(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シフト体に設けられ、前記規制体によって移動を規制されることで前記規制体が前記移動機構による前記シフト体の移動を一対の所定シフト位置において規制すると共に前記移動機構による前記シフト体の移動を当該一対の所定シフト位置間において許可する一対の規制部を備える請求項1〜請求項3の何れか1項記載のシフト装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1には、本発明の実施形態に係るシフト装置10が左斜め後方から見た斜視図にて示されており、
図2には、シフト装置10が左斜め後方から見た分解斜視図にて示されている。なお、図面では、シフト装置10の前方を矢印FRで示し、シフト装置10の右方を矢印RHで示し、シフト装置10の上方を矢印UPで示す。
【0020】
本実施形態に係るシフト装置10は、所謂バイワイヤ式のものにされている。シフト装置10は、車両(自動車)のコンソール(図示省略)に設置されて、車両の運転席(図示省略)の車両前側かつ車幅方向内側に配置されており、シフト装置10の前方、右方及び上方は、それぞれ車両の前方、右方及び上方に向けられている。
【0021】
図1及び
図2に示す如く、シフト装置10には、支持体12が設けられており、支持体12は、コンソール内に固定されている。
【0022】
支持体12には、第1支持部材としての略直方体形箱状のプレート14が設けられており、プレート14の上面及び下面は、開放されている。プレート14内には、略矩形板状の支持板14Aが設けられており、支持板14Aは、プレート14内を上側部分と下側部分とに区分けしている。支持体12には、プレート14の上側において、被覆部材としての略直方体形箱状のカバー16が設けられており、カバー16の下面は、開放されている。カバー16の外周は、プレート14の外周に嵌合されており、カバー16は、プレート14内の上側部分を被覆している。
【0023】
支持体12には、プレート14の下側において、第2支持部材としての略直方体形箱状のモータケース18が設けられており、モータケース18の上面は、開放されている。モータケース18の上側部分は、プレート14内の下側部分に嵌合されており、モータケース18の上側は、プレート14の支持板14Aによって被覆されている。支持体12には、モータケース18の下側において、収容部材としての略直方体形箱状のケース20が設けられており、ケース20の上面は、開放されている。ケース20内には、モータケース18の下側部分が嵌合されており、ケース20の外周は、プレート14の外周に嵌合されている。
【0024】
プレート14内には、支持板14Aの上側において、シフト体(操作体)としての略円柱状のノブ22が支持されており、ノブ22は、上下方向周りに回転(移動)可能にされている。ノブ22は、所定範囲で一方向(
図1等の矢印Aの方向)及び他方向(
図1等の矢印Bの方向)に回転可能にされており、ノブ22は、一方向側から他方向側に向けて、シフト位置(所定シフト位置及び特定シフト位置)としての「P」位置(パーキング位置)、シフト位置(所定シフト位置)としての「R」位置(リバース位置)、シフト位置としての「N」位置(ニュートラル位置)及びシフト位置(所定シフト位置)としての「D」位置(ドライブ位置)にこの順番で配置可能にされている。
【0025】
ノブ22の上側部分には、それぞれ操作部材を構成する略円柱状の第1ノブ22A及び略円筒状の第2ノブ22Bが同軸上に設けられており、第1ノブ22Aが第2ノブ22B内に嵌合されて、第1ノブ22A及び第2ノブ22Bが一体回転可能にされている。第1ノブ22A及び第2ノブ22Bは、支持体12のカバー16上壁及びコンソールを回転可能に貫通されて、車室内に突出されており、乗員によって、第1ノブ22A及び第2ノブ22Bが回転操作されて、ノブ22が回転操作される。
【0026】
ノブ22の下側部分には、シフト本体としての略円筒状のノブベース22Cが同軸上に設けられており、ノブベース22Cは、第1ノブ22A及び第2ノブ22Bと一体回転可能にされている。ノブベース22Cの下部内には、シフト検出手段としてのセンシングギア24が一対噛合されており(
