(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
中古車オークションが行われる中古車オークション会場における中古車の駐車位置を管理するオークション出品中古車駐車位置管理装置において実行されるオークション出品中古車駐車位置管理方法であって、
前記中古車の属性を示す属性情報を格納する属性情報データベースを参照して前記中古車の属性情報を取得することと、
前記属性情報と前記駐車位置を示す駐車位置情報とを対応付けて格納する配置情報データベースを参照して前記取得した属性情報に対応する駐車位置情報を取得することと、
前記配置情報データベースに格納された前記属性情報と前記駐車位置情報との対応関係を更新することと、
前記取得した属性情報と、該取得した属性情報に対応付けて前記配置情報データベースに格納されている駐車位置情報とに基づいて、前記中古車オークションに出品される前記中古車の前記駐車位置を決定することと、
を含むことを特徴とするオークション出品中古車駐車位置管理方法。
【背景技術】
【0002】
従来、オークションによる中古車の取引が、中古車買取業者、オークション開催業者、および中古車販売業者によって行われている。
【0003】
中古車買取業者は、売却を希望する所有者から買い取った自動車(中古車)を、その中古車に関する情報と共に中古車オークションに出品する。出品する中古車は、中古車買取業者によってオークション会場に運び込まれる。
【0004】
オークション業者は、出品された中古車に関する情報に、中古車の撮像画像等の詳細情報を付加し、出品リストを作成する。各中古車の撮像画像や詳細情報は、オークション会場に持ち込まれた中古車をオークション業者が点検表に従って評価し、デジタルカメラで外観および内部を撮像し、各中古車のデータとして作成している。また、出品される中古車は、主にオークション会場に運び込まれた順に駐車場に駐車される。
【0005】
中古車販売業者は、オークション業者が作成した出品リストを参照して、出品された中古車を査定し、応札する。例えば、オークション会場内に設置された検索用端末装置を用いて、車種、年式などの情報から応札候補の中古車を検索する。検索用端末装置は、検索された中古車の撮像画像や詳細情報を画面に表示する。中古車販売業者は、撮像画像などを閲覧して、その中古車を応札の対象とするか否か決定する。また、中古車販売業者は、検索用端末装置に表示される撮像画像だけではなく、駐車場に駐車されている中古車の車両状態そのものを直に目で確認(査定)することもある。
【0006】
中古車販売業者が応札候補の中古車の車両状態を直に査定する際、中古車販売業者は、中古車が駐車された場所に行く必要がある。中古車オークションには、数千台乃至数万台の中古車が出品されるため、中古車が駐車されている駐車場は広大である。そのため、駐車した中古車の位置情報を確認するための技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、オークション会場の駐車場に駐車されている中古車は、中古車買取業者が運び込んだ順に駐車されているため、中古車販売業者が応札候補とする中古車があちこちに散在している。そのため、中古車販売業者が応札候補とする中古車の駐車位置に効率的に行くことができない、という問題点があった。また、中古車買取業者やオークション業者にとって早期に落札されることを望む中古車が、効率的に中古車販売業者の目に触れるように中古車を駐車させることができていない、という問題点があった。
【0009】
本発明は、上述のような実状に鑑みたものであり、中古車販売業者が応札候補とする中古車の駐車位置に効率的に行くことができ、中古車買取業者やオークション業者にとって早期に落札されることを望む中古車が、効率的に中古車販売業者の目に触れるように中古車を駐車させることが可能な、オークション出品中古車駐車位置管理装置、およびオークション出品中古車駐車位置管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するため、下記のような構成を採用した。
【0011】
