【文献】
池田 哲臣,時空間トレリス符号化MIMO伝送システム〜700MHz帯FPUの周波数移行に向けて〜,放送技術 第65巻 第11号,西村 瓊江 兼六館出版株式会社,2012年10月30日,第65巻,pp.194-200
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スクランブル処理手段は、前記外符号処理手段によって付加される誤り訂正外符号の種類が短縮化リードソロモン(204,188)符号であることに応じて構成されている
請求項3または請求項4に記載の信号処理装置。
【背景技術】
【0002】
デジタル信号に基づく無線信号を送信し、FPU(Field Pickup Unit)とも呼ばれる可搬型無線伝送機器がある。そのような無線伝送機器は、例えば、移動中や移動先から無線信号を送信する。そして、そのような無線伝送機器によって送信された無線信号は、例えば、中継局や固定局によって受信される。
【0003】
非特許文献1には、移動中や移動先から、テレビジョン放送に用いられるデジタル信号に基づく無線信号を送信する可搬型無線伝送機器が記載されている。
【0004】
非特許文献1に記載されている無線伝送機器は、入力された、映像および音声に応じたデジタル信号に基づくTS(Transport Stream)形式の信号(TSパケットともいう)に、伝送路符号化、周波数変換、および電力増幅の処理を施して、無線信号を送信する。
【0005】
ここで、非特許文献1に記載されている無線伝送機器における伝送路符号化の処理について説明する。
図10は、非特許文献1に記載されている無線伝送機器における伝送路符号化の処理を示す説明図である。
図10に示すように、非特許文献1に記載されている無線伝送機器では、伝送路符号化の処理として、データフレーム同期、簡易スクランブル、エネルギー拡散、誤り訂正符号化、インタリーブ、マッピング、OFDM(Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)フレーム構成、OFDM変調等の処理が順に行われる。
【0006】
非特許文献1に記載されている無線伝送機器は、データフレーム同期の処理で、誤り訂正符号化の処理に応じたバイト数の、同期バイトと、TSパケットに含まれているデータであるTSデータと、誤り訂正に用いられるダミーバイトとを含むデータパケットを生成する。また、非特許文献1に記載されている無線伝送機器は、データフレーム同期の処理で、生成した8つのデータパケットを含むデータフレームを生成する。さらに、非特許文献1に記載されている無線伝送機器は、データフレーム同期の処理で、生成した8つのデータフレームを含むスーパーフレームを生成する。
【0007】
そして、非特許文献1に記載されている無線伝送機器は、データフレーム同期の処理で生成されたスーパーフレームに、簡易スクランブルの処理を施す。
【0008】
また、非特許文献1に記載されている無線伝送機器は、誤り訂正符号化の処理で、204バイトのうち16バイトをダミーバイトとする短縮化リードソロモン符号(RS(204,188)という)、および204バイトのうち38バイトをダミーバイトとする短縮化リードソロモン符号(RS(204,166)という)のうちいずれかの形式に符号化される。
【0009】
ここで、非特許文献1に記載されている無線伝送機器は、誤り訂正符号化の処理でRS(204,188)に符号化される場合とRS(204,166)に符号化される場合とで、データフレーム同期の処理が互いに異なる。具体的には、例えば、誤り訂正符号化の処理でRS(204,188)に符号化される場合に、データフレーム同期の処理で、8つのTSパケットに含まれているTSデータに基づいて1つのデータパケットが生成され、誤り訂正符号化の処理でRS(204,166)に符号化される場合に、7つのTSパケットに含まれているTSデータに基づいて1つのデータパケットが生成される。
【0010】
特許文献1には、データフレーム同期の処理や簡易スクランブルの処理等を行って、IF(Intermediate Frequency)信号を出力する送信制御部を含む送信機が記載されている。
【0011】
特許文献2には、フレーム構成がなされたフレームに、スクランブルがかけられたフレームを互いに同期させるための信号を付加することが記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0028】
実施形態1.