図3の(A)〜(D)参照)、一対のセンシングギア24は、プレート14の支持板14Aに貫通された状態で支持されている。一対のセンシングギア24は、上下方向周りに回転可能にされており、ノブ22が回転されて、一対のセンシングギア24が回転される。一対のセンシングギア24の下端には、それぞれシフトマグネット24Aが一体回転可能に設けられると共に、支持体12のケース20内には、検出手段としてのプリント回路基板26が固定されており、プリント回路基板26が一対のセンシングギア24のシフトマグネット24Aの磁力を検出して、一対のセンシングギア24の回転位置が検出されることで、ノブ22の回転位置が検出されて、ノブ22のシフト位置が検出される。
【0027】
図3の(A)〜(D)及び
図4に示す如く、ノブベース22Cの下端の外周部には、前側部分において、通過孔28が形成されており、通過孔28は、ノブ22の周方向(回転周方向)に延伸されると共に、ノブ22の径方向(回転径方向)外側に開放されている。通過孔28の他方向側の面は、P規制面30Aにされており、通過孔28の一方向側の面は、規制部としてのD規制面30Bにされている。ノブベース22Cの下端の外周部には、通過孔28内のP規制面30A近傍において、略矩形柱状の規制柱28Aが形成されており、規制柱28Aは、下側に突出されている。規制柱28Aのノブ22径方向外側の面は、通過孔28のノブ22径方向中間の位置に配置されており、規制柱28Aのノブ22径方向内側の面は、通過孔28のノブ22径方向内側端の位置に配置されている。規制柱28Aの一方向側の面は、規制部としてのR規制面30Cにされており、規制柱28Aの他方向側の面は、Pロック面30Dにされている。通過孔28には、P規制面30AとPロック面30Dとの間において、Pロック孔28Bが形成されると共に、D規制面30BとR規制面30Cとの間において、規制孔28Cが形成されており、通過孔28には、規制柱28A、Pロック孔28B及び規制孔28Cのノブ22径方向外側において、解除孔28Dが形成されている。
【0028】
ノブベース22Cの下端の外周部には、第1被移動部としての第1被連行部(図示省略)及び第2被移動部としての第2被連行部(図示省略)が形成されており、第1被連行部及び第2被連行部は、下側に突出されている。
【0029】
図2及び
図3の(A)〜(D)に示す如く、ノブ22の下側かつ後側には、移動機構としての連行機構32が設けられている。
【0030】
連行機構32には、移動部材(連行部材)としての円環状のロータカム34が設けられており、ロータカム34は、プレート14の支持板14A上側に上下方向周りに回転可能に支持されている。ロータカム34は、ノブ22と同軸上に配置されており、ロータカム34の回転位置は、基準位置(スタート位置)に配置されている。
【0031】
ロータカム34には、第1移動部としての第1連行部(図示省略)及び第2移動部としての第2連行部(図示省略)が形成されており、第1連行部及び第2連行部は、上側に突出されている。第1連行部の一方向側には、ノブ22の第1被連行部が離間されて配置されており、第2連行部の他方向側には、ノブ22の第2被連行部が離間されて配置されている。このため、ノブ22が所定範囲(「P」位置〜「D」位置の範囲)で回転操作される際には、第1被連行部が第1連行部に干渉されないと共に、第2被連行部が第2連行部に干渉されない。
【0032】
ロータカム34の周方向一部には、検出柱36が形成されており、検出柱36は、ロータカム34と一体に回転可能にされている。検出柱36は、下方に突出されており、検出柱36は、プレート14の支持板14Aに回転可能に貫通されている。検出柱36の下端には、駆動マグネット36Aが固定されており、上記プリント回路基板26が駆動マグネット36Aの磁力を検出することで、検出柱36の回転位置が検出されて、ロータカム34の回転位置が検出される。
【0033】
連行機構32には、移動駆動機構としての連行モータ38が設けられており、連行モータ38は、モータケース18内の後側部分に固定されている。連行モータ38の出力軸には、移動出力ギアとしての連行ウォームギア40が同軸上に固定されており、連行ウォームギア40は、連行モータ38の出力軸と一体回転可能にされている。連行ウォームギア40には、移動接続ギアとしての連行ヘリカルギア42が噛合されており、連行ヘリカルギア42は、プレート14の支持板14Aに上下方向周りに回転可能に貫通されている。連行ヘリカルギア42の上側には、中間ギア44(平歯ギア)が同軸上に固定されており、中間ギア44は、連行ヘリカルギア42と一体回転可能にされている。中間ギア44は、ロータカム34の外周に噛合されており、連行モータ38が駆動されて、連行モータ38の出力軸が回転されることで、連行ウォームギア40、連行ヘリカルギア42及び中間ギア44が回転されて、ロータカム34が回転駆動される。
