同様にして、被写体Hである患者とベッドBeや布団等との間に差し込まれたり患者の身体にあてがわれたりして撮影に用いられるようになっている。
【0048】
[作用]
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の作用について説明する。
前述したように、撮影室や健診車のカセッテホルダー等に放射線画像撮影装置を装填して撮影を行う場合、放射線画像撮影装置と電気的に接続されているコンソールや中継器等の外部装置の電源のオン/オフと連動して放射線画像撮影装置の電源がオン/オフするように制御されていれば、外部装置の電源をオン/オフさせるだけで放射線画像撮影装置の電源のオン/オフを切り替えることができるため、放射線技師等の操作者にとって都合がよい場合があった。
【0049】
しかし、上記のようにポータブルの放射線発生装置43等を搭載した回診車40を病室R1に持ち込んで撮影を行う撮影環境(図3等参照)や、患者の自宅等にポータブルの放射線発生装置60等を持ち込んで撮影を行う撮影環境(図7等参照)において、上記のように放射線画像撮影装置1の電源が外部装置の電源のオン/オフに連動してオン/オフされるように制御するように構成すると、以下のような問題が生じ得る。
【0050】
すなわち、これらの撮影環境において、放射線画像撮影装置1のコネクター27と、回診車40に搭載された充電装置54から延びるケーブルCaの先端のコネクターC(図4図6参照)やクレードル61のコネクターC(図8参照)とを接続するのは、放射線画像撮影装置1を搬送したり内蔵電源24を充電するためであり、その状態で放射線画像撮影装置1が撮影に用いられるわけではない。そのため、これらの撮影環境で、放射線画像撮影装置1のコネクター27と回診車40に搭載された充電装置54やクレードル61のコネクターCとが接続された場合には、放射線画像撮影装置1の電源はオフの状態のままでよい。
【0051】
それにもかかわらず、上記のように電源のオン/オフが連動するように構成されていると、この場合、充電装置54やクレードル61は放射線画像撮影装置1の内蔵電源24を充電するために電源はオンの状態とされているため、放射線画像撮影装置1のコネクター27とケーブルCaやクレードル61のコネクターCとが接続された時点で、放射線画像撮影装置1の電源が自動的にオンされてしまう(或いは放射線画像撮影装置1の電源がすでにオンの状態であればその状態が維持される。)。
【0052】
このように、上記のように電源のオン/オフが連動するように構成されていると、放射線画像撮影装置1が撮影に用いられるわけではないにもかかわらず、オンする必要のない電源がオンされてしまうという問題が生じ得る。また、そればかりでなく、電源がオンの状態では放射線画像撮影装置1の内蔵電源24から放射線画像撮影装置1の各機能部に電力が供給されるため、充電装置54やクレードル61から電力を供給して放射線画像撮影装置1の内蔵電源24の充電を行っている最中に内蔵電源24の電力が消費される状態になる。そのため、前述したように、充電に要する時間が長くなってしまう等の問題も生じ得る。
【0053】
また、これらの撮影環境において、上記のように電源のオン/オフが連動するように構成されていると、今度は、撮影を行うために放射線画像撮影装置1が充電装置54やクレードル61から取り外されて、放射線画像撮影装置1のコネクター27と充電装置54やクレードル61のコネクターCとの接続が解除されると、充電装置54やクレードル61の電源がオフされたと見なされて、放射線画像撮影装置1の電源が自動的にオフされる場合があり得る。
【0054】
しかし、この場合は、これから放射線画像撮影装置1を用いて撮影が行われるのであるから放射線画像撮影装置1の電源はオンされていなければならないのに自動的にオフされてしまうため、放射線技師等の操作者がいちいち放射線画像撮影装置1の電源をオンし直さなければならなくなるといった問題が生じ得る。
【0055】
このように、上記の各撮影環境において、放射線画像撮影装置1の電源が外部装置の電源のオン/オフに連動してオン/オフするように構成されていて上記のような種々の問題が生じると、放射線画像撮影装置1が放射線技師等の操作者にとって使い勝手が悪いものとなってしまう。
【0056】
それに対し、本実施形態では、図9(A)に示すように、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、放射線画像撮影装置1のコネクター27が回診車40に搭載された充電装置54のコネクターCやクレードル61のコネクターC(以下、まとめて外部コネクターCという場合がある。)と接続された際には、放射線画像撮影装置1の電源がオンの状態である場合には、放射線画像撮影装置1の電源をオフするように制御する。また、放射線画像撮影装置1のコネクター27と外部コネクターCとが接続された際に放射線画像撮影装置1の電源がオフの状態であれば、電源がオフの状態を維持するように制御する。
【0057】
