(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記落下規制体は、前記支持体に連結される連結部と、前記連結部から前記幅方向に直交する第一方向に沿って延びる規制部と、前記連結部から、前記幅方向に直交すると共に前記第一方向に交差する第二方向に沿って延びる揺動部と、を備え、
前記規制部は、前記落下規制体が前記規制位置にある状態において前記支持容器の前記蓋体の下端より上方に位置すると共に前記落下規制体が前記退避位置にある状態において前記支持容器の前記蓋体の下端より下方に位置する部分を有し、
前記揺動部は、前記規制位置及び前記退避位置の双方において前記規制部よりも下方に位置し、
前記リンク機構は、前記移動体と前記揺動部との双方に対して揺動自在に連結されたリンク体を備えている請求項2に記載の物品搬送車。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.実施形態
物品搬送車を備えた物品搬送設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1及び
図2に示すように、物品搬送設備には、走行経路に沿って天井側に配設された走行レール1と、その走行レール1に支持されて走行経路に沿って走行する物品搬送車2と、走行経路の横側方に設置されて容器Wを保管する保管棚3と、が設けられている。物品搬送車2は、他の箇所から搬送してきた容器Wを保管棚3に搬送し、保管棚3に保管されている容器Wを他の箇所に搬送するように構成されている。
尚、以下、走行経路に沿う方向を前後方向X、その前後方向Xと上下方向Z視で直交する方向を幅方向Yと称する。また、幅方向Yの一方側を幅方向第一側Y1、その反対側を幅方向第二側Y2と称する。
【0012】
〔容器〕
図5から
図8に示すように、容器Wは、容器Wの前方側が幅方向第一側Y1を向く姿勢で、物品搬送車2で搬送されると共に保管棚3に保管される。そのため、容器Wを説明するに当たり、物品搬送車2で搬送される状態(後述する支持部19に支持されている状態)に基づいて、容器Wの前後方向を幅方向Yとし、容器Wの前方側を幅方向第一側Y1として説明する。
【0013】
図2から
図4に示すように、容器Wは、幅方向第一側Y1に開口する本体部6と、開口5を閉じる蓋体7と、を備えている。
本体部6には、複数枚の基板を収容する収容空間が形成されており、開口5を通して基板を出し入れする。また、
図2に示すように、本体部6の底面(容器Wの底面)には、上方に凹入する形状に形成された凹部8が備えられている。この凹部8は、本体部6の幅方向Yの中央より幅方向第一側Y1に備えられた2つの前側の凹部8と、当該中央より幅方向第二側Y2に備えられた1つの後側の凹部8と、の計3つ備えられている。前側の凹部8は、本体部6における前後方向Xの両端部の夫々に備えられており、後側の凹部8は、本体部6における前後方向Xの中央部に備えられている。
【0014】
〔保管棚〕
図1及び
図5から
図8に示すように、保管棚3は、物品搬送車2が走行する走行経路に対して幅方向第一側Y1に、その走行経路に沿って複数設けられている。保管棚3は、走行経路を走行する物品搬送車2と同じ高さに設けられている。
保管棚3には、1つの容器Wの底面を下方から支持する保管支持体10が備えられている。この保管支持体10は、容器Wの底面における前後方向Xの両端部を支持するように構成されている。また、保管支持体10には、容器Wの前側の凹部8に係合する保管突起部11が前後方向Xに並ぶ状態で2箇所に備えられている。保管支持体10は、2つの保管突起部11を容器Wの前側の凹部8に係合させた状態で容器Wを支持することで、保管支持体10上における予め設定された保管位置に位置決めした状態で容器Wを支持できるように構成されている。
【0015】
〔物品搬送車〕
図2に示すように、物品搬送車2は、天井に支持された走行レール1上を走行経路に沿って走行する走行部13と、走行レール1の下方に位置して走行部13に吊り下げ支持された本体支持部14と、を備えている。
走行部13には、走行レール1の上面を転動する駆動輪16と、駆動輪16を回転駆動させる走行用モータ17と、が備えられている。そして、走行部13は、走行用モータ17により駆動輪16を回転駆動させることで走行レール1に沿って走行する。
