(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記遮蔽部材は、前記遮蔽部において前記並設方向に延びる一対の縁部から立設された第1リブと、前記遮蔽部において前記並設方向に直交した方向に延びる前記遮蔽部の一対の縁部のうち、前記他方の導電部材寄りの縁部から立設された第2リブと、を備え、前記第2リブは前記第2当接部である請求項1に記載の蓄電装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、蓄電装置を二次電池に具体化した一実施形態を
図1〜
図6にしたがって説明する。
図1又は
図2に示すように、蓄電装置としての二次電池10は、ケース11を備える。二次電池10は、ケース11に収容された電極組立体12及び電解液を備える。ケース11は、開口部13aを有するケース本体13と、ケース本体13の開口部13aを閉塞する蓋体14とを有する。
【0020】
ケース本体13と蓋体14は、いずれもアルミニウム製である。ケース本体13は、矩形板状の底壁13bと、底壁13bの短側縁から突出した形状の短側壁13cと、底壁13bの長側縁から突出した形状の長側壁13dとを備える。ケース11は直方体状であり、ケース11に合わせて電極組立体12は直方体状である。二次電池10は角型のリチウムイオン電池である。
【0021】
図3に示すように、電極組立体12は、矩形シート状の複数の正極電極21と矩形シート状の複数の負極電極31とを備える。正極電極21と負極電極31とは異なる極性の電極である。正極電極21は、正極金属箔(本実施形態ではアルミニウム箔)21aと、その正極金属箔21aの両面に存在する正極活物質層21bを備える。負極電極31は、負極金属箔(本実施形態では銅箔)31aと、その負極金属箔31aの両面に存在する負極活物質層31bを備える。電極組立体12は、複数の正極電極21と複数の負極電極31の間にセパレータ24を介在させて層状構造とした積層型である。セパレータ24は正極電極21と負極電極31を絶縁する。なお、正極電極21及び負極電極31の積層方向は、ケース11における蓋体14の短手方向である。
【0022】
正極電極21は、正極電極21の一辺の一部から突出した形状のタブ25を有する。負極電極31は、負極電極31の一辺の一部から突出した形状のタブ35を有する。複数の正極のタブ25、及び複数の負極のタブ35は、正極電極21及び負極電極31が積層された状態で互いに重ならない。電極組立体12は、タブ25,35の突出したタブ側端面12bを有する。
【0023】
図1に示すように、二次電池10は、タブ側端面12bから突出した形状の正極のタブ群26を有する。正極のタブ群26は、全ての正極のタブ25を電極組立体12における積層方向の一端側に寄せ集め、積層して構成されている。二次電池10は、タブ側端面12bから突出した形状の負極のタブ群36を有する。負極のタブ群36は、全ての負極のタブ35を電極組立体12における積層方向の一端側に寄せ集め、積層して構成されている。正極のタブ群26及び負極のタブ群36は同じ端面であるタブ側端面12bに存在する。
【0024】
二次電池10は、正極導電部材41を備える。正極導電部材41は、長手が蓋体14の長手方向に延びる矩形板状である。正極導電部材41の長手方向一端側には正極のタブ群26が接合されている。正極導電部材41の長手方向他端側には正極端子42が接合されている。
【0025】
二次電池10は負極導電部材51を備える。負極導電部材51は、長手が蓋体14の長手方向に延びる矩形板状である。負極導電部材51の長手方向一端側には負極のタブ群36が接合されている。負極導電部材51の長手方向他端側には負極端子52が接合されている。正極導電部材41及び負極導電部材51は、蓋体14の内面14aと、この内面14aに対峙した電極組立体12のタブ側端面12bとの間に介在する。
【0026】
正極導電部材41と負極導電部材51は、蓋体14の面方向に沿って並設されている。なお、蓋体14の面方向とは、蓋体14の内面14aに沿う方向である。本実施形態において、正極導電部材41と負極導電部材51は、蓋体14の面方向の一つである蓋体14の長手方向に並んでいる。よって、正極導電部材41と負極導電部材51の並設方向Xは、蓋体14の長手方向でもある。なお、蓋体14の面方向に沿い、かつ並設方向Xに直交する方向は、正極電極21及び負極電極31の積層方向Yであり、蓋体14の短手方向である。
