特許第6794773号(P6794773)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6794773
(24)【登録日】2020年11月16日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】保護具
(51)【国際特許分類】
   A01K 61/50 20170101AFI20201119BHJP
   A01M 29/30 20110101ALI20201119BHJP
   B08B 1/04 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   A01K61/50
   A01M29/30
   B08B1/04
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-208115(P2016-208115)
(22)【出願日】2016年10月24日
(65)【公開番号】特開2018-68129(P2018-68129A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】松尾 暢
(72)【発明者】
【氏名】池田 陵志
(72)【発明者】
【氏名】及川 隆仁
(72)【発明者】
【氏名】中本 健二
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 健一
(72)【発明者】
【氏名】井上 智子
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−158318(JP,A)
【文献】 特開2015−208259(JP,A)
【文献】 特開2002−13117(JP,A)
【文献】 実開昭59−70779(JP,U)
【文献】 国際公開第98/058535(WO,A1)
【文献】 実開昭58−76627(JP,U)
【文献】 実開昭59−145158(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 61/00
A01M 29/30
B08B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
干潟で育成される底生生物を外敵から守るべく前記底生生物を覆うように設置される保護具であって、
開口する下面と、第1水位において第1端辺が水面から現れ、前記第1水位より低い第2水位において、前記第1端辺とは反対側の第2端辺が水面から現れるように傾斜する上面と、前記下面と前記上面の間に設けられる側面と、で構成されるとともに、前記上面にネット又は柵が設けられる保護具本体と、
水面に浮きながら、前記第1水位から前記第2水位へ移行するにつれて、前記第1端辺から前記第2端辺に向かって、前記上面上の付着物を取り除くように前記上面上を移動する清掃部材と、
を備えることを特徴とする保護具。
【請求項2】
請求項1に記載の保護具であって、
前記清掃部材を前記上面に沿って案内するように、前記上面の両側部に設けられるガイド部材と、
を有して構成されることを特徴とする保護具。
【請求項3】
求項2に記載の保護具であって、
前記清掃部材は、
筒型を呈し、水に浮く樹脂材料で形成される本体部材と、
前記本体部材の両端部を前記ガイド部材に連接する連接部材と、
を有して構成されることを特徴とする保護具。
【請求項4】
求項2に記載の保護具であって、
前記清掃部材は、
筒型を呈する本体部材と、
前記本体部材の両端部を前記ガイド部材に連接する連接部材と、
前記本体部材に浮力を与えるべく、前記本体部材に装着されるフロート部材と、
を有して構成されることを特徴とする保護具。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の保護具であって、
前記清掃部材は、前記上面上を移動するときに、前記上面に付着している付着物をはぎ取るためのブラシ部を有する
ことを特徴とする保護具。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の保護具であって、
前記保護具本体の前記側面にネット又は柵が設けられる
ことを特徴とする保護具。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の保護具であって、
前記保護具本体を干潟に固定するための固定部材と、
をさらに備えて構成される保護具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、漁網に付着するヒドロ虫類や海藻類を、漁網から剥離する水中漁網洗浄装置が知られている。(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−125262号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る水中漁網洗浄装置は、水中において漁網両面を洗浄するために、洗浄用具を漁網に接触させながら、垂直移動および水平移動させる。洗浄用具は、漁網を挟み込むように対置され、巻上装置の駆動により移動し、漁網を洗浄する。また、水中漁網洗浄装置は、洗浄装置の移動を制限するために、洗浄装置が網底に到達すること、又は、浮体に到達すること、を検出することにより、巻上装置に停止用の制御信号を出力する。