【0016】
本体支持部14は、容器Wを支持する支持部19と、支持部19を幅方向Yに移動させる移動機構20と、カバー体21と、を備えている。
図3及び
図4に示すように、カバー体21は、支持容器WSの上下方向Zの両側及び前後方向Xの両側を覆うように、幅方向Y視で矩形枠状に形成されている。また、カバー体21は、走行部13に支持されると共に移動機構20を支持しており、中間部に相当する。
【0017】
移動機構20は、幅方向Yに伸縮する第一リンク機構23と、第一リンク機構23を伸縮させる出退用モータ24(
図9参照)と、を備えている。第一リンク機構23の基端部23Aは、カバー体21に連結されており、第一リンク機構23の先端部23Bに、支持部19が連結されている。そして、移動機構20は、出退用モータ24の駆動により第一リンク機構23を幅方向Yに伸縮させることで、走行部13に対して幅方向第一側Y1に突出させた突出位置(
図6及び
図7参照)と、突出位置に対して幅方向第二側Y2に引退させた引退位置(
図5及び
図8参照)と、に支持部19を移動させる。ちなみに、支持部19が引退位置にある状態では支持容器WSの全体がカバー体21の内部に位置し、支持部19が突出位置にある状態では支持容器WSの全体がカバー体21の外部に位置している。
【0018】
支持部19は、容器Wの底面を下方から支持する支持体26と、移動機構20により幅方向Yに移動する移動体27と、支持体26を移動体27に対して上下方向Zに移動させる昇降機構28と、を備えている。
支持体26は、移動体27より上方に位置しており、容器Wの凹部8に係合する突起部26Aが3箇所に備えられている。そして、支持体26は、突起部26Aを容器Wの凹部8に係合させた状態で容器Wを支持しており、支持体26に支持されている容器Wは、開口5が幅方向第一側Y1を向く姿勢となっている。
【0019】
移動体27は、第一リンク機構23の先端部23Bに連結されており、第一リンク機構23が伸縮することで幅方向Yに移動する。
昇降機構28は、前後方向Xに沿う軸心周りに揺動する複数の第一リンク体31と、第一リンク体31の姿勢を変更させる昇降用モータ32と、を備えている。複数の第一リンク体31の夫々は、上端が前後方向Xに沿う軸心周りに揺動自在に支持体26に連結されており、下端が前後方向Xに沿う軸心周りに揺動自在にブロック33に連結されている。昇降機構28は、昇降用モータ32の駆動によりボールネジ34を回転させて、ボールネジ34に螺合されている複数のブロック33を幅方向Yに移動させることで、複数の第一リンク体31の姿勢を起立姿勢(
図2、
図7及び
図8参照)と転倒姿勢(
図5及び
図6参照)とに変更する。このように、昇降機構28は、複数の第一リンク体31の姿勢を変更することで、支持体26を上昇高さ(
図2、
図7及び
図8参照)と下降高さ(
図5及び
図6参照)とに昇降させる。
【0020】
図3及び
図4に示すように、物品搬送車2には、第一規制体36、第二規制体37、連動機構38、揺動用モータ39、及び蓋検出センサ40を、更に備えている。第一規制体36及び第二規制体37は、支持体26に支持されている容器Wの蓋体7が落下することを規制する。尚、第一規制体36が、落下規制体に相当する。連動機構38は、第一規制体36を支持体26に連動させる。揺動用モータ39は、第二規制体37を幅方向Yに沿う軸心周りに揺動させる。
次に、これら第一規制体36、第二規制体37、連動機構38、揺動用モータ39、及び蓋検出センサ40について説明する。尚、物品搬送車2の支持体26に支持されている容器Wを支持容器WSと称して説明する。また、前後方向Xにおいて、支持体26の中心が存在する側を前後方向第一側X1と称し、その反対側を前後方向第二側X2と称する。
【0021】
図2に示すように、第一規制体36は、支持容器WSの蓋体7に対して幅方向第一側Y1(本体部側とは反対側)に配置されている。第一規制体36は、蓋体7の下端より上方に突出する規制姿勢(
図4参照)と、蓋体7の下端より下方に退避する退避姿勢(
図3参照)と、に変更自在に構成されている。
図2に示すように、第一規制体36は、支持体26における幅方向第一側Y1の端部に幅方向Yに沿う軸心周りに揺動自在に連結されており、
図3及び
