(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御部は、前記移動操作要素を除いた前記医用画像を含む領域へのスライド入力に応じて、当該移動操作要素の位置とタッチ位置との相対位置関係を保ったまま当該移動操作要素を移動させる請求項1に記載の医用画像表示装置。
前記表示制御部は、前記表示画面に表示された複数の移動操作要素を除いた前記医用画像を含む領域への第1のタッチ入力に応じて、タッチ位置に対応する位置の移動操作要素を制御対象として検出し、当該第1のタッチ入力に続く第2のタッチ入力に応じて、当該制御対象の移動操作要素を移動させる請求項1又は2に記載の医用画像表示装置。
前記表示制御部は、前記移動操作要素の位置と前記タッチ入力に応じたタッチ位置とを関連付ける表示要素を前記表示部に表示させる請求項1から3のいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
前記表示制御部は、前記移動の開始前の所定操作に応じて、前記医用画像の計測対象物の特徴量の算出に用いる全ての移動操作要素を前記表示部に表示させる請求項5に記載の医用画像表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付図面を参照して、本発明に係る第1〜第3の実施の形態を順に詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0022】
(第1の実施の形態)
図1〜
図8(c)を参照して、本発明に係る第1の実施の形態を説明する。先ず、
図1及び
図2を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。
図1は、本実施の形態の超音波診断装置1の外観図である。
図2は、超音波診断装置1の機能構成を示すブロック図である。
【0023】
図1及び
図2に示す本実施の形態の超音波診断装置1は、病院などの医療機関に設置されている。超音波診断装置1は、超音波診断装置本体1aと、超音波探触子1bと、を備える。超音波探触子1bは、図示しない患者の生体などの被検体に対して超音波(送信超音波)を送信するとともに、この被検体で反射した超音波の反射波(反射超音波:エコー)を受信する。超音波診断装置本体1aは、ケーブル1cを介して、超音波探触子1bと接続され、超音波探触子1bに電気信号の駆動信号を送信することによって超音波探触子1bに被検体に対して送信超音波を送信させるとともに、超音波探触子1bにて受信した被検体内からの反射超音波に応じて超音波探触子1bで生成された電気信号である受信信号に基づいて被検体内の内部状態を超音波画像として画像化する。
【0024】
超音波探触子1bは、圧電素子からなる振動子を備えており、この振動子は、例えば、方位方向に一次元アレイ状に複数配列されている。本実施の形態では、例えば、192個の振動子を備えた超音波探触子1bを用いている。なお、振動子は、二次元アレイ状に配列されたものであってもよい。また、振動子の個数は、任意に設定することができる。また、本実施の形態では、超音波探触子1bについて、リニア走査方式の電子スキャンプローブを採用したが、電子走査方式あるいは機械走査方式の何れを採用してもよく、また、リニア走査方式、セクタ走査方式あるいはコンベックス走査方式の何れの方式を採用することもできる。
【0025】
図2に示すように、超音波診断装置本体1aは、例えば、操作入力部101と、送信部102と、受信部103と、画像生成部104と、画像処理部105と、DSC(Digital Scan Converter)106と、操作表示部107と、表示制御部、算出部としての制御部108と、記憶部109と、通信部110と、保存画像生成部111と、を備える。
【0026】
操作入力部101は、例えば、患者である被検体の検査開始を指示するコマンドや、被検体の個人情報としての被検体情報などのデータの入力などを行うための各種スイッチ、ボタン、トラックボール、マウス、キーボードなどを備えており、操作入力に応じた操作情報を制御部108に出力する。
【0027】
送信部102は、制御部108の制御に従って、超音波探触子1bにケーブル1cを介して電気信号である駆動信号を供給して超音波探触子1bに送信超音波を発生させる回路である。また、送信部102は、例えば、クロック発生回路、遅延回路、パルス発生回路を備えている。クロック発生回路は、駆動信号の送信タイミングや送信周波数を決定するクロック信号を発生させる回路である。遅延回路は、駆動信号の送信タイミングを振動子毎に対応した個別経路毎に遅延時間を設定し、設定された遅延時間だけ駆動信号の送信を遅延させて送信超音波によって構成される送信ビームの集束を行うための回路である。パルス発生回路は、所定の周期で駆動信号としてのパルス信号を発生させるための回路である。上述のように構成された送信部102は、例えば、超音波探触子1bに配列された複数(例えば、192個)の振動子のうちの連続する一部(例えば、64個)を駆動して送信超音波を発生させる。そして、送信部102は、送信超音波を発生させる毎に駆動する振動子を方位方向にずらすことで走査(スキャン)を行う。
【0028】
受信部103は、制御部108の制御に従って、超音波探触子1bからケーブル1cを介して電気信号である受信信号を受信する回路である。受信部103は、例えば、増幅器、A/D(Analog to Digital)変換回路、整相加算回路を備えている。増幅器は、受信信号を、振動子毎に対応した個別経路毎に、予め設定された増幅率で増幅させるための回路である。A/D変換回路は、増幅された受信信号をA/D変換するための回路である。整相加算回路は、A/D変換された受信信号に対して、振動子毎に対応した個別経路毎に遅延時間を与えて時相を整え、これらを加算(整相加算)して音線データを生成するための回路である。
【0029】
画像生成部104は、制御部108の制御に従って、受信部103からの音線データに対して包絡線検波処理や対数増幅などを実施し、ダイナミックレンジやゲインの調整を行って輝度変換することにより、B(Brightness)モード画像データを生成する。すなわち、Bモード画像データは、受信信号の強さを輝度によって表したものである。画像生成部104は、Bモード画像データの他、A(Amplitude)モード画像データ、M(Motion)モード画像データ及びドプラ法による超音波画像データが生成できるものであってもよい。
【0030】
