特許第6794726号(P6794726)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6794726
(24)【登録日】2020年11月16日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】接合方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 20/12 20060101AFI20201119BHJP
【FI】
   B23K20/12 330
   B23K20/12 360
   B23K20/12 310
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-172437(P2016-172437)
(22)【出願日】2016年9月5日
(65)【公開番号】特開2018-39016(P2018-39016A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2019年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004743
【氏名又は名称】日本軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 久司
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 伸城
【審査官】 黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−199119(JP,A)
【文献】 特開2015−213928(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/114975(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 20/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて第一金属部材と第二金属部材とを接合する接合方法であって、
表面の高さが変化する前記第一金属部材と表面の高さが変化する前記第二金属部材とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、
前記第一金属部材又は前記第二金属部材に面接触するように補助部材を配置する配置工程と、
回転する前記攪拌ピンを前記補助部材の表面側から高さが変化する前記突合せ部に対して挿入し、前記回転ツールの前記攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で前記突合せ部に沿って前記回転ツールを相対移動させて前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材を接合する摩擦攪拌工程と、を含むことを特徴とする接合方法。
【請求項2】
バリが形成された前記補助部材を前記第一金属部材又は前記第二金属部材から除去する除去工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
【請求項3】
前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが前記補助部材に形成されるように接合条件を設定することを特徴とする請求項2に記載の接合方法。
【請求項4】
攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて第一金属部材と第二金属部材とを接合する接合方法であって、
表面の高さが変化する前記第一金属部材と表面の高さが変化する前記第二金属部材とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、
前記第一金属部材及び前記第二金属部材の両方に面接触するように補助部材を配置する配置工程と、
回転する前記攪拌ピンを前記補助部材の表面側から高さが変化する前記突合せ部に対して挿入し、前記回転ツールの前記攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で前記突合せ部に沿って前記回転ツールを相対移動させて前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材を接合する摩擦攪拌工程と
バリが形成された前記補助部材を前記第一金属部材及び前記第二金属部材から除去する除去工程と、を含み、
前記配置工程では、前記補助部材を前記第一金属部材及び前記第二金属部材のいずれか一方に配置しつつ、前記突合せ部を挟んで他方側にわずかに突出するように配置し、