図4に示すように、幅方向Yに沿う軸心周りに揺動することで、規制姿勢と退避姿勢とに移動する。尚、第一規制体36を規制姿勢とした位置が第一規制体36の規制位置に相当し、第一規制体36を退避姿勢とした位置が第一規制体36の退避位置に相当する。
【0022】
〔第一規制体〕
第一規制体36について説明を加えると、第一規制体36は、支持体26に連結される連結部36Aと、連結部36Aから延びる規制部36B及び揺動部36Cと、を備えている。連結部36Aと規制部36Bと揺動部36Cとは一体形成されており、第一規制体36は、幅方向視でL字状に形成されている。第一規制体36は、前後方向Xにおいて支持体26の中心に対して両側の夫々に設置されており、物品搬送車2には、一対の第一規制体36が備えられている。
【0023】
連結部36Aは、幅方向Yに沿う軸心周りに回転自在に支持体26に連結されている。そして、
図4に示すように、第一規制体36が規制姿勢の状態では、規制部36Bは連結部36Aから前後方向第二側X2の斜め上方側に延び、
図3に示すように、第一規制体36が退避姿勢の状態では、規制部36Bは連結部36Aから前後方向第二側X2に延びている。このように規制部36Bは、第一規制体36の姿勢によって連結部36Aから延びる方向が異なる。規制部36Bが連結部36Aから延びる方向が、幅方向Yに直交する第一方向に相当し、規制部36Bは、連結部36Aから第一方向に沿って延びている。
また、
図4に示すように、第一規制体36が規制姿勢の状態では、揺動部36Cは連結部36Aから前後方向第一側X1の斜め下方側に延び、
図3に示すように、第一規制体36が退避姿勢の状態では、揺動部36Cは連結部36Aから前後方向第二側X2の斜め下方側に延びている。このように揺動部36Cは、第一規制体36の姿勢によって連結部36Aから延びる方向が異なる。揺動部36Cが連結部36Aから延びる方向が、第一方向に交差する第二方向に相当し、揺動部36Cは、連結部36Aから第二方向に沿って延びている。なお、本例では、第一方向と第二方向とは直交している。
【0024】
規制部36Bは、第一規制体36が規制姿勢の状態において支持容器WSの蓋体7の下端より上方に位置すると共に第一規制体36が退避姿勢の状態において支持容器WSの蓋体7の下端より下方に位置する部分を有している。この規制部36Bの蓋体7の下端より下方に位置する部分は、幅方向Y視で蓋体7と重なっている。
規制部36Bと支持容器WSに適切に装着されている蓋体7との幅方向Yでの間隔は、蓋体7が本体部6に対して幅方向第二側Y2に嵌る深さより短くなっており、支持容器WSから外れる蓋体7を規制部36Bにより受け止めることで、蓋体7が支持容器WSから離脱することを規制し、蓋体7が物品搬送車2から落下することを規制している。
また、揺動部36Cは、第一規制体36が規制姿勢の状態及び退避姿勢の状態の双方において規制部36Bより下方に位置している。
【0025】
〔連動機構〕
連動機構38は、移動体27と第一規制体36との双方に揺動自在に連結されたリンク機構38Aを有している。リンク機構38Aは、移動体27と第一規制体36の揺動部36Cとの双方に揺動自在に連結されたリンク体38Bを備えている。リンク体38Bは、一対の第一規制体36の夫々に対して備えられており、リンク機構38Aは、一対のリンク体38Bを有している。
リンク体38Bは、幅方向Y視でI字状に形成されており、その一端部が移動体27に幅方向Yに沿う軸心周りに揺動自在に連結されており、他端部が揺動部36Cの先端部に幅方向Yに沿う軸心周りに揺動自在に連結されている。そして、リンク体38Bの移動体27に連結されている位置は、リンク体38Bの揺動部36Cに連結されている位置に対して、前後方向第二側X2に位置している。そのため、リンク体38Bは、第一規制体36が規制姿勢の状態及び退避姿勢の状態の双方において、移動体27から前後方向第一側X1の斜め上方側に延びる姿勢となっている。
【0026】
そして、
図3及び
図4に示すように、支持体26が移動体27に対して上方に移動することにより、連動機構38は、退避姿勢の第一規制体36の揺動部36Cをリンク体38Bによって前後方向第二側X2に引き操作することで、第一規制体36を規制姿勢とする(
