特許第6795489号(P6795489)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6795489
(24)【登録日】2020年11月16日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】端末装置、基地局装置、および通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20201119BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20201119BHJP
   H04W 28/06 20090101ALI20201119BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20201119BHJP
【FI】
   H04W56/00 130
   H04W16/28
   H04W28/06 110
   H04W72/04 132
   H04W72/04 136
【請求項の数】10
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-506487(P2017-506487)
(86)(22)【出願日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】JP2016057504
(87)【国際公開番号】WO2016147994
(87)【国際公開日】20160922
【審査請求日】2019年3月7日
(31)【優先権主張番号】特願2015-50195(P2015-50195)
(32)【優先日】2015年3月13日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(74)【代理人】
【識別番号】100131473
【弁理士】
【氏名又は名称】覚田 功二
(72)【発明者】
【氏名】山田 良太
(72)【発明者】
【氏名】示沢 寿之
(72)【発明者】
【氏名】留場 宏道
(72)【発明者】
【氏名】加藤 勝也
(72)【発明者】
【氏名】草島 直紀
【審査官】 横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−199997(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/016221(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/024852(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0287882(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフレーム構造による第1のOFDMシンボル及び第2のフレーム構造による第2のOFDMシンボルいずれかを選択的に受信し、複数の第1信号と、前記複数の第1信号の配置に関する第1情報と、を受信する受信部と、
前記複数の第1信号のうちの1つに対応づけられた第1識別子を送信する送信部と、を備え、
前記複数の第1信号の各々は同期信号を含み、
前記第1のフレーム構造に含まれる第1のサブフレームは、前記第1のOFDMシンボルを備え、前記第1のOFDMシンボルのサブキャリア間隔は、15kHzであり、
前記第2のフレーム構造に含まれる第2のサブフレームは、前記第2のOFDMシンボルを備え、前記第2のOFDMシンボルのサブキャリア間隔は、15kHzの所定数倍であり、前記所定数は自然数であり、
前記第1のサブフレームの長さは1msであり、
前記所定数が2以上の場合、前記第2のサブフレームは、前記所定数ごとに1個のグループとして形成され、前記1個のグループの長さは1msである
端末装置。
【請求項2】
前記第1情報は、前記第1識別子および第2識別子を示し、
前記第2識別子は、前記複数の第1信号のうちの1つとは異なる他の第1信号に対応付けられており、
前記第1識別子は、前記複数の第1信号のうちの1つが配置される位置と基準位置との差に対応づけられている
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記受信部は、チャネル状態情報参照信号の設定に関する第2情報を受信し、
前記第2情報は、チャネル状態情報参照信号インデックスと、前記第1識別子および前記第2識別子のうちの1つと、を含み、
前記送信部は、参照信号受信電力又は参照信号受信品質を含む測定結果を送信し、
前記参照信号受信電力および前記参照信号受信品質は、前記第2情報に基づく
請求項に記載の端末装置。
【請求項4】
前記複数の第1信号のうちの1つは、第1のプリコーディングまたは第1のビームフォーミングパターンで送信され、
前記他の第1信号は、第2のプリコーディングまたは第2のビームフォーミングパターンで送信され、
前記第1のプリコーディングは、前記第2のプリコーディングと異なり、
前記第1のビームフォーミングパターンは、前記第2のビームフォーミングパターンと異なる
請求項2に記載の端末装置。
【請求項5】
第1のフレーム構造による第1のOFDMシンボル及び第2のフレーム構造による第2のOFDMシンボルのいずれかを選択的に送信し、複数の第1信号と、前記複数の第1信号の配置に関する第1情報と、を送信する送信部と、
前記複数の第1信号のうちの1つに対応づけられた第1識別子を受信する受信部と
を備え、
前記複数の第1信号の各々は同期信号を含み、
前記第1のフレーム構造に含まれる第1のサブフレームは、前記第1のOFDMシンボルを備え、前記第1のOFDMシンボルのサブキャリア間隔は、15kHzであり、
前記第2のフレーム構造に含まれる第2のサブフレームは、前記第2のOFDMシンボルを備え、前記第2のOFDMシンボルのサブキャリア間隔は、15kHzの所定数倍であり、前記所定数は自然数であり、
前記第1のサブフレームの長さは1msであり、
前記所定数が2以上の場合、前記第2のサブフレームは、前記所定数ごとに1個のグループとして形成され、前記1個のグループの長さは1msである
基地局装置。
【請求項6】
前記第1情報は、前記第1識別子および第2識別子を示し、
前記第2識別子は、前記複数の第1信号のうちの1つとは異なる他の第1信号に対応付けられており、
前記第1識別子は、前記複数の第1信号のうちの1つが配置される位置と基準位置との差に対応づけられている
請求項5に記載の基地局装置。
【請求項7】
前記送信部は、チャネル状態情報参照信号の設定に関する第2情報を送信し、
前記第2情報は、チャネル状態情報参照信号インデックスと、前記第1識別子および前記第2識別子のうちの1つと、を含み、
前記受信部は、参照信号受信電力又は参照信号受信品質を含む測定結果を受信し、
前記参照信号受信電力および前記参照信号受信品質は、前記第2情報に基づく
請求項に記載の基地局装置。
【請求項8】
前記送信部は、前記複数の第1信号のうちの1つを第1のプリコーディングまたは第1のビームフォーミングパターンで送信し、
前記送信部は、前記他の第1信号を第2のプリコーディングまたは第2のビームフォーミングパターンで送信し、
前記第1のプリコーディングは、前記第2のプリコーディングと異なり、
前記第1のビームフォーミングパターンは、前記第2のビームフォーミングパターンと異なる
請求項6に記載の基地局装置。
【請求項9】
基地局装置と通信する端末装置に用いられる通信方法であって、
第1のフレーム構造による第1のOFDMシンボル及び第2のフレーム構造による第2のOFDMシンボルのいずれかを選択的に受信するステップと、
複数の第1信号と、前記複数の第1信号の配置に関する第1情報と、を受信するステップと、
前記複数の第1信号のうちの1つに対応づけられた第1識別子を送信するステップと、を有し、
前記複数の第1信号の各々は同期信号を含み、
前記第1のフレーム構造に含まれる第1のサブフレームは、前記第1のOFDMシンボルを備え、前記第1のOFDMシンボルのサブキャリア間隔は、15kHzであり、
前記第2のフレーム構造に含まれる第2のサブフレームは、前記第2のOFDMシンボルを備え、前記第2のOFDMシンボルのサブキャリア間隔は、15kHzの所定数倍であり、前記所定数は自然数であり、
前記第1のサブフレームの長さは1msであり、
前記所定数が2以上の場合、前記第2のサブフレームは、前記所定数ごとに1個のグループとして形成され、前記1個のグループの長さは1msである
通信方法。
【請求項10】
端末装置と通信する基地局装置に用いられる通信方法であって、
第1のフレーム構造による第1のOFDMシンボル及び第2のフレーム構造による第2のOFDMシンボルのいずれかを選択的に送信するステップと、
複数の第1信号と、前記複数の第1信号の配置に関する第1情報と、を送信するステップと、
前記複数の第1信号のうちの1つに対応づけられた第1識別子を受信するステップと、を有し、
前記複数の第1信号の各々は同期信号を含み、
前記第1のフレーム構造に含まれる第1のサブフレームは、前記第1のOFDMシンボルを備え、前記第1のOFDMシンボルのサブキャリア間隔は、15kHzであり、
前記第2のフレーム構造に含まれる第2のサブフレームは、前記第2のOFDMシンボルを備え、前記第2のOFDMシンボルのサブキャリア間隔は、15kHzの所定数倍であり、前記所定数は自然数であり、
前記第1のサブフレームの長さは1msであり、