【0005】
しかし、このような水中漁網洗浄装置では、水中に垂下する網の付着物の剥離には利用できるものの、干潟などにおいて、干潮時に陸地に露出する網の付着物の剥離には利用できない。このように、干潟に生息する底生生物を捕食動物から保護する網では、満潮時には水没し、干潮時には陸地に露出するために、陸地に露出するときに泥やヘドロが付着するが、その泥やヘドロを剥離できないという状況が生じている。これにより、泥やヘドロが付着している網の影響で、底生生物に自然環境よりも劣悪な環境を与えてしまうため、作業員が干潮時に、底生生物を保護する網を洗浄するなどの手間を要していた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決する主たる本発明は、干潟で育成される底生生物を外敵から守るべく前記底生生物を覆うように設置される保護具であって、開口する下面と、第1水位において第1端辺が水面から現れ、前記第1水位より低い第2水位において、前記第1端辺とは反対側の第2端辺が水面から現れるように傾斜する上面と、前記下面と前記上面の間に設けられる側面と、で構成されるとともに、前記上面に柵又はネットが設けられる保護具本体と、水面に浮きながら、前記第1水位から前記第2水位へ移行するにつれて、前記第1端辺から前記第2端辺に向かって、前記上面上の付着物を取り除くように前記上面上を移動する清掃部材と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、潮の満ち引きを利用して、網から泥やヘドロを剥離することができる。さらに、巻上装置などの駆動装置を用いることなく洗浄できるため、設置が容易である。よって、電気を用いず、潮の満ち引きを利用して、網に付着した泥などを容易に剥離することができるため、作業員の作業効率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る保護具の一例を示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係る保護具にネットを配置した一例を示す斜視図である。
図3】第1実施形態に係る保護具の動作の一例を示す斜視図である。
図4】第2実施形態に係る保護具の一例を示す斜視図である。
図5】第3実施形態に係る保護具の一例を示す斜視図である。
図6】干潟に配置する保護網の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。なお、以下説明において、X軸は保護具の幅方向の軸であり、Y軸は保護具の奥行方向の軸であり、Z軸は保護具の高さ方向の軸である。また、X軸に沿う方向を「X方向」と示し、Y軸に沿う方向を「Y方向」と示し、Z軸に沿う方向を「Z方向」と示すこともある。また、「X方向」、「Y方向」、「Z方向」の夫々の+側には「+」を付けて示し、−側には「−」を付けて示すこともある。
【0011】
===従来の保護網1000===
図6を参照しつつ、干潟に配置される従来の保護網1000について、説明をする。図6は、干潟に配置する保護網1000の斜視図である。
【0012】
図6に示すように、保護網1000は、底生生物を他の生物の捕食から保護するための網である。保護対象である貝などの底生生物を取り囲むように保護枠2000を配置し、保護枠2000の上面を覆うように保護網1000が取り付けられる。さらに、図示していないが、満潮時において保護網1000が浮くように、空のペットボトルなどの浮きを設けることもある。
【0013】
しかし、上述した保護網1000は、陸地に対して、ほぼ高さを設けず水平に配置されるため、満潮から干潮に移り変わるときに運ばれる泥やヘドロが、その表面に付着する。これにより、保護している底生生物に対して、自然環境よりも劣悪な環境を与えてしまうため、その成育に影響を与える。
【0014】
そこで、干潟などの潮の満ち引きの影響を受けるような場所において、干潮時の水位の低下を利用して、保護網1000(ネット)から泥やヘドロを剥離する保護具について、以下のとおり詳細に説明する。
【0015】
===第1実施形態に係る保護具100===
図1図2図3を参照しつつ、第1実施形態に係る保護具100について、以下のとおり説明をする。図1は、第1実施形態に係る保護具100の一例を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る保護具100にネット112を配置した一例を示す斜視図である。図3は、第1実施形態に係る保護具100の動作の一例を示す斜視図である。
【0016】