【0027】
図4に示すように、正極導電部材41と負極導電部材51とは、並設方向Xに間隔を空けて並設されている。並設方向Xに並んだ正極導電部材41と負極導電部材51は同じ高さに位置し、正極導電部材41の先端と負極導電部材51の先端とは互いに対向している。正極導電部材41は、正極側端面41aを先端に備え、負極導電部材51は、負極側端面51aを先端に備える。そして、並設方向Xに正極側端面41aと負極側端面51aは対向し、並設方向Xへの正極側端面41aと負極側端面51aの間の寸法は間隔L1である。
【0028】
図1に示すように、正極端子42及び負極端子52は、蓋体14を貫通してその一部がケース11外に露出している。また、正極端子42及び負極端子52には、ケース11から絶縁するためのリング状の絶縁部材17aがそれぞれ取り付けられている。
【0029】
二次電池10は、圧力開放弁18を壁部としての蓋体14に備える。圧力開放弁18は、ケース11内の圧力が所定の圧力である開放圧に達した場合に開裂する。圧力開放弁18の開裂により、ケース11内の圧力がケース11外に開放される。
【0030】
圧力開放弁18の開放圧は、ケース11自体やケース本体13と蓋体14との接合部に亀裂や破断などが生じ得る前に開裂し得る圧力に設定されている。圧力開放弁18は、蓋体14の板厚よりも薄い薄板状の弁体19を有する。弁体19は、蓋体14の両面のうちケース11の外側に位置する外面14bに凹設された凹部20の底に位置しており、蓋体14と一体的に成形されている。
【0031】
圧力開放弁18は、蓋体14の長手方向の中央よりも正極端子42寄りに位置する。また、圧力開放弁18は、蓋体14の短手方向の中央に位置する。蓋体14を外面14bから見た平面視において、圧力開放弁18は長孔状である。
【0032】
図1、
図4又は
図5に示すように、二次電池10は、遮蔽部材60を備える。遮蔽部材60は、並設方向X(蓋体14の長手方向)において一対の導電部材としての正極導電部材41と負極導電部材51の間に配置されている。
【0033】
遮蔽部材60は、蓋体14の内面14aとタブ側端面12bとの間に配置され、タブ側端面12b上に載置されている。遮蔽部材60は耐熱性及び絶縁性を有する樹脂製である。このため、遮蔽部材60は、ケース11内において正極電位の部材と負極電位の部材とを短絡させない。
【0034】
遮蔽部材60は、矩形板状の遮蔽部61を備える。遮蔽部61は、蓋体14の外面14bから見た平面視が矩形の板状である。遮蔽部61は長手が並設方向Xに延び、短手が積層方向Yに延びる形状である。遮蔽部61は、並設方向Xにおける正極導電部材41寄りの縁部に第1短縁部61dを備え、負極導電部材51寄りの縁部に第2短縁部61fを備える。
【0035】
遮蔽部材60は、並設方向Xに遮蔽部61と並ぶ開口部61bを遮蔽部材60の底側に備える。蓋体14を外面14bから見た平面視において、開口部61bは、並設方向Xに沿って遮蔽部61の第2短縁部61fに隣接し、タブ側端面12bを露出させている。
【0036】
図4に示すように、並設方向Xへの遮蔽部61の寸法M1、すなわち並設方向Xに沿った第1短縁部61dから第2短縁部61fまでの寸法は、正極導電部材41と負極導電部材51の間隔L1より短い。また、遮蔽部61の寸法M1は、並設方向Xへの圧力開放弁18の寸法より長い。積層方向Yへの遮蔽部61の寸法は、積層方向Yへの圧力開放弁18の寸法より長い。遮蔽部61は、圧力開放弁18の全体を電極組立体12側から覆う。
【0037】
遮蔽部材60は、並設方向Xに延びる一対の長縁部から蓋体14に向けて立設した形状の第1リブ62を備える。第1リブ62は、並設方向Xに長手が延びる形状である。第1リブ62の並設方向Xへの寸法は、導電部材41,51間の間隔L1より僅かに短い。遮蔽部材60は、第1リブ62が正極側端面41aと負極側端面51aの間に収まる状態でタブ側端面12bに支持されている。
【0038】
