(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両に設けられた車載ユニットと、前記車載ユニットと無線接続するとともに、所定の駐車スペースに駐車された前記車両に対して非接触充電を実行する送電ユニットが複数設けられた送電ユニットグループと、を備える非接触充電システムであって、
前記車載ユニットは、
前記車両の周辺画像を取得する画像取得手段と、
前記送電ユニットグループが含まれる前記周辺画像に基づいて、前記送電ユニットグループの中から前記送電ユニットを選択する、送電ユニット選択手段と、
前記周辺画像に基づいて、前記送電ユニット選択手段によって選択された送電ユニットである指定送電ユニットと前記車載ユニットとの間の距離である第1距離を算出する、画像処理手段と、
前記送電ユニットグループの中から、非接触充電を実行するための無線接続を前記車載ユニットと確立する送電ユニットである無線接続対象を確定する、無線接続対象確定手段と、を有し、
前記無線接続対象確定手段は、前記車載ユニットが前記送電ユニットグループに含まれる前記送電ユニットのそれぞれとの無線通信を実行することによって、前記送電ユニットグループに含まれる前記送電ユニットのそれぞれと前記車載ユニットとの間の距離である第2距離を取得し、前記第1距離と前記第2距離とを照合することによって前記送電ユニットグループの中から前記指定送電ユニットを特定し、特定した前記指定送電ユニットを前記無線接続対象として確定する、
非接触充電システム。
車両に設けられた車載ユニットと、前記車載ユニットと無線接続するとともに、所定の駐車スペースに駐車された前記車両に対して非接触充電を実行する送電ユニットが複数設けられた送電ユニットグループと、を備える非接触充電システムであって、
前記車載ユニットは、
前記車両の周辺画像を取得する画像取得手段と、
前記送電ユニットグループが含まれる前記周辺画像に基づいて、前記送電ユニットグループの中から前記送電ユニットを選択する、送電ユニット選択手段と
前記周辺画像に基づいて、前記送電ユニットグループに含まれる前記送電ユニットのそれぞれと前記車載ユニットとの間の距離を算出する、画像処理手段と、
前記送電ユニットグループの中から、非接触充電を実行するための無線接続を前記車載ユニットと確立する送電ユニットである無線接続対象を確定する、無線接続対象確定手段と、を有し、
前記無線接続対象確定手段は、前記車載ユニットが前記送電ユニットグループに含まれる前記送電ユニットのそれぞれに電波信号を送信することによって、前記送電ユニットグループに含まれる前記送電ユニットのそれぞれの受信強度を取得し、前記画像処理手段によって算出された前記距離と前記受信強度とに基づいて、前記送電ユニットグループの中から、前記送電ユニット選択手段によって選択された送電ユニットである指定送電ユニットを特定し、特定した前記指定送電ユニットを前記無線接続対象として確定する、
非接触充電システム。
車両に設けられた車載ユニットと、前記車載ユニットと無線接続するとともに、所定の駐車スペースに駐車された前記車両に対して非接触充電を実行する送電ユニットが複数設けられた送電ユニットグループと、を備える非接触充電システムであって、
前記車載ユニットは、
前記車両の周辺画像を取得する画像取得手段と、
前記送電ユニットグループが含まれる前記周辺画像に基づいて、前記送電ユニットグループの中から前記送電ユニットを選択する、送電ユニット選択手段と
前記周辺画像に基づいて、前記送電ユニット選択手段によって選択された送電ユニットである指定送電ユニットと前記車載ユニットとの間の距離である第1距離を算出する、画像処理手段と、を有し、
前記送電ユニットは、前記送電ユニットグループの中から、非接触充電を実行するための無線接続を前記車載ユニットと確立する送電ユニットである無線接続対象を確定する、無線接続対象確定手段を有し、
前記無線接続対象確定手段は、前記送電ユニットグループに含まれる前記送電ユニットのうち、一の送電ユニットを前記車載ユニットと無線通信する親機とし、その他の送電ユニットを子機とし、前記親機と前記子機とを無線通信させることによって、前記送電ユニットグループに含まれる前記送電ユニットのそれぞれと前記車載ユニットとの間の距離である第2距離を取得し、前記第1距離と前記第2距離とを照合することによって前記送電ユニットグループの中から前記指定送電ユニットを特定し、特定した前記指定送電ユニットを前記無線接続対象として確定する、
非接触充電システム。
車両に設けられた車載ユニットと、前記車載ユニットと無線接続するとともに、所定の駐車スペースに駐車された前記車両に対して非接触充電を実行する送電ユニットが複数設けられた送電ユニットグループと、を備える非接触充電システムであって、
前記車載ユニットは、
前記車両の周辺画像を取得する画像取得手段と、
前記送電ユニットグループが含まれる前記周辺画像に基づいて、前記送電ユニットグループの中から前記送電ユニットを選択する、送電ユニット選択手段と、
前記周辺画像に基づいて、前記送電ユニットグループに含まれる前記送電ユニットのそれぞれと前記車載ユニットとの間の距離を算出する、画像処理手段と、を有し、
前記送電ユニットは、前記送電ユニットグループの中から、非接触充電を実行するための無線接続を前記車載ユニットと確立する送電ユニットである無線接続対象を確定する、無線接続対象確定手段を有し、
前記無線接続対象確定手段は、前記送電ユニットグループに含まれる前記送電ユニットのうち、一の送電ユニットを前記車載ユニットと無線通信する親機とし、その他の送電ユニットを子機とし、前記親機と前記子機とを無線通信させることによって、前記送電ユニットグループに含まれるそれぞれの前記送電ユニットの、前記車載ユニットより受信する電波信号の受信強度を取得し、前記画像処理手段によって算出された前記距離と前記受信強度とを照合することによって前記送電ユニットグループの中から前記送電ユニット選択手段によって選択された送電ユニットである指定送電ユニットを特定し、特定した前記指定送電ユニットを前記無線接続対象として確定する、
非接触充電システム。
前記無線接続対象確定手段は、前記車載ユニットが前記送電ユニットグループに含まれる前記送電ユニットのそれぞれに時刻情報を付したタイムスタンプ信号を送信することによって、前記タイムスタンプ信号に付された時刻情報と、前記送電ユニットが前記タイムスタンプ信号を受信した時刻に基づいて、前記第2距離を取得する、
請求項1又は3に記載の非接触充電システム。