保護具100は、干潟や河口付近などの、潮の満ち引きの影響を受ける場所において、底生生物を他の生物の捕食から保護するものである。保護具100は、潮が引いていくときに、ネット112に付着した泥やヘドロを剥離できるように、構成されている。これにより、自然環境に近い状況において、底生生物を育成することができる。
【0017】
保護具100は、例えば、保護具本体110と、ガイド部材120と、清掃部材130と、固定部材140と、を含んで構成されている。
【0018】
<<保護具本体110>>
保護具本体110は、底生生物が生息する領域を枠体で取り囲むように配置され、底生生物を他の生物の捕食から保護する部材である。
【0019】
保護具本体110は、例えば、フレーム構造体111と、ネット112と、を含んで構成されている。
【0020】
フレーム構造体111は、陸上に載置された状態において、X軸とY軸に沿う平面に沿って形成される仮面(以下、「下面」と称する。)が陸上と水平に形成される。そして、下面と+Z方向で対向する仮面(以下、「上面」と称する。)は、+Y方向側から−Y方向側に向かうに従って、−Z方向に向かって傾斜するように形成される。これにより、後述する清掃部材130が、水位の低下にともなって、後述するガイド部材120に沿って移動できる。なお、上面と下面の間に設けられる仮面を側面として、以下説明する。
【0021】
図1に示すように、フレーム構造体111は、例えば、第1フレーム部材111A〜第6フレーム部材111Fと、固定孔111Gと、を含んで構成されている。
【0022】
第1フレーム部材111A〜第6フレーム部材111Fは、例えば、ステンレス材料で形成され、円柱又は四角柱形状を呈している。夫々の第1フレーム部材111A〜第6フレーム部材111Fは、溶接などで接続されている。第1フレーム部材111A〜第6フレーム部材111Fの配置および夫々の接続関係について、以下のとおり詳細に述べる。
【0023】
第1フレーム部材111Aは、陸地に対して鉛直に設けられる、一対の部材である。同様に、第2フレーム部材111Bは、陸地に対して鉛直に設けられる、一対の部材である。第1フレーム部材111Aと第2フレーム部材111Bは、Z方向からみたときに、例えば夫々を結ぶ仮線が略長方形を形成するように配置されている。第1フレーム部材111Aは、第2フレーム部材111Bよりも長く形成されている。また、第1フレーム部材111Aの+Z方向側の端部と、第2フレーム部材111Bの+Z方向側の端部と、を第3フレーム部材111Cで繋いでいる。これにより、上述したような、上面の傾斜が形成される。
【0024】
また、第1フレーム部材111Aの−Z方向側の端部と、第2フレーム部材111Bの−Z方向側の端部と、を第4フレーム部材111Dで繋いでいる。一対の第1フレーム部材111Aは、その+Z方向側の端部を、第5フレーム部材111E(以下、「第1端辺」として説明することもある。)で繋ぎ、その−Z方向側の端部を、第6フレーム部材111Fで繋いでいる。同様に、一対の第2フレーム部材111Bは、その+Z方向側の端部を第5フレーム部材111E(以下、「第2端辺」として説明することもある。)で繋ぎ、その−Z方向側の端部を第6フレーム部材111Fで繋いでいる。これにより、フレーム構造体111が形成される。
【0025】
図2に示すように、固定孔111Gは、後述する固定部材140が挿通される孔である。固定孔111Gは、例えば、第1フレーム部材111Aおよび第2フレーム部材111Bの−Z方向側の端部において、夫々のフレーム部材と一体的に設けられる。つまり、下面の角部に設けられる。フレーム構造体111が陸地に載置された状態において、固定孔111Gに固定部材140を挿通することにより、フレーム構造体111が陸地に固定される。
【0026】
ネット112は、図2に示すように、フレーム構造体111を覆う網である。ネット112は、海水で劣化しない、例えば樹脂材料で形成されている。ネット112は、フレーム構造体111の下面を除く部分をカバーする大きさで形成される。ただし、一つのネット112でカバーしてもよいし、複数個のネット112でカバーしてもよく、その大きさ及び形状が限定されるものではない。これにより、フレーム構造体111で囲まれる領域に存在する底生生物を、他の生物の捕食から保護できる。
【0027】
<<ガイド部材120>>
図1に示すように、ガイド部材120は、フレーム構造体111と組み合わせることにより、後述する清掃部材130を一定方向にガイドする部材である。ガイド部材120は、例えばステンレス材料で形成される。ただし、異種金属の接触で生じる電蝕を防止するために、フレーム構造体111と同材料とする。ガイド部材120は、例えばコ型形状を呈し、フレーム構造体111の第3フレーム部材111Cと接合して、ガイド部121を形成する。
【0028】
<<清掃部材130>>
図2に示すように、清掃部材130は、満潮から干潮に移行するときに、ネット112に付着する泥やヘドロを剥離する部材である。清掃部材130は、例えば、樹脂材料で形成され、棒形状を呈する。清掃部材130は、本体部材131と、ブラシ部132と、連接部材133と、を含んで構成されている。
【0029】