図4参照)。また、連動機構38は、支持体26が移動体27に対して下方に移動することにより、規制姿勢の第一規制体36の揺動部36Cを前後方向第一側X1にリンク体38Bが押し操作することで、第一規制体36を退避姿勢とする(
図3参照)。
このように、連動機構38は、支持体26が上昇するのに応じて第一規制体36を退避姿勢から規制姿勢に移動させ、且つ、支持体26が下降するのに応じて第一規制体36を規制姿勢から退避姿勢に移動させる。
【0027】
〔第二規制体、揺動用モータ、蓋検出センサ〕
第二規制体37は、幅方向Y視でI字状に形成されており、その一端部が揺動用モータ39に回転駆動される中継部材に連結されている。揺動用モータ39は、カバー体21に固定されている。
そして、第二規制体37は、揺動用モータ39の駆動により幅方向Yに沿う軸心周りに揺動することで、規制姿勢(
図4に示す位置)と退避姿勢(
図3に示す位置)とに姿勢変更する。第二規制体37は、退避姿勢では前後方向Xに沿う姿勢となっており、第二規制体37の全体が支持容器WSより上方に位置している。また、第二規制体37は、規制姿勢では上下方向Zに沿う姿勢となっており、第二規制体37の一部が蓋体7の上端より下方に位置し、この第二規制体37の一部は、幅方向Y視で蓋体7と重なっている。尚、第二規制体37を規制姿勢とした位置が第二規制体37の規制位置に相当し、第二規制体37を退避姿勢とした位置が第二規制体の退避位置に相当する。また、揺動用モータ39が、第二規制体37を規制位置と退避位置とに移動させる駆動部に相当する。
【0028】
第二規制体37は、支持部19が引退位置に位置する状態で支持容器WSの蓋体7に対して幅方向第一側Y1に位置するように、カバー体21に支持されている。尚、第二規制体37は、揺動用モータ39を介してカバー体21に支持されている。
第二規制体37の規制姿勢は、支持体26が上昇高さに位置する状態において、第二規制体37が蓋体7の上端より下方に突出する姿勢である。また、第二規制体37の退避位置は、支持体26が上昇高さに位置する状態において、第二規制体37が支持容器WCの上端より上方に引退する位置である。
支持体26が引退位置にある状態において、第二規制体37と支持容器WSに適切に装着されている蓋体7との幅方向Yでの間隔は、蓋体7が本体部6に対して幅方向第二側Y2に嵌る深さより短くなっており、支持容器WSから外れた蓋体7を規制部36Bにより受け止めることで、蓋体7が支持容器WSから落下することを規制し、蓋体7が物品搬送車2から落下することを規制している。
【0029】
蓋検出センサ40は、カバー体21における支持容器WSより上方に位置する部分に固定されている。蓋検出センサ40は、下方に向けて検出光を投光し、カバー体21における支持容器WSより下方に位置する部分に固定されている反射板からの反射光を受光する。検出光及び反射光は、前後方向Xにおいて蓋体7の幅内を通り且つ幅方向Yにおいて第一規制体36及び第二規制体37と支持容器WSとの間を通る。つまり、蓋検出センサ40は、支持容器WSの蓋体7が本体部6に適切に固定されている場合は蓋体7を検出せず、蓋体7が本体部6から外れて第一規制体36又は第二規制体37に受け止められた場合はその受け止められた蓋体7を検出するように設置されている。このように、蓋検出センサ40は、蓋体7が支持容器WSから外れていることを検出する。
【0030】
〔制御装置〕
物品搬送車2は、当該物品搬送車2の作動を制御する制御装置Hを備えている。
制御装置Hは、走行用モータ17を制御することで、走行部13を走行させて搬送対象の保管棚3に対して予め設定された走行停止位置に物品搬送車2を停止させる。また、制御装置Hは、出退用モータ24を制御することで、支持体26を幅方向Yに出退させると共に、昇降用モータ32を制御することで支持体26を昇降させて、物品搬送車2と保管棚3との間で容器Wを移載する。また、制御装置Hは、揺動用モータ39を制御することで、第二規制体37の姿勢を規制姿勢と退避姿勢とに姿勢変更する。また、制御装置Hは、蓋検出センサ40により蓋体7が支持容器WSから外れていることを検出した場合に、物品搬送車2を非常停止させる。
【0031】
制御装置Hは、上位のコントローラ(図示せず)からの搬送情報に基づいて物品搬送車2を制御して、容器Wを保管棚3に渡す渡し処理と、容器Wを保管棚3から受け取る受取処理と、を実行する。
【0032】