車両に設けられた車載ユニットと、前記車載ユニットと無線接続するとともに、所定の駐車スペースに駐車された前記車両に対して非接触充電を実行する送電ユニットが複数設けられた送電ユニットグループと、を備える非接触充電システムにおける車載ユニットであって、
前記車両の周辺画像を取得する画像取得手段と、
前記送電ユニットグループが含まれる前記周辺画像に基づいて、前記送電ユニットグループの中から前記送電ユニットを選択する、送電ユニット選択手段と、
前記周辺画像に基づいて、前記送電ユニット選択手段によって選択された送電ユニットである指定送電ユニットと前記車載ユニットとの間の距離である第1距離を算出する、画像処理手段と、
前記送電ユニットグループの中から、非接触充電を実行するための無線接続を前記車載ユニットと確立する送電ユニットである無線接続対象を確定する、無線接続対象確定手段と、を有し、
前記無線接続対象確定手段は、前記車載ユニットが前記送電ユニットグループに含まれる前記送電ユニットのそれぞれとの無線通信を実行することによって、前記送電ユニットグループに含まれる前記送電ユニットのそれぞれと前記車載ユニットとの間の距離である第2距離を取得し、前記第1距離と前記第2距離とを照合することによって前記送電ユニットグループの中から前記指定送電ユニットを特定し、特定した前記指定送電ユニットを前記無線接続対象として確定する、
車載ユニット。
車両に設けられた車載ユニットと、前記車載ユニットと無線接続するとともに、所定の駐車スペースに駐車された前記車両に対して非接触充電を実行する送電ユニットが複数設けられた送電ユニットグループと、を備える非接触充電システムにおける前記車載ユニットであって、
前記車両の周辺画像を取得する画像取得手段と、
前記送電ユニットグループが含まれる前記周辺画像に基づいて前記送電ユニットグループの中から前記送電ユニットを選択する、送電ユニット選択手段と、
前記周辺画像に基づいて、前記送電ユニットグループに含まれる前記送電ユニットのそれぞれと前記車載ユニットとの間の距離を算出する、画像処理手段と、
前記送電ユニットグループの中から、非接触充電を実行するための無線接続を前記車載ユニットと確立する送電ユニットである無線接続対象を確定する、無線接続対象確定手段と、を有し、
前記無線接続対象確定手段は、前記車載ユニットが前記送電ユニットグループに含まれる前記送電ユニットのそれぞれに電波信号を送信することによって、前記送電ユニットグループに含まれる前記送電ユニットのそれぞれの受信強度を取得し、前記画像処理手段によって算出された前記距離と前記受信強度とに基づいて、前記送電ユニットグループの中から、前記送電ユニット選択手段によって選択された送電ユニットである指定送電ユニットを特定し、特定した前記指定送電ユニットを前記無線接続対象として確定する、
車載ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。但し、以下で説明する実施形態は本発明を実施するための例示であり、本発明は以下に説明する態様に限定されない。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係る非接触充電システム100を示すブロック図である。また、
図2は、充電ステーション20を示し、
図3は、非接触充電が実行されている状態を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る非接触充電システム100は、車両110に設けられた車載ユニット10と、充電ステーション20に設置された複数の送電ユニット6a〜6cによって構成される。複数の送電ユニット6a〜6cは、本発明における送電ユニットグループに相当する。
図2に示す充電ステーション20は、車両110を駐車可能なスペースである駐車スペースS1〜S3と、駐車スペースS1〜S3のそれぞれに設置された送電ユニット6a〜6cによって構成されている。以下の説明において、駐車スペースS1〜S3の何れかを特定しないで説明するときは駐車スペースSと称し、送電ユニット6a〜6cの何れかを特定しないで説明するときは単に送電ユニット6と称する。
図2に示すように、送電ユニット6は、駐車スペースSに設けられた送電コイル62を有する。また、
図3に示すように、車載ユニット10は、車両110の底面に配置される受電コイル32を有している。非接触充電では、送電コイル62から受電コイル32へ電力が送電される。送電された電力は、車両110に設けられたバッテリ5に充電される。尚、バッテリ5は、車載の充放電制御装置4を介して、車載ユニットと接続されている。充放電制御装置4は、アクセル操作に応じてバッテリ5から車両110を駆動する電力を放電させ、また、ブレーキが操作された場合には、モータによって発電された電力がバッテリ5に充電されるように制御される。
【0015】
ここで、本実施形態に係る非接触充電システム100は、送電ユニット6と車載ユニッ
ト10によるIEEE802.11規格に準拠した無線ネットワーク構成を有しており、送電ユニット6がアクセスポイント、車載ユニット10がクライアントとして機能する。アクセスポイントとして機能する送電ユニット6は、SSIDに例示される自機の識別情報を含むビーコン信号を定期的にブロードキャストする。送電ユニット6a〜6cは、電波干渉を防止するために、それぞれ異なるチャネルを使用している。即ち、送電ユニット6a〜6cは、無線通信で使用する電波の周波数帯域が異なっている。車載ユニット10と送電ユニット6との無線通信は、ユニット間でやりとりする電波信号の周波数帯域を、その送電ユニット6が使用する周波数帯域に設定することで確立される。尚、非接触充電システム100の無線通信規格は、IEEE802.11に限定されるものではなく、他の規格でもよい。
【0016】
図3に示すように、非接触充電システム100は、車両110が駐車スペースSに駐車されるとともに、車載ユニット10の受電コイル32が送電コイル62に対向配置するように位置合わせされた状態で、車載ユニット10と送電ユニット6とが上述した無線通信を行って制御信号をやりとりすることによって非接触充電を実行する。
【0017】
