特許第6794925号(P6794925)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6794925
(24)【登録日】2020年11月16日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/60 20190101AFI20201119BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20201119BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20201119BHJP
【FI】
   G06F16/60
   G06Q10/00
   G10L15/00 200U
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-105621(P2017-105621)
(22)【出願日】2017年5月29日
(65)【公開番号】特開2018-200617(P2018-200617A)
(43)【公開日】2018年12月20日
【審査請求日】2019年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】大橋 陽
【審査官】 三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−020460(JP,A)
【文献】 特開2014−222290(JP,A)
【文献】 特開2009−277037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00−16/958
G06Q 10/00−99/00
G10L 15/00−17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議に参加する複数の参加者から会議の内容を示す議事情報を取得する少なくとも1つの取得装置と、
前記議事情報から議事録の内容として不要な不要情報を削除して、議事録の内容を示す議事録情報を生成する端末装置と
を備え、
前記端末装置は、前記議事情報から前記不要情報を検索する検索部を有し、
前記取得装置は、前記参加者の音声を録音する録音部と、前記参加者の視界に入る環境を撮像した画像を示す議事画像を撮像する撮像部とを有し、
前記議事情報は、前記参加者の音声と、前記議事画像とを含み、
前記検索部は、前記複数の参加者のうち第1参加者を除く参加者の前記議事情報に基づいて、音量が第1閾値よりも小さい前記音声を前記不要情報として検索し、
前記第1参加者は、前記会議において発表内容を説明する発表者と、前記発表者を除く前記複数の参加者のうち予め設定された参加者とを含み、
前記端末装置は、前記議事録の内容の過不足を示す過不足情報に基づいて、前記第1閾値を補正する、情報処理システム。
【請求項2】
前記端末装置は、前記議事情報から前記不要情報を削除して、前記議事録情報を生成する生成部をさらに有する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
会議に参加する複数の参加者から会議の内容を示す議事情報を取得する少なくとも1つの取得装置と、
前記議事情報から議事録の内容として不要な不要情報を削除して、議事録の内容を示す議事録情報を生成する端末装置と
を備え、
前記取得装置は、前記参加者の音声を録音する録音部と、前記参加者の視界に入る環境を撮像した画像を示す議事画像を撮像する撮像部とを有し、
前記議事情報は、前記参加者の音声と、前記議事画像とを含み、
前記端末装置は、
複数の議事画像の各々が特定の画像を示す期間を特定し、
前記会議の時系列において、前記特定の画像を示す期間が重複する前記議事画像の数を更に特定し、
前記議事画像の数が第2閾値よりも大きい場合に、前記特定の画像を示す期間が重複する期間において、前記参加者の音声の内容を強調部分として特定する、情報処理システム。
【請求項4】
前記端末装置は、前記議事情報から前記不要情報を検索する検索部を有し、
前記検索部は、前記複数の参加者のうち第1参加者を除く参加者の前記議事情報に基づいて、音量が第1閾値よりも小さい前記音声を前記不要情報として検索し、