画像処理部105は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーによって構成された画像メモリー部105aを備える。画像処理部105は、制御部108の制御に従って、画像生成部104から出力されたBモード画像データをフレーム単位で画像メモリー部105aに記憶する。フレーム単位での画像データを超音波画像データ、あるいはフレーム画像データということがある。画像メモリー部105aに記憶されたフレーム画像データは、制御部108の制御に従って、DSC106に送信される。
【0031】
DSC106は、制御部108の制御に従って、画像処理部105より受信したフレーム画像データに座標変換などを施して画像信号に変換し、操作表示部107に出力する。
【0032】
操作表示部107は、表示部107aと、タッチ操作部としてのタッチパネル107bと、を備える。
表示部107aは、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electronic Luminescence)ディスプレイ、無機ELティスプレイ及びプラズマディスプレイなどの表示装置が適用可能である。表示部107aは、制御部108の制御に従って、DSC106から出力された画像信号に従って表示画面上に画像の表示を行う。
タッチパネル107bは、表示部107aの表示画面上に構成された透明電極を格子状に配置した感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネルであり、画面上を手指で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御部108に出力する。なお、タッチパネル107bは、感圧式に限定されるものではなく、静電容量方式など、他の方式としてもよい。
【0033】
制御部108は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えて構成され、ROMに記憶されているシステムプログラムなどの各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って超音波診断装置1の各部を制御する。ROMは、半導体などの不揮発メモリーなどにより構成され、超音波診断装置1に対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な、例えば、後述する、超音波検査処理として機能するための超音波検査プログラムなどの各種処理プログラムや、ガンマテーブルなどの各種データなどを記憶する。これらのプログラムは、コンピューターが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPUは、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。RAMは、CPUにより実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0034】
記憶部109は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量記録媒体によって構成されており、画像処理部105で生成された超音波画像データ、保存画像生成部111で生成された検査画像データなどを記憶する。
【0035】
通信部110は、LANアダプターを備え、LAN(Local Area Network)などのネットワークNを介して接続された各装置との間でデータの送受信を行う。通信部110は、例えば、ネットワークNを介してサーバー、記憶装置、プリンターなどに接続可能である。
【0036】
保存画像生成部111は、制御部108の制御に従って、画像処理部105で生成された超音波画像データに、後述する距離計測の計測結果情報、ボディマーク、アノテーション、患者情報などが重畳された保存画像データとしての検査画像データを生成して記憶部109に記憶する。保存画像生成部111で生成された検査画像データは、通信部110を介して、ネットワークN上の記憶装置に送信されて記憶されたり、ネットワークN上のプリンターに送信されて印刷されることとしてもよい。
【0037】
超音波診断装置1が備える各部について、各々の機能ブロックの一部又は全部の機能は、集積回路などのハードウェア回路として実現することができる。集積回路とは、例えばLSI(Large Scale Integration)であり、LSIは集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)やLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。また、各々の機能ブロックの一部又は全部の機能をソフトウェアにより実行するようにしてもよい。この場合、このソフトウェアは一つ又はそれ以上のROMなどの記憶媒体、光ディスク、又はハードディスクなどに記憶されており、このソフトウェアが演算処理器により実行される。
【0038】
次に、
図3〜
図8(c)を参照して、超音波診断装置1の動作を説明する。
図3は、超音波検査処理を示すフローチャートである。
図4は、第1の計測処理を示すフローチャートである。
図5は、計測修正処理を示すフローチャートである。
図6(a)は、表示画面200Aを示す図である。
図6(b)は、表示画面200Bを示す図である。
図6(c)は、表示画面200Cを示す図である。
図6(d)は、表示画面200Dを示す図である。
図7は、表示画面200B1を示す図である。
図8(a)は、表示画面200Eを示す図である。
図8(b)は、表示画面200Fを示す図である。
図8(c)は、表示画面200Gを示す図である。
【0039】
超音波診断装置1において実行される超音波検査処理を説明する。超音波検査処理は、被検体としての患者をスキャンし超音波画像データを表示するとともに、被検体の特徴量として、計測対象物としての病変部の長さ(距離)を計測し、計測結果情報などを含む超音波画像データを保存する処理である。計測対象物としては、被検体の臓器など、病変部以外のものとしてもよい。
【0040】
予め、医療機関の診察室に超音波診断装置1が配置され、患者と、医師、技師などの操作者とが診察室に入室されている。超音波診断装置1において、例えば、操作入力部101を介して操作者から超音波検査処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、制御部108のCPUは、ROMに記憶された超音波検査プログラムに従い、超音波検査処理を実行する。