前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが、前記補助部材のうち前記第一金属部材及び前記第二金属部材のいずれか一方側に形成されるように接合条件を設定することを特徴とする接合方法。
【請求項5】
前記攪拌ピンの周面に螺旋溝が刻設されており、
前記回転ツールを右回転させる場合は、前記螺旋溝を前記攪拌ピンの基端側から先端側に向けて左回りに刻設し、
前記回転ツールを左回転させる場合は、前記螺旋溝を前記攪拌ピンの基端側から先端側に向けて右回りに刻設することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属部材同士を摩擦攪拌で接合する接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、表面の高さが変化する金属部材同士の端面を突き合わせて高さが変化する突合せ部を形成し、回転ツールの攪拌ピンのみを金属部材同士の突合せ部に接触させた状態で摩擦攪拌を行って接合する接合方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−199119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の接合方法であると、塑性流動化した金属を回転ツールのショルダ部で押さえないため、塑性流動化した金属が外部に溢れ出し接合部が金属不足になり、金属部材同士の突合せ部の表面に凹溝が形成されるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、接合部の金属不足を防ぐことができる接合方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために本発明は、攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて第一金属部材と第二金属部材とを接合する接合方法であって、表面の高さが変化する前記第一金属部材と表面の高さが変化する前記第二金属部材とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、前記第一金属部材又は前記第二金属部材に面接触するように補助部材を配置する配置工程と、回転する前記攪拌ピンを前記補助部材の表面側から高さが変化する前記突合せ部に対して挿入し、前記回転ツールの前記攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で前記突合せ部に沿って前記回転ツールを相対移動させて前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材を接合する摩擦攪拌工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
かかる方法によれば、高さが変化する突合せ部が接合されるとともに、高さが変化する第一金属部材及び第二金属部材に加え、補助部材も同時に摩擦攪拌接合することにより、接合部の金属不足を防ぐことができる。これにより、第一金属部材及び第二金属部材の表面に凹溝ができるのを防ぐことができる。
【0008】
また、バリが形成された前記補助部材を前記第一金属部材又は前記第二金属部材から除去する除去工程を含むことを特徴とする。
【0009】
かかる方法によれば、バリを補助部材ごと除去することができる。
【0010】
また、前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが前記補助部材に形成されるように接合条件を設定することを特徴とする。
【0011】
かかる方法によれば、補助部材ごと全てのバリを除去することができる。
【0012】
また、本発明は、攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて第一金属部材と第二金属部材とを接合する接合方法であって、表面の高さが変化する前記第一金属部材と表面の高さが変化する前記第二金属部材とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、前記第一金属部材及び前記第二金属部材の両方に面接触するように補助部材を配置する配置工程と、回転する前記攪拌ピンを前記補助部材の表面側から高さが変化する前記突合せ部に対して挿入し、前記回転ツールの前記攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で前記突合せ部に沿って前記回転ツールを相対移動させて前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材を接合する摩擦攪拌工程と、バリが形成された前記補助部材を前記第一金属部材及び前記第二金属部材から除去する除去工程と、を含み、前記配置工程では、前記補助部材を前記第一金属部材及び前記第二金属部材のいずれか一方に配置しつつ、前記突合せ部を挟んで他方側にわずかに突出するように配置し、前記摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが、前記補助部材のうち前記第一金属部材及び前記第二金属部材のいずれか一方側に形成されるように接合条件を設定することを特徴とする。