ケース本体13の一方の長側壁13dの内面には、一方の第1リブ62の外面が接触可能であり、他方の長側壁13dの内面には、他方の第1リブ62の外面が接触可能である。遮蔽部材60は、ケース11の内面である各長側壁13dの内面から離間した状態にある。しかし、遮蔽部材60は、積層方向Yに僅かに移動すると、いずれかの長側壁13dに速やかに接触する。このため、遮蔽部材60は、積層方向Yへの移動が規制されている。
【0039】
遮蔽部61の第1短縁部61dは、並設方向Xにおいて圧力開放弁18よりも正極導電部材41寄りにあり、遮蔽部61の第2短縁部61fは、並設方向Xにおいて圧力開放弁18よりも負極導電部材51寄りにある。並設方向Xにおいて、第2短縁部61fは、第1短縁部61dよりも圧力開放弁18から遠く離れた位置にある。よって、第2短縁部61fに並ぶ開口部61bも、第1短縁部61dよりも圧力開放弁18から遠く離れた位置にある。
【0040】
第1リブ62は、それぞれ遮蔽部61の第2短縁部61fよりも開口部61b側(負極導電部材51側)へ突出した部位を含む。第1リブ62は、それぞれ第2短縁部61fよりも突出した部位に突出部66を備える。一方の第1リブ62の突出部66と他方の第1リブ62の突出部66とは積層方向Yに対向する。
【0041】
遮蔽部材60は、各突出部66に第1当接部67を備える。第1当接部67は、各突出部66において負極導電部材51寄りの先端部に位置する。第1当接部67は、それぞれ対向する突出部66に向けて突出した板状である。蓋体14の外面14bから見た平面視において、突出部66からの第1当接部67の突出方向は、第1リブ62の長手方向に直交している。また、第1当接部67は、それぞれ負極導電部材51の負極側端面51aの直近にある。
【0042】
蓋体14の外面14bから遮蔽部材60を見た平面視において、開口部61bは、第2短縁部61fと、一対の突出部66と、負極側端面51aの一部とに囲まれている。また、平面視において、開口部61bは並設方向Xにおいて第1当接部67よりも遮蔽部61寄りに存在する。
【0043】
各第1当接部67は、並設方向Xに負極側端面51aと対向する面に当接面67aを備える。各第1当接部67は、負極側端面51aに当接面67aが当接できる位置にある。よって、本実施形態では、負極導電部材51が一方の導電部材となる。各第1当接部67は、各第1リブ62において、遮蔽部61及び開口部61bよりも蓋体14寄りの位置から対向する突出部66に向けて突出した形状である。
【0044】
遮蔽部材60は、第2リブ63を備える。第2リブ63は、遮蔽部61の第1短縁部61dから蓋体14に向けて立設した板状である。一対の第1リブ62と第2リブ63とは互いに連結されている。第2リブ63の突出端は、正極導電部材41を蓋体14側に越えた位置にある。このため、正極導電部材41の正極側端面41aは、第2リブ63の外面に対向しており、当接可能である。よって、本実施形態では、正極導電部材41が他方の導電部材となり、第2リブ63が第2当接部となる。
【0045】
図5に示すように、遮蔽部材60において、遮蔽部61からの第1リブ62の立設方向に沿う寸法のうち、遮蔽部61の外面61aからの第1リブ62の寸法を立設距離H1とする。また、遮蔽部材60において、遮蔽部61からの第2リブ63の立設方向に沿う寸法のうち、遮蔽部61の外面61aからの寸法を立設距離H2とする。第2リブ63の立設距離H2は、第1リブ62の立設距離H1より短い。これは、正極導電部材41側から圧力開放弁18に向けて流れ込むガスの流路を確保するためである。
【0046】
図4に示すように、タブ側端面12bに載置された遮蔽部材60において、一対の第1リブ62は、蓋体14の内面14aにおける圧力開放弁18を囲む場所のうち、積層方向Yにおける圧力開放弁18よりも外側に接触可能である。第2リブ63は、並設方向Xにおける圧力開放弁18よりも正極導電部材41寄りの外側に位置する。よって、第1リブ62及び第2リブ63は、蓋体14を外面14bから見た平面視において、圧力開放弁18に重ならない位置にある。遮蔽部材60が蓋体14に向けて移動すると、第1リブ62が蓋体14の内面14aに接触する。この接触により、遮蔽部61と蓋体14とが隔てられている。
【0047】
並設方向Xへの開口部61bの寸法を開口幅M2とする。なお、開口部61bの開口幅M2とは、蓋体14を外面14bから見た平面視において、遮蔽部61の第2短縁部61fと第1当接部67とを最短距離で結ぶ直線の長さのことである。
