(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
また、本発明者は、段ボール箱に入れる前に、上述したような可動底板上への卵トレイ等の積み重ね作業を段ボール箱とは別の場所で行い、この積み重ねられた最終包装状態を維持しながら、段ボール箱内に収容することも考えている。この場合にも、積み重ねられた卵トレイ等は下側からしか支持されていないため、卵トレイ等が水平方向に動きやすく、非常に不安定な状態となる。
【0008】
なお、このように可動底板を用いて収容作業を行う場合には、段ボール箱の底を先に閉めておくことができないという事情がある。そのため、先に底の一部を形成する対をなす内フラップを閉めておき、段ボール箱と中身をスライド移動させるのに伴って外フラップを順次閉めて底を形成するものが考えられている(例えば、上記特許文献2を参照)。この方法は、非常に画期的なものであるものの、卵の入った容器を取り扱うGPセンターなどの限られたスペースに適用する場合に、更なるコンパクト化が求められる。
【0009】
以上述べたような事情に鑑みて、本発明は、可動底板を用いて卵の入った容器を段ボール箱やホルダー内に収容する作業に伴い発生する課題を解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述した目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち、請求項1に記載の段ボール箱への容器収容方法は、段ボール箱の4枚の側壁に囲まれた空間内を上下方向に移動可能な可動底板上に1段ずつ卵の入った容器を積み重ねて、前記空間内に収容する方法であって、前記空間内の所定高さ位置に可動底板を位置付ける可動底板配置工程と、前記段ボール箱の上面開放部の上方を覆う閉鎖位置にシャッターを位置付けるシャッター配置工程と、前記シャッターの上に容器を位置付ける容器配置工程と、前記シャッターの上に容器の水平方向の移動を規制する拘束具を位置付ける拘束具配置工程と、前記シャッターを前記上面開放部から退避させた開放位置まで移動させることにより、シャッター
で保持された容器を可動底板に既に載置された容器上に
端から順番に落下させるシャッター退避工程とを備え、前記拘束具が、平面視における容器の外周に沿うように配置され
、その平面視形状が保たれる拘束壁を備えたものであり、前記拘束具配置工程が、前記シャッター退避工程においてシャッターが退避する際、前記拘束具の拘束壁と、前記段ボール箱の4枚の側壁とが協働して、容器が下方の所定位置に移動可能な連続空間を形成するように前記拘束具を位置付けることを特徴とする。
【0011】
ここで、「容器」とは、例えば、モールドトレイやプラスチック製の卵パックなど、卵を収容した状態で積み重ねることができるものであればどのようなものであってもよく、上面側を覆う蓋の有無や、大きさ、形状、紙製/プラスチック製などに関わりなく、種々のものが適用できる。
【0012】
「上面開放部」とは、段ボール箱の上端に囲まれた辺りを意味する。段ボール箱の場合には、蓋側のフラップが外側に折り曲げられた状態で各側壁の上端に囲まれる部分であってもよいし、蓋側のフラップが折り曲げられない状態で当該蓋側の各フラップの上端に囲まれる部分であってもよい。また、蓋側のフラップがない場合に各側壁の上端に囲まれる部分であってもよい。
【0013】
「水平方向」とは、完全な水平に限られず、容器から卵が落ちない程度に傾斜したものであってもよい。
【0014】
「外周に沿うように」とは、外周の全体を覆うものには限られず、容器の水平方向の移動を規制する少なくとも3つの面を備えていればよく、容器の外周のうち途中で切れた部分があってもよい。
【0015】
「連続空間」とは、容器が下方の所定位置に移動可能なものであれば、隣接する空間同士が完全に連続したものに限られず、その間にシャッターを配置可能な隙間が形成されていてもよい。
【0016】
請求項2に記載の段ボール箱への容器収容装置は、卵の入った容器を1段ずつ積み重ねて段ボール箱の4枚の側壁に囲まれた空間内に収容する段ボール箱への容器収容装置であって、前記段ボール箱の上面開放部の上方を覆う閉鎖位置及び前記上面開放部から退避させた開放位置との間でスライド移動可能なシャッターと、前記閉鎖位置にあるシャッター
で保持された容器と共に載せられて容器の水平方向の移動を規制する拘束具と、前記空間を上下方向に移動可能であり、前記開放位置に退避するシャッターから
端から順番に落下した容器を受け取る可動底板とを備え、前記拘束具が、平面視における容器の外周に沿うように配置され
、その平面視形状が保たれる拘束壁を備え、この拘束壁が前記段ボール箱の4枚の側壁と協働して、容器が下方の所定位置に移動可能な連続空間を形成するものであることを特徴とする。
【0020】
請求項
3に記載のホルダーへの容器収容方法は、上面側と下面側とが開放されたホルダーに囲まれた空間内を上下方向に移動可能な可動底板上に1段ずつ卵の入った容器を積み重ねて、前記空間内に収容する方法であって、前記空間内の所定高さ位置に可動底板を位置付ける可動底板配置工程と、前記ホルダーの上面開放部の上方を覆う閉鎖位置にシャッターを位置付けるシャッター配置工程と、前記シャッターの上に容器を位置付ける容器配置工程と、前記シャッターの上に容器の水平方向の移動を規制する拘束具を位置付ける拘束具配置工程と、前記シャッターを前記上面開放部から退避させた開放位置まで移動させることにより、シャッター
で保持された容器を可動底板に既に載置された容器上に
端から順番に落下させるシャッター退避工程とを備え、前記拘束具が、平面視における容器の外周に沿うように配置され
、その平面視形状が保たれる拘束壁を備えたものであり、前記拘束具配置工程が、前記シャッター退避工程においてシャッターが退避する際、前記拘束具の拘束壁と、前記ホルダーとが協働して、容器が下方の所定位置に移動可能な連続空間を形成するように前記拘束具を位置付けることを特徴とする。
【0021】
請求項
4に記載のホルダーへの容器収容装置は、卵の入った容器を1段ずつ積み重ねて、上面側と下面側とが開放されたホルダーに囲まれた空間内に収容するホルダーへの容器収容装置であって、前記ホルダーの上面開放部の上方を覆う閉鎖位置及び前記上面開放部から退避させた開放位置との間でスライド移動可能なシャッターと、前記閉鎖位置にあるシャッター