受取処理では、まず、搬送情報に基づいて搬送対象の容器Wが保管されている保管棚3に対して設定された走行停止位置に停止させるように走行用モータ17を制御する受取走行制御を実行する。尚、受取走行制御を実行するときは、支持体26は、容器Wを支持しておらず、支持体26は引退位置にあると共に下降高さにある。また、第一規制体36は退避姿勢となっており、第二規制体37は退避姿勢となっている。
【0033】
そして、受取処理では、上述の如く受取走行制御を実行した後、保管支持体10上の容器Wを支持体26上に移載するように出退用モータ24及び昇降用モータ32を制御する受取移載制御を実行する。この受取移載制御では、物品搬送車2が走行停止位置に停止している状態で、まず、
図5、
図6、
図7の順に示すように、支持体26を突出位置に突出させた後に上昇高さに上昇させて容器Wを支持体26上に載せるように出退用モータ24及び昇降用モータ32を制御する。このように、支持体26を上昇させるに伴って、第一規制体36は退避姿勢から規制姿勢に姿勢が変更される。そして、受取移載制御では、次に、
図8に示すように、支持体26を引退位置に引退させるように出退用モータ24を制御した後、
図2に示すように、第二規制体37を規制姿勢に姿勢変更させるように揺動用モータ39を制御する。
【0034】
渡し処理では、まず、搬送情報に基づいて搬送対象の容器Wが保管されている保管棚3に対して設定された走行停止位置に停止させるように走行用モータ17を制御する渡し走行制御を実行する。尚、渡し走行制御を実行するときは、支持体26は、容器Wを支持しており、支持体26は引退位置にあると共に上昇高さにある。また、第一規制体36は規制姿勢となっており、第二規制体37は規制姿勢となっている。
【0035】
そして、渡し処理では、上述の如く受取走行制御を実行した後、支持体26上の容器Wを保管支持体10上に移載するように出退用モータ24及び昇降用モータ32を制御する渡し移載制御を実行する。この渡し移載制御では、物品搬送車2が走行停止位置に停止している状態で、まず、
図2、
図8の順に示すように、第二規制体37を退避姿勢に姿勢変更させるように揺動用モータ39を制御した後、
図7、
図6の順に示すように、支持体26を突出位置に突出させた後に下降高さに下降させて容器Wを保管支持体10上に載せるように出退用モータ24及び昇降用モータ32を制御する。このように、支持体26を下降させるに伴って、第一規制体36は規制姿勢から退避姿勢に姿勢が変更される。そして、渡し移載制御では、次に、
図5に示すように、支持体26を引退位置に引退させるように出退用モータ24を制御する。
【0036】
2.その他の実施形態
次に、物品搬送車のその他の実施形態について説明する。
【0037】
(1)上記実施形態では、連動機構38に、第一規制体36を支持体26に連動させるリンク機構38Aを備え、第一規制体36を支持体26の昇降に連動させたが、連動機構38は、リンク機構38A以外によって第一規制体36を支持体26の昇降に連動させるようにしてもよい。また、第一規制体36を、幅方向Y視でL字状に形成したが、幅方向Y視でI字状に形成する等、第一規制体36の形状は適宜変更してもよい。また、第一規制体36を、揺動により規制位置と退避位置とに移動するようにしたが、第一規制体36を、上下方向Zへのスライド移動により規制位置と退避位置とに移動するようにしてもよい。
具体的には、例えば、連動機構38に、支持体26に回転自在に備えたピニオンギヤと移動体27に固定されたラックとを備え、幅方向Y視でI字状に形成した第一規制体36を上下方向Zに沿う姿勢でピニオンギヤに噛合させる。そして、支持体26が移動体27に対して昇降するに伴ってピニオンギヤがラックに対して昇降することでピニオンギヤが回転し、このピニオンギヤの回転に伴って第一規制体36が上下方向Zにスライド移動するようにしてもよい。
【0038】
(2)上記実施形態では、容器Wを、FOUPとしたが、容器Wを、FOSB等の他の容器としてもよい。
【0039】
(3)上記実施形態では、支持体26が、開口5が突出側(幅方向第一側Y1)を向く姿勢で支持容器WSを支持したが、支持体26が、開口5が引退側(幅方向第二側Y2)を向く姿勢で支持容器WSを支持してもよい。この場合、支持体26における支持容器WSに対して引退側の部分に第一規制体36を連結してもよい。