【0034】
ノブ22の下側かつ前側には、規制機構としてのロック機構46が設けられている。
【0035】
ロック機構46には、規制体としてのロック体48が設けられており、ロック体48は、プレート14の支持板14A上側に前後方向に移動可能に支持されている。ロック体48には、規制部材としての矩形柱状のロックバー48Aが設けられており、ロックバー48Aは、前後方向に延伸されている。ロックバー48Aは、後方に延出されており、ロックバー48Aは、ノブ22(ノブベース22C)の通過孔28に前側から挿入されている。ロック体48には、係合部としての略三角形板状の係合板48Bが設けられており、係合板48Bは、左方に延出されている。ロック体48の前側には、付勢部材としてのスプリング50(圧縮コイルスプリング)が設けられており、スプリング50は、ロック体48とプレート14の前壁との間に掛渡されて、ロック体48を後方に付勢している。ロック体48の下端には、ロックマグネット48Cが固定されており、上記プリント回路基板26がロックマグネット48Cの磁力を検出して、ロック体48の移動位置が検出される。
【0036】
ロック機構46には、規制駆動機構としてのロックモータ52が設けられており、ロックモータ52は、モータケース18内の前側部分に固定されている。ロックモータ52の出力軸には、規制出力ギアとしてのロックウォームギア54が同軸上に固定されており、ロックウォームギア54は、ロックモータ52の出力軸と一体回転可能にされている。ロックウォームギア54には、規制接続ギアとしてのロックヘリカルギア56が噛合されており、ロックヘリカルギア56は、プレート14の支持板14Aに上下方向周りに回転可能に貫通されている。ロックヘリカルギア56の上側には、作動部材としてのカム58が同軸上に固定されており、ロックモータ52が駆動されて、ロックモータ52の出力軸が回転されることで、ロックウォームギア54及びロックヘリカルギア56が回転されて、カム58がロックヘリカルギア56と一体に解除方向(
図2等の矢印Cの方向)及び規制方向(
図2等の矢印Dの方向)に回転可能にされている。
【0037】
カム58の外周には、カム面58Aが形成されており、カム面58Aは、解除方向へ向かうに従いカム58の中心軸線(回転中心軸線)から徐々に離間されている。カム面58Aには、前側からロック体48の係合板48Bがスプリング50の付勢力により係合されており、カム58が解除方向に回転される際には、ロック体48がスプリング50の付勢力に抗して前側に移動されると共に、カム58が規制方向に回転される際には、ロック体48がスプリング50の付勢力により後側に移動される。このため、ロック体48が前側の解除位置と後側の規制位置とに配置可能にされており、ロック体48が解除位置に配置される際には、ロック体48のロックバー48Aがノブ22(ノブベース22C)の解除孔28Dまで挿入される(
図3(B)参照)と共に、ロック体48が規制位置に配置される際には、ロック体48のロックバー48Aがノブ22(ノブベース22C)のPロック孔28B又は規制孔28Cまで挿入される(
図3の(A)、(C)及び(D)参照)。
【0038】
上記プリント回路基板26、連行モータ38及びロックモータ52は、車両の制御装置60に電気的に接続されている。制御装置60には、解除手段としての車両のブレーキ62が電気的に接続されており、乗員によりブレーキ62が操作されることで、車両が制動される。また、制御装置60の制御により、車両が自動駐車可能にされている。
【0040】
以上の構成のシフト装置10では、ノブ22が「P」位置に配置された際(ノブ22が「P」位置に配置されたことをプリント回路基板26が検出した際)に、ブレーキ62が操作されない場合には、ロック機構46において、制御装置60の制御により、ロックモータ52が正駆動されて、カム58が規制方向に回転されることで、ロック体48が後側に移動される。ロック体48が規制位置に移動された際(ロック体48が規制位置に移動されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、ロックモータ52の正駆動が停止されて、ロック体48が規制位置に配置されることで、ロック体48のロックバー48Aがノブ22のPロック孔28Bまで挿入される(