で保持された容器と共に載せられて容器の水平方向の移動を規制する拘束具と、前記空間を上下方向に移動可能であり、前記開放位置に退避するシャッターから
端から順番に落下した容器を受け取る可動底板とを備え、前記拘束具が、平面視における容器の外周に沿うように配置され
、その平面視形状が保たれる拘束壁を備え、この拘束壁が前記ホルダーと協働して、容器が下方の所定位置に移動可能な連続空間を形成するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、可動底板を用いて卵の入った容器を段ボール箱やホルダー内に収容する作業に伴い発生する課題を解決できる段ボール箱への容器収容方法及びこの装置、ホルダーへの容器収容方法及びこの装置、段ボール箱への移し替え方法、並びに、段ボール箱の底の形成方法及びこの装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、
図1〜
図12を用いて説明する。
【0030】
本実施形態では、卵Eの入った容器Tがモールドトレイである場合に、いわゆるA式段ボール箱Cにモールドトレイを複数段積み重ねて収容するものを例に挙げて説明する。ここでは、段ボール箱Cに卵Eの入った容器Tを1段ずつ積み重ねる際に、本発明の一実施形態にかかる段ボール箱への容器収容装置10を用いており、段ボール箱Cに所定段数の容器Tが収容された後、本発明の一実施形態にかかる段ボール箱の底の形成装置20を用いて、段ボール箱Cの底C5が閉じられる。
【0031】
まず、容器Tについて説明する。本実施形態の容器Tは、この分野でよく知られた10kg詰用の紙製の容器Tであり、撓みやすさ(変形しやすさ)を備えている。この容器Tは、卵Eの下部を収容する複数の収容凹部T1と、隣接する収容凹部T1間に形成された突出部T2とを備えている。また、各容器Tは、収容凹部T1の外側に段ボール箱Cとの間の隙間を埋めるための延出部T3を備えている。一の容器Tの上方に同一形状をなす他の容器Tを水平に180度反転させて積み重ねた際に、一の容器Tの突出部T2の上端と他の容器Tの収容凹部T1の下端とが接触して、他の容器Tが下側から支持される構造となっている。
【0032】
次に、段ボール箱Cについて説明する。本実施形態で使用する段ボール箱Cは、前述した10kg詰用のモールドトレイが納まる大きさを備えたもので、撓みやすさ(変形しやすさ)を備えている。この段ボール箱Cは、対をなす内フラップC2及び対をなす外フラップC3、C4を各折り曲げ線に沿って内側に折り曲げて底C5を形成するタイプのものであり、4つの各側壁C1が連続的につながって形成されるとともに、これら各側壁C1から張り出して形成された長方形状の内フラップC2及び外フラップC3、C4によって箱体の底C5や蓋C8が形成されるいわゆるミカン箱タイプのものである。特に、この段ボール箱Cは、JIS Z 1507で0201に分類されるもので、底C5や蓋C8を形成する内フラップC2と外フラップC3、C4の側壁C1からの突出長さがほぼ同じという特徴がある。そのため、一対の外フラップC3、C4を内側に折り曲げたときには、その突出端C31、C41同士は突き合わせ状態となって底C5や蓋C8が完全に閉じられるが、一対の内フラップC2を内側に折り曲げたときには、その突出端C21同士は離れている。なお、
図3では、説明の簡略化のため、蓋C8を省略している。
【0033】
このような段ボール箱Cに容器Tを収容する本実施形態の段ボール箱への容器収容装置10は、例えば、卵Eの選別集合装置(図示しない)の後工程側に接続されるものである。卵Eの選別集合装置は、搬送装置により搬送されながら卵Eの重量の測定や種々の検査を行い、これらの測定・検査結果に基づいて食用に適する卵EをL,Mなどのサイズ別に集合させるものである。1枚のモールドトレイに同じサイズの卵Eが複数充填された後、搬送装置により容器Tの収容装置まで運ばれる。
【0034】
<段ボール箱への容器収容装置>本実施形態の段ボール箱への容器収容装置10は、
図1〜
図5に示すように、卵Eの入った容器Tを1段ずつ積み重ねて段ボール箱Cの4枚の側壁C1に囲まれた空間C7内に収容するものである。具体的には、この容器収容装置10は、前記段ボール箱Cの上面開放部C6の上方を覆う閉鎖位置(C)及び前記上面開放部C6から退避させた開放位置(O)との間でスライド移動可能なシャッター1と、前記閉鎖位置(C)にあるシャッター1の上に容器Tと共に載せられて容器Tの水平方向の移動を規制する拘束具2と、前記空間C7を上下方向に移動可能であり、前記開放位置(O)に退避するシャッター1から落下した容器Tを受け取る可動底板3とを備えてなる。
【0035】
シャッター1は、
図1〜
図5に示すように、容器Tを落下させるまでの間、容器Tを下側から保持しておくためのもので、例えば、合成樹脂製の1枚の薄板状のものである。シャッター1は、平面視において、段ボール箱Cの上面開放部C6よりも一回り大きい面積を有してその上面開放部C6の全体を覆うことが可能な長方形状のものである。また、このシャッター1は、段ボール箱Cの底C5や可動底板3と平行に配置されており、後述する第2の駆動装置により前記閉鎖位置(C)と開放位置(O)との間で水平方向に駆動される。
【0036】
拘束具2は、
図1〜
図5に示すように、少なくとも容器Tの外周がほぼ接することで容器Tの水平方向の移動を規制するためのもので、平面視における容器Tの外周に沿うように配置される拘束壁21を備えている。本実施形態の拘束具2は、容器Tの全周に連続的に設けられる4枚の拘束壁21を備えた角筒状のものである。拘束具2は、その4枚の拘束壁21と段ボール箱Cの4枚の側壁C1とが協働して、容器Tが下方の所定位置に移動可能な連続空間を形成するものであり、本実施形態では、拘束具2の上端側と下端側が開放されている。この拘束具2は、シャッター1の上面11上に載せ置かれるもので、その上下方向寸法は容器Tの上下方向寸法よりも大きく設定されている。本実施形態の拘束具2は、平面視において、段ボール箱Cと大きさ及び形状が同一の長方形状をなしている。また、この拘束具2は、その平面視形状を保ちながら、シャッター1の上面11側の所定位置と、この所定位置から離れた位置との間で移動可能に設定されている。
【0037】
可動底板3は、
図1〜
図9、
図11及び