そのため、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、上記のように、放射線画像撮影装置1のコネクター27と外部コネクターCとが接続されて放射線画像撮影装置1の内蔵電源24の充電が行われる場合には、放射線画像撮影装置1の電源がオンの状態であれば自動的にオフされる(或いは電源オフの状態が維持される)。
【0058】
そのため、上記のように充電の際に放射線画像撮影装置1の電源が必要もないのにオンされてしまうことを的確に防止することが可能となる。また、前述したように放射線画像撮影装置1の内蔵電源24の充電に要する時間が不必要に長くなったり、回診中に放射線画像撮影装置1の内蔵電源24や回診車40のバッテリー55の電力がなくなってしまい回診先で撮影ができなくなる等の問題が生じることを的確に回避することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態では、図9(B)に示すように、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、放射線画像撮影装置1のコネクター27と外部コネクターCとの接続が解除された際には、放射線画像撮影装置1の電源がオフの状態である場合には、放射線画像撮影装置1の電源をオンするように制御する。また、放射線画像撮影装置1のコネクター27と外部コネクターCとの接続が解除された際に放射線画像撮影装置1の電源がオンの状態であれば、電源がオンの状態を維持するように制御する。
【0060】
そのため、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、上記のように、放射線画像撮影装置1のコネクター27と外部コネクターCとの接続が解除されて撮影が開始される場合には、放射線画像撮影装置1の電源がオフの状態であれば自動的にオンされる(或いは電源オンの状態が維持される)。
【0061】
そのため、これから放射線画像撮影装置1を用いて撮影が行われるのに放射線画像撮影装置1の電源がオフされてしまうことが的確に防止され、放射線技師等の操作者は、放射線画像撮影装置1を充電装置54やクレードル61から取り外してスムーズに(すなわち放射線画像撮影装置1の電源をいちいちオンすることなく)撮影を行うことが可能となる。
【0062】
なお、図示を省略するが、外部コネクターC内にはチップが内蔵されており、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されている場合、外部コネクターCのチップは、放射線画像撮影装置1から送信したパルス信号に対してレスポンス信号を放射線画像撮影装置1に返すようになっている。
【0063】
そのため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、例えば、外部コネクターCに対して送信したパルス信号に応じて外部コネクターCからレスポンス信号が返ってきた場合には、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されていることを検知し、パルス信号を送信しても外部コネクターCからレスポンス信号が返ってこない場合には、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されていないこと(すなわち非接続)を検知するように構成することが可能である。
【0064】
また、例えば、放射線画像撮影装置1に、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27との物理的な接続(或いは非接続)を検知する手段を設けておき、当該手段から制御手段22に対して接続(或いは非接続)を検知したことを表す信号等を送信するように構成することも可能であり、外部コネクターCの接続、非接続の検知の仕方は特定の仕方に限定されない。
【0065】
[効果]
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、上記のようにポータブルの放射線発生装置43等を搭載した回診車40を病室R1に持ち込んで撮影を行う撮影環境(図3等参照)や、患者の自宅等にポータブルの放射線発生装置60等を持ち込んで撮影を行う撮影環境(図7等参照)において、放射線画像撮影装置1を、クレードル61や回診車40に搭載された充電装置54に接続した場合には、放射線画像撮影装置1の電源が自動的にオフされ、クレードル61や充電装置54から取り外した際には放射線画像撮影装置1の電源が自動的にオンされる。
【0066】
このように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、放射線画像撮影装置1が用いられる撮影環境に応じて放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフを的確に制御することが可能となる。そして、このように放射線画像撮影装置1の電源が撮影環境に応じて的確にオン/オフ制御されるため、放射線画像撮影装置1が放射線技師等の操作者にとって使い勝手がよいものとなる。
