特許第6795404号(P6795404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6795404ベッドサイドモニタを備えたナースコールシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6795404
(24)【登録日】2020年11月16日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】ベッドサイドモニタを備えたナースコールシステム
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20201119BHJP
【FI】
   A61G12/00 E
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-290(P2017-290)
(22)【出願日】2017年1月5日
(65)【公開番号】特開2018-108285(P2018-108285A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2019年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 祐啓
(74)【代理人】
【識別番号】100201514
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 悦
(72)【発明者】
【氏名】菅井 拓海
【審査官】 齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−057180(JP,A)
【文献】 特開2003−319080(JP,A)
【文献】 特開2004−173194(JP,A)
【文献】 特開2014−096065(JP,A)
【文献】 特開2007−6323(JP,A)
【文献】 特開2001−333396(JP,A)
【文献】 特開2016−187106(JP,A)
【文献】 特開2014−42687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者が看護師を呼び出すナースコール子機と、患者に関する情報を表示するベッドサイドモニタと、前記ベッドサイドモニタの表示を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段が、同じ看護師への呼び出しが重複した場合に、前記ナースコール子機からの呼び出しに対する看護師の応答状態を前記ベッドサイドモニタに表示する処理を行うことを特徴とするナースコールシステム。
【請求項2】
前記応答状態が、看護師により応答が保留される状態を含む請求項1に記載のナースコールシステム。
【請求項3】
前記応答状態が、看護師による応答の保留が継続中である状態を含む請求項2に記載のナースコールシステム。
【請求項4】
患者が看護師を呼び出すナースコール子機と、前記呼び出しに看護師が応答する携帯情報端末と、患者に関する情報を表示するベッドサイドモニタと、前記ベッドサイドモニタを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段が、同じ看護師への呼び出しが重複した場合に、前記ナースコール子機からの呼び出しに対する看護師の応答状態および前記携帯情報端末で応答した看護師に関する情報を前記ベッドサイドモニタに表示させる処理を行うことを特徴とするナースコールシステム。
【請求項5】
前記制御手段が、ナースコール子機からの呼び出しに対する看護師の応答履歴情報を前記ベッドサイドモニタに表示させる処理を含む請求項4に記載のナースコールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院や介護施設等に設備されたナースコールシステムに関し、詳しくは、患者がナースコール子機により呼び出しを行うと、看護師の応答状態をベッドサイドモニタに表示させるナースコールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ベッドサイドモニタにカルテ等の患者情報を表示し、処置に訪れた看護師がその場で患者情報の閲覧や更新をできるよう構成したナースコールシステムが知られている。例えば、特許文献1には、患者がナースコール子機により呼び出しを行うと、ベッドサイド表示装置(ベッドサイドモニタ)に呼び出し中であることを示すメッセージを表示し、処置に訪れた看護師が、復旧操作と併せて呼び出し理由を入力できる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−255611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術によれば、呼び出し中であることは確認できるものの、例えば、看護師が他の患者の処置に追われて応答ができなかった場合等には、患者は何ら情報が与えられないまま待機することとなり、不安になって呼出ボタンを何度も押下してしまう等の問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明の目的は、看護師を呼び出した患者に看護師側の状態を通知することにより待機中の患者の不安を緩和することのできるナースコールシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は次のような手段を提供する。
【0007】
(1)患者が看護師を呼び出すナースコール子機と、患者に関する情報を表示するベッドサイドモニタと、ベッドサイドモニタの表示を制御する制御手段とを備え、制御手段が、ナースコール子機からの呼び出しに対する看護師の応答状態をベッドサイドモニタに表示する処理を行うことを特徴とするナースコールシステム。
【0008】
(2)応答状態が、看護師により応答が保留されている状態を含む(1)に記載のナースコールシステム。
【0009】
(3)応答状態が、看護師による応答の保留が継続中である状態を含む(2)に記載のナースコールシステム。
【0010】
(4)患者が看護師を呼び出すナースコール子機と、子機からの呼び出しに看護師が応答する携帯情報端末と、患者に関する情報を表示するベッドサイドモニタと、ベッドサイドモニタを制御する制御手段とを備え、制御手段が、携帯情報端末で応答した看護師に関する情報をベッドサイドモニタに表示させる処理を行うことを特徴とするナースコールシステム。
【0011】
(5)制御手段が、ナースコール子機からの呼び出しに対する看護師の応答履歴情報をベッドサイドモニタに表示させる処理を含む(4)に記載のナースコールシステム。
【発明の効果】
【0012】
本発明のナースコールシステムによれば、患者からの呼び出しに対する看護師の応答状態をベッドサイドモニタに表示するので、応答待ちの患者の不安を和らげることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態を示すナースコールシステムのシステム図である。