前記所定数が2以上の場合、前記第2のサブフレームは、前記所定数ごとに1個のグループとして形成され、前記1個のグループの長さは1msである
通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、基地局装置、および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン、タブレット端末等の急速な普及に伴い、今後トラフィックの急増が課題となっている。このような課題に対して、3GPP(Third Generation Partnership Project)によるLTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)のような通信システム(例えば、非特許文献1)の後継システム、もしくは、新しい無線通信システムとして、第5世代移動通信システムの検討が進められている。第5世代移動通信システムについては、例えば非特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS 36.211 v12.3.0,“Physical channels and modulation”,2014年9月。
【非特許文献2】ARIB 2020 and Beyond Ad Hoc Group、White Paper、“Mobile Communications Systems for 2020 and beyond”,2014年10月。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、第5世代移動通信システムでは、より広い帯域を用いて高速伝送を実現するために、LTE、LTE−Aと比較して、高い搬送周波数を用いて通信することが検討されている。しかしながら、非特許文献1に記載のLTE、LTE−Aでは、高い搬送周波数で通信する場合に、十分に性能を発揮することができない可能性がある。
【0005】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、高い搬送周波数で通信する場合であっても、効率良く通信が可能な端末装置および通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明に係る端末装置および通信方法の構成は、次の通りである。
【0007】
本発明に係る端末装置は、プライマリセルからアシスト情報、セカンダリセルから複数の同期信号を受信し、前記アシスト情報および前記同期信号に基づいて同期を取る受信部と、前記複数の同期信号のうち、少なくとも1つの同期信号に関する測定情報を送信する送信部と、を備える。
【0008】
また、本発明の端末装置において、前記アシスト情報は前記複数の同期信号の各々に対する情報が含まれる。
【0009】
また、本発明の端末装置において、前記アシスト情報には前記複数の同期信号の各々のIDが含まれており、前記同期信号に関する測定情報として前記IDを送信する。
【0010】
また、本発明の端末装置において、前記アシスト情報には、測定用参照信号に関する情報が含まれており、前記同期信号に関する測定情報として、前記CSI−RSで測定した受信電力を含めて送信する。
【0011】
また、本発明の通信方法は、端末装置における通信方法であって、プライマリセルからアシスト情報、セカンダリセルから複数の同期信号を受信し、前記アシスト情報および前記同期信号に基づいて同期を取る受信ステップと、前記複数の同期信号のうち、少なくとも1つの同期信号に関する測定情報を送信する送信ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、高い搬送周波数における通信をした場合であっても、効率良い通信が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る通信システムの例を示す図である。
図2】本実施形態に係るトレーニング信号の構成例を示す図である。
図3】本実施形態に係る基地局装置の構成例を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態における通信システムは、基地局装置(送信装置、セル、送信点、送信アンテナ群、送信アンテナポート群、コンポーネントキャリア、eNodeB)および端末装置(端末、移動端末、受信点、受信端末、受信装置、受信アンテナ群、受信アンテナポート群、UE)を備える。
【0015】
本実施形態において、“X/Y”は、“XまたはY”の意味を含む。本実施形態において、“X/Y”は、“XおよびY”の意味を含む。本実施形態において、“X/Y”は、“Xおよび/またはY”の意味を含む。
【0016】
図1は、本実施形態に係る通信システムの例を示す図である。図1に示すように、本実施形態における通信システムは、基地局装置1A、1B、端末装置2Aを備える。また、カバレッジ1−1は、基地局装置1Aが端末装置と接続可能な範囲(通信エリア)である。またカバレッジ1−2は、基地局装置1Bが端末装置と接続可能な範囲(通信エリア)である。端末装置2Aは、基地局装置1Aおよび/または1Bと接続可能である。
【0017】
図1において、端末装置2Aから基地局装置1Aへの上りリンクの無線通信では、以下の上りリンク物理チャネルが用いられる。上りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・PUCCH(Physical Uplink Control Channel)
・PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)
・PRACH(Physical Random Access Channel)
【0018】
PUCCHは、上りリンク制御情報(Uplink Control Information: UCI)を送信するために用いられる。ここで、上りリンク制御情報は、下りリンクデータ(下りリンクトランスポートブロック、Downlink-Shared Channel: DL-SCH)に対するACK(a positive acknowledgement)またはNACK(a negative acknowledgement)(ACK/NACK)を含む。下りリンクデータに対するACK/NACKを、HARQ−ACK、HARQフィードバックとも称する。
【0019】
また、上りリンク制御情報は、下りリンクに対するチャネル状態情報(Channel State Information: CSI)を含む。また、上りリンク制御情報は、上りリンク共用チャネル(Uplink-Shared Channel: UL-SCH)のリソースを要求するために用いられるスケジューリング要求(Scheduling Request: SR)を含む。前記チャネル状態情報は、好適な空間多重数を指定するランク指標RI、好適なプレコーダを指定するプレコーディング行列指標PMI、好適な伝送レートを指定するチャネル品質指標CQIなどが該当する。
【0020】
前記チャネル品質指標CQIは(以下、CQI値)、所定の帯域における好適な変調方式(例えば、QPSK、16QAM、64QAM、256QAMなど)、符号化率(code rate)とすることができる。CQI値は、前記変更方式や符号化率により定められたインデックス(CQI Index)とすることができる。前記CQI値は、予め当該システムで定めたものをすることができる。
【0021】
なお、前記ランク指標、前記プレコーディング品質指標は、予めシステムで定めたものとすることができる。前記ランク指標や前記プレコーディング行列指標は、空間多重数やプレコーディング行列情報により定められたインデックスとすることができる。なお、前記ランク指標、前記プレコーディング行列指標、前記チャネル品質指標CQIの値をCSI値と総称する。
【0022】
PUSCHは、上りリンクデータ(上りリンクトランスポートブロック、UL-SCH)を送信するために用いられる。また、PUSCHは、上りリンクデータと共に、ACK/NACKおよび/またはチャネル状態情報を送信するために用いられても良い。また、PUSCHは、上りリンク制御情報のみを送信するために用いられても良い。
【0023】
また、PUSCHは、RRCメッセージを送信するために用いられる。RRCメッセージは、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層において処理される情報/信号である。また、PUSCHは、MAC CE(Control Element)を送信するために用いられる。ここで、MAC CEは、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層において処理(送信)される情報/信号である。
【0024】
例えば、パワーヘッドルームは、MAC CEに含まれ、PUSCHを経由して報告されても良い。すなわち、MAC CEのフィールドが、パワーヘッドルームのレベルを示すために用いられても良い。
【0025】
PRACHは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために用いられる。
【0026】
また、上りリンクの無線通信では、上りリンク物理信号として上りリンク参照信号(Uplink Reference Signal: UL RS)が用いられる。上りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するためには使用されないが、物理層によって使用される。ここで、上りリンク参照信号には、DMRS(Demodulation Reference Signal)、SRS(Sounding Reference Signal)が含まれる。