図3(A)及び
図4参照)。このため、ロックバー48Aがノブ22のP規制面30Aの一方向への回転を規制して、ノブ22の「P」位置から一方向への回転が規制されると共に、ロックバー48Aがノブ22のPロック面30Dの他方向への回転を規制して、ノブ22の「P」位置から他方向(「R」位置側)への回転が規制される。
【0041】
一方、ノブ22が「P」位置に配置された際(ノブ22が「P」位置に配置されたことをプリント回路基板26が検出した際)に、ブレーキ62が操作された場合には、ロック機構46において、制御装置60の制御により、ロックモータ52が逆駆動されて、カム58が解除方向に回転されることで、ロック体48が前側に移動される。ロック体48が解除位置に移動された際(ロック体48が解除位置に移動されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、ロックモータ52の逆駆動が停止されて、ロック体48が解除位置に配置されることで、ロック体48のロックバー48Aがノブ22の解除孔28Dまで挿入される(
図3(B)及び
図4参照)。このため、ロックバー48Aがノブ22のP規制面30Aの一方向への回転を規制して、ノブ22の「P」位置から一方向への回転が規制されると共に、ロックバー48Aがノブ22のPロック面30Dの他方向への回転を許可して、ノブ22の「P」位置から他方向(「R」位置側)への回転が許可される。
【0042】
ノブ22が「R」位置、「N」位置又は「D」位置に配置された際(ノブ22が「R」位置、「N」位置又は「D」位置に配置されたことをプリント回路基板26が検出した際)に、ブレーキ62が操作されない場合には、ロック機構46において、制御装置60の制御により、ロックモータ52が正駆動されて、カム58が規制方向に回転されることで、ロック体48が後側に移動される。ロック体48が規制位置に移動された際(ロック体48が規制位置に移動されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、ロックモータ52の正駆動が停止されて、ロック体48が規制位置に配置されることで、ロック体48のロックバー48Aがノブ22の規制孔28Cまで挿入される(
図3の(C)及び(D)、
図4参照)。このため、ロックバー48Aがノブ22のR規制面30Cの一方向への回転を規制して、ノブ22の「R」位置から一方向(「P」位置側)への回転が規制されると共に、ロックバー48Aがノブ22のD規制面30Bの他方向への回転を規制して、ノブ22の「D」位置から他方向への回転が規制される。
【0043】
一方、ノブ22が「R」位置、「N」位置又は「D」位置に配置された際(ノブ22が「R」位置、「N」位置又は「D」位置に配置されたことをプリント回路基板26が検出した際)に、ブレーキ62が操作された場合には、ロック機構46において、制御装置60の制御により、ロックモータ52が逆駆動されて、カム58が解除方向に回転されることで、ロック体48が前側に移動される。ロック体48が解除位置に移動された際(ロック体48が解除位置に移動されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、ロックモータ52の逆駆動が停止されて、ロック体48が解除位置に配置されることで、ロック体48のロックバー48Aがノブ22の解除孔28Dまで挿入される(
図4参照)。このため、ロックバー48Aがノブ22のR規制面30Cの一方向への回転を許可して、ノブ22の「R」位置から一方向(「P」位置側)への回転が許可されると共に、ロックバー48Aがノブ22のD規制面30Bの他方向への回転を規制して、ノブ22の「D」位置から他方向への回転が規制される。
【0044】
また、例えばノブ22が「P」位置に配置されて(ノブ22が「P」位置に配置されたことをプリント回路基板26が検出して)、車両が停車された状態で、乗員によって制御装置60が操作されて、制御装置60の制御による車両の自動駐車が開始される。車両の自動駐車では、例えば、ノブ22が「P」位置から「D」位置に配置されて(ノブ22が「D」位置に配置されたことをプリント回路基板26が検出して)、車両が前進された後に、ノブ22が「D」位置から「R」位置に配置されて(ノブ22が「R」位置に配置されたことをプリント回路基板26が検出して)、車両が後進される。次に、ノブ22が「R」位置から「D」位置に配置されて(ノブ22が「D」位置に配置されたことをプリント回路基板26が検出して)、車両が前進された後に、ノブ22が「D」位置から「P」位置に配置されて(ノブ22が「P」位置に配置されたことをプリント回路基板26が検出して)、車両が停車(駐車)されることで、車両の自動駐車が終了される。