【0067】
なお、図7に示した患者の自宅等にポータブルの放射線発生装置60等を持ち込んで撮影を行う撮影環境では、放射線画像撮影装置1の充電装置としてクレードル61(すなわち放射線画像撮影装置1を挿入することで放射線画像撮影装置1の充電を行うタイプの充電装置)を用いる場合を示したが、それに限定されず、例えば図示しない充電装置から延びるケーブルCaを図6に示したように放射線画像撮影装置1のコネクター27に接続して充電を行うタイプの充電装置であってもよい。
【0068】
また、上記のように放射線画像撮影装置1の充電装置としてクレードル61を用いると、クレードル61を放射線画像撮影装置1の保管手段としても用いることが可能となる等のメリットがある。すなわち、例えば放射線画像撮影装置1を患者の自宅の床面上に置いておくと、放射線画像撮影装置1が踏まれる等して損傷する可能性があるが、放射線画像撮影装置1をクレードル61に挿入して保管すれば、そのような事態が生じることを的確に防止することが可能となる等のメリットがある。
【0069】
[第2の実施の形態]
上記の第1の実施形態における各撮影環境(図3図7等参照)では、いずれもポータブルの放射線発生装置43、60を用いて撮影が行われるため、以下では、それらをまとめて「ポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境」という。そして、放射線画像撮影装置1が、ポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境でのみ用いられる場合(いわば放射線画像撮影装置1がこのような撮影環境専用である場合)には、上記のように構成することで、上記のような有益な作用効果を得ることができる。
【0070】
しかし、放射線画像撮影装置1が、上記のような撮影環境でも使用可能であり、前述した撮影室や健診車等での撮影にも用いることができるように構成されている場合がある。なお、このように撮影室や健診車等で撮影が行われる場合の撮影環境を、以下では、まとめて「撮影室で撮影が行われる撮影環境」という。そのため、撮影室で撮影が行われる撮影環境という場合、健診車等で撮影が行われる場合も含まれる。
【0071】
そして、このような場合に、放射線画像撮影装置1の制御手段22が、第1の実施形態で説明したオン/オフ制御(図9(A)、(B)参照。以下、第1のオン/オフ制御という。)のみを行うように構成されていると、例えば放射線画像撮影装置1が健診車のカセッテホルダーに装填されていて放射線画像撮影装置1のコネクター27とカセッテホルダー内のコネクターとが接続されたままになっている場合、放射線画像撮影装置1の電源はオフの状態のままになる。そのため、この場合、放射線技師等の操作者は、放射線画像撮影装置1の電源をオンする際にはいちいちネジ止めを外して電源をオンしなければならなくなるが、それでは放射線画像撮影装置1が操作者にとって使い勝手が悪いものとなり得る。
【0072】
そこで、本実施形態では、放射線画像撮影装置1が、ポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境と撮影室で撮影が行われる撮影環境のいずれの撮影環境においても撮影に使用される場合(或いは使用できるように構成される場合)には、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、撮影環境に応じて、放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御の仕方を、上記の第1のオン/オフ制御と、それとは異なる第2のオン/オフ制御との間で切り替えるようになっている。
【0073】
[撮影室で撮影が行われる撮影環境について]
以下、第2のオン/オフ制御やオン/オフ制御の切り替えについて説明する前に、前述した撮影室で撮影が行われる撮影環境について一例を挙げて説明する。なお、以下では、撮影が撮影室で行われる場合について説明するが、図示を省略するが、撮影が前述した健診車等で行われる場合も同様に構成される。
【0074】
図10に例示する撮影環境では、撮影室Ra内に、カセッテホルダー70aに放射線画像撮影装置1を装填することが可能な撮影台70が設けられている。なお、図10において、撮影台70Aは立位撮影用の撮影台を表し、撮影台0Bは臥位撮影用の撮影台を表している。また、例えば、放射線画像撮影装置1を臥位撮影用の撮影台70Bの天板上に横臥した図示しない被写体と天板との間に差し込む等して撮影を行うことも可能である。
【0075】
図11に例示するように、撮影台70のカセッテホルダー70aには、コネクター71が設けられており、例えば放射線画像撮影装置1が撮影台70のカセッテホルダー70aに装填される際、放射線画像撮影装置1のコネクター27(図1等参照)と撮影台70のカセッテホルダー70aに設けられたコネクター71とが自動的に接続されるようになっている。なお、図6に示したように、放射線画像撮影装置1のコネクター27と撮影台70のコネクター71とを手動で接続してカセッテホルダー70aに装填する場合もある。