前記第1参加者は、前記会議において発表内容を説明する発表者と、前記発表者を除く前記複数の参加者のうち予め設定された参加者とを含む、請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記端末装置は、前記議事録の内容の前記強調部分の過不足を示す過不足情報に基づいて、前記第2閾値を補正する、請求項3又は4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記端末装置は、画像形成装置であり、
前記画像形成装置は、前記議事録情報に基づいて、記録媒体に画像を形成する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の議事録作成システムは、議事録作成装置と、複数の情報端末とを備える。各情報端末は、会議の参加者の各々に使用される。情報端末は、会議の資料を表示する。議事録作成装置は、会議中の発話内容を文字情報に変換する。議事録作成装置は、文字情報と資料の情報とを関連付けて議事録を作成する。資料の情報は、会議の資料を示す。資料の情報は、情報端末から取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−109106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の議事録作成システムでは、発話内容が不要情報を含む場合であっても、不要情報も文字列に変換される。不要情報は、議事録に不要な情報を示す。不要情報は、例えば、会議に関しない参加者の雑談である。したがって、議事録に記載される文字情報が不要情報を示す場合がある。議事録に記載の文字情報が不要情報を示す場合に、文字情報から不要情報を削除する作業が必要であり、議事録作成装置に議事録を作成させる作業者の作業量が増加するおそれがある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業者の作業量を低減することができる情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理システムは、少なくとも1つの取得装置と、端末装置とを備える。取得装置は、会議に参加する複数の参加者から会議の内容を示す議事情報を取得する。端末装置は、前記議事情報から前記議事録の内容として不要な不要情報を削除して、議事録の内容を示す議事録情報を生成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の情報処理システムによれば、作業者の作業量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムを示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る取得装置を示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図4】(a)は、用紙に形成された第1議事録の一例を示す図であり、(b)は、用紙に形成された第2議事録の一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る制御部による議事録情報の生成処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。なお、図中、同一又は相当部分については、同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
図1を参照して、本発明の実施形態に係る情報処理システム1について説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム1を示すブロック図である。本実施形態において、情報処理システム1は、議事録を作成する。議事録には、文字情報が記載される。文字情報は、会議の内容を示す。
【0011】
ここで、会議は、例えば、複数の参加者が参加して意思決定をするものである。また、本発明において、会議は、講演、又は講義であってもよい。講演は、題目にしたがって話が進められるものである。講義は、学問の方法及び成果について話が進められるものである。
【0012】
複数の参加者は、例えば、発表者と質問者とを含む。発表者は、例えば、資料を用いて発表内容の説明を発話する。また、発表者は、質問者の質問に対する回答を発話する。質問者は、発表内容の説明に対する質問を発話する。
【0013】
