(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1冷媒は、1次冷媒であり、前記第2冷媒は、前記1次冷媒を介して冷却される液体の2次冷媒であり、前記第1発熱体は、前記第2冷媒を介して冷却される、請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
【0010】
[実施例1]
図1は、実施例1による熱交換器1の斜視図である。以下では、説明上、
図1に示すように、直交する3軸であるX軸,Y軸,及びZ軸を定義する。ここでは、一例として、XY平面は、水平面であり、Z方向が高さ方向であり、Z1側が上側であるとする。
図2Aは、熱交換器1の平面図であり、
図2Bは、
図2AのラインB−Bに沿ったB−B断面図であり、
図2Cは、
図2AのラインC−Cに沿ったC−C断面図である。
図3は、
図1の熱交換器1の一部を切除した状態(Y方向の中心位置でXZ平面に沿って切除した半分)を示す図であり、
図4は、
図1の熱交換器1の一部を切除した状態(YZ平面に沿って切除した一部)を示す図である。
図5は、
図3のP1部の拡大図である。
図6は、
図4のP2部の拡大図である。
図3及び
図4には、冷媒等の流れる方向が矢印R1〜R4が模式的に示される。
【0011】
熱交換器1は、1次積層体10と、ヘッダ12,14(第1ヘッダの一例)と、2次積層体20と、ヘッダ22,24(第2ヘッダの一例)とを含む。1次冷媒用の1次積層体10及び2次冷媒用の2次積層体20の間では、1次冷媒と2次冷媒との間の熱交換が実現される。
【0012】
1次積層体10は、Y方向に延在する。1次積層体10は、X方向に間隔をおいて複数設けられる。
図1に示す例では、1次積層体10は、X方向に間隔をおいて4つ設けられる。以下では、特定の1つの1次積層体10を説明するときは、1次積層体10−1,10−2,10−3,10−4と符合を付す。
【0013】
一の1次積層体10は、
図1及び
図6に示すように、Z方向に積層された複数の1次流路部材100(第1流路部材の一例)を含む。複数の1次流路部材100のZ方向の積層構造については後に詳説する。
【0014】
複数の1次流路部材100は、熱伝導率の良い材料により形成される。複数の1次流路部材100は、
図5及び
図6に示すように、1次冷媒の1次流路101(第1流路の一例)をそれぞれ内部に形成する。複数の1次流路101は、Y方向に延在する。複数の1次流路部材100は、それぞれ、同一の形態であり、Z方向の高さが小さい平らなチューブの形態である。一の1次積層体10における複数の1次流路部材100は、それぞれ、Z方向に所定距離D1(
図6参照)ずつオフセットされる態様で、XY面内に延在する。
【0015】
ヘッダ12,14は、複数の1次積層体10のY方向の両端にそれぞれ設けられる。
【0016】
ヘッダ12は、複数の1次積層体10のY方向のY2側に設けられる。ヘッダ12は、複数の1次積層体10のそれぞれに対して、別々に設けられてもよいが、本実施例では、一例として、ヘッダ12は、複数の1次積層体10に対して共通に設けられる。また、ヘッダ12は、仕切り板120(
図2C参照)を有し、2つの仕切られた室121,122を有する。仕切り板120は、室121,122間を離隔し、ヘッダ12における2方向の1次冷媒の流れ(
図3のR1,R2)を可能とする。室121,122は、
図2Cに示すように、Z方向で複数の1次流路部材100の積層範囲の全体にわたり延在する。
【0017】
室121には、1次積層体10−1に係る複数の1次流路101のそれぞれに共通に連通されると共に、1次積層体10−2に係る複数の1次流路101のそれぞれに共通に連通される。室122には、1次積層体10−3に係る複数の1次流路101のそれぞれに共通に連通されると共に、1次積層体10−4に係る複数の1次流路101のそれぞれに共通に連通される。
【0018】
ヘッダ12には、チラー(chiller)等の冷却装置(図示せず)が接続される。ヘッダ12は、Y方向のY2側の側面の接続部126,127に管路(図示せず)が接続可能であり、該管路を介して冷却装置が接続可能である。本実施例では、一例として、ヘッダ12の室121は、冷却装置から供給される1次冷媒を複数の1次流路101のそれぞれに分配して供給する機能を持つ。即ち、室121は、1次積層体10−1及び1次積層体10−2の各1次流路101の流入させる1次冷媒を貯留して1次積層体10−1及び1次積層体10−2の各1次流路101に分配する機能を持つ。室121からの1次冷媒は、1次積層体10−1及び1次積層体10−2の各1次流路101を通ってY方向Y1側に流れる(
図3及び
図6のR1参照)。他方、室122は、1次積層体10−3及び1次積層体10−4の各1次流路101から流れ出る1次冷媒を集合させてから冷却装置に戻す機能を持つ。室122への1次冷媒は、1次積層体10−3及び1次積層体10−4の各1次流路101を通ってY方向Y2側に流れる(
図3のR2参照)。
【0019】
ヘッダ14は、複数の1次積層体10に共通に設けられる。ヘッダ14は、
図4に示すように、複数の1次流路部材100の1次流路101のそれぞれに共通に連通される室142を備える。室142は、Z方向で複数の1次流路部材100の積層範囲の全体にわたり延在する。室142は、1次積層体10−1及び1次積層体10−2の各1次流路101からの1次冷媒を集合させてから、1次積層体10−3及び1次積層体10−4の各1次流路101に分配する機能を持つ。
