(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いわゆるガラスアンテナ(オングラスアンテナ)用のアンプ装置について導通検査を行う場合、例えばガラスアンテナのランド(導体パターン)上に固定されるホルダ(アンプ装置の保持部)に、検査用の端子を設ける手法が考えられる。しかしながら、検査のみに利用する部品を設けるとコストの上昇につながると共に、設置場所の性質上、結露等により腐食し易いという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、部品数の増加を抑えつつ導通検査を行うことができるとともに、結露の影響を低減させたアンテナ用の電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子装置は、被固定面に設けられたアンテナと車載装置との間に接続される。また、被固定面上に固定されるホルダと、ホルダに保持され、電子機器を搭載する基板を内蔵するケースとを有し、ケースに導通検査を行うための検査部を備える。
【0007】
このようにすれば、例えばホルダに板バネ等で検査部を形成する場合に比べ、部品の数を減らすことができる。また、ホルダに検査部を設けるよりも被固定面(例えば窓ガラスや何らかのパネル等)から距離をとることができ、特に車内に設置するような場合においては結露の影響も低減することができる。また、電子機器は、例えばアンテナが受信する信号を増幅するアンプであってもよい。
【0008】
また、基板又はケースは、被固定面上に設けられたランドパターンと接触する端子を有するようにしてもよい。具体的には、このような構成により、本発明に係る電子装置を実現することができる。
【0009】
また、検査部は、ホット側検査部及びグラウンド側検査部と含み、ホット側検査部及びグラウンド側検査部の少なくとも一方は、ケースの内部から外部へ延出する端子であってもよい。このようにすれば、既存の部品を利用して検査部を形成することができ、本発明に係るアンプ装置を実現することができる。
【0010】
また、検査部は、ホット側検査部及びグラウンド側検査部と含み、ホット側検査部及び
グラウンド側検査部の少なくとも一方は、車載装置と接続されるコネクタを基板上に固定するための導電性のコネクタペグであってもよい。このような態様でも、既存の部品を利用して検査部を形成することができ、本発明に係るアンプ装置を実現することができる。
【0011】
また、検査部は、ホット側検査部及びグラウンド側検査部と含み、ホット側検査部及びグラウンド側検査部の少なくとも一方は、ケースに設けられた開口の延長上に設けられた導体パターンであってもよい。このような態様でも、既存の部品を利用して検査部を形成することができ、本発明に係るアンプ装置を実現することができる。
【0012】
また、上記開口は、菊割れ蓋又は導電ゴムで塞がれるようにしてもよい。このようにすれば、ケースに開口を設ける場合であっても、止水性を向上させることができる。
【0013】
また、上記開口の周囲には水の浸入を抑制する壁部が設けられるようにしてもよい。このような態様であっても、ケースに開口を設ける場合において、止水性を向上させることができる。
【0014】
なお、課題を解決するための手段に記載の内容は、本発明の課題や技術的思想を逸脱しない範囲で可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、部品数の増加を抑えつつ導通検査を行うことができるとともに、結露の影響を低減させたアンテナ用の電子装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態1に係るアンプ装置の一例を示す斜視図である。
【
図2】実施形態1に係るアンプ装置をホルダとケースとに分解した状態の一例を示す分解斜視図である。
【
図3】実施形態1に係るアンプ装置の一例を示す分解斜視図である。
【
図4】実施形態1に係るオンボードコンタクトを説明するための斜視図である。
【
図5】実施形態2に係るアンプ装置の外観を示す斜視図である。
【
図6】実施形態2に係る基板及びオンボードコンタクトを説明するための斜視図である。
【
図7】実施形態3に係るアンプ装置の外観を示す斜視図である。
【
図8】実施形態3に係る基板、コネクタ及びオンボードコンタクトを説明するための分解斜視図である。
【
図9】実施形態4に係るアンプ装置の外観を示す斜視図である。
【
図10】実施形態4に係るケース蓋、基板及びオンボードコンタクトを説明するための分解斜視図である。
【
図11】実施形態5に係るアンプ装置の外観を示す斜視図である。
【
図12】実施形態6に係るアンプ装置の外観を示す斜視図である。
【
図13】実施形態7に係るアンプ装置の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して説明する。図面に本発明の好ましい実施形態を示すが、本発明は異なる形態で実施することも可能であり、本明細書に記載する態様には限定されない。
【0018】
<実施形態1>
図1は、電子装置(例えば、アンプ装置)の一例を示す斜視図である。電子装置の一例である、本実施形態に係るアンプ装置1は、乗用車等の車両の窓ガラスに設置され、ガラ
スアンテナ(図示せず)が受信した信号を増幅して車載装置(図示せず)へ出力する。なお、アンプに限らず何らかの電子機器を搭載する電子装置であってもよい。また、アンプ装置1は、例えばフロントガラスの上部やリアガラスの上部等に1台以上設けられるが、設置場所や数は特に限定されない。例えば設置場所は、窓ガラスのほか、樹脂、液晶、その他の材質のパネル等を含む、本実施形態に係る電子装置を固定する被固定面に設置することができる。また、ガラスアンテナは、ガラスにプリントしたり、埋め込んだり、フィルム状にして貼付したりすることによって、車両の窓ガラスに設けられるアンテナである。ガラスアンテナは、例えば地上デジタルテレビ放送や、地上デジタル音声放送(デジタルラジオ)等の電波を受信するものであるが、送受信される情報やその規格等は特に限定されない。なお、ガラス上には、ガラスアンテナと電気的に接続するためのランドパターンが設けられているものとする。
【0019】
図2は、アンプ装置1をホルダ2とケース3とに分解した状態の一例を示す斜視図である。アンプ装置1は、ガラス4上に固定されるホルダ2と、ホルダ2に保持されるケース3とを含む。ホルダ2は、ガラス4上に設けられたランドパターン(図示せず)に位置合わせされ、接着剤や両面テープ等でガラスに固定される。ケース3は、例えばアンプIC(Integrated Circuit)を搭載した基板を内蔵すると共に、車載装置からの信号線を接続するためのコネクタを備え、ホルダ2に嵌め合わせることができる。
【0020】
図3は、アンプ装置1の一例を示す分解斜視図である。
図3には、ホルダ2と、ケース3と、ガラス4と、固定部材5(5a〜5c)とが記載されている。
図3のガラス4は、車両の窓ガラスの一部を表している。固定部材5は、例えば両面テープ5a及び5b並びに接着剤5cを含み、ホルダ2をガラス4上に固定する。
【0021】
また、ケース3は、ケース蓋31と、ケース本体32と、基板33と、コネクタ34と、オンボードコンタクト35(35a及び35b)とに分解されている。ケース蓋31とケース本体32とは、ケース3の外形を形成し、爪及びそれを固定するための穴又は溝を係合させることにより互いに嵌め合わされる。また、嵌め合されたケース蓋31及びケース本体32の内部には基板33が格納される。基板33は、アンプIC(図示せず)のほか、アンプ装置1の回路が実装される部品である。また、基板33上には、アンプ装置1と車載装置(図示せず)とを接続するハーネスの一端に設けられるオス側コネクタ6を挿入するためのメス側コネクタであるコネクタ34も実装される。なお、コネクタ34は、ケース3の一端に位置し、少なくもオス側コネクタ6の挿入口が設けられた面がケース3の外部に露出する。本実施形態では、ケース3の長手方向の一端の側面にコネクタ34の挿入口が位置すると共に、コネクタ34の上部もその一部がケース3の外側に露出し、ケース3の外形の一部を構成する。また、オンボードコンタクト35は、基板33とガラス4に設けられたランドパターン41(41a及び41b)とを接続する端子である。オンボードコンタクト35はケース3の長手方向の両側に1つずつ設けられており、コネクタ34側のオンボードコンタクト35aは基準電位となるグラウンド(GND)41aに接続され、他方のオンボードコンタクト35bは信号を伝送するホット(HOT)41bに接続されるものとする。このように、アンプ装置1は、コネクタ34を介して車載装置に接続されると共に、オンボードコンタクト35を介してガラス4に設けられたアンテナに接続され、アンテナが受信する信号を増幅して車載装置へ出力する。
【0022】
図4は、オンボードコンタクトを説明するための斜視図である。本実施形態に係るオンボードコンタクト35は、ケース本体32(図示せず)と一体にインサート成形される。なお、インサート成形とは、金属部品であるオンボードコンタクト35の周囲に、樹脂材料でケース本体32を一体に形成する成形方法をいう。また、オンボードコンタクト35はその上部に、斜めに屈曲した基板接触部351を2つ有し、基板33の下側(裏面)に設けられる導体パターンである接続用ランド331と接触する。また、基板接触部351
の各々の下方には、板状の壁部352がほぼ平行に延びている。そして、2つの壁部352の下端は、板状の底部353で互いに接続されている。底部353はほぼ矩形であり、対向する2辺にそれぞれ壁部352が接続されると共に、他の2辺の一方からは底部353よりも下方に、曲面を有するばね部354が延びる。さらに、ばね部354の先端には、下方に凸になった、ガラス4のランドパターン41と接触するアンテナ接触部355が形成されている。また、アンテナ接触部355は、その端部をほぼ垂直に屈曲させ、壁部352とほぼ平行に形成した折返し部356を有する。また、底部353の周囲のうち、壁部352と接続されていない2辺には、底部353とほぼ同一の平面上に延び、ケース本体32の樹脂内に少なくとも一部が埋め込まれる延出部357が形成される。また、延出部357の先端は、ケース蓋31とケース本体32との間隙からケース3の長手方向の両側へ、ケース3の外部に延出する。すなわち、コネクタ34側のオンボードコンタクト35aは、コネクタ34側の延出部357がケース3の外部へ露出するように伸びており、コネクタ34と反対側のオンボードコンタクト35bは、コネクタ34と反対側の延出部357がケース3の外部へ露出するように伸びている。そして、各延出部357は、オンボードコンタクト35をケース本体32に接続するほか、アンプ装置1の導通検査用の端子としても機能する。また、
図3に示したように、ケース本体32は、ケース3の長手方向の両側にオンボードコンタクト35の延出部357と重なる凸部を有すると共に、凸部の外周にはオンボードコンタクト35の周囲を囲う壁部を有する。
【0023】
<効果>
本実施形態に係るアンプ装置1は、基板33とガラス4上のランドパターン41とを接続するための端子であるオンボードコンタクト35の一部(延出部357の先端)をケース3の外部に延出させることにより、導通検査においてテスター等のような検査機器の端子を接触させるための検査部を形成している。このようにすれば、例えばホルダ2に板バネ等で検査部を形成する場合に比べ、部品の点数を減らすことができる。特に、車両の窓ガラスには結露が生じることもあるため、ホルダに検査部を設ける場合には防湿コーティング等のコストもかかる。一方、本実施形態のように、ケース3側に検査部を設けるようにすれば、ガラス4と距離をとることができ、結露の影響も低減することができる。また、オンボードコンタクトをケース本体と一体にインサート成形することにより、例えば基板にはんだ付けするコストが削減できる。また、検査部の周囲にはケース本体の凸部及びその周囲の壁部を設けることにより、止水性を向上させている。
【0024】
<実施形態2>
次に、実施形態2に係るアンプ装置について説明する。なお、本実施形態においては、上述した実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0025】
図5は、本実施形態に係るアンプ装置1aの外観を示す斜視図である。本実施形態に係るアンプ装置1aは、オンボードコンタクト35に延出部357を設けず、基板の一部をケース3の外部に延出させて導通検査用の検査部を形成する。
図5の例では、ケースの長手方向の両側に基板を延出させ、延出させた部分に検査用ランド332a及び332bを設け、検査部として用いる。
【0026】
図6は、本実施形態に係る基板33a及びオンボードコンタクト35cを説明するための斜視図である。本実施形態に係る基板33aは、ケースの長手方向の両端に延出した部分を有し、当該部分に、グラウンド側及びホット側のオンボードコンタクト35cと電気的に接続される検査用ランド332a及び332bが設けられている。なお、検査用ランド332a及び332bは基板33aの上側(表面)に設けられている。また、検査用ランド332a及び332bは、それぞれ基板33aの下側(裏面)に設けられる接続用ランド331a及び331bとビア等を介して電気的に接続されている。そして、接続用ランド331a及び331bには、それぞれオンボードコンタクト35cがはんだ付け等に
より接続される。
【0027】
以上のように、本実施形態では基板33aの一部をケース3の外部に延出させ、検査用のランドパターンを設けることにより、導通検査を行うための検査部を形成している。このような態様でも、例えばホルダ2に板バネ等で検査部を形成する場合に比べ、部品の点数を減らすことができる。また、ガラスから距離をとって検査部を設けることにより、結露の影響も低減することができる。
【0028】
<実施形態3>
次に、実施形態3に係るアンプ装置について説明する。なお、本実施形態においても、上述した実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0029】
図7は、本実施形態に係るアンプ装置1bの外観を示す斜視図である。
図8は、本実施形態に係る基板33b、コネクタ34及びオンボードコンタクト35cを説明するための分解斜視図である。本実施形態に係るアンプ装置1bは、コネクタ34を基板33b上に固定し、且つコネクタを補強するための2つのコネクタペグ341a及び341bを、それぞれアンテナのグラウンド側及びホット側に接続する。コネクタペグ341は金属製の部材であり、コネクタペグ341の平板部分は、コネクタ34の側面に設けられたポケット部分342に挿入されると共に、コネクタペグ341の足部分は、基板33bのスルーホールに挿入されてはんだ付けされる。実施形態1及び2においては、コネクタペグ341a及び341bは、他の部品とは電気的に接続されず、基板上にコネクタ34を実装するために用いられる。一方、本実施形態では、コネクタペグ341a及び341bをアンテナのグラウンド側端子及びホット側端子に接続し、検査部としても利用する。具体的には、コネクタペグ341aは、基板33bのスルーホールに挿入され、さらに接続用パターン333aを介して接続用ランド331aと接続される。また、コネクタペグ341bは、基板33bのスルーホールに挿入され、さらに接続用パターン333bを介して接続用ランド331bと接続される。なお、接続用パターン333a及び333bは、基板33bの表面、裏面、又は多層基板の場合の内層等、いずれに設けられていてもよい。
【0030】
コネクタペグ341a及び341bを挿入するコネクタ34のポケット部分342は上方が開口している。したがって、アンプ装置1bを組み立てた後において、ポケット部分342の上部から検査装置の端子(図示せず)を挿入してコネクタペグ341a及び341bと接触させ、導通検査を行うことができる。このような態様でも、例えばホルダ2に板バネ等で検査部を形成する場合に比べ、部品の点数を減らすことができる。また、ガラスから距離をとって検査部を設けることにより、結露の影響も低減することができる。
【0031】
<実施形態4>
次に、実施形態4に係るアンプ装置について説明する。なお、本実施形態においても、上述した実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0032】
図9は、本実施形態に係るアンプ装置1cの外観を示す斜視図である。
図10は、本実施形態に係るケース蓋31a、基板33c及びオンボードコンタクト35cを説明するための分解斜視図である。アンプ装置1cのケース蓋31は、ケース内に検査装置の端子を挿入するための開口部311を有する。なお、開口部311の周囲に上方に向けて壁部が設けられている。また、ケースを組み立てた状態において、基板33c上であって、外部から見て開口部311の延長上に、検査用ランド332cを有する。すなわち、開口部311から検査装置の端子を挿入した際に接触させられる位置に、オンボードコンタクト35cと電気的に接続される検査用ランド332cが設けられる。具体的には、基板33cの上側に検査用ランド332cが設けられ、検査用ランド332cはビア等を介して基板33cの下側の接続用ランド331bと接続される。また、接続用ランド331bには、
オンボードコンタクト35cがはんだ付けされる。また、本実施形態では、コネクタペグ341をアンテナのグラウンド側端子に接続し、グラウンド側の検査部として利用する。
図10の例では、2つのコネクタペグ341が、基板33cのスルーホールに挿入され、さらに接続用パターン333cを介して接続用ランド331aと接続される。なお、接続用パターン333cは、基板33cの表面、裏面、又は多層基板の場合の内層等、いずれに設けられていてもよい。尚、開口部311の形状(切り込み等)、材質(適当な弾性を持つ材料)により若干の弾性を持たせて、検査装置の端子を開口部311に挿入した際に該端子が弾性保持されるようにする構成とすれば、検査時に該端子を手等で保持する必要がなくなるため検査作業が容易になる効果が生じる。
【0033】
本実施形態では、検査用ランド332cが、アンテナのホット側の検査部として機能する。また、2つのコネクタペグ341が、グラウンド側の検査部として機能する。このような態様でも、例えばホルダ2に板バネ等で検査部を形成する場合に比べ、部品の点数を減らすことができる。また、ガラスから距離をとって検査部を設けることにより、結露の影響も低減することができる。なお、本実施形態のようにケースに開口を設ける場合であっても、開口部311の周囲に壁部を設けることで、止水措置を施している。
【0034】
<実施形態5>
次に、実施形態5に係るアンプ装置について説明する。なお、本実施形態においても、上述した実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0035】
図11は、本実施形態に係るアンプ装置1dの外観を示す斜視図である。アンプ装置1dは、実施形態4で説明したアンプ装置1cに加え、開口部311の周囲に止水性を向上させるための流路形成部312を備えている。すなわち、アンプ装置1dは、開口部311の周囲に壁部を有するだけでなく、さらにその周囲に、結露等で生じた水の流れを開口部311から逸らすための流路形成部312を有している。
【0036】
このようにすれば、ケースに開口を設ける場合であっても、結露の影響を低減することができる。
【0037】
<実施形態6>
次に、実施形態6に係るアンプ装置について説明する。なお、本実施形態においても、上述した実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0038】
図12は、本実施形態に係るアンプ装置1eの外観を示す斜視図である。アンプ装置1eは、実施形態4で説明したアンプ装置1cに加え、開口部311の内部に止水性を向上させるための導電性ゴム313を備えている。導電性ゴム313は、絶縁体であるゴム材料にカーボン等を配合して導電性を付与したものである。本実施形態では、導電性ゴム313は、基板33c上の検査用ランド332c(図示せず)と電気的に接続されており、導電性ゴム313の上から導通検査を行うことができるようになっている。また、導電性ゴム313は、横断面の少なくとも一部が開口部311とほぼ同一の形状になっており、開口部311を覆うことができる。このように、本実施形態に係る導電性ゴム313は、導電性を有し且つ止水性を担保した蓋部といえる。
【0039】
このような態様でも、ケースに開口を設ける場合において、結露の影響を低減することができる。また、導電性ゴム313に孔(非貫通孔)等を設けて検査端子の保持機能を持たせれば、検査装置の端子を開口部311に挿入した際に該端子が弾性保持され、検査時に該端子を手等で保持する必要がなくなるため検査作業が容易になる効果が生じる。
【0040】
<実施形態7>
次に、実施形態7に係るアンプ装置について説明する。なお、本実施形態においても、上述した実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0041】
図13は、本実施形態に係るアンプ装置1fの外観を示す斜視図である。アンプ装置1fは、実施形態4で説明したアンプ装置1cに加え、開口部311に止水性を向上させるための菊割れ蓋314を備えている。菊割れ蓋314は、例えば絶縁体であるゴム材料の蓋であり、中央部から周囲へ放射状に切れ込みが設けられている。本実施形態では、開口部311が菊割れ蓋314で覆われているため、異物や水滴の侵入を防ぐことができると共に、導通検査時には検査装置の端子を菊割れ蓋314の上から挿入することで、基板33c上の検査用ランド332c(図示せず)に端子を接触させることができる。なお、異物とは、塵や埃のほか、金属片等である。
【0042】
このような態様でも、ケースに開口を設ける場合において、結露の影響を低減することができる。また、菊割れ蓋314には弾性力が期待できるので、検査装置の端子を開口部311に挿入した際に該端子が弾性保持され、検査時に該端子を手等で保持する必要がなくなるため検査作業が容易になる効果が生じる。
【0043】
<その他>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において例示した構成要素の形状を変更したり、組み合わせたりすることができる。例えば、実施形態に示したランドパターン等の形状は一例であり、構成要素間を電気的に接続することができれば図示した形状には限定されない。また、例えば、実施形態5に示した流路形成部312と、実施形態6に示した導電性ゴム313又は実施形態7に示した菊割れ蓋314とを設けるようにしてもよい。また、本発明は、ガラスアンテナやフィルムアンテナ用等のアンプ装置に適用できる。