図1に示すように、情報処理システム1は、複数の取得装置2と、画像形成装置3と、発表者用端末7とを備える。情報処理システム1において、複数の取得装置2と、画像形成装置3と、発表者用端末7とは、通信ネットワークLを介して接続される。通信ネットワークLは、例えば、インターネット回線、又は専用回線である。
【0014】
発表者用端末7は、例えば、ノートパソコンである。発表者用端末7は、複数の資料を記憶する。複数の資料は、会議において、発表者が発表内容を説明する際に用いられる。資料は、例えば、スライドを示す画像である。スライドは、資料画像、文字画像、及びARマーカーを含む。ARマーカーは、資料を他の資料と区別するためのマーカーである。
【0015】
発表者用端末7は、例えば、表示部を有する。発表者用端末7は、会議において、表示部に複数の資料を順に表示させる。この結果、複数の参加者は、表示部を介して資料を確認することができる。なお、発表者用端末7は、例えば、プロジェクターを介して会場の壁面に複数の資料を順に表示させてもよい。また、発表者用端末7は、例えば、複数の参加者の各々が有するノートパソコンのディスプレーに複数の資料を順に表示させてもよい。
【0016】
発表者用端末7は、例えば会議が終了した後に、資料情報を画像形成装置3に出力する。資料情報は、複数の資料の各々を会議で用いられた時系列に関連付けた情報である。具体的には、資料情報は、複数の資料と、使用情報とを含む。使用情報は、各資料が会議で用いられたタイミングを時系列に沿って示す。なお、発表者用端末7は、例えば会議が開始するよりも前に、資料情報を画像形成装置3に出力してもよい。この場合に、資料情報は、複数の資料の各々を会議で用いられる予定の時系列に関連付けられた情報である。
【0017】
複数の取得装置2は、複数の参加者から議事情報を取得する。議事情報は、会議の内容を時系列に沿って示す。取得装置2は、複数の参加者の各々に所持される。本実施形態において、議事情報は、音声情報と、議事画像情報とを含む。音声情報は、参加者の発声内容と発声音量とを示す。議事画像情報は、参加者の視界に入る環境を示す画像を示す。取得装置2の各々は、議事情報を画像形成装置3に出力する。
【0018】
取得装置2は、録音部21と、撮像部22とを有する。録音部21は、参加者の音声を録音する。録音部21は、録音した音声を議事情報として画像形成装置3に出力する。撮像部22は、議事画像を撮像する。典型的には、議事画像は、動画である。撮像部22は、議事画像を議事情報として画像形成装置3に出力する。
【0019】
画像形成装置3は、本発明の端末装置の一例である。画像形成装置3は、入力部31と、画像形成部32と、制御部4とを有する。画像形成部32は、画像データに基づいて記録媒体に画像を形成する。本実施形態において、画像形成部32は、議事録情報に基づいて記録媒体に議事録を作成する。議事録情報は、議事録の内容を示す。
【0020】
入力部31は、操作信号を制御部4に出力する。操作信号は、画像形成装置3を操作する操作者の操作に対応する。操作者の操作は、例えば、画像形成装置3の各種設定を含む。
【0021】
制御部4は、例えば、プロセッサーと、記憶部とを含む。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。記憶部は、例えば、半導体メモリー及びHDD(Hard Disk Drive)を含む。プロセッサーは、コンピュータープログラムに基づいて、入力部31と、画像形成部32とを制御する。コンピュータープログラムは、記憶部に予め記憶される。
【0022】
記憶部は、取得装置2から入力された議事情報を記憶する。記憶部は、参加者に関連付けて議事情報を記憶する。詳しくは、記憶部は、取得装置2の識別番号と、参加者の個人名と、参加者の分類とを予め記憶する。識別番号は、取得装置2の各々に附される番号である。識別番号は、取得装置2の個体を認識するために用いられる。参加者の個人名は、識別番号に関連付けて記憶される。換言すると、参加者と取得装置2とが関連付けて記憶される。参加者の分類は、識別番号に関連付けて記憶される。参加者の分類は、参加者が第1参加者であるか否かを示す。第1参加者は、発表者を含む。また、第1参加者は、発表者を除く参加者のうち予め設定された参加者を更に含む。参加者の分類は、第1参加者が発表者であるか否かを更に示す。記憶部は、識別番号に関連付けて議事情報を記憶する。この結果、議事情報の各々は、参加者の各々に関連付けて記憶部に記憶される。