【0076】
また、撮影室Raには、撮影室Raの天井等に移動可能に取り付けられた放射線発生装置72が少なくとも1つ設けられている。また、撮影室Raには、撮影室Ra内の各装置等や撮影室Ra外の各装置等の間の無線方式や有線方式での通信等を中継するためのアクセスポイント73を備えた中継器74が設けられている。また、中継器74には、放射線発生装置72のジェネレーター75や後述するコンソール78等も接続されており、中継器74は、放射線画像撮影装置1やコンソール78、放射線発生装置72のジェネレーター75等との間の通信を中継するようになっている。
【0077】
そして、放射線発生装置72のジェネレーター75は、放射線技師等の操作者により管電圧や管電流、曝射時間、照射線量等が設定されると、放射線発生装置72から、設定された管電圧等に応じた線量の放射線を照射させるなど、放射線発生装置72に対して種々の制御を行うようになっている。
【0078】
前室(操作室等ともいう。)Rbには、放射線発生装置72の操作卓76が設けられており、操作卓76には、放射線技師等の操作者が操作してジェネレーター75に対して放射線の照射開始等を指示するための曝射スイッチ77が設けられている。そして、放射線技師等の操作者が、図示しない被写体である患者や放射線画像撮影装置1、放射線発生装置72の位置調整等を行った後、曝射スイッチ77を操作することで、放射線発生装置72から放射線が照射されて撮影が行われるようになっている。
【0079】
また、前室Rbには、コンピューター等で構成されたコンソール78が設置されている。なお、コンソール78を撮影室Raや前室Rbの外側や別室等に設けるように構成することも可能である。そして、コンソール78には、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等で構成される表示部78aが設けられており、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力手段78bが接続されている。また、コンソール78には、HDD(Hard Disk Drive)等で構成された記憶手段79が接続され、或いは内蔵されている。
【0080】
[撮影室で撮影が行われる撮影環境での放射線画像撮影装置の電源のオン/オフ制御について]
本実施形態では、撮影環境が上記のような撮影室で撮影が行われる撮影環境である場合、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御として、上記のポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境における上記の第1のオン/オフ制御とは異なる第2のオン/オフ制御に従って放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフを制御するようになっている。
【0081】
撮影室Raや健診車等で撮影が行われる場合、前述したように、放射線画像撮影装置1とケーブル等で接続される等して電気的に接続されている外部装置の電源のオン/オフに連動して放射線画像撮影装置1の電源がオン/オフするように構成されていれば便利である。
【0082】
具体的には、図11に示した撮影台70のカセッテホルダー70aに放射線画像撮影装置1が装填されて、放射線画像撮影装置1のコネクター27(図1等参照)と撮影台70のコネクター71とが接続されると、図10に示したように、放射線画像撮影装置1と中継器74やコンソール78等が電気的に接続される。
【0083】
そこで、本実施形態では、例えば図12(A)に示すように、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、第2のオン/オフ制御として、電気的に接続されている中継器74やコンソール78等の外部装置Aの電源のオン/オフに連動して放射線画像撮影装置1の電源をオン/オフさせるように制御するように構成することが可能である。
【0084】
このように構成すれば、前述したように、放射線画像撮影装置1を撮影台70のカセッテホルダー70aから取り出して電源をオン/オフしたり、健診車等のカセッテホルダーからネジ止めを外して放射線画像撮影装置1の電源をオン/オフしたりする必要がなくなるなど、放射線技師等の操作者にとって使い勝手が良くなる。
【0085】
また、前述したように、撮影室Ra内での撮影では、撮影台70のカセッテホルダー70aに装填されている放射線画像撮影装置1を取り出して臥位撮影用の撮影台70Bの天板上に横臥した図示しない被写体と天板との間に差し込む等して使用される場合がある。そして、この場合、放射線画像撮影装置1が撮影台70から取り出される際、放射線画像撮影装置1のコネクター27と撮影台70のコネクター71との接続が解除されるが、その際に放射線画像撮影装置1の電源が自動的にオフされてしまうと、放射線技師等の操作者は、放射線画像撮影装置1の電源を再度手動でオンしなければならず、不便である。
