(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明の農作業機の給電システムの一実施形態を示す全体構成図である。
図2は、本発明の農作業機の給電システムの通常時の例を示す配線概略図である。
図3は、本発明の農作業機の給電システムの非通常時の例を示す配線概略図である。
【0015】
本発明は、トラクタ1側から作業機2側へ、送電部14と受電部21の間のワイヤレス給電を介して電力(電気)を供給できるシステムである。
【0016】
トラクタ1には、トラクタバッテリー11、電源ハーネス12、スイッチ13、送電部14を有している。また、無線部10はトラクタ1の運転席4近傍に配置可能となっている。
【0017】
作業機2には、受電部21、作業機側無線部22、蓄電部23、制御部24、リレー26、アクチュエータ27を有している。また、作業機2には、電気的に接続するためのプラスライン30、マイナスライン31、給電ライン32(第1給電ライン32a、第2給電ライン32b)、蓄電ライン33(第1蓄電ライン33a、第2蓄電ライン33b、第3蓄電ライン33c)、分岐ライン34、中間ライン35を有しており、情報的に接続するための通信ライン38を有している。さらに、蓄電制御部41、電流制御部42、検出部43を有しており、これらは電流制御ユニット40としてもよい。さらに、作業機2には、給電スイッチ46、蓄電スイッチ47、メインスイッチ48を有している。
【0018】
無線部10は、情報を無線で作業機側無線部22に送信可能な装置である。無線部10は、操作スイッチを有する操作部を有することができ、操作部の操作による情報を操作信号として無線送信により作業機側無線部22へ送信できるようにすることができる。操作部には、アクチュエータ27を作動させる押しボタンスイッチ等のスイッチを有していてもよい。このとき、操作部は、無線部10と一体としてもよいし、配線等を通じ別体とすることも可能である。さらに無線部10には、表示部を有して、必要な情報を表示させてもよい。このとき、表示部は、無線部10と一体としてもよいし、配線等を通じ別体とすることも可能である。また、無線部10は、必要に応じて作業機側無線部22からの情報を無線で受信するようにしてもよい。
【0019】
トラクタバッテリー11は、トラクタ1に設置されている。トラクタバッテリー11は、送電部14へ電気を送る直流の電源となれる。また、トラクタ1からのエンジン動力を利用して充電させる構成を有していてもよい。また、トラクタ1に必要な電気も供給するバッテリーであってもよい。
【0020】
電源ハーネス12は、トラクタバッテリー11と送電部14を接続するハーネス(配線)である。途中にスイッチ13を介している。また、スイッチとは別にリレー等を設けてもよい。
【0021】
スイッチ13は、ON(入)のときは、トラクタバッテリー11からの電力が送電部14へ送られ、OFF(切)のときは、トラクタバッテリー11からの電力が送電部14へ送られない。スイッチ13は、トラクタ1のエンジン始動等のトラクタを始動させるスイッチと共有することもでき、例えば、エンジン始動のためのキーを回転させるときにONとなるキースイッチの構成とすることができる。これにより、トラクタのキースイッチ(トラクタを始動させるスイッチ)がONになっているときに電力を供給することができ、作業者がトラクタを始動させればスイッチ13はONとなる。またこれ以外に、スイッチ13を運転席4近傍に配置するように配線してトラクタ1に乗車した作業者が状況に応じて入切できるスイッチとしてもよい。
【0022】
送電部14は、受電部21とワイヤレス給電を行うための送電側の装置であり、電源ハーネス12を介して送られてきたトラクタバッテリー11からの電力をワイヤレス送電用に変換して送電する。このため、送電部14は、電力を変換してワイヤレスで送電するために必要なデバイスを有している。また、送電部14はトラクタ1側の作業機2に近い位置に配置することでワイヤレス給電を行いやすくできる。
【0023】