【0040】
(4)上記実施形態では、第一規制体36と第二規制体37とを備えたが、第一規制体36と第二規制体37とのうち第一規制体36のみを備えてもよい。
【0041】
(5)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0042】
3.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した物品搬送車の概要について説明する。
【0043】
物品搬送車は、走行経路に沿って走行する走行部と、容器を支持する支持部と、前記支持部を上下方向視で前記走行経路に対して交差する幅方向に移動させる移動機構と、を備え、前記移動機構は、前記走行部に対して前記幅方向に突出させた突出位置と、前記突出位置に対して前記走行部側の引退位置と、に前記支持部を移動させ、前記支持部は、前記容器の底面を下方から支持する支持体と、前記移動機構により前記幅方向に移動する移動体と、前記支持体を前記移動体に対して上下方向に移動させる昇降機構と、を備え、前記容器は、前記支持部に支持されている状態において前記幅方向に開口する本体部と、前記開口を閉じる蓋体と、を備え、
前記支持体に支持されている前記容器である支持容器の前記蓋体が落下することを規制する落下規制体と、前記落下規制体を前記支持体に連動させる連動機構と、を更に備え、前記落下規制体は、前記支持容器の前記蓋体に対して前記本体部側とは反対側に配置され、前記蓋体の下端より上方に突出する規制位置と、前記蓋体の下端より下方に引退する退避位置と、に移動自在に構成され、前記連動機構は、前記支持体が上昇するのに応じて前記落下規制体を前記退避位置から前記規制位置に移動させ、且つ、前記支持体が下降するのに応じて前記落下規制体を前記規制位置から前記退避位置に移動させる。
【0044】
この構成によれば、走行経路の側方に位置する移載対象箇所から支持体に容器を移載する場合は、走行部を移載対象箇所に対応する位置に停止させた状態で、移動機構により支持部を引退位置から突出位置に移動させた後、支持部において昇降機構によって支持体を移動体に対して上昇させて移載対象箇所の容器を支持体上に載せ、その後、移動機構により支持体を突出位置から引退位置に移動させる。この間、支持体が移動体に対して上昇するのに応じて、連動機構により落下規制体が退避位置から規制位置に移動する。
従って、容器を支持していない支持体を引退位置から突出位置に移動させるときは、支持体は下降しており落下規制体は退避位置にあるため、移載対象箇所に位置する容器に落下規制体が接触することを抑制できる。そして、容器を支持した支持部を突出位置から引退位置に移動させるときには、支持体は上昇しており落下規制体は規制位置にあるため、容器の蓋体が本体部から外れて物品搬送車から落下することを落下規制体によって規制できる。
【0045】
また、支持体から移載対象箇所に容器を移載する場合は、走行部を移載対象箇所に対応する位置に停止させた状態で、移動機構により支持部を引退位置から突出位置に移動させた後、支持部において昇降機構によって支持体を移動体に対して下降させて支持体上の容器を移載対象箇所に降し、その後、移動機構により支持体を突出位置から引退位置に移動させる。この間、支持体が移動体に対して下降するのに応じて、連動機構により落下規制体が規制位置から退避位置に移動する。
従って、容器を支持した支持部を引退位置から突出位置に移動させるときには、支持体は上昇しており落下規制体は規制位置にあるため、容器の蓋体が本体部から外れて物品搬送車から落下することを落下規制体によって規制できる。そして、容器を支持していない支持体を突出位置から引退位置に移動させるときは、支持体は下降しており落下規制体は退避位置にあるため、移載対象箇所に位置する容器に落下規制体が接触することを抑制できる。
【0046】
そして、落下規制体は、連動機構によって支持体の昇降に連動して規制位置や退避位置に移動するため、落下規制体を規制位置や退避位置に移動させるための専用の駆動装置が必要なく、また、支持体の昇降に連動させて駆動装置を制御する必要もない。従って、落下規制体により物品搬送車から蓋体が落下することを規制できながら、落下規制体を移動させるための専用の駆動装置を備える場合に比べて物品搬送車の構成の簡素化を図ることができる。