【0027】
DMRSは、PUSCHまたはPUCCHの送信に関連する。例えば、基地局装置1Aは、PUSCHまたはPUCCHの伝搬路補正を行なうためにDMRSを使用する。SRSは、PUSCHまたはPUCCHの送信に関連しない。例えば、基地局装置1Aは、上りリンクのチャネル状態を測定するためにSRSを使用する。
【0028】
図1において、基地局装置1Aから端末装置2Aへの下りリンクの無線通信では、以下の下りリンク物理チャネルが用いられる。下りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・PBCH(Physical Broadcast Channel: 報知チャネル)
・PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel: 制御フォーマット指示チャネル)
・PHICH(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Channel: HARQ指示チャネル)
・PDCCH(Physical Downlink Control Channel: 下りリンク制御チャネル)
・EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel: 拡張下りリンク制御チャネル)
・PDSCH(Physical Downlink Shared Channel: 下りリンク共有チャネル)
【0029】
PBCHは、端末装置で共通に用いられるマスターインフォメーションブロック(Master Information Block: MIB, Broadcast Channel: BCH)を報知するために用いられる。PCFICHは、PDCCHの送信に用いられる領域(例えば、OFDMシンボルの数)を指示する情報を送信するために用いられる。
【0030】
PHICHは、基地局装置1Aが受信した上りリンクデータ(トランスポートブロック、コードワード)に対するACK/NACKを送信するために用いられる。すなわち、PHICHは、上りリンクデータに対するACK/NACKを示すHARQインディケータ(HARQフィードバック)を送信するために用いられる。また、ACK/NACKは、HARQ−ACKとも呼称する。端末装置2は、受信したACK/NACKを上位レイヤに通知する。ACK/NACKは、正しく受信されたことを示すACK、正しく受信しなかったことを示すNACK、対応するデータがなかったことを示すDTXである。また、上りリンクデータに対するPHICHが存在しない場合、端末装置2AはACKを上位レイヤに通知する。
【0031】
PDCCHおよびEPDCCHは、下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)を送信するために用いられる。ここで、下りリンク制御情報の送信に対して、複数のDCIフォーマットが定義される。すなわち、下りリンク制御情報に対するフィールドがDCIフォーマットに定義され、情報ビットへマップされる。
【0032】
例えば、下りリンクに対するDCIフォーマットとして、1つのセルにおける1つのPDSCH(1つの下りリンクトランスポートブロックの送信)のスケジューリングに使用されるDCIフォーマット1Aが定義される。
【0033】
例えば、下りリンクに対するDCIフォーマットには、PDSCHのリソース割り当てに関する情報、PDSCHに対するMCS(Modulation and Coding Scheme)に関する情報、PUCCHに対するTPCコマンドなどの下りリンク制御情報が含まれる。ここで、下りリンクに対するDCIフォーマットを、下りリンクグラント(または、下りリンクアサインメント)とも称する。
【0034】
また、例えば、上りリンクに対するDCIフォーマットとして、1つのセルにおける1つのPUSCH(1つの上りリンクトランスポートブロックの送信)のスケジューリングに使用されるDCIフォーマット0が定義される。
【0035】
例えば、上りリンクに対するDCIフォーマットには、PUSCHのリソース割り当てに関する情報、PUSCHに対するMCSに関する情報、PUSCHに対するTPCコマンドなど上りリンク制御情報が含まれる。上りリンクに対するDCIフォーマットを、上りリンクグラント(または、上りリンクアサインメント)とも称する。
【0036】
また、上りリンクに対するDCIフォーマットは、下りリンクのチャネル状態情報(CSI: Channel State Information。受信品質情報とも称する。)を要求(CSI request)するために用いることができる。チャネル状態情報は、好適な空間多重数を指定するランク指標RI(Rank Indicator)、好適なプリコーダを指定するプリコーディング行列指標PMI(Precoding Matrix Indicator)、好適な伝送レートを指定するチャネル品質指標CQI(Channel Quality Indicator)、プリコーディングタイプ指標PTI(Precoding type Indicator)などが該当する。
【0037】
また、上りリンクに対するDCIフォーマットは、端末装置が基地局装置にフィードバックするチャネル状態情報報告(CSI feedback report)をマップする上りリンクリソースを示す設定のために用いることができる。例えば、チャネル状態情報報告は、定期的にチャネル状態情報(Periodic CSI)を報告する上りリンクリソースを示す設定のために用いることができる。チャネル状態情報報告は、定期的にチャネル状態情報を報告するモード設定(CSI report mode)のために用いることができる。
【0038】
例えば、チャネル状態情報報告は、不定期なチャネル状態情報(Aperiodic CSI)を報告する上りリンクリソースを示す設定のために用いることができる。チャネル状態情報報告は、不定期的にチャネル状態情報を報告するモード設定(CSI report mode)のために用いることができる。基地局装置は、前記定期的なチャネル状態情報報告または前記不定期的なチャネル状態情報報告のいずれかを設定することができる。また、基地局装置は、前記定期的なチャネル状態情報報告および前記不定期的なチャネル状態情報報告の両方を設定することもできる。
【0039】
また、上りリンクに対するDCIフォーマットは、端末装置が基地局装置にフィードバックするチャネル状態情報報告の種類を示す設定のために用いることができる。チャネル状態情報報告の種類は、広帯域CSI(例えば、Wideband CQI)と狭帯域CSI(例えば、Subband CQI)などがある。
【0040】
端末装置は、下りリンクアサインメントを用いてPDSCHのリソースがスケジュールされた場合、スケジュールされたPDSCHで下りリンクデータを受信する。また、端末装置は、上りリンクグラントを用いてPUSCHのリソースがスケジュールされた場合、スケジュールされたPUSCHで上りリンクデータおよび/または上りリンク制御情報を送信する。
【0041】
PDSCHは、下りリンクデータ(下りリンクトランスポートブロック、DL-SCH)を送信するために用いられる。また、PDSCHは、システムインフォメーションブロックタイプ1メッセージを送信するために用いられる。システムインフォメーションブロックタイプ1メッセージは、セルスペシフィック(セル固有)な情報である。
【0042】
また、PDSCHは、システムインフォメーションメッセージを送信するために用いられる。システムインフォメーションメッセージは、システムインフォメーションブロックタイプ1以外のシステムインフォメーションブロックXを含む。システムインフォメーションメッセージは、セルスペシフィック(セル固有)な情報である。
【0043】
また、PDSCHは、RRCメッセージを送信するために用いられる。ここで、基地局装置から送信されるRRCメッセージは、セル内における複数の端末装置に対して共通であっても良い。また、基地局装置1Aから送信されるRRCメッセージは、ある端末装置2に対して専用のメッセージ(dedicated signalingとも称する)であっても良い。すなわち、ユーザ装置スペシフィック(ユーザ装置固有)な情報は、ある端末装置に対して専用のメッセージを使用して送信される。また、PDSCHは、MAC CEを送信するために用いられる。
【0044】
ここで、RRCメッセージおよび/またはMAC CEを、上位層の信号(higher layer signaling)とも称する。
【0045】
また、PDSCHは、下りリンクのチャネル状態情報を要求するために用いることができる。また、PDSCHは、端末装置が基地局装置にフィードバックするチャネル状態情報報告(CSI feedback report)をマップする上りリンクリソースを送信するために用いることができる。例えば、チャネル状態情報報告は、定期的にチャネル状態情報(Periodic CSI)を報告する上りリンクリソースを示す設定のために用いることができる。チャネル状態情報報告は、定期的にチャネル状態情報を報告するモード設定(CSI report mode)のために用いることができる。
【0046】