本体部材131は、例えば中空の円柱形状を呈する。本体部材131の長手方向(X方向)の長さは、一対のガイド部材120の間の長さに略等しい長さである。本体部材131の直径は、後述する連接部材133とガイド部材120が連接した状態において、上面を覆うネット112に接触する程度の大きさである。なお、本体部材131は、中空であるか否かは限定されず、水に浮くように設計されていればよい。
【0030】
ブラシ部132は、本体部材131の周面から放射状に設けられるブラシである。ブラシ部132は、例えば樹脂材料で形成される。ブラシ部132は、本体部材131と一体に設けられるか、本体部材131の周面に接着して設けられるか、は限定されず、清掃部材130がガイド部材120に連接した状態において、ブラシ部132が上面を覆うネット112と接触するように設けられていればよい。したがって、ブラシ部132は、本体部材131の周面の全面に亘って設けられている必要もなく、例えば、ネット112と接触する本体部材131の半周面に亘って設けられていてもよい。
【0031】
連接部材133は、本体部材131とガイド部材120を連接する部材である。連接部材133は、例えば、樹脂材料で形成され、紐形状を呈する。連接部材133は、図示していないが、例えば連接部材133を所定の長さに調整する調整部(不図示)を備えていてもよい。具体的に述べると、ガイド部材120に本体部材131を連接する際に、作業員は、調整部(不図示)の一方の孔に連接部材133を挿通しつつ、ガイド部材120に連接部材133を巻付けて、他方の孔に連接部材133を挿通するとともに、連接部材133の長さを調整する。そして、所望の長さで連接部材133をストッパー(不図示)で固定する。なお、所望の長さとは、本体部材131の自重により連接部材133がガイド部材120を摺動できる程度の、連接部材133とガイド部材120の間の摩擦力をもたらす長さである。つまり、連接部材133は、満潮から干潮へ移行するときに、水位の低下にともなって、ガイド部材120に沿って下降する。連接部材133が下降する際に、ネット112の表面に接触しているブラシ部132が、ネット112の表面に付着している泥やヘドロを剥離する。
【0032】
<<固定部材140>>
図1図2に示すように、固定部材140は、保護具本体110を陸上に固定する部材である。固定部材140は、例えば、ステンレス材料で形成され、一端部が鋭利な形状を呈し、他端部が円形状を呈する。固定部材140は、その一端部を固定孔111Gに挿通されるとともに、陸中に向かって打ち込まれる。打ち込まれたときに、他端部が固定孔111Gに引っかかることで、保護具本体110を陸上に固定する。
【0033】
===保護具100の動作===
図3を参照しつつ、保護具100の動作について、以下のとおり説明をする。
【0034】
干潟では、満潮時に水位が上がり、干潮時に水位が下がる。そして、干潟に保護具100を配置すると、満潮時には保護具100の全体が水没し、干潮時には保護具100の全体が陸上に露出する。
【0035】
満潮から干潮に移行するとき、水位が第1フレーム部材111Aの+Z方向側の端部まで低下すると、清掃部材130が水面に露出する。なお、このときの水位を第1水位として、以下説明をする。このとき、清掃部材130は、ネット112の表面に接触しつつも、浮力が働いているため、水面に浮遊している。さらに水位が低下すると、清掃部材130は、水位の低下にともなって、ネット112の表面に接触しながら、ガイド部121に沿って下降する。このとき、図3に示すように、清掃部材130は、そのブラシ部132でネット112の表面に付着している泥やヘドロを剥離する。水位が第2フレーム部材111Bの+Z方向側の端部まで低下すると、清掃部材130は、その位置にとどまる。なお、このときの水位を第2水位として、以下説明をする。
【0036】
干潮から満潮に移行するとき、清掃部材130は、上記と逆の動作をする。なお、フレーム構造体111は、満潮時には水没するが、固定部材140で陸上に固定されているため、水中で移動しない。
【0037】
===第2実施形態に係る保護具200===
図4を参照しつつ、第2実施形態に係る保護具200について、以下のとおり説明をする。図4は、第2実施形態に係る保護具200の一例を示す斜視図である。
【0038】
図4に示すように、保護具200は、例えば、保護具本体210と、ガイド部材220と、清掃部材230と、固定部材240と、を含んで構成されている。なお、第2実施形態に係る保護具200におけるガイド部材220、清掃部材230および固定部材240については、第1実施形態に係る保護具100におけるガイド部材120、清掃部材130および固定部材140と同じものであるため、その説明を省略する。
【0039】
保護具本体210は、フレーム構造体211と、柵状部材212と、を含んで構成されている。なお、フレーム構造体211は、第1実施形態に係るフレーム構造体111と同じものであるため、その説明を省略する。つまり、保護具本体210は、第1実施形態に係る保護具本体110におけるネット112を、柵状部材212に替えて構成されているものである。