【0020】
2次積層体20は、X方向に延在する。
図1及び
図6に示すように、2次積層体20は、Z方向に積層された複数の2次流路部材200(第2流路部材の一例)を含む。
【0021】
複数の2次流路部材200は、上述の1次流路部材100と同様、熱伝導率の良い材料により形成され、
図5及び
図6に示すように、2次冷媒の2次流路201(第2流路の一例)をそれぞれ内部に形成する。複数の2次流路部材200は、X方向に延在する。複数の2次流路部材200は、それぞれ、同一の平らなチューブの形態である。複数の2次流路部材200は、それぞれ、Z方向に所定距離D2(
図5参照)ずつオフセットされる態様で、XY面内に延在する。
【0022】
1次積層体10と2次積層体20は、上面視(積層方向視)で、互いに重なる(交差する)範囲を部分的に有する。以下では、上面視で、1次積層体10と2次積層体20とが交差する範囲(第1範囲の一例)を、「交差範囲」と称し、1次積層体10と2次積層体20とが交差しない範囲(第2範囲の一例)を、「非交差範囲」と称する。
図1に示す例では、2次積層体20と1次積層体10−1との間の交差範囲S1と、2次積層体20と1次積層体10−2との間の交差範囲S2が示される。また、2次積層体20と1次積層体10−3との間の交差範囲S3と、2次積層体20と1次積層体10−4との間の交差範囲S4とが示される。ここでは、1次積層体10及び2次積層体20のうちの、上面視で、非交差範囲に位置する部位を、それぞれ第1非交差部位152、及び、第2非交差部位252−1、252−2と称する。尚、
図6は、2次積層体20と1次積層体10−2との間の交差範囲S2を含む部位(P2)の拡大図である。
【0023】
交差範囲S1〜S4のそれぞれにおいて、複数の2次流路部材200は、Z方向に複数の1次流路部材100のそれぞれを介して積層される。即ち、複数の2次流路部材200のそれぞれと、複数の1次流路部材100のそれぞれとは、Z方向に交互に積層される。交差範囲S1〜S4のそれぞれにおいて、Z方向で隣になる一の1次流路部材100と一の2次流路部材200との間は、好ましくは、Z方向で面接触する。この場合、一の1次流路部材100の高さは、Z方向での複数の2次流路部材200間の所定距離D2に対応し、一の2次流路部材200の高さは、Z方向での複数の1次流路部材100間の所定距離D1に対応する。これにより、1次冷媒と2次冷媒との間の熱交換の効率を高めることができる。尚、Z方向で隣になる一の1次流路部材100と一の2次流路部材200との間のそれぞれの接触面には、ろう材やサーマルグリース等の接続補助部材が塗布されてよい。
【0024】
他方、1次積層体10は、1次積層体10に係る各非交差範囲において、複数の1次流路部材100の層間に空間91(
図6参照)を有する。即ち、1次積層体10は、1次積層体10に係る各非交差範囲において、Z方向で隣になる一の1次流路部材100と他の一の1次流路部材100との間に、空間91を有する。尚、空間91の高さは、所定距離D1に対応する。
図1に示す例では、1次積層体10に係る非交差範囲は、Y方向で、ヘッダ12と2次積層体20の間と、2次積層体20とヘッダ14の間に、それぞれ延在する。即ち、1次積層体10は、Y方向で両端部にそれぞれ、第1非交差部位152を有する。尚、このような第1非交差部位152は、1次積層体10−1〜10−4のそれぞれに備わる。これらの第1非交差部位152は、層間に空間91を有するので、X方向に空気が通ることができ、熱交換の効率を高めることができる。この点は、後に詳説する。
【0025】
同様に、2次積層体20は、2次積層体20に係る各非交差範囲において、複数の2次流路部材200の層間に空間92(
図5参照)を有する。即ち、2次積層体20は、2次積層体20に係る各非交差範囲において、Z方向で隣になる一の2次流路部材200と他の一の2次流路部材200との間に、空間92を有する。尚、空間92の高さは、所定距離D2に対応する。
図1に示す例では、2次積層体20に係る非交差範囲は、X方向で、ヘッダ22と1次積層体10−1の間と、1次積層体10−4とヘッダ24の間に、それぞれ延在する。即ち、2次積層体20は、X方向で両端部にそれぞれ、第2非交差部位252−1を有する。また、2次積層体20に係る非交差範囲は、X方向で、1次積層体10−1、10−2間と、1次積層体10−2、10−3間と、1次積層体10−3、10−4間に、それぞれ延在する。即ち、2次積層体20は、X方向で、1次積層体10−1〜10−4の各間(3か所)に、第2非交差部位252−2を有する。これらの第2非交差部位252−1及び252−2は、層間に空間92を有するので、Y方向に空気が通ることができ、熱交換の効率を高めることができる。この点は、後に詳説する。
【0026】
ヘッダ22,24は、複数の2次流路部材200のX方向の両端にそれぞれ設けられる。
【0027】
ヘッダ22は、
図3に示すように、複数の2次流路部材200の2次流路201のそれぞれに共通に連通される室221を備える。室221は、Z方向で複数の2次流路部材200の積層範囲の全体にわたり延在する。ヘッダ22には、循環する2次冷媒が導入される(
図4の矢印R31参照)。本実施例では、一例として、
図1に示すように、ヘッダ22のY方向のY1側の側面におけるZ方向の上部に、入口側の接続部222が設けられる。接続部222には管路(