下りリンクのチャネル状態情報報告の種類は広帯域CSI(例えば、Wideband CSI)と狭帯域CSI(例えば、Subband CSI)がある。広帯域CSIは、セルのシステム帯域に対して1つのチャネル状態情報を算出する。狭帯域CSIは、システム帯域を所定の単位に区分し、その区分に対して1つのチャネル状態情報を算出する。
【0047】
また、下りリンクの無線通信では、下りリンク物理信号として同期信号(Synchronization signal: SS)、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal: DL RS)が用いられる。下りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するためには使用されないが、物理層によって使用される。
【0048】
同期信号は、端末装置が、下りリンクの周波数領域および時間領域の同期を取るために用いられる。また、下りリンク参照信号は、端末装置が、下りリンク物理チャネルの伝搬路補正を行なうために用いられる。例えば、下りリンク参照信号は、端末装置が、下りリンクのチャネル状態情報を算出するために用いられる。
【0049】
ここで、下りリンク参照信号には、CRS(Cell-specific Reference Signal: セル固有参照信号)、PDSCHに関連するURS(UE-specific Reference Signal: 端末固有参照信号)、EPDCCHに関連するDMRS(Demodulation Reference Signal)、NZP CSI−RS(Non-Zero Power Chanel State Information - Reference Signal)、ZP CSI−RS(Zero Power Chanel State Information - Reference Signal)が含まれる。
【0050】
CRSは、サブフレームの全帯域で送信され、PBCH/PDCCH/PHICH/PCFICH/PDSCHの復調を行なうために用いられる。PDSCHに関連するURSは、URSが関連するPDSCHの送信に用いられるサブフレームおよび帯域で送信され、URSが関連するPDSCHの復調を行なうために用いられる。
【0051】
EPDCCHに関連するDMRSは、DMRSが関連するEPDCCHの送信に用いられるサブフレームおよび帯域で送信される。DMRSは、DMRSが関連するEPDCCHの復調を行なうために用いられる。
【0052】
NZP CSI−RSのリソースは、基地局装置1Aによって設定される。例えば、端末装置2Aは、NZP CSI−RSを用いて信号の測定(チャネルの測定)を行なう。ZP CSI−RSのリソースは、基地局装置1Aによって設定される。基地局装置1Aは、ZP CSI−RSをゼロ出力で送信する。例えば、端末装置2Aは、NZP CSI−RSが対応するリソースにおいて干渉の測定を行なう。
【0053】
ZP CSI−RSのリソースは、基地局装置1A、が設定する。基地局装置1Bは、ZP CSI−RSをゼロ出力で送信する。つまり、基地局装置1Aは、ZP CSI−RSを送信しない。基地局装置1Bは、ZP CSI−RSの設定したリソースにおいて、PDSCHおよびEPDCCHを送信しない。例えば、あるセルにおいてNZP CSI−RSが対応するリソースにおいて、端末装置2Bは、干渉を測定することができる。
【0054】
MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network) RSは、PMCHの送信に用いられるサブフレームの全帯域で送信される。MBSFN RSは、PMCHの復調を行なうために用いられる。PMCHは、MBSFN RSの送信に用いられるアンテナポートで送信される。
【0055】
ここで、下りリンク物理チャネルおよび下りリンク物理信号を総称して、下りリンク信号とも称する。また、上りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理信号を総称して、上りリンク信号とも称する。また、下りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理チャネルを総称して、物理チャネルとも称する。また、下りリンク物理信号および上りリンク物理信号を総称して、物理信号とも称する。
【0056】
また、BCH、UL−SCHおよびDL−SCHは、トランスポートチャネルである。MAC層で用いられるチャネルを、トランスポートチャネルと称する。また、MAC層で用いられるトランスポートチャネルの単位を、トランスポートブロック(Transport Block: TB)、または、MAC PDU(Protocol Data Unit)とも称する。トランスポートブロックは、MAC層が物理層に渡す(deliverする)データの単位である。物理層において、トランスポートブロックはコードワードにマップされ、コードワード毎に符号化処理などが行なわれる。
【0057】
基地局装置1Bは、例えば6GHz以上の高周波数で通信が可能とする。一般に高周波数になると、パスロスが大きくなり、カバレッジが減少する。このため、基地局装置で多数のアンテナを備え、プリコーディング(もしくはビームフォーミング)を行ない、カバレッジを確保することが考えられる。
【0058】
高周波数帯で通信する場合、基地局装置1Bは、高周波数帯で通信しない場合とは異なるフレーム構造(無線アクセス技術(RAT: Radio Access Technology))を用いて通信することができる。なお、高周波数帯で通信しない場合のフレーム構造を第1のフレーム構造(第1の無線アクセス技術)とも呼称し、高周波数帯で通信する場合のフレーム構造を第2のフレーム構造(第2の無線アクセス技術)とも呼称する。フレーム構造には、サブキャリア間隔、最大システム帯域幅、通信周波数帯、リソースブロック(Resource Block: RB)サイズ(サブキャリア数)、リソースブロック数、リソースエレメント数、フレーム長、サブフレーム長、スロット等のパラメータの一部または全部を含む。なお、第1のフレーム構造と第2のフレーム構造は、異なる周波数帯で用いられることに限らない。例えば、第1のフレーム構造はライセンスバンドで用いられ、第2のフレーム構造はアンライセンスバンドで用いられることも可能である。また、第1のフレーム構造と第2のフレーム構造は、サービス、用途、必要な通信速度などによって切り替えられることも可能である。
【0059】
例えば、第2のフレーム構造では、第1のフレーム構造と比較して、リソースブロック数を増やすことができる。この場合、OFDM(直交周波数分割多重: orthogonal Frequency division multiplexing)シンボルのサブキャリア間隔は同じとすると、第2のフレーム構造は第1のフレーム構造よりも多数のリソースブロックで通信ができるため、広帯域通信が可能となる。また、リソースブロック数が増えた場合、OFDMシンボルを生成する場合に用いるIFFT(逆高速フーリエ変換: Inverse Fast Fourier Transform)のFFTポイント数は増える。例えば、第2のフレーム構造で用いられるリソースブロック数が最大500であった場合、FFTポイント数は8192を用いれば良い。
【0060】
また、例えば、第2のフレーム構造では、第1のフレーム構造と比較して、1つのリソースブロック当たりのサブキャリア数を増やすことができる。この場合、第2のフレーム構造と第1のフレーム構造で使用可能なリソースブロック数が同じであっても、広帯域通信が可能となる。例えば、第2のフレーム構造で用いるリソースブロックあたりのサブキャリア数を第1のフレーム構造で用いるリソースブロックあたりのサブキャリア数のn倍(nは自然数)とすることができる。例えば、n=5とした場合、第2のフレーム構造のリソースブロックあたりのサブキャリア数は60となり、OFDMシンボル生成に用いるFFTポイント数は8192を用いれば良い。
【0061】
また、第2のフレーム構造における1リソースブロックは、第1のフレーム構造における複数のリソースブロックから構成することも可能である。例えば、第2のフレーム構造におけるリソースブロックのサブキャリア数が60の場合、第2のフレーム構造におけるリソースブロックは、5つの第1のフレーム構造におけるリソースブロックで構成される。なお、第2のフレーム構造において、第1のフレーム構造におけるリソースブロックをサブリソースブロックと呼称することができる。別の言い方としては、第2のフレーム構造では、第1のフレーム構造におけるリソースブロックの複数から構成されるリソースブロックセットを有し、リソースブロックセットを第1のフレーム構造におけるリソースブロックと同様に用いることができる。
【0062】
また、例えば、第2のフレーム構造では、第1のフレーム構造と比較して、OFDMシンボルのサブキャリア間隔を広げることができる。この場合、第2のフレーム構造で、第1のフレーム構造と同じサイズのリソースブロック、および、第1のフレーム構造と同数のリソースブロックが使用可能であれば、第2のフレーム構造のOFDMシンボル長は第1のフレーム構造のOFDMシンボル長よりも短くなる。例えば、第2のフレーム構造におけるOFDMシンボルのサブキャリア間隔を第1のフレーム構造のサブキャリア間隔のm倍(mは自然数)とすることができる。例えば、m=5の場合、第2のフレーム構造におけるOFDMシンボルのサブキャリア間隔は75kHzとなり、第2のフレーム構造におけるOFDMシンボル長は、第1のフレーム構造におけるOFDMシンボル長の5分の1となる。なお、OFDMシンボルに付加するCP長を5分の1としても良い。このとき、基地局装置1Bは、第2のフレーム構造を用いる場合、第1のフレーム構造と同様に、10ミリ秒を単位とするフレーム、1ミリ秒を単位とするサブフレームを用いることができる。この場合、第1のフレーム構造と第2のフレーム構造では、1フレーム/サブフレームに含まれるOFDMシンボル数は異なる。