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明のオークション出品中古車駐車位置管理装置は、中古車オークションが行われる中古車オークション会場における中古車の駐車位置を管理するオークション出品中古車駐車位置管理装置であって、前記中古車の属性を示す属性情報を格納する属性情報データベースと、前記属性情報データベースを参照し、前記中古車の属性情報を取得する属性情報取得部と、前記属性情報と前記駐車位置を示す駐車位置情報とを対応付けて格納する配置情報データベースと、
前記配置情報データベースに格納された前記属性情報と前記駐車位置情報との対応関係を更新する配置情報更新部と、前記属性情報取得部によって取得された前記属性情報と
、該取得された属性情報に対応付けて前記配置情報データベースに格納され
ている前記駐車位置情報
とに基づいて、前記中古車オークションに出品される前記中古車の前記駐車位置を決定する駐車位置決定部とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のオークション出品中古車駐車位置管理装置は、前記配置情報更新部が、前記属性情報に対応する前記駐車位置情報を変更することが望ましい。
【0014】
また、本発明のオークション出品中古車駐車位置管理装置は、前記駐車位置決定部が、
前記取得された属性情報に対応付けられた駐車位置情報によって示される駐車位置に前記中古車を駐車することが可能である場合に、前記
取得された属性情報に対応付けられた
前記駐車位置情報
によって示される駐車位置を前記駐車位置として決定することが望ましい。
【0015】
また、本発明のオークション出品中古車駐車位置管理装置は、前記駐車位置決定部が、
前記取得された属性情報に対応付けられた駐車位置情報によって示される駐車位置に前記中古車を駐車することが不可能である場合に、前記
取得された属性情報に対応付けられた
前記駐車位置情報とは異なる駐車位置情報
によって示される駐車位置を前記駐車位置として決定することが望ましい。
【0016】
また、本発明のオークション出品中古車駐車位置管理装置は、前記属性情報が、人気度、車種、メーカー、またはせり成約率を含むことが望ましい。
【0017】
また、本発明の一態様によれば、本発明のオークション出品中古車駐車位置管理方法は、中古車オークションが行われる中古車オークション会場における中古車の駐車位置を管理するオークション出品中古車駐車位置管理装置において実行されるオークション出品中古車駐車位置管理方法であって、前記中古車の属性を示す属性情報を格納する属性情報データベースを参照して前記中古車の属性情報を取得
することと、前記属性情報と前記駐車位置を示す駐車位置情報とを対応付けて格納する配置情報データベースを参照して前記取得した属性情報に対応する駐車位置情報を取得
することと、
前記配置情報データベースに格納された前記属性情報と前記駐車位置情報との対応関係を更新することと、前記取得した属性情報と
、該取得した属性情報に対応付けて前記配置情報データベースに格納されている駐車位置情報
とに基づいて、前記中古車オークションに出品される前記中古車の前記駐車位置を決定する
こととを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、中古車販売業者が応札候補とする中古車の駐車位置に効率的に行くことができ、中古車買取業者やオークション業者にとって早期に落札されることを望む中古車が、効率的に中古車販売業者の目に触れるように中古車を駐車させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は、実施の形態のオークション出品中古車駐車位置管理装置を備えるせりシステムの全体構成図である。
【0022】
図1において、せりシステム1は、カメラ2、撮影端末3、データベースサーバ(DBサーバ)4、ファイルサーバ5、調整人操作端末6、画像表示装置7、応札端末8、オークション出品中古車駐車位置管理装置9、およびせり制御装置10を備える。これらの各装置2、3、4、5、6、7、8、9、10は、出品中古車20のせりを行なうオークション会場に設けられている。
【0023】
カメラ2は、例えば、撮影スタジオにおいて、出品中古車20の撮影を行なう。
【0024】
撮影端末3は、不図示の入力装置および表示装置を備える。撮影端末3は、入力装置によって入力された、出品中古車20を出品する中古車買取業者の情報、出品中古車20のメーカー、車種名、年式、色、走行距離等の車両情報を、データベースサーバ4が備えるデータベース(DB)4Aに登録する。撮影端末3は、カメラ2で撮影した出品中古車20の前方、側方、後方等からの撮像画像を、車輌画像ファイル5Aとしてファイルサーバ5に登録する。また、撮影端末3は、カメラ2で撮影した撮像画像を表示装置に表示する。