図7の管路2221参照)が接続可能であり、該配管は、発熱体(後述)を通るように配索される。ヘッダ22は、室221に導入される2次冷媒を複数の2次流路201のそれぞれに分配して供給する機能を持つ。即ち、ヘッダ22は、複数の2次流路201の流入させる1次冷媒を貯留して複数の2次流路201のそれぞれに分配する機能を持つ。
【0028】
ヘッダ24は、
図3に示すように、複数の2次流路部材200の2次流路201のそれぞれに共通に連通される室241を備える(
図3参照)。室241は、Z方向で複数の2次流路部材200の積層範囲の全体にわたり延在する。ヘッダ24からは、発熱体(後述)に向かう方向に2次冷媒が戻される。本実施例では、一例として、
図1に示すように、ヘッダ24のY方向のY1側の側面におけるZ方向の下部に、出口側の接続部242が設けられる。接続部242には管路(図示せず)が接続可能であり、該管路は、発熱体(後述)を通るように配索される。ヘッダ24は、複数の2次流路201から流れ出る2次冷媒を集合させてから発熱体(後述)に戻す機能を持つ(
図7の矢印R32参照)。
【0029】
次に、
図3乃至
図5を再度参照しつつ、熱交換器1の熱交換機能について説明する。
【0030】
1次冷媒については、
図3に示すように、1次積層体10−1及び10−2内の1次流路部材100を通ってY方向でY1側に流れ、ヘッダ14で折り返して、1次積層体10−3及び10−4内の1次流路部材100を通ってY2側に流れる。1次積層体10内の1次冷媒は、交差範囲において2次積層体20内の2次冷媒との間で熱交換を実現できる。具体的には、1次積層体10内の1次冷媒は、交差範囲において2次積層体20内の2次冷媒の熱を奪うことで、2次冷媒を冷却する。
【0031】
また、1次積層体10は、1次積層体10に係る各非交差範囲(
図3の第1非交差部位152参照)において、上述した空間91内の空気との間で熱交換を実現できる。例えば、1次積層体10内の1次冷媒は、1次積層体10に係る各非交差範囲において空間91内の空気の熱を奪うことで、空間91内の空気を冷却する。或いは、1次積層体10内の1次冷媒は、1次積層体10に係る各非交差範囲において空間91内の空気に熱を奪われることで、冷却される。このようにして、1次積層体10においては、交差範囲における第2冷媒との間の熱交換と、非交差範囲における空気との間の熱交換とを両立させることが可能となる。なお、空間91内の空気は、例えばファン(後述)などにより発熱体(後述)へと流すことができる。これにより、発熱体の空冷が可能となる。
【0032】
2次冷媒については、
図4及び
図6に示すように、2次積層体20内の2次流路部材200を通ってX方向でX2側に流れる(
図4のR31及び
図6のR3参照)。2次積層体20内の2次冷媒は、上述のように、交差範囲において1次積層体10内の1次冷媒との間で熱交換を実現できる。具体的には、2次積層体20内の2次冷媒は、交差範囲において1次積層体10内の1次冷媒に熱を奪われる。これにより、1次冷媒により冷却された2次冷媒を発熱体に向けて流すことができる。また、例えば1次積層体10の個数を増加することで、交差範囲が増加するので、熱交換器1の高さを増加させることなく、熱交換器1の熱交換能力(1次冷媒と2次冷媒間の熱交換能力)を高めることも容易である。
【0033】
また、2次積層体20は、2次積層体20に係る各非交差範囲において、上述した空間92内の空気との間で熱交換を実現できる。例えば、2次積層体20内の2次冷媒は、2次積層体20に係る各非交差範囲(
図4の第2非交差部位252−1、252−2参照)において空間92内の空気から熱を奪われることで、冷却される。このようにして、2次積層体20においては、交差範囲における第1冷媒との間の熱交換と、非交差範囲における空気との間の熱交換とを両立させることが可能となる。また、上述のように1次積層体10に係る各非交差範囲において冷却された空気が空間92を通る場合は、2次積層体20に係る各非交差範囲における2次冷媒の冷却効率を効率的に高めることができる。
【0034】
次に、
図7を参照して、熱交換器1を含む情報処理装置60の例について説明する。
【0035】
図7は、情報処理装置60の一例を概略的に示す平面図である。
図7には、情報処理装置60の内部構造が概略的に示されている。
【0036】
情報処理装置60は、サーバの形態であってもよいし、他の電子装置の形態であってもよい。
図7に示す例では、情報処理装置60は、サーバの形態であり、
図7には、サーバの一のユニットケース61における構造が概略的に示される。サーバは、同様のユニットケースを複数格納できるラックないしシェルフの形態のシャーシ(図示せず)を有する。
【0037】
ユニットケース61は、熱交換器1と共に、基板600を収容する。基板600には、発熱体が実装される。発熱体は、任意であるが、CPU(Central Processing Unit)や、LSI(Large-Scale Integration)、PSU(Power Supply Unit)、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)等であってよい。
図7に示す例では、基板600には、発熱体の一例としてCPU610,612(第1発熱体の一例)や、メモリ620,621(第2発熱体の一例)、電源630(第2発熱体の一例)等が実装される。
【0038】