【0041】
図3に示すように、先ず、制御部108は、操作入力部101又はタッチパネル107bを介して、操作者からの被検体の患者ID、患者名などの患者情報の入力を受け付ける(ステップS11)。ステップS11の患者情報入力が完了すると、操作者は、超音波探触子1bを手に持ち被検体の検査部位に当ててスキャンを開始させ、操作入力部101又はタッチパネル107bを介して、超音波診断モード(ここでは、Bモードとする)及び超音波画像表示フォーマットの設定情報を入力する。そして、制御部108は、入力された設定情報に応じて、送信部102に駆動信号を生成させ、駆動信号を超音波探触子1bに入力させて超音波を送信させ、受信部103に超音波探触子1bで受信された被検体からの反射超音波(エコー)に応じた受信信号を受信させ、受信信号に応じて画像生成部104に超音波画像データ(Bモード画像データ)を生成させ、画像処理部105、DSC106を介して、表示部107aに表示させることにより、スキャンを開始する(ステップS12)。ステップS12以後、超音波画像(Bモード画像)が表示部107aにリアルタイム(ライブ)表示される。
【0042】
そして、制御部108は、操作入力部101又はタッチパネル107bを介して、操作者から必要に応じた画像表示パラメーターの入力を受け付け、入力された画像表示パラメーターに応じて、超音波診断装置本体1aの超音波画像表示のための各部を調整する(ステップS13)。画像表示パラメーターは、表示深度、ゲインなどがある。
【0043】
ステップS13の後、操作者は、超音波探触子1bの走査を行いながら取得したい超音波画像が表示された状態で、操作入力部101の操作によって超音波画像のフリーズ指示を入力する。制御部108は、操作入力部101又はタッチパネル107bを介して、操作者から超音波画像のフリーズ指示の入力を受け付け、入力されたフリーズ指示に応じて、超音波診断装置本体1aの超音波画像のフリーズ表示のため各部を制御し、フリーズされた超音波画像データを表示部107aに表示する(ステップS14)。
【0044】
そして、制御部108は、被検体の病変などの計測対象物の長さの計測を行う第1の計測処理を実行する(ステップS15)。第1の計測処理は、例えば、一般的に多く用いられる長さの計測として、移動操作要素としての始点と終点とのカーソルの位置を設定することでそれら2点の間の直線距離を算出する2点間直線計測を行う処理とする。
【0045】
ここで、
図4を参照して、ステップS15の第1の計測処理を説明する。
図4に示すように、先ず、制御部108は、超音波検査用の初期表示画面を表示部107aに表示させ、タッチパネル107bを介して、操作者から計測ボタンB1のタップ入力を受け付ける(ステップS31)。初期の表示画面は、少なくとも、ステップS14でフリーズされた超音波画像データによる超音波画像と、計測ボタンと、を含む。例えば、
図6(a)に示す表示画面200Aが表示される。表示画面200Aは、検査情報I1と、超音波画像F1と、計測ボタンB1と、を含む。検査情報I1は、検査IDを含む。超音波画像F1は、概略図としている。計測ボタンB1は、計測開始のタップ入力を受け付けるボタンである。
【0046】
そして、制御部108は、計測の始点に対応する仮の始点カーソルなどを表示部107aに表示する(ステップS32)。ステップS32では、例えば、
図6(b)に示す表示画面200Bが表示される。表示画面200Bは、表示画面200Aにおいて、計測ボタンB1のタップ入力に応じて、計測ボタンB1が消去され、始点カーソルC1と、確定ボタンB2とが、さらに表示された表示画面である。確定ボタンB2は、始点カーソル又は終点カーソルの位置設定の確定のタップ入力を受け付けるボタンである。
【0047】
そして、制御部108は、タッチパネル107bを介して、操作者から、表示画面の始点カーソルを除いた超音波画像を含む領域へのタッチ入力を受け付け、タッチを検出したか否かを判別する(ステップS33)。操作者は、表示画面200Bに示すように、手Hの指を、始点カーソルC1を除いた超音波画像F1を含む領域の任意の位置としてのタッチ位置T1にタッチし、タッチを継続してスライドすることで、始点カーソルC1との相対位置関係を保ちつつ始点カーソルC1を移動させることができる。
【0048】
タッチを検出しない場合(ステップS33;NO)、ステップS33に移行される。タッチを検出した場合(ステップS33;YES)、制御部108は、タッチパネル107bを介する操作者からのタッチ入力により、タッチを継続(スライド入力)しているか否かを判別する(ステップS34)。
【0049】
タッチを継続している場合(ステップS34;YES)、制御部108は、タッチパネル107bを介する操作者からのスライド入力に応じて、始点カーソルの位置と操作者の手の指のタッチ位置との相対位置関係を保つように、始点カーソルC1を移動し(ステップS35)、ステップS34に移行する。
【0050】
操作者の手Hの指が表示画面から離れ、タッチが継続していない場合(ステップS34;NO)、制御部108は、タッチパネル107bを介して操作者から確定ボタンB2のタップ入力を受け付け、確定ボタンB2がタップされたか否かを判別する(ステップS36)。確定ボタンB2がタップされていない場合(ステップS36;NO)、ステップS33に移行される。確定ボタンB2がタップされた場合(ステップS36;YES)、制御部108は、始点カーソルの位置を確定し、計測の終点に対応する仮の終点カーソルを表示部107aに表示する(ステップS37)。ステップS37では、例えば、
図6(c)に示す表示画面200Cが表示される。表示画面200Cは、移動後の始点カーソルC1を含む表示画面200Bに、終点カーソルC2が追加されている。
【0051】
そして、制御部108は、タッチパネル107bを介して、操作者から、表示画面の終点カーソルを除いた超音波画像を含む領域へのタッチ入力を受け付け、タッチを検出したか否かを判別する(ステップS38)。操作者は、表示画面200Cに示すように、手Hの指を、終点カーソルC2を除いた超音波画像F1を含む領域の任意の位置としてのタッチ位置T2にタッチし、タッチを継続してスライドすることで、終点カーソルC2との相対位置関係を保ちつつ終点カーソルC2を移動させることができる。
【0052】