受電部21は、送電部14とワイヤレス給電を行うための受電側の装置であり、送電部14から受電して電力へ変換する。変換された電力は、プラスライン30へ送られる。このため、受電部21は、ワイヤレスで受電して電力への変換に必要なデバイスを有している。また、受電部21は、プラスライン30とマイナスライン31と接続されており、マイナスライン31は変換後の回路のマイナス側に接続され、プラスライン30は変換後の回路のプラス側で接続されている。
【0024】
送電部14と受電部21との間で行うワイヤレス給電の方式について説明する。ワイヤレス給電の種類として、例えば、「電磁誘導」、「磁気共鳴」、「マイクロ波・レーザ光」の方式が挙げられる。「電磁誘導」の方式は、電磁誘導により一次側のコイルから二次側のコイルに電力を送る方式である。「磁気共鳴」の方式は、共振を利用して電力を伝送する方式である。「マイクロ波・レーザ光(無線)」の方式は、マイクロ波やレーザ光による送電を行う方式である。
【0025】
これらの方式を適用させる場合、送電部14と受電部21は、これらの方式に合うように構成される。例えば、「電磁誘導」の方式なら、送電部14は交流を発生させるシステムと一次側コイルを有し、受電部21は二次側コイルと整流するシステムを有している構成があげられる。また、「磁気共鳴」の方式であるならば、送電部14は一定の周波数を発生させるためのシステムとコイルを有し、受電部21はコイルと整流するシステムを有する構成があげられる。
【0026】
作業機側無線部22は、無線部10からの無線による信号を受信する。無線部10から信号を受信した場合は、通信ライン38を介して制御部24へ送られる。また、分かり易くするために、電源が入っている場合の表示や、受信状態を示す表示等を追加してもよい。また、作業機側無線部22は、制御部24から得られる情報を無線部10へ送信してもよい。また、作業機側無線部22の電源は、ワイヤレス給電を介して得られた電気を使用でき、作業機側無線部22は、送電部14と受電部21の間のワイヤレス給電で送電される電力の範囲内で作動するものである。また、蓄電部23から電力が得られるようにすることもできる。なお、作業機側無線部22は、無線部10からの無線による信号を受信することが可能な受信可能状態(待ち受け状態)とする場合は一定の電力を必要とする。
【0027】
蓄電部23は、蓄電機能のある装置で構成され電力が蓄えられる。蓄電部23は、例えば、ニッケル水素電池や鉛蓄電池、リチウムイオン電池、リチウム電池等で構成されるバッテリーや、キャパシタなどが適用できる。バッテリーであれば、充電により蓄電され、供給された電力が蓄えられる。
【0028】
制御部24は、作業機側無線部22で受信した操作信号をもとにアクチュエータ27を制御する。制御部24は、制御のために必要な電子デバイス等で構成され、コントロールボックスとしてボックス内に格納して独立させることができる。
【0029】
リレー26は、制御部24の指令によりアクチュエータ27を作動させるためのリレー回路で構成されている。これは必要に応じて設けられ、例えば、アクチュエータ27が消費電力の大きい電動油圧シリンダであれば使用するとよい。また、リレー回路以外でも大きな電流を流せる半導体(例えば、FET、CMOS、トランジスタなど)でもよい。
【0030】
アクチュエータ27は、制御部24の制御により作動する。例えば、電動油圧シリンダやモータなどがあげられる。アクチュエータ27は蓄電部23からの電力を利用して作動させることができる。
【0031】
また、アクチュエータ27の他に、例えば、LEDを含むランプ、センサ、ブザー、スイッチ等の小電力機器を作業機2に備えていてもよい。この場合、制御部24は、必要に応じて小電力機器の制御や、小電力機器からの情報を取得して制御に反映する。これらに必要な電力は、蓄電部23から得ることができるし、送電部14と受電部21の間のワイヤレス給電からの電力を得てもよい。
【0032】
プラスライン30は、一方が受電部21のプラス側に接続され、他方は分岐点36で給電ライン32(第1給電ライン32a)と蓄電ライン33(第1蓄電ライン33a)に分岐される。また、途中には蓄電制御部41を有している。
【0033】