第1の実施形態の無線伝送機器100について、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態の無線伝送機器100の構成例を示すブロック図である。本例では、
図1に示すように、無線伝送機器100から出力された信号は2つの送信アンテナに入力される。そして、それら2つの送信アンテナを介してRF信号が送信される。また、それら2つの送信アンテナを介して送信されたRF信号が2つの受信アンテナを介して受信される。つまり、無線伝送機器100が、2×2のMIMO(Multi−Input and Multi−Output)技術でRF信号を送信する場合を例に説明する。
【0029】
図1に示すように、第1の実施形態の無線伝送機器100は、送信制御部110と送信高周波部150とを含む。
図1に示すように、送信制御部110には、符号化器等200が接続されている。なお、無線伝送機器100が、符号化器等200を含むように構成されていてもよい。
【0030】
送信制御部110は、符号化器等200からTS形式の信号を入力され、伝送路符号化を行ってIF(Intermediate Frequency)信号を出力する。
【0031】
送信高周波部150は、送信制御部110からIF信号を入力され、少なくとも周波数変換、および電力増幅を行ってRF信号を出力する。
【0032】
図2は、送信制御部110の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、送信制御部110は、簡易スクランブル処理部111、データフレーム同期部112、エネルギー拡散処理部113、外符号処理部114、外インタリーブ処理部115、内符号処理部116、第1の周波数インタリーブ処理部117a、第1の時間インタリーブ処理部118a、第1のマッピング処理部119a、第1のOFDMフレーム構成部120a、第1のIFFT処理部121a、第1のガードインターバル付加処理部122a、第1の直交変調処理部123a、第2の周波数インタリーブ処理部117b、第2の時間インタリーブ処理部118b、第2のマッピング処理部119b、第2のOFDMフレーム構成部120b、第2のIFFT処理部121b、第2のガードインターバル付加処理部122b、第2の直交変調処理部123b、および信号入力部124を含む。
【0033】
なお、
図2に示す各部は、例えば、プログラム制御に従って処理を実行するプロセッサや複数の回路によって実現される。
【0034】
簡易スクランブル処理部111は、特定の相手方に対して行われる通信を想定して、設備規模の縮小と消費電力の削減を図るため、例えば、16ビットの擬似ランダム系列(生成多項式 X
16+X
12+X
3+X+1)を加算する簡易なスクランブル方式のスクランブル処理を行う。なお、簡易スクランブル処理部111は、ユーザの指示に応じて処理を行うように構成されていてもよい。簡易スクランブル処理部111がスクランブルをかける範囲は、例えば、トランスポートパケットのヘッダ(4バイト)及びアダプテーションフィールドを除いたペイロード部分とする。ただし、簡易スクランブル処理部111は、送出地点の識別コード等を含むNIT(PID=0x0010)パケットとNull(PID=0x1FFF)パケットについては、スクランブルをかけなくてもよい。また、簡易スクランブル処理部111は、これら以外のPID(Protocol IDentifier:パケット識別コードともいう)を有するパケットに、スクランブルをかけなくてもよいものとする。なお、簡易スクランブル処理部111は、例えば、各パケットのスクランブル状態を示すように、それぞれのパケットヘッダにおけるtransport_scrambling_controlビットを設定するものとする。また、簡易スクランブル処理部111は、例えば、パケット識別コード(PID)に「デジタル放送に使用する番組配列情報(ARIB STD−B10)」の規格で設定されたPIDの割り当てを用いるものとする。
【0035】
図3は、簡易スクランブル処理部111を実現するための簡易スクランブル回路(鍵が0xFFFFの場合)の構成例を示す説明図である。なお、スクランブルの鍵は、例えば、当該疑似ランダム系列を発生させるLFSR(Linear Feedback Shift Register:線形帰還シフトレジスタ)にロードする初期値とし、伝送されない。なお、外符号処理部114においてRS(204,188)が用いられる場合に、簡易スクランブル処理部111は、LFSRへの初期値ロードを、例えば、データフレーム同期が通過した直後に行うものとし、以降、次のデータフレーム同期の処理が行われるまでの間、LFSRの動作を継続するものとされてもよい。すると、スクランブルのリセットは、データフレーム周期(8パケット周期)で行われる。スクランブルが禁止されている部分では、例えば、単に擬似ランダム系列の加算を中止するものとされてもよい。