ユニットケース61には、基板600がY方向のY1側に設けられ、熱交換器1がY方向のY2側に設けられる。尚、Y1側は、サーバの背面側(ユニットケース61の出し入れする側とは反対側)であってもよいし、サーバの前面側であってもよい。また、ユニットケース61が縦置きされる変形例の場合、
図7のX方向はZ方向で置換されてもよい。
【0039】
ユニットケース61には、ポンプ40が設けられる。ポンプ40は、2次冷媒を循環させる動力を生成する。
図7に示す例では、ポンプ40は、管路2221及び2421が接続され、管路2221は、ヘッダ22の接続部222に接続され、管路2241は、ヘッダ24の接続部242に接続される。管路2221及び2421は、発熱体を通るように設けられる。この際、管路2221や管路2421は、発熱体と熱的に接続される受熱部(例えばヒートシンク)内の流路を含んでよい。
図7に示す例では、管路2221は、CPU610,612の受熱部内の流路を含む。これにより、発熱量の比較的大きい発熱体を効率的に冷却できる。
【0040】
ユニットケース61には、ファン50が設けられる。ファン50は、XY平面内におけるY方向に沿った(基板600のZ1側の表面に沿った)空気の流れを生成する。例えば、ファン50の回転軸は、Y方向に平行に延在するが、Y方向に対して若干傾斜されてもよい。
図7には、ファン50により生成される空気の流れが矢印R4、R4’で模式的に示される。矢印R4’は、1次積層体10の空間91又は2次積層体20の空間92を通る空気の流れを表す。尚、
図7に示す例では、ファン50は、空気の流れの上流側(Y2側)に設けられるが、これに限られない。例えば、ファン50は、空気の流れの下流側(Y1側)に設けられてもよい。
【0041】
ファン50は、
図7にて矢印R4’で示すように、1次積層体10の空間91又は2次積層体20の空間92を通る空気の流れを生成できる。これにより、熱交換器1を通って後流側(Y1側)に流れる空気を生成できる。熱交換器1を通って後流側(Y1側)に流れる空気は、
図7に示すように、基板600に沿って流れ、基板600上の発熱体を冷却できる。即ち、基板600上で水冷していない発熱体の空冷を実現できる。例えば、
図7に示す例では、熱交換器1を通って後流側へと流れる空気は、基板600上を流れる際にメモリ620や電源630を冷却できる。また、熱交換器1を通って後流側へと流れる空気は、CPU610,612についても冷却できる。従って、発熱量の比較的大きい発熱体の一例であるCPU610,612に対しては、空冷と水冷の双方を実現できる。以下、このように、1次積層体10の空間91又は2次積層体20の空間92を通る空気流れを生成して発熱体を空冷する機能を、「熱交換器1を通る空気流れによる空冷機能」と称する。
【0042】
ファン50は、好ましくは、熱交換器1を通る空気流れによる空冷機能を高めるために、2次積層体20の空間92に対してY方向で対向するように設けられる。また、ファン50の回転軸は、好ましくは、XY平面に平行であり、且つ、2次積層体20の非交差範囲における2次流路201(X方向)に対して垂直である。これにより、空間92を通る際の空気の流れの損失を低減できる。
【0043】
ところで、ユニットケース61のようなユニットケースに一般的なプレート式の液体−液体熱交換器を配置すると、熱交換器に起因してユニットケース内に風を流すことができなくなり、熱交換器をケース外に配置する必要がある。
【0044】
この点、本実施例の情報処理装置60によれば、熱交換器1は、上述のように、空間91及び92を有するので、ユニットケース61に配置された場合でも、空間91及び92を通る空気の流れを生成できる。これにより、熱交換器1をユニットケース61に配置した場合でも、ユニットケース61内の発熱体(例えばメモリ620,621、電源630等)の効率的な空冷が可能となる。
【0045】
また、本実施例の情報処理装置60によれば、熱交換器1は、複数の1次流路部材100及び複数の2次流路部材200がZ方向に垂直な方向に延在し、平らな形態を有するので、上述のような高い熱交換能力を保ちつつ、薄型化が可能である。これにより、必要な熱交換能力を確保しつつ、熱交換器1のZ方向の寸法を効率的に低減できる。この結果、ユニットケース61が比較的薄型である場合でも、熱交換器1の搭載が可能である。
【0046】
尚、
図7に示す例では、CPU610,612のような発熱体は、基板600の一方側の表面(Z1側の表面)に実装されているが、これに限られない。発熱体は、基板600の他方側の表面に実装されてもよい。この場合、ファン50は、XY平面内におけるY方向に沿った(基板600のZ2側の表面に沿った)空気の流れを生成する。或いは、発熱体は、基板600の両側の表面にそれぞれ実装されてもよい。この場合、ファン50は、XY平面内におけるY方向に沿った(基板600のZ1側の表面及びZ2側の表面に沿った)空気の流れを生成する。
【0047】
また、
図7に示す例では、CPU610,612が熱交換器1を介して冷却されるが、他の発熱体が熱交換器1を介して冷却されてもよい。
【0048】
尚、上述した実施例1では、複数の2次流路部材200のそれぞれは、X方向に視た断面視で閉断面の1つの流路を形成するが(即ち平管の形態であるが)、これに限られない。例えば、
図8に示すように、複数の2次流路部材200のそれぞれは、X方向に視た断面視で閉断面の複数の流路を形成してもよい。即ち、複数の2次流路部材200のそれぞれは、多穴管であってもよい。これは、複数の1次流路部材100についても同様である。多穴の流路部材を用いた場合、単一の穴の流路部材を用いた場合に比べて、表面積が増加するので、効率的な熱交換を実現できる。