【0025】
調整人操作端末6は、例えば、せりの開始や落札の決定等の調整人による操作を実行する。
【0026】
画像表示装置7は、せりの対象となる出品中古車20の撮像画像を、ファイルサーバ5から読み出して表示する。
【0027】
応札端末8は、通常、複数台であり、せりに参加する中古車販売業者が応札指示を行なうための端末装置である。
【0028】
オークション出品中古車駐車位置管理装置9は、オークション会場に運び込まれる出品中古車20の駐車位置を管理する。詳細は、後述する。
【0029】
せり制御装置10は、せりのスタート価格から、応札端末8から入力する価格、所謂せり上がり価格を判断し、落札に至るまでの制御を行なう。
【0030】
図2は、オークション会場に運び込まれた出品中古車を駐車させるまでの概要を説明するための図である。
【0031】
図2に示すように、オークション会場には、検査・撮影ヤード21および駐車ヤード22が設けられている。出品中古車20は、検査・撮影ヤード21に搬入され、検査員による車両検査および点検表に従った評価が行われる。評価は、外装の傷、色等、内装の傷、色等に基づいて、点数化される。点数化された評価を評価点という。
【0032】
次に、出品中古車20は、カメラ2による車両撮影が行われ、撮影端末3によるせり用の各種データの登録が行われる。その際、出品中古車20のオークションへの出品番号が順に付与され、出品番号を含む各種データがRFIDライタ30によりRFID(無線周波数識別:Radio Frequency Identification)タグ31に書き込まれる。RFIDタグ31は、出品中古車20に貼付または搭載される。
【0033】
検査、撮影、およびタグ付けが行われた出品中古車20は、駐車ヤード22内の所定の場所に移動させて駐車させる。駐車ヤード22は、例えば、立体駐車場であり、1階から屋上階の複数階を備える。また、各階は、複数のエリアに分けられている。例えば、
図2に示した駐車ヤード22では、1階の手前(1F手前)と1階の中央(1F中央)とが仕切り22Aで分けられ、1階の中央(1F中央)と1階の奥(1F奥)とが仕切り22Bで分けられている。同様に、屋上階の手前(RF手前)と屋上階の中央(RF中央)とが仕切り22Cで分けられ、屋上階の中央(RF中央)と屋上階の奥(RF奥)とが仕切り22Dで分けられている。出品中古車20をどのエリアに駐車させるのかは、オークション出品中古車駐車位置管理装置9によって決定される。
【0034】
RFIDリーダ40は、駐車ヤード22に駐車した出品中古車20に貼付または搭載のRFIDタグ31から発信される信号を受信し、RFIDタグ31の位置を取得する。
【0035】
図3は、オークション出品中古車駐車位置管理装置の機能ブロック図である。
【0036】
図3において、オークション出品中古車駐車位置管理装置9は、せり情報登録部91、せり情報データベース92、属性情報データベース93、属性情報取得部94、配置情報データベース95、駐車位置決定部96、および配置情報更新部97を備える。
【0037】
オークション出品中古車駐車位置管理装置9は、中古車オークションが行われる中古車オークション会場における出品中古車20の駐車位置を管理する。
【0038】
せり情報登録部91は、中古車オークションに出品する出品中古車20の情報をせり情報データベース92に登録する。登録する情報は、例えば、出品番号、車両情報、スタート価格、撮像画像、評価点、RFID型番号、および位置である。
【0039】
せり情報データベース92は、出品中古車20の車両情報、スタート価格、撮像画像、評価点、RFID型番号、および位置を、出品番号と対応付けて格納する。
【0040】
属性情報データベース93は、出品中古車20の属性を示す属性情報を格納する。属性情報は、人気度、車種、メーカー、またはせり成約率を含む。
【0041】
属性情報取得部94は、属性情報データベース93を参照し、出品中古車20の属性情報を取得する。
【0042】
配置情報データベース95は、属性情報と駐車位置を示す駐車位置情報とを対応付けて格納する。
【0043】