【0023】
また、記憶部は、発表者用端末7から入力された資料情報を記憶する。記憶部は、発表者が使用した取得装置2の識別番号に関連づけて資料情報を記憶する。
【0024】
制御部4は、議事情報及び資料情報に基づいて、議事録情報を生成する。制御部4のプロセッサーは、コンピュータープログラムに基づいて、検索部41、生成部42、特定部43、第1補正部44、及び第2補正部45として機能する。検索部41、生成部42、特定部43、第1補正部44、及び第2補正部45の詳細は、図4(a)、及び図4(b)を参照して後述する。
【0025】
次に、図1及び図2を参照して取得装置2の構成について更に説明する。図2は、取得装置2を示す斜視図である。図2に示すように、取得装置2は、録音部21と、撮像部22とに加えて、本体部23を更に有する。本実施形態において、取得装置2は、ヘッドマウントディスプレーである。
【0026】
本体部23は、U字状に形成される。本体部23は、参加者の頭部に装着される。本体部23は、録音部21と撮像部22とを支持する。録音部21は、例えば、フレーム部とマイクとから構成される。フレーム部は、本体部23から延びる。マイクは、フレーム部の先端部に配される。マイクは、本体部23が参加者の頭部に装着された際に、参加者の口の近傍に位置する。この結果、録音部21は、参加者の音声を録音することができる。
【0027】
撮像部22は、フレーム部と撮像素子とから構成される。フレーム部は、本体部23から延びる。撮像素子は、フレーム部の先端部に配される。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーである。撮像素子は、本体部23が参加者の頭部に装着された際に、参加者の目の近傍に位置する。この結果、撮像部22は、議事画像を撮像することができる。なお、取得装置2は、例えば、参加者の胸元に装着されるピンマイクと、ピンマイクに並設された撮像素子とを備えてもよい。
【0028】
次に、図1及び図3を参照して、画像形成装置3の構成について、更に説明する。図3は、画像形成装置3の構成を示す図である。図3に示すように、画像形成装置3は、複合機である。複合機は、例えば、プリンター機能を有する。また、複合機は、例えば、コピー機能及びファクシミリ機能のうち少なくとも1つの機能を有する。
【0029】
画像形成装置3は、入力部31と、画像形成部32と、制御部4とに加えて、給紙部33と、定着部34と、排出トレイ35とを更に有する。画像形成装置3は、給紙部33から給紙される用紙Sに画像を形成する。用紙Sは、本発明の記録媒体の一例である。用紙Sは、例えば、普通紙、コピー紙、再生紙、薄紙、厚紙、光沢紙、又はOHP(Overhead Projector)用紙である。
【0030】
画像形成部32は、像担持体32aと、帯電部32bと、露光部32cと、現像部32dと、転写部32eとを有する。画像形成部32は、用紙Sにトナー画像を形成する。定着部34は、用紙Sにトナー画像を定着させる。トナー画像が定着された用紙Sは、排出トレイ35に排出される。
【0031】
入力部31は、例えば、ディスプレーを含む。ディスプレーは、各種の画面を表示する。また、入力部31は、タッチパネル機能を有する。
【0032】
次に、図1図4(a)及び図4(b)を参照して、制御部4について更に説明する。まず、図4(a)及び図4(b)を参照して、本実施形態に係る議事録について説明する。議事録は、第1議事録A1と、第2議事録A2とに分けて形成される。図4(a)は、用紙Sに形成された第1議事録A1の一例を示す図である。図4(b)は、用紙Sに形成された第2議事録A2の一例を示す図である。第1議事録A1は、発表者の発表内容を示す。第2議事録A2は、発表者と質問者との質疑内容を示す。
【0033】
図4(a)に示すように、第1議事録A1は、用紙Sに形成される。第1議事録A1は、複数のスライドGと、各スライドGの説明Dとを含む。説明Dは、スライドGに対応する発表者の説明内容を示す。説明Dは、対応するスライドGの直下に位置する。第1議事録A1は、例えば、会議の時系列に対応するように、スライドG及び説明Dを順に並べて形成される。
【0034】
説明Dは、説明D1と説明D2とを含む。説明D2は、強調部分であり、説明D1よりも強調されるように太字で形成される。なお、説明D2は、例えば、説明D1と色が異なってもよい。また、説明D2には、下線が附されてもよい。