タッチを検出しない場合(ステップS38;NO)、ステップS38に移行される。タッチを検出した場合(ステップS38;YES)、制御部108は、タッチパネル107bを介する操作者からのタッチ入力により、タッチを継続しているか否かを判別する(ステップS39)。
【0053】
タッチを継続している場合(ステップS39;YES)、制御部108は、タッチパネル107bを介する操作者からのスライド入力に応じて、終点カーソルの位置と操作者の手の指のタッチ位置との相対位置関係を保つように、終点カーソルC2を移動し(ステップS40)、ステップS39に移行する。
【0054】
操作者の手Hの指が表示画面から離れ、タッチが継続していない場合(ステップS39;NO)、制御部108は、タッチパネル107bを介して操作者から確定ボタンB2のタップ入力を受け付け、確定ボタンB2がタップされたか否かを判別する(ステップS41)。確定ボタンB2がタップされていない場合(ステップS41;NO)、ステップS38に移行される。
【0055】
確定ボタンB2がタップされた場合(ステップS41;YES)、制御部108は、終点カーソルの位置を確定し、始点カーソルと終点カーソルとの間の直線距離を算出し、算出した直線距離を計測結果情報として表示部107aに表示し(ステップS42)、第1の計測処理を終了する。ステップS42では、例えば、
図6(d)に示す表示画面200Dが表示される。表示画面200Dは、表示画面200Cにおいて、確定ボタンB2のタップ入力に応じて、始点カーソルC1及び終点カーソルC2の位置が確定され、確定ボタンB2が消去されるとともに、始点カーソルC1及び終点カーソルC2を結ぶ直線部L1と、直線部L1の長さである計測結果情報Rと、がさらに表示され、計測ボタンB1が再表示された表示画面である。
【0056】
なお、ステップS32において、表示画面200Bに代えて、
図7に示す表示画面200B1が表示される構成としてもよい。表示画面200B1は、表示画面200Bと同様であるが、操作者の手Hの指によるタッチ位置T3と、始点カーソルC1との間に、タッチ位置T3と始点カーソルC1の位置とを関連付けるための表示要素としての直線部L0が表示されている。つまり、操作者の手Hの指によるタッチ位置T3が移動したとしても、タッチ位置T3と始点カーソルC1との相対位置が変化しないため、直線部L0の長さ及び傾きが変化することなく、始点カーソルC1も移動される。なお、ステップS37においても、操作者の手Hの指によるタッチ位置と、終点カーソルC2の位置との間に、直線部L0が表示される構成としてもよい。また、タッチ位置とカーソルの位置とを関連付けるための表示要素は、直線部に限定されるものではなく、矢印など、他の形状としてもよい。
【0057】
図3に戻り、ステップS15の後、制御部108は、操作入力部101又はタッチパネル107bを介して、操作者からステップS15の計測を修正する計測修正の指示の入力を受け付け、当該入力に応じて計測修正の指示が入力されたか否かを判別する(ステップS16)。計測修正の指示が入力された場合(ステップS16;YES)、制御部108は、ステップS15の計測を修正する計測修正処理を実行する(ステップS17)。
【0058】
ここで、
図5を参照して、ステップS17の計測修正処理を説明する。
図5に示すように、先ず、制御部108は、タッチパネル107bを介して、操作者から、表示画面の始点カーソル、終点カーソルを除いた超音波画像を含む領域へのタッチ入力を受け付け、タッチを検出したか否かを判別する(ステップS51)。タッチを検出していない場合(ステップS51;NO)、ステップS51に移行される。
【0059】
タッチを検出した場合(ステップS51;YES)、制御部108は、ステップS51で入力されたタッチ位置に最近傍の始点カーソル又は終点カーソルを制御対象カーソルとして検出する(ステップS52)。ステップS52では、例えば、ステップS15が2回実行された後として、
図8(a)に示す表示画面200Eが表示される。表示画面200Eは、検査情報I1と、超音波画像F1と、1回目の計測で表示された始点カーソルC11、終点カーソルC12、直線部L11、計測結果情報R1と、2回目の計測で表示された始点カーソルC21、終点カーソルC22、直線部L21、計測結果情報R2と、を含む。
【0060】
操作者により、表示画面200Eに示すように、手Hの指が、始点カーソルC11,C21、終点カーソルC12,C22を除いた超音波画像F1を含む領域の任意の位置としてのタッチ位置T11にタッチされ、タッチ位置T11の最近傍の始点カーソルC11が制御対象カーソルとして検出され、例えばアクティブ表示される。
【0061】
そして、制御部108は、タッチパネル107bを介する操作者からのタッチ入力により、タッチを継続(スライド入力)しているか否かを判別する(ステップS53)。タッチを継続している場合(ステップS53;YES)、制御部108は、タッチパネル107bを介する操作者からのスライド入力に応じて、制御対象カーソルの位置と操作者の手の指のタッチ位置との相対位置関係を保つように、制御対象カーソルを移動し(ステップS54)、ステップS53に移行する。ステップS54では、例えば、
図8(b)に示す表示画面200Fが表示される。表示画面200Fは、表示画面200Eにおいて、操作者の手Hの指によるタッチを継続してスライドすることで、制御対象カーソルとしての始点カーソルC11の位置とタッチ位置T11との相対位置関係を保ちつつ始点カーソルC11が移動されている。
【0062】
タッチを継続していない(指が離された)場合(ステップS53;NO)、制御部108は、制御部108は、ステップS54で移動された制御対象カーソルの位置を確定する(ステップS55)。そして、制御部108は、ステップS55で確定した制御対象カーソルと制御対象カーソルに対応する(始点又は終点が反対側の)カーソル(始点カーソル又は終点カーソル)との間の直線距離を算出し、算出した直線距離を計測結果情報として表示部107aに更新表示し(ステップS56)、計測修正処理を終了する。ステップS56では、例えば、
図8(c)に示す表示画面200Gが表示される。表示画面200Gは、表示画面200Fにおいて制御対象カーソルとしての始点カーソルC11が移動及び確定され、始点カーソルC11とこれに対応する終点カーソルC12との間の距離の計測結果情報R1が「10mm」→「5mm」に更新されていることを示す。
【0063】