マイナスライン31は、一端が受電部21のマイナス側に接続され、途中で分岐して、分岐した一方の他端が蓄電部23のマイナス側に、分岐した他方の他端が作業機側無線部22のマイナス側に接続されている導線である。さらに、制御部24、リレー26、アクチュエータ27のマイナス側とも接続されている。ここで、マイナスライン31は0Vの基準となる導線であり、アースしてもよい。
【0034】
給電ライン32は、一端がプラスライン30の分岐点36で接続され、他端が作業機側無線部22のプラス側に接続されている導線である。給電ライン32は、一端がプラスライン30の分岐点36に接続されて他端が給電スイッチ46の接点Pとなる第1給電ライン32aと、一端が接点Rで他端が作業機側無線部22のプラス側に接続される第2給電ライン32bによって構成することができる。
【0035】
蓄電ライン33は、一端がプラスライン30の分岐点36で接続され、他端が蓄電部23のプラス側に接続されている導線である。また、途中には電流制御部42を有している。さらに、途中に蓄電スイッチ47とメインスイッチ48を介している。蓄電ライン33は、一端がプラスライン30の分岐点36に接続されて他端が接点Sとなる第1蓄電ライン33aと、一端が接点Uで他端が接点Vとなる第2蓄電ライン33bと、一端が接点Wで他端が蓄電部23のプラス側に接続される第3蓄電ライン33cによって構成することができる。なお、電流制御部42は第1蓄電ライン33aの途中に設けられている。
【0036】
分岐ライン34は、第3蓄電ライン33cの途中から分岐して、制御部24、リレー26、アクチュエータ27へ電気を送るための導線である。
図1〜3では制御部24とリレー26の間をつなぐ配線に接続されている。
【0037】
通信ライン38は、作業機側無線部22と制御部24を接続されており、ここでは、情報のみやりとりをするための通信線であり、電力のやりとりは行わない。
【0038】
なお、制御部24と、リレー26と、アクチュエータ27は配線で接続されており、必要に応じて電気的なやりとりや情報的なやりとりが可能な配線とする。
【0039】
蓄電制御部41は、蓄電部23の蓄電量が一定以上になったら、これを検知し受電部21からの電力を蓄電部23へ送らないようにするものである。また、蓄電部23の蓄電量が一定以下となったら、これを検知し受電部21からの電力を蓄電部23へ送るようにするものである。蓄電制御部41は、例えば、IC等で構成される半導体等によるスイッチとして、蓄電部23の蓄電量が一定以上になったことを判別した場合は、蓄電ライン33への回路を切って送電を止めるようにする。また、蓄電部23の蓄電量が一定以下になったことを判別した場合は、蓄電ライン33への回路を入れて蓄電部23へ送電を行うようにする。これらにより例えば蓄電部23の寿命が短くなることを防止できる。
【0040】
ここで、蓄電部23がバッテリーである場合、蓄電制御部41は充電を制御する。充電を止めるための条件である一定以上充電したことの判別は、蓄電部23のプラス(蓄電ライン33)とマイナス(マイナスライン31)の電圧が一定以上となる場合、もしくは、蓄電部23への電流が一定以下となる場合、もしくは、これらを組み合わせて蓄電部23のプラスとマイナスの電圧が一定以上で、かつ、蓄電部23への電流が一定以下となる場合に蓄電部23が一定以上充電したことを判別することができる。電圧が一定以上となる場合としては、予め定めた標準の電圧よりも高い値となった場合である。また、電流が一定以下となる場合としては、通常充電時に流れる電流よりも相当量少ない電流となる場合である。また、一定以上充電した状態は、例えば、ほぼ満充電の状態とすることができる。また、充電を止めていた場合に、充電を開始させるための条件として、蓄電部23のプラスとマイナスの電圧が予め定めた一定以下の電圧となる場合とすることができる。ここでの一定以下の電圧の値は、充電時の標準の電圧より高いが、上記充電を止めるための条件である一定以上の電圧の値よりも低い値を採用できる。
【0041】
蓄電制御部41は、
図2、3では分岐点36よりも受電部21側のプラスライン30の途中に設けられているが、この場合は蓄電制御部41に整流のための機能を有していてもよい。一方、蓄電制御部41を分岐点36よりも蓄電部23側に設けてもよい。この場合、中間ライン35の分岐よりも受電部21側の蓄電ライン33(第1蓄電ライン33a又は第2蓄電ライン33bの接点Uと中間ライン35の分岐の間)の途中に設けることができる。