図12に示すように、上面34側に容器Tを載置可能で、かつ、上下昇降可能なもので、板状の仮底本体31と、この仮底本体31を下方から支持する支柱32とを主体に構成されている。仮底本体31は、シャッター1上から落下した容器Tを下側から保持しておくためのもので、例えば、板金製の1枚の薄板状のものである。仮底本体31は、平面視において、段ボール箱Cよりも一回り小さい面積を有する長方形状のものである。この仮底本体31は、水平に配置されており、この水平状態を保ったまま上下方向に移動可能である。支柱32は、仮底本体31の下面33側に設けられているもので、仮底本体31の中心からずれた位置で仮底本体31を支えている。より具体的には、この可動底板3は、片側の外フラップC3のみを折り曲げないことにより底C5側に形成される穴C51を介して下側から支持されるものである。
【0038】
また、この段ボール箱への容器収容装置10は、前記閉鎖位置(C)のシャッター1の所定位置に容器Tを位置付ける移載装置(図示しない)を備える。本実施形態の移載装置は、拘束具2で囲まれた容器Tを拘束具2とともに所定方向に向ける回転機構と、容器Tを拘束具2とともに所定位置まで押し出す押出機構とを兼ね備えたものである。本実施形態の容器Tは1段毎に180度ずつ反転させて互い違いに積み重ねられるものであるため、本実施形態の移載装置は、シャッター1近傍に到達した容器Tの周りに拘束具2を配置したそのままの姿勢でシャッター1上の所定位置まで押し出す動作と、シャッター1近傍に到達した容器Tの周りに拘束具2を配置した後、拘束具2とともに水平方向に180度回転させた後にシャッター1上の所定位置まで押し出す動作とを交互に行う。
【0039】
さらに、この段ボール箱への容器収容装置10は、前記可動底板3を上下方向に駆動させる可動底板駆動装置(図示しない)と、前記シャッター1を水平方向に駆動させるシャッター駆動装置(図示しない)と、これら可動底板駆動装置とシャッター駆動装置を連動制御させる制御装置(図示しない)とを備える。
【0040】
可動底板駆動装置及びシャッター駆動装置は、それぞれ一直線状に移動可能なアクチュエータであり、この分野で用いられる種々のものを適用できる。また、制御装置は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェースなどを有したマイクロコンピュータシステムであり、これら可動底板駆動装置及びシャッター駆動装置の制御の他に、移載装置を含めた段ボール箱への容器収容装置10全体の制御も行うものである。
【0041】
<段ボール箱の底の形成装置>
次に、段ボール箱の底の形成装置20について説明する。
【0042】
本実施形態の段ボール箱の底の形成装置20は、
図6〜
図12に示すように、4枚の側壁C1に囲まれた空間C7内を上下方向に移動可能で、かつ、その上面34側に卵Eの入った容器Tを配置可能な可動底板3と、この可動底板3の外側に配置され対をなす内フラップC2及び他の外フラップC4を内側に折り曲げる3面折り曲げ機構(図示しない)と、前記可動底板3から水平移動された段ボールCが乗り移る第1の乗り移り板5と、この第1の乗り移り板5で一の外フラップC3を内側に折り曲げる外フラップ折り曲げ機構(図示しない)と、前記第1の乗り移り板5から水平移動された段ボールCが乗り移る第2の乗り移り板7とを備えてなる。
【0043】
可動底板3は、段ボール箱への容器収容装置10で述べたものと同一のものであるため、詳細な説明を省略するが、この前記可動底板3の下面33側は、折り曲げられた対をなす内フラップC2の内側の面と接触するものである。
【0044】
3面折り曲げ機構は、一の外フラップC3以外を折り曲げて底C5の一部を形成するものであり、対をなす内フラップC2を内側に折り曲げる内フラップ折り曲げ機構と、他の外フラップC4を内側に折り曲げる他の外フラップ折り曲げ機構とから構成されている。具体的には、内フラップC2の外面側から内側に向けて各内フラップC2を押す第1の押し上げ部材と、各内フラップC2が押し上げられた後に他の外フラップC4の外面側から内側に向けて当該外フラップC4を押す第2の押し上げ部材とを主体に構成されている。第1、第2の押し上げ部材は、可動底板3の動きに干渉しない場所に配置されている。
【0045】
第1の乗り移り板5は、
図6〜
図12に示すように、可動底板3から水平移動された段ボールCが乗り移り、3面折り曲げ機構により折り曲げられなかった一の外フラップC3を折り曲げる際に利用される場所であり、例えば、板金製の1枚の薄板状のものである。この第1の乗り移り板5は、上面51側に容器Tを収容した段ボール箱Cを載置できるとともに、その下面52側は、折り曲げられた一の外フラップC3の内側の面と接触するものである。本実施形態の第1の乗り移り板5は、第1のプッシャー(図示しない)を用いて可動底板3に載った段ボール箱Cの外フラップC3に連続する長さ面C11を押して、この長さ面C11に直交する方向に段ボール箱Cをスライド移動させたときに、可動底板3から乗り移ることのできる位置に配置されており、その上面51は水平に配置されている。
【0046】
一の外フラップ折り曲げ機構は、一の外フラップC3を折り曲げて底C5を形成するものであり、一の外フラップC3以外の3面が折り曲げられ第1の乗り移り板5上に移動した後、一の外フラップC3の外面側から内側に向けて当該一の外フラップC3を押す第3の押し上げ部材を主体に構成されている。
【0047】
第2の乗り移り板7は、
図6〜
図12に示すように、第1の乗り移り板5から水平移動された段ボールCが乗り移り、対をなす外フラップC3、C4の突出端C31、C41同士を突き合わせてテープ留め可能な状態とする際に利用される場所である。第2の乗り移り板7は、その上面が平らなものであれば板状には限られないため、図では台状に示している。この第2の乗り移り板7の上面71側には、容器Tを収容した段ボール箱Cを載置できる水平面を備える。本実施形態の第2の乗り移り板7は、第2のプッシャー(図示しない)を用いて第1の乗り移り板5に載った段ボール箱Cの内フラップC2に連続する幅面C12を押して、この幅面C12に直交する方向に段ボール箱Cをスライド移動させたときに、第1の乗り移り5から乗り移ることのできる位置に配置されている。
【0048】
<段ボール箱への容器収容方法・段ボール箱の底の形成方法>
次に、上述した段ボール箱への容器収容装置10を用いて、段ボール箱Cの4枚の側壁C1に囲まれた空間C7内を上下方向に移動可能な可動底板3上に1段ずつ卵Eの入った容器Tを積み重ねて、前記空間C7内に収容する方法、並びに、この可動底板3を用いて段ボール箱Cの底C5を形成する方法を説明する。