上記のような非接触充電を行う際には、受電コイル32の位置調整や、充電方式の伝達などのために、制御信号のやりとりが無線通信によって行われる。このため、駐車場内に複数の送電ユニット6が設置されている非接触充電システム100では、車両110と車載ユニット10の送電ユニット6との対応付け(ペアリング)を正しく行うことが要求される。より詳細には、複数の送電ユニット6a〜6cの中から受電コイル32が位置合わせされている送電コイル62を有する送電ユニット6を車載ユニット10に対応付けて、当該送電ユニット6と車載ユニット10との間に、非接触充電を実行するための無線接続を確立する必要がある。即ち、車載ユニット10が位置合わせされる送電ユニット6と、非接触充電を実行するための無線接続を車載ユニット10と確立する送電ユニット6(以下、無線接続対象)とが、一致しなければならない。第1実施形態に係る非接触充電システム100は、複数の送電ユニット6a〜6cの中から車載ユニット10を位置合わせする送電ユニット6を車両周辺の画像に基づいて選択するとともに、選択された送電ユニット6(以下、指定送電ユニット)を無線通信に基づいて特定し、指定送電ユニットと無線接続を確立する機能を有している。尚、本実施形態における送電ユニット6の数量は例示であり、本実施形態に係る非接触充電システム100は、複数台の送電ユニット6が設けられている場合について適用することができる。また、充電ステーション20は、駐車場やガソリンスタンドなど、車両110が停車または駐車可能な場所に適宜設けることができる。
【0018】
[送電ユニット]
図4は、第1実施形態に係る送電ユニット6を示すブロック図であり、
図5は、車載ユニット10を示すブロック図である。まず、
図4を参照して、充電ステーション20を構成する送電ユニット6について説明する。送電ユニット6は、充電スタンドとも呼ばれる。送電ユニット6は、駐車スペースSの地面に設けられ、送電装置61、送電コイル62、送電側共振制御ユニット63、コンバータ64、送電アンプ65、発振回路66、方向性結合器67、負荷整合器68、送電側通信ユニット69を備える。ここで、送電コイル62は、例えば、駐車スペースSの車止めを基準とした所定位置など、車両110が停止した場合の位置合わせが容易な位置に、車両110の底面に設けられた受電コイル32に対向するように設けられることが好ましい。第1実施形態に係る非接触充電システム100は、送電コイル62と受電コイル32との間に磁界共鳴を発生させることによって、送電ユニット6から車載ユニット10へ電力を送電する。
【0019】
送電装置61は、所定のプログラムを実行することによって送電ユニット6を動作させるコンピュータである。送電装置61は、送電制御部611、送電側通信制御部612、
情報処理部613、送電側記憶部614を備える。送電制御部611は、送電制御プログラムを実行することで、予め設定された送電用の設定内容、送電側通信ユニット69による車載ユニット10のデータ送受信結果、送電アンプ65から得られた送電電力モニタ結果に従って、発振回路66、送電側共振制御ユニット63、コンバータ64を制御する。また、送電側通信制御部612は、送電側通信ユニット69に制御信号を出力することで、送電側通信ユニット69に送電ユニット6と車載ユニット10との無線通信を実行させる。情報処理部613は、送電側通信ユニット69が受信した各種の信号に対して処理を実行する。また、送電側記憶部614は、各種の情報を一時的に記憶するメモリである。
【0020】
コンバータ64は、系統電源から供給された交流または直流の電力を直流電流へ変換し、送電アンプ65へ送る。送電アンプ65は、コンバータ64から送られた電力を、発振回路66から与えられた周波数で、送電コイル62へ入力する。発振回路66によって与えられる周波数は、送電制御部611によって制御される。
【0021】
送電側共振制御ユニット63は、送電制御部611による指示に従って、送電コイル62に設けられたコンデンサ(キャパシタ)の容量を制御する等して、送電コイル62の共振周波数を発振回路66の発振周波数と一致するように制御する。また、発振回路66は、送電制御部611による指示に従って、送電コイル62へ発振される周波数を、所定の値となるように制御する。
【0022】
方向性結合器67は、送電アンプ65から送電コイル62に入力される電力の進行波と反射波とを取り出し、取り出された進行波の電力と反射波の電力とを計測し、計測結果を送信電力モニタ値及び反射電力モニタ値として送電制御部611へ通知する。また、負荷整合器68は、送電アンプ65と負荷との整合を行う。
【0023】
送電側通信ユニット69は、アンテナに接続された、無線通信のための通信インターフェースであり、送電ユニット6にアクセスポイントとしての機能を与える。送電側通信ユニット69は、送電側通信制御部612から入力される信号を変調してアンテナから電波信号として送信するとともに、アンテナによって受信される電波信号を復調して送電側通信制御部612に出力することによって、送電ユニット6と車載ユニット10との間の無線通信を可能にする。また、送電側通信ユニット69は、アンテナによって受信した電波の電波強度(以下、受信強度)を測定する機能を有する。
【0024】
[車載ユニット]
次に、車載ユニット10について説明する。
図5に示すように、車載ユニット10は、送電ユニット6から送電される電力を受電する受電コイル32が設けられた受電ユニット3と、カメラ24で取得した画像に基づいて指定送電ユニットを選択するとともに指定送電ユニットの車載ユニット10からの距離を算出する画像処理ユニット2と、受電ユニット3と画像処理ユニット2を制御することによって車載ユニット10を、画像取得手段、送電ユニット選択手段、画像処理手段、及び無線接続対象確定手段を備える車載ユニット10として動作させる制御装置1と、を有する。
【0025】
[受電ユニット]
まず、受電ユニット3について説明する。受電ユニット3は、受電装置31、受電コイル32、受電側共振制御ユニット33、整流回路34、受電側通信ユニット35を備える。
【0026】
受電装置31は、受電制御部311、受電側通信制御部312を有するコンピュータである。受電制御部311は、受電制御プログラムを実行し、予め設定された受電用の設定内容、受電側通信ユニット35による送電ユニット6とのデータ送受信結果、及び整流回
路34から得られた受電電力モニタ結果に従って、受電側共振制御ユニット33、整流回路34を制御する。受電制御部311は、受電コイル32の共振周波数が送電ユニット6と一致するように受電側共振制御ユニット33を制御することで、送電ユニット6と受電ユニット3との間の磁界共鳴による無線電力伝送を実現する。受電側通信制御部312は、受電側通信ユニット35に制御信号を出力することで、受電側通信ユニット35に送電ユニット6の送電側通信ユニット69との無線通信を実行させる。
【0027】