【0040】
柵状部材212は、図4に示すように、フレーム構造体211の上面および側面から、他の生物が侵入するのを防止する柵である。柵状部材212は、フレーム構造体211の下面を除く仮面(上面および側面)に、例えば柵を形成するように設けられている。柵状部材212は、例えば、ステンレス材料で形成され、複数の棒状部材で構成される。より具体的には、例えば、柵状部材212は、複数本のステンレス鋼棒を対向する一対の第5フレーム部材211Eの間に橋設しつつ、第5フレーム部材211Eの長手方向に沿って一定間隔に並設して、構成されている。同様に、第5フレーム部材211Eと第6フレーム部材211Eの間、第3フレーム部材311Cと第4フレーム部材211Dの間、にも設けられる。夫々のステンレス棒鋼の間の距離は、例えば鳥類が侵入できない程度の距離であればよく、その距離が限定されるものではない。これにより、フレーム構造体211で囲まれる領域にいる底生生物を、他の生物の捕食から保護できる。
【0041】
===第3実施形態に係る保護具300===
図5を参照しつつ、第3実施形態に係る保護具300について、以下のとおり説明をする。図5は、第3実施形態に係る保護具300の一例を示す斜視図である。
【0042】
図5に示すように、保護具300は、例えば、保護具本体310と、ガイド部材320と、清掃部材330と、固定部材340と、を含んで構成されている。なお、第3実施形態に係る保護具300における保護具本体310、ガイド部材320および固定部材340については、第1実施形態に係る保護具100における保護具本体110、ガイド部材120および固定部材140と同じものであるため、その説明を省略する。
【0043】
清掃部材330は、本体部材331と、ブラシ部332と、連接部材333と、フロート部材334と、を含んで構成されている。なお、本体部材331、ブラシ部332および連接部材333は、第1実施形態に係る本体部材131、ブラシ部132および連接部材133と同じものであるため、その説明を省略する。つまり、清掃部材330は、第1実施形態に係る清掃部材130にフロート部材334を付加して構成されるものである。
【0044】
フロート部材334は、図5に示すように、本体部材331が水面の上下に応じて移動できるように、本体部材331に浮力を与える部材である。つまり、第3実施形態における本体部材331は、水に浮く材質でなくてもよいため、樹脂材料で形成されていなくてもよい。
【0045】
フロート部材334は、例えば、本体部材331の直径と略等しい直径を有する円柱形状を呈し、発泡スチロールで形成されている。フロート部材334は、例えば本体部材331の両端部に設けられている。これにより、本体部材331は、両端部に浮力が与えられるため、水面の上下に応じて移動できる。なお、フロート部材334と本体部材331の両端部の接続については、夫々の端面を接着させて一体と見えるように構成されていてもよいし、フロート部材334が本体部材331の端面から離れて、連接部材333の一部を覆うように設けられていてもよい。なお、図5では、一例として、フロート部材334が連結部材333の端面から離れて設けられている状態を示している。
【0046】
尚、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、以下に示すようなものも含まれる。
【0047】
===その他の実施形態===
<<保護具本体110,210,310>>
保護具本体110,210,310のネット112,312や柵212は、フレーム構造体111,211,311の下面を除く部分をカバーする大きさで形成されるとして説明したが、これに限定されない。少なくとも上面を覆うように設けられていればよく、側面にはネット112,312や柵212ではなく、例えば水が通過する隙間を有する板状のもので閉塞してもよい。
【0048】
<<清掃部材130,230,330>>
上記において、清掃部材130,230,330にはブラシ部132,232,332が設けられているとして説明したが、これに限定されない。例えば、ブラシ部132,232,332の代わりに、本体部材131,231,331に凹凸を設けてもよい。なお、凹凸は、ネット112,312の網目および柵状部材212の隙間よりも小さく形成されることとする。網目や隙間に凹凸の凸部が嵌り込むことにより、泥やヘドロを剥離できるためである。
【0049】
上記において、連接部材133,233,333は紐形状であるとして説明したが、これに限定されない。例えば、連接部材133,233,333は、棒状のものであって、一端部を本体部材131,231,331に接続し、他端部は、ガイド部121,221,321に挿通しつつ、ガイド部121,221,321から抜け出さないように、例えば円盤状の留め具が接続されているものであってもよい。さらに、円盤状の留め具が発砲スチロールなどの浮体で形成されていてもよい。
【0050】