図3に戻り、制御部108は、タッチパネル107bを介して、操作者からステップS15の第1の計測処理を再度行うことを指示するための計測ボタンB1のタップ入力を受け付け、計測ボタンB1がタップされたか否かを判別する(ステップS18)。計測修正の指示が入力されていない場合(ステップS16;NO)、ステップS18に移行される。計測ボタンB1がタップされた場合(ステップS18;YES)、第1の計測処理を再度行うため、ステップS32に移行される。
【0064】
計測ボタンB1がタップされていない場合(ステップS18;NO)、第1の計測処理及びその計測修正処理が終了され、制御部108は、操作入力部101を介して、操作者からのボディマークの入力を受け付ける(ステップS19)。ボディマークとは、超音波画像データにおいて、被検体の超音波画像取得部位(スキャン部位、観測部位)や、スキャンの際の超音波探触子1b位置に関する情報を示すため操作者に設定されるマークであり、表示画面の超音波画像又はそれ以外の領域に重畳される。
【0065】
そして、制御部108は、操作入力部101を介して、操作者からのアノテーションの入力を受け付ける(ステップS20)。アノテーションとは、超音波画像データにおいて、被検体の超音波画像に関するテキスト情報であり、キーボード入力された任意の文字、又は予め準備され選択入力される予約語の文字列であり、表示画面の超音波画像又はそれ以外の領域に重畳される。
【0066】
そして、制御部108は、ステップS14でフリーズされた超音波画像データを画像処理部105から取得し、保存画像生成部111により、取得した超音波画像データに、ステップS15で計測された又はステップS17で修正された始点カーソル、終点カーソル、直線部及び計測結果情報と、ステップS19で入力されたボディマークと、ステップS20で入力されたアノテーションと、ステップS11で入力された患者情報、検査情報などと、を重畳した検査画像データを生成させ、記憶部109に保存させる(ステップS21)。
【0067】
そして、制御部108は、ステップS14でのフリーズを解除し、超音波診断装置本体1aの超音波画像のフリーズ解除表示のため各部を制御し、被検体の超音波画像をリアルタイム表示させる(ステップS22)。そして、操作入力部101を介して、操作者からの検査終了の指示の入力を受け付け、検査終了の指示が入力されたか否かを判別する(ステップS23)。検査終了の指示が入力されていない場合(ステップS23;NO)、ステップS12に移行される。検査終了の指示が入力された場合(ステップS23;YES)、超音波検査処理が終了する。ステップS12〜S23を繰り返すことにより、1人の患者の複数の検査画像データが保存される。
【0068】
以上、本実施の形態によれば、超音波診断装置1は、超音波画像を表示する表示部107aの表示画面へのタッチ入力を受け付けるタッチパネル107bと、表示画面に表示された始点カーソル、終点カーソルを除いた超音波画像を含む領域へのタッチ入力に応じて、始点カーソル、終点カーソルを移動させる制御部108と、を備える。
【0069】
このため、始点カーソル、終点カーソルを直接タッチしないので、始点カーソル、終点カーソルが指に隠れることがなく、正確な位置に始点カーソル、終点カーソルを移動でき、タッチ操作という直感的操作を損なわず(上下左右矢印ボタン押下による操作だと直感的でない)、始点カーソル、終点カーソルに対して操作者の好みの操作位置にてタッチ操作制御が可能である(タッチパッドなどの固定領域ではない)。よって、所望の位置へのタッチによる直感的な操作により、始点カーソル及び終点カーソルの移動の操作性及び精度を向上できる。
【0070】
また、制御部108は、始点カーソル、終点カーソルを除いた超音波画像を含む領域へのスライド入力に応じて、当該始点カーソル、終点カーソルの位置とタッチ位置との相対位置関係を保ったまま当該始点カーソル、終点カーソルを移動させる。このため、操作者の操作に応じて、始点カーソル及び終点カーソルの移動の操作性及び精度をさらに向上できる。
【0071】
また、制御部108は、表示画面に表示された複数の始点カーソル、終点カーソルを除いた超音波画像を含む領域への第1のタッチ入力に応じて、タッチ位置に対応する位置(最近傍)の始点カーソル、終点カーソルを制御対象として検出し、第1のタッチ入力に続く第2のタッチ入力に応じて、当該制御対象の始点カーソル、終点カーソルを移動させる。このため、複数のカーソルから、所望のカーソルを容易に選択でき、移動させることができる。なお、タッチ位置に対応する位置とは、タッチ位置の最近傍に限定されるものではなく、タッチ位置から所定距離や所定方向にある位置など、タッチ位置に対応する他の位置としてもよい。
【0072】
また、制御部108は、始点カーソル又は終点カーソルとタッチ入力に応じたタッチ位置とを関連付ける直線部L0を表示部107aに表示させる。このため、操作者が、制御対象カーソルがどこにあるかを視覚的に容易かつ明確に認識できる。
【0073】
また、制御部108は、始点カーソル、終点カーソルの位置に応じて、超音波画像の計測対象物の長さを算出する。このため、始点カーソル、終点カーソルの位置に応じて、被検体の計測対象物の長さを容易かつ精度よく得ることができる。
【0074】
また、制御部108は、移動開始前の所定操作としての計測ボタンのタップ入力に応じて、始点カーソル、終点カーソルを表示部107aに表示させる。このため、操作者が、仮のカーソルの位置を参考にして、所望の位置にタッチ入力できる。
【0075】
(第2の実施の形態)
図9〜
図11(c)を参照して、本発明に係る第2の実施の形態を説明する。本実施の形態の装置構成として、第1の実施の形態と同様に、超音波診断装置1を用いるものとする。但し、超音波診断装置1の制御部108のROMには、超音波検査プログラムとして、
図3のステップS15の第1の計測処理を後述する第2の計測処理に代えたものが記憶されているものとする。
【0076】
次に、
図9〜
図11(c)を参照して、超音波診断装置1の動作を説明する。
図9は、第2の計測処理を示すフローチャートである。
図10(a)は、表示画面300Aを示す図である。
図10(b)は、表示画面300Bを示す図である。
図10(c)は、表示画面300Cを示す図である。
図10(d)は、表示画面300Dを示す図である。
図11(a)は、表示画面300Eを示す図である。
図11(b)は、表示画面300Fを示す図である。
図11(c)は、表示画面300Gを示す図である。
【0077】
ここでは、説明の重複を避けるため、超音波診断装置1で実行される超音波検査処理のうち、上記のように第1の計測処理に代えた第2の計測処理について説明する。