受電側共振制御ユニット33は、送電側共振制御ユニット63と同様に、受電制御部311による指示に従って受電ユニット3の共振周波数を発振回路66の発振周波数と一致するように制御する。送電ユニット6の共振周波数と受電ユニット3の共振周波数が一致すると、磁界共鳴による無線電力伝送が可能となり、受電ユニット3は電力を受電することが可能となる。ここで、受電コイル32は、車両110底面の、地面に設置された送電ユニット6と対向する位置に設けられることが好ましい。また、
図1に示すように、受電ユニット3は、車載の充放電制御装置4を介してバッテリ5と接続されている。整流回路34は、充放電制御装置4による取り出し電力を一定に保つことで、送電側の電圧変更による受電側の見かけの負荷抵抗を制御する。
【0028】
受電側通信ユニット35は、送電側通信ユニット69と同様に、アンテナに接続された無線通信のための通信インターフェースであって、受電側通信制御部312から入力される信号を変調してアンテナから電波信号として送信するとともに、アンテナによって受信される電波信号を復調して受電側通信制御部312に出力することによって、車載ユニット10と送電ユニット6との間の無線通信を可能にする。
【0029】
[画像処理ユニット]
次に、画像処理ユニット2の構成について説明する。画像処理ユニット2は、画像処理装置21、表示装置22、操作部23、カメラ24を備えている。画像処理装置21は、充電ステーション20に進入した車両110の周辺を含む俯瞰画像を生成するとともに、画像内に表示された複数の送電ユニット6a〜6cの中から、充電を実行するために受電コイル32が位置合わせされる指定送電ユニットを選択し、俯瞰画像に基づいて車載ユニット10から指定送電ユニットまでの距離である第1距離D1を算出する機能を有する。画像処理ユニット2は、例えば、車両110に搭載したオーディオ・ビジュアル・ナビゲーション一体型の電子機器(AVN機とも称す)であってもよい。また、画像処理ユニット2は、車両110の周辺画像に、例えば駐車支援としてのガイド線を重畳して表示する等の機能を有していてもよい。以下、画像処理ユニット2の各部の構成について説明する。
【0030】
表示装置22は、車両110の車室内におけるユーザ(主にドライバ)が視認可能な位置に配置され、各種の情報をユーザに表示する。表示装置22は、本発明における表示手段に相当する。表示装置22は、目的地までのルートを案内するナビゲーション機能や音楽を再生するオーディオ機能を備えたAVN機の表示装置22であってもよい。
【0031】
操作部23は、ユーザ(主にドライバ)が操作可能な位置に配置され、少なくとも表示装置22に表示された複数の送電ユニット6a〜6cから、ユーザが指定送電ユニットを選択する操作(指定操作)を示す信号を画像処理装置21へ出力する。操作部23は、表示装置22と重畳されたタッチパネルや、ステアリングやシフトレバー、インパネ、センタコンソール等に配置されたスイッチやタッチパッドであっても良い。本実施形態では、ユーザは、指先やタッチペン等で表示画面に接触する操作を行うことで、画像の任意の位置を指定することができる。
【0032】
カメラ24は、車両110の前方に設けられた前方カメラ24aと、後方に設けられた
後方カメラ24bと、を有し、車両110の周辺画像を取得する。カメラ24は、本発明の画像取得手段に相当する。カメラ24は、レンズと撮像素子とを備えており、電子的に周辺画像を取得する。カメラ24は、所定の周期(例えば、1/30秒周期)で周辺画像を取得し、各画像を動画像の1つのフレームとする映像信号を表示装置22へ入力する。例えば、後方カメラ24bは、車両110が後退して充電ステーション20に駐車する際に、
図6Aに示すような車両後方の画像を取得するように設置される。
【0033】
画像処理装置21は、プログラムを実行することで、カメラ24で取得した周辺画像に基づいて俯瞰画像を生成し、表示装置22に表示させるコンピュータである。この画像処理装置21は、画像取得部211、俯瞰画像生成部212、表示制御部213、選択部214、画像処理部215を備えている。
【0034】
画像取得部211は、カメラ24で撮影した車両110の周辺画像をカメラ24から取得する。画像取得部211は、魚眼レンズや広角レンズで撮影した際に直線状の被写体が湾曲して撮影された場合に、これを直線状に戻すように歪み補正を行う処理や、駐車誘導線の合成、トリミング、コントラストの変更など、所定の画像処理を撮影画像に行って周辺画像を生成してもよい。
【0035】
俯瞰画像生成部212は、画像取得部211が取得した周辺画像から俯瞰画像を生成する機能を有している。例えば、俯瞰画像生成部212は、画像取得部211が取得した周辺画像の視点位置を車両110上方に変換し、再描画することで俯瞰画像を生成するようになっている。俯瞰画像生成部212は、例えば、
図6Aに示す後方カメラ24bで撮影した後方画像から、
図6Bに示す車両110上方の視点から撮影したような俯瞰画像を生成することができる。
【0036】
表示制御部213は、車両110の進行方向に応じて俯瞰画像生成部212が生成した俯瞰画像を表示装置22に表示させる。また、表示制御部213は、表示装置22に俯瞰画像が表示されている状態で、選択対象となる送電ユニット6を指し示すマークや、指定送電ユニットまでの進路を示す情報を重畳して、表示装置22に表示させる。また、表示制御部213は、車両110に関する情報や目的地までのルートを案内するナビゲーション情報を表示パネルに表示させてもよい。
【0037】
選択部214は、ユーザによる操作部23の指定操作に応じて指定送電ユニットを選択し、画像処理部215へ入力する。ユーザによる指定操作で指定送電ユニットを選択する場合、選択部214は、ユーザが駐車スペースS1〜S3内の何れかの場所を指定することによって、ユーザが送電コイル62を直接指定しなくとも、指定された場所を含む駐車スペースSの送電ユニット6を指定送電ユニットとして選択することができる。選択部214は、本発明の送電ユニット選択手段に相当する。
【0038】
画像処理部215は、ユーザが操作部23を操作することによって指定送電ユニットとして選択された送電ユニット6と車両110の画像内での座標値と、画像の倍率とに基づいて、指定送電ユニットと車載ユニット10との間の距離である第1距離D1を算出する測長処理を行う。また、
図2に示すように、送電コイル62の一部が地面より露出していることから、画像処理部215は、送電コイル62のエッジや色値を俯瞰画像から検出することで、送電ユニット6を認識し、駐車スペースS1〜S3の枠線Lを検出することで枠線Lによって区画された領域を駐車スペースS1〜S3として認識してもよい。画像処理部215は、本発明の画像処理手段に相当する。