駐車位置決定部96は、属性情報データベース93に格納された属性情報と配置情報データベース95に格納された駐車位置情報に基づいて、中古車オークションに出品される出品中古車20の駐車位置を決定する。駐車位置決定部96は、属性情報に対応付けられた駐車位置情報に出品中古車20を駐車することが可能であれば、属性情報に対応付けられた駐車位置情報を駐車位置として決定する。駐車位置決定部96は、属性情報に対応付けられた駐車位置情報に出品中古車20を駐車することが不可能であれば、属性情報に対応付けられた駐車位置情報とは異なる駐車位置情報を駐車位置として決定する。
【0044】
配置情報更新部97は、配置情報データベース95に格納された属性情報と駐車位置情報との対応関係を更新する。例えば、属性情報に対応する駐車位置情報を変更する。
【0045】
これらの機能により、オークション出品中古車駐車位置管理装置9は、中古車オークションが行われる中古車オークション会場における出品中古車20の駐車位置を管理する。
【0046】
図4は、オークション出品中古車駐車位置管理処理の流れを示すフローチャートである。
図5は、せり情報データベース(DB)の例を示す図である。
図6は、属性情報データベース(DB)の例を示す図である。
図7は、せり機情報データベース(DB)の例を示す図である。
図8は、配置情報データベース(DB)の例を示す図である。
【0047】
図4のステップS401において、オークション出品中古車駐車位置管理装置9は、検査・撮影ヤード21で付与された出品番号を、車両情報、スタート価格、撮像画像、評価点、RFID型番号と対応付けて、出品データとしてせり情報データベース92(
図5)に登録する。例えば、検査・撮影ヤード21で付与された出品番号が「00001」の場合、出品番号「0001」を車両情報「N,4WD,S3532」、スタート価格「20万円(200(千円))」、撮像画像「00001.jpg」、評価点「19(点)」、RFID型番号「XXXXXXXXXX」と対応付けて登録する。車両情報は、メーカー、車種名、年式、色、走行距離等により特定される出品中古車20の情報である。スタート価格は、出品者である中古車買取業者が決定したせりを開始する際の価格である。撮像画像は、検査・撮影ヤード21でカメラ2により撮影された出品中古車20の前方、側方、後方等からの画像である。評価点は、検査・撮影ヤード21での検査時に行われた評価を点数化したものである。RFID型番号は、RFIDタグ31を特定する番号である。
【0048】
以下の説明では、「オークション出品中古車駐車位置管理装置9」を単に「管理装置9」と呼ぶことがある。
【0049】
ステップS402において、管理装置9は、ステップS401でせり情報データベース92に登録した車両情報をキーとして、
図6に示すような属性情報データベース93にアクセスし、車両情報に対応する人気点数を取得する。例えば、ステップS401でせり情報データベース92に登録した車両情報が「N,4WD,S3532」の場合、人気点数「69(点)」を取得する。人気点数は、例えば、型人気、メーカー人気、走行点、評価点、および流行点の各点数の合計値である。型人気は、大型乗用車、中型乗用車、軽乗用車等の違いにより付与される点数である。例えば、大型乗用車は10点、中型乗用車は20点、軽乗用車は20点が付与される。メーカー人気は、T社製、N社製、H社製等の違いにより付与される点数である。例えば、T社製は20点、N社製は10点、H社製は5点が付与される。走行点は、走行距離の違いにより付与される点数である。例えば、10000km以上は5点、10000km未満9000km以上は10点が付与される。評価点は、上述したように、検査・撮影ヤード21で行われた検査員による評価に基づいて付与される。流行点は、例えば、流行の度合いにより、15点、10点、5点等が付与される。
【0050】
ステップS403において、管理装置9は、
図7に示すようなせり機情報データベースにアクセスし、現在のせり機の「値幅」、「せり上げ間隔」、「決定時間」を取得する。
【0051】
ステップS404において、管理装置9は、ステップS402で取得した人気点数をキーにして、配置情報データベース95(
図8)にアクセスし、人気点数に対応する位置情報を取得する。位置情報は、出品中古車20を駐車させる駐車位置を示し、例えば、立体駐車場におけるエリア名である。立体駐車場が1乃至5階および屋上階で構成されており、各階が3つのエリアに分けられている場合には、