【0086】
そのため、第2のオン/オフ制御では、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、例えば図12(B)に示すように、放射線画像撮影装置1のコネクター27と撮影台70のコネクター71との接続が解除される際には、放射線画像撮影装置1の電源をオフせずオンの状態を維持するように制御するように構成することが可能である。
【0087】
なお、第2のオン/オフ制御では、図12(A)、(B)に示した制御以外の制御を含むように構成することが可能である。そして、このように構成することで、撮影室(健診車等を含む。)における撮影の際に、放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフが適切に制御されるようになる。
【0088】
[第1のオン/オフ制御と第2のオン/オフ制御との切り替えについて]
そして、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、制御手段22は、撮影環境がポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境である場合には、第1の実施形態で説明した第1のオン/オフ制御(図9(A)、(B)参照)に従って放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフを制御し、撮影環境が撮影室で撮影が行われる撮影環境である場合には、第1のオン/オフ制御とは異なる第2のオン/オフ制御(図12(A)、(B)参照)に従って放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフを制御するように、撮影環境に応じて放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御の仕方を切り替えるようになっている。
【0089】
このように構成することで、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、撮影環境に応じて、放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御の仕方を的確に切り替えることが可能となる。そして、撮影環境に応じて放射線画像撮影装置1の電源が的確にオン/オフするようになるため、放射線画像撮影装置1が放射線技師等の操作者にとって非常に使い勝手が良いものとなる。
【0090】
なお、上記のように構成する場合、放射線画像撮影装置1の制御手段22が、放射線画像撮影装置1が撮影に用いられる撮影環境が、ポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境であるか、撮影室で撮影が行われる撮影環境であるかを検知することができるように構成されている必要がある。以下、撮影環境の検知の仕方について具体例を挙げて説明する。なお、撮影環境の検知は、放射線画像撮影装置1の制御手段22が自ら行うように構成してもよく、また、制御手段22とは別個に検知手段を設けるように構成することも可能である。
【0091】
[撮影環境の検知の仕方の構成例1]
放射線画像撮影装置1の制御手段22は、放射線画像撮影装置1のコネクター27に他のコネクターが接続されると、他のコネクターに取り付けられているケーブルのIDやケーブルを介して電気的に接続されている外部機器(充電装置54やクレードル61、撮影台70、中継器74、コンソール78等)のID等を取得することができる。
【0092】
そのため、例えば、ケーブルや外部機器のID等が、ポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境で使用されるケーブルや外部機器(充電装置54やクレードル61等)のID等と、撮影室で撮影が行われる撮影環境で使用されるケーブルや外部機器(撮影台70や中継器74、コンソール78等)のID等とに分類されたテーブル等を、放射線画像撮影装置1が予め有しておくように構成される。
【0093】
なお、以下の構成例においても同様であるが、この場合、ID等を、テーブル等の形で放射線画像撮影装置1の記憶手段23(図2参照)や図示しないROM中に分類して記憶しておくように構成してもよく、ID等をプログラム中に分類して書き込んでおくように構成することも可能である。
【0094】
そして、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、放射線画像撮影装置1のコネクター27と他のコネクターとが接続された際に、当該他のコネクターから取得した上記のID等に基づいて、上記の分類を参照して、放射線画像撮影装置1が撮影に用いられる撮影環境を割り出して検知するように構成することが可能である。
【0095】
[撮影環境の検知の仕方の構成例2]