【0039】
[制御装置1]
次に、制御装置1について説明する。制御装置1は、プログラムを実行することによっ
て、受電ユニット3及び画像処理装置21に処理を実行させる。制御装置1は、中央制御部11、中央処理部12、中央記憶部13を有する。中央制御部11は、受電ユニット3や画像処理ユニット2との間で制御信号をやりとりすることで、無線接続を確立するための処理を実行する。中央記憶部13は、画像処理ユニット2が算出した第1距離D1や、受電ユニット3が送電ユニット6より受信した後述する第2距離D2a〜D2c及びSSIDといった識別情報を記憶するメモリである。中央処理部12は、中央記憶部13に記憶された情報に基づいて、非接触充電を実行するための無線接続を確立すべき送電ユニット6(無線接続対象)を判定する。中央処理部12は、本発明の無線接続対象確定手段に相当する。
【0040】
[非接触充電の手順]
次に、第1実施形態に係る非接触充電システム100における非接触充電を開始する手順について説明する。
図7は、第1実施形態に係る非接触充電システム100における非接触充電の手順を示すフロー図である。また、
図8は、指定送電ユニットを選択する方法を示すフロー図であり、
図9は、指定送電ユニットの車載ユニット10からの距離を示す図であり、
図10は、無線接続の確立方法を示す説明図である。
【0041】
図7に示すように、第1実施形態に係る非接触充電の手順では、まず、ユーザが、充電のために駐車しようとする駐車スペースSを表示画面上で指定し、この指定を受け付けて、当該駐車スペースSに設けられた送電ユニット6を指定送電ユニットとして特定し、この指定送電ユニットと車載ユニット10との距離(以下、第1距離D1と称す)を、表示画面上の画像に基づいて取得する(ステップS001)。次に、送電ユニット6a〜6cと車載ユニットとの無線通信によって、各送電ユニット6と車載装置との距離(以下、第2距離D2と称す)を求め、この第2距離D2とステップS002で取得した第1距離D1とを照合して無線接続対象を確定し、無線接続を確立する(ステップS002)。例えば、第2距離D2が第1距離D1と一致する送電ユニットを、無線接続対象とする。車両110が指定送電ユニットである送電ユニット6が設けられた駐車スペースSに駐車されるとともに、受電ユニット3に設けられた受電コイル32と送電ユニット6に設けられた送電コイル62とが位置合わせされた状態で、共振周波数を合わせる処理等が完了して、送電ユニット6から受電ユニット3へ送電するための送電準備が完了すると(ステップS003)、送電コイル62と受電コイル32との間に磁界共鳴を発生させることによって、送電ユニット6から車載ユニット10へ電力が送電される(S004)。
【0042】
以下、ステップS001で実行される指定送電ユニットの選択方法と、ステップS002で実行される無線接続の確立方法について、詳細に説明する。以下、例示として、充電ステーション20に設けられた複数の送電ユニット6a〜6cのうち、送電ユニット6bを用いて車両110の充電を実行するものとして説明する。即ち、本例では、車両110は駐車スペースS2に駐車されて、受電ユニット3の受電コイル32は、送電ユニット6bの送電コイル62と位置合わせされる。
【0043】
まず、
図8を参照して、画像処理による指定送電ユニットの選択方法について説明する。車両110が充電ステーション20に進入すると、制御装置1の中央制御部11は、ECU(不図示)等から取得した車両110のシフトポジションを示す信号に基づいて、車両110が後進(リバース)しているか否かを判定する(ステップS101)。尚、シフトポジションは、シフトレバー(シフトノブ、シフター、セレクトレバー、チェンジレバー等とも称す)の位置、即ちシフトレバーによって操作されるトランスミッションの状態を示す。ステップS101にて、後進と判定した場合(ステップS101,Yes)、画像取得部211は、後方カメラ24bで撮影した車両110の後方画像を取得し(ステップS102)、ステップS103に進む。ステップS101にて、後進ではないと判定した場合(ステップS101,No)、画像取得部211は、前方カメラ24aで撮影した
車両110の前方画像を取得し(ステップS103)、ステップS104に進む。ステップS104では、画像処理装置21が、ステップS102またはステップS103で取得した車両110の周辺画像に基づいて俯瞰画像を生成する(ステップS104)。俯瞰画像の生成は、画像取得部211が取得した周辺画像を、俯瞰画像生成部212が視点位置を車両110上方に変換し、再描画することで実行される。生成された俯瞰画像は、表示制御部213によって表示装置22に表示される。次に、制御装置1は、車両110が充電ステーション20に進入しているか否かを判断する(ステップS105)。ステップS105では、送電ユニット6a〜6cの何れかから送信される複数のビーコン信号を受電ユニット3の受電側通信ユニット35が検出したことを中央制御部11が認識することによって、車両110が充電ステーション20に進入していると判断する。また、ステップS105では、画像処理部215が送電コイル62のエッジや色値を検出して、俯瞰画像で表示される領域内に複数の送電コイル62が存在することを中央制御部11が認識することによって、車両110が充電ステーション20に進入していると判断してもよい。ステップS105において、車両110が充電ステーション20に進入していると判定された場合(ステップS105,YES)、ステップS106に進む。
【0044】
ステップS106では、画像処理部215が、送電コイル62のエッジや色値を検出することによって、俯瞰画像に表示されている全ての送電ユニット6と駐車スペースS1〜S3を認識する(ステップS106)。次に、表示制御部213が、表示されている複数の駐車スペースS1〜S3の中から車両110を駐車する駐車スペースSを選択することを促す通知を、俯瞰画像に重畳して表示させる(ステップS107)。即ち、ユーザに指定操作を促す通知が表示される。このとき、表示制御部213によって表示装置22に送電コイル62のエッジや駐車スペースS1〜S3の枠線Lを強調表示させることで、ユーザに選択対象を明示してもよい。次に、制御装置1は、複数の送電ユニット6a〜6cから、指定送電ユニットを選択する(ステップS108)。例示として駐車スペースS2に駐車する場合、ユーザが操作部23によって、表示画面上の駐車スペースS2内の何れかの位置を指定すると、選択部214は、指定された場所を含む駐車スペースSの送電ユニット6bを指定送電ユニットとして選択する。尚、ステップS108では、選択部214は、画像処理による送電コイル62や駐車スペースS1〜S3の検出を行わず、ユーザによって非接触充電を実行する送電コイル62の俯瞰画像内の位置が指定操作されることによって、指定送電ユニットを選択してもよい。