【0049】
卵の選別集合装置でサイズ別に分けられモールドトレイ上に載せられた卵Eは、搬送装置で段ボール箱への容器収容装置10の近傍に運ばれてくる。その間に、段ボール箱Cの底C5の一部を形成し、準備しておく。
【0050】
まず、
図6に示すように、筒状にした段ボール箱Cを可動底板3に上方から被せる。その状態から、
図7に示すように、前記空間C7に前記可動底板3が位置する状態で、対をなす内フラップC2を各折り曲げ線に沿って内側に折り曲げて底C5の一部を形成する(ステップS1)。すなわち、このステップS1の内フラップ折り曲げ工程では、内フラップ折り曲げ機構の第1の押し上げ部材を駆動させて各内フラップC2を互いの突出端C21が近付くようにほぼ90度に折り曲げる。なお、この状態を一定高さ位置で維持するように底C5が図示しない保持手段により支持されている。
本実施形態では、続いて、他の外フラップ折り曲げ機構の第2の押し上げ部材を駆動させて他の外フラップC4をその内側の面が内フラップC2の外面に近付くようにほぼ90度に折り曲げる。なお、可動底板3の支柱32は、対をなす内フラップC2と他の外フラップC4の各突出端C21、C41で囲まれる四角形状の穴C51、言い換えれば、一の外フラップC3のみを折り曲げないことにより底C5側に形成される穴C51を貫通するように位置する。
【0051】
なお、本実施形態では、このステップS1と同時または前後に、段ボール箱Cへ容器Tを収容できるように、段ボール箱Cの蓋C8側の各フラップは外側にほぼ90度に折り曲げられた状態としておく。
【0052】
次に、
図3〜
図5に示すように、可動底板3上に1段目の容器Tを収容する。
具体的には、まず、第1の駆動装置を駆動させて、可動底板3を前記空間C7上の所定高さ位置に位置付ける(ステップS2)。このステップS2では、まず、上面開放部C6近傍の所定位置に可動底板3を配置する。その後、可動底板3上に容器Tを位置付ける(ステップS3)。具体的には、搬送装置で可動底板3近傍に運ばれてきた容器Tを、移載装置を用いて可動底板3上の所定位置へと水平移動させる。
【0053】
次に、この1段目の容器Tの上に2段目の容器Tを積み重ねて収容する。
具体的には、まず、第1の駆動装置を駆動させて可動底板3を前記空間C7内の所定高さ位置に位置付ける(ステップS4)。このステップS4の可動底板配置工程では、第1の駆動装置により、容器Tが載置された可動底板3を1段分、具体的には、シャッター1が閉鎖位置(C)に配置された場合に、容器Tから上方に突出している卵Eに干渉しない位置まで下方に移動させる。
【0054】
このステップS4と同時または後に、以下のステップS5〜S7の工程を実行する。まず、ステップS5(シャッター配置工程)では、前記段ボール箱Cの上面開放部C6の上方を覆う閉鎖位置(C)にシャッター1を位置付ける。具体的には、第2の駆動装置を用いてシャッター1を開放位置(O)から閉鎖位置(C)へと水平移動させる。次に、ステップS6(容器配置工程)では、前記シャッター1の上に容器Tを位置付ける。本実施形態ではこのステップS6と同時に、ステップS7(拘束具配置工程)で、前記シャッター1の上に容器Tの水平方向の移動を規制する拘束具2を位置付ける。具体的には、搬送装置で可動底板3近傍に運ばれてきた容器Tを各拘束壁21が容器Tを囲むように拘束具2を配置する。その後、移載装置を用いて容器Tと拘束具2を水平方向に180度回転させてからシャッター1上の所定位置へと水平移動させる。これにより、容器Tが段ボール箱Cの上方に位置付けられるとともに、4枚の拘束壁21が段ボール箱Cの4枚の側壁C1の上方に位置付けられる。
【0055】
この状態から、前記シャッター1を前記上面開放部C6から退避させた開放位置(O)まで移動させる(ステップS8)。このステップS8のシャッター退避工程では、第2の駆動手段を用いてシャッター1の長手方向に沿って閉鎖位置(C)から開放位置(O)へと水平移動させる。これにより、シャッター1上の容器Tは端から順番に、可動底板3に既に載置された容器T上に落下する。その際、シャッター1の上面11と可動底板3の上面34との間に段差が生じるが、容器Tが変形することにより、内部の卵Eが割れることなく順次可動底板3上に移動していく。
【0056】
以上のようにして、容器Tの2段分の収容が完了するが、この後、ステップS4〜S8を繰り返して、現在収容されている容器Tの上側に次の容器Tを積み重ねて収容していく。本実施形態では、容器Tを互い違いになるように5枚重ねているので、ステップS6の容器配置工程は、2段目、4段目等の偶数段目の場合、移載装置により容器T(及び拘束具2)を水平方向に180度回転させてからシャッター1上の所定位置へと水平移動させる一方、3段目、5段目等の奇数段目の場合、移載装置により容器T(及び拘束具2)を回転させることなくそのままシャッター1上の所定位置へと水平移動させる。
【0057】
可動底板3上に5枚の容器Tが載った状態でステップS8まで終了した後、第1の駆動装置を駆動させて、折り曲げた対をなす内フラップC2を前記可動底板3の下面33側に接触させる(ステップS9)。このステップS9の可動底板接触工程は、可動底板3の下面33が、第1の乗り移り板5の上面51とほぼ同じ高さか、またはこの上面51より少し高い位置で行われる。
【0058】
次に、
図8、
図10及び
図12に示すように、前記可動底板3の他の外フラップC4側に隣接する第1の乗り移り板5に前記段ボール箱Cを水平移動させる(ステップS10)。このステップS10の第1の水平移動工程では、前記外フラップC3、C4と側壁C1の間の折り曲げ線と直交する方向に第1のプッシャーで段ボール箱Cを押すことにより、容器Tの下面側と内フラップC2の内側面との間に挟まれていた可動底板3から段ボール箱Cが離れることとなり、その途上において、一の外フラップC3は外側にほぼ90度折り曲げられた状態で可動底板3上を通過する。なお、
図8では、段ボール箱Cに収容された容器を省略して示している。
【0059】
段ボール箱Cの本体部分が第1の乗り移り板5上に乗り移った後、
図9、
図11及び