【0063】
また、第1のフレーム構造と第2のフレーム構造で、サブキャリア間隔が異なり、フレーム長とサブフレーム長を同じ場合、第2のフレーム構造は第1のフレーム構造と比較して、1フレームおよび1サブフレームに含まれるOFDMシンボル数が増加する。例えば、第2のフレーム構造において、サブキャリア間隔を75kHzとし、OFDMシンボル長が第1のフレーム構造の5分の1となる場合、1サブフレームに含まれるOFDMシンボル数は70シンボルとなる。
【0064】
また、第1のフレーム構造と第2のフレーム構造で、サブキャリア間隔が異なり、フレーム長および1サブフレーム内のOFDMシンボル数が同じ場合、第2のフレーム構造におけるサブフレーム長は短くなり、1フレームにおけるサブフレーム数が増加する。例えば、第2のフレーム構造におけるOFDMシンボルのサブキャリア間隔を75kHzとし、第2のフレーム構造におけるOFDMシンボル長が5分の1となったとする。このとき、第2のフレーム構造におけるサブフレーム長は0.2ミリ秒となり、1フレーム内のサブフレーム数は50となる。また、第2のフレーム構造では、複数のサブフレームで構成されるサブフレームグループを用いることも可能である。例えば、この例では、1サブフレームグループは10サブフレームで構成され、1サブフレームグループ内は、第1のフレーム構造におけるサブフレームと同様の動作/処理が行なわれる。また別の例では、1サブフレームグループは5サブフレームで構成され、サブフレームグループと第1のフレーム構造のサブフレームは同様の役割を持つ。別の言い方をすれば、第2のフレーム構造におけるサブフレームは、第1のフレーム構造における複数のサブフレームで構成される。
【0065】
また、例えば、第2のフレーム構造では、第1のフレーム構造と比較して、OFDMシンボルのサブキャリア間隔、リソースブロック数、リソースブロック当たりのサブキャリア数のうち、複数を異なるようにすることができる。
【0066】
また、端末装置がキャリアアグリゲーション可能な場合、基地局装置は、第2のフレーム構造を用いる場合、第1のフレーム構造を用いる場合よりも多数のセカンダリセル(Secondary Cell: SCell)を設定することができる。また、第1のフレーム構造は、プライマリセル(Primary Cell: PCell)で用い、第2のフレーム構造は、セカンダリセルで用いることも可能である。この場合、第2のフレーム構造は、キャリアアグリゲーションの場合にのみ用いられる。つまり、端末装置は、第1のフレーム構造と第2のフレーム構造をキャリアアグリゲーションすることが可能である。
【0067】
また、第1のフレーム構造と第2のフレーム構造とで、サブキャリア間隔が異なり、フレーム長、サブフレーム長が同じ場合で、プライマリセルでは第1のフレーム構造で送信され、セカンダリセルでは第2のフレーム構造で送信された場合、端末装置は、プライマリセルとセカンダリセルのサブフレーム(サブフレームの切れ目、サブフレームインデックス)が同期していると想定することができる。
【0068】
また、第1のフレーム構造と比べて、第2のフレーム構造のサブフレーム長が短い場合で、プライマリセルでは第1のフレーム構造で送信され、セカンダリセルでは第2のフレーム構造で送信された場合、端末装置は、プライマリセルの1サブフレームと、セカンダリセルの複数サブフレーム(サブフレームグループ)が同期していると仮定する。例えば、第1のフレーム構造と比べて、第2のフレーム構造のサブフレーム長が5分の1の場合、端末装置は、プライマリセルの第n(nは0以上の整数)サブフレームとセカンダリセルの第5nサブフレーム、第5n+1サブフレーム、第5n+2サブフレーム、第5n+3サブフレーム、第5n+4サブフレームとが同期していると想定することができる。
【0069】
また、第1のフレーム構造は、FDD(周波数分割複信: Frequency Division Duplex)およびTDD(時間分割複信: Time Division Duplex)で用いることができるが、第2のフレーム構造は、TDDのみで送信することができる。また、第2のフレーム構造は、下りリンクのみで用いるようにすることができる。
【0070】
また、第1のフレーム構造において、端末装置はActivated状態であるサービングセルでは少なくともCRSが送信されていると想定することができる。第2のフレーム構造において、端末装置は少なくともCRSが送信されていないと想定することができる。
【0071】
基地局装置と端末装置が通信を開始する場合、端末装置は、まず、基地局装置が送信する同期信号を用いて同期を取る必要がある。このとき、基地局装置は、カバレッジを確保するために、同期信号にプリコーディングして送信することができる。また、プリコーディングは、端末装置にとって好適なプリコーディングであることが望ましいが、通信開始時に基地局装置は端末装置の好適なプリコーディングは把握できていないため、異なるプリコーディングを行なった同期信号を複数送信することができる。このとき端末装置は、効率良く、自装置に適したプリコーディングされた同期信号で同期を取ることができる。
【0072】
例えば、基地局装置1Bは、同期用信号として、複数の同期信号を含む信号を送信することができる。基地局装置1Bは、複数の同期信号のうち一部または全部に対して、それぞれに異なるプリコーディングを行なうことができる。プリコーディング前の複数の同期信号は同じ同期系列(例えば、系列を生成する初期値が同じ)としても良いし、異なる同期系列(例えば、系列を生成する初期値が異なる)とすることができる。図2は、複数の同期信号を周波数多重する場合の例である。図2では、システム帯域幅に対して、同期信号1、同期信号2、同期信号3の3種類の同期信号を周波数多重した例を示している。ただし、図2の構成は例であり、その他の構成も本発明に含まれる。例えば、基地局装置1Bは、任意数の同期信号を周波数多重することができる。また、複数の同期信号長は同じ長さ(帯域幅)でなくても良い。また、図2では、同期信号を多重した例のみを示しているが、参照信号、制御信号など別の信号を多重して送信することができる。また、基地局装置1Bは、プライマリ同期信号(Primary Synchronization Signal: PSS)やセカンダリ同期信号(Secondary Synchronization Signal: SSS)のように、複数種類の同期信号を送信することができる。基地局装置1Bは、複数種類の同期信号を周波数多重して送信することもできるし、複数種類の同期信号を異なるOFDMシンボルとして送信することもできる。また、基地局装置1Bは、各々の種類で複数の信号を多重することができる。例えば、基地局装置1Bは、複数のPSSを送信することができるし、複数のSSSを送信することができる。
【0073】
また、複数の基地局装置が送信する同期信号は周波数多重されることもできる。例えば、2つの基地局装置1、2から同期信号が送信されるとし、基地局装置1から同期信号1から3が送信され、基地局装置2から同期信号4から6が送信されるとする。このとき、端末装置2Aは同期信号1から6が周波数多重されて受信することになる。複数の基地局装置から送信された同期信号を周波数多重する場合、基地局間で同期信号の割当てが重ならないようにコーディネーションすることができる。基地局間のコーディネーションはバックホール回線を用いて行なえば良い。また、セルID/同期信号が割当てられるリソースが関連付けられていても良い。
【0074】
また、基地局装置1Bは、端末装置2Aが基地局装置1Bを発見するためのディスカバリ信号を送信することができる。ディスカバリ信号は、同期信号、参照信号を含む。基地局装置1Bは、プリコーディングパターンが異なる複数のディスカバリ信号を送信することができる。このとき端末装置2Aは、受信した複数のディスカバリ信号を用いて、効率良く基地局装置1Bを発見することができる。
【0075】
また、基地局装置1Bは、複数の同期信号/参照信号/ディスカバリ信号から構成されるOFDMシンボルを送信することができる。また、同期信号/参照信号/ディスカバリ信号から構成されるOFDMシンボルはサブフレームの一部または全部とすることができる。
【0076】
また、基地局装置1Bは、同期信号/参照信号/ディスカバリ信号で構成される信号を、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御するAGC(自動利得制御: Auto Gain Control)、同期、トラッキングのために、データ通信に用いるフレームとは独立に送信することができる。また、基地局装置1Bは、同期信号/参照信号/ディスカバリ信号で構成される信号を非定期的に送信する事ができる。また、基地局装置1Bは、同期信号/参照信号/ディスカバリ信号で構成される信号は、第1のフレーム構造、第2のフレーム構造とは異なるフレーム構造とすることもできるし、同じフレーム構造とすることもできる。また、基地局装置1Bは、同期信号/参照信号/ディスカバリ信号で構成される信号は、OFDM以外の通信方式で送信することも可能である。