【0045】
次に、ステップS109では、画像処理部215が、ステップS06で指定送電ユニットとして選択された送電ユニット6及び車両110の画像内での座標値と、画像の倍率とに基づいて、指定送電ユニットと車載ユニット10との間の距離である第1距離D1を算出する。より詳細には、第1距離D1は、
図9に示すように、画像に基づいて算出された送電側通信ユニット69と受電側通信ユニット35との間の距離である。第1距離D1は、画像処理によって検出した送電コイル62のエッジに基づいて送電側通信ユニット69のアンテナの位置座標を求め、予め記憶されている受電側通信ユニット35の位置座標との差をとり、画像の倍率を積算することによって、算出される。算出した第1距離D1は、制御装置1の記憶部に記憶される。また、第1距離D1は、表示部に表示されてもよい。以上のようにして、指定送電ユニットの選択が行われる。
【0046】
次に、
図10を用いて、第1実施形態に係る無線接続の確立方法について説明する。まず、車載ユニット10は、送電ユニット6の送電側通信ユニット69から送信される各ビーコン信号を受電側通信ユニット35によって受信し、受信された各ビーコン信号からSSIDを抽出する(ステップS201)。SSIDが抽出された複数の送電ユニット6a〜6cは、SSIDに基づいてリスト化され、制御装置1の中央記憶部13に記憶される(ステップS202)。次に、車載ユニット10は、受電側通信制御部312に受電側通信ユニット35を制御させることによって、リストの中から無作為に一つの送電ユニット
6を選択し、選択された送電ユニット6との無線通信を確立する(ステップS203)。無線通信の確立は、受電側通信ユニット35が送電ユニット6に向けて無線通信接続の確立を要求し、このメッセージを受信した送電ユニット6の送電側通信制御部612が接続応答メッセージを送電側通信ユニット69によって返信することによって実行される。ここでは、例示として、送電ユニット6aと無線通信を確立する。
【0047】
次に、車載ユニット10は、受電側通信制御部312に受電側通信ユニット35を制御させることによって、タイムスタンプ(時刻情報)を付した信号であるタイムスタンプ信号を送電ユニット6aの送電側通信ユニット69に送信する(ステップS204)。タイムスタンプは、受電側通信ユニット35がタイムスタンプ信号を送信した送信時刻を示している。タイムスタンプ信号を受信した送電ユニット6aは、タイムスタンプ信号に含まれる時刻情報と、自身がタイムスタンプ信号を受信した受信時刻を送電側記憶部614に記憶すると、情報処理部613によって、送信時刻と受信時刻に基づいて車載ユニット10と送電ユニット6aとの間の距離を算出する(ステップS205)。ステップS205では、送信時刻と受信時刻から受電側通信ユニット35から送電側通信ユニット69まで電波が伝送した時間を求め、この時間に電波の伝達速度を積算することによって、車載ユニット10と送電ユニット6aとの距離である第2距離D2を算出する。即ち、上記ステップにて算出される第2距離D2は、送電側通信ユニット69と送電ユニット6aの受電側通信ユニット35との距離である。次に、送電ユニット6aは、送電側通信制御ユニットに送電側通信ユニット69を制御させることによって、距離情報を車載ユニット10の受電側通信ユニット35に送信する(ステップS206)。車載ユニット10は、受信した距離情報を送電ユニット6aのSSIDに紐付けて中央記憶部13に記憶する(ステップS207)。距離情報を記憶した後に、車載ユニット10は、受電側通信制御部312に受電側通信ユニット35を制御させることによって、送電ユニット6aとの無線通信を切断する(ステップS208)。
【0048】
次に、車載ユニット10は、リストの中から、まだ無線通信を確立していない送電ユニット6を選択し、選択された送電ユニット6との無線通信を確立する(ステップS209)。ここでは、例示として送電ユニット6bと通信を確立する。送電ユニット6bにおいても、ステップS204と同様に、車載ユニット10がタイムスタンプ信号を送電ユニット6bに送信する(ステップS210)。そして、送電ユニット6が車載ユニット10と送電ユニット6bとの間の第2距離D2を算出し(ステップS211)、車載ユニット10に距離情報を送信する(ステップS212)。車載ユニット10は、距離情報を送電ユニット6のSSIDに紐付けて記憶する(ステップS213)。車載ユニット10は、送電ユニット6bとの無線通信を切断し(ステップS214)、送電ユニット6のリストに基づいて、まだ無線通信を確立していない送電ユニット6である送電ユニット6cとの無線通信を確立する(ステップS215)。送電ユニット6においても送電ユニット6a、送電ユニット6bと同様の処理を実行する(ステップS216〜ステップS219)。
【0049】
車載ユニット10は、リストに含まれる全ての送電ユニット6との通信を確立し、全ての送電ユニット6の距離情報を取得したことを制御部が認識すると、中央処理部12に、どの送電ユニット6が指定送電ユニットであるのかを判定させる(ステップS220)。ここで、無線通信に基づいて算出した、送電ユニット6の車載ユニット10からの距離である第2距離D2において、送電ユニット6a〜6cのそれぞれの第2距離D2を、第2距離D2a〜D2cと称する。ここで、中央記憶部13には、指定送電ユニットの選択方法において画像処理によって算出された、車載ユニット10と指定送電ユニットとの距離である第1距離D1と、ステップS205,S211,S217において算出した、車載ユニット10と送電ユニット6a〜6cとの距離である第2距離D2a〜D2cとが記憶されている。中央処理部12は、第1距離D1と第2距離D2a〜D2cとを比較して、第1距離D1と一致する若しくは最も近い値の第2距離D2a〜D2cと紐づいたSSI
Dの送電ユニット6を無線接続対象として判定する。本例では、第1距離D1と値が一致するのは、第2距離D2bであり、第2距離D2bと紐づいたSSIDを有する送電ユニット6bが指定送電ユニットとして中央処理部12に判定される。
【0050】