図12に示すように、前記可動底板3を下方に移動させる(ステップS11)。このステップS11の可動底板下降工程では、可動底板3上面34に載った一の外フラップC3を内側に折り曲げる際に干渉しない位置まで、可動底板3を移動させる。そして、前記一の外フラップC3を内側に折り曲げて前記第1の乗り移り板5の下面52側に接触させる(ステップS12)。このステップS12の一の外フラップ折り曲げ工程では、第3の押し上げ部材を駆動させて一の外フラップC3の突出端C31が他の外フラップC4の突出端C41に近付くようにほぼ90度に折り曲げる。この際、一の外フラップC3の突出端C31は第1の乗り移り板5の下面52側にしているが、他の外フラップC4の突出端C41は第1の乗り移り板5の上面51側に位置している。
【0060】
最後に、
図10及び
図12に示すように、前記第1の乗り移り板5の内フラップC2側に隣接する第2の乗り移り板7上に前記段ボール箱Cを水平移動させる(ステップS13)。このステップS13の第2の水平移動工程では、前記外フラップC3、C4と側壁C1の間の折り曲げ線と平行な方向に第2のプッシャーで段ボール箱Cを押すことにより、先に折り曲げられていた3つのフラップC2、C4の外面側と最後に折り曲げた一の外フラップC3の内面側との間に挟まれていた第1の乗り移り板5から段ボール箱Cが離れることとなる。そして、段ボール箱C全体が第2の乗り移り板7上に乗り移ると、対をなす外フラップC3、C4の突出端C31、C41同士が接近して、底C5が形成されることとなる。
【0061】
<第1実施形態の効果>
本実施形態の段ボール箱Cへの容器収容方法は、段ボール箱Cの4枚の側壁C1に囲まれた空間C7内を上下方向に移動可能な可動底板3上に1段ずつ卵Eの入った容器Tを積み重ねて、前記空間C7内に収容する方法であって、前記空間C7内の所定高さ位置に可動底板3を位置付ける可動底板配置工程と、前記段ボール箱Cの上面開放部C6の上方を覆う閉鎖位置(C)にシャッター1を位置付けるシャッター配置工程と、前記シャッター1の上に容器Tを位置付ける容器配置工程と、前記シャッター1の上に容器Tの水平方向の移動を規制する拘束具2を位置付ける拘束具配置工程と、前記シャッター1を前記上面開放部C6から退避させた開放位置(O)まで移動させることにより、シャッター1上の容器Tを可動底板3に既に載置された容器T上に落下させるシャッター退避工程とを備えている。そして、前記拘束具2が、平面視における容器Tの外周に沿うように配置される拘束壁21を備えたものであり、前記拘束具配置工程が、前記シャッター退避工程においてシャッター1が退避する際、前記拘束具2の拘束壁21と、前記段ボール箱Cの4枚の側壁C1とが協働して、容器Tが下方の所定位置に移動可能な連続空間を形成するように前記拘束具2を位置付けるものであるため、可動底板3を用いて卵Eの入った容器Tを段ボール箱C内に収容する作業に伴い発生する課題を解決することができる。
【0062】
より具体的には、段ボール箱Cよりも上方に飛び出た位置で容器Tの下側からシャッター1を取り除く前後において、容器Tが水平方向に動いて非常に不安定な状態となる。特に、本実施形態のような変形可能な容器Tであれば、なおさらである。しかしながら、本実施形態のような拘束具2を配置することにより、上述した問題を解決することができる。また、本実施形態のように容器Tを上下で互い違いにして積み重ねるものであるので、一の容器Tの突出部T2の上端と他の容器Tの収容凹部T1の下端とが接触する必要があり、水平方向へのずれが生じると、積み重ねるのが難しくなってしまう。しかしながら、本実施形態のようなものであれば、このような卵Eの容器Tに特有の課題にしっかりと対処して、従来手作業で行っていた箱詰め作業を機械化させることが可能となる。なお、特許文献1では、卵トレイ等を落下させる際、支持体の取り除き移動と一緒に卵トレイ等がついてこないようにするための抜き取り片が1箇所、支持体の取り除き側に設けられているが、このようなものでは水平方向へのずれの抑制には不十分であるのは明らかである。特に本実施形態の拘束具2は、容器Tの全周に沿うように拘束壁21が配置されるので、所望の位置に落下させやすい。
【0063】
このような方法を実現する一手段としての本実施形態の段ボール箱への容器収容装置10は、卵Eの入った容器Tを1段ずつ積み重ねて段ボール箱Cの4枚の側壁C1に囲まれた空間C7内に収容する段ボール箱への容器収容装置10であって、前記段ボール箱Cの上面開放部C6の上方を覆う閉鎖位置(C)及び前記上面開放部C6から退避させた開放位置(O)との間でスライド移動可能なシャッター1と、前記閉鎖位置(C)にあるシャッター1の上に容器Tと共に載せられて容器Tの水平方向の移動を規制する拘束具2と、前記空間C7を上下方向に移動可能であり、前記開放位置(O)に退避するシャッター1から落下した容器Tを受け取る可動底板3とを備える。そして、前記拘束具2が、平面視における容器Tの外周に沿うように配置される拘束壁21を備え、この拘束壁21が前記段ボール箱Cの4枚の側壁C1と協働して、容器Tが下方の所定位置に移動可能な連続空間を形成するものである。
【0064】
また、本実施形態では、前記可動底板3を上下方向に駆動させる可動底板駆動装置と、前記シャッター1を水平方向に駆動させるシャッター駆動装置と、これら可動底板駆動装置とシャッター駆動装置を連動制御させる制御装置とを備える。そのため、1段ずつ容器Tを積み重ねる作業を機械化できる。
【0065】
本実施形態の容器収容装置10は、前記閉鎖位置(C)のシャッター1の所定位置に容器Tを位置付ける移載装置を備える。すなわち、先行文献にあるようにシャッター1上に容器Tが載せられた状態で移動することがなく、より正確に所定の位置に容器Tを配置することができる。
【0066】
また、前記段ボール箱Cが、対をなす内フラップC2及び対をなす外フラップC3、C4を各折り曲げ線に沿って内側に折り曲げて底C5を形成するものであり、前記可動底板3が、前記内フラップC2及び外フラップC3、C4のうちの1つを折り曲げないことにより底C5側に形成される穴C51を介して下側から支持されるものであるので、容器Tを段ボール箱Cに収容した後に底C5を形成する作業場所をコンパクトにすることができる。
【0067】