【0036】
また、外符号処理部114においてRS(204,166)が用いられる場合に、簡易スクランブルが行われる箇所はデータフレーム同期の前とし、この場合のLFSRへの初期値ロードは、データフレーム同期においてデータフレーム先頭バイト(0xB8)となるTS同期バイト(0x47)が通過した直後に行われる。したがって、外符号処理部114においてRS(204,166)が用いられる場合に、簡易スクランブル処理部111における処理は、データフレーム同期部112における処理の前に行われる。また、外符号処理部114においてRS(204,166)が用いられる場合に、簡易スクランブル処理部111は、LFSRへの初期値ロードを、例えば、データフレーム同期においてデータフレーム先頭バイト(0xB8)となるTS同期バイト(0x47)が通過した直後に行うものとしてもよい。すると、スクランブルのリセットは、7パケットがフレーム構成されたフレームの先頭で行われる。
【0037】
なお、簡易スクランブル処理部111は、例えば、外符号処理部114においてRS(204,188)が用いられる場合にデータフレーム同期部112で行われる処理が施されたデータに適切にスクランブル処理を施すことができるように構成され、符号化器等200が入力したTS形式の信号にも、適切にスクランブル処理を施すことができるように構成されているとする。つまり、簡易スクランブル処理部111は、例えば、外符号処理部114においてRS(204,188)が用いられる場合にデータフレーム同期部112で行われる処理が施されたデータ、および符号化器等200が入力したTS形式の信号に、適切にスクランブル処理を施すことができるように構成されているとする。
【0038】
データフレーム同期部112は、外符号処理部114においてRS(204,188)が用いられる場合に、例えば、符号化器等200から送信制御部110に入力されるTS形式の信号を、8TSパケット単位でフレーミング(例えば、フレーム構成)する。具体的には、データフレーム同期部112は、例えば、TSパケットをそれぞれ含む8つのデータパケットを含むデータフレームを生成する。データフレームの最初の同期バイトは、例えば、通常のTS同期バイトである0x47が反転された0xB8とする。また、データフレーム同期部112は、以後の信号処理のタイミングを規定するためのスーパーフレームの構成を行う。なお、データフレーム同期部112は、スーパーフレームの先頭とデータフレームの先頭とを一致させる。
図4は、外符号処理部114においてRS(204,188)が用いられる場合の、データフレーム同期後のデータのタイミングチャートを示す説明図である。
図4に示すように、データフレーム同期部112は、8つのデータフレームを含むように、各スーパーフレームを構成する。
【0039】
また、データフレーム同期部112は、外符号処理部114においてRS(204,166)が用いられる場合に、例えば、符号化器等200である符号化器又は再多重化器から送信制御部110に入力されるTS形式の信号を、7TSパケット単位でフレーミングする。データフレーム同期部112は、例えば、7つのTSパケットの同期バイトとダミーとを除いた187×7=1309バイトに11バイトのヌルを付加した1320バイトを165バイトずつの8つのパケットに分割して、各パケットに、同期バイト(最初のパケットにはデータフレームの同期バイト(0xB8)、残りの7つのパケットにはTS同期バイト(0x47))及びダミーの38バイトを付加して8つのデータパケットとする。そして、データフレーム同期部112は、例えば、8つのデータパケットを含むデータフレームを生成する。また、データフレーム同期部112は、以後の信号処理のタイミングを規定するためのスーパーフレームの構成を行う。なお、データフレーム同期部112は、スーパーフレームの先頭とデータフレームの先頭とを一致させる。
図5は、外符号処理部114においてRS(204,166)が用いられる場合の、データフレーム同期後のデータのタイミングチャートを示す説明図である。
図5に例示するように、データフレーム同期部112は、例えば、8つのデータフレームを含むように、各スーパーフレームを構成する。
【0040】
エネルギー拡散処理部113は、例えば、ISO(International Organization for Standization)/IEC(International Electrotechnical Commission)13818−1の規格に基づいて多重化されたTSパケットに、エネルギー拡散のための擬似ランダム系列を加算する。
【0041】
