特許第6795216号(P6795216)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6795216
(24)【登録日】2020年11月16日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】携帯端末およびコード表示方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20201119BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
   G06K19/06 112
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-129287(P2019-129287)
(22)【出願日】2019年7月11日
【審査請求日】2019年7月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】太田 純一
【審査官】 白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第109302516(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2019/0138205(US,A1)
【文献】 特開2006−174288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
3/048−3/0489
19/00
G06K7/00−7/14
17/00−19/18
G06Q10/00−10/10
30/00−30/08
50/00−50/20
50/26−99/00
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示部として、表示内容をユーザに提示するための第1表示部を筐体前面に有するとともに、第2表示部を筐体背面に有する携帯端末であって、
あらかじめ定められた処理に用いられるコードを、前記第1表示部に画面表示した際に、前記コードと同じコードを前記第2表示部に画面表示
前記第2表示部の画面サイズが、前記第1表示部よりも小さいサイズであり、
前記第1表示部を配置した前記筐体前面に、前記筐体背面に配置した前記第2表示部が存在している位置を示す第2表示部位置提示部をさらに配置している、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記第1表示部に画面表示した前記コードを含む領域における表示情報を取得して、前記第2表示部に画面表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記筐体背面側方向の画像を撮像するカメラレンズを、前記筐体背面に有し、該カメラレンズにて撮像した撮像画像を、前記第1表示部に画面表示している前記コードの表示領域と重ならない該第1表示部内の他の領域に、画面表示する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記コードは、前記ユーザが店舗において購入する商品の代金をコード決済する際に、該店舗に設置されているコード読み取り装置に読み取らせるワンタイムバーコードである、
ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の携帯端末。
【請求項5】
前記コードは、前記ユーザが施設の入退場を行う際に、入退場を許可するか否かを認証するために該施設の入退場ゲートに設置されているコード読み取り装置に読み取らせる認証バーコードである、
ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の携帯端末。
【請求項6】
前記コードが、1次元バーコードおよび2次元バーコード、または、前記1次元バーコード若しくは前記2次元バーコードのいずれか一方のバーコードから構成されている、
ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の携帯端末。
【請求項7】
ユーザが所持する携帯端末の表示部に、あらかじめ定められた処理に用いられるコードを画面表示するコード表示方法であって、
前記表示部として、表示内容をユーザに提示するための第1表示部を前記携帯端末の筐体前面に有するとともに、第2表示部を前記携帯端末の筐体背面に有し、
前記コードを、前記第1表示部に画面表示した際に、前記コードと同じコードを前記第2表示部に画面表示し、