【0077】
端末装置2Aは、キャリアアグリゲーションに対応している場合、基地局装置1AをPCell、基地局装置1BをSCellとして通信することができる。
【0078】
基地局装置1AがPCellとして端末装置2Aと通信している場合に、SCellとして基地局装置1Bをセルサーチする場合に、PCellは、端末装置2AがSCellを発見するためのアシスト情報(PCellアシスト情報、補助情報、SCell設定情報、測定に関する設定情報)を端末装置2Aに送信することができる。アシスト情報は、上位層の信号または物理層の信号で送信される。言い換えると、端末装置2Aは、PCellからアシスト情報を受信し、このアシスト情報に基づいてSCellのセルサーチを行なうことができる。また、別の言い方では、端末装置2Aは、PCellアシスト情報が設定されているSCellとPCellが設定されていないSCellでは、同期信号/ディスカバリ信号/フレーム構成が異なると想定して同期/測定(例えば、RRM(Radio Resource Management)測定)を行なうことができる。端末装置2Aは、複数の同期信号を受信し、関連する参照信号から受信電力/受信品質を測定し、条件を満足するものについて、測定結果を基地局装置1A/1Bに送信することができる。
【0079】
また、基地局装置1Aは、ディスカバリ信号に対するアシスト情報を送信することができる。端末装置2Aは、複数のディスカバリ信号を受信し、受信電力/受信品質を測定し、条件を満足するものについて、測定結果を基地局装置1A/1Bに送信することができる。
【0080】
PCellアシスト情報には、例えば、搬送周波数帯(バンド)、システム帯域幅、同期信号設定リスト、中心周波数の一部または全てが含まれる。
【0081】
同期信号設定リストは、周波数多重されている各々の同期信号に関する設定情報から構成される。同期信号の設定情報には、同期信号ID(identity)、同期信号のパラメータ、中心周波数、中心周波数からの差の一部または全てが含まれる。同期信号のパラメータは、例えば、物理セルID、物理セルIDの候補、同期信号系列生成のパラメータ(例えば、ルートインデックス)、位相回転量、サイクリックシフト量の一部または全部である。同期信号のパラメータは中心周波数からの差分と関連付けることができる。中心周波数からの差は、その同期信号が中心周波数からどれくらい離れているかを示す。中心周波数からの差は、差分をそのまま表すことも可能であるし、インデックスを表すことも可能である。例えば、基地局装置1Aが中心周波数からの差として100という値を設定した場合、端末装置2Aは、中心周波数からの差が100kHzと判断することができる。また、基地局装置1Aが中心周波数からの差分として、2というインデックスが設定された場合、端末装置2Aは、設定されたインデックスを定数倍(例えば、100KHz倍)して中心周波数からの差を、2×100kHz=200kHzと判断することができる。
【0082】
基地局装置1Aは、PCellからのアシスト情報として、測定用CSI−RSの設定情報を設定することができる。測定用CSI−RSの設定情報は、測定CSI−RSのID、物理セルID、スクランブリングアイデンティティ、CSI−RS設定を示す情報(パラメータ)の一部または全部が含まれる。
【0083】
測定用CSI−RSの設定情報と同期信号の設定情報とを関連付けることができる。例えば、基地局装置1Aは、測定用CSI−RSの設定情報に同期信号IDを含め、同期信号IDによって測定用CSI−RSの設定情報と同期信号の設定情報とを関連付けることができる。このとき、端末装置2Aは、測定用CSI−RSの設定情報に対する結果を報告する際に、同期信号IDを含めることができる。
【0084】
また、測定用CSI−RSの設定情報と同期信号の設定情報は同時に設定することができる。例えば、基地局装置1Aは、PCellアシスト情報に搬送周波数帯(バンド)、システム帯域幅、ディスカバリ信号設定リスト、中心周波数の一部または全てを含めて送信することができる。ディスカバリ信号設定リストは、複数のディスカバリ信号に関する設定情報から構成される。ディスカバリ信号の設定情報は、ディスカバリ信号ID、ディスカバリ信号の配置、ディスカバリ信号の送信間隔、同期信号の設定情報、測定用CSI−RSの設定情報、中心周波数、中心周波数からの差の一部または全てが含まれる。
【0085】
端末装置2Aは、PCellアシスト情報に基づいて、SCellの同期/測定などを行ない、RSRP(Reference signal received power、受信電力)等の条件を満足するものに対して、結果を基地局装置1A/1Bに報告する。端末装置2Aは、RSRP、RSRQ(Reference signal received quality、受信品質)、TPID(Transmit point ID)、同期信号に関する情報、CSI−RSに関する情報、ディスカバリ信号に関する情報、送信ポイントを示す情報(パラメータ)、隣接セルに関する情報、の一部または全部を報告することができる。なお、RSRP、RSRQはCRSまたはCSI−RSで測定することができる。CSI−RSで測定するRSRPをCSI−RSRPとも呼ぶ。また、CSI−RSで測定するRSRQをCSI−RSRQとも呼ぶ。RSRP、RSRQは、測定した値から報告する値にマッピングして報告することができる。同期信号に関する情報は、同期信号ID、中心周波数からの差分の一部または全部である。ディスカバリ信号に関する情報は、ディスカバリ信号ID、測定CSI−RSのID、RSRP、RSRQの一部または全部である。CSI−RSに関する情報は、測定CSI−RSのID、CSI−RS設定、CSI−RSの位置、RSRP、RSRQの一部または全部である。隣接セルに関する情報は、物理セルID、隣接セルのRSRP、隣接セルのRSRQの一部または全部である。
【0086】
また、SCellで複数種類のCP(Cyclic Prefix)長が設定できる場合、PCellがどのCP長かを示す情報を設定/送信することができる。また、SCellのシステムフレームナンバーをPCellが設定/送信することができる。
【0087】
また、基地局装置1Bは、データ送信の開始に送信される初期信号(initial signal、先頭信号、プリアンブル、トレーニング信号)を送信することができる。初期信号は、自動利得制御、チャネル予約、同期、トラッキング、RRM測定、セル特定、SCell(基地局装置)からの送信の検出の一部または全部のために用いられる。また、初期信号は、上記同期信号/参照信号/ディスカバリ信号、自動利得制御のための信号、チャネル予約のための信号の一部または全部が含まれる。また、初期信号は、OFDMシンボルであっても良いし、OFDMシンボルでなくても良い。また、初期信号はOFDMシンボルの一部の信号とすることができる。また、初期信号は複数のOFDMシンボルとすることができる。端末装置2Aは、初期信号に基づいて、自動利得制御、同期、トラッキング、RRM測定、セル特定、SCell(基地局装置)からの送信の検出の一部または全部を行ない、必要があれば基地局装置に報告する。
【0088】
また、基地局装置1A/1Bは、初期信号に関するアシスト情報である初期信号情報を設定することができる。初期信号に関するアシスト情報は、初期信号の位置、初期信号のID、周波数、帯域幅の一部または全部が含まれる。端末装置2Aは、基地局装置から送信された初期信号情報に基づいて、自動利得制御、チャネル予約、同期、トラッキング、RRM測定、セル特定、SCell(基地局装置)からの送信の検出の一部または全部を行なう。
【0089】
また、基地局装置1A/1Bは、初期信号に関して、一部のSCellのみで送信するように設定することができる。言い換えると、基地局装置1A/1Bは、初期信号を送信することができるSCellと、初期信号を送信することができないSCellを別のSCellとして設定することができる。初期信号を送信することができないSCellを第1のSCellとも呼称する。また、初期信号を送信することができるSCellを第2のSCell(拡張SCell)とも呼称する。また別の言い方では、基地局装置1A/1Bは、第1のSCellには初期信号情報を設定せず、第2のSCellには初期信号情報を設定することができる。端末装置2Aは、第2のSCellが設定されている場合、基地局装置から送信された初期信号情報に基づいて、自動利得制御、チャネル予約、同期、トラッキング、RRM測定、セル特定、SCell(基地局装置)からの送信の検出の一部または全部を行なう。
【0090】
また、基地局装置は、第1のSCellと第2のSCellでは、異なる機能、オプションを設定することができる。また、第2のSCellは第1のSCellと比較して、多くのキャリアアグリゲーションできる最大のコンポーネントキャリア数を設定することができる。また、第1のSCellと第2のSCellは異なるフレーム構造で送信することができる。例えば、第1のSCellは第2のフレーム構造で送信せず、第2のSCellは第2のフレーム構造で送信することができる。なお、第2のフレーム構造で送信可能なSCellと初期信号を送信可能なSCellは異なる設定をされることも可能である。このとき、第2のフレーム構造を送信可能なSCellは、第3のSCellとも呼称される。
【0091】