さらに、本実施形態の段ボール箱Cの底C5の形成方法は、対をなす内フラップC2及び対をなす外フラップC3、C4を各折り曲げ線に沿って内側に折り曲げて底C5を形成するタイプの段ボール箱Cにおいて、4枚の側壁C1に囲まれた空間C7内を上下方向に移動可能で、かつ、その上面34側に卵Eの入った容器Tを配置可能な可動底板3を用いて段ボール箱Cの底C5を形成する方法であって、前記空間C7に前記可動底板3が位置する状態で、一の外フラップC3を折り曲げることなく、対をなす内フラップC2及び他の外フラップC4を各折り曲げ線に沿って内側に折り曲げて底C5の一部を形成する3面折り曲げ工程と、折り曲げた対をなす内フラップC2を前記可動底板3の下面33側に接触させる可動底板接触工程と、前記外フラップC3、C4と側壁C1の間の折り曲げ線と直交する方向に前記段ボール箱Cを水平移動させる第1の水平移動工程と、前記可動底板3を下方に移動させる可動底板下降工程と、前記一の外フラップC3を内側に折り曲げて前記第1の乗り移り板5の下面52側に接触させる一の外フラップ折り曲げ工程と、前記外フラップC3、C4と側壁C1の間の折り曲げ線と平行な方向に前記段ボール箱Cを水平移動させる第2の水平移動工程とを備えてなるものであるため、可動底板3を用いて卵Eの入った容器Tを段ボール箱C内に収容する作業に伴い発生する課題を解決することができる。
【0068】
より具体的には、第1の水平移動工程を経た後に、一の外フラップC3を内側に折り曲げるのに干渉しない位置まで可動底板3を下方に移動させるようにしているので、可動底板3と第1の乗り移り板5との距離を可及的に近付けることができる。そのため、卵Eの入った容器Tを取り扱うGPセンターなどの限られたスペースにも適用可能なコンパクトな装置を実現することができる。なお、本実施形態では、第1の水平移動工程前に他の外フラップC4も折り曲げるようにしていたが、この他の外フラップC4の折り曲げタイミングは第1の水平移動工程の後であっても同様の効果を奏する。
【0069】
また、上述した方法を実現する一手段としての本実施形態の段ボール箱の底の形成装置20は、対をなす内フラップC2及び対をなす外フラップC3、C4を各折り曲げ線に沿って内側に折り曲げて底C5を形成するタイプの段ボール箱Cにおいて、4枚の側壁C1に囲まれた空間C7内を上下方向に移動可能で、かつ、その上面34側に卵Eの入った容器Tを配置可能な可動底板3と、この可動底板3の外側に配置され対をなす内フラップC2及び他の外フラップC4を内側に折り曲げる3面折り曲げ機構と、前記可動底板3から水平移動されたダンボールCが乗り移る第1の乗り移り板5と、この第1の乗り移り板5で一の外フラップC4を内側に折り曲げる一の外フラップ折り曲げ機構と、前記第1の乗り移り板5から水平移動されたダンボールCが乗り移る第2の乗り移り板7とを備え、前記第1の乗り移り板5の下面52は、折り曲げられた一の外フラップC4と接触するものであり、前記第2の乗り移り板7の上面71は、前記第1の乗り移り板5の下面52より低い位置に設定されたものである。
【0070】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について、
図13及び
図14を用いて説明する。
【0071】
本実施形態では、卵Eの入った容器Tがモールドトレイである場合に、蓋と底のない角筒型のホルダーHに容器Tを複数段積み重ねて収容するものを例に挙げて説明する。ここでは、ホルダーHに卵Eの入った容器Tを1段ずつ積み重ねる際に、本発明の一実施形態にかかるホルダーへの容器収容装置10を用いており、ホルダーHに所定段数の容器Tが収容された後、本発明の一実施形態にかかる段ボール箱への移し替え方法を用いて、ホルダーHから段ボール箱Cへ容器Tを移し替えている。本実施形態のホルダーへの容器収容装置10は、容器Tを収容する対象が前述した第1実施形態と異なるだけであるため、第1実施形態と同じ構成の部分は、同一の符号を付して詳細な説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明していく。
【0072】
本実施形態で使用するホルダーHは、
図13及び
図14に示すように、上面側と下面側とが開放され4つの各側壁H1により形成された角筒型のものであり、前述した段ボール箱Cとほぼ同じ大きさを備えたものである。
【0073】
<ホルダーへの容器収容装置>
本実施形態のホルダーへの容器収容装置10は、
図13に示すように、卵Eの入った容器Tを1段ずつ積み重ねて、上面側と下面側とが開放されたホルダーHの4枚の側壁H1に囲まれた空間H7内に収容するものであって、前記ホルダーHの上面開放部H6の上方を覆う閉鎖位置(C)及び前記上面開放部H6から退避させた開放位置(図示しない)との間でスライド移動可能なシャッター1と、前記閉鎖位置(C)にあるシャッター1の上に容器Tと共に載せられて容器Tの水平方向の移動を規制する拘束具2と、前記空間H7を上下方向に移動可能であり、前記開放位置に退避するシャッター1から落下した容器Tを受け取る可動底板3とを備え、前記拘束具2が、平面視における容器Tの外周に沿うように配置される拘束壁21を備え、この拘束壁21が前記ホルダーHの4枚の側壁H1と協働して、容器Tが下方の所定位置に移動可能な連続空間を形成するものである。
【0074】
さらに、本実施形態のホルダーへの容器収容装置10は、前記閉鎖位置(C)のシャッター1の所定位置に容器T(及び拘束具2)を位置付ける移載装置(図示しない)を備える。また、前記可動底板3を上下方向に駆動させる可動底板駆動装置(図示しない)と、前記シャッター1を水平方向に駆動させるシャッター駆動装置(図示しない)と、これら可動底板駆動装置とシャッター駆動装置を連動制御させる制御装置(図示しない)とを備える。
【0075】
これらシャッター1、拘束具2、可動底板3、移載装置、可動底板駆動装置、シャッター駆動装置、制御装置は、段ボール箱への容器収容装置10で述べたのと同一またはこれに準じたものであるため、詳細な説明を省略する。なお、段ボール箱への容器収容装置10で説明した「段ボール箱」を「ホルダー」と読み替えることで実現できる。
【0076】
<ホルダーへの容器収容方法>
次に、上述したホルダーへの容器収容装置10を用いて、ホルダーHの4枚の側壁H1に囲まれた空間H7内を上下方向に移動可能な可動底板3上に1段ずつ卵Eの入った容器Tを積み重ねて、前記空間H7内に収容する方法を説明する。
【0077】
卵Eの選別集合装置でサイズ別に分けられモールドトレイ上に載せられた卵Eは、搬送装置でホルダーへの容器収容装置10の近傍に運ばれてくる。その間に、筒状のホルダーHを可動底板3に上方から被せる。
【0078】
次に、
図13に示すように、可動底板3上に1段目の容器Tを収容する。これは、段ボール箱Cへの容器収容方法で述べたのと同一またはこれに準じたものであるため、詳細な説明を省略する。なお、段ボール箱への容器収容方法(特に、ステップS2及びステップS3)で説明した「段ボール箱」を「ホルダー」と読み替えることで実現できる。