【0035】
図4(b)に示すように、第2議事録A2は、用紙Sに形成される。第2議事録A2は、複数のスライドGと、質問Nと、質問Nの回答Mとを含む。質問Nは、質問者の質問内容を示す。回答Mは、質問Nに対応する発表者の回答内容を示す。第2議事録A2は、例えば、会議の時系列に対応するように、スライドG、質問N及び回答Mを順に並べて形成される。質問Nは、対応するスライドGの直下に位置する。回答Mは、対応する質問Nの直下に位置する。
【0036】
質問Nは、質問N1と質問N2とを含む。回答Mは、回答M1と回答M2とを含む。質問N2及び回答M2は、強調部分であり、質問N1及び回答M1よりも強調されるように太字で形成される。なお、質問N2及び回答M2は、例えば、質問N1及び回答M1と色が異なってもよい。また、質問N2及び回答M2には、下線が附されてもよい。
【0037】
続いて、図1図4(a)及び図4(b)を参照して、制御部4について説明する。図1を参照して説明した制御部4は、議事情報と資料情報とに基づいて、議事録情報を生成する。また、制御部4は、議事録情報に基づいて用紙Sに第1議事録A1の内容を示す画像を形成するように画像形成部32を制御する。また、制御部4は、議事録情報に基づいて用紙Sに第2議事録A2の内容を示す画像を形成するように画像形成部32を制御する。
【0038】
検索部41は、議事情報に基づいて、不要情報を検索する。不要情報は、議事録の内容として不要な内容を示す。会議において、不要情報は、例えば、参加者同士の雑談であり、雑談を示す音声は、音量が小さい。
【0039】
本実施形態において、検索部41は、第2参加者の議事情報に基づいて、不要情報を検索する。第2参加者は、複数の参加者のうち第1参加者を除く参加者である。検索部41は、記憶部に記憶される参加者の分類に基づいて、複数の議事情報のうちから第2参加者の議事情報を特定する。検索部41は、第2参加者の議事情報が含む音声情報において、小音量領域を不要情報として検索する。小音量領域は、音声の時系列において、発声音量が第1閾値に満たない領域である。第1閾値は、予め設定される。
【0040】
生成部42は、議事情報から不要情報を削除して、議事録情報を生成する。詳しくは、生成部42は、第2参加者の議事情報が含む音声情報から不要情報を削除する。生成部42は、不要情報を削除した音声情報に基づいて、文字情報を生成する。生成部42は、例えば、音声認識を用いることによって、音声情報から文字情報を生成する。文字情報は、複数の文字列を示す。また、生成部42は、第1参加者の議事情報が含む音声情報に基づいて、文字情報を生成する。生成部42は、文字情報を記憶部に記憶させる。具体的には、生成部42は、複数の文字列を、会議の時系列に沿って並べて記憶部に記憶させる。
【0041】
本実施形態において、生成部42は、複数の文字列を分類する。生成部42は、複数の文字列を、発表内容を示す文字列と質疑内容を示す文字列とに分類する。詳しくは、生成部42は、議事情報と文字情報とに基づいて、会議の時系列において質疑期間を特定する。生成部42は、複数の文字列のうち質疑期間に発声された文字列を、質疑内容を示す文字列として特定する。質疑期間は、会議の時系列において、質疑開始タイミングから質疑終了タイミングまでの間の期間である。また、本実施形態において、生成部42は、複数の文字列のうち質疑期間に発声された文字列を除く文字列を、発表内容を示す文字列として特定する。
【0042】
生成部42は、文字情報に基づいて、質疑開始タイミングを特定する。質疑開始タイミングは、発表者以外の参加者が発声を開始したタイミングである。詳しくは、生成部42は、複数の文字列に基づいて、発表者以外の音声を示す文字列を質問Nとして特定する。生成部42は、会議の時系列において、質問Nが発声されたタイミングを質疑開始タイミングとして特定する。
【0043】
生成部42は、議事情報と文字情報とに基づいて、質疑終了タイミングを特定する。生成部42は、例えば、複数の文字列に基づいて、質問Nの後に、複数の文字列が特定の文字列を含むか否かを判定する。生成部42は、特定の文字列の時系列上の位置によって、質疑終了タイミングを特定する。質疑終了タイミングは、特定の文字列に対応する発声を終えたタイミングである。特定の文字列は、予め設定される。典型的には、特定の文字列は、例えば、「分かりました」及び「ありがとうございます」である。
【0044】