前記第2表示部の画面サイズが、前記第1表示部よりも小さいサイズであり、前記第1表示部を配置した前記筐体前面に、前記筐体背面に配置した前記第2表示部が存在している位置を示す第2表示部位置提示部をさらに配置している、
ことを特徴とするコード表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末およびコード表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末が急速に普及した。その携帯端末により各種のサービスを享受することが可能になってきている。例えば、携帯端末を利用するサービスの一例として、購入する商品の代金を店舗で決済する際に、携帯端末を用いて「コード決済」を行う仕組みが普及してきている。「コード決済」とは、顧客(ユーザ)が所有する携帯端末の画面に、決済処理に用いられるワンタイムバーコードを表示させて、店舗のPOS(Point Of Sales)端末に設置されているコード読み取り装置にて読み取ることによって、商品の代金の決済を行うというものである。なお、決済処理は、当該顧客(ユーザ)が所望する予め定められた処理である。ワンタイムバーコードとしては、例えば、1次元バーコードや2次元バーコードがある。
【0003】
このようなコードを扱う携帯端末として、例えば、特許文献1の特開2002−324167号公報「認識コード表示機能付き携帯端末装置およびそのプログラム」に記載の技術が提案されている。特許文献1においては、コードを携帯端末に画面表示する際の解像度や表示形式が製品ごとに不揃いになっているため、どの携帯端末を用いた場合であっても画面表示されたコードをコード読み取り装置が読み取ることができる状況にはなく、かつ、該コードを第三者に不正に転送されてしまう可能性が高いという現状の問題に対応するための対策を提案している。
【0004】
そこで、特許文献1においては、待ち受け時に時刻や不在着信の表示等を行い、着信時には相手の名前等を表示を行う目的で、小画面のプライベートウィンドウとしてサブ画面を備えた折り畳み式の携帯端末が登場してきている点に着目して、処理に用いられるコードの表示規格を統一し易くできるとともに、該コードの第三者への流出を防止するために、通常の情報を表示するメイン画面とは別個の前記サブ画面に前記コードを表示することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−324167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記特許文献1等の本発明に関連する現状の技術においては、携帯端末に画面表示したコード(あらかじめ定められた処理としてユーザが所望する処理に用いられるコード)を、POS端末等に設置されたコード読み取り装置にて読み取らせる際に、コード読み取り装置が定置式であった場合には、当該ユーザは、画面表示した該コードをそのコード読み取り装置に対向させた位置に配置するために、保持している携帯端末を裏返して、その携帯端末の表示画面(特許文献1においては前記サブ画面)を該コード読み取り装置の上にまたは横にかざして読み取らせなければならないという解決するべき課題があった。
【0007】
(本発明の目的)
本発明の目的は、かかる課題に鑑み、ユーザが所望する処理に用いられるコードを読み取らせるために定置式のコード読み取り装置に対して携帯端末をかざす場合であっても、該携帯端末を裏返すことなく、該コードを読み取らせることが可能な携帯端末およびコード表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するため、本発明による携帯端末およびコード表示方法は、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
【0009】
(1)本発明による携帯端末は、
情報を表示する表示部として、表示内容をユーザに提示するための第1表示部を筐体前面に有するとともに、第2表示部を筐体背面に有する携帯端末であって、
あらかじめ定められた処理に用いられるコードを、前記第1表示部に画面表示した際に、前記コードと同じコードを前記第2表示部に画面表示する、
ことを特徴とする。
【0010】
(2)本発明によるコード表示方法は、
ユーザが所持する携帯端末の表示部に、あらかじめ定められた処理に用いられるコードを画面表示するコード表示方法であって、
前記表示部として、表示内容をユーザに提示するための第1表示部を前記携帯端末の筐体前面に有するとともに、第2表示部を前記携帯端末の筐体背面に有し、