【0079】
その後、この1段目の容器Tの上に2段目以降の容器Tを積み重ねて収容する場合についても、段ボール箱への容器収容方法で述べたのと同一またはこれに準じたものであるため、詳細な説明を省略する。なお、段ボール箱への容器収容方法(特に、ステップS4〜ステップS8の繰り返し)で説明した「段ボール箱」を「ホルダー」と読み替えることで実現できる。以上のようにして、可動底板3上に5枚の容器Tが載った最終包装状態とし、ホルダーHへの容器収容を完了する。
【0080】
<段ボール箱への移し替え方法>
可動底板3上に5枚の容器Tが載った最終包装状態でステップS8まで終了した後、この最終包装状態で前記空間C7内に収容された容器Tを段ボール箱Cに移し替える方法について以下説明する。
【0081】
まず、前記ホルダーHの上に段ボール箱Cを位置付ける(ステップS21)。このステップS21の段ボール箱配置工程は、本実施形態では、段ボール箱Cの平面視とほぼ同じ大きさ及び形状をなすホルダーHを使用しているため、ホルダーHの上端と、底C5が形成されていない段ボール箱Cの下端とが接近するように段ボール箱Cを配置する。言い換えれば、前記ホルダーHの4枚の側壁H1と、前記段ボール箱Cの4枚の側壁C1とが協働して、容器Tが段ボール箱Cに対して相対的に移動可能な連続空間を形成するように前記段ボール箱Cを位置付ける。
【0082】
次に、前記容器Tが載置された可動底板3が段ボール箱Cの底C5側に位置するように可動底板3を上方に移動させる(ステップS22)。このステップS22の可動底板配置工程では、第1の駆動手段により、容器Tが載置された可動底板3をホルダーHの底側から段ボール箱Cの底C5側に向けて移動させる。
【0083】
なお、この後、すなわち、段ボール箱Cに所定段数の容器Tが収容された後、本発明の一実施形態にかかる段ボール箱の底の形成装置20を用いて、段ボール箱Cの底C5が閉じられてもよいのはもちろんである。
【0084】
<第2実施形態の効果>
本実施形態のホルダーへの容器収容方法は、上面側と下面側とが開放された角筒型のホルダーHの4枚の側壁H1に囲まれた空間H7内を上下方向に移動可能な可動底板3上に1段ずつ卵Eの入った容器Tを積み重ねて、前記空間H7内に収容する方法であって、前記空間H7内の所定高さ位置に可動底板3を位置付ける可動底板配置工程と、前記ホルダーHの上面開放部H6の上方を覆う閉鎖位置(C)にシャッター1を位置付けるシャッター配置工程と、前記シャッター1の上に容器Tを位置付ける容器配置工程と、前記シャッター1の上に容器Tの水平方向の移動を規制する拘束具2を位置付ける拘束具配置工程と、前記シャッター1を前記上面開放部H6から退避させた開放位置まで移動させることにより、シャッター1上の容器Tを可動底板3に既に載置された容器T上に落下させるシャッター退避工程とを備えている。そして、前記拘束具2が、平面視における容器Tの外周に沿うように配置される拘束壁21を備えたものであり、前記拘束具配置工程が、前記シャッター退避工程においてシャッター1が退避する際、前記拘束具2の拘束壁21と、前記ホルダーHの4枚の側壁H1とが協働して、容器Tが下方の所定位置に移動可能な連続空間を形成するように前記拘束具2を位置付けるものであるため、第1実施形態と同一またはこれに準じた効果が得られ、可動底板3を用いて卵Eの入った容器TをホルダーH内に収容する作業に伴い発生する課題を解決できる。また、このようなものであれば、あとはホルダーHに段ボール箱Cを上からすっぽり被せればよいので、作業を高速化できる。
【0085】
特に、段ボール箱Cに直接収容する前にホルダーHに仮収容しており、このホルダーHが、シャッター1や可動底板3の支柱32などが干渉する可能性のあるフラップを備えないものであるため、容器収容作業が複雑にならない。
【0086】
このような方法を実現する一手段としての本実施形態のホルダーへの容器収容装置10は、卵Eの入った容器Tを1段ずつ積み重ねて、上面側と下面側とが開放された角筒型のホルダーHの4枚の側壁H1に囲まれた空間H7内に収容するホルダーへの容器収容装置10であって、前記ホルダーHの上面開放部H6の上方を覆う閉鎖位置(C)及び前記上面開放部C6から退避させた開放位置との間でスライド移動可能なシャッター1と、前記閉鎖位置(C)にあるシャッター1の上に容器Tと共に載せられて容器Tの水平方向の移動を規制する拘束具2と、前記空間H7を上下方向に移動可能であり、前記開放位置に退避するシャッター1から落下した容器Tを受け取る可動底板3とを備え、前記拘束具2が、平面視における容器Tの外周に沿うように配置される拘束壁21を備え、この拘束壁21が前記ホルダーHの4枚の側壁H1と協働して、容器Tが下方の所定位置に移動可能な連続空間を形成するものである。
【0087】
さらに、本実施形態の段ボール箱Cへの移し替え方法は、上面側と下面側とが開放された角筒型のホルダーHの4枚の側壁H1に囲まれた空間H7内を上下方向に移動可能な可動底板3上に卵Eの入った容器Tが積み重ねられ、最終包装状態で前記空間H7内に収容された容器Tを段ボール箱Cに移し替える方法であって、前記ホルダーHの上に段ボール箱Cを位置付ける段ボール箱配置工程と、前記容器Tが載置された可動底板3が段ボール箱Cの底C5側に位置するように可動底板3を上方に移動させる可動底板配置工程とを備え、前記段ボール箱配置工程が、前記可動底板配置工程において可動底板3が移動する際、前記ホルダーHの4枚の側壁H1と、前記段ボール箱Cの4枚の側壁C1とが協働して、容器Tが段ボール箱Cに対して相対的に移動可能な連続空間を形成するように前記段ボール箱Cを位置付けるものであるため、可動底板3を用いて卵Eの入った容器TをホルダーHから段ボール箱C内に収容する作業に伴い発生する課題を解決することができる。
【0088】
より具体的には、段ボール箱Cへ移し替える際、可動底板3上に容器Tが積み重ねられた状態で当該容器Tの水平方向への移動を規制しないまま水平方向や鉛直方向に移動させたりすると、容器Tが水平方向にずれて非常に不安定な状態となる。しかしながら、本実施形態のようにホルダーHと段ボール箱Cの側壁H1、C1とを連続させることにより、このような問題を解決することができる。
【0089】
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