【0013】
かかる方法によれば、高さが変化する突合せ部が接合されるとともに、高さが変化する第一金属部材及び第二金属部材に加え、補助部材も同時に摩擦攪拌接合することにより、接合部の金属不足を防ぐことができる。これにより、第一金属部材及び第二金属部材の表面に凹溝ができるのを防ぐことができる。また、補助部材の中央付近から攪拌ピンを突合せ部まで挿入できるので、攪拌ピンを補助部材に容易に挿入することができる。
また、摩擦攪拌工程によって分断された補助部材にそれぞれバリが形成されるが、除去工程において、バリを補助部材ごと取り除くことができる。
更に、補助部材のわずかに突出した部分が攪拌ピンで摩擦攪拌されて接合部に補填されるので、接合部の金属不足をバランス良く、かつ、より確実に防ぐことができる。更には、突合せ部に挿入される回転中心軸が、補助部材の端面から中央側にわずかにずれた位置となるので、攪拌ピンを補助部材に容易に挿入することができる。
【0018】
また、前記攪拌ピンの周面に螺旋溝が刻設されており、前記回転ツールを右回転させる場合は、前記螺旋溝を前記攪拌ピンの基端側から先端側に向けて左回りに刻設し、前記回転ツールを左回転させる場合は、前記螺旋溝を前記攪拌ピンの基端側から先端側に向けて右回りに刻設することを特徴とする。
【0019】
かかる方法によれば、塑性流動化した金属材料が螺旋溝に導かれて攪拌ピンの先端側に移動するため、金属部材の外部に溢れ出る金属の量を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る接合方法によれば、接合部の金属不足を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第一実施形態に係る接合方法の第一金属部材、第二金属部材を示す斜視図である。
図2】第一実施形態に係る接合方法の突合せ工程を示す斜視図である。
図3】第一実施形態に係る接合方法の第一金属部材、第二金属部材及び補助部材を示す斜視図である。
図4】第一実施形態に係る接合方法の突合せ工程及び配置工程を示す側断面図である。
図5】第一実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す斜視図である。
図6】第一実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す断面図である。
図7】第一実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す断面図である。
図8】第一実施形態に係る接合方法の除去工程前を示す断面図である。
図9】第一実施形態に係る接合方法の除去工程を示す断面図である。
図10】第一実施形態に係る接合方法の除去工程後を示す断面図である。
図11】第一実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程(変形例)を示す断面図である。
図12】本発明の第二実施形態の突合せ工程及び配置工程を示す断面図である。
図13】第二実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す斜視図である。
図14】第二実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す断面図である。
図15】第二実施形態に係る接合方法の除去工程を示す断面図である。
図16】本発明の第三実施形態の突合せ工程及び配置工程を示す断面図である。
図17】第三実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す斜視図である。
図18】第三実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す断面図である。
図19】第三実施形態に係る接合方法の除去工程を示す断面図である。
図20】他の実施形態に係る接合方法の突合せ工程を示す断面図である。
図21】他の実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る接合方法について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態に係る接合方法では、突合せ工程と、配置工程と、摩擦攪拌工程と、除去工程と、を行う。なお、以下の説明における「表面」とは、「裏面」の反対側の面という意味である。