ただし、外符号にRS(204,166)が用いられる場合、擬似ランダム系列の加算の範囲は、204バイトの各パケットからダミーの38バイトと、データフレーム同期バイト(0xB8)と、TS同期バイト(0x47)とを除いた部分であるとしてもよい。
【0042】
なお、外符号にRS(204,166)が用いられる場合には、エネルギー拡散処理部113にはデータフレーム同期部112からデータが入力され、外符号にRS(204,188)が用いられる場合には、エネルギー拡散処理部113には簡易スクランブル処理部111からデータが入力されるように構成されていてもよい。
【0043】
外符号処理部114は、例えば、ユーザによって選択されたRS(204,188)とRS(204,166)とのうちいずれか一方に基づいて、エネルギー拡散処理部113が入力したデータに応じた誤り訂正の外符号を生成する。
【0044】
外符号処理部114は、RS(204,188)が選択された場合に、例えば、リードソロモン(255,239)符号化器の入力データ204バイトのうちダミーの16バイトを除いた188バイトの前に51バイトの「0」を付加し、符号化後に先頭の51バイトを除去することにより、誤り訂正の外符号であるリードソロモン(204,188)符号を生成する。リードソロモン(204,188)符号の多項式は、例えば、次の通りとする。
符号生成多項式:g(x)=(x+λ
0)(x+λ
1)(x+λ
2).........(x+λ
15)
λ=02h
体生成多項式:p(x)=x
8+x
4+x
3+x
2+1
なお、リードソロモン(204,188)のバイト訂正能力は、例えば、10
−3入力で10
−11以下であり、10
−4入力で10
−19以下である。
【0045】
外符号処理部114は、RS(204,166)が選択された場合、例えば、リードソロモン(255,217)符号化器の入力データ204バイトのうちダミーの38バイトを除いた166バイトの前に51バイトの「0」を付加し、符号化後に先頭の51バイトを除去することにより、誤り訂正の外符号であるリードソロモン(204,166)符号を生成する。リードソロモン(255,217)符号の生成多項式は、例えば、次の通りとする。
符号生成多項式:g(x)=(x+λ
0)(x+λ
1)(x+λ
2).........(x+λ
37)
λ=02h
体生成多項式:p(x)=x
8+x
4+x
3+x
2+1
外インタリーブ処理部115は、例えば、1ブロックで17バイトの遅延量を持つブロックを、第n番目のパスが(n−1)ブロックの遅延量となるように配置した12パスに、外符号処理部114が入力したリードソロモン符号化後の204バイトのビットストリームを、1パス当たり1バイトずつ順次供給して行う畳込みインタリーブの処理(外インタリーブの処理)を行う。ここで、トランスポートパケットの同期バイト、並びに、フレーム同期バイトは、例えば、常に、遅延のないパスを通過することとする。また、外インタリーブの処理後のスーパーフレームの先頭は、11パケット遅延した位置とする。なお、デインタリーブの回路構成は、例えば、先頭のパスにおける遅延ブロックの挿入量を11とし、パス番号順に1ブロックずつ少なくなるものとする。
【0046】
内符号処理部116は、例えば、外インタリーブ処理部115で外インタリーブの処理が行われたデータに基づいて、誤り訂正の内符号を付加する処理を行う。内符号処理部116は、誤り訂正の内符号に、例えば、時空間トレリス符号を用いる。時空間トレリス符号の処理では、例えば、構造が同じで重み付け係数が異なる2つの畳込み符号化器に同一の情報が入力され、符号化器出力が2つの送信アンテナに入力される。時空間トレリス符号の復号には、例えば、ビタビ復号法を用いることができる。
【0047】
第1の周波数インタリーブ処理部117aは、例えば、内符号処理部116が入力したデータに、既知の方法で、所定の周波数インタリーブ関数を用いて周波数インタリーブ処理を行う。
【0048】
第1の時間インタリーブ処理部118aは、例えば、フェージング特性を向上させるため、第1の周波数インタリーブ処理部117aが入力するデータのキャリアを時間軸上で分散させる。時間インタリーブには、例えば、畳込みインタリーブが用いられる。
【0049】
第1のマッピング処理部119aは、各変調方式に応じて、第1の時間インタリーブ処理部118aが入力したデータに基づき所定のマッピング処理を行う。具体的には、第1のマッピング処理部119aは、例えば、BPSK(Binary Phase Shift Keying)や、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、8PSK(8 Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)等の変調方式に応じて、所定のマッピング処理を行う。