【0049】
[実施例2]
次に、
図9及び
図10を参照して、実施例2について説明する、実施例2の説明においては、上述した実施例1と異なる構成について説明するが、他の構成については同一であってよい。
【0050】
図9は、実施例2による熱交換器1Aの斜視図である。
図10は、実施例2による熱交換器1Aを含む情報処理装置60Aの一例を概略的に示す平面図である。
【0051】
実施例2による熱交換器1Aは、上述した実施例1による熱交換器1に対して、ヘッダ12がヘッダ12−1、12−2と分割され、ヘッダ14がヘッダ14−1、14−2と分割された点が異なる。これに伴い、1次冷媒の流れについて異なる。
【0052】
ヘッダ12−1及びヘッダ14−1には、1次積層体10−1,10−2が接続され、ヘッダ12−2及びヘッダ14−2には、1次積層体10−3,10−4が接続される。ヘッダ12−1、12−2は、X方向で離れており、互いに連通しない。ヘッダ14−1、14−2は、X方向で離れており、互いに連通しない。
【0053】
ヘッダ12−1は、Y方向のY2側の側面に、2つの管路30−1,30−2(
図10参照)が接続可能であり、該管路30−1,30−2を介して冷却装置が接続可能である。ヘッダ12−1は、上述した実施例1によるヘッダ12と同様の仕切り板(図示せず)を有し、内部の離隔した2室121−1,122−1を有し、一方の室122−1が管路30−1に連通し、他方の室121−1が管路30−2に連通する。
【0054】
室121−1には、1次積層体10−1に係る複数の1次流路101のそれぞれに共通に連通される。室122−1には、1次積層体10−2に係る複数の1次流路101のそれぞれに共通に連通される。ヘッダ14−1は、1次積層体10−1に係る複数の1次流路101及び1次積層体10−2に係る複数の1次流路101のそれぞれに共通に連通される。1次冷媒については、1次積層体10−1の1次流路部材100を通ってY方向でY1側に流れ、ヘッダ14−1で折り返して、1次積層体10−2内の1次流路部材100を通ってY2側に流れる。
【0055】
同様に、ヘッダ12−2は、Y方向のY2側の側面に、2つの管路30−1,30−2(
図10参照)が接続可能であり、該管路30−1,30−2を介して冷却装置が接続可能である。ヘッダ12−2は、上述した実施例1によるヘッダ12と同様の仕切り板(図示せず)を有し、内部の離隔した2室121−2,122−2を有し、一方の室122−2が管路30−1に連通し、他方の室121−2が管路30−2に連通する。
【0056】
室121−2には、1次積層体10−3に係る複数の1次流路101のそれぞれに共通に連通される。室122−2には、1次積層体10−4に係る複数の1次流路101のそれぞれに共通に連通される。ヘッダ14−2は、1次積層体10−3に係る複数の1次流路101及び1次積層体10−4に係る複数の1次流路101のそれぞれに共通に連通される。1次冷媒については、1次積層体10−3の1次流路部材100を通ってY方向でY1側に流れ、ヘッダ14−2で折り返して、1次積層体10−4内の1次流路部材100を通ってY2側に流れる。
【0057】
本実施例2によっても、上述した実施例1と同様の効果が得られる。特に本実施例2によれば、
図10に示すように、ヘッダ12−1、12−2は、X方向で離れており、ヘッダ14−1、14−2は、X方向で離れている。従って、X方向でヘッダ12−1、12−2間を通る空気の流れを形成できる(
図10のR41参照)と共に、X方向でヘッダ14−1、14−2間を通る空気の流れを形成できる(
図10のR42参照)。この結果、熱交換器1Aを通ることができる空気の流路が増加するので、熱交換器1Aを通る空気流れによる空冷機能を高めることができる。
【0058】
[実施例3]
次に、
図11以降を参照して、実施例3について説明する、実施例3の説明においては、上述した実施例1と異なる構成について説明するが、他の構成については同一であってよい。
【0059】
図11は、実施例3による熱交換器1Cの斜視図である。
【0060】
熱交換器1Cは、1次積層体10Cと、ヘッダ12C−1,12C−2(第1ヘッダの一例)と、2次積層体20Cと、ヘッダ22C(第2ヘッダの一例)とを含む。1次積層体10C及び2次積層体20Cの間では、1次冷媒と2次冷媒との間の熱交換が実現される。
【0061】
1次積層体10Cは、Y方向に延在する。1次積層体10Cは、X方向に間隔をおいて複数設けられる。
図1に示す例では、1次積層体10Cは、X方向に間隔をおいて4つ設けられる。以下では、特定の1つの1次積層体10Cを説明するときは、1次積層体10C−1,10C−2,10C−3,10C−4と符合を付す。1次積層体10C−1,10C−2は、ヘッダ12C−1と共に第1組立体191を形成し、1次積層体10C−3,10C−4は、ヘッダ12C−2と共に、別の第1組立体191を形成する。これら2つの第1組立体191は、互いに独立し、X方向で離れて配置される。
【0062】
図12は、第1組立体191を示す斜視図である。各第1組立体191と実質的に同一の構成であるので、ここでは、一の第1組立体191について代表して説明する。
図12には、1次冷媒の流れる方向が矢印R1〜R2が模式的に示される。
【0063】
1次積層体10C−1,10C−2は、