図8に示すように、「1F手前」「1F中央」・・・「RF奥」等のエリア名を位置情報として取得する。例えば、人気点数が「69(点)」の場合、管理装置9は、位置情報としてフロア名「5F手前」を取得する。
【0052】
ステップS405において、管理装置9は、ステップS404で取得した位置情報(フロア名)、および残配置数に基づいて、取得した位置情報に出品中古車20を駐車することが可能か否かを判断する。例えば、取得した位置情報(フロア名)に対応する残配置数が「0」であった場合は、その位置情報(フロア名)には駐車することが不可能であると判断する。
【0053】
ステップS405で駐車することが可能でない(不可能である)と判断された場合(ステップS405:NO)、ステップS406において、管理装置9は、ステップS404で取得した位置情報(フロア名)とは異なる位置情報(フロア名)に再設定し、ステップS403に戻る。例えば、人気点数が「69(点)」であるために、位置情報としてフロア名「5F手前」を取得した場合、人気点数レンジ(
図8参照)が1ランク下である「RF手前」に再設定し、ステップS403以降を実行する。なお、人気点数レンジの「X−Y」はY以上X未満を示す。ただし、「100−Y」の場合は、Y以上100以下を示す。
【0054】
他方、ステップS405で駐車することが可能であると判断された場合(ステップS405:YES)、その位置情報(フロア名)に出品中古車20を駐車させ、検査・撮影ヤード21で出品中古車20に貼付または搭載されたRFIDタグ31から発信される信号を受信し、出品中古車20(RFIDタグ31)の位置を取得する。そして、ステップS407において、管理装置9は、取得した位置をせり情報データベース92(
図5)に登録する。例えば、RFIDタグ31から発信される信号に基づいて算出された3次元表現による位置(X1,Y1,Z1)を登録する。また、出品中古車20を駐車させた位置情報(フロア名)に対応する、配置情報データベース95の現在配置数をインクリメントし、残配置数をデクリメントする。
【0055】
ステップS408において、管理装置9は、出品番号の値をインクリメント(+1)する。
【0056】
ステップS409において、管理装置9は、全ての出品中古車20についての登録が済んだか否かを判断する。
【0057】
全ての出品中古車20についての登録が済んでいないと判断された場合(ステップS409:NO)、ステップS401に戻り、次に出品中古車20についてステップS401以降の処理を実行する。
【0058】
他方、全ての出品中古車20についての登録が済んだと判断された場合(ステップS409:YES)、ステップS410において、管理装置9は、サブルーチン「駐車エリア最適化処理」を実行し、次回の中古車オークションの際に参照する属性情報データベース93を最適化した後に、オークション出品中古車駐車位置管理処理を終了する。
【0059】
図9は、サブルーチン「駐車エリア最適化処理」の流れを示すフローチャートである。
図10、
図11、
図12および
図13は、配置情報データベース(DB)の変遷を示す図である。
【0060】
中古車オークションにおける取引の成約率は、およそ3割である。すなわち、残りの7割の出品中古車20は次回の中古車オークションでも出品されることになる。そこで、次回の中古車オークションの際に参照する属性情報データベース93を最適化することが重要である。
【0061】
ステップS901において、管理装置9は、
図10に示すように、配置情報データベース95のレコードを人気点数レンジでソートする。
【0062】
図10から分かるように、各エリアに駐車可能な最大数を示す配置限界数に対して、現在配置数が少ないエリアがある。例えば、1F手前は500台配置(駐車)することができるが、現在400台しか配置しておらず、100台余裕がある。この場合、人気点数のレンジの幅を広げ、2F手前の車から100台を動かす方が効率的である。そこで、ステップS902において、管理装置9は、各フロアの中で出品中古車20を下位フロアへ詰めていった場合の配置数(次回せり時における配置の理想数)を算出する(より下階フロアへ車を寄せる場合についてシミュレーションする)。算出した結果は、
図11に示すように、「次回せり時における配置の理想数」に格納する。
【0063】