【0050】
第1のOFDMフレーム構成部120aは、第1のマッピング処理部119aが入力したデータに基づいて、例えば、1KモードではOFDMの408シンボルで1フレームを構成し、2KモードではOFDMの204シンボルで1フレームを構成する。また、第1のOFDMフレーム構成部120aは、例えば、連続8フレームで1スーパーフレームを構成する。そして、第1のOFDMフレーム構成部120aは、例えば、CP(Continual Pilot)、SP(Scatterd Pilot)、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)、AC(Auxiliary Channel)、Null(Null Carrier)、およびData(Data Carrier)の各キャリアによって、OFDMフレームを構成する。
【0051】
第1のIFFT処理部121aは、例えば、第1のOFDMフレーム構成部120aがOFDMフレームを構成した出力信号にIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を施す。
【0052】
第1のガードインターバル付加処理部122aは、例えば、第1のIFFT処理部121aによってIFFT処理が施された出力信号において、有効シンボルの後端部分のガードインターバル長に相当する部分をコピーして、有効シンボルの前に付加する。
【0053】
第1の直交変調処理部123aは、例えば、第1のガードインターバル付加処理部122aによってガードインターバルが付加された出力信号にOFDM変調を施す。
【0054】
信号入力部124は、例えば、CPや、SP、TMCC、AC等の信号を第1のOFDMフレーム構成部120aおよび第2のOFDMフレーム構成部120bに入力する。
【0055】
第2の周波数インタリーブ処理部117bは、例えば、内符号処理部116が入力したデータに、既知の方法で、所定の周波数インタリーブ関数を用いて周波数インタリーブ処理を行う。
【0056】
第2の時間インタリーブ処理部118bは、例えば、フェージング特性を向上させるため、第2の周波数インタリーブ処理部117bが入力するデータのキャリアを時間軸上で分散させる。時間インタリーブには、畳込みインタリーブが用いられる。
【0057】
第2のマッピング処理部119bは、各変調方式に応じて、第2の時間インタリーブ処理部118bが入力したデータに基づき所定のマッピング処理を行う。具体的には、第2のマッピング処理部119bは、例えば、BPSKや、QPSK、8PSK、16QAM等の変調方式に応じて、所定のマッピング処理を行う。
【0058】
第2のOFDMフレーム構成部120bは、第2のマッピング処理部119bが入力したデータに基づいて、例えば、1KモードではOFDMの408シンボルで1フレームを構成し、2KモードではOFDMの204シンボルで1フレームを構成する。また、第2のOFDMフレーム構成部120bは、例えば、連続8フレームで1スーパーフレームを構成する。そして、第2のOFDMフレーム構成部120bは、例えば、CP、SP、TMCC、AC、Null、およびDataの各キャリアによって、OFDMフレームを構成する。
【0059】
第2のIFFT処理部121bは、例えば、第2のOFDMフレーム構成部120bがOFDMフレームを構成した出力信号にIFFT処理を施す。
【0060】
第2のガードインターバル付加処理部122bは、例えば、第2のIFFT処理部121bによってIFFT処理が施された出力信号において、有効シンボルの後端部分のガードインターバル長に相当する部分をコピーして、有効シンボルの前に付加する。
【0061】
第2の直交変調処理部123bは、例えば、第2のガードインターバル付加処理部122bによってガードインターバルが付加された出力信号にOFDM変調を施す。
【0062】
なお、第1の周波数インタリーブ処理部117aから第1の直交変調処理部123aまでの各部では、前述した2つの送信アンテナのうち一方に入力される信号の処理が行われる。また、第2の周波数インタリーブ処理部117bから第2の直交変調処理部123bまでの各部では、前述した2つの送信アンテナのうち他方に入力される信号の処理が行われる。
【0063】
次に、第1の実施形態の無線伝送機器100の動作について説明する。
図6は、第1の実施形態の無線伝送機器100における送信制御部110の動作を示すフローチャートである。
【0064】