【0045】
車両の自動駐車において、ノブ22が「P」位置から「D」位置に向けて回転される前には、ロック機構46において、制御装置60の制御により、ロックモータ52が逆駆動されて、カム58が解除方向に回転されることで、ロック体48が前側に移動される。ロック体48が解除位置に移動された際(ロック体48が解除位置に移動されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、ロックモータ52の逆駆動が停止されて、ロック体48が解除位置に配置されることで、ロック体48のロックバー48Aがノブ22の解除孔28Dまで挿入される(
図3(B)及び
図4参照)。このため、ロックバー48Aがノブ22のPロック面30Dの他方向への回転を許可して、ノブ22の「P」位置から他方向(「R」位置側)への回転が許可される。
【0046】
ノブ22が「P」位置から「D」位置に配置される際には、連行機構32において、制御装置60の制御により、連行モータ38が逆駆動されて、ロータカム34が基準位置から他方向に回転されることで、ロータカム34の第2連行部がノブ22の第2被連行部を他方向に連行して(移動させて)、ノブ22が他方向に回転される。ノブ22が「D」位置に回転された際(ノブ22が「D」位置に回転されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、連行モータ38の逆駆動が停止されて、ノブ22が「D」位置に配置される(
図4参照)。
【0047】
ノブ22が「D」位置に配置された際(ノブ22が「D」位置に配置されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、ロック機構46において、制御装置60の制御により、ロックモータ52が正駆動されて、カム58が規制方向に回転されることで、ロック体48が後側に移動される。ロック体48が規制位置に移動された際(ロック体48が規制位置に移動されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、ロックモータ52の正駆動が停止されて、ロック体48が規制位置に配置されることで、ロック体48のロックバー48Aがノブ22の規制孔28Cまで挿入される(
図3(D)及び
図4参照)。このため、次に、ノブ22が「D」位置から「R」位置に配置される際には、ロックバー48Aがノブ22のR規制面30Cの一方向への回転を規制して、ノブ22の「R」位置から一方向(「P」位置側)への回転が規制される。
【0048】
ノブ22が「D」位置から「R」位置に配置される際には、連行機構32において、制御装置60の制御により、連行モータ38が正駆動されて、ロータカム34が一方向に回転されることで、ロータカム34の第1連行部がノブ22の第1被連行部を一方向に連行して、ノブ22が一方向に回転される。ノブ22が「R」位置に回転された際(ノブ22が「R」位置に回転されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、連行モータ38の正駆動が停止されて、ノブ22が「R」位置に配置される(
図3(C)及び
図4参照)。
【0049】
ノブ22が「R」位置から「D」位置に配置される際には、連行機構32において、制御装置60の制御により、連行モータ38が逆駆動されて、ロータカム34が他方向に回転されることで、ロータカム34の第2連行部がノブ22の第2被連行部を他方向に連行して、ノブ22が他方向に回転される。ノブ22が「D」位置に回転された際(ノブ22が「D」位置に配置されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、連行モータ38の逆駆動が停止されて、ノブ22が「D」位置に配置される(
図3(D)参照)。
【0050】
ノブ22が「D」位置から「P」位置に向けて回転される前には、ロック機構46において、制御装置60の制御により、ロックモータ52が逆駆動されて、カム58が解除方向に回転されることで、ロック体48が前側に移動される。ロック体48が解除位置に移動された際(ロック体48が解除位置に移動されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、ロックモータ52の逆駆動が停止されて、ロック体48が解除位置に配置されることで、ロック体48のロックバー48Aがノブ22の解除孔28Dまで挿入される(