【0023】
第一実施形態に係る接合方法について説明する。本実施形態では、図1に示す第一金属部材1Aと第二金属部材1Bとの端面1a,1a同士を、図2に示すように突き合わせて形成された突合せ部Jを摩擦攪拌によって接合する。第一金属部材1A及び第二金属部材1B(第一及び第二金属部材1A,1B)は、金属製の部材であって、突き合わされる端面1a,1aが同等の形状になっている。また、第一及び第二金属部材1A,1Bは同等の材料で形成されている。この材料は、摩擦攪拌可能な金属であれば特に制限されないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金等から適宜選択すればよい。
【0024】
図1に示すように、第一及び第二金属部材1A,1Bは、直方体を呈する本体部2と、本体部2の上に形成され断面台形状を呈する凸部3とで構成されている。凸部3の表面3aは、本体部2の表面2a,2bよりも上方に位置している。凸部3の第一表面3bは、傾斜しており本体部2の表面2aと凸部3の表面3aとを連結している。また、凸部3の第二表面3cは、傾斜しており本体部2の表面2bと凸部3の表面3aとを連結している。
【0025】
本実施形態に係る接合方法では、突合せ工程と、接合工程を行う。図1に示すように、突合せ工程は、第一及び第二金属部材1A,1Bの端面1a,1aを突き合わせる工程である。突合せ工程では、第一及び第二金属部材1A,1Bの各表面同士が面一になるように突き合わせる。
【0026】
図2に示すように、突合せ工程によって端面1a,1aが面接触して突合せ部Jが形成される。突合せ部Jはその高さ位置が変化するように形成される。つまり、突合せ部Jは、摩擦攪拌の始点(挿入位置)の高さ(標高)を基準高さとすると、始点から終点に至るまでに基準高さと高さの異なる区間が存在している。本実施形態では、突合せ部Jは、第一平部Jaと、第一傾斜部Jbと、第二平部Jcと、第二傾斜部Jdと、第三平部Jeとで構成されている。
【0027】
配置工程は、図3に示す突合せ状態の第一及び第二金属部材1A,1Bに補助部材10を配置する工程である。補助部材10は金属製の板状部材である。補助部材10は摩擦攪拌可能な金属であれば特に制限されないが、本実施形態では第一及び第二金属部材1A,1Bと同じ材料になっている。補助部材10の板厚は、後記する摩擦攪拌工程後の塑性化領域Wが金属不足にならないように適宜設定する。
【0028】
補助部材10は、一定の板厚で形成された高さの異なる板状部材である。補助部材10は、基部11,11と、中央部12と、傾斜部13,14とで構成されている。中央部12は、基部11,11の中央において、基部11,11よりも高い位置に形成されている。傾斜部13は、一方の基部11と中央部12とを斜めに連結している。傾斜部14は、他方の基部11と中央部12とを斜めに連結している。また、基部11,11のそれぞれの端部の中央付近には、スリット15,15が設けられている。
【0029】
配置工程では、図3及び図4に示すように、突合せ状態の第一及び第二金属部材1A,1Bの表面の中央部に沿って、補助部材10の裏面を面接触させる。より詳しくは、突合せ状態の第一及び第二金属部材1A,1Bの本体部2の表面2a,2bと、補助部材10の基部11,11の裏面11b,11bとを重ね合わせるとともに、凸部3の表面3aと中央部12の裏面12bとを重ね合わせる。また、凸部3の傾斜した第一表面3bと傾斜部13の裏面13bとを重ね合わせるとともに、凸部3の傾斜した第二表面3cと傾斜部14の裏面14bとを重ね合わせる。
【0030】
また、突合せ状態の第一及び第二金属部材1A,1Bと補助部材10とを治具(図示省略)を用いて架台Tに移動不能に拘束する。なお、補助部材10は本実施形態では高さの異なる板状としているが、第一及び第二金属部材1A,1Bの表面に面接触すれば、他の形状であってもよい。
【0031】
摩擦攪拌工程は、図5に示すように、接合用回転ツールFを用いて突合せ状態の第一及び第二金属部材1A,1Bの突合せ部Jを摩擦攪拌によって接合する工程である。接合用回転ツールFは、連結部F1と、攪拌ピンF2とで構成されている。接合用回転ツールFは、特許請求の範囲の「回転ツール」に相当する。接合用回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されている。連結部F1は、摩擦攪拌装置の回転軸(図示省略)に連結される部位である。連結部F1は円柱状を呈している。
【0032】
攪拌ピンF2は、連結部F1から垂下しており、連結部F1と同軸になっている。攪拌ピンF2は連結部F1から離間するにつれて先細りになっている。攪拌ピンF2の外周面には螺旋溝が刻設されている。本実施形態では、接合用回転ツールFを右回転させるため、螺旋溝は、基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されている。言い換えると、螺旋溝は、螺旋溝を基端から先端に向けてなぞると上から見て左回りに形成されている。
【0033】
なお、接合用回転ツールFを左回転させる場合は、螺旋溝を基端から先端に向かうにつれて右回りに形成することが好ましい。言い換えると、この場合の螺旋溝は、螺旋溝を基端から先端に向けてなぞると上から見て右回りに形成されている。螺旋溝をこのように設定することで、摩擦攪拌の際に塑性流動化した金属が螺旋溝によって攪拌ピンF2の先端側に導かれる。これにより、被接合金属部材(突合せ状態の第一及び第二金属部材1A,1Bと補助部材10)の外部に溢れ出る金属の量を少なくすることができる。
【0034】
接合用回転ツールFは、マシニングセンタ等の摩擦攪拌装置に取り付けてもよいが、例えば、先端にスピンドルユニット等の回転手段を備えたアームロボットに取り付けてもよい。アームロボットに接合用回転ツールFを取り付けることにより接合用回転ツールFの回転中心軸Fcを容易に傾斜させることができる。
【0035】
摩擦攪拌工程では、図5に示すように、補助部材10の表面に設定した開始位置Spに、右回転させた接合用回転ツールFの攪拌ピンF2を挿入する。攪拌ピンF2の挿入深さは、本実施形態では、攪拌ピンF2が第一及び第二金属部材1A,1Bに接触する(達する)ように設定している。また、接合用回転ツールFの回転中心軸が、常に鉛直軸と平行となる状態で摩擦攪拌を行う。摩擦攪拌工程によって攪拌ピンF2の周囲の第一及び第二金属部材1A,1Bが摩擦攪拌され、第一及び第二金属部材1A,1Bが接合される。接合用回転ツールFの移動軌跡には、塑性化領域Wが形成される。
【0036】
つまり、摩擦攪拌工程では、図6に示すように、突合せ部Jに対する攪拌ピンF2の挿入深さをほぼ一定に保ちつつ、攪拌ピンF2のみを補助部材10及び第一及び第二金属部材1A,1Bに接触させた状態で摩擦攪拌を行う。本実施形態に係る摩擦攪拌工程では、補助部材10、第一及び第二金属部材1A,1Bが固定された架台Tに対して接合用回転ツールFを、補助部材10の上下に高さ(標高)が異なる表面を、上下動させることにより摩擦攪拌を行う。
【0037】
これにより、第一平部Jaの塑性化領域Wの深さZa、第一傾斜部Jbの塑性化領域Wの深さZb(傾斜部13の表面13aと直交する線上における塑性化領域Wの深さ)及び第二平部Jcの塑性化領域Wの深さZcをほぼ同等にすることができる。攪拌ピンF2の「挿入深さ」とは、接合用回転ツールFの回転中心軸Fc上における補助部材10の表面から攪拌ピンF2の先端までの距離を意味する。
【0038】
上記の摩擦攪拌工程によって攪拌ピンF2の周囲が摩擦攪拌され、第一及び第二金属部材1A,1Bが接合される。この際、図7及び図8に示すように、補助部材10の表面部にバリVが形成される。なお、本実施形態では、接合用回転ツールFを高速回転させているため、バリは後述するシアー側に比べてフロー側の方に多く発生する傾向にある。
【0039】
除去工程は、図9及び図10に示すように、補助部材10を第一及び第二金属部材1A,1Bから除去する工程である。除去工程では、例えば手作業により、補助部材10を第一及び第二金属部材1A,1Bから離間する方向に両側から折り曲げて第一及び第二金属部材1A,1Bから除去する。この際、補助部材10のスリット15,15(図5参照)の一方を起点として端部をめくり上げつつ、折り曲げるようにして除去する。
【0040】
以上説明した本実施形態に係る接合方法によれば、第一金属部材1A及び第二金属部材1Bが接合されるとともに、第一及び第二金属部材1A,1Bに加え、補助部材10も同時に摩擦攪拌接合されることにより、接合部(塑性化領域W)の金属不足を防ぐことができる。これにより、第一及び第二金属部材1A,1Bの突合せ部Jの表面に凹溝が形成されるのを防ぐことができる。
【0041】
また、補助部材10の中央部から突合せ部Jに向かって攪拌ピンF2を挿入することにより、接合部の金属不足をより確実に防ぐことができるとともに、金属をバランスよく補充することができる。また、補助部材10の中央部から攪拌ピンF2を挿入することにより、攪拌ピンF2を補助部材10に容易に挿入することができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、摩擦攪拌工程によって分断された補助部材10にそれぞれバリV,Vが形成されるが、除去工程において、バリV,Vを補助部材10ごと取り除くことができる。これにより、バリV,Vを除去する作業を容易に行うことができる。補助部材10は除去装置等を用いて除去してもよいが、本実施形態では手作業で補助部材10を容易に取り除くことができる。
【0043】
ここで、本実施形態に係る接合方法では、補助部材10を第一及び第二金属部材1A,1Bよりも大幅に薄く設定しているため、従来のように回転ツールのショルダ部を金属部材に押し込みながら摩擦攪拌を行うと、ショルダ部と補助部材10との接触により補助部材10が外部に飛ばされてしまい突合せ部Jが接合される接合部の金属不足を補うことができない。しかし、本実施形態では、接合用回転ツールFの攪拌ピンF2のみを補助部材10と第一及び第二金属部材1A,1Bに接触させつつ摩擦攪拌を行うため、補助部材10が外部に飛ばされることなく接合部の金属不足を補うことができる。また、本実施形態によれば、回転ツールのショルダ部を接触させる場合に比べて摩擦攪拌装置に作用する負荷を低減した状態で、補助部材10の下側にある突合せ部Jの深い位置を接合することができる。
【0044】
[変形例]
図11は、第一実施形態に係る接合方法の変形例の摩擦攪拌工程を示す断面図である。図11に示すように、変形例では、摩擦攪拌工程を行う際に、接合用回転ツールFを突合せ部Jの上面に対して垂直に挿入しつつ摩擦攪拌を行う。変形例の摩擦攪拌工程では、第一平部Ja、第二平部Jc及び第三平部Jeにおいては、第一実施形態と同様に接合用回転ツールFの回転中心軸Fcを鉛直軸と平行にした状態で摩擦攪拌を行う。一方、第一傾斜部Jb及び第二傾斜部Jdにおいては、接合用回転ツールFを鉛直軸に対して傾斜させて、第一及び第二金属部材1A,1Bの表面に対して接合用回転ツールFの回転中心軸Fcを垂直にした状態で摩擦攪拌を行う。
【0045】
変形例を行う場合は、例えば、先端にスピンドルユニット等の駆動手段を備えたロボットアームに接合用回転ツールFを取り付けて摩擦攪拌を行うことが好ましい。このような摩擦攪拌装置によれば、接合用回転ツールFの回転中心軸Fcの角度を容易に変更することができる。これにより、突合せ部Jの高さが変化する場合においても、摩擦攪拌中に鉛直軸に対する接合用回転ツールFの回転中心軸Fcの角度を変更することで、第一及び第二金属部材1A,1Bの表面に対して接合用回転ツールFを常に垂直にした状態で連続して摩擦攪拌を行うことができる。
【0046】
前記した変形例であっても、第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、接合用回転ツールFを第一及び第二金属部材1A,1Bの表面に対して垂直に挿入することができるため、傾斜面であっても突合せ部Jの深い位置まで摩擦攪拌を行うことができる。
【0047】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態に係る接合方法について説明する。第二実施形態に係る接合方法は、図12に示す補助部材10Aの端面10aから接合用回転ツールFを挿入する点で第一実施形態と相違する。また、補助部材10Aには、スリット15,15が形成されていない点が相違する。第二実施形態に係る接合方法では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
【0048】
本実施形態に係る接合方法は、突合せ工程と、配置工程と、摩擦攪拌工程と、除去工程とを行う。突合せ工程は、第一実施形態と同じであるため説明を省略する。配置工程では、図12及び図13に示すように、第一金属部材1Aの表面で且つ第一及び第二金属部材1A,1Bの突合せ部Jの境界線X上に端面10aを合わせて補助部材10Aを配置する。第二実施形態の補助部材10Aは、第一実施形態の補助部材10の半分程度の幅になっている。
【0049】
摩擦攪拌工程は、図13及び図14に示すように、接合用回転ツールFを用いて第一金属部材1A及び第二金属部材1Bの突合せ部Jを摩擦攪拌によって接合する工程である。本実施形態では、接合用回転ツールFを左回転させるため、攪拌ピンF2の螺旋溝は、基端から先端に向かうにつれて右回りに形成されている。言い換えると、螺旋溝は、螺旋溝を基端から先端に向けてなぞると上から見て右回りに形成されている。
【0050】
摩擦攪拌工程では、左回転させた攪拌ピンF2のみを挿入し、被接合金属部材と連結部F1とは離間させつつ相対移動させる。言い換えると、攪拌ピンF2の基端部は露出させた状態で摩擦攪拌接合を行う。摩擦攪拌工程では、図13に示すように、接合用回転ツールFの回転中心軸Fcを境界線Xに重ねた状態で、かつ、第一及び第二金属部材1A,1B及び補助部材10Aと攪拌ピンF2とを接触させた状態で接合用回転ツールFを相対移動させる。
【0051】
本実施形態では、接合用回転ツールFのシアー側(advancing side:回転ツールの外周における接線速度に回転ツールの移動速度が加算される側)が進行方向右側となるように、接合用回転ツールFの移動方向と回転方向を設定している。接合用回転ツールFの回転方向及び進行方向は前記したものに限定されるものではなく適宜設定すればよい。
【0052】
例えば、接合用回転ツールFの回転速度が遅い場合では、塑性化領域Wのフロー側(retreating side:回転ツールの外周における接線速度から回転ツールの移動速度が減算される側)に比べてシアー側の方が塑性流動材の温度が上昇しやすくなるため、塑性化領域W外のシアー側にバリVが多く発生する傾向にある。一方、例えば、接合用回転ツールFの回転速度が速い場合、シアー側の方が塑性流動材の温度が上昇するものの、回転速度が速い分、塑性化領域W外のフロー側にバリVが多く発生する傾向にある。
【0053】
本実施形態では、接合用回転ツールFの回転速度を速く設定しているため、図14に示すように、塑性化領域W外のフロー側にバリVが多く発生する傾向にある。また、接合用回転ツールFの回転速度を速く設定することにより、接合用回転ツールFの移動速度(送り速度)を高めることができる。これにより、接合サイクルを短くすることができる。
【0054】
摩擦攪拌工程の際に、接合用回転ツールFの進行方向のどちら側にバリVが多く発生するかは接合条件によって異なる。当該接合条件とは、接合用回転ツールFの回転速度、回転方向、移動速度(送り速度)、攪拌ピンF2の傾斜角度(テーパー角度)、第一及び第二金属部材1A,1B及び補助部材10Aの材質、厚さ等の各要素とこれらの要素の組み合わせで決定される。摩擦攪拌工程では、バリVが補助部材10Aに形成されるように接合条件を設定することが好ましい。攪拌ピンF2の挿入深さは、本実施形態では、攪拌ピンF2が第一及び第二金属部材1A,1Bに接触する(達する)ように設定している。
【0055】
除去工程は、図15に示すように、補助部材10Aを第一金属部材1Aから除去する工程である。除去工程では、例えば手作業により、補助部材10Aを矢印で示すように第一金属部材1Aから離間する方向に折り曲げて第一金属部材1Aから除去する。これにより、第一及び第二金属部材1A,1Bが突合せ部Jで接合される。
【0056】
以上説明した本実施形態に係る接合方法によれば、第一金属部材1A及び第二金属部材1Bが突合せ部Jで接合されるとともに、補助部材10Aも同時に摩擦攪拌接合されることにより、接合部(塑性化領域W)の金属不足を防ぐことができる。これにより、第一金属部材1A及び第二金属部材1Bの表面に凹溝が形成されるのを防ぐことができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、摩擦攪拌工程によって補助部材10AにバリVが形成されるが、除去工程において補助部材10Aごと取り除くことができる。これにより、バリVを除去する作業を容易に行うことができる。補助部材10Aは除去装置等を用いて除去してもよいが、本実施形態では矢印で示す方向に、手作業で容易に補助部材10Aを取り除くことができる。
【0058】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係る接合方法について説明する。図16図19に示すように、第三実施形態に係る接合方法では、補助部材10Bの配置位置及び攪拌ピンF2の挿入位置が第二実施形態と主に相違する。第三実施形態に係る接合方法では、第二実施形態と相違する点を中心に説明する。第三実施形態に係る接合方法は、突合せ工程と、配置工程と、摩擦攪拌工程と、除去工程とを行う。
【0059】
突合せ工程は、第二実施形態と同じであるため説明を省略する。図16に示すように、配置工程では、主に第二金属部材1Bの表面に補助部材10Bを配置しつつ、境界線Xから第一金属部材1Aの表面側に端面10aがわずかに突き出るように補助部材10Bを配置する。境界線Xから端面10aまでの距離は、後記する摩擦攪拌工程後に接合部(塑性化領域W)に金属不足が発生せず、かつ、摩擦攪拌工程後に第一金属部材1Aに補助部材10Bが残存しない程度に設定する。
【0060】
摩擦攪拌工程は、図17に示すように、接合用回転ツールFを用いて第一及び第二金属部材1A,1Bの突合せ部Jを摩擦攪拌によって接合する工程である。本実施形態では、接合用回転ツールFを右回転させるため、攪拌ピンF2の螺旋溝は基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されている。
【0061】
摩擦攪拌工程では、接合用回転ツールFの回転中心軸Fcを、境界線X(図16参照)に合わせつつ、突合せ部Jに右回転させた攪拌ピンF2のみを挿入し、被接合金属部材と連結部F1とは離間させつつ相対移動させる。本実施形態では、図17に示すように、接合用回転ツールFの進行方向右側に補助部材10Bが位置するように接合用回転ツールFの進行方向を設定し、高速回転させる。これにより、本実施形態では、図18に示すように、補助部材10Bのフロー側にバリVが発生する。
【0062】
除去工程は、図19に示すように、補助部材10Bを第二金属部材1Bから除去する工程である。除去工程では、例えば手作業により、補助部材10Bを第二金属部材1Bから離間する方向(矢印方向)に折り曲げて第二金属部材1Bから除去する。
【0063】
以上説明した本実施形態に係る接合方法によれば、第一金属部材1A及び第二金属部材1Bが接合されるとともに、第一金属部材1A及び第二金属部材1Bに加え、補助部材10Bも同時に摩擦攪拌接合されることにより、接合部(塑性化領域W)の金属不足を防ぐことができる。
【0064】
また、本実施形態の接合条件によれば、接合用回転ツールFの回転速度を速く設定しているため、塑性化領域W外のフロー側にバリVが多く発生する傾向にある。つまり、摩擦攪拌工程後に残存する補助部材10BにバリVが集約されるように接合用回転ツールFの回転方向及び進行方向等(接合条件)を設定している。これにより、補助部材10Bに形成されたバリVは、補助部材10Bごと除去されるため、バリ除去工程をより容易に行うことができる。補助部材10Bは除去装置等を用いてもよいが、本実施形態では手作業で容易に補助部材10Bを取り除くことができる。
【0065】
ここで、前記した第一実施形態の除去工程では、塑性化領域Wの中央を挟んで両側にある補助部材10を除去する必要がある。しかし、本実施形態では摩擦攪拌工程後に境界線Xの他方側(第一及び第二金属部材1A,1Bのうち補助部材10Bとの接触面積割合が少ない側)に補助部材10Bが残存しないように補助部材10Bの配置位置を調節しているため、除去工程では境界線Xの一方側(第一及び第二金属部材1A,1Bのうち補助部材10Bとの接触面積割合が多い側)に残存する補助部材10Bを除去するだけでよい。これにより除去工程の作業手間を少なくすることができる。
【0066】
また、補助部材10Bの配置位置は、端面10aが境界線Xを超えて第一金属部材1A側(他方側)にわずかに突き出た位置としている。このため、この突き出た補助部材10Bの部分も攪拌ピンF2で摩擦攪拌されて接合部(塑性化領域W)に補填されるので、バランス良く、かつ、より確実に接合部の金属不足を防ぐことができる。また、回転中心軸Fcが、補助部材10Bの端面10aから中央側にわずかにずれた位置となるので、攪拌ピンF2を補助部材10Bに容易に挿入することができる。
【0067】
[他の実施形態]
次に、本発明の他の実施形態について説明する。他の実施形態に係る接合方法では、突合せ工程と、配置工程と、摩擦攪拌工程と、除去工程とを行う。他の実施形態では、金属部材同士が上下に湾曲している点で第一実施形態〜第三実施形態と相違する。
【0068】
図20及び図21に示すように、突合せ工程では、上面が湾曲した第一金属部材30A及び第二金属部材30Bを突き合わせるこの突き合わせにより突合せ部Jが形成される第一及び第二金属部材30A,30Bは、摩擦攪拌可能な金属で形成されるとともに、表面30a,30a同士が面一となるように、それぞれ同等の曲率半径で湾曲形成されている。
【0069】
配置工程では、第一及び第二金属部材30A,30Bと同形状に湾曲した板状の補助部材50の裏面50bを、突合せ状態の第一及び第二金属部材30A,30Bの表面の中央部に沿って面接触させる。なお、第一及び第二金属部材30A,30B及び補助部材50は、治具(図示省略)を用いて架台Tに移動不能に拘束される。
【0070】
摩擦攪拌工程は、接合用回転ツールFを用いて突合せ部Jを摩擦攪拌接合する工程である。摩擦攪拌工程では、接合用回転ツールFの攪拌ピンF2を補助部材50の表面50aから第一及び第二金属部材30A,30Bの突合せ部Jまで挿入し、突合せ部Jに沿って接合用回転ツールFを相対移動させる。摩擦攪拌工程では、接合用回転ツールFの回転中心軸Fcが補助部材50及び第一及び第二金属部材30A,30Bの法線と重なるように、接合用回転ツールFの傾斜角度を漸次変更する。また、摩擦攪拌工程では、塑性化領域W1の深さが一定になるように攪拌ピンF2の挿入深さを設定する。除去工程は、第一実施形態と同等であるため説明を省略する。
【0071】
以上説明した他の実施形態に係る接合方法のように、突合せ部Jが上下方向に湾曲して高さが変化する場合であっても、第一実施形態〜第三実施形態と略同等の効果を奏することができる。
【0072】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、本実施形態では除去工程を行ったが、補助部材を除去せずに、第一及び第二金属部材にそのまま存置してもよい。
【符号の説明】
【0073】
1A,30A 第一金属部材
1B,30B 第二金属部材
10,10A,10B,50 補助部材
F 接合用回転ツール(回転ツール)
F1 連結部
F2 攪拌ピン
Fc 回転中心軸
J 突合せ部
V バリ
W 塑性化領域
X 境界線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図21