図12に示すように、一体化されており(即ち連続して形成されており)、上面視でU字状の形態を有する。1次積層体10C−1,10C−2は、Z方向に積層された複数の1次流路部材100C(第1流路部材の一例)を含む。
図12に示す例では、1次積層体10C−1,10C−2は、3つの1次流路部材100Cの積層体であるが、積層される1次流路部材100Cの数は任意である。複数の1次流路部材100CのZ方向の積層構造については後に詳説する。
【0064】
複数の1次流路部材100Cは、1次冷媒の1次流路(図示せず)(第1流路の一例)をそれぞれ内部に形成する。一の1次流路部材100Cは、多穴管であってもよいし、単一の穴を有する平管であってもよい。複数の1次流路部材100Cは、それぞれ、同一の形態である。1次積層体10C−1,10C−2における複数の1次流路部材100Cは、それぞれ、Z方向に所定距離D3ずつオフセットされる態様で、XY面内に延在する。
【0065】
ヘッダ12C−1は、1次積層体10C−1,10C−2のY方向のY2側に設けられる。ヘッダ12C−1は、Y方向のY2側の側面に、2つの管路(図示せず)が接続可能な接続部128,129を有し、該管路を介して冷却装置が接続可能である。ヘッダ12C−1は、上述した実施例2によるヘッダ12−1と同様、仕切り板120Cを有し、内部の離隔した2室121C−1,122C−1を有する。室122C−1は、接続部128を介して冷却装置に接続でき、室121C−1は接続部129を介して冷却装置に接続できる。
【0066】
室121C−1には、1次積層体10C−1に係る複数の1次流路のそれぞれに共通に連通される。室122C−1には、1次積層体10C−2に係る複数の1次流路のそれぞれに共通に連通される。1次冷媒は、
図12に示すように、1次積層体10C−1の1次流路部材100Cを通ってY方向でY1側に流れ、Y1側の端部で折り返して、1次積層体10C−2内の1次流路部材100Cを通ってY2側に流れる(
図12のR1,R2参照)。
【0067】
2次積層体20Cは、ヘッダ22Cと共に第2組立体192を形成する。
【0068】
図13は、第2組立体192を示す斜視図である。第2組立体192は、例えば特開2013-160430に開示されるような構成を有する。概説すると、2次積層体20Cは、X方向でヘッダ22Cを挟んで2つ設けられる。以下では、特定の1つの2次積層体20Cを説明するときは、2次積層体20C−1,20C−2と符合を付す。2次積層体20Cは、X方向に延在し、2次積層体20C−1,20C−2は、ヘッダ22Cを挟んで対称に設けられる。2次積層体20C−1,20C−2は、それぞれ、Z方向に積層された複数の2次流路部材200C(第2流路部材の一例)を含む。複数の2次流路部材200Cは、2次冷媒の2次流路(図示せず)(第2流路の一例)をそれぞれ内部に形成する。複数の2次流路部材200Cは、X方向に延在する。複数の2次流路部材200Cは、それぞれ、同一の形態であり、Y方向に視てU字状の形態である。即ち、一の2次流路部材200Cは、Z方向の上下に、互いに平行な平板部280を有し、各平板部280は、Z方向の高さが小さい平らなチューブ状の形態であり、ヘッダ22C側である一方の側でヘッダ22Cに連通すると共に、他方の側で湾曲部282を介して上下に接続される。尚、一の2次流路部材200Cは、多穴管であってもよいし、単一の穴を有する平管であってもよい。一の2次流路部材200Cにおいては、2次冷媒は、ヘッダ22C側の端部から導入され、X方向でヘッダ22C側から離れる方向に流れ、X方向の端部(湾曲部282)で折り返して、X方向でヘッダ22C側に向かって流れる。一の2次流路部材200Cは、Z方向で平板部280間にフィン290を有する。複数の2次流路部材200Cは、それぞれ、Z方向に所定距離D4(図示せず)ずつオフセットされる態様で設けられる。
【0069】
実施例3においても、1次積層体10Cと2次積層体20Cは、上面視で、互いに重なる(交差する)範囲を部分的に有する。
図11に示す例では、2次積層体20C−1と1次積層体10C−1との間の交差範囲S11と、2次積層体20C−1と1次積層体10C−2との間の交差範囲S12が示される。また、2次積層体20C−2と1次積層体10C−3との間の交差範囲S13と、2次積層体20C−2と1次積層体10C−4との間の交差範囲S14とが示される。
【0070】
交差範囲S11〜S14のそれぞれにおいて、複数の2次流路部材200Cは、Z方向に複数の1次流路部材100Cのそれぞれを介して積層される。即ち、複数の2次流路部材200Cのそれぞれと、複数の1次流路部材100Cのそれぞれとは、Z方向に交互に積層される。交差範囲S11〜S14のそれぞれにおいて、Z方向で隣になる一の1次流路部材100Cと一の2次流路部材200Cとの間は、好ましくは、Z方向で面接触する。この場合、一の1次流路部材100Cの高さは、Z方向での複数の2次流路部材200C間の所定距離D4に対応し、一の2次流路部材200Cの高さは、Z方向での複数の1次流路部材100C間の所定距離D3に対応する。これにより、1次冷媒と2次冷媒との間の熱交換の効率を高めることができる。尚、Z方向で隣になる一の1次流路部材100Cと一の2次流路部材200Cとの間のそれぞれの接触面には、ろう材やサーマルグリース等の接続補助部材が塗布されてよい。
【0071】