【0047】
ここで、前記落下規制体は、前記幅方向に沿う軸心周りに揺動自在に前記支持体に連結されて、揺動により前記規制位置と前記退避位置とに移動し、前記連動機構は、前記移動体と前記落下規制体との双方に揺動自在に連結されたリンク機構を有していると好適である。
【0048】
この構成によれば、支持体が移動体に対して昇降するに伴ってリンク機構の姿勢が変化することで、落下規制体を規制位置と退避位置とに移動させることができる。このように、連動機構のリンク機構によって、支持体の昇降に連動させて落下規制体を規制位置や退避位置に移動させることができる。
【0049】
また、前記落下規制体は、前記支持体に連結される連結部と、前記連結部から前記幅方向に直交する第一方向に沿って延びる規制部と、前記連結部から、前記幅方向に直交すると共に前記第一方向に交差する第二方向に沿って延びる揺動部と、を備え、前記規制部は、前記落下規制体が前記規制位置にある状態において前記支持容器の前記蓋体の下端より上方に位置すると共に前記落下規制体が前記退避位置にある状態において前記支持容器の前記蓋体の下端より下方に位置する部分を有し、前記揺動部は、前記規制位置及び前記退避位置の双方において前記規制部よりも下方に位置し、前記リンク機構は、前記移動体と前記揺動部との双方に対して揺動自在に連結されたリンク体を備えていると好適である。
【0050】
この構成によれば、支持体が移動体に対して昇降することに応じてリンク体が揺動し、そのリンク体の揺動によって揺動部が揺動することで、規制部が上下動し、落下規制体を退避位置と規制位置とに移動させる。このように落下規制体とリンク体との双方が揺動するように構成することで、比較的簡易な構成で、これら落下規制体とリンク体とを連動させることができる。
【0051】
また、前記幅方向において前記引退位置に対して前記突出位置が存在する側を突出側とし、前記支持体は、前記開口が前記突出側に向く姿勢で前記支持容器を支持し、前記落下規制体は、前記支持体における前記突出側の端部に連結されていると好適である。
【0052】
この構成によれば、支持体は、開口が突出側を向く姿勢で支持容器を支持しているため、落下規制体は、蓋体に対して突出側に配置されている。容器を支持していない支持体を引退位置から突出位置に移動させる場合や突出位置から引退位置に移動させる場合は、支持体の突出側の端部は、移載対象箇所の容器の突出側まで移動するが、落下規制体は退避位置にあるため、支持体の端部に設置されている落下規制体が移載対象箇所の容器に干渉することを回避できる。
【0053】
また、前記落下規制体を第一規制体とし、前記第一規制体が前記規制位置となる前記支持体の高さを上昇高さとして、前記支持容器の前記蓋体が落下することを規制する第二規制体と、前記第二規制体を移動させる駆動部と、前記走行部に支持され且つ前記移載装置を支持する中間部と、を更に備え、前記第二規制体は、前記支持部が前記引退位置に位置する状態で前記支持容器の前記蓋体に対して前記本体部側とは反対側に位置するように、前記中間部に支持され、前記駆動部は、前記支持体が前記上昇高さに位置する状態において、前記第二規制体が前記蓋体の上端より下方に突出する規制位置と、前記支持体が前記上昇高さに位置する状態において、前記第二規制体が前記支持容器の上端より上方に引退する退避位置と、に前記第二規制体を移動させると好適である。
【0054】
この構成によれば、退避位置の第二規制体は、上昇高さの支持体に支持されている支持容器より上方にあるため、支持体が上昇高さにある支持部を引退位置と突出位置とに移動させた場合に、第二規制体を退避位置としておくことで、第二規制体が支持容器に接触することを回避できる。
そして、支持体が引退位置に位置し且つ上昇高さにあるときに、第二規制体を規制位置とすることで、容器の蓋体が本体部から外れて物品搬送車から落下することを第二規制体によって規制できる。また、このように支持体が上昇高さにあるときは、第一規制体も規制位置に移動している。そのため、支持体が引退位置に位置し且つ上昇高さにあるときは、蓋体の下部を第一規制体によって受け止め、蓋体の上部を第二規制体によって受け止めるように、第一規制体と第二規制体との双方によって、容器の蓋体が本体部から外れて物品搬送車から落下することを規制できる。