(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  前記ビームカバレッジエリアの前記第1の領域が、前記第1のビームのアンテナ利得が前記第1のビームの最大アンテナ利得の閾値を超えない地表のエリアに相当し、前記ビームカバレッジエリアの第2の領域が静止軌道(GSO)衛星通信に干渉しない、請求項1に記載の方法。
  閾値角未満であると決定された前記最小円弧角に基づいて、前記第1のビームの方向を地球上の別のカバレッジエリアへと変えるステップをさらに含み、前記別のカバレッジエリアと関連した前記最小円弧角が前記閾値角以上である、請求項1に記載の方法。
  閾値角未満であると決定された前記最小円弧角に基づいて、前記第1のビームの方向を地球上の別のカバレッジエリアへと変えるための手段をさらに含み、前記別のカバレッジエリアと関連した前記最小円弧角が前記閾値角以上である、請求項10に記載の装置。
  装置の1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記装置に、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を記憶する、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0013】
  同じ参照数字は、対応する部分をすべての図面の図にわたり指す。
 
【0014】
  本明細書に記載の例示的な実施形態では、NGSO衛星から送信されるビームを使用不能にしなくても、たとえば、ITUによって規定された排除区域に基づくだけで、NGSO衛星の配置がITUのEPFD限界を遵守できるようになり得る。より詳細に以下で説明するように、1つまたは複数のビームが、NGSO衛星配置を形成できる、またはその一部になり得る1つまたは複数の衛星から送信され得る。ビームの各々が、EPFD限界をビームが遵守することを保証するための、かつ/またはGSO衛星通信に干渉することを回避するための検査用として選ばれ得る。たとえば、第1の衛星がいくつかのビームを、NGSO衛星配置によって提供されたサービスエリアの部分に向けることができる(たとえば、いくつかのビームは第1の衛星のフットプリントに対応し得る)。第1の衛星に付随するコントローラは、第1の衛星から送信される第1のビームの地球上のカバレッジエリアを決定することができる。円錐がビームカバレッジエリアの第1の領域に投影され得る。コントローラは、第1の領域の外側にあるビームカバレッジエリアの部分を含むものとしてビームカバレッジエリアの第2の領域を画定することができる。次いで、コントローラは、ビームカバレッジエリアの第1の領域内であるが第2の領域内ではない複数の点の各々について最小円弧角を決定することができる。
 
【0015】
  いくつかの実施形態では、ビームカバレッジエリアの第1の領域は、EPFD限界を潜在的に超過するものとみなされ、ビームカバレッジエリアの第2の領域は、EPFD限界を潜在的に超過するものとはみなされない可能性がある(たとえば、第2の領域内の点はGSO衛星通信に干渉する可能性がないので)。いくつかの態様では、ビームカバレッジエリアの第1の領域は、第1のビームのアンテナ利得が第1のビームの最大アンテナ利得の閾値を超えない地表のエリアに相当し得る。別の態様では、ビームカバレッジエリアの第1の領域は、電力束密度(PFD)がPFD閾値レベルよりも大きい地表のエリアに相当し得る。
 
【0016】
  コントローラは、ビームカバレッジエリアの第1の領域内であるが第2の領域内ではない複数の点の各々について最小円弧角を決定することができる。いくつかの実施態様では、コントローラは、第1の領域内の複数の点のうちの1つを選択し、その選択された点についての決定された最小円弧角を閾値角と比較し、次いで、その比較に少なくとも一部は基づいて第1のビームを選択的に使用不能にすることができる。コントローラは第1のビームを、閾値角未満であると決定された最小円弧角に基づいて使用不能にし、複数の点のうちの別の点を、閾値角未満でないと決定された最小円弧角に基づいて選択することができる。コントローラは第1のビームを、第1の領域内の複数の点の各々について閾値角以上であると決定された最小円弧角に基づいて使用可能にすることができる。第1のビームを使用不能にすることにより生じるサービスエリア内のギャップを減らすために、NGSO衛星配置内の第2の衛星は、第1のビームに関連するビームカバレッジエリアの1つまたは複数の部分に1つまたは複数の他のビームを向けることができる。
 
【0017】
  いくつかの実施態様では、第1のビームを使用不能にするのではなく、第1の衛星は、他のカバレッジエリアと関連する最小円弧角が閾値角以上になるように、第1のビームを別のカバレッジエリアに方向を変えることができる(たとえば、ビームステアリング技法および/またはビーム成形技法を使用して)。第1のビームの方向を変えることによって、第1のビームを使用不能にすることとは対照的に、第1のビームは、既存のビームカバレッジエリアに部分的なカバレッジを提供し、最小円弧角基準を超過しない衛星の他のカバレッジエリアに追加のカバレッジを提供し、かつ/または他の衛星のカバレッジエリアに追加のカバレッジを提供することができる。
 
【0018】
  他の実施形態では、最小円弧角が閾値角未満である場合、第1の衛星は、第1のビームの電力束密度(PFD)を低減させ、かつ/または第1のビームの形状またはサイズを修正することができる。いくつかの態様では、第1のビームのPFDは、第1のビームの電力レベルを下げることによって低減させることができる。
 
【0019】
  本開示の態様は、特定の例を対象とする以下の記述および関連図面で説明される。代替例を本開示の範囲から逸脱することなく考案することができる。加えて、よく知られている要素は、本開示の関連する細部を分かりにくくしないように詳細には説明されないか、または省略される。
 
【0020】
  「例示的な」という語は、本明細書では「例、たとえ、または実例としての役割を果たすこと」を表すのに使用される。本明細書に「例示的な」として記載されたどの態様も、他の態様に比べて必ずしも好ましい、または有利であると解釈すべきではない。同様に、「諸態様」という用語は、論じられた特徴、利点または動作モードをすべての態様が含むことを要しない。
 
【0021】
  本明細書で使用される術語は、特定の態様を説明することだけが目的であり、諸態様を限定するものではない。本明細書では、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、それ以外の指示がない限り複数形もまた含むものである。「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、または「含んでいる(including)」という用語は、本明細書で用いられる場合、提示された特徴、完全体、ステップ、操作、要素、または構成要素が存在することを明示するが、1つまたは複数の他の特徴、完全体、ステップ、操作、要素、構成要素、またはこれらの群が存在すること、または追加されることを排除しないことをさらに理解されたい。さらに、「または(or)」という語は、ブール演算子「OR」と同じ意味を有し、すなわち「どちらか(either)」および「両方(both)」の可能性を包含し、特にことわらない限り「排他的なまたは(exclusive or)」(「XOR」)に限定されないことを理解されたい。隣接する2つの語の間の記号「/」は、特にことわらない限り「または」と同じ意味を有することも理解されたい。さらに「に接続される」、「に結合される」または「と連通している」などの句は、特にことわらない限り直に接続することに限定されない。
 
【0022】
  さらに、多くの態様が、たとえば計算デバイスの要素によって実行される動作シーケンスに関して説明される。本明細書で説明される様々な動作は、特定の回路によって、たとえば、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、もしくは様々な他のタイプの汎用または専用のプロセッサまたは回路によって、1つもしくは複数のプロセッサで実行されるプログラム命令によって、または両方の組合せによって実行できることを理解されたい。加えて、本明細書に記載のこれらの動作シーケンスは、実行されると関連したプロセッサが本明細書に記載の機能を実行することになる、対応するコンピュータ命令のセットを記憶したコンピュータ可読記憶媒体の任意の形態の中に完全に具現化されるものと考えることができる。したがって、本開示の様々な態様は、いくつかの異なる形態で具現化することができ、そのすべてが、特許請求される主題の範囲内にあるものと企図された。加えて、本明細書に記載の態様の各々について、任意のそのような態様の対応する形態が、たとえば記載された動作を「実行するように構成された論理回路」として、本明細書で説明され得る。
 
【0023】
  以下の説明では、本開示の完全な理解が得られるように、特定の構成要素、回路、および処理の例などの多数の具体的な詳細が明らかにされる。本明細書で「連結された(coupled)」という用語は、直に接続された、または1つもしくは複数の介在する構成要素もしくは回路を介して接続された、を意味する。また、以下の説明で、かつ説明の目的で、特定の専門語が本開示の完全な理解が得られるように明らかにされる。しかし、これらの特定の細部が本開示の様々な態様を実践するために必要とされない可能性があることは、当業者には明らかであろう。他の場合では、よく知られた回路およびデバイスは、本開示が不明瞭にならないようにブロック図の形で示される。本開示の様々な態様は、本明細書に開示の特定の例に限定されると解釈すべきではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲に定義されたすべての実施形態をその範囲内に含むものである。
 
【0024】
  図1は衛星通信システム100の一例を示し、このシステムは、たとえば低地球軌道(LEO)である非静止軌道の複数の衛星(ただし、図を分かりやすくするために1つの衛星300しか示されていない)、衛星300と通信するゲートウェイ200、衛星300と通信する複数のユーザ端末(UT) 400および401、ならびにUT 400および401それぞれと通信する複数のユーザ機器(UE) 500および501を含む。各UE 500または501は、モバイルデバイス、電話、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ、コンピュータ、ウェアラブルデバイス、スマートウォッチ、視聴覚デバイス、またはUTと通信する機能を含む任意のデバイスなどの、ユーザデバイスであり得る。加えて、UE 500および/またはUE 501は、1つまたは複数のエンドユーザデバイスと通信するために使用されるデバイス(たとえば、アクセスポイント、スモールセルなど)であり得る。
図1に示された例では、UT 400とUE 500は、双方向アクセスリンク(フォワードアクセスリンクおよびリターンアクセスリンクがある)を介して互いに通信し、同様に、UT 401とUE 501も別の双方向アクセスリンクを介して互いに通信する。別の実施形態では、1つまたは複数の追加UE(図示せず)を受信だけするように、したがって、フォワードアクセスリンクだけを使用してUTと通信するように、構成することができる。別の実施形態では、1つまたは複数の追加UE(図示せず)もまた、UT 400またはUT 401と通信することができる。あるいは、UTおよび対応するUEは、たとえば、一体化衛星トランシーバと、衛星と直に通信するためのアンテナとを備えたモバイル電話など、単一の物理的デバイスの一体化部分であり得る。
 
【0025】
  ゲートウェイ200は、インターネット108に、または公衆網、半私設網もしくは私設網のうちの1つもしくは複数の他のタイプに、アクセスすることができ得る。
図1に示された例では、ゲートウェイ200は、インターネット108に、または公衆網、半私設網もしくは私設網のうちの1つもしくは複数の他のタイプにアクセスできる、インフラストラクチャ106と通信する。ゲートウェイ200はまた、たとえば、光ファイバ網または公衆交換電話網(PSTN) 110などの陸線網を含む、様々なタイプの通信迂回中継に結合することができる。さらに、代替実施形態では、ゲートウェイ200は、インターネット108、PSTN 110、または公衆網、半私設網もしくは私設網のうちの1つもしくは複数の他のタイプと、インフラストラクチャ106を使用しなくてもインターフェースすることができる。さらに、ゲートウェイ200は、インフラストラクチャ106を介してゲートウェイ201などの他のゲートウェイと通信することができ、あるいは、インフラストラクチャ106を使用せずにゲートウェイ201と通信するように構成することができる。インフラストラクチャ106は全体または一部で、ネットワークコントローラセンタ(NCC)、衛星コントロールセンタ(SCC)、有線および/またはワイヤレスコアネットワーク、および/または、衛星通信システム100の操作および/またはそれとの通信を容易にするために使用される任意の他の構成要素もしくはシステムを含み得る。
 
【0026】
  衛星300とゲートウェイ200との間の両方向の通信はフィーダリンクと呼ばれるのに対し、衛星とUT 400および401との間の両方向の通信はサービスリンクと呼ばれる。衛星300から、ゲートウェイ200またはUT 400および401のうちの1つであり得る地上局までの信号経路は、総称してダウンリンクと呼ばれることがある。地上局から衛星300までの信号経路は総称してアップリンクと呼ばれることがある。加えて、図示のように信号は、フォワードリンク、およびリターンリンクまたは上りリンクなどの全体的な方向性を有し得る。それに応じて、ゲートウェイ200から始まり衛星300を経由してUT 400で終わる方向の通信リンクはフォワードリンクと呼ばれるのに対し、UT 400から始まり衛星300を経由してゲートウェイ200で終わる方向の通信リンクはリターンリンクまたは上りリンクと呼ばれる。そのため、
図1で、ゲートウェイ200から衛星300までの信号経路は「フォワードフィーダリンク」と標示されているのに対し、衛星300からゲートウェイ200までの信号経路は「リターンフィーダリンク」と標示されている。同様に、
図1で、各UT 400または401から衛星300までの信号経路は「リターンサービスリンク」と標示されているのに対し、衛星300から各UT 400または401までの信号経路は「フォワードサービスリンク」と標示されている。
 
【0027】
  いくつかの実施形態では、ゲートウェイ200は、いくつかの制御信号および/または命令を1つまたは複数の対応する衛星300へ送信することができ、これらの制御信号および/または命令により、対応する衛星300の各々が、1つまたは複数の衛星ビームを選択的に使用不能にして、NGSO衛星に対するITUのEPFD限界を、対応する衛星300によって提供されるカバレッジ内のギャップが最小になるようにして遵守する。いくつかの態様では、これらの制御信号および/または命令は、ゲートウェイ200の中に設けられるか、それに接続されるか、または別に結合されるEPFD遵守回路252によって生成することができる。EPFD遵守回路252は、任意の適切な方法で実現することができ、かつ/または、たとえばCPU、ASIC、DSP、FPGAなどを含む、任意の適切なデバイスまたは構成要素を含み得る。少なくともいくつかの例示的な実施形態では、EPFD遵守回路252は、命令を含む1つまたは複数のプログラムを任意の適切な1つまたは複数のプロセッサで実行することによって実現することができる(または、EPFD遵守回路252の機能を実行することができる)。命令は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶することができる。
 
【0028】
  図2は、
図1のゲートウェイ201にも当てはまり得る、ゲートウェイ200の例示的なブロック図である。ゲートウェイ200は、いくつかのアンテナ205、RFサブシステム210、デジタルサブシステム220、公衆交換電話網(PSTN)インターフェース230、ローカルエリアネットワーク(LAN)インターフェース240、ゲートウェイインターフェース245、およびゲートウェイコントローラ250を含めて図示されている。RFサブシステム210は、アンテナ205およびデジタルサブシステム220に結合される。デジタルサブシステム220は、PSTNインターフェース230、LANインターフェース240、およびゲートウェイインターフェース245に結合される。ゲートウェイコントローラ250は、RFサブシステム210、デジタルサブシステム220、PSTNインターフェース230、LANインターフェース240、およびゲートウェイインターフェース245に結合される。
 
【0029】
  いくつかのRFトランシーバ212、RFコントローラ214、およびアンテナコントローラ216を含み得るRFサブシステム210は、フォワードフィーダリンク301Fを経由して衛星300へ通信信号を送信し、また衛星300からリターンフィーダリンク301Rを経由して通信信号を受信することができる。図を簡単にするために図示されていないが、RFトランシーバ212の各々は、送信回路および受信回路を含み得る。各受信回路は、受信通信信号を既知の方法でそれぞれ増幅およびダウンコンバートする、低雑音増幅器(LNA)およびダウンコンバータ(たとえば、混合器)を含み得る。加えて、各受信回路は、受信通信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログ-デジタルコンバータ(ADC)を含み得る(たとえば、デジタルサブシステム220によって処理するために)。各送信回路は、衛星300へ既知の方法で送信されることになる通信信号をそれぞれアップコンバートおよび増幅するための、アップコンバータ(たとえば、混合器)および電力増幅器(PA)を含み得る。加えて、各送信回路は、デジタルサブシステム220から受信したデジタル信号を衛星300へ送信されることになるアナログ信号に変換するための、デジタル-アナログコンバータ(DAC)を含み得る。
 
【0030】
  RFコントローラ214は、いくつかのRFトランシーバ212の様々な態様を制御するために(たとえば、搬送波周波数の選択、周波数および位相の較正、利得設定などに)使用することができる。アンテナコントローラ216は、アンテナ205の様々な態様を制御すること(たとえば、ビーム形成、ビームステアリング、利得設定、周波数調整など)ができる。
 
【0031】
  デジタルサブシステム220は、いくつかのデジタル受信機モジュール222、いくつかのデジタル送信機モジュール224、ベースバンド(BB)プロセッサ226、および制御(CTRL)プロセッサ228を含み得る。デジタルサブシステム220は、RFサブシステム210から受信した通信信号を処理し、この処理した通信信号をPSTNインターフェース230および/またはLANインターフェース240へ転送すること、ならびにPSTNインターフェース230および/またはLANインターフェース240から受信した通信信号を処理し、この処理した通信信号をRFサブシステム210へ転送することができる。
 
【0032】
  各デジタル受信機モジュール222は、ゲートウェイ200とUT 400との間の通信を管理するために使用される信号処理要素に相当し得る。RFトランシーバ212の受信回路のうちの1つが、入力信号を複数のデジタル受信機モジュール222に供給することができる。いくつかのデジタル受信機モジュール222を使用して、任意の所与の時間に処理されている衛星ビーム、およびあり得るダイバーシティモード信号のすべてに対応することができる。図を簡単にするために図示されていないが、各デジタル受信機モジュール222は、1つまたは複数のデジタルデータ受信機、サーチャ受信機、およびダイバーシティ結合器と復号器の回路を含み得る。サーチャ受信機は、搬送波信号の適切なダイバーシティモードがないかを探索するために使用することができ、またパイロット信号(または他の比較的一定したパターンの強い信号)がないかを探索するために使用することができる。
 
【0033】
  デジタル送信機モジュール224は、衛星300を経由してUT 400へ送信されることになる信号を処理することができる。図を簡単にするために図示されていないが、各デジタル送信機モジュール224は、送信のためにデータを変調する送信変調器を含み得る。各送信変調器の送信電力は、対応するデジタル送信電力コントローラ(簡単にするために図示せず)によって制御することができ、このコントローラは、(1)干渉低減および資源割り振りを目的として最小レベルの電力を適用し、(2)伝送経路における減衰および他の経路伝達特性を補償する必要があるときには適切なレベルの電力を適用することができる。
 
【0034】
  デジタル受信機モジュール222、デジタル送信機モジュール224、およびベースバンドプロセッサ226に結合されている制御プロセッサ228は、それだけには限らないが、信号処理、タイミング信号生成、電力制御、ハンドオフ制御、ダイバーシティ結合、およびシステムインターフェースなどの機能を実行するためのコマンドおよび制御信号を供給することができる。
 
【0035】
  制御プロセッサ228はまた、パイロット信号、同期信号、およびページングチャネル信号の生成および電力と、これらを送信電力コントローラ(簡単にするために図示せず)に結合することとを制御することもできる。パイロットチャネルは、データによって変調されない信号であり、反復する不変パターンまたは変化しないフレーム構造タイプ(パターン)またはトーンタイプ入力を使用することができる。たとえば、パイロット信号用のチャネルを形成するために使用される直交関数は一般に、すべて1または0などの一定値、または1および0が散在する構造化パターンなどのよく知られた反復パターンを有する。
 
【0036】
  ベースバンドプロセッサ226は、当技術分野でよく知られており、したがって本明細書では詳細に説明しない。たとえば、ベースバンドプロセッサ226は、(それだけには限らないが)符号器、データモデム、およびデジタルデータ交換記憶構成要素などの様々な既知の要素を含み得る。
 
【0037】
  PSTNインターフェース230は、外部PSTNとの間で直接、または
図1に示された追加のインフラストラクチャ106を介して、通信信号を供給し受信することができる。PSTNインターフェース230は、当技術分野でよく知られており、したがって本明細書では詳細に説明しない。他の実施形態では、PSTNインターフェース230は省略すること、またはゲートウェイ200を地上ネットワーク(たとえば、インターネット)に接続する他の適切なインターフェースに置き換えることができる。
 
【0038】
  LANインターフェース240は、外部LANとの間で通信信号を供給し受信することができる。たとえば、LANインターフェース240はインターネット108に直接、または
図1に示された追加のインフラストラクチャ106を介して、結合することができる。LANインターフェース240は、当技術分野でよく知られており、したがって本明細書では詳細に説明しない。
 
【0039】
  ゲートウェイインターフェース245は、
図1の衛星通信システム100と結合された1つまたは複数の他のゲートウェイとの間で(かつ/または、図を簡単にするために図示されていない、他の衛星通信システムに結合されたゲートウェイとの間で)通信信号を供給し受信することができる。いくつかの実施形態では、ゲートウェイインターフェース245は、1つまたは複数の専用通信ラインまたはチャネル(図を簡単にするために図示せず)を介して、他のゲートウェイと通信することができる。他の実施形態では、ゲートウェイインターフェース245は、PSTN 110、および/またはインターネット108(
図1も参照)などの他のネットワークを使用して、他のゲートウェイと通信することができる。少なくとも1つの実施形態では、ゲートウェイインターフェース245は、インフラストラクチャ106を介して他のゲートウェイと通信することができる。
 
【0040】
  全体的なゲートウェイ制御は、ゲートウェイコントローラ250によって行うことができる。ゲートウェイコントローラ250は、衛星300の資源の利用をゲートウェイ200によって計画および制御することができる。たとえば、ゲートウェイコントローラ250は、傾向を分析し、トラフィックプランを生成し、衛星資源を割り振り、衛星位置を監視(または追跡)し、ゲートウェイ200および/または衛星300の動作を監視することができる。ゲートウェイコントローラ250はまた、地上の衛星コントローラ(図を簡単にするために図示せず)に結合することもでき、このコントローラは、衛星300の軌道を維持および監視し、衛星利用情報をゲートウェイ200まで中継し、衛星300の位置を追跡し、かつ/または衛星300の様々なチャネル設定を調整する。
 
【0041】
  図2に示された例示的な実施形態では、ゲートウェイコントローラ250は地方時・周波数・位置基準器251を含み、これは、地方時および周波数の情報をRFサブシステム210、デジタルサブシステム220、および/またはインターフェース230、240、および245に提供することができる。時間および周波数の情報は、ゲートウェイ200の様々な構成要素を互いに、かつ/または衛星300と同期させるために使用することができる。地方時・周波数・位置基準器251はまた、衛星300の位置情報(たとえば、天体位置表データ)をゲートウェイ200の様々な構成要素に提供することもできる。さらに、
図2ではゲートウェイコントローラ250の中に含まれるように表されているが、他の実施形態では、地方時・周波数・位置基準器251は、ゲートウェイコントローラ250に(および/またはデジタルサブシステム220およびRFサブシステム210のうちの1つ以上に)結合されている別個のサブシステムであり得る。
 
【0042】
  図2に表された例示的な実施形態では、ゲートウェイコントローラ250は、いくつかの制御信号および/または命令を生成するためのEPFD遵守回路252を含むことができ、これら制御信号および/または命令は、1つまたは複数の対応する衛星300へ送信されると、対応する衛星300の各々が、1つまたは複数のビームを、NGSO衛星に対するITUのEPFD限界を遵守するように選択的に使用不能にすることになり得る。より詳細に以下で説明するように、対応する衛星300の各々は、受信した制御信号および/または命令に基づいて、その衛星ビームのうちの1つまたは複数を、対応する衛星300によって得られるカバレッジ内のギャップを最小限にするようにして選択的に使用不能にすることができる。
 
【0043】
  図を簡単にするために
図2には示されていないが、ゲートウェイコントローラ250はまた、ネットワーク制御センタ(NCC)および/または衛星制御センタ(SCC)に結合することもできる。たとえば、ゲートウェイコントローラ250は、SCCが衛星300と直に通信して、たとえば天体位置表データを衛星300から取得することを可能にし得る。ゲートウェイコントローラ250はまた、ゲートウェイコントローラ250がそのアンテナ205を適正に向けること(たとえば、適切な衛星300に)、ビーム送信をスケジュールすること、ハンドオーバを調整すること、および他のよく知られた様々な機能を実行することを可能にする、処理された情報を受信することもできる(たとえば、SCCおよび/またはNCCから)。少なくともいくつかの実施形態では、NCCおよび/またはSCCは、関連したNGSO衛星配置内のいくつかの衛星300(またはすべての衛星300)に対する制御信号および/または命令を生成するための、いくつかのEPFD遵守回路252を含み得る。NCCおよび/またはSCCは、制御信号および/または命令を衛星300へ、ゲートウェイ200などの1つまたは複数のゲートウェイを介して送信することができる。いくつかの態様では、EPFD遵守回路252は、NCCおよび/またはSCCの中に存在することができ、ゲートウェイ200は、EPFD遵守回路252を含まないことがある。
 
【0044】
  図3は、説明だけを目的とする、衛星300の例示的なブロック図である。具体的な衛星構成は大きく変わる可能性があり、またオンボード処理を含むことも含まないこともあることを理解されたい。さらに、単一の衛星として図示されているが、衛星間通信を使用する2つ以上の衛星により、ゲートウェイ200とUT 400との間の機能的接続を行うこともできる。開示がいかなる特定の衛星配置にも限定されないこと、ならびに、ゲートウェイ200とUT 400との間の機能的接続を行うことができる任意の衛星または衛星の組合せは、本開示の範囲内にあると考えられることを理解されたい。一例では、衛星300は、フォワードトランスポンダ310、リターントランスポンダ320、発振器330、コントローラ340、フォワードリンクアンテナ351〜352、およびリターンリンクアンテナ361〜362を含むように図示されている。対応するチャネルまたは周波数帯域内の通信信号を処理できるフォワードトランスポンダ310は、第1のバンドパスフィルタ311(1)〜311(N)の各々1つ、第1のLNA 312(1)〜312(N)の各々1つ、周波数コンバー313(1)〜313(N)の各々1つ、第2のLNA 314(1)〜314(N)の各々1つ、第2のバンドパスフィルタ315(1)〜315(N)の各々1つ、およびPA 316(1)〜316(N)の各々1つを含み得る。PA 316(1)〜316(N)の各々は、
図3に示されるように、アンテナ352(1)〜352(N)の各々1つに結合される。
 
【0045】
  それぞれのフォワード経路FP(1)〜FP(N)内で、第1のバンドパスフィルタ311は、それぞれのフォワード経路FPのチャネルまたは周波数帯域内の周波数を有する信号成分を通過させ、それぞれのフォワード経路FPのチャネルまたは周波数帯域の外側の周波数を有する信号成分をフィルタ除去する。したがって、第1のバンドパスフィルタ311のパスバンドは、それぞれのフォワード経路FPと対応付けられたチャネルの幅に対応する。第1のLNA 312は、受信した通信信号を周波数コンバータ313で処理するのに適したレベルまで増幅する。周波数コンバータ313は、それぞれのフォワード経路FP内の通信信号の周波数を変換する(たとえば、衛星300からUT 400へ送信するのに適した周波数に)。第2のLNA 314は、周波数変換された通信信号を増幅し、第2のバンドパスフィルタ315は、対応付けられたチャネル幅の外側の周波数を有する信号成分をフィルタ除去する。PA 316は、フィルタリングされた信号をそれぞれのアンテナ352を介してUT 400へ送信するのに適した電力レベルまで増幅する。個数Nのリターン経路RP(1)〜RP(N)を含むリターントランスポンダ320は、通信信号をUT 400からリターンサービスリンク302Rに沿ってアンテナ361(1)〜361(N)を経由して受信し、通信信号をゲートウェイ200へ、リターンフィーダリンク301Rに沿って1つまたは複数のアンテナ362を経由して送信する。対応するチャネルまたは周波数帯域内の通信信号を処理できるリターン経路RP(1)-RP(N)の各々は、アンテナ361(1)〜361(N)の各々1つと結合することができ、また、第1のバンドパスフィルタ321(1)〜321(N)の各々1つ、第1のLNA 322(1)〜322(N)の各々1つ、周波数コンバータ323(1)〜323(N)の各々1つ、第2のLNA 324(1)〜324(N)の各々1つ、および第2のバンドパスフィルタ325(1)〜325(N)の各々1つを含み得る。
 
【0046】
  それぞれのリターン経路RP(1)〜RP(N)内で、第1のバンドパスフィルタ321は、それぞれのリターン経路RPのチャネルまたは周波数帯域内の周波数を有する信号成分を通過させ、それぞれのリターン経路RPのチャネルまたは周波数帯域の外側の周波数を有する信号成分をフィルタ除去する。したがって、第1のバンドパスフィルタ321のパスバンドは、いくつかの実