特許第6794953号(P6794953)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6794953
(24)【登録日】2020年11月16日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20201119BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20201119BHJP
   G03G 15/04 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
   H04N1/00 567R
   G03G21/00 380
   G03G15/04
   G03G21/00 384
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-144425(P2017-144425)
(22)【出願日】2017年7月26日
(65)【公開番号】特開2019-29718(P2019-29718A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2019年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 智明
【審査官】 松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−022276(JP,A)
【文献】 特開2016−086386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00− 1/64
G03G 15/04
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の表裏両面各々の原画像を個別に読み取る画像読取部と、
画像読取に係る情報を表示する表示部と、
ユーザーから操作入力を受け付ける入力部と、
画像読取に係る動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、原稿の画像読取に関して原稿の表面の片面読取に係る動作指令が設定された状態で画像読取ジョブを受け付けたときに、当該ジョブの1枚目の原稿に対して表裏両面の原画像を個別に前記画像読取部に読み取らせ、1枚目の原稿の裏面に原画像が存在する場合に原稿の裏面に原画像が存在することを前記表示部に表示させ、原稿の裏面の画像読取が必要であるか否かの操作入力を前記入力部から受け付け、所定時間を経過しても操作入力がない場合、2枚目以降の原稿に対し、表裏の両面読取と、表面のみの片面読取とのいずれかの画像読取を予め定められた設定に基づいて採用し、画像読取処理を再開することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記入力部から原稿の裏面の画像読取が必要である操作入力を受け付けた場合に、前記画像読取ジョブにおいて2枚目以降も原稿の表裏の両面読取を実施することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記入力部から原稿の裏面の画像読取が必要ではない操作入力を受け付けた場合に、前記画像読取ジョブにおいて2枚目以降は原稿の表面のみの片面読取を実施することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記1枚目の原稿の裏面に原画像が存在しない場合に、前記画像読取ジョブにおいて2枚目以降は原稿の表面のみの片面読取を実施することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、複合機といった画像形成装置においては、原稿の搬送中に自動的に表裏両面各々の原画像を読み取り、印刷用紙(記録媒体)の表裏両面各々に当該原画像を複写する技術が広く知られている。このような画像形成装置に係る従来技術の例が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に記載された従来の画像形成装置は原稿用紙に付された所定のマークに基づいて原稿用紙の表面または裏面のいずれの画像が有効であるか否かを判定し、有効画像のみ読み取りを実行する。これにより、印刷用紙に対して効率的に有効画像のみを形成させることができる。すなわち、印刷済みの用紙の裏面を再利用して印刷を実施した場合に、後に印刷したその裏面の画像のみを有効画像として複写することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−135383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複写機等を利用して原稿の原画像の読み取りを実施する場合、通常複写機には画像読取に係る標準の動作指令が予め設定される。