しかし、上記の構成例1では、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、放射線画像撮影装置1のコネクター27と他のコネクターとが接続されるまで、放射線画像撮影装置1が撮影に用いられる撮影環境が、上記のいずれの撮影環境であるか検知することができない。
【0096】
そこで、例えば、撮影前に放射線画像撮影装置1から自らのID等をコンソール44、62、78(図4図7図10参照)に無線通信してコンソールに登録する処理が行われる場合があるが、そのような場合には、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、コンソールから送信されてきたコンソールのID等に基づいて(すなわちコンソールが上記のいずれの撮影環境で用いられるものであるかに基づいて)、放射線画像撮影装置1が撮影に用いられる撮影環境を割り出して検知するように構成することが可能である。
【0097】
この場合も、コンソールのID等を、ポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境で使用されるコンソール(コンソール44、62等)のID等と、撮影室で撮影が行われる撮影環境で使用されるコンソール(コンソール78等)のID等とに分類して有しておくように構成される。
【0098】
なお、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、上記のようにコンソールからID等を取得する代わりに、例えばコンソールに割り振られているIPアドレスやサブネットマスク等に応じて、放射線画像撮影装置1が撮影に用いられる撮影環境を割り出して検知するように構成することも可能である。
【0099】
[撮影環境の検知の仕方の構成例3]
また、ポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境において放射線画像撮影装置1が無線通信を行う際、例えば回診車40(図4参照)やコンソール62(図7参照)等にアクセスポイント(アクセスポイント53、62a等)が設けられたり、或いは、アクセスポイントがそれらに接続されて無線通信に使用される場合がある。また、撮影室で撮影が行われる撮影環境において放射線画像撮影装置1が無線通信を行う際には、図10に示したように、例えば中継器74に設けられたアクセスポイント73を介して無線通信が行われる場合がある。
【0100】
そのため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、放射線画像撮影装置1が無線通信を行う際に接続されるアクセスポイントに応じて、放射線画像撮影装置1が撮影に用いられる撮影環境が、ポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境と撮影室で撮影が行われる撮影環境のいずれであるかを割り出して検知するように構成することが可能である。
【0101】
例えば、無線LANで無線通信が行われる際には、各アクセスポイントにそれぞれSSID(Service Set Identifier)が割り振られている。そのため、例えば、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、アクセスポイントからSSIDを取得し、取得したSSIDに基づいて、放射線画像撮影装置1が撮影に用いられる撮影環境を割り出して検知するように構成することが可能である。
【0102】
[効果]
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、放射線画像撮影装置が撮影に用いられる撮影環境がポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境であるか撮影室で撮影が行われる撮影環境であるかを的確に検知し、検知した撮影環境に応じて放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御の仕方を切り替える。
【0103】
そのため、放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御が、放射線画像撮影装置1が用いられる撮影環境に応じて、各撮影環境に適するオン/オフ制御(すなわち第1のオン/オフ制御或いは第2のオン/オフ制御)に的確かつ自動的に切り替えられ、放射線画像撮影装置1の電源がそれぞれの撮影環境に応じて適切にオン/オフされるようになる。そのため、放射線画像撮影装置1が放射線技師等の操作者にとって非常に使い勝手が良いものとなる。
【0104】
なお、上記の撮影環境の検知の仕方の構成例として、例えば、放射線画像撮影装置1の切替スイッチ26(図1参照)を放射線技師等の操作者が操作する等して、操作者が放射線画像撮影装置1に対して手動で撮影環境を設定するように構成することも可能である。
【0105】
[第3の実施の形態]