前記コードを、前記第1表示部に画面表示した際に、前記コードと同じコードを前記第2表示部に画面表示する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の携帯端末およびコード表示方法によれば、携帯端末の筐体前面に第1表示部、筐体背面に第2表示部を有する構成とし、あらかじめ定められた処理に用いられるコードを画面表示する際に、当該携帯端末のユーザが見ている前記第1表示部以外に前記第2表示部にも前記コードを画面表示するので、以下のような効果を奏することができる。
【0012】
すなわち、あらかじめ定められた処理としてユーザが所望する処理に用いられるコードを携帯端末に画面表示して、定置式のコード読み取り装置に読み取らせる場合であっても、該携帯端末を裏返すことなく、保持していた状態のまま該携帯端末を定置式のコード読み取り装置にかざすだけで、画面表示した該コードを定置式のコード読み取り装置に読み取らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯端末の筐体前面と筐体背面との構成例を示す正面図および背面図である。
図2図1に示した携帯端末を用いてコード決済を行う際のワンタイムバーコードの第1の実施形態における画面表示例を説明する説明図である。
図3図1図2に示した携帯端末の動作の一例を説明するフローチャートである。
図4図1に示した携帯端末を用いてコード決済を行う際のワンタイムバーコードの第2の実施形態における画面表示例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による携帯端末およびコード表示方法の好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、かかるコード表示方法をコンピュータにより実行可能なコード読み取りプログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、コード読み取りプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。また、以下の各図面に付した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではないことも言うまでもない。
【0015】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、スマートフォンやタブレット端末やノートPC(Personal Computer)等の携帯端末の表示部に、あらかじめ定められた処理に用いられるコード(例えば1次元バーコードや2次元バーコード)を画面表示して、コード読み取り装置に読み取らせることにより、該コードが指定した特定の処理を実施する際の操作性を向上させることを主要な目的としている。
【0016】
かかる目的を達成するために、本発明に係る携帯端末は、該携帯端末の筐体前面に第1表示部を有するとともに、筐体背面に第2表示部を有し、ユーザが所望する処理を実行するために、前記第1表示部に、あらかじめ定められた処理に用いられるコードを表示した際に、前記第2表示部にも、前記第一表示部に表示した前記コードと同じコードを表示する構成とすることを、主要な特徴としている。
【0017】
而して、筐体背面の前記第2表示部をコード読み取り装置に対向するようにかざす操作を行うことにより、前記第2表示部に画面表示された前記コードを該コード読み取り装置にて読み取ることが可能である。例えば、定置式コード読み取り装置によって前記コードを読み取る場合であっても、該携帯端末を裏返すことなく、前記コードを読み取らせることができる。
【0018】
(第1の実施形態の構成例)
次に、本発明に係る携帯端末の第1の実施形態の構成例について図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯端末の筐体前面と筐体背面との構成例を示す正面図および背面図である。なお、図1には、本発明に係る携帯端末の一例として、スマートフォンを例示しているが、本発明に係る携帯端末は、あらかじめ定められた処理に用いられるコードを画面表示する機能を有する端末であれば、スマートフォン以外のユーザが携行する如何なる端末であっても勿論構わない。なお、図1(A)が携帯端末の筐体前面を示す正面図であり、図1(B)が携帯端末の筐体背面を示す背面図である。
【0019】
図1(A)の正面図に示すように、携帯端末10の筐体前面には、表示内容を当該携帯端末10のユーザに提示するためのメイン画面として、筐体前面に大きく広がる第1表示部1を配置している。一方、図1(B)の背面図に示すように、携帯端末10の筐体背面の上側には、前記ユーザに対向する位置に存在する相手側(例えばコード読み取り装置等の対向機器)に対して表示内容を提示するサブ画面として、第1表示部1よりも縦方向の長さが短い小画面サイズの第2表示部2を配置している。