原稿の原画像の読み取りの場合、一般的に原稿の表面のみの片面読取に係る動作指令が標準の動作指令として予め設定される。このような状況において、複写機に原稿の表裏両面の画像読取を実施させたいユーザーが、動作指令の基本的な設定を変えることなく原稿をセットしてスタートボタンを押した場合、ユーザーが意図しない原稿の表面のみの片面読取が実施されてしまうことに課題があった。上記従来技術では、原稿に所定のマークを予め付す必要があり、手間がかかることが懸念された。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、原稿の画像読取を実施するにあたって、ユーザーの操作上の手間をできるだけ低減させることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の画像形成装置は画像読取部、表示部、入力部及び制御部を備える。画像読取部は原稿の表裏両面の原画像を個別に読み取る。表示部は画像読取に係る情報を表示する。入力部はユーザーから操作入力を受け付ける。制御部は画像読取に係る動作を制御する。さらに、制御部は画像読取に関して原稿の表面の片面読取に係る動作指令が設定された状態で画像読取ジョブを受け付けたときに、当該ジョブの1枚目の原稿に対して表裏両面の原画像を個別に前記画像読取部に読み取らせ、1枚目の原稿の裏面に原画像が存在する場合に原稿の裏面に原画像が存在することを前記表示部に表示させ、原稿の裏面の画像読取が必要であるか否かの操作入力を前記入力部から受け付ける。
【発明の効果】
【0008】
本発明の構成によれば、画像形成装置に原稿の表裏両面の画像読取を実施させたいユーザーが、動作指令の基本的な設定を変えることなく原稿をセットしてスタートボタンを押した場合であっても、画像形成装置が自動的に原稿の裏面の原画像の存在に対応して原稿の裏面の画像読取が必要であるか否かをユーザに問う。これにより、意図しない原稿の表面のみの片面読取が実施されてしまうことが抑制され、画像読取のやり直し等が生じることを防止できる。したがって、原稿の画像読取を実施するにあたって、ユーザーの操作上の手間をできるだけ低減させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態の画像形成装置の原稿搬送部及び画像読取部の垂直断面図である。
図3】本発明の実施形態の画像形成装置による画像読取処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。なお、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
【0011】
最初に、本発明の実施形態の画像形成装置について、図1及び図2を用いてその構成を説明する。図1は画像形成装置の構成を示すブロック図である。図2は画像形成装置の原稿搬送部及び画像読取部の垂直断面図である。この画像形成装置1は、例えば画像読取(スキャン)、印刷(プリント)、複写(コピー(画像読取及び印刷))、ファクシミリ送受信等の複数の機能を備えた所謂複合機である。
【0012】
画像形成装置1は、図1に示す制御部20及び記憶部23を備える。制御部20はCPU21、画像処理部22、その他の不図示の電子回路や電子部品を含む。CPU21は記憶部23に記憶された制御用のプログラムやデータに基づき、画像形成装置1に設けられた各構成要素の動作を制御して画像形成装置1の機能に係る処理を実施する。画像処理部22は印刷や画像読取、送信に用いる画像データに対して画像処理を行う。記憶部23は例えば不図示のプログラムROM、データROMなどといった不揮発性の記憶装置と、RAMのような揮発性の記憶装置との組み合わせから成る。
【0013】
画像形成装置1の上部には、図1及び図2に示す原稿搬送部3及び画像読取部4が設けられる。
【0014】
原稿搬送部3は、図2に示す原稿供給トレイ31、原稿送り部32及び原稿排出トレイ33を備える。原稿供給トレイ31は原稿搬送部3の上部に設けられ、その上面に原稿が積載される。原稿送り部32は原稿供給トレイ31の原稿搬送方向下流側に設けられる。原稿送り部32は供給部32a及び複数の搬送ローラ対32bを有し、原稿を原稿供給トレイ31から原稿排出トレイ33まで送る。原稿送り部32の途中には、画像読取部4の後述する第1原稿読取部4a及び第2原稿読取部4bが設けられる。原稿排出トレイ33は原稿送り部32の原稿搬送方向下流側であって、原稿供給トレイ31の下方に設けられる。