図4参照)。このため、ロックバー48Aがノブ22のR規制面30Cの一方向への回転を許可して、ノブ22の「R」位置から一方向(「P」位置側)への回転が許可される。
【0051】
ノブ22が「D」位置から「P」位置に配置される際には、連行機構32において、制御装置60の制御により、連行モータ38が正駆動されて、ロータカム34が一方向に回転されることで、ロータカム34の第1連行部がノブ22の第1被連行部を一方向に連行して、ノブ22が一方向に回転され、ノブ22が「P」位置に回転(復帰)される(
図3(B)及び
図4参照)。
【0052】
ノブ22が「P」位置に配置された際(ノブ22が「P」位置に配置されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、連行機構32において、制御装置60の制御により、連行モータ38が逆駆動されて、ロータカム34が他方向に回転される。ロータカム34が基準位置に回転された際(ロータカム34が基準位置に回転されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、連行モータ38の逆駆動が停止されて、ロータカム34が基準位置に配置(復帰)される。
【0053】
さらに、ノブ22が「P」位置に配置された際(ノブ22が「P」位置に配置されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、ロック機構46において、ロックモータ52が正駆動されて、カム58が規制方向に回転されることで、ロック体48が後側に移動される。ロック体48が規制位置に移動された際(ロック体48が規制位置に移動されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、ロックモータ52の正駆動が停止されて、ロック体48が規制位置に配置されることで、ロック体48のロックバー48Aがノブ22のPロック孔28Bまで挿入される(
図3(A)及び
図4参照)。このため、ロックバー48Aがノブ22のPロック面30Dの他方向への回転を規制して、ノブ22の「P」位置から他方向(「R」位置側)への回転が規制される。
【0054】
ここで、ロータカム34によりノブ22が「P」位置から「D」位置に回転される際及びロータカム34によりノブ22が「R」位置から「D」位置に回転される際には、ロック体48のロックバー48Aがロータカム34によるノブ22のD規制面30Bの他方向への回転を規制して、ロータカム34によるノブ22の他方向への回転が「D」位置において規制される。このため、ロータカム34に慣性が作用した場合でも、ロータカム34によるノブ22の他方向への回転を「D」位置において停止できる。
【0055】
さらに、ロータカム34によりノブ22が「D」位置から「R」位置に回転される際には、ロック体48のロックバー48Aがロータカム34によるノブ22のR規制面30Cの一方向への回転を規制して、ロータカム34によるノブ22の一方向への回転が「R」位置において規制される。このため、ロータカム34に慣性が作用した場合でも、ロータカム34によるノブ22の一方向への回転を「R」位置において停止できる。
【0056】
しかも、ロータカム34によりノブ22が「D」位置から「P」位置に回転される際には、ロック体48のロックバー48Aがロータカム34によるノブ22のP規制面30Aの一方向への回転を規制して、ロータカム34によるノブ22の一方向への回転が「P」位置において規制される。このため、ロータカム34に慣性が作用した場合でも、ロータカム34によるノブ22の一方向への回転を「P」位置において停止できる。
【0057】
また、ロータカム34によりノブ22が「N」位置から「D」位置及び「R」位置に回転される際には、ロック体48の規制位置への配置が維持される。このため、ロータカム34によりノブ22が「N」位置から「D」位置及び「R」位置に回転される際に、ロック体48を解除位置に移動させなくても、ロック体48のロックバー48Aがロータカム34によるノブ22の回転をそれぞれ「R」位置及び「D」位置において規制できる。
【0058】