【0020】
そして、図1(A)の筐体前面の右側の側部には、ユーザが第2表示部2の上下方向(縦方向)の位置を筐体前面側から認識することができるような帯状の色表示が第2表示部位置提示部3として施されている。なお、第2表示部位置提示部3は、帯状の色に限るものではなく、模様やマークあるいは第2表示部2の上端と下段の位置を示す文字表示等であっても良い。すなわち、ユーザが、筐体前面に表示されている第2表示部位置提示部3を確認するだけで、携帯端末10を裏返して筐体背面を直接視認しなくても、携帯端末10を保持して筐体前面を見ている状態のまま、筐体背面に配置している第2表示部2の上下方向(縦方向)の位置を正しく認識することができる。
【0021】
なお、図1(B)の表示例とは異なり、第2表示部2の左右方向(横方向)の画面幅が第1表示部1よりも狭い場合には、図1(A)には示していないが、例えば筐体前面の上端部に、第2表示部の左右方向(横方向)の位置を示す第2表示部横方向位置提示部を配置することが望ましい。
【0022】
また、図1(B)の背面図に示すように、携帯端末10の筐体背面の左上部には、筐体背面側方向に位置している被写体を撮像するカメラレンズ4が配置されている。ただし、以降に説明する本第1の実施形態においては、カメラレンズ4を使用して、筐体背面側方向を撮像する動作を行う必要がない場合について説明しており、カメラレンズ4を備えていない構成であっても構わない。カメラレンズ4を備えている場合については、第2の実施形態として後述する。
【0023】
次に、携帯端末10を用いて「コード決済」を行う際の、携帯端末10の第1表示部1、第2表示部2の表示内容について図2を用いて説明する。図2は、図1に示した携帯端末10を用いてコード決済を行う際のワンタイムバーコードの第1の実施形態における画面表示例を説明する説明図であり、筐体前面の第1表示部1のみならず筐体背面の第2表示部2にも同じワンタイムバーコードを画面表示している表示例を示している。つまり、図2の第1表示部1および第2表示部2の双方に画面表示したコードは、携帯端末10のユーザが店舗において購入商品の代金をコード決済するために、該店舗に設置されているコード読み取り装置に読み取らせるワンタイムバーコードである場合を示している。
【0024】
図2(A)は、携帯端末10の筐体前面を示す正面図であり、コード決済用のワンタイムバーコードとして、筐体前面の第1表示部1の上側には、あらかじめ定められた処理(本第1の実施形態においては購入商品の代金に関するコード決済処理)に用いられる1次元バーコード11が表示され、下側には1次元バーコード11と同じ処理に用いられる2次元バーコード12が表示されている。また、図2(B)は、携帯端末10の筐体背面を示す背面図であり、ワンタイムバーコードとして、第1表示部1の場合と同様、筐体背面の第2表示部2の上側には、第1表示部1の1次元バーコード11と同じ処理(本第1の実施形態においては購入商品の代金に関するコード決済処理)に用いられる1次元バーコード21が表示され、下側には1次元バーコード21と同じ処理に用いられる2次元バーコード22が表示されている。
【0025】
なお、ここでの説明を簡素化するために、図2(A)の第1表示部1には、コード決済処理に用いられるワンタイムバーコードとして、1次元バーコード11、2次元バーコード12のみを模式的に表示し、図2(B)の第2表示部2には、第1表示部1に画面表示したワンタイムバーコードと同じ処理に用いられる1次元バーコード21、2次元バーコード22のみを模式的に表示している例を示し、ワンタイムバーコードの有効期限等に関する他の情報の表示に関しては記載を省略している。
【0026】
また、図2(B)の第2表示部2には、ワンタイムバーコードとして1次元バーコード21、2次元バーコード22の2種類のコードを表示している例を示している。しかし、該ワンタイムバーコードを読み取るバーコード読み取り装置があらかじめ特定されていて、1次元バーコード、2次元バーコードのいずれか一方のコードを読み取る機能を有していることが判明している場合には、1次元バーコード21、2次元バーコード22のうち、該バーコード読み取り装置が対応するいずれか一方のコードのみを、第2表示部2に画面表示するようにしても良い。
【0027】