【0048】
遮蔽部61の寸法M1と開口部61bの開口幅M2とは、釘刺し試験時に発生したガスが、遮蔽部61の第2短縁部61fで曲がって圧力開放弁18に向かうとき、そのガスの多くが、圧力開放弁18に直接流れ込むことができるように設定されている。すなわち、ガスが第2短縁部61fで曲がった後、ガスが、蓋体14において圧力開放弁18に隣接する部分に衝突しないように設定されている。
【0049】
図6に示すように、釘刺し試験は、電極組立体12の正面視における中央部Pに釘を刺して行われる。矢印Gに示すように、ガスは電極組立体12の中央部から圧力開放弁18に向けて真っ直ぐ上昇する。ガスは、遮蔽部61の外面61aに衝突をして外面61aに沿って向きを変えて流れる。
【0050】
ガスの一部は、第2リブ63の外面に沿って上昇し、第2リブ63の突出端で曲がり、圧力開放弁18に至る。また、ガスの一部は、開口部61bに向かい、遮蔽部61の第2短縁部61fで曲がり、圧力開放弁18に至る。さらに、その他のガスは、第1リブ62の外面に沿って上昇し、第1リブ62の突出端と蓋体14の内面14aとの間を流れて圧力開放弁18に至る。
【0051】
このようなガス流路に関し、第1リブ62や第2リブ63の突出端と蓋体14との間に画定されたガス流路と比べて、開口部61bは広い。このため、ガスの多くは、開口部61bに流れ込んで圧力開放弁18に至る。開口部61bに流れ込むガスは、遮蔽部61の第2短縁部61fで曲がる。ここで、第2短縁部61fが、並設方向Xに沿って負極導電部材51に近付くほど、ガスは圧力開放弁18に向かうために曲がるときの角度が鋭角になり、ガスが蓋体14における圧力開放弁18に隣接した部分に衝突しやすくなる。
【0052】
蓋体14における圧力開放弁18に隣接した部分にガスが衝突しないように、実験等により第2短縁部61fの位置、すなわち、遮蔽部61の寸法M1及び開口部61bの開口幅M2を設定している。
【0053】
次に、二次電池10の作用を記載する。
さて、
図6に示すように、釘刺し試験を行うため、二次電池10の正面視でケース11の中央部Pに釘を刺すと、その釘は、電極組立体12を積層方向に貫通する。すると、釘を介して正極電極21と負極電極31の間のセパレータ24が破断又は溶融し、正極電極21と負極電極31とがケース11内において短絡する。
【0054】
電極組立体12で短絡が生じると、その短絡部の周辺では熱が発生し、電解液成分が分解されてガスが発生する。ガスの発生により、二次電池10内の圧力上昇が生じる。そして、ケース11の内部圧力が圧力開放弁18の開放圧に達すると、圧力開放弁18の弁体19が開裂し、ケース11内のガスがケース11外に放出される。
【0055】
短絡部で発生した高圧のガスは、開裂した圧力開放弁18に向けて真っ直ぐ上昇する。また、発生するガスの勢いによって各電極21,31の一部が剥ぎ取られる。圧力開放弁18に向かうガスは、タブ側端面12bから電極組立体12の外へ出る。すると、ガスは、遮蔽部61の外面61aに衝突し、外面61aに沿って向きを変える。
【0056】
遮蔽部61への衝突により向きを変えたガスの一部は、第1リブ62や第2リブ63に沿って上昇し、各リブ62,63の先端面と蓋体14の内面14aとの隙間を通って、圧力開放弁18に至る。また、ガスの多くは、開口部61bに流れ込む。開口部61bに流れ込んだガスは、第2短縁部61fで曲がって圧力開放弁18へと向きを変える。その後、ガスは、開裂した圧力開放弁18からケース11外へ排出される。
【0057】
ガスが遮蔽部61や各リブ62,63に衝突しても、正極側端面41aと第2リブ63の外面との当接、及び負極側端面51aと第1当接部67の当接面67aとの当接により、並設方向Xへの遮蔽部材60の移動が規制される。また、各第1リブ62の外面と各長側壁13dの内面との当接により、積層方向Yへの遮蔽部材60の移動が規制される。