【0042】
電流制御部42は、ワイヤレス給電がされていない(適切にワイヤレス給電がされていないときも含むことが可)と判断したときは、蓄電部23からの電力を作業機側無線部22へ送らないようにするものである。例えば、リレー等によるスイッチとして、分岐点36よりも蓄電部23側で、中間ライン35の分岐よりも受電部21側である蓄電ライン33(第1蓄電ライン33a又は第2蓄電ライン33bの接点Uと中間ライン35の分岐の間)の途中に設けられる。この場合、送電部14と受電部21がワイヤレス給電中は、この電流を検出部43で感知して、電流制御部42内のスイッチをONとする。また、ワイヤレス給電をしていないときはワイヤレス給電による電流を検出部43で感知せずに電流制御部42内のスイッチをOFFとして、蓄電部23からの電流が作業機側無線部22へ流れないように遮断する。
【0043】
さらに、電流制御部42は、ワイヤレス給電中の電流が十分でない場合は、スイッチをONとしないようにしてもよい。すなわち検出部43で感知する受電部21からの電流が一定以上のみの場合に電流制御部42内のスイッチをONとし、それ以外はOFFとする。これにより、送電部14と受電部21の対向が不十分で作業機側無線部22へ電力が適切に供給されない場合も電流制御部42内のスイッチをOFFとすることができる。この場合、電流制御部42は送電部14と受電部21の対向検出部としての機能を果たす。
【0044】
さらに、電流制御部42は、受電部21から蓄電部23の方向へ電流が流れている場合のみに電流制御部42内のスイッチをONとするようにしてもよい。これは、回路中にダイオードを設ける等として受電部21から蓄電部23の方向へ電流を感知したときに電流制御部42内のスイッチをONとすることで実現可能である。すなわち、蓄電部23から受電部21へ電流が流れても電流制御部42内のスイッチはONとならない。この場合、電流制御部42は、蓄電部23のプラスマイナスを逆に取り付けてしまった場合の他の機器の故障を防止する逆接検出部としての機能を果たす。
【0045】
また、電流制御部42は、第1給電ライン32aの途中に設けてもよい。ただし、この場合は、逆接検出部としての機能は十分に発揮しないが、ワイヤレス給電検出や対向検出部の機能を果たしている。
【0046】
ここで、上述した蓄電制御部41、電流制御部42、検出部43は、電流制御ユニット40として、受電部21に一体として設けることも可能である。また
図1〜3のように別体として設けることも可能である。また、これらの一部を受電部21と一体として設けることも可能である。
【0047】
給電ライン32と蓄電ライン33の途中には、通常時と非通常時を切り換えるためのスイッチ回路を有している。スイッチ回路は、給電スイッチ46、蓄電スイッチ47、中間ライン35を含み、メインスイッチ48を有していてもよい。
【0048】
給電スイッチ46は、接点Pと接点Rの接続か、接点Qと接点Rの接続かを切り換えるスイッチである。接点Pと接点Rが接続されている場合は第1給電ライン32aと第2給電ライン32bが接続され、接点Qと接点Rが接続されている場合は中間ライン35と第2給電ライン32bが接続される。
【0049】
蓄電スイッチ47は、接点Sと接点Uの接続か、接点Tと接点Uの接続かを切り換えるスイッチである。なお、接点Tはどことも接続されていないため、接点Sと接点Uが接続されている場合は第1蓄電ライン33aと第2蓄電ライン33bが接続され、接点Tと接点Uが接続されている場合は第1蓄電ライン33aと第2蓄電ライン33bが接続されない状態となる。
【0050】
中間ライン35は、給電スイッチ46と第2蓄電ライン33bの間を接続する導線である。一端が接点Qで他端が第2蓄電ライン33bの途中に接続されている。
【0051】
メインスイッチ48は、接点Vと接点Wを接続するか否かを切り換えるスイッチである。メインスイッチ48がON(入)の状態であれば、接点Vと接点Wが接続され第2蓄電ライン33bと第3蓄電ライン33cが接続される。メインスイッチ48がOFF(切)の状態であれば、接点Vと接点Wが接続されず第2蓄電ライン33bと第3蓄電ライン33cが接続されない。