ステップS903において、管理装置9は、手前/中央/奥毎に集計をとり、突出しているフロア名の有無を求める。例えば、ステップS902で出品中古車20を下位フロアへ詰めていった場合、
図11に示すように、4F手前には100台が駐車している。しかしながら、同じ階の4F中央および4F奥には出品中古車20は配置していない。この場合、3階のフロアの配置限界数を効率化することで、4F手前の車を3F手前に配置することができるか否かをシミュレーションする。
【0064】
ステップS904において、管理装置9は、
図12に示すように、突出したフロアにおいて、何台空きがあれば下位フロアに配置できるかを算出する。例えば、3F手前の配置限界数を100台増やし、3F奥の配置限界数を100台減らすことでバランスが取れることを算出する。
【0065】
ステップS905において、管理装置9は、
図13に示すように、フロアを移動させた場合の出品中古車20の人気点数に応じて、人気点数レンジを更新する。例えば、元々2F手前にあった人気点数83点、84点の出品中古車20を1F手前へ移動した場合、1F手前の人気度レンジは100〜85から、100〜83になる。
【0066】
以上、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明してきたが、本発明が適用されるオークション出品中古車駐車位置管理装置は、前述の実施の形態に限定されない。例えば、出品中古車20の属性情報としての人気度を点数化した人気点数を用いて説明したが、他の属性情報、例えば、価格が高いか安いかの情報、人気車種であるか否かの情報、メーカーの違い、色の違い、車両のタイプ等の属性情報を用いても良い。
【0067】
前述してきた本発明の実施の形態は、オークション出品中古車駐車位置管理装置の一機能としてハードウェア又はDSP(Digital Signal Processor)ボードやCPUボードでのファームウェアもしくはソフトウェアにより実現することができる。
【0068】
また、本発明が適用されるオークション出品中古車駐車位置管理装置は、その機能が実行されるのであれば、前述の実施の形態に限定されることなく、単体の装置であっても、複数の装置からなるシステムあるいは統合装置であっても、LAN、WAN等のネットワークを介して処理が行なわれるシステムであってもよいことは言うまでもない。
【0069】
また、バスに接続されたCPU、ROMやRAMのメモリ、入力装置、出力装置、外部記録装置、媒体駆動装置、ネットワーク接続装置で構成されるシステムでも実現できる。すなわち、前述してきた実施の形態のシステムを実現するソフトウェアのプログラムを記録したROMやRAMのメモリ、外部記録装置、可搬記録媒体を、オークション出品中古車駐車位置管理装置に供給し、そのオークション出品中古車駐車位置管理装置のコンピュータがプログラムを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0070】
この場合、可搬記録媒体等から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した可搬記録媒体等は本発明を構成することになる。
【0071】
プログラムを供給するための可搬記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、DVD−RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROMカード、電子メールやパソコン通信等のネットワーク接続装置(言い換えれば、通信回線)を介して記録した種々の記録媒体などを用いることができる。
【0072】
また、コンピュータ(情報処理装置)がメモリ上に読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施の形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現される。
【0073】
さらに、可搬記録媒体から読み出されたプログラムやプログラム(データ)提供者から提供されたプログラム(データ)が、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現され得る。
【0074】
すなわち、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成又は形状を取ることができる。