上記において、フロート部材334は発砲スチロールで形成されているとして説明したが、これに限定されない。水に浮く材質のものであればよい。
【0051】
上記において、フロート部材334は本体部材331の両端部に浮力を与えるように配置されているとして説明したが、これに限定されない。本体部材331の所定の箇所(例えば+Z方向側の半周面)に設けられていてもよい。本体部材331に浮力を与えればよいためである。
【0052】
<<固定部材140,240,340>>
上記において、保護具100,200,300は固定部材140,240,340を含んで構成されているとして説明したが、これに限定されない。例えば、固定部材140,240,340を含んでいなくてもよく、別途用意をする重石などで保護具100,200,300を陸上に固定してもよい。この場合、フレーム構造体111,211,311は、固定孔111G,211G,311Gを含んで構成していなくてもよい。
【0053】
===まとめ===
以上説明したように、本実施形態に係る保護具100,200,300は、干潟で育成される底生生物を外敵から守るべく底生生物を覆うように設置される保護具100,200,300であって、開口する下面と、第1水位において第1端辺が水面から現れ、第1水位より低い第2水位において、第1端辺とは反対側の第2端辺が水面から現れるように傾斜する上面と、下面と上面の間に設けられる側面と、で構成されるとともに、上面にネット112,312又は柵212が設けられる保護具本体110,210,310と、水面に浮きながら、第1水位から第2水位へ移行するにつれて、第1端辺から第2端辺に向かって、上面上の付着物を取り除くように上面上を移動する清掃部材130,230,330と、を備えることを特徴とする。本実施形態によれば、干潟における水位変化に応じて、清掃部材130,230,330がフレーム構造体111,211,311の上面に接触しながら、上面に沿って下降するため、ネット112,312又は柵212の表面に付着している泥やヘドロを剥離することができるため、作業員による泥の除去作業を縮減できる。
【0054】
又、本実施形態に係る保護具100,200,300において、清掃部材130,230,330を上面に沿って案内するように、上面の両側部に設けられるガイド部材120,220,320と、を有して構成されることを特徴とする。本実施形態によれば、上面に沿って保護具本体110,210,310が上面に接触しながら、確実に上面に沿って下降することができる。
【0055】
又、本実施形態に係る保護具100,200において、清掃部材130,230は、筒型を呈し、水に浮く樹脂材料で形成される本体部材131,231と、本体部材131,231の両端部をガイド部材120,220に連接する連接部材133,233と、を有して構成されることを特徴とする。本実施形態によれば、樹脂製を用いることにより塩水による腐食を回避することができるため、製作コストの縮減が図れる。
【0056】
又、本実施形態に係る保護具300において、清掃部材は、筒型を呈する本体部材331と、本体部材331の両端部をガイド部材320に連接する連接部材333と、本体部材331に浮力を与えるべく、本体部材331に装着されるフロート部材334と、を有して構成されることを特徴とする本実施形態によれば、フロート部材334を付けることにより、本体部材331の材質の種類にとらわれず製作できるため、製作コストの縮減が図れる。
【0057】
又、本実施形態に係る保護具100,200,300において、清掃部材130,230,330は、上面上を移動するときに、上面に付着している付着物をはぎ取るためのブラシ部132,232,332を有することを特徴とする。本実施形態によれば、ネット112,312または柵状部材212に付着する泥やヘドロを効率よく剥離することができるため、作業効率の向上が図れる。
【0058】
又、本実施形態に係る保護具100,200,300において、保護具本体110,210,310の側面にネット112,312又は柵212が設けられることを特徴とする。本実施形態によれば、干潮時において、側面からの鳥類の侵入を排除することができる。
【0059】
又、本実施形態に係る保護具100,200,300において、保護具本体110,210,310を干潟に固定するための固定部材140,240,340と、をさらに備えて構成される。本実施形態によれば、固定部材140,240,340により保護具本体110,210,310を強固に固定することができるため、安全性を向上が図れる。
【符号の説明】
【0060】
100,200,300 保護具
110,210,310 保護具本体
111,211,311 フレーム構造体
112,312 ネット
212 柵
120,220,320 ガイド部材
130,230,330 清掃部材
131,231,331 本体部材
132,232,332 ブラシ部
133,233,333 連接部材
140,240,340 固定部材
334 フロート部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6