図2図1のナースコールシステムの構成を示すブロック図である。
図3】ベッドサイドモニタに表示される呼び出し中表示の一例を示す模式図である。
図4】ベッドサイドモニタに表示される保留表示の一例を示す模式図である。
図5】ベッドサイドモニタに表示される保留継続表示の一例を示す模式図である。
図6】ベッドサイドモニタに表示される応答履歴表示の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明をナースコールシステムに具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、この実施形態のナースコールシステム1は、患者が看護師を呼び出すナースコール子機2と、病室の患者ベッド近傍に設置されたベッドサイドモニタ3と、患者からの呼び出しに看護師が応答するナースコール親機4と、看護師が携帯する携帯情報端末5と、ナースコール子機2からの呼び出しを廊下灯7を介して受信し、ナースコール親機4および携帯情報端末5へ中継する制御機6と、電子カルテ等の患者情報を記憶する患者情報サーバー8と、所定の間隔で患者情報の更新データを制御機6から取得する管理サーバー9と、ベッドサイドモニタ3の基本設定等を行う管理PC10から構成されている。
【0015】
制御機6は、図2に示すように、ベッドサイドモニタ3等の外部機器とインターフェース64を介して通信するCPU61と、携帯情報端末5の識別情報と看護師の識別情報を紐付けて記憶する看護師情報記憶部62と、看護師が患者からの呼び出しに応答した履歴情報と患者の識別情報を紐付けて記憶する応答履歴記憶部63を備えている。
【0016】
CPU61では、ナースコール子機2からの呼出信号をナースコール親機4および携帯情報端末5へ送信する制御、ナースコール親機4または携帯情報端末5からの応答信号をナースコール子機2へ送信する制御、および、ベッドサイドモニタ3の画面表示を更新する制御を行う。
【0017】
次に、上記構成のナースコールシステム1の動作について図2〜6に基いて説明する。患者がナースコール子機2で呼出操作を行うと、呼出信号が廊下灯7を介して制御機6へ送信される。制御機6では、チームナーシングやプライマリーナーシング等によりあらかじめ患者毎に定められた担当看護師あるいは担当看護師チーム(以下、看護師)を記憶しており、制御機6が呼出信号を受信すると、制御機6のCPU61は、これら所定の看護師へ呼出信号を送信する。また、呼出信号の送信とともに、図3に示すように、呼出元患者のベッドサイドモニタ3へ呼出状態信号を送信し、呼び出し中であることを示すメッセージ22を含む画面21を表示する。
【0018】
ところで、看護師は複数の患者を担当しているため、複数の患者から同時に一人の看護師が呼び出されることもある。このような場合、看護師が順に処置を施す間、患者は看護師の応答を待機することとなる。そこで、本実施例のナースコールシステム1では、同じ看護師への呼び出しが重複した場合などには、該看護師からの応答が保留されている患者のベッドサイドモニタ3へ保留状態信号を送信し、画面21に、呼び出しが保留されていることをその患者に示す「保留」メッセージ23を表示する。なお、保留中メッセージ23には、待ち患者数を含めても良い。
【0019】
また、一般に、緊急度の高い呼び出しがあった場合には、看護師は、呼び出し順序の先後に関わらず緊急度の高い呼び出しを優先して応答する。そのため、緊急度の高い呼び出しがあると、呼び出しが保留されている患者は、さらに呼び出しが保留されることとなる。そこで、本実施例のナースコールシステム1では、呼び出しを保留している看護師と、緊急度の高い呼び出しがあった看護師が重複した場合には、呼び出しが保留されている患者のベッドサイドモニタ3へ保留継続状態信号を送信し、画面21に、図4(b)に示すように看護師による応答保留が継続中であることを示す「保留継続」メッセージ24を表示する。
【0020】
したがって、この実施形態のナースコールシステム1によれば、呼び出しが保留または保留継続されている患者のベッドサイドモニタ3へ看護師側の応答状態を表示するため、患者は自身の呼び出しが看護師に届いていることを知ることができる。
【0021】
一方、呼び出しを受けた看護師が、携帯情報端末5から応答すると、応答信号が制御機6へ送信される。制御機6では、応答信号を受信すると、応答信号に含まれる携帯情報端末5の識別情報に基いて看護師情報記憶部62から看護師情報を読み出し、図5に示すように、呼出元患者のベッドサイドモニタ3の画面21に看護師の名前等を含む看護師情報25を表示する。
【0022】
この構成によれば、患者は会話相手の看護師を確認でき、安心してコミュニケーションを取ることができるという効果がある。
【0023】
また、呼び出しを受けた看護師が、ナースコール親機4または携帯情報端末5から応答すると、応答信号が制御機6へ送信される。制御機6では、応答信号を受信すると、受信した日時や応答信号に含まれる応答者の識別情報等を呼び出した患者の識別情報と紐付けて応答履歴記憶部63に記憶する。
【0024】
応答履歴の照会は、図6に示すように、ベッドサイドモニタ3に表示された応答履歴照会ボタン26にタッチする操作を行う。応答履歴照会操作を行うと、ベッドサイドモニタ3から応答履歴照会信号が制御機6に送信される。応答履歴照会信号を受信した制御機6のCPU61は、応答履歴照会信号に含まれる患者の識別情報に基いて看護師が応答した日時、応答した看護師の名前等の応答履歴情報を応答履歴記憶部63から読み出し、呼出元のベッドサイドモニタ3の画面21へ履歴情報を表示する。確認後は、戻るボタン27をタッチする等の操作により、前画面に戻ることができる。
【0025】
この構成によれば、呼び出しに応じて処置に訪れた看護師が、ナースコールの頻度から患者の病状を確認したり、以前に応対した看護師から患者の様子を確認することもできるという効果がある。
【0026】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、応答状況として保留継続時間を予測して表示させても良い。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各部の構成を任意に変更して実施することも可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 ナースコールシステム
2 ナースコール子機
3 ベッドサイドモニタ
4 ナースコール親機
5 携帯情報端末
6 制御機
7 廊下灯
8 患者情報サーバー
9 管理サーバー
10 管理PC
21 画面
22 呼出中メッセージ
23 保留中メッセージ
24 保留継続中メッセージ
61 CPU
62 看護師情報記憶部
63 応答履歴記憶部
64 インターフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6