また、生成部42は、例えば、議事情報のうち発表者の議事画像に基づいて、質疑終了タイミングを判断する。詳しくは、生成部42は、質疑開始タイミングの後に、発表者の議事画像に示される参加者を質問者として特定する。生成部42は、例えば、顔認識を用いることによって、議事画像に参加者が示されるか否かを判定する。生成部42は、質問者を特定した後に、発表者の議事画像から質問者がフレームアウトした期間を計測する。生成部42は、計測した期間が所定の期間を超えたタイミングを質疑終了タイミングとして特定する。
【0045】
生成部42は、質疑開始タイミングから質疑終了タイミングまでの間の文字列を質疑内容を示す文字列として特定する。生成部42は、質疑内容を示す文字列において、発表者の音声を示す文字列を回答Mとして特定する。また、生成部42は、質疑内容を示す文字列において、発表者以外の音声を示す文字列を質問Nとして特定する。
【0046】
生成部42は、資料情報と発表内容を示す文字列とに基づいて、第1議事録A1を示す議事録情報を生成する。詳しくは、生成部42は、記憶領域において、複数のスライドGの各々を時系列に沿って並べ替える。また、生成部42は、記憶領域において、発表内容を示す文字列を説明Dとして時系列に沿って並べ替える。この結果、スライドGの直下に、スライドGに対応する説明Dが配置される。なお、スライドGの直下に配置される説明Dは、発表者の発声のタイミングに基づいて、複数段に分けて配置されてもよい。具体的には、生成部42は、所定の期間を超えて発表者の発声が無い場合に、記憶領域において、説明Dを複数段に分けて配置する。
【0047】
生成部42は、資料情報と質疑内容を示す文字列とに基づいて、第2議事録A2を示す議事録情報を生成する。詳しくは、生成部42は、記憶領域において、複数のスライドGの各々を時系列に沿って並べ替える。生成部42は、記憶領域において、質問N及び回答Mの各々を時系列に沿って並べ替える。この結果、スライドGの直下に、質問N及び回答Mが配置される。
【0048】
特定部43は、本発明の第1特定部及び第2特定部の一例である。特定部43は、議事録において強調される強調部分を特定する。本実施形態において、強調部分は、説明D、質問N及び回答Mの一部である。強調部分は、用紙Sに太字で形成される。
【0049】
特定部43は、発表者を除く複数の参加者の議事画像が特定の画像を示す期間を特定する。特定の画像は、会議で用いられる資料のスライドを示す画像である。本実施形態において、スライドを示す画像は、ARマーカーを含むか否かによって特定される。特定部43は、発表者を除く複数の参加者の議事画像の各々について、特定の画像を示す期間を特定する。
【0050】
特定部43は、発表者を除く複数の参加者の各々の議事画像について特定の画像を示す期間を特定した後に、会議の時系列において、特定の画像を示す期間が重複する議事画像の数を算出する。この結果、会議の時系列において、同じタイミングで同じスライドが視界に入る参加者の数が特定される。特定部43は、特定した議事画像の数が第2閾値よりも多い場合に、重複する期間の音声を示す文字列を強調部分として特定する。第2閾値は、予め設定される。
【0051】
特定部43は、強調部分が太字で形成されるように議事録情報を編集する。なお、特定部43は、ARマーカーに換えて、例えば、画像認識を用いることによって、スライドを示す画像を特定してもよい。
【0052】
第1補正部44は、議事録情報が生成された後に、議事録の内容の過不足を示す過不足情報が入力された場合に、第1閾値を補正する。
【0053】
第1補正部44は、例えば、議事録の内容の不足を示す不足情報が入力された場合に、第1閾値を小さくする。この結果、例えば、議事録を再度作成する際に、検索部41によって議事情報から検索される不要情報が減少し、議事録の内容が増加する。本実施形態では、質問Nの項数が増加する。また、第1補正部44は、例えば、議事録の内容の過剰を示す過剰情報が入力された場合に、第1閾値を大きくする。この結果、例えば、議事録を再度作成する際に、検索部41によって議事情報から検索される不要情報が増加し、議事録の内容が減少する。本実施形態では、質問Nの項数が減少する。したがって、議事録の内容を増減させる作業を減少でき、作業者の作業量を低減することができる。
【0054】
第2補正部45は、議事録情報が生成された後に、議事録の強調部分の過不足を示す過不足情報が入力された場合に、第2閾値を補正する。