そして、車載ユニット10は、受電側通信制御部312に受電側通信ユニット35を制御させることによって、リストの中から、中央処理部12が指定送電ユニットとして判定した送電ユニット6bを無線接続対象として特定し、選択された送電ユニット6bと、非接触充電を実行するための無線接続を確立する(ステップS221)。
【0051】
以上のようにして、第1実施形態に係る非接触充電システム100は、ユーザが表示画面上で指定した位置に基づく第1距離D1と、無線通信により求めた第2距離D2を照合し、第2距離D2が第1距離D1と一致する送電ユニット6を無線接続対象とする。そうすることによって、ユーザが表示画面上で指定した送電ユニット6と、非接触充電を実行するために車載ユニットと無線接続する送電ユニット6とを一致させることができる。その結果、本実施形態に係る非接触充電システム100によると、複数の送電ユニット6が設けられた充電ステーション20で車両110を充電する際に、車載ユニット10と送電ユニット6とのペアリングを正しく実行することができる。本例では、車載ユニット10がユーザによって指定された送電ユニット6b以外の送電ユニット6とペアリングされることを抑制することができる。その結果、車両110が駐車スペースS2に駐車されるとともに車載ユニット10が送電ユニット6bと位置合わせされた状態で、車載ユニット10が駐車スペースS1,S3に設けられた送電ユニット6a,6cとペアリングしてしまうことによる、非接触充電を実行できなくなるという不具合を解消することができる。
【0052】
また、本実施形態に係る選択部214は、周辺画像が表示された表示装置22の画面上でユーザが指定した位置に基づいて、複数の送電ユニット6a〜6cの中から、指定送電ユニットを選択することができる。そのため、ユーザは、車両110周辺の状況や送電ユニット6a〜6cの位置関係に応じて、非接触充電を実行したい送電ユニット6を選択することができる。
【0053】
尚、送電ユニットの選択方法において、ステップS106〜S108では、選択部214が、画像内で認識された複数の送電ユニット6a〜6cの中からランダム(無作為)に指定送電ユニットを選択してもよい。そうすることにより、ユーザによる指定操作を省くことができる。この場合、表示制御部213によって、指定送電ユニットが設けられた駐車スペースSを強調表示してもよい。
【0054】
また、上述したように、充電ステーション20に設けられた複数の送電ユニット6a〜6cは、それぞれ、異なるチャネルを有している。換言すると、充電ステーション20内の送電ユニット6a〜6cは、通信に用いる周波数帯域がそれぞれ異なっており、単位時間当たりに受信可能なデータ数(データレート)が異なっている。その結果、使用する周波数帯域に応じて、車載ユニット10がタイムスタンプ信号を送信してから送電ユニット6がタイムスタンプ信号を受信するまでの時間が変化することにより、受信時刻が変化する虞がある。本実施形態に係る送電ユニット6は、通信に使用する周波数帯域に基づいて受信時刻を補正してもよい。
【0055】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る非接触充電システム100Aについて説明する。第2実施形態に係る非接触充電システム100Aは、指定送電ユニットの選択方法と、無線接続の確立方法において、第1実施形態に係る非接触充電システム100と相違している。また、第2実施形態では、送電ユニット6の情報処理部613が、本発明における無線接続対象確定手段として機能する。以下、第2実施形態に係る非接触充電システム100Aについ
て、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については同一の符号を付すことにより詳細な説明は割愛する。
【0056】
図11は、第2実施形態に係る非接触充電システム100Aにおける、指定送電ユニットの選択方法を示す図である。第2実施形態に係る指定送電ユニットの選択方法は、指定送電ユニットを含む、俯瞰画像に表示された全ての送電ユニット6のそれぞれと車載ユニット10との間の距離を算出する点で、第1実施形態に係る送電ユニットの選択方法と異なる。より詳細には、ステップS309において、画像処理部215が、ステップS106で認識した全ての送電ユニット6の、車載ユニット10からの距離を算出する。算出した送電ユニット6a〜6cのそれぞれの距離情報は、中央記憶部13に記憶される。ここで、制御装置1は、車載ユニット10と例示としての指定送電ユニットである送電ユニット6bとの間の距離を第1距離D1として、車載ユニット10とその他の送電ユニット6a,6cとの間の距離を参照距離Dとして記憶する。
【0057】
図12は、第2実施形態に係る非接触充電システム100Aにおける、無線接続の確立方法を示す図である。第2実施形態に係る無線接続の確立方法は、送電ユニット6a〜6cのそれぞれが、距離ではなく電波強度を測定する点と、最初に通信を確立させた送電ユニット6を親機、他の送電ユニット6を子機として、親機と子機との間で情報を伝送する点において、第1実施形態に係る無線接続の確立方法と相違している。以下、
図12を用いて説明する。
図12に示すように、ステップS201〜S203は、第1実施形態と同様である。即ち、車載ユニット10は、ステップS201にて、送電ユニット6の送電側通信ユニット69から送信される各ビーコン信号を通信ユニットによって受信し、受信された各ビーコン信号からSSIDを抽出し、ステップS202にて、送電ユニット6をSSIDに基づいてリスト化して制御装置1の中央記憶部13に記憶させ、ステップS203にて、受電側通信制御部312に受電側通信ユニット35を制御させることによって、リストの中から無作為に一つの送電ユニット6を選択し、選択された送電ユニット6との無線通信を確立する。ここでは、例示として送電ユニット6aと無線通信を確立する。車載ユニット10と送電ユニット6aとの無線通信は、送電ユニット6aが使用する周波数帯域の電波信号によってやり取りされる。
【0058】