送信制御部110は、例えば、ユーザによって外符号処理部114においてRS(204,188)が用いられることが選択された場合に(ステップS101のY)、データフレーム同期部112における処理を簡易スクランブル処理部111における処理よりも先に実行すると決定し、データフレーム同期部112に符号化器等200が入力した信号を入力する(ステップS102)。
【0065】
そして、データフレーム同期部112は、ステップS102の処理で入力された信号にデータフレーム同期の処理を施す(ステップS103)。
【0066】
簡易スクランブル処理部111は、ステップS103の処理でデータフレーム同期部112によってデータフレーム同期の処理が施されたデータに、簡易スクランブルの処理を施す(ステップS104)。
【0067】
送信制御部110における、エネルギー拡散処理部113から、第1の直交変調処理部123aまたは第2の直交変調処理部123bまでの各部において、後続する処理が行われる(ステップS105)。
【0068】
また、送信制御部110は、例えば、ユーザによって外符号処理部114においてRS(204,166)が用いられることが選択された場合に(ステップS101のN)、簡易スクランブル処理部111における処理をデータフレーム同期部112における処理よりも先に実行すると決定し、簡易スクランブル処理部111に符号化器等200が入力した信号を入力する(ステップS106)。
【0069】
簡易スクランブル処理部111は、ステップS106の処理で入力された信号に、簡易スクランブルの処理を施す(ステップS107)。
【0070】
データフレーム同期部112は、ステップS106の処理で簡易スクランブルの処理が施された信号にデータフレーム同期の処理を施し(ステップS108)、ステップS105の処理に移行する。
【0071】
本実施形態によれば、外符号処理部114においてRS(204,166)が用いられる場合に、簡易スクランブル処理部111における処理がデータフレーム同期部112における処理に先だって行われる。
【0072】
したがって、簡易スクランブル処理部111における処理を実行するための回路に、外符号処理部114においてRS(204,188)が用いられる場合に簡易スクランブル処理部111における処理を実行するための回路を流用することができる。
【0073】
よって、RS(204,188)が用いられる場合に対応して、簡易スクランブル処理部111における処理を実行するための回路を用意すれば、RS(204,166)が用いられる場合に対応した回路を新たに用意する必要がなくなる。
【0074】
したがって、回路や処理を増大させることなく、RS(204,166)とRS(204,188)という複数種類の誤り訂正符号化の処理に対応することができる。
【0075】
なお、RS(204,188)が用いられる場合に対応して用意された簡易スクランブル処理部111における処理を実行するための一の回路が、RS(204,166)が用いられる場合にも使用されるように構成されていてもよい。具体的には、例えば、当該一の回路に、RS(204,188)が用いられる場合にはデータフレーム同期部112における処理後のデータが入力され、データフレーム同期部112における処理後の当該データが簡易スクランブル処理部111に入力される。また、RS(204,166)が用いられる場合にはデータフレーム同期部112における処理前のデータが簡易スクランブル処理部111に入力され、簡易スクランブル処理部111における処理後の当該データがデータフレーム同期部112に入力されるように構成されていてもよい。つまり、当該一の回路を、RS(204,188)が用いられる場合とRS(204,166)が用いられる場合とで共用するように構成されていてもよい。
【0076】
そのような構成によれば、簡易スクランブル処理部111における処理を実行するための1つの回路で、RS(204,188)が用いられる場合とRS(204,166)が用いられる場合との両者に対応することができるので、両者に応じた回路をそれぞれ用意する場合に比べて、コストを削減したり、無線伝送機器100の回路規模を削減したり、無線伝送機器100の外形を小さくしたり、消費電力を削減したりすることができる。
【0077】
また、RS(204,188)が用いられる場合に対応して用意された簡易スクランブル処理部111における処理を実行するための回路と同様な回路が、RS(204,166)が用いられてデータフレーム同期部112における処理前のデータが入力されるように別途用意されていてもよい。
【0078】
そのような構成によれば、RS(204,188)が用いられる場合とRS(204,166)が用いられる場合とに応じて、簡易スクランブル処理部111における処理を実行するための回路がそれぞれ用意されるので、無線伝送機器100を冗長化して、故障や動作不良等に対する冗長性を高めることができる。
【0079】
実施形態2.