【0052】
受電部21と作業機側無線部22を接続する場合は、給電スイッチ46を接点P側へ接続して接点Pと接点Rと接続する。受電部21と蓄電部23を接続する場合は、蓄電スイッチ47を接点S側へ接続して接点Sと接点Uと接続し、メインスイッチ48をONとして接点Vと接点Wを接続する。蓄電部23と作業機側無線部22を接続する場合は、給電スイッチ46を接点Q側へ接続して接点Qと接点Rと接続し、メインスイッチ48をONとして接点Vと接点Wを接続する。
【0053】
図2の状態は、ワイヤレス給電を前提とした通常時の状態であり、給電スイッチ46を接点P側へ接続して、蓄電スイッチ47を接点S側へ接続して、メインスイッチ48をOFFからONとする。この通常時の状態では、受電部21と作業機側無線部22が接続され、受電部21と蓄電部23が接続されている。
【0054】
通常時の状態で、トラクタ1に作業機2が取り付けられ送電部14と受電部21が対向されている場合で、トラクタ1側のスイッチ13がONのときは、トラクタバッテリー11からの電力は、送電部14へ送られ受電部21へワイヤレスで給電され、受電部21で電力へ変換される。このとき、受電部21へ送られた電気を検出部43で感知して電流制御部42のスイッチはONとなり、蓄電ライン33(第1蓄電ライン33a)は接続されている。受電部21で変換された電力は、プラスライン30、給電ライン32(第1給電ライン32a、第2給電ライン32b)を通って作業機側無線部22の電源とすることができる。すなわち、トラクタ1側のスイッチ13がONのときは、作業機側無線部22に電力が供給され受信可能状態とでき、無線部10からの無線による信号を受信することが可能となる。さらに、受電部21からの電力はプラスライン30、蓄電ライン33(第1蓄電ライン33a、第2蓄電ライン33b、第3蓄電ライン33c)を通って蓄電部23にも送られて電気が蓄電される。また、蓄電部23の蓄電量が一定以上になった場合は、上述した蓄電制御部41の作用によりそれ以上充電されなくなる。このとき、蓄電制御部41内のスイッチでプラスライン30が切断されるため、作業機側無線部22へは蓄電部23から電力が供給される。また、蓄電部23に蓄えられた電力は、第3蓄電ライン33c、分岐ライン34等を通って、制御部24、リレー26、アクチュエータ27へ送ることが可能で有り、これらの電源とすることができる。また、ワイヤレスで給電され供給される電力が足りれば、受電部21からプラスライン30、蓄電ライン33、分岐ライン34を通って制御部24へ電気を直接供給することもでき、また、アクチュエータ27の電力の一部をまかなってもよい。
【0055】
なお、分岐点36を蓄電制御部41と受電部21の間に設けて、蓄電制御部41が分岐点36よりも蓄電部23側である蓄電ライン33に設けられている場合は、蓄電部23の蓄電量が一定以上になった場合でも作業機側無線部22へは受電部21からプラスライン30、給電ライン32を通って電力が供給されることが可能となる。
【0056】
また、通常時の状態で、トラクタ1側のスイッチ13がOFFのときは、トラクタバッテリー11からの電力は、送電部14へ送られない。このため、受電部21から電気は送られず、作業機側無線部22にも電気が送られない。一方、蓄電部23に蓄えられた電力は、第3蓄電ライン33c、分岐ライン34を通って、制御部24、リレー26、アクチュエータ27へ送ることが可能であるが、作業機側無線部22へは上述した電流制御部42の作用により送られない。このため、作業機側無線部22に電気は流れず無線部10からの信号受信はできなくなるが、トラクタ1のスイッチ13がOFFのときは、蓄電部23からの電力が作業機側無線部22により消費されることはないため蓄電部23の無駄な電力消費を防止できる。なお、作業機2をトラクタ1から取り外した際もワイヤレス給電ができないため作業機2側ではスイッチ13がOFFの状態と同様となる。また、送電部14と受電部21の対向が不十分で作業機側無線部22へ電力が十分供給されない場合も同様の制御が可能である。