図9に示すように、先ず、ステップS61は、第1の計測処理のステップS31と同様である。ステップS61では、例えば、
図10(a)に示す表示画面300Aが表示される。表示画面300Aは、検査情報I1と、超音波画像F1と、計測ボタンB1と、を含む。
【0078】
そして、制御部108は、位置が確定していない仮の始点カーソル、終点カーソル及びこれらの間の直線部などを表示部107aに表示する(ステップS62)。ステップS62では、例えば、
図10(b)に示す表示画面300Bが表示される。表示画面300Bは、表示画面300Aに、キャリパー棒としての始点カーソルC31、終点カーソルC32及び直線部L31と、確定ボタンB2と、が追加されている。直線部L31は、始点カーソルC31と終点カーソルC32との間を結ぶ直線部である。
【0079】
そして、制御部108は、タッチパネル107bを介して操作者から確定ボタンB2のタップ入力を受け付け、確定ボタンB2がタップされたか否かを判別する(ステップS63)。確定ボタンB2がタップされていない場合(ステップS63;NO)、制御部108は、タッチパネル107bを介して、操作者から、表示画面の始点カーソルC31、終点カーソルC32を除いた超音波画像F1を含む領域へのタッチ入力を受け付け、タッチを検出したか否かを判別する(ステップS64)。操作者は、表示画面300Bに示すように、手Hの指を、始点カーソルC31、終点カーソルC32を除いた超音波画像F1を含む領域の直線部L31にタッチし、タッチを継続してスライドすることで、直線部L31を平行移動できる。また、操作者は、手Hの指を、始点カーソルC31、終点カーソルC32を除いた超音波画像F1を含む領域の直線部L31以外の位置にタッチし、タッチを継続してスライドすることで、最近傍の制御点(始点カーソルC31又は終点カーソルC32)を移動できる。
【0080】
タッチを検出していない場合(ステップS64;NO)、ステップS63に移行される。タッチを検出した場合(ステップS64;YES)、制御部108は、ステップS64で表示中の直線部がタッチされたか否かを判別する(ステップS65)。直線部がタッチされた場合(ステップS65;YES)、制御部108は、タッチパネル107bを介する操作者からのタッチ入力により、タッチを継続(スライド入力)しているか否かを判別する(ステップS66)。
【0081】
タッチを継続している場合(ステップS66;YES)、制御部108は、タッチパネル107bを介する操作者からのスライド入力に応じて、直線部を平行移動し(ステップS67)、ステップS66に移行する。ステップS67において、例えば、表示画面300Bに示すように、操作者の手Hの指の直線部L31へのスライド入力により、直線部L31が平行移動される。タッチを継続していない(指が離れた)場合(ステップS66;NO)、ステップS63に移行される。
【0082】
直線部がタッチされていない場合(ステップS65;NO)、制御部108は、ステップS64で入力されたタッチ位置に最近傍の始点カーソル又は終点カーソルを制御対象カーソルとして検出する(ステップS68)。ステップS68では、例えば、
図10(c)に示す表示画面300Cが表示される。表示画面300Cは、表示画面300Bにおいて直線部L31が位置確定した後に、操作者の手Hの指がタッチ位置T31にタッチされたことを示す。
【0083】
操作者により、表示画面300Cに示すように、手Hの指が、始点カーソルC31、終点カーソルC32を除いた超音波画像F1を含む領域の任意の位置としてのタッチ位置T31にタッチされ、タッチ位置T31の最近傍の始点カーソルC31が制御対象カーソルとして検出され、例えばアクティブ表示される。
【0084】
そして、制御部108は、タッチパネル107bを介する操作者からのタッチ入力により、タッチを継続(スライド入力)しているか否かを判別する(ステップS69)。タッチを継続している場合(ステップS69;YES)、制御部108は、タッチパネル107bを介する操作者からのスライド入力に応じて、制御対象カーソルの位置と操作者の手Hの指のタッチ位置との相対位置関係を保つように、制御対象カーソルを移動し(ステップS70)、ステップS69に移行する。ステップS70では、例えば、表示画面300Cが表示され、表示画面300Cにおいて、操作者の手Hの指によるタッチを継続してスライドすることで、制御対象カーソルとしての始点カーソルC31の位置とタッチ位置T11との相対位置関係を保ちつつ始点カーソルC31が移動されている。
【0085】
タッチを継続していない場合(ステップS69;NO)、ステップS63に移行される。このように、ステップS63〜S70により、一方の制御対象カーソル(始点カーソルC31)が位置設定され、さらに必要に応じて、ステップS63〜S70を繰り返すことにより、対応するもう一方の制御対象カーソル(終点カーソルC32)も位置設定される。このとき、例えば、
図10(d)に示す表示画面300Dが表示される。表示画面300Dは、表示画面300Cにおける始点カーソルC31及び終点カーソルC32が位置設定され、操作者の手Hにより、確定ボタンB2のタップ入力が受け付けられている。
【0086】
確定ボタンB2がタップされた場合(ステップS63;YES)、制御部108は、始点カーソルC31と終点カーソルC32との位置を確定し、確定した始点カーソルC31と終点カーソルC32との間の直線距離を算出し、算出した直線距離を計測結果情報として表示部107aに表示し(ステップS71)、第2の計測処理を終了する。ステップS71で表示される表示画面は、表示画面300Dにおいて、確定ボタンB2のタップ入力に応じて、始点カーソルC31及び終点カーソルC32の位置が確定され、確定ボタンB2が消去されるとともに、始点カーソルC31及び終点カーソルC32を結ぶ直線部L31と、直線部L31の長さである計測結果情報と、がさらに表示され、計測ボタンB1が再表示された表示画面である。
【0087】
なお、超音波検査処理のステップS17の計測修正処理を、
図5の計測修正処理とすることとしてもよく、以下に示す変形例としての計測修正処理とすることとしてもよい。例えば、ステップS17の前に、
図11(a)に示す表示画面300Eが表示されているものとする。表示画面300Eは、検査情報I1と、超音波画像F1と、1回目の計測で表示された始点カーソルC41、終点カーソルC42、直線部L41、計測結果情報R4と、2回目の計測で表示された始点カーソルC51、終点カーソルC52、直線部L51、計測結果情報R5と、を含む。