他方、1次積層体10Cは、1次積層体10Cに係る各非交差範囲において、複数の1次流路部材100Cの層間に空間91Cを有する。即ち、1次積層体10Cは、1次積層体10Cに係る各非交差範囲において、Z方向で隣になる一の1次流路部材100Cと他の一の1次流路部材100Cとの間に、空間91Cを有する。尚、空間91Cの高さは、所定距離D3に対応する。
図11に示す例では、1次積層体10Cに係る非交差範囲は、Y方向で、ヘッダ12C−1,12C−2と2次積層体20Cとの間に、それぞれ延在する。1次積層体10Cに係る各非交差範囲においては、層間に空間91Cを有するので、X方向に空気が通ることができ、熱交換の効率を高めることができる。
【0072】
同様に、2次積層体20Cは、2次積層体20Cに係る各非交差範囲において、複数の2次流路部材200Cの層間に空間92Cを有する。即ち、2次積層体20Cは、2次積層体20Cに係る各非交差範囲において、Z方向で隣になる一の2次流路部材200Cと他の一の2次流路部材200Cとの間に、空間92Cを有する。尚、空間92Cの高さは、所定距離D4に対応する。
図11に示す例では、2次積層体20Cに係る非交差範囲は、X方向で、ヘッダ22Cと1次積層体10C−2の間と、ヘッダ22Cと1次積層体10C−3との間に、それぞれ延在する。また、2次積層体20Cに係る非交差範囲は、X方向で、1次積層体10C−1、10C−2間と、1次積層体10C−3、10C−4間に、それぞれ延在する。また、2次積層体20Cに係る非交差範囲は、X方向で、1次積層体10C−1よりもX1側と、1次積層体10C−4よりもX2側とに、それぞれ延在する。2次積層体20Cに係る各非交差範囲においては、層間に空間92Cを有するので、Y方向に空気が通ることができ、熱交換の効率を高めることができる。即ち、空冷の熱交換器192に対して、第1組立体191があるため、空冷だけでなく液-液の熱交換ができるため、熱交換効率を高めることができる。
【0073】
次に、
図14を参照して、熱交換器1Cの熱交換機能について説明する。
【0074】
1次冷媒については、
図14にて矢印R1,R2で示すように、1次積層体10C内の1次流路部材100Cを通ってY方向でY1側に流れ、折り返して、Y2側に流れる。1次積層体10C内の1次冷媒は、交差範囲において2次積層体20C内の2次冷媒との間で熱交換を実現できる。具体的には、1次積層体10C内の1次冷媒は、交差範囲において2次積層体20C内の2次冷媒の熱を奪うことで、2次冷媒を冷却する。
【0075】
また、1次積層体10Cは、1次積層体10Cに係る各非交差範囲において、上述した空間91C内の空気との間で熱交換を実現できる。例えば、1次積層体10C内の1次冷媒は、1次積層体10Cに係る各非交差範囲において空間91C内の空気の熱を奪うことで、空間91C内の空気を冷却する。空間91C内の空気は、例えばファンなどにより発熱体へと流すことができる。この場合、空間91Cを介さずに発熱体に空気を流す空冷態様に比べて、効率的な空冷が可能となる。
【0076】
また、2次積層体20Cは、2次積層体20Cに係る各非交差範囲において、上述した空間92C内の空気との間で熱交換を実現できる。例えば、2次積層体20C内の2次冷媒は、2次積層体20Cに係る各非交差範囲において空間92C内の空気から熱を奪われることで、冷却される。上述のように1次積層体10Cに係る各非交差範囲において冷却された空気が空間92Cを通る場合は、2次積層体20Cに係る各非交差範囲における2次冷媒の冷却効率を効率的に高めることができる。
【0077】
このようにして、実施例3によっても、上述した実施例1と同様の効果が得られる。また、熱交換器1Cは、上述した実施例1と同様の態様で、情報処理装置(上述した情報処理装置60参照)に組み込むことができる。この場合、熱交換器1Cは、上述のように、空間91C及び92Cを有するので、情報処理装置のユニットケース(上述したユニットケース61参照)に配置された場合でも、空間91C及び92Cを通る空気の流れを生成できる。これにより、熱交換器1Cをユニットケースに配置した場合でも、ユニットケース内の発熱体の効率的な空冷が可能となる。
【0078】
尚、上述した実施例3では、第1組立体191は、
図11に示す向きで第2組立体192に対して設けられるが、これに限られない。例えば、第1組立体191は、
図15に示す向きで第2組立体192に対して設けられてもよい。
図15に示す例では、第1組立体191は、
図11に示す向きに対してXY平面内で90度変更され、第2組立体192のX方向の両端部に、それぞれ設けられる。かかる変形例の場合も、上述した実施例3と同様の効果が得られる。特に、かかる変形例の場合は、各第1組立体191のヘッダ12C−1,12C−2がY方向に視て第2組立体192の2次流路部材200Cに重ならない範囲に設けられるので、空間91Cを通る空気の流れが良好となる。従って、熱交換器を通る空気流れによる空冷機能を高めることができる。
【0079】
また、上述した実施例3では、第1組立体191は、一の第2組立体192に対して2つ設けられるが、第1組立体191の個数は任意である。従って、第1組立体191は、一の第2組立体192に対して1つだけ設けられてもよいし、一の第2組立体192に対して3つ以上設けられてもよい。
【0080】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0081】
例えば、上述した実施例3では、1次積層体10Cは、1次積層体10Cに係る各非交差範囲を有するが、これに限られない。1次積層体10Cは、1次積層体10Cに係る非交差範囲を有さなくてもよい。これは、上述した実施例1及び実施例2においても同様である。