しかも、ロータカム34によりノブ22が「D」位置と「R」位置との間を回転される際には、ロック体48の規制位置への配置が維持される。このため、ロータカム34によりノブ22が「D」位置と「R」位置との間を回転される際に、ロック体48を解除位置に移動させなくても、ロック体48のロックバー48Aがロータカム34によるノブ22の回転を「R」位置と「D」位置とにおいて規制できる。
【0059】
さらに、ロータカム34によりノブ22が「D」位置と「R」位置との間を回転される際には、ノブ22のR規制面30C及びD規制面30Bがロックバー48Aによって回転を規制されることで、ロックバー48Aが、ロータカム34によるノブ22の回転を「D」位置と「R」位置とにおいて規制すると共に、ロータカム34によるノブ22の回転を「D」位置と「R」位置との間において許可する。このため、ロータカム34によりノブ22が「D」位置と「R」位置との間を回転される際に、ノブ22の回転を「D」位置と「R」位置とにおいて停止できる。
【0060】
また、ロータカム34によりノブ22が「D」位置から「R」位置に回転される際には、ロータカム34によるノブ22の回転がノブ22の回転方向中間の「R」位置において規制される。このため、ロータカム34によるノブ22の回転をノブ22の回転方向中間の「R」位置において停止できる。
【0061】
(変形例)
図4に一転鎖線で示す如く、本変形例では、ノブ22におけるノブベース22Cの下端の外周部に、通過孔28内のD規制面30Bと規制柱28Aとの間において、ロック柱28Eが形成されており、ロック柱28Eは、下側に突出されている。ロック柱28Eのノブ22径方向外側の面は、規制柱28Aのノブ22径方向中間の位置に配置されており、ロック柱28Eのノブ22径方向内側の面は、通過孔28のノブ22径方向内側端の位置に配置されている。ロック柱28Eの一方向側の面は、Dロック面30Eにされており、規制柱28Aの他方向側の面は、Rロック面30Fにされている。通過孔28には、D規制面30BとDロック面30Eとの間において、Dロック孔28Fが形成されると共に、R規制面30CとRロック面30Fとの間において、Rロック孔28Gが形成されており、規制孔28Cは、ロック柱28E、Dロック孔28F及びRロック孔28Gのノブ22径方向外側に形成されている。
【0062】
ロック機構46では、ロック体48のロックバー48Aが後方に延長されており、ロック体48は、解除位置及び規制位置の他に、規制位置より後側の追加規制位置としてのロック位置に配置されて、ロックバー48Aがノブ22(ノブベース22C)のDロック孔28F及びRロック孔28Gまで挿入可能にされている。
【0063】
車両の自動駐車において、ノブ22が「P」位置又は「R」位置から「D」位置に配置された際(ノブ22が「D」位置に配置されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、ロック機構46において、制御装置60の制御により、ロックモータ52が正駆動されて、カム58が規制方向に回転されることで、ロック体48が後側に移動される。ロック体48がロック位置に移動された際(ロック体48がロック位置に移動されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、ロックモータ52の正駆動が停止されて、ロック体48がロック位置に配置されることで、ロック体48のロックバー48Aがノブ22のDロック孔28Fまで挿入される。このため、ロックバー48Aがノブ22のDロック面30Eの一方向への回転を規制して、ノブ22の「D」位置から一方向(「N」位置側)への回転が規制される。
【0064】
ノブ22が「D」位置から「R」位置に向けて回転される前には、ロック機構46において、制御装置60の制御により、ロックモータ52が逆駆動されて、カム58が解除方向に回転されることで、ロック体48が前側に移動される。ロック体48が規制位置に移動された際(ロック体48が規制位置に移動されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、ロックモータ52の逆駆動が停止されて、ロック体48が規制位置に配置されることで、ロック体48のロックバー48Aがノブ22の規制孔28Cまで挿入される。このため、ロックバー48Aがノブ22のDロック面30Eの一方向への回転を許可して、ノブ22の「D」位置から一方向(「N」位置側)への回転が許可される。
【0065】