【0015】
画像読取部4は、図1及び図2に示す第1原稿読取部4a及び第2原稿読取部4bを備える。第1原稿読取部4aは原稿搬送部3の原稿送り部32の底面の箇所に設けられる。第1原稿読取部4aは、原稿が原稿送り部32を搬送される最中に、すなわち図2において第1原稿読取部4aの箇所を左方から右方へと原稿が移動する最中に、自動的に原稿の第1面(例えば表裏のうち表面)に描かれた原画像を読み取る。第2原稿読取部4bは原稿送り部32の供給部32aから第1原稿読取部4aの箇所に至るまでの間に設けられる。第2原稿読取部4bは、原稿が原稿送り部32を搬送される最中に、すなわち図2において第2原稿読取部4bの箇所を上方から下方へと原稿が移動する最中に、自動的に原稿の第2面(例えば表裏のうち裏面)に描かれた原画像を読み取る。これにより、画像読取部4は原稿搬送部3を搬送される原稿の表裏両面各々の原画像を、その搬送途中において個別に自動的に読み取る。
【0016】
例えば、ユーザーが画像形成装置1に画像読取ジョブ、複写ジョブを実行させる場合、文字や図形、模様などの画像が描かれた原稿を原稿搬送部3の原稿供給トレイ31に積載する。制御部20は原稿搬送部3及び画像読取部4に動作指示を与え、原稿に描かれた原画像を読み取らせる。画像読取部4が読み取った原画像の画像データは記憶部23等に一時的に記憶される。
【0017】
画像形成装置1の上部であって画像読取部4の正面側には入力部である操作パネル5が設けられる。操作パネル5は入力部5p及び表示部5wを含む。操作パネル5は入力部5pを介してユーザーから画像形成装置1に画像読取ジョブ、印刷ジョブ、複写ジョブ、ファクシミリ送信ジョブを実行させる指令等の操作入力を受け付ける。操作パネル5は、例えば印刷に使用する印刷用紙(記録媒体)の種類やサイズ、拡大縮小、両面印刷の有無といった印刷条件などの設定を受け付けたり、ファクシミリ送信におけるファックス番号や送信者名などの設定の入力を受け付けたりする。さらに、操作パネル5は、例えば装置の状態や注意事項、エラーメッセージなどを表示部5wに表示することによって、それらをユーザーに対して報知するための報知部としての役割も果たす。操作パネル5が受け付けた入力情報は制御部20に送信される。
【0018】
画像形成装置1は画像読取部4より下方の部分に印刷ジョブを実行するための印刷部6を備える。印刷部6は給紙部7、用紙搬送部8、画像形成部9、転写部10及び定着部11を含む。給紙部7は複数枚の用紙を収容し、印刷時に用紙を送り出す。用紙搬送部8は給紙部7から送り出された用紙を搬送し、定着後の用紙を装置の外部に排出する。画像形成部9は画像データに基づき照射が制御されたレーザ光によって原稿画像の静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させて現像してトナー像を形成する。転写部10は画像形成部9で形成したトナー像を用紙に転写する。定着部11はトナー像が転写された用紙を加熱、加圧してトナー像を用紙に定着させる。このような印刷部6の印刷動作を制御部20が制御する。
【0019】
ここで、本実施形態の画像形成装置1は、原稿の画像読取に関して、原稿の表面の片面読取に係る動作指令が標準の動作指令として予め設定される。例えば、ユーザーが画像読取の動作指令に係る設定を変更した後、操作パネル5の不図示のリセットボタンを押すと、当該標準の動作指令が再度設定される。
【0020】
そして、制御部20は原稿の画像読取に関して原稿の表面の片面読取に係る動作指令が設定された状態で、ユーザーから画像読取ジョブを受け付けたとき、当該ジョブの1枚目の原稿に対して表裏両面の原画像を個別に、画像読取部4に読み取らせる。すなわち、画像読取部4は第1原稿読取部4aで1枚目の原稿の表面の原画像を読み取り、第2原稿読取部4bで同じく1枚目の原稿の裏面の原画像を読み取る。
【0021】
続いて、制御部20は1枚目の原稿の裏面に原画像が存在するか否かを判別する。1枚目の原稿の裏面に原画像が存在する場合、制御部20は原稿の裏面に原画像が存在することを表示部5wに表示させて、ユーザーに対して報知させる。これにより、原稿の裏面の画像読取の必要性を、ユーザーに対して自動的に問うことができる。
【0022】
さらに、制御部20は原稿の裏面の画像読取が必要であるか否かの操作入力を入力部5pから受け付ける。すなわち、ユーザーは画像形成装置1に原稿の表裏の両面読取を実施させるか否かを選択することができる。
【0023】