ここで、ワンタイムバーコードとしていずれか一方のコードのみを第2表示部2に画面表示する場合、いずれのバーコードを第2表示部2に画面表示するかを選択する動作に関して、当該携帯端末10のユーザに選択させるように構成することも可能である。また、ワンタイムバーコードとしていずれか一方のコードのみを第2表示部2に画面表示する場合には、該ワンタイムバーコードとして第1表示部1に画面表示するコードについても、第2表示部2と同じいずれか一方のコードとすることも可能である。
【0028】
(第1の実施形態の動作例の説明)
次に、第1の実施形態として図1図2に示した携帯端末10の動作について、その一例を、図3のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図3は、図1図2に示した携帯端末10の動作の一例を説明するフローチャートであり、携帯端末10の制御部(図1図2には図示していない)が、店舗において購入商品の代金に関するコード決済を行う際に使用するワンタイムバーコードを、第1表示部1、第2表示部2に画面表示する動作の一例を示している。
【0029】
図3のフローチャートにおいて、携帯端末10の制御部は、コード決済に関する処理を開始するか否かを監視している(STEP1)。つまり、携帯端末10の制御部は、コード決済の開始操作としてあらかじめ定められた操作がユーザによってなされたことを検知したか否かを監視している。
【0030】
コード決済に関する処理を開始する必要がないと判定した場合は(STEP1のNO)、STEP1の監視動作を繰り返す。そして、携帯端末10の制御部は、コード決済の開始操作としてあらかじめ定められた操作がユーザによってなされたことを検知して、コード決済に関する処理を開始することが必要であると判定した場合には(STEP1のYES)、STEP2の処理に移行する。
【0031】
STEP2においては、あらかじめ定められた処理(すなわち本第1の実施形態においてはコード決済に関する処理)に用いられるコード(ワンタイムバーコード)として、第1表示部1に、1次元バーコード11、2次元バーコード12が画面表示されたか否かを監視する(STEP2)。
【0032】
第1表示部1に、1次元バーコード11、2次元バーコード12が画面表示されていない場合には(STEP2のNO)、STEP2の監視動作を繰り返す。そして、携帯端末10の制御部は、第1表示部1に、1次元バーコード11、2次元バーコード12が画面表示されたことを検知すると(STEP2のYES)、STEP3の処理に移行する。
【0033】
STEP3においては、携帯端末10の制御部は、第1表示部1にワンタイムバーコードとして画面表示された1次元バーコード11、2次元バーコード12と全く同じ1次元バーコード21、2次元バーコード22を、コード決済用のワンタイムバーコードとして、筐体背面の第2表示部2に画面表示した後、STEP4の処理に移行する(STEP3)。
【0034】
ここで、携帯端末10の制御部は、第2表示部2に1次元バーコード21、2次元バーコード22を画面表示する動作の一例として、ワンタイムバーコードとして第1表示部1に画面表示されている1次元バーコード11、2次元バーコード12を含む画面領域を特定して、特定した該画面領域に表示されている表示情報を取得して、第2表示部2に画面表示するようにしても良い。
【0035】
あるいは、携帯端末10を用いてコード決済を行う場合には、コード決済サービスを提供している会社や店舗ごとに、第1表示部1や第2表示部2に画面表示するワンタイムバーコード(1次元バーコード11、2次元バーコード12や1次元バーコード21、2次元バーコード22)に関する情報(1次元バーコード11、2次元バーコード12が表示されている画面領域の情報)を、携帯端末10の記憶部(図1図2には図示していない)内に登録テーブルとしてあらかじめ登録しておくことも可能である。そして、かかる場合には、携帯端末10の制御部が、第2表示部2にワンタイムバーコードを画面表示する処理を行う際に、記憶部内の前記登録テーブルを参照して、第1表示部1に画面表示されている1次元バーコード11、2次元バーコード12を、第2表示部2に画面表示するようにしても良い。
【0036】
STEP4に移行すると、コード決済の処理が終了したか否かを判定する(STEP4)。例えば、携帯端末10の制御部は、当該携帯端末において、コード決済処理終了を示すデータを受信したことを検知したか否かによって、コード決済の処理が終了したか否かを判定する。また、ユーザの操作によってコード決済の処理の終了が行われる場合には、コード決済の終了を示すあらかじめ定められた操作がユーザによって行われたか否かを検知することによって、コード決済の処理が終了したか否かを判定する。そして、コード決済の処理が終了していない場合は(STEP4のNO)、STEP4の判定処理を繰り返す。