【0058】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)遮蔽部材60は、遮蔽部61に隣接して開口部61bを備え、開口部61bが存在することにより、遮蔽部61の寸法M1が、正極導電部材41と負極導電部材51との間隔L1より短くなっている。よって、開口部61bを備えることで、圧力開放弁18に向けてガスが曲がる位置を、並設方向Xにおいて圧力開放弁18に近付けることができる。そして、遮蔽部61の寸法M1及び開口部61bの開口幅M2を調節し、遮蔽部61の第2短縁部61fの位置を調節して、ガスの曲がる角度を調節することにより、ガスを圧力開放弁18に直接流れ込ませることができる。その結果、遮蔽部61の第2短縁部61fで曲がったガスが、蓋体14において圧力開放弁18に隣接した部分に衝突することを抑止でき、ガスによって蓋体14が溶融することを抑止できる。
【0059】
(2)遮蔽部材60は、正極側端面41aに当接する第2リブ63を備え、負極側端面51aに当接する第1当接部67を備える。第1当接部67及び第2リブ63によって、並設方向Xへの遮蔽部材60の移動を規制できる。その結果として、圧力開放弁18に対する遮蔽部61及び開口部61bの位置を維持して、ガスが蓋体14に衝突することを抑制できる。
【0060】
(3)遮蔽部材60は、遮蔽部61における正極導電部材41寄りの第1短縁部61dに第2リブ63を備える。この第2リブ63は、正極側端面41aに当接して遮蔽部材60の移動を規制する。このため、第2リブ63の突出端は、正極導電部材41よりも蓋体14寄りにある。その結果、第2リブ63により、正極導電部材41側から圧力開放弁18へのガス流路が絞られ、ガスはより一層開口部61bへ流れやすくなる。
【0061】
(4)各第1リブ62は、並設方向Xに沿って第2短縁部61fよりも開口部61b側へ突出した突出部66を含む。そして、第1当接部67は、突出部66における負極導電部材51寄りの先端部に形成されている。このため、遮蔽部材60が第1当接部67を備えていても、その第1当接部67は開口部61bを最大限に広くする位置にある。よって、第1当接部67によってガスの流れが妨げられることを最小限に抑えることができる。
【0062】
(5)第2リブ63は、遮蔽部材60における正極導電部材41寄りに位置する。このため、アルミニウム製の正極導電部材41の一部や、タブ25が高温高圧のガスによって溶融したり、削り取られても、第2リブ63に衝突させることで、ケース11の外へ排出されることを抑止できる。
【0063】
(6)遮蔽部材60の第1リブ62は、蓋体14の内面14aに接触して、遮蔽部61と蓋体14とを隔てた状態を維持し、両面の間隔を保持する。このため、タブ側端面12bに遮蔽部材60が載置された構成であっても、ガスの流路を確保し、圧力開放弁18からケース11外へのガス排出機能を維持できる。
【0064】
(7)遮蔽部材60の一対の第1リブ62は、蓋体14の内面14aのうち、積層方向Yにおける圧力開放弁18の外側に接触する。このため、第1リブ62が圧力開放弁18を塞ぐことが無い。
【0065】
(8)遮蔽部材60の第1リブ62は、積層方向Yにおける圧力開放弁18の外側に位置する。釘刺し試験時、温度上昇によって電極組立体12は積層方向に膨張し、ガスは電極組立体12の積層方向Yの両側から圧力開放弁18に向けて流れる。これらのガスを第1リブ62に衝突させ、各電極21,31の一部をガスから落下させることができる。
【0066】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○
図7に示すように、遮蔽部材60において、遮蔽部61の第2短縁部61fから負極導電部材51に向けて板状に支持突部68を突設し、支持突部68の先端部から蓋体14に向けて板状の第1当接部69を突設してもよい。この場合、開口部61bは、積層方向Yにおける支持突部68と第1リブ62との間で、かつ並設方向Xにおいて第1当接部69よりも遮蔽部61寄りに存在する。
【0067】
なお、
図7に示す形態において、第1リブ62は突出部66を備えず、第1リブ62が遮蔽部61の第2短縁部61fまで存在する態様でもよい。
さらに、
図7に示す形態において、第1リブ62は無くてもよい。
【0068】
○ 遮蔽部材60は、金属製であってもよい。また、遮蔽部材60が金属製の場合、正極電位の部材(正極導電部材41や正極電極21)と、負極電位の部材(負極導電部材51や負極電極31)との間に絶縁性部材を介在させる。絶縁性部材は、電位を帯びた部材及び遮蔽部材60のいずれか一方に一体化させていてもよいし、両方に一体化されていてもよい。なお、絶縁性部材としては絶縁性樹脂やセラミックのコーティングが挙げられる。