【0082】
また、上述した実施例1では、1次積層体10に1次冷媒が流され、2次積層体20に2次冷媒が流されているが、逆であってもよい。この場合、情報処理装置60に熱交換器1を搭載する際、熱交換器1のY方向の向きを、例えば
図7に示す向きに対して反転させてよい。この場合、2次積層体20は、冷却装置に接続され、1次積層体10は、発熱体への管路2221及び2421に接続される。このような変形例は、上述した実施例2や実施例3においても成り立つ。
【0083】
また、上述した実施例1では、ヘッダ12の室121に対して2つの1次積層体10−1,10−2が接続されているが、ヘッダ12の室121に対して接続される1次積層体10の数は任意である。これは、ヘッダ12の室122についても同様である。また、ヘッダ12は、室121及び室122を形成する仕切り板120を有しているが、室121及び室122を形成する2つの別々のヘッダにより形成されてもよい。
【0084】
また、上述した実施例2では、2つの1次積層体10からなる組が2組設けられるが、かかる組の数は任意である。
【0085】
なお、以上の実施例に関し、さらに以下の付記を開示する。
[付記1]
第1発熱体と、前記第1発熱体から発する熱を交換する熱交換器とを含む情報処理装置において、
前記熱交換器は、
液体である第1冷媒用の第1流路をそれぞれ内部に形成する複数の第1流路部材の積層体である第1積層体と、
複数の前記第1流路のそれぞれに連通する第1ヘッダと、
液体である第2冷媒用の第2流路をそれぞれ内部に形成する複数の第2流路部材の積層体である第2積層体と、
複数の前記第2流路のそれぞれに連通する第2ヘッダと、を含み、
前記第1積層体及び前記第2積層体は、第1範囲において、積層方向に視て重なり、
前記第1積層体及び前記第2積層体のうちの少なくとも一方は、前記第1範囲とは異なる第2範囲において、層間に空間を有する、情報処理装置。
[付記2]
前記積層方向で対向する前記第1流路部材及び前記第2流路部材は、前記第1範囲において、前記積層方向で面接触する、付記1に記載の情報処理装置。
[付記3]
前記第1積層体は、前記積層方向に垂直な方向で間隔をおいて複数設けられ、
前記第2範囲は、前記間隔を形成する複数の前記第1積層体の間に、延在する、付記1又は2に記載の情報処理装置。
[付記4]
前記第1ヘッダは、少なくとも2つの仕切られた室を有する、付記3に記載の情報処理装置。
[付記5]
前記第2範囲は、前記第2ヘッダと前記第1範囲との間に延在する、付記1〜4のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
[付記6]
前記第2範囲を通る空気の流れを生じさせるファンを更に含む、付記1〜5のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
[付記7]
第2発熱体を更に含み、
前記ファンは、前記第2発熱体を空気で冷却する前記空気の流れを生じさせる、付記6に記載の情報処理装置。
[付記8]
前記第2発熱体は、前記空気の流れの方向で、前記第1積層体及び前記第2積層体よりも下流側に配置される、付記7に記載の情報処理装置。
[付記9]
前記第2積層体は、前記第2範囲を有し、
前記ファンの回転軸は、前記積層方向と、前記第2範囲における前記第2流路の方向の双方に対して垂直である、付記6〜8のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
[付記10]
前記第1範囲における前記第1流路の方向は、前記積層方向に視て、該第1範囲における前記第2流路の方向に直交する、付記9に記載の情報処理装置。
[付記11]
複数の前記第1流路及び複数の前記第2流路は、それぞれ、前記積層方向に垂直な面内に延在する、付記1〜10のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
[付記12]
複数の前記第1流路部材のそれぞれ、又は、複数の前記第2流路部材のそれぞれは、多穴管である、付記1〜11のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
[付記13]
前記第1冷媒は、1次冷媒であり、前記第2冷媒は、前記1次冷媒を介して冷却される液体の2次冷媒であり、前記第1発熱体は、前記第2冷媒を介して冷却される、付記1〜12のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
[付記14]
前記第2ヘッダの第1接続部に一端が接続され、前記第2ヘッダの第2接続部に他端が接続される管路を更に有し、前記管路は、前記第1発熱体に熱的に接続される受熱部を通る、付記13に記載の情報処理装置。
[付記15]
液体である第1冷媒用の第1流路をそれぞれ内部に形成する複数の第1流路部材の積層体である第1積層体と、
複数の前記第1流路のそれぞれに連通する第1ヘッダと、
液体である第2冷媒用の第2流路をそれぞれ内部に形成する複数の第2流路部材の積層体である第2積層体と、
複数の前記第2流路のそれぞれに連通する第2ヘッダと、を含み、
前記第1積層体及び前記第2積層体は、第1範囲において、積層方向に視て重なり、
前記第1積層体及び前記第2積層体のうちの少なくとも一方は、前記第1範囲とは異なる第2範囲において、層間に空間を有する、熱交換器。