【0037】
一方、コード決済の処理が終了した場合には(STEP4のYES)、STEP5の処理に移行して、コード決済に用いるワンタイムバーコードとして第2表示部2に画面表示していた1次元バーコード21、2次元バーコード22の画面表示を消去する(STEP5)。この後、先頭のSTEP1に復帰する。
【0038】
以上のように、コード決済に用いるワンタイムバーコード(1次元バーコード21、2次元バーコード22)を、携帯端末10の筐体背面の第2表示部2に画面表示するので、コード決済を行う際に、ユーザは、筐体前面を向けて携帯端末10を保持している状態をそのまま維持して、該携帯端末10をコード読み取り装置に対してかざすだけで、該コード読み取り装置にコード決済に用いるワンタイムバーコードを読み取らせることができる。すなわち、筐体前面の第1表示部1に画面表示されているワンタイムバーコード(1次元バーコード11、2次元バーコード12)をコード読み取り装置に対して対向させようとして、ユーザが、携帯端末10を裏返す必要はない。
【0039】
(第2の実施形態の動作例の説明)
次に、本発明に係る携帯端末の第2の実施形態における動作について、図1の説明として前述したように、携帯端末10の筐体背面に配置しているカメラレンズ4を用いる場合の動作例を説明する。まず、図1に示した携帯端末10を用いてコード決済を行う際の、携帯端末10の第1表示部1、第2表示部2の表示内容について、図2の場合とは異なる表示例を、図4を用いて説明する。図4は、図1に示した携帯端末10を用いてコード決済を行う際のワンタイムバーコードの第2の実施形態における画面表示例を説明する説明図であり、第1の実施形態に示した図2の場合と同様、筐体前面の第1表示部1のみならず筐体背面の第2表示部2にも同じワンタイムバーコードを画面表示している表示例を示している。
【0040】
ここで、第2の実施形態として示した図4の画面表示例において、図4(B)に示す筐体背面の第2表示部2の画面表示に関しては、第1の実施形態として図2(B)に示した第2表示部2の画面表示内容(すなわち、1次元バーコード21、2次元バーコード22)と全く同じである。しかし、図4(A)に示す筐体前面の第1表示部1の画面表示に関しては、第1の実施形態として図2(A)に示した第1表示部1の画面表示内容(すなわち、1次元バーコード11、2次元バーコード12)の他に、さらに、撮像画像5が追加された画面表示内容となっている。なお、撮像画像5とは、携帯端末10の筐体背面に備えたカメラレンズ4により撮影された画像であり、コード決済を行うために携帯端末10をかざした際に携帯端末10の筐体背面方向に位置している定置式のコード読み取り装置を被写体として撮像している画像である。
【0041】
したがって、第2の実施形態においては、携帯端末10のユーザは、第1表示部1に画面表示された撮像画像5を視認することにより、第2表示部2に表示されたワンタイムバーコードを読み取らせようとしている定置式のコード読み取り装置の位置を確認し、定置式のコード読み取り装置がワンタイムバーコードを読み取ることができる位置関係にあるか否かを容易に判断することができる。
【0042】
つまり、第2の実施形態においては、第1の実施形態の動作例として図3に示したフローチャートのSTEP3の処理において、第2表示部2にコード決済用のワンタイムバーコード(1次元バーコード21、2次元バーコード22)を画面表示して、携帯端末10を定置式のコード読み取り装置にかざした際に、筐体背面方向の映像を撮像するカメラレンズ4を動作させて、筐体背面方向に定置されているコード読み取り装置を撮影する。
【0043】
そして、カメラレンズ4で撮像した画像を、撮像画像5として、図4(A)に示すように、筐体表面の第1表示部1の下側の領域(すなわち、第1表示部1に画面表示しているワンタイムバーコードの表示領域と重ならない第1表示部1内の他の領域)に画面表示する。その結果、携帯端末10のユーザは、携帯端末10の第2表示部2と定置式のコード読み取り装置との位置関係を容易に確認することができる。
【0044】
なお、本第2の実施形態においては、第1の実施形態の動作例として図3に示したフローチャートのSTEP5の処理において、コード決済の処理が終了して、第2表示部2に画面表示されたワンタイムバーコードを消去する際に、第1表示部1に画面表示している撮像画像5の表示動作を停止するように処理する。
【0045】