【0088】
操作者により、表示画面300Eに示すように、手Hの指が、始点カーソルC41,C51、終点カーソルC42,C52を除いた超音波画像F1を含む領域の直線部L41がタッチ入力される。変形例の計測修正処理では、
図9のステップS63〜S67と同様のステップが実行され、操作者のスライド入力により直線部L41が平行移動される。その後は、
図5の計測修正処理と同様のステップが実行される。
【0089】
例えば、
図11(b)に示す表示画面300Fが表示される。表示画面300Fは、表示画面300Eの直線部L41の位置設定後、操作者の手Hの指により、タッチ位置T41にタッチ入力されている。ここでは、タッチされた直線部L41に対応する始点カーソルC41、終点カーソルC42のうち、タッチ位置T41の最近傍の始点カーソルC41が制御対象カーソルとされる。但し、全てのカーソル(例えば、始点カーソルC41,C51、終点カーソルC42,C52)のうち、タッチ位置の最近傍のカーソルが制御対象カーソルとされる構成としてもよい。
【0090】
そして、操作者によるタッチを継続してスライドすることで、制御対象カーソルとしての始点カーソルC41の位置とタッチ位置T41との相対位置関係を保ちつつ始点カーソルC41が移動される。そして、例えば、
図11(c)に示す表示画面300Gが表示される。表示画面300Gは、表示画面300Fにおいて制御対象カーソルとしての始点カーソルC41が移動及び確定され、始点カーソルC41とこれに対応する終点カーソルC42との間の距離の計測結果情報R4が「10mm」→「5mm」に更新されていることを示す。
また、計測ボタンB1がタップされた場合(ステップS18;YES)、ステップS62に移行される。
【0091】
以上、本実施の形態によれば、制御部108は、移動開始前の所定操作としての計測ボタンのタップ入力に応じて、超音波画像の計測対象物の長さの算出に用いる全て(1組)の始点カーソル及び終点カーソルを表示部107aに表示させる。このため、計測対象物の長さの算出に必要な始点カーソル及び終点カーソルを予め目視により認識できる。
【0092】
(第3の実施の形態)
図12〜
図14(c)を参照して、本発明に係る第3の実施の形態を説明する。本実施の形態の装置構成として、第1の実施の形態と同様に、超音波診断装置1を用いるものとする。但し、超音波診断装置1の制御部108のROMには、超音波検査プログラムとして、
図3のステップS15の第1の計測処理を後述する第3の計測処理に代えたものが記憶されているものとする。
【0093】
次に、
図12〜
図14(c)を参照して、超音波診断装置1の動作を説明する。
図12は、第3の計測処理を示すフローチャートである。
図13(a)は、表示画面400Aを示す図である。
図13(b)は、表示画面400Bを示す図である。
図13(c)は、表示画面400Cを示す図である。
図13(d)は、表示画面400Dを示す図である。
図14(a)は、始点カーソルC61、終点カーソルC62及び直線部L61を示す図である。
図14(b)は、終点カーソルC62にタッチをした後の状態を示す図である。
図14(c)は、終点カーソルC62をスライド移動した状態を示す図である。
【0094】
ここでは、説明の重複を避けるため、超音波診断装置1で実行される超音波検査処理のうち、上記のように第1の計測処理に代えた第3の計測処理について説明する。
図12に示すように、先ず、ステップS81,S82は、
図9の第2の計測処理のステップS61,S62と同様である。ステップS82では、例えば、
図13(a)に示す表示画面400Aが表示される。表示画面400Aは、検査情報I1と、超音波画像F1と、計測ボタンB1と、を含む。
【0095】
ステップS82の後、制御部108は、最後のタッチ操作から予め設定された規定時間が経過したか否かを判別する(ステップS83)。規定時間が経過していない場合(ステップS83;NO)、ステップS84に移行される。ステップS84〜S87は、第2の計測処理のステップS64〜S67と同様である。
【0096】
また、ステップS84〜S87では、例えば、
図13(b)に示す表示画面400Bが表示される。表示画面400Bは、表示画面400Aにおいて、計測ボタンB1のタップに応じて、計測ボタンB1が消去され、キャリパー棒としての始点カーソルC61、終点カーソルC62及び直線部L62がさらに表示された表示画面である。操作者は、表示画面400Bに示すように、手Hの指を、始点カーソルC61、終点カーソルC62を除いた超音波画像F1を含む領域の直線部L61にタッチし、タッチを継続してスライドすることで、直線部L61を平行移動できる。例えば、直線部L61の平行移動により、始点カーソルC61を操作者の所望の位置に位置合わせする。
【0097】
直線部がタッチされていない場合(ステップS85;NO)、制御部108は、ステップS84で、始点カーソル又は終点カーソルがタッチされたか否かを判別する(ステップS88)。始点カーソル又は終点カーソルがタッチされていない場合(ステップS88;NO)、ステップS83に移行される。
【0098】
始点カーソル又は終点カーソルがタッチされた場合(ステップS88;YES)、制御部108は、ステップS84でタッチされた始点カーソル又は終点カーソルを制御対象カーソルとして操作者の手Hの指に隠れない位置へ移動する(ステップS89)。ここで、
図14(a)、(b)を参照して、ステップS89の動作の一例を説明する。
【0099】
先ず、
図14(a)に示すように、ステップS85;NOの時点で、始点カーソルC61、終点カーソルC62及びその間の直線部L62が表示されているものとする。そして、操作者の手Hの指により、終点カーソルC62(位置T62とする)がタッチ入力されたものとし、ステップS88;YESを介して、ステップS89へ移行される。すると、タッチされた終点カーソルC62が、対応する始点カーソルC61側へ移動されて手Hの指に隠されなくなり、実線の直線部L61も短くなる。また、手Hの指のタッチ位置と移動後の終点カーソルC62との間に、点線の直線部L62が表示される。このようにして、ステップS89では、例えば、
図13(c)に示す表示画面400Cが表示される。表示画面400Cでは、表示画面400Bの終点カーソルC62がタッチされ始点カーソルC61側へ移動され、直線部L62も含まれている。
【0100】