一方、上記の第2の実施形態では、例えば放射線画像撮影装置1の制御手段22がコンソール44、62、78(図4図7図10参照)から送信されたID等に基づいて撮影環境を検知し、検知した撮影環境に応じて放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御の仕方を切り替える場合について説明した。そして、これは、コンソールとして、各撮影環境でそれぞれ専用のコンソールが使用される場合には有効である。
【0106】
しかし、1つのコンソールが、ポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境と撮影室で撮影が行われる撮影環境のいずれの撮影環境でも用いられる場合もあり得る。そのため、そのような場合には、以下のように構成することが可能である。なお、以下の構成は、各撮影環境でそれぞれ専用のコンソールが使用される場合にも適用可能である。
【0107】
すなわち、例えば図4図7図10に示したような放射線画像撮影装置1やコンソール44、62、78を備える放射線画像撮影システム100において、コンソールで撮影環境を検知するように構成し、コンソールが検知した撮影環境がポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境である場合には、放射線画像撮影装置1に前述した第1のオン/オフ制御に従って放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御(図9(A)、(B)参照)を行わせ、コンソールが検知した撮影環境が撮影室で撮影が行われる撮影環境である場合には、放射線画像撮影装置1に前述した第2のオン/オフ制御(図12(A)、(B)参照)に従って放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御を行わせるようにして、撮影環境に応じて電源のオン/オフ制御を切り替えるように放射線画像撮影装置1を制御するように構成することが可能である。
【0108】
この場合、例えば、放射線画像撮影装置1が予め、第1のオン/オフ制御と第2のオン/オフ制御に関するプログラム等をそれぞれ有しており、コンソールが、検知した撮影環境に応じて、放射線画像撮影装置1に第1、第2のオン/オフ制御のいずれかを指示し、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、指示された方のオン/オフ制御(すなわち第1のオン/オフ制御または第2のオン/オフ制御)に従って放射線画像撮影装置1の電源をオン/オフするように構成することが可能である。
【0109】
或いは、放射線画像撮影装置1は、第1のオン/オフ制御と第2のオン/オフ制御に関するプログラム等をいずれも有しておらず、コンソールが、検知した撮影環境に応じて、第1のオン/オフ制御に関するプログラム等または第2のオン/オフ制御に関するプログラム等を放射線画像撮影装置1に送信することで、放射線画像撮影装置1の制御手段22に、送信したオン/オフ制御に従って放射線画像撮影装置1の電源をオン/オフさせるように構成することも可能である。
【0110】
また、コンソールが撮影環境を検知する方法としては、例えば以下のような方法があり得る。すなわち、コンソールが、特定の撮影環境に専用である場合には、自らが用いられる撮影環境を予め検知することができる。すなわち、コンソール44、62(図4図7等参照)が専用のコンソールである場合には、撮影環境は、ポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境であると予め検知できる。
【0111】
また、コンソール78(図10参照)が専用のコンソールである場合には、撮影環境は、撮影室で撮影が行われる撮影環境であると予め検知できる。なお、この場合、コンソール44、62は、放射線画像撮影装置1に対して第1のオン/オフ制御のみを指示し、コンソール78は、放射線画像撮影装置1に対して第2のオン/オフ制御のみを指示することになる。
【0112】
また、コンソールが上記のいずれの撮影環境でも用いられる場合、例えば、コンソールは、撮影前に、撮影に関する種々の条件等が指定された撮影オーダー情報(不図示)が入力されたりRIS(Radiology Information System;放射線科情報システム)等から入手したりする場合があることを利用して、例えば、撮影オーダー情報に指定されている条件等に基づいて撮影環境を検知するように構成することが可能である。
【0113】
すなわち、撮影オーダー情報に、例えば、病棟(病室R1)や患者の自宅等で撮影を行うことや、回診車40を用いて撮影を行うこと等が指定されている場合には、当該撮影オーダー情報に基づいて行われる撮影は、ポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境で行われると検知することができる。また、撮影オーダー情報に、例えば、撮影室Raで撮影を行うことや、撮影台70に装填して撮影を行うこと等が指定されている場合には、当該撮影オーダー情報に基づいて行われる撮影は、撮影室で撮影が行われる撮影環境で行われると検知することができる。
【0114】