【0057】
図3の状態は、ワイヤレス給電を前提としない非通常時の状態であり、給電スイッチ46を接点Q側へ接続して、蓄電スイッチ47を接点T側へ接続して、メインスイッチ48をOFFからONとする。この非通常時の状態では、蓄電部23と作業機側無線部22が接続され、受電部21と作業機側無線部22は接続されず、受電部21と蓄電部23も接続されない。
【0058】
非通常時の状態で、スイッチ13がONのときでもOFFのときでも、受電部21からの電気は作業機側無線部22、蓄電部23には送られない。一方で、作業機側無線部22の電力は蓄電部23から、第3蓄電ライン33c、第2蓄電ライン33b、中間ライン35、第2給電ライン32bを通って供給されるので、作業機側無線部22は受信可能状態とでき、無線部10からの無線による信号を受信することが可能となる。一方、蓄電部23に蓄えられた電力は、第3蓄電ライン33c、分岐ライン34等を通って、制御部24、リレー26、アクチュエータ27へ送ることが可能で有り、これらの電源とすることができる。このため、無線部10の操作部によるアクチュエータ27の操作が可能となる。
【0059】
なお、給電スイッチ46と蓄電スイッチ47は、これらが連動するスイッチユニット45として構成してもよい。例えば、給電スイッチ46が接点P側へ接続するときは蓄電スイッチ47も同時に接点S側へ接続するように連動し、給電スイッチ46が接点Q側へ接続するときは蓄電スイッチ47も同時に接点T側へ接続するように連動させる。これにより、1つのスイッチ操作で、給電スイッチ46と蓄電スイッチ47について、
図2の通常時の状態と、
図3の非通常時の状態を切り換えることができる。
【0060】
また、給電スイッチ46、蓄電スイッチ47、メインスイッチ48、もしくは、スイッチユニット45は、作業機2上で操作可能なスイッチとすることができる。また、無線部10の操作部にこれらのスイッチを切り換えるための遠隔スイッチを設けてもよい。また、給電スイッチ46、蓄電スイッチ47を切り換える際にメインスイッチ48を一度切ることで安全性を高めることができる。
【0061】
このように通常時の状態では、ワイヤレス給電により作業機側無線部22に電力が供給される。そして、ワイヤレス給電がされなくなる(または十分にされなくなる)と作業機側無線部22に電力が供給されないが、スイッチ回路を切り換えて、非通常時とすることで、蓄電部23の電力が作業機側無線部22にも送られ、アクチュエータ27の操作をすることができる。ここで、ワイヤレス給電がされなくなる(または十分にされなくなる)場合として、例えば、スイッチ13がOFFの場合や、トラクタ1を作業機2から取り外した場合、送電部14と受電部21の対向が不十分であった場合や、送電部14と受電部21等のワイヤレス給電のシステムに故障が生じた場合などがあげられる。
【0062】
図4は、本発明の農作業機の給電システムが適用される作業機の一例を示す側面図である。
図5は、本発明の農作業機の給電システムが適用される作業機の一例を示す平面図である。
図6は、本発明の農作業機の給電システムが適用される作業機の一例を示す正面図である。
図4〜6の作業機2は折りたたみ機構を備えた代掻き作業機50であり、入力軸51側をトラクタ1に装着し、カバー52や均平板53の内で代掻き爪が回転することにより代掻き作業を行う。なお、
図4では、代掻き作業機50をトラクタ1に装着した図となっており、トラクタ1の図は簡略して主な図示をタイヤ3としている。
【0063】
電動油圧シリンダ56は、シリンダが伸び縮みすることにより、回動機構57を作用させサイド作業部55を折りたたみ、代掻き作業機50の全幅を短くすることができる。延長レーキ開閉装置60は、内部のモータが回転することにより、制御バー62やワイヤ63を介して延長レーキ61を左右に回動させ、延長レーキ61を使用するか否かを選択することができる。これら、電動油圧シリンダ56や、延長レーキ開閉装置60(のモータ)をアクチュエータ27として、無線部10の操作部により操作することができ、効率のよい農作業を行うことができる。特に電動油圧シリンダ56は消費電力が大きく、送電部14から受電部21へ送電される電力を上回ることが想定される。