ノブ22が「D」位置から「R」位置に配置された際(ノブ22が「R」位置に配置されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、ロック機構46において、制御装置60の制御により、ロックモータ52が正駆動されて、カム58が規制方向に回転されることで、ロック体48が後側に移動される。ロック体48がロック位置に移動された際(ロック体48がロック位置に移動されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、ロックモータ52の正駆動が停止されて、ロック体48がロック位置に配置されることで、ロック体48のロックバー48Aがノブ22のRロック孔28Gまで挿入される。このため、ロックバー48Aがノブ22のRロック面30Fの他方向への回転を規制して、ノブ22の「R」位置から他方向(「N」位置側)への回転が規制される。
【0066】
ノブ22が「R」位置から「D」位置に向けて回転される前には、ロック機構46において、制御装置60の制御により、ロックモータ52が逆駆動されて、カム58が解除方向に回転されることで、ロック体48が前側に移動される。ロック体48が規制位置に移動された際(ロック体48が規制位置に移動されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、ロックモータ52の逆駆動が停止されて、ロック体48が規制位置に配置されることで、ロック体48のロックバー48Aがノブ22の規制孔28Cまで挿入される。このため、ロックバー48Aがノブ22のRロック面30Fの他方向への回転を許可して、ノブ22の「R」位置から他方向(「N」位置側)への回転が許可される。
【0067】
ノブ22が「D」位置から「P」位置に向けて回転される前には、ロック機構46において、制御装置60の制御により、ロックモータ52が逆駆動されて、カム58が解除方向に回転されることで、ロック体48が前側に移動される。ロック体48が解除位置に移動された際(ロック体48が解除位置に移動されたことをプリント回路基板26が検出した際)には、制御装置60の制御により、ロックモータ52の逆駆動が停止されて、ロック体48が解除位置に配置されることで、ロック体48のロックバー48Aがノブ22の解除孔28Dまで挿入される。このため、ロックバー48Aがノブ22のDロック面30Eの一方向への回転を許可して、ノブ22の「D」位置から一方向(「N」位置側)への回転が許可されると共に、ロックバー48Aがノブ22のR規制面30Cの一方向への回転を許可して、ノブ22の「R」位置から一方向(「P」位置側)への回転が許可される。
【0068】
ここで、本変形例でも、ロータカム34によりノブ22が「D」位置と「R」位置との間を回転される際にロック体48の規制位置への配置が維持されることによる作用及び効果を除き、上記実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0069】
さらに、ロータカム34によりノブ22が「D」位置に配置された際には、ロック体48のロックバー48Aがノブ22のDロック面30E及びD規制面30Bの回転を規制して、ノブ22の「D」位置から一方向及び他方向への回転が規制される。しかも、ロータカム34によりノブ22が「R」位置に配置された際には、ロック体48のロックバー48Aがノブ22のRロック面30F及びR規制面30Cの回転を規制して、ノブ22の「R」位置から一方向及び他方向への回転が規制される。このため、ロータカム34によりノブ22が「D」位置及び「R」位置(車両が進行するシフト位置)に配置された際に、ノブ22がそれぞれ「D」位置及び「R」位置から不要に回転操作されることを規制できる。
【0070】
なお、上記実施形態(変形例を含む)では、ノブ22が一方向及び他方向に回転操作される。しかしながら、ノブ22に径方向に延出させて操作部を一体回転可能に設けることで、操作部が回動操作されて、ノブ22が一方向及び他方向に回転されてもよい。
【0071】
さらに、上記実施形態(変形例を含む)では、車両の自動駐車時に連行機構32がノブ22を一方向及び他方向に回転させる。しかしながら、車両の自動運転時(自動走行時)に連行機構32がノブ22を一方向及び他方向に回転させてもよい。
【0072】
また、上記実施形態(変形例を含む)では、シフト装置10をコンソールに設置した。しかしながら、シフト装置10をインストルメントパネルやコラムカバーに設置してもよい。