図3は、本実施形態における基地局装置の構成を示す概略ブロック図である。図2に示すように、基地局装置は、上位層処理部(上位層処理ステップ)101、制御部(制御ステップ)102、送信部(送信ステップ)103、受信部(受信ステップ)104と送受信アンテナ105を含んで構成される。また、上位層処理部101は、無線リソース制御部(無線リソース制御ステップ)1011、スケジューリング部(スケジューリングステップ)1012を含んで構成される。また、送信部103は、符号化部(符号化ステップ)1031、変調部(変調ステップ)1032、下りリンク参照信号生成部(下りリンク参照信号生成ステップ)1033、多重部(多重ステップ)1034、無線送信部(無線送信ステップ)1035を含んで構成される。また、受信部104は、無線受信部(無線受信ステップ)1041、多重分離部(多重分離ステップ)1042、復調部(復調ステップ)1043、復号部(復号ステップ)1044を含んで構成される。
【0092】
上位層処理部101は、媒体アクセス制御(Medium Access Control: MAC)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行なう。また、上位層処理部101は、送信部103および受信部104の制御を行なうために必要な情報を生成し、制御部102に出力する。
【0093】
上位層処理部101は、端末装置の機能(UE capability)等、端末装置に関する情報を端末装置から受信する。言い換えると、端末装置は、自身の機能を基地局装置に上位層の信号で送信する。
【0094】
なお、以下の説明において、端末装置に関する情報は、その端末装置が所定の機能をサポートするかどうかを示す情報、または、その端末装置が所定の機能に対する導入およびテストの完了を示す情報を含む。なお、以下の説明において、所定の機能をサポートするかどうかは、所定の機能に対する導入およびテストを完了しているかどうかを含む。
【0095】
例えば、端末装置が所定の機能をサポートする場合、その端末装置はその所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信する。端末装置が所定の機能をサポートしない場合、その端末装置はその所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信しない。すなわち、その所定の機能をサポートするかどうかは、その所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信するかどうかによって通知される。なお、所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)は、1または0の1ビットを用いて通知しても良い。
【0096】
無線リソース制御部1011は、下りリンクのPDSCHに配置される下りリンクデータ(トランスポートブロック)、システムインフォメーション、RRCメッセージ、MAC CEなどを生成、または上位ノードから取得する。無線リソース制御部1011は、下りリンクデータを送信部103に出力し、他の情報を制御部102に出力する。また、無線リソース制御部1011は、端末装置の各種設定情報の管理をする。
【0097】
スケジューリング部1012は、物理チャネル(PDSCHおよびPUSCH)を割り当てる周波数およびサブフレーム、物理チャネル(PDSCHおよびPUSCH)の符号化率および変調方式(あるいはMCS)および送信電力などを決定する。スケジューリング部1012は、決定した情報を制御部102に出力する。
【0098】
スケジューリング部1012は、スケジューリング結果に基づき、物理チャネル(PDSCHおよびPUSCH)のスケジューリングに用いられる情報を生成する。スケジューリング部1012は、生成した情報を制御部102に出力する。
【0099】
制御部102は、上位層処理部101から入力された情報に基づいて、送信部103および受信部104の制御を行なう制御信号を生成する。制御部102は、上位層処理部101から入力された情報に基づいて、下りリンク制御情報を生成し、送信部103に出力する。
【0100】
送信部103は、制御部102から入力された制御信号に従って、下りリンク参照信号を生成し、上位層処理部101から入力されたHARQインディケータ、下りリンク制御情報、および、下りリンクデータを、符号化および変調し、PHICH、PDCCH、EPDCCH、PDSCH、および下りリンク参照信号を多重して、送受信アンテナ105を介して端末装置2に信号を送信する。
【0101】
符号化部1031は、上位層処理部101から入力されたHARQインディケータ、下りリンク制御情報、および下りリンクデータを、ブロック符号化、畳み込み符号化、ターボ符号化等の予め定められた符号化方式を用いて符号化を行なう、または無線リソース制御部1011が決定した符号化方式を用いて符号化を行なう。変調部1032は、符号化部1031から入力された符号化ビットをBPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(quadrature amplitude modulation)、64QAM、256QAM等の予め定められた、または無線リソース制御部1011が決定した変調方式で変調する。
【0102】
下りリンク参照信号生成部1033は、基地局装置1Aを識別するための物理セル識別子(PCI、セルID)などを基に予め定められた規則で求まる、端末装置2Aが既知の系列を下りリンク参照信号として生成する。
【0103】
多重部1034は、変調された各チャネルの変調シンボルと生成された下りリンク参照信号と下りリンク制御情報とを多重する。つまり、多重部1034は、変調された各チャネルの変調シンボルと生成された下りリンク参照信号と下りリンク制御情報とをリソースエレメントに配置する。
【0104】
無線送信部1035は、多重された変調シンボルなどを逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)してOFDMシンボルを生成し、OFDMシンボルにサイクリックプレフィックス(cyclic prefix: CP)を付加してベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、フィルタリングにより余分な周波数成分を除去し、搬送周波数にアップコンバートし、電力増幅し、送受信アンテナ105に出力して送信する。
【0105】
受信部104は、制御部102から入力された制御信号に従って、送受信アンテナ105を介して端末装置2Aから受信した受信信号を分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部101に出力する。
【0106】
無線受信部1041は、送受信アンテナ105を介して受信された上りリンクの信号を、ダウンコンバートによりベースバンド信号に変換し、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信された信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。
【0107】
無線受信部1041は、変換したディジタル信号からCPに相当する部分を除去する。無線受信部1041は、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)を行ない、周波数領域の信号を抽出し多重分離部1042に出力する。
【0108】
多重分離部1042は、無線受信部1041から入力された信号をPUCCH、PUSCH、上りリンク参照信号などの信号に分離する。なお、この分離は、予め基地局装置1Aが無線リソース制御部1011で決定し、各端末装置2に通知した上りリンクグラントに含まれる無線リソースの割り当て情報に基づいて行なわれる。
【0109】
また、多重分離部1042は、PUCCHとPUSCHの伝搬路の補償を行なう。また、多重分離部1042は、上りリンク参照信号を分離する。
【0110】
復調部1043は、PUSCHを逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform: IDFT)し、変調シンボルを取得し、PUCCHとPUSCHの変調シンボルそれぞれに対して、BPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の予め定められた、または自装置が端末装置2各々に上りリンクグラントで予め通知した変調方式を用いて受信信号の復調を行なう。
【0111】
復号部1044は、復調されたPUCCHとPUSCHの符号化ビットを、予め定められた符号化方式の、予め定められた、または自装置が端末装置2に上りリンクグラントで予め通知した符号化率で復号を行ない、復号した上りリンクデータと、上りリンク制御情報を上位層処理部101へ出力する。PUSCHが再送信の場合は、復号部1044は、上位層処理部101から入力されるHARQバッファに保持している符号化ビットと、復調された符号化ビットを用いて復号を行なう。
【0112】