【0064】
トラクタ1に連結装置80を取り付けて
図4に示すように代掻き作業機50(作業機2)を装着する。連結装置80のトラクタ1への取付は、トラクタ1のトップリンク5の先端を連結装置80の上部中央で前側(トラクタ1側)に設置された取付孔82に取り付け、トラクタ1の左右のロワリンク6の先端を連結装置80の下部両側の取付ピン89にそれぞれ取り付ければ、トラクタ1に連結装置80が取り付けられる。
【0065】
代掻き作業機50側では、連結装置80に装着させるための連結器具(マスト71、ヒッチ73)を備える。マスト71は、入力軸51が備えられているミッションケース75の上部に取り付けられ、左右のヒッチ73は、それぞれミッションケース75の両端にあるフレームパイプ76に接合された取付板77に取り付けられる。マスト71の先端には、トップピン72が備えられ、ヒッチ73先端には、ロワピン74が備えられている。
【0066】
作業者は、連結装置80をトラクタ1に取り付けた状態で、ハンドル91を引き、トラクタ1の運転席でロワリンク6を操作し連結装置80を上昇させて、下側から、連結装置80の上部中央で後ろ側(代掻き作業機50側)に設置されたトップフック81をマスト71のトップピン72に引っかける。すると、ヒッチ73のロワピン74が連結装置80の下部両側に接合される側板85の後ろ側に形成された溝88に入り、ジョイント7の先端も入力軸51に挿入される。これにより作業機2が三点で支持される。そして、ハンドル91を戻して(押して)、ハンドル91に連動するフック84をロックすれば装着が完了する。
【0067】
このとき、送電部14を連結装置80側に取り付け、受電部21を代掻き作業機50(作業機2)側に取り付けて、連結装置80に代掻き作業機50を取り付けた場合に、送電部14と受電部21が対向してワイヤレスで給電できる位置になるようにしておけば、作業者は、トラクタ1に作業機2を脱着する際に、トラクタ1から降りて、給電のための接続をする必要がない。具体例として、送電部14は、連結装置80のトップフック81及び取付孔82を有する上部部材90(
図4)側と側板85側を接続するメインパイプ83に送電側取付部材101を取り付け、そこに設置される。送電部14の設置は送電側取付部材101の後ろ側に送電部14が配置されるようにする。受電部21は、ヒッチ73のプレートに受電側取付部材102を取り付け、そこに設置される。このとき、受電側取付部材102は受電部21の取り付け高さを合わせるためヒッチ73よりも上部に延びて形成され、受電部21が受電側取付部材102の上部前側に配置されるようにする。連結装置80に代掻き作業機50を取り付けた場合に、送電部14と受電部21が同じ高さと同じ横方向の位置で対向して接近する。この接近する距離は例えば、0mmから20mm、好ましくは5mmから10mmなどとすることができる。
【0068】
また、
図4〜6の例では、作業機側無線部22と、蓄電部23は、カバー52上に、制御部24は、ミッションケース75上部に取り付けられている。
【0069】
作業者が電動油圧シリンダ56を動かしたい場合は、トラクタ1に作業機2が装着している状態で、スイッチ回路を通常時として、トラクタ1のキースイッチをONとするなどして、スイッチ13をONとする。この状態で、無線部10の操作部の操作により、操作信号を作業機側無線部22へ送ることで、制御部24の制御により、蓄電部23から供給される電力で電動油圧シリンダ56を作動させることができる。また、トラクタ1に作業機2が装着していない状態、もしくは、スイッチ13がOFFの状態等であれば、スイッチ回路を非通常時とすれば、蓄電部23から供給される電力で作業機側無線部22が受信可能状態となり、無線部10の操作部の操作により電動油圧シリンダ56を作動させることができる。
【0070】
以上のように、本発明の実施形態について説明したが、本発明は例示した代掻き作業機に限らず、トラクタに装着して農作業を行う作業機全般に適用することができる。また、上述した実施例の一部構成を他の実施例の一部の構成に置き換えて適用することや、必要に応じて他の構成と組み合わせて利用してもよい。