以上のように、本第2の実施形態においては、携帯端末10の筐体背面のカメラレンズ4によって撮像した画像を、撮像画像5として、筐体前面の第1表示部1の画面の一部(ワンタイムバーコードと重ならない領域)に画面表示するので、当該携帯端末10のユーザは、携帯端末10と定置式のコード読み取り装置との位置関係を確認することができ、コード決済用として第2表示部2に画面表示しているワンタイムバーコードを定置式コード読み取り装置に読み取らせるように、携帯端末10をかざす位置を調整することが容易に可能になる。
【0046】
また、本第2の実施形態においても、コード決済時に定置式のコード読み取り装置にワンタイムバーコードを読み取らせる際に、ユーザは、第1の実施形態と同様、携帯端末10を裏返すことなく、携帯端末10の筐体前面を該ユーザ側に向けて保持したそのままの状態で、携帯端末10をコード読み取り装置にかざすことによって、コード決済(コードを用いた処理)を行うことができる。なお、本第2の実施形態は、以上のような点以外に関しては、第1の実施形態と全く同じであり、ここでの重複する説明は割愛する。
【0047】
(その他の実施形態)
本発明は、第1、第2の実施形態として前述した場合に限るものではない。例えば、第1、第2の実施形態においては、携帯端末10の筐体背面に配置される第2表示部2の画面サイズは、筐体前面に配置される第1表示部1よりも小さいサイズの場合について説明したが、第2表示部2を第1表示部1と同一もしくは同等程度のサイズの画面としても構わない。さらに、第2表示部2を第1表示部1と同一もしくは同等程度のサイズの画面にした場合においては、第2表示部2に画面表示する表示内容を、第1表示部1の表示内容と同じものにするようにしても良い。
【0048】
そして、第1、第2の実施形態においては、第2表示部2の画面サイズが、第1表示部1よりも小さいサイズであった場合には、第1表示部1を配置した筐体前面に、筐体背面に配置した第2表示部2が存在している位置を示す第2表示部位置提示部3を設けることにより、当該携帯端末10を保持して筐体前面を見ているユーザに第2表示部2の位置が直ちに分かるようにしている。しかし、第2表示部2を第1表示部1と同一もしくは同等程度のサイズの画面にした場合には、第2表示部2の位置をわざわざ筐体前面に表示する必要はないので、第2表示部位置提示部3を筐体前面に設けないようにしても構わない。
【0049】
また、第1、第2の実施形態においては、携帯端末10が、スマートフォンの場合を例にして説明したが、あらかじめ定められた処理に用いられるコードとして、1次元バーコードや2次元バーコードを画面表示して、コード決済処理等のユーザが所望する処理を行うことが可能であれば、タブレット端末やノートPC(Personal Computer)等の如何なるモバイル端末(携帯端末)の場合であっても良い。
【0050】
また、第1、第2の実施形態においては、携帯端末10の第1表示部1および第2表示部2に画面表示したコードを用いて購入商品の代金に関するコード決済を行う場合について説明したが、かかる場合に限るものではない。例えば、携帯端末10を所持したユーザが駅や娯楽施設等の施設に入退場する際に、入退場を許可するか否かを認証するために該施設の入退場ゲートに設置されているコード読み取り装置に読み取らせる認証コードとして、携帯端末10の第1表示部1および第2表示部2の双方に1次元バーコードや2次元バーコード(入退場を許可する処理に用いられる認証コードとしてあらかじめ定められたコード)を画面表示するようにしても良い。
【0051】
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
【符号の説明】
【0052】
1 第1表示部
2 第2表示部
3 第2表示部位置提示部
4 カメラレンズ
5 撮像画像
10 携帯端末
11 1次元バーコード
12 2次元バーコード
21 1次元バーコード
22 2次元バーコード
【要約】
【課題】ユーザが所望する処理に用いられるコードを読み取らせるために定置式のコード読み取り装置に対して携帯端末をかざす際に、該携帯端末を裏返すことなく、該コードを読み取らせることが可能な携帯端末を提供する。
【解決手段】情報を表示する表示部として、表示内容をユーザに表示するための第1表示部1を筐体前面に有するとともに、前記ユーザに対向する位置に存在する相手側に対して表示内容を表示する第2表示部2を筐体背面に有する携帯端末10であって、あらかじめ定められた処理に用いられるコード(1次元バーコード11および2次元バーコード12)を、第1表示部1に画面表示した際に、前記コードと同じコード(1次元バーコード21および2次元バーコード22)を第2表示部2に画面表示する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4