ステップS90,S91は、第2の計測処理のステップS69,S70と同様である。ステップS90,S91により、例えば、
図14(c)に示すように、操作者の手Hの指の始点カーソルC61の反対側へのスライド入力により、終点カーソルC62が、手Hの指のタッチ位置と相対位置関係(所定距離)を保ったまま、始点カーソルC61の反対側へ移動される。
【0101】
規定時間が経過された場合(ステップS83;YES)、ステップS92に移行され、第3の計測処理が終了する。ステップS92は、第2の計測処理のステップS71と同様である。ステップS83において、例えば、
図13(d)に示す表示画面400Dが表示される。表示画面400Dは、表示画面400Cにおいて、始点カーソルC61及び終点カーソルC62の位置が確定され、確定ボタンB2が消去されるとともに、始点カーソルC61及び終点カーソルC62を結ぶ直線部L61と、直線部L61の長さである計測結果情報R6とが、さらに表示され、計測ボタンB1が再表示された表示画面である。手Hの指が離されたことに応じて、直線部L62も削除されている。この状態で待機することにより、規定時間が経過され、ステップS92が実行される。
また、計測ボタンB1がタップされた場合(ステップS18;YES)、ステップS82に移行される。
【0102】
以上、本実施の形態によれば、制御部108は、始点カーソル又は終点カーソルへタッチ入力がなされた場合に、当該始点カーソル又は終点カーソルが操作者の手Hの指に隠れない位置に当該始点カーソル又は終点カーソルを移動する。このため、カーソルを直接タッチするという直感的操作感を使って正確なカーソル位置移動が可能であるとともに、カーソルが手Hの指に隠れることにより操作者がカーソルを目視により確認できず操作性が低下することを防ぐことができる。
【0103】
また、制御部108は、始点カーソル又は終点カーソルへのタッチ入力に続くスライド入力に応じて、操作者の手Hの指に隠れない位置への移動後の始点カーソル又は終点カーソルの位置とタッチ位置との相対位置関係を保ったまま当該始点カーソル又は終点カーソルを移動させる。このため、操作者の操作に応じて、始点カーソル及び終点カーソルの移動の操作性及び精度をさらに向上できる。
【0104】
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る好適な超音波診断装置の一例であり、これに限定されるものではない。例えば、上記各実施の形態の少なくとも2つを適宜組み合わせる構成としてもよい。
【0105】
また、上記各実施の形態では、操作元としての操作者の手Hの指によりタッチ入力を行う構成としたが、これに限定されるものではない。操作者により操作されるタッチペンなど、他の操作元によりタッチ入力を行う構成としてもよい。
【0106】
また、上記各実施の形態では、移動操作要素としての始点カーソル、終点カーソルを移動させ、移動した始点カーソル及び終点カーソルの間の直線距離を計測する構成としたが、これに限定されるものではない。計測として、トレース計測など、他の計測を行う構成としてもよい。トレース計測は、被検体の臓器などの計測対象物の輪郭を自動的になぞって囲む入力を行うことにより、囲まれたトレース線の面積や、トレース線を含む計測対象物の体積などの特徴量を算出して計測する処理である。
【0107】
例えば、
図15(a)に示すように、超音波診断装置が、表示画面500Aに示すように、トレース線TR1を用いて計測を行う構成としてもよい。
図15(a)は、表示画面500Aを示す図である。
図15(b)は、表示画面500Bを示す図である。
【0108】
表示画面500Aは、検査情報I1と、超音波画像F1と、トレース線TR1を含む。トレース線TR1は、計測対象物が自動トレースにより囲まれた閉曲線であり、表示画面上で移動可能である。自動トレースによって生成されたトレース線TR1は複数の点からなるので、直線計測と同じように操作者の手Hのタッチ入力でタッチ位置T71に最近傍の点P1が移動操作要素である制御対象点として検出される。手Hの指のスライド入力に応じて、点P1とタッチ位置とが相対位置関係を保つように、トレース線TR1を移動させる。例えば、
図15(b)に示す表示画面500Bが表示される。表示画面500Bには、移動後のトレース線TR1が含まれる。このように、実施の形態の直線計測と同等の操作により、自動トレースの結果(トレース線)を微修正できる。また、移動される移動操作要素としては、始点カーソル、終点カーソルなどのカーソル、トレース線に限定されるものではなく、タッチ操作により表示画面上で移動が可能な他の移動操作要素としてもよい。
【0109】
また、上記各実施の形態では、超音波診断装置1において、表示画面上の医用画像(医療画像)として超音波画像を含む領域上の移動操作要素(カーソル)を移動する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、放射線画像、内視鏡画像、サーモグラフィ、医用写真、顕微鏡画像など、他の医用画像を表示する医用画像表示装置において、表示画面上の当該医用画像を含む領域上の移動操作要素を移動する構成に適用することとしてもよい。
【0110】
また、移動操作要素としてのカーソルの移動操作は、スライド入力に限定されるものではなく、移動前の点及び移動後の点の2点のタップ入力など、他のタッチ入力としてもよい。
【0111】
また、上記各実施の形態では、静止画像データとしての検査画像データを生成及び保存する構成としたが、これに限定されるものではない。上記実施の形態と同じようなタッチ入力の操作による移動操作要素の移動を行い、被検体の動画データを生成及び保存する構成としてもよい。
また、上記各実施の形態では、操作者によるスライド入力に応じて、制御対象カーソル(始点カーソル又は終点カーソル)の位置と、操作者の手の指のタッチ位置と、が相対位置関係を保ったまま制御対象カーソルを移動させる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、操作者のスライド入力による手の指の移動量と、制御対象カーソルの移動量とが異なる構成としてもよい。より具体的には、操作者のスライド入力による手の指の移動量を、制御対象カーソルの移動量よりも大きくする構成とすれば、制御対象カーソルの移動量の位置の微調整を容易に行うことができる。
【0112】
また、以上の実施の形態における超音波診断装置1を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。