また、コンソールが、通信を行う相手の機器のID等に基づいて撮影環境を検知するように構成することも可能である。すなわち、例えば、通信相手が回診車40のインターフェースユニット52やアクセスポイント53(図5参照)、コンソールに取り付けられたアクセスポイント62a(図7参照)等である場合には、撮影環境は、ポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境であると検知することができる。また、通信相手が中継器74やアクセスポイント73(図10参照)等である場合には、撮影環境は、撮影室で撮影が行われる撮影環境であると検知することができる。
【0115】
[効果]
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム100によれば、コンソール44、62、78が、放射線画像撮影装置が撮影に用いられる撮影環境がポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境であるか撮影室で撮影が行われる撮影環境であるかを的確に検知し、検知した撮影環境に応じて、放射線画像撮影装置1に、放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御の仕方を的確に切り替えさせることが可能となる。
【0116】
そのため、放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御が、放射線画像撮影装置1が用いられる撮影環境に応じて、各撮影環境に適するオン/オフ制御(すなわち第1のオン/オフ制御或いは第2のオン/オフ制御)に的確かつ自動的に切り替えられ、放射線画像撮影装置1の電源がそれぞれの撮影環境に応じて適切にオン/オフされるようになる。そのため、放射線画像撮影装置1や放射線画像撮影システム100が放射線技師等の操作者にとって非常に使い勝手が良いものとなる。
【0117】
なお、上記の撮影環境の検知の仕方の構成例として、例えば、コンソールの設定画面等で放射線技師等の操作者が撮影環境を入力したり選択したりするように構成して、操作者がコンソールに対して手動で撮影環境を設定するように構成することも可能である。
【0118】
また、上記の第2、第3の実施形態において、放射線画像撮影装置が撮影に用いられる撮影環境として、上記のポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境や撮影室で撮影が行われる撮影環境以外の撮影環境を設定し、その撮影環境において放射線画像撮影装置1の電源を適切にオン/オフさせるための第3のオン/オフ制御(或いは第4以降のオン/オフ制御)の仕方を定めておき、検知された撮影環境に応じて、放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御の仕方を適宜切り替えるように構成することも可能である。
【0119】
さらに、上記の第2、第3の実施形態において、撮影環境が「ポータブルの放射線発生装置を用いて撮影が行われる撮影環境」である場合と「撮影室で撮影が行われる撮影環境」である場合とで放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御を切り替える場合について説明した。
【0120】
しかし、撮影環境に応じて電源のオン/オフ制御を切り替える場合、上記のように構成する代わりに、放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御を、例えば、(1)撮影室内で撮影が行われる撮影環境と撮影室外で撮影が行われる撮影環境とで切り替えたり、(2)放射線画像撮影装置1を撮影台70に装填して撮影が行われる撮影環境と放射線画像撮影装置1を撮影台70に装填せず単独の状態で撮影が行われる撮影環境とで切り替えたり、或いは(3)ポータブルの放射線発生装置43、60を用いて撮影が行われる撮影環境と据置型の放射線発生装置72を用いて撮影が行われる撮影環境とで切り替えるなど、他の条件に基づいて放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御を切り替えるように構成することも可能である。
【0121】
なお、本発明が上記の各実施形態等に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0122】
1 放射線画像撮影装置
7 放射線検出素子
22 制御手段(制御手段、検知手段)
27 コネクター
40 回診車
43、60 ポータブルの放射線発生装置
44、62、78 コンソール
54 充電装置
61 クレードル
100 放射線画像撮影システム
C 外部コネクター、充電装置のコネクター、クレードルのコネクター
Ra 撮影室
図1
図2
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図10
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図12