次に、第2の実施形態の無線伝送機器300について、図面を参照して説明する。第1の実施形態では、無線伝送機器100が、MIMO技術でRF信号を送信する場合を例に説明したが、本実施形態では、無線伝送機器300が、SISO(Single−Input and Single−Output)技術でRF信号を送信する場合を例に説明する。
図7は、第2の実施形態の無線伝送機器300の構成例を示すブロック図である。
【0080】
図7に示すように、第2の実施形態の無線伝送機器300は、送信制御部310と送信高周波部350とを含む。
図7に示すように、送信制御部310には、符号化器等200が接続されている。なお、無線伝送機器300が、符号化器等200を含むように構成されていてもよい。なお、符号化器等200は、例えば、第1の実施形態における符号化器等200と同様な構成である。
【0081】
送信制御部310は、符号化器等200からTS形式の信号を入力され、伝送路符号化を行ってIF信号を出力する。
【0082】
送信高周波部350は、送信制御部310からIF信号を入力され、少なくとも周波数変換、および電力増幅を行ってRF信号を出力する。
【0083】
図8は、送信制御部310の構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、送信制御部310は、簡易スクランブル処理部111、データフレーム同期部112、エネルギー拡散処理部113、外符号処理部114、外インタリーブ処理部115、内符号処理部316、遅延補正処理部316a、ビットインタリーブ処理部316b、周波数インタリーブ処理部317、時間インタリーブ処理部318、マッピング処理部319、OFDMフレーム構成部320、IFFT処理部121、ガードインターバル付加処理部322、直交変調処理部323、および信号入力部324を含む。
【0084】
本実施形態の無線伝送機器300において、第1の実施形態の無線伝送機器100と同様な構成要素には、
図2と同じ符号を付して説明を省略する。
【0085】
内符号処理部316は、例えば、拘束長が7であり、符号化率が1/2である符号を原符号とするパンクチュアード畳込み符号を用いて、誤り訂正の内符号を付加する処理を行う。原符号の生成多項式は、G1=171octetであり、G2=133octetであるとし、パンクチュアー化により、R=1/2,R=2/3,R=3/4,R=5/6の4種類の符号化率に対応する。なお、パンクチュアー化パターンはフレーム同期でリセットされるものとする。このとき、フレーム開始の先頭ビットは前フレームのデータ6ビットとモジュロ2演算がなされ、その出力(X,Y)がパンクチュアー化パターンの開始点となる。なお、Xは、G1=171octetの出力であり、Yは、G2=133octetの出力である。
【0086】
ビットインタリーブ処理部316bにおける処理によって送信側および受信側で120キャリアシンボルの遅延が生じる。そこで、遅延補正処理部316aは、送信側および受信側で1OFDMシンボルの遅延になるようにする。なお、スーパーフレームの先頭は、1OFDMシンボル分遅延される。
【0087】
多値変調が用いられる場合に、キャリア単位の誤りがバースト誤りになるので、その影響を軽減する目的で、ビットインタリーブ処理部316bは、ビット単位のインタリーブ処理を行う。ビットインタリーブ処理部316bは、それぞれの変調方式に対応して、各ビットに遅延線を挿入する構成の畳込みインタリーブ処理を行う。なお、BPSKに変調される場合、およびDBPSKに変調される場合に、ビットインタリーブ処理部316bは、インタリーブ処理を行わなくてもよい。
【0088】
周波数インタリーブ317は、第1の実施形態における第1の周波数インタリーブ処理部117aおよび第2の周波数インタリーブ処理部117bと同様な処理を行う。
【0089】
時間インタリーブ処理部318は、第1の実施形態における第1の時間インタリーブ処理部118aおよび第2の時間インタリーブ処理部118bと同様な処理を行う。
【0090】