【0055】
第2補正部45は、例えば、強調部分の不足を示す不足情報が入力された場合に、第2閾値を小さくする。この結果、例えば、議事録を再度作成する際に、特定部43によって特定される強調部分が増加し、議事録の強調部分が増加する。また、第2補正部45は、例えば、強調部分の過剰を示す過剰情報が入力された場合に、第2閾値を大きくする。この結果、例えば、議事録を再度作成する際に、特定部43によって特定される強調部分が減少し、議事録の強調部分が減少する。したがって、議事録の内容の強調部分を増減させる作業を減少でき、作業者の作業量を低減することができる。
【0056】
本実施形態の情報処理システム1では、会議の内容を示す議事情報から不要情報が検索されて、不要情報が削除された議事録の内容を示す議事録情報が生成される。この結果、議事録から不要情報を削除する作業が減少し、作業者の作業量を低減することができる。
【0057】
次に、図5を参照して、制御部4による議事録情報の生成処理について説明する。図5は、制御部4による議事録情報の生成処理を示すフローチャートである。制御部4は、議事情報及び資料情報が入力された後に、例えば、議事録情報の生成を指示する操作信号が入力されると、議事録情報の生成処理を行う。
【0058】
図5に示すように、制御部4は、操作信号が入力された後に、ステップS10において、音声に基づいて、議事情報から不要情報を検索する。制御部4は、不要情報を検索した後に、ステップS20において、議事情報から不要情報を削除する。制御部4は、不要情報を削除した後に、ステップS30において、不要情報が削除された議事情報に基づいて、文字情報を生成する。
【0059】
制御部4は、文字情報を生成した後に、ステップS40において、文字情報と資料情報とに基づいて、議事録を示す議事録情報を生成する。制御部4は、議事録情報を生成した後に、ステップS50において、議事情報に基づいて、強調部分を特定し、強調部分を強調するように議事録情報を編集する。制御部4は、議事録情報を編集した後に、議事録情報の生成処理を終了する。
【0060】
以上、図1から図5を参照して、本発明の実施形態に係る情報処理システム1について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
【0061】
例えば、本発明の実施形態では、議事録情報に基づいて、議事録の内容を示す画像が用紙Sに形成されたが、本発明はこれに限定されない。議事録は、少なくとも参加者が確認できればよい。例えば、参加者が有するパーソナルコンピューターに画像形成装置3から議事録情報が出力され、作業者は、パーソナルコンピューターが有するモニターを介して議事録を確認してもよい。なお、議事録情報は、例えば、メール、又は記録メディアを介して、画像形成装置3からパーソナルコンピューターに出力される。
【0062】
また、本発明の実施形態では、議事情報及び資料情報に基づいて、端末装置の一例である画像形成装置3によって議事録情報が生成されたが、本発明はこれに限定されない。端末装置は、議事情報及び資料情報に基づいて、議事録情報を生成できればよい。端末装置は、例えば、パーソナルコンピューターであってもよい。この場合に、端末装置から画像形成装置に議事録情報が出力され、画像形成装置によって用紙に議事録の内容を示す画像が形成され得る。
【0063】
また、本発明の実施形態では、取得装置2と画像形成装置3と発表者用端末7とが通信ネットワークLを介して接続されたが、本発明はこれに限定されない。取得装置2は、画像形成装置3に議事情報を出力できればよく、発表者用端末7は、画像形成装置3に資料情報を出力できればよい。例えば、議事情報及び資料情報は、取得装置2及び発表者用端末7から記録メディアを介して画像形成装置3に出力される。
【0064】
なお、図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の形状等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、会議の内容を示す議事情報に基づいて議事録を作成し得る情報処理システムに関するものであり、議事録を修正する作業者の作業量の低減に有用である。
【符号の説明】
【0066】
1 情報処理システム
2 取得装置
3 画像形成装置
4 制御部
41 検索部
42 生成部
図1
図2
図3
図4
図5