図4は、本実施形態における端末装置2Aの構成を示す概略ブロック図である。図3に示すように、端末装置2Aは、上位層処理部(上位層処理ステップ)201、制御部(制御ステップ)202、送信部(送信ステップ)203、受信部(受信ステップ)204、チャネル状態情報生成部(チャネル状態情報生成ステップ)205と送受信アンテナ206を含んで構成される。また、上位層処理部201は、無線リソース制御部(無線リソース制御ステップ)2011、スケジューリング情報解釈部(スケジューリング情報解釈ステップ)2012を含んで構成される。また、送信部203は、符号化部(符号化ステップ)2031、変調部(変調ステップ)2032、上りリンク参照信号生成部(上りリンク参照信号生成ステップ)2033、多重部(多重ステップ)2034、無線送信部(無線送信ステップ)2035を含んで構成される。また、受信部204は、無線受信部(無線受信ステップ)2041、多重分離部(多重分離ステップ)2042、信号検出部(信号検出ステップ)2043を含んで構成される。
【0113】
上位層処理部201は、ユーザの操作等によって生成された上りリンクデータ(トランスポートブロック)を、送信部203に出力する。また、上位層処理部201は、媒体アクセス制御(Medium Access Control: MAC)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行なう。
【0114】
上位層処理部201は、自端末装置がサポートしている端末装置の機能を示す情報を、送信部203に出力する。
【0115】
無線リソース制御部2011は、自端末装置の各種設定情報の管理をする。また、無線リソース制御部2011は、上りリンクの各チャネルに配置される情報を生成し、送信部203に出力する。
【0116】
無線リソース制御部2011は、基地局装置から送信されたCSIフィードバックに関する設定情報を取得し、制御部202に出力する。
【0117】
スケジューリング情報解釈部2012は、受信部204を介して受信した下りリンク制御情報を解釈し、スケジューリング情報を判定する。また、スケジューリング情報解釈部2012は、スケジューリング情報に基づき、受信部204、および送信部203の制御を行なうために制御情報を生成し、制御部202に出力する。
【0118】
制御部202は、上位層処理部201から入力された情報に基づいて、受信部204、チャネル状態情報生成部205および送信部203の制御を行なう制御信号を生成する。制御部202は、生成した制御信号を受信部204、チャネル状態情報生成部205および送信部203に出力して受信部204、および送信部203の制御を行なう。
【0119】
制御部202は、チャネル状態情報生成部205が生成したCSIを基地局装置に送信するように送信部203を制御する。
【0120】
受信部204は、制御部202から入力された制御信号に従って、送受信アンテナ206を介して基地局装置1Aから受信した受信信号を、分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部201に出力する。
【0121】
無線受信部2041は、送受信アンテナ206を介して受信した下りリンクの信号を、ダウンコンバートによりベースバンド信号に変換し、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。
【0122】
また、無線受信部2041は、変換したディジタル信号に対し、同期信号を用いてタイミング同期、フレーム同期等の同期を取る。そして、ディジタル信号からCPに相当する部分を除去し、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換を行ない、周波数領域の信号を抽出する。
【0123】
多重分離部2042は、抽出した信号をPHICH、PDCCH、EPDCCH、PDSCH、および下りリンク参照信号に、それぞれ分離する。また、多重分離部2042は、チャネル測定から得られた所望信号のチャネルの推定値に基づいて、PHICH、PDCCH、およびEPDCCHのチャネルの補償を行ない、下りリンク制御情報を検出し、制御部202に出力する。また、制御部202は、PDSCHおよび所望信号のチャネル推定値を信号検出部2043に出力する。
【0124】
信号検出部2043は、PDSCH、チャネル推定値を用いて、信号検出し、上位層処理部201に出力する。
【0125】
送信部203は、制御部202から入力された制御信号に従って、上りリンク参照信号を生成し、上位層処理部201から入力された上りリンクデータ(トランスポートブロック)を符号化および変調し、PUCCH、PUSCH、および生成した上りリンク参照信号を多重し、送受信アンテナ206を介して基地局装置1Aに送信する。
【0126】
符号化部2031は、上位層処理部201から入力された上りリンク制御情報を畳み込み符号化、ブロック符号化等の符号化を行なう。また、符号化部2031は、PUSCHのスケジューリングに用いられる情報に基づきターボ符号化を行なう。
【0127】
変調部2032は、符号化部2031から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM等の下りリンク制御情報で通知された変調方式または、チャネル毎に予め定められた変調方式で変調する。
【0128】
上りリンク参照信号生成部2033は、基地局装置1Aを識別するための物理セル識別子(physical cell identity: PCI、Cell IDなどと称される)、上りリンク参照信号を配置する帯域幅、上りリンクグラントで通知されたサイクリックシフト、DMRSシーケンスの生成に対するパラメータの値などを基に、予め定められた規則(式)で求まる系列を生成する。
【0129】
多重部2034は、制御部202から入力された制御信号に従って、PUSCHの変調シンボルを並列に並び替えてから離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform: DFT)する。また、多重部2034は、PUCCHとPUSCHの信号と生成した上りリンク参照信号を送信アンテナポート毎に多重する。つまり、多重部2034は、PUCCHとPUSCHの信号と生成した上りリンク参照信号を送信アンテナポート毎にリソースエレメントに配置する。
【0130】
無線送信部2035は、多重された信号を逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)して、SC−FDMA方式の変調を行ない、SC−FDMAシンボルを生成し、生成されたSC−FDMAシンボルにCPを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、余分な周波数成分を除去し、アップコンバートにより搬送周波数に変換し、電力増幅し、送受信アンテナ206に出力して送信する。
【0131】
なお、本発明に係る基地局装置および端末装置で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであっても良い。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0132】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における端末装置および基地局装置の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現しても良い。受信装置の各機能ブロックは個別にチップ化しても良いし、一部、または全部を集積してチップ化しても良い。各機能ブロックを集積回路化した場合に、それらを制御する集積回路制御部が付加される。
【0133】
また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0134】
なお、本願発明は上述の実施形態に限定されるものではない。本願発明の端末装置は、移動局装置への適用に限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、例えば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などに適用出来ることは言うまでもない。
【0135】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も請求の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、端末装置および通信方法に用いて好適である。
【符号の説明】
【0137】
なお、本国際出願は、2015年3月13日に出願した日本国特許出願第2015−050195号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2015−050195号の全内容を本国際出願に援用する。
【0138】
1A、1B 基地局装置
2A、2B、2C 端末装置
101 上位層処理部
102 制御部
103 送信部
104 受信部
105 送受信アンテナ
1011 無線リソース制御部
1012 スケジューリング部
1031 符号化部
1032 変調部
1033 下りリンク参照信号生成部
1034 多重部
1035 無線送信部
1041 無線受信部
1042 多重分離部
1043 復調部
1044 復号部
201 上位層処理部
202 制御部
203 送信部
204 受信部
205 チャネル状態情報生成部
206 送受信アンテナ
2011 無線リソース制御部
2012 スケジューリング情報解釈部
2031 符号化部
2032 変調部
2033 上りリンク参照信号生成部
2034 多重部
2035 無線送信部
2041 無線受信部
2042 多重分離部
2043 信号検出部
図1
図2
図3
図4