【0069】
又は、遮蔽部材60が金属製の場合、遮蔽部材60は、正極電位の部材(正極導電部材41や正極電極21)、及び負極電位の部材(負極導電部材51や負極電極31)のうち、いずれか一方に接触する場合は、他方には接触しない状態に配置される。
【0070】
○ 正極電極21のタブ25及び負極電極31のタブ35のいずれか一方は、電極組立体12の端面のうち、タブ側端面12bとは異なる端面から突出した形状であってもよい。この場合、一方のタブ群も、タブ側端面12bとは異なる端面に存在する。一方のタブ群に接続された導電部材は、タブ側端面12bとは異なる端面から、タブ側端面12bに至る屈曲した形状となり、タブ側端面12bでは、該タブ側端面12bに存在するタブ群に接続された他方の導電部材と、一方の導電部材の一部分とが間隔を空けて並ぶ状態となる。
【0071】
○ 実施形態では、負極導電部材51を、第1当接部67が当接可能な一方の導電部材とし、正極導電部材41を、第2当接部としての第2リブ63が当接可能な他方の導電部材としたが、これに限らない。圧力開放弁18が、並設方向Xに沿って負極導電部材51寄りにある場合は、第2リブ63を負極導電部材51寄りの短縁部から立設させ、突出部66を正極導電部材41に向けて突出させるとともに、各突出部66に正極側端面41aに当接可能な第1当接部67を設ける。そして、並設方向Xにおける第1当接部67よりも遮蔽部61寄りに開口部61bを設け、開口部61bを正極導電部材41寄りに配置した構造としてもよい。
【0072】
○ ガスを圧力開放弁18に直接流れ込ませることができるのであれば、遮蔽部61の寸法M1及び開口部61bの開口幅M2は適宜変更してもよい。
○ 遮蔽部材60において、第1リブ62は、遮蔽部61の長縁部のうちの片方だけから立設されていてもよい。
【0073】
○ 第2当接部は、第2リブ63のようなリブ形状でなくてもよく、遮蔽部61から蓋体14に向けて突出した形状であり、正極導電部材41の正極側端面41aに当接可能であれば、第1短縁部61dから突出した柱状であってもよい。
【0074】
○ セパレータ24は、正極電極21と負極電極31の間に1枚ずつ介装されるタイプでなくてもよく、例えば、正極電極21を収容した袋状セパレータであってもよい。
又は、セパレータは長尺状であり、つづら折りされることによって正極電極21と負極電極31の間に介在するタイプでもよい。
【0075】
○ 二次電池は、円筒型であってもよい。円筒型の二次電池は、中空円柱状のケースの内部に、帯状の正極電極と帯状の負極電極とがセパレータを介して積層し巻回された巻回型の電極組立体を有する。ケースは、金属製であり、軸方向一端部が閉鎖され他端部が開放された形状である。ケースの内部には電解液が注入され、セパレータに含浸されている。また、二次電池は、電極組立体の軸方向両端に絶縁板を備える。
【0076】
二次電池は、ケースの開放端に、蓋体と、この蓋体の内側に設けられた圧力開放弁と、を備える。二次電池は、圧力開放弁を電極組立体側から覆う遮蔽部材を備える。遮蔽部材は、第1の実施形態の遮蔽部材と同じ形態であってもよいし、
図7に示す形態であってもよい。
【0077】
○ 電極組立体は、1枚の帯状の正極電極と1枚の帯状の負極電極とをセパレータで絶縁した状態で捲回軸を中心に捲回した捲回型であってもよい。
○ 蓄電装置は、電気二重層キャパシタ等の他の蓄電装置であってもよい。
【0078】
○ 実施形態では、二次電池10はリチウムイオン二次電池であったが、これに限られず、ニッケル水素等の他の二次電池であってもよい。要は、正極活物質層と負極活物質層との間をイオンが移動するとともに電荷の授受を行うものであればよい。
【0079】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1)一対の前記第1リブは、それぞれ前記並設方向に沿って前記遮蔽部の縁部よりも前記開口部側へ突出した突出部を含み、前記第1当接部は、前記突出部の先端部から互いに近付く状態に突設された形状である蓄電装置。
【0080】
(2)前記第1当接部は、前記開口部よりも前記壁部寄りにある蓄電装置。