マッピング処理部319は、BPSK等の変調方式に応じて、予め決められたマッピング処理を行う。なお、マッピング処理部319は、第1の実施形態における第1のマッピング処理部119aおよび第2のマッピング処理部119bと同様なマッピング処理を行ってもよいし、互いに異なるマッピング処理を行ってもよい。
【0091】
OFDMフレーム構成部320は、第1の実施形態における第1のOFDMフレーム構成部120aおよび第2のOFDMフレーム構成部120bと同様な処理を行う。
【0092】
IFFT処理部321は、第1の実施形態における第1のIFFT処理部121aおよび第2のIFFT処理部121bと同様な処理を行う。
【0093】
ガードインターバル付加処理部322は、第1の実施形態における第1のガードインターバル付加処理部122aおよび第2のガードインターバル付加処理部122bと同様な処理を行う。
【0094】
直交変調処理部323は、第1の実施形態における第1の直交変調処理部123aおよび第2の直交変調処理部123bと同様な処理を行う。
【0095】
信号入力部324は、例えば、CPや、SP、TMCC、AC等の信号をOFDMフレーム構成部320に入力する。
【0096】
第2の実施形態の無線伝送機器300の動作において、
図6に示す第1の実施形態の無線伝送機器100における各ステップの処理に対応する処理は、第1の実施形態の無線伝送機器100における処理と同様なため、説明を省略する。
【0097】
本実施形態によれば、無線伝送機器300がSISO技術でRF信号を送信する場合であっても、第1の実施形態における効果と同様な効果を奏することができる。
【0098】
実施形態3.
次に、第3の実施形態の信号処理装置10について、図面を参照して説明する。
図9は、第3の実施形態の信号処理装置10の構成例を示すブロック図である。
【0099】
図9に示すように、本実施形態の信号処理装置10は、データフレーム同期処理部11、スクランブル処理部12、外符号処理部13、および処理順序決定部14を含む。
【0100】
データフレーム同期処理部11は、例えば、
図2,8に示すデータフレーム同期部112に相当する。
【0101】
スクランブル処理部12は、例えば、
図2,8に示す簡易スクランブル処理部111に相当する。
【0102】
外符号処理部13は、例えば、
図2,8に示す外符号処理部114に相当する。
【0103】
処理順序決定部14は、例えば、送信制御部110,310において、
図6に示すステップS101の処理を実行する部分に相当する。
【0104】
データフレーム同期処理部11は、入力されたデータに基づいてフレームを構成する。
【0105】
スクランブル処理部12は、入力されたデータにスクランブル処理を施す。
【0106】
外符号処理部13は、データフレーム同期処理部11における処理とスクランブル処理部12における処理とが施されたデータに誤り訂正外符号を付加する。
【0107】
処理順序決定部14は、データフレーム同期処理部11とスクランブル処理部12とのうちいずれにおける処理を先に実行するのかを決定する。
【0108】
そして、外符号処理部13は、複数種類の誤り訂正外符号のうちいずれか1種類の誤り訂正外符号をデータに付加する。
【0109】
また、スクランブル処理部12は、当該1種類の誤り訂正外符号が付加されたデータ、および誤り訂正外符号が付加されていないデータにスクランブル処理を施すことが可能である。
【0110】
処理順序決定部14は、外符号処理部13によって付加される誤り訂正外符号の種類に応じて、データフレーム同期処理部11における処理とスクランブル処理部12における処理との処理順序を決定する。
【0111】
そして、データフレーム同期処理部11とスクランブル処理部12とは、処理順序決定部14が決定した処理順序に従って、先に一方が処理を行い、一方による処理が施されたデータに他方が処理を施す。
【0112】
本実施形態によれば、1種類の誤り訂正外符号が付加されたデータ、および誤り訂正外符号が付加されていないデータにスクランブル処理を施すことが可能なスクランブル処理部12を用いて、複数種類の誤り訂正外符号に適切に対応することができる。
【0113】
したがって、新たな回路の増設や、処理を増大させることなく、複数種類の誤り訂正符号化の処理に対応することができる。