【0090】
段ボール箱は、4枚の側壁と底を形成するためのフラップを備えるものであればどのようなものであってもよく、蓋は必須ではない。蓋として、例えばプラスチック製のものなど別体を取り付けるようなものであってもよい。また、底のフラップの大きさも上述したような長さ関係を有するものには限られず種々変更可能である。
【0091】
前述した実施形態では、段ボール箱の上面側の内フラップ、外フラップを共に折り曲げて内部に容器を収容するようにしていたが、これら上面側の内フラップ、外フラップを共に折り曲げることなく、段ボール箱の4枚の側壁と内フラップ、外フラップとを面一にした状態で、容器が下方の所定位置に移動可能な連続空間を形成するようにしてもよい。
【0092】
ホルダーは、複数枚の側壁で容器の水平方向の移動を規制できるものであればどのようなものであってもよく、図示したものに限られないのはもちろんである。
【0093】
可動底板は、図示したような支柱が仮底本体の中心からずれているものに限られず、支柱が仮底本体の中心に位置するものであってもよい。なお、その場合には、可動底板上に載置されている間には外フラップの両方が内側に折り曲げられないこととなる。
【0094】
可動底板配置工程は、容器が段ボール箱に対して相対的に移動可能なものであればどのようなものであってもよく、
図15に示すように、可動底板の高さ位置をそのままにした状態でホルダー及び段ボール箱を下方に移動させることによって可動底板を段ボール箱の底側に位置するようにしてもよいし、可動底板を上方に移動させ、かつ、ホルダー及び段ボール箱を下方に移動させることによって可動底板を段ボール箱の底側に位置するようにしてもよい。
【0095】
シャッターは、上述した実施形態で示したような段ボール箱の蓋側のフラップが外側に折り曲げられた状態の上面開放部に位置するものの他に、段ボール箱の蓋側のフラップが折り曲げられない状態の上面開放部に位置するものであってもよいし、蓋側のフラップがない場合に各側壁の上端に囲まれる上面開放部に位置するものであってもよい。
【0096】
また、シャッターは、閉鎖位置で容器を下側から支持できるような形状のものであればどのようなものであってもよく、平面視矩形状のものに限られないのはもちろんである。シャッターは、一枚で構成されるものには限られず、複数枚で構成されていてもよい。さらに、シャッターの開放位置は、閉鎖位置から水平方向に移動できるものであればどこでもよい。
【0097】
容器は、図示した10kg段ボール用のモールドトレイの他に、
図16及び
図17に示すような20個入りのモールドトレイや、
図18及び
図19に示すような10個入りのプラスチック製の卵パックなどであってもよい。この
図16〜
図19では、上述した実施形態と同一または対応する部分に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。なお、例えば30個入りのトレイやいわゆるフラットパックなど、これ以外の大きさ/形状のモールドトレイや卵パックであってもよいのはもちろんである。また、1つの段ボール箱/ホルダーに収容される容器の段数も5段には限られないし、1段あたりの容器の個数も図示したものには限られない。
【0098】
容器配置工程は、シャッター上に1の容器を配置するものに限られず、複数の容器を所定の並べ方で配置するものであってもよい。また、上下方向に積み重ねる際に容器を180度回転させて互い違いになるように重ねたり、
図16及び
図17に示すように90度回転させて互い違いになるように積み重ねたり、全く回転させずにそのまま積み重ねるものであってもよい。また、積み重ねた際に、上述した実施形態のように平面視が重なるように延出部を備えた容器を用いるものの他に、
図16〜
図19に示すように平面視が重ならない部分が生じるようなものであってもよい。この場合には、容器の向きや配置方法に合わせてシャッター上に配置される拘束具の向きを変更することが望ましい。
【0099】
本実施形態では、容器配置工程と拘束具配置工程とが同じタイミングで実行されていたが、これらは別々のタイミングで行われてもよく、例えば、シャッター配置工程と容器配置工程と拘束具配置工程とを全て別々のタイミングで実行したり、シャッター配置工程と容器配置工程とを同時に行い、その後に拘束具配置工程を実行したりしてもよい。これらの場合には、閉鎖位置のシャッターの所定位置に容器を位置付ける移載装置とは別に、閉鎖位置のシャッターの所定位置に拘束具を位置付ける拘束具駆動装置を設ければよい。この拘束具駆動装置は、シャッターの上面側の所定位置と、シャッター上に容器が載置されるのを妨げない位置との間で拘束具を移動可能なものであればどのようなものであってもよい。
【0100】
また、上記実施形態で説明したように、シャッター配置工程を実行した後に、容器配置工程と拘束具配置工程とを同時に行う場合には、
(1)シャッターに載せる前に拘束具を容器の周囲に配置させ、容器と拘束具とを共に(90度/180度)水平方向に回転させてからシャッター上に移載させる方法の他に、
(2)シャッターに載せる前に拘束具を容器の周囲に配置させ、容器と拘束具とを共に(90度/180度)水平方向に回転させながらシャッター上に移載させる方法、
(3)シャッターに載せる前に拘束具を容器の周囲に配置させ、容器と拘束具とを共にシャッター上に移載させてから(90度/180度)水平方向に回転させる方法
などが考えられる。
【0101】
拘束具は、外周に沿うように配置されていればどのようなものであってもよく、外周の途中で途切れているようなもの(例えば、平面視コ字状や、各側壁同士が連続していないもの)であってもよい。また、拘束具の平面視形状は、シャッター上に配置される容器の形状に対応しているものが好ましく、段ボール箱やホルダーの平面視形状と異なる異形状であってもよい。
【0102】
上述した実施形態では、可動底板上に1段目の容器を載せる際には、本発明の段ボール箱/ホルダーへの容器収容方法を利用していなかったが、1段目についてもこの方法を用いてシャッター上の容器を可動底板上に落下させるようにしてもよい。
【0103】
第1の水平移動工程、第2の水平移動工程は、段ボール箱を水平に移動させることができればどのような手段を用いてもよく、上述したプッシャーを用いたものには限られないのはもちろんである。
【0104】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。