入力部5pから原稿の裏面の画像読取が必要である操作入力を受け付けた場合、制御部20は当該画像読取ジョブにおいて原稿の表裏の両面読取を実施する。一方、入力部5pから原稿の裏面の画像読取が必要ではない操作入力を受け付けた場合、制御部20は当該画像読取ジョブにおいて原稿の表面のみの片面読取を実施する。すなわち、当初設定された原稿の表面の片面読取に係る動作指令のとおりに、原稿の表面の片面読取が実施される。
【0024】
また、1枚目の原稿の裏面に原画像が存在しない場合、制御部20は当該画像読取ジョブにおいて2枚目以降、原稿の表面のみの片面読取を実施する。すなわち、当初設定された原稿の表面の片面読取に係る動作指令のとおりに、原稿の表面の片面読取が実施される。
【0025】
続いて、画像形成装置1による画像読取処理の一例について、図3に示すフローに沿って説明する。図3は画像形成装置1による画像読取処理の一例を示すフローチャートである。
【0026】
画像形成装置1においてユーザーから画像読取ジョブを受け付けると、画像読取動作が開始される(図3の「開始」)。なおここでは、原稿の画像読取に関して、原稿の表面の片面読取に係る動作指令が標準の動作指令として予め設定された状態、若しくは原稿の表面の片面読取に係る動作指令がユーザーによって設定された状態である。
【0027】
ステップ#101では、例えばユーザーによって原稿搬送部3の原稿供給トレイ31に原稿が載置され、操作パネル5から不図示のスタートボタンが押下される。
【0028】
ステップ#102では、画像読取部4によって1枚目の原稿の原画像が読み取られる。制御部20は1枚目の原稿に対して表裏両面の原画像を個別に、画像読取部4に読み取らせる。原画像の画像データは記憶部23に記憶される。
【0029】
ステップ#103では、制御部20が1枚目の原稿の裏面に原画像が存在するか否かを判別する。1枚目の原稿の裏面に原画像が存在する場合はステップ#104に移行する。1枚目の原稿の裏面に原画像が存在しない場合はステップ#111に移行する。
【0030】
ステップ#104では、制御部20が画像読取処理を一時停止させる。すなわち、制御部20は原稿の両面の画像読取に関して以下に続くユーザーからの入力を受け付けるために、画像読取処理を一時的に待機状態にする。
【0031】
ステップ#105では、制御部20が原稿の裏面に原画像が存在することを表示部5wに表示させて、ユーザーに対して報知させる。このとき、次のステップ#106で受け付けるユーザーの操作入力に係る表示も行うことが好ましい。
【0032】
ステップ#106では、制御部20が原稿の裏面の原画像に対するユーザーの操作を受け付ける。制御部20は原稿の裏面の画像読取が必要であるか否かの操作入力を入力部5pから受け付ける。
【0033】
ステップ#107では、ユーザーが入力部5pを介して入力を行ったか否かが判別される。ユーザーが入力を行った場合はステップ#108に移行する。ユーザーが入力を行わない場合は引き続きユーザーの入力を受け付けるために待機する。
【0034】
なおここで、当該待機に係る時間が長期化することを防止するために、所定時間の経過後、自動的に画像読取処理を再開させることにしても良い。自動的に画像読取処理を再開させる場合はステップ#110またはステップ#111に移行する。2枚目以降の原稿に関して、ステップ#110のように表裏両面の画像読取処理を実施するか、ステップ#111のように表面のみの画像読取処理を実施するか、いずれの処理を採用するかは予め設定して、記憶部23等に記憶させておくことができる。
【0035】
ステップ#108では、制御部20が画像読取処理を再開させる。
【0036】
ステップ#109では、制御部20によって原稿の裏面の画像読取が必要であるか否かが判別される。入力部5pから原稿の裏面の画像読取が必要である操作入力を受け付けた場合はステップ#110に移行する。入力部5pから原稿の裏面の画像読取が必要ではない操作入力を受け付けた場合はステップ#111に移行する。
【0037】
ステップ#110では、制御部20が当該画像読取ジョブにおいて原稿の表裏の両面読取を実施する。すなわち、2枚目以降、原稿搬送部3に載置された原稿に対して、表裏両面の画像読取処理が実施される。これにより、当該画像読取ジョブにおいて、1枚目を含めすべての原稿に対して表裏の両面読取が実施され、読み取ったすべての原稿の表裏両面の原画像の画像データが記憶される。
【0038】
ステップ#111では、制御部20が当該画像読取ジョブにおいて原稿の表面のみの片面読取を実施する。すなわち、2枚目以降、原稿搬送部3に載置された原稿に対して、表面片面のみの画像読取処理が実施される。これにより、当該画像読取ジョブにおいて、2枚目以降の原稿に対して表面の片面読取が実施され、読み取ったすべての原稿の表面片面の原画像の画像データが記憶される。
【0039】
原稿搬送部3に載置された全ての原稿に対して画像読取が終了すると、画像形成装置1において画像読取処理(画像読取ジョブ)が終了される(図3の「終了」)。
【0040】
なお、上記実施形態では、図3を用いて画像形成装置1による画像読取処理の一例について説明したが、複写処理(画像読取処理及び印刷処理)においても上記実施形態と同様の処理が実施される。すなわち、図3のステップ#101からステップ#109までの処理は、複写処理の場合も同じである。そして、ステップ#110において、ステップ#102で既に読み取った1枚目の表裏両面の画像データに関して両面印刷が実施され、2枚目以降、原稿搬送部3に載置された原稿に対して、表裏両面の画像読取処理及び印刷処理が実施される。また、ステップ#111において、ステップ#102で既に読み取った1枚目の表面片面の画像データに関して片面印刷が実施され、2枚目以降、原稿搬送部3に載置された原稿に対して、表面片面のみの画像読取処理及び印刷処理が実施される。
【0041】
上記実施形態のように、画像形成装置1は画像読取部4、表示部5w、入力部5p及び制御部20を備える。画像読取部4は原稿の表裏両面各々の原画像を個別に読み取る。表示部5wは画像読取に係る情報を表示する。入力部5pはユーザーから操作入力を受け付ける。制御部20は画像読取に係る動作を制御する。さらに、制御部20は、原稿の画像読取に関して原稿の表面の片面読取に係る動作指令が設定された状態で画像読取ジョブを受け付けたときに、当該ジョブの1枚目の原稿に対して表裏両面の原画像を個別に画像読取部4に読み取らせ、1枚目の原稿の裏面に原画像が存在する場合に原稿の裏面に原画像が存在することを表示部5wに表示させ、原稿の裏面の画像読取が必要であるか否かの操作入力を入力部5pから受け付ける。
【0042】
この構成によると、原稿の表裏両面の画像読取を画像形成装置1に実施させたいユーザーが、動作指令の基本的な設定を変えることなく原稿を原稿搬送部3にセットしてスタートボタンを押した場合であっても、画像形成装置1が自動的に原稿の裏面の原画像の存在に対応して原稿の裏面の画像読取が必要であるか否かをユーザに問う。これにより、意図しない原稿の表面のみの片面読取が実施されてしまうことが抑制され、画像読取のやり直し等が生じることを防止できる。したがって、原稿の画像読取を実施するにあたって、ユーザーの操作上の手間をできるだけ低減させることが可能になる。さらに、複写ジョブにおいては、無駄な印刷をなくすことができ、印刷用紙の浪費を抑制することが可能である。また、画像読取のやり直しを防止でき、原稿の損耗を抑制することが可能である。
【0043】
また、制御部20は、入力部5pから原稿の裏面の画像読取が必要である操作入力を受け付けた場合に、当該画像読取ジョブにおいて2枚目以降も原稿の表裏の両面読取を実施する。
【0044】
この構成によると、ユーザーの選択に基づいて、原稿の表裏の両面読取が実施される。したがって、画像形成装置1において原稿の表面の片面読取に係る動作指令が設定された状態であっても、操作を最初からやり直すことなく、ユーザーが所望する両面読取を実現することが可能である。
【0045】
また、制御部20は、入力部5pから原稿の裏面の画像読取が必要ではない操作入力を受け付けた場合に、当該画像読取ジョブにおいて2枚目以降は原稿の表面のみの片面読取を実施する。
【0046】
この構成によると、例えば原稿が印刷済みの用紙の裏面を再利用して作成された書面である場合、原稿の裏面の不要な画像が読み取られてしまうことを防止することができる。したがって、不要な画像データが記録部23等に蓄積されることを防止することが可能である。
【0047】
また、制御部20は、1枚目の原稿の裏面に原画像が存在しない場合に、当該画像読取ジョブにおいて2枚目以降は原稿の表面のみの片面読取を実施する。
【0048】
この構成によると、1枚目の原稿の裏面に原画像が存在しない場合、2枚目以降は、ユーザーに操作入力を要求することなく、自動的に原稿の表面のみの片面読取が実施される。したがって、本来原稿の裏面に原画像が存在しない場合において、ユーザーの操作上の手間をできるだけ低減させて、原稿の表面のみの片面読取を迅速に実現することが可能である。
【0049】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は画像形成装置において利用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 画像形成装置
3 原稿搬送部
4 画像読取部
4a 第1原稿読取部
4b 第2原稿読取部
5 操作パネル
5p 入力部
5w 表示部
6 印刷部
20 制御部
23 記憶部
図1
図2
図3