次に、無線通信を確立した送電ユニット6は、送電側通信制御部612の制御によって、送電側通信ユニット69を通常のモードから親機モードへと切り替える(ステップS404)。そうすることにより、送電ユニット6は親機(マスタ)となる。車載ユニット10は、画像処理によって算出した第1距離D1と参照距離Dを含む距離情報を、親機に送信する(ステップS405)。親機は、受信した距離情報を記憶する(ステップS406)次に、親機である送電ユニット6は、車載ユニット10と通信を確立させていない送電ユニット6に対して、子機モードに切り替えることを通知する制御信号を送信する(ステップS407)。親機から制御信号を受信した送電ユニット6は、通信ユニットを通常モードから子機モードへと切り替える(ステップS408)。送電ユニット6は、親機に切り替わることで、送電側通信ユニット69が有する受信強度の測定機能によって、車載ユニット10から送信される電波信号の受信強度を測定可能となる。また、送電ユニット6は、子機に切り替わることで、送電側通信ユニット69が有する受信強度の測定機能によって、親機が使用する周波数帯域の電波信号の受信強度を測定可能となる。この状態で、車載ユニット10から親機へ電波信号が送信されると(ステップS409)、親機は、電波信号の受信強度を測定する(ステップS410)。また、ステップS410では、車載ユニット10から親機へ送信された電波信号は、子機にも拾われており、子機も電波信号の受信強度を測定する。子機は、測定した受信強度の情報を親機に送信する(ステップS411,ステップS412)。次に、親機は、自身が測定した電波強度と子機から受信した電波強度の情報をSSIDに紐付けて記憶する(ステップS413)。一般に、電波強度は、送信元から距離が離れるほど減衰する。即ち、送電ユニット6a〜6cのそれぞれ
が測定する受信強度は、送電ユニット6と車載ユニット10との間の距離の大きさに反比例し、受信強度が大きいほど、その送電ユニット6が車載ユニット10に対して距離が近いことを示す。即ち、送電ユニット6a〜6cの受信強度の情報から、送電ユニット6a〜6cのそれぞれの車載ユニット10からの距離の大小関係を求めることができる。
【0059】
全ての送電ユニット6の受信強度を記憶すると、親機の情報処理部613は、ステップS405において車載ユニット10から受信した距離情報と送電ユニット6a〜6cの受信強度情報とに基づいて、受信強度を測定した送電ユニット6のうち、どの送電ユニット6が指定送電ユニットであるのかを判定し、指定送電ユニットとして判定された送電ユニット6を、無線接続対象として確定する(ステップS414)。ステップ414では、画像処理によって求めた第1距離D1と参照距離Dの大小関係と、受信強度から求められる送電ユニット6a〜6cのそれぞれの車載ユニット10からの距離の大小関係を比較することによって、判定を行う。より詳細には、情報処理部613は、受信強度より求められる送電ユニット6a〜6cのそれぞれの車載ユニット10からの距離の大きさの順番を、各SSIDに紐付ける。そして、情報処理部613は、画像処理で算出した各送電ユニット6の車載ユニット10からの距離の中で第1距離D1の大きさがN番目に大きいとすると、受信強度から求められる車載ユニット10からの距離の大きさが上からN番目の送電ユニット6を、指定送電ユニットと判定する。
【0060】
次に、親機は、上記ステップによる判定結果を車載ユニット10に送信する(ステップS415)。本例では、無線接続を確立すべき送電ユニット6bのSSIDを送信する。次に、車載ユニット10は、本例のように無線接続対象に確定した送電ユニット6bが現在無線通信を確立させている親機でない場合は、無線通信を切断する(ステップS416)。そして、送電側通信制御部612に送電側通信ユニット69を制御させることによって、無線接続対象に確定した送電ユニット6bと、非接触充電を実行するための無線接続を確立する(ステップS417)。尚、ステップS414において、指定送電ユニットが親機であると判定された場合は、ステップS416は実行せず、ステップS417において、親機である送電ユニット6と無線接続を確立する。
【0061】
以上のようにして、第2実施形態に係る非接触充電システム100Aは、車両110の周辺画像に基づいて算出した送電ユニット6a〜6cのそれぞれの車載ユニット10からの距離と、無線通信により求めた送電ユニット6a〜6cのそれぞれの受信強度とを照合することによって、無線接続対象を確定する。そうすることによって、ユーザが表示画面上で指定した送電ユニット6と、非接触充電を実行するために車載ユニットと無線接続する送電ユニット6とを一致させることができる。その結果、本実施形態に係る非接触充電システム100Aによると、複数の送電ユニット6が設けられた充電ステーション20で車両110を充電する際に、車載ユニット10と送電ユニット6とのペアリングを正しく実行することができる。
【0062】
尚、第2実施形態に係る無線接続の確立方法は、ステップS201〜ステップS203において、車載ユニット10が、最初にビーコン信号を受信した送電ユニット6と通信を確立するようにしてもよい。
【0063】
また、第2実施形態に係る無線接続の確立方法では、ステップS414〜ステップS415において、親機である送電ユニット6bから車載ユニット10へ各送電ユニット6の受信強度情報を送信し、車載ユニット10の中央処理部12が、画像処理によって求めた距離情報と受信強度情報とに基づいて指定送電ユニットを判定してもよい。
【0064】
また、第2実施形態に係る無線接続の確立方法は、ステップS410において、受信強度に基づいて、送電ユニット6a〜6cのそれぞれの車載ユニット10からの距離を算出
してもよい。受信強度に基づく距離の算出は、例えば、送電ユニット6が電波信号を受信する際の、送信元からの距離と受信強度との関係式に基づいて算出してもよい。その場合、予め、電波の周波数帯域ごとの関係式を送電ユニット6に記憶させておき、当該関係式を用いて受信強度を距離に換算してもよい。また、ステップS410では、車載ユニット10から受信したタイムスタンプ信号に基づいて、送電ユニット6a〜6cのそれぞれの車載ユニット10からの距離を算出してもよい。ステップS410において距離を算出した場合、ステップS411,ステップS412において子機は、親機へ距離情報を送信する。そして、ステップS413〜S415において、親機は、距離情報に基づいて指定送電ユニットを判定し、車載ユニット10に判定結果を送信する。以上のように、第2実施形態に係る無線接続の確立方法は、ユーザが表示画面上で指定した位置に基づく距離と、タイムスタンプ信号若しくは受信強度に基づいて算出した距離とを照合することによって、無線接続対象を確定してもよい。
【0065】
尚、上述した実施形態は、可能な限り組み合わせることができる。例えば、第1実施形態に係る非接触充電システムは、指定送電ユニットの選択方法において、俯瞰画像内の送電ユニット6a〜6cのそれぞれの車両110からの距離を算出し、無線接続の確立方法においては、指定送電ユニットの選択方法において算出した距離と、無線通信により求めた送電ユニット6a〜6cのそれぞれの受信強度とを照合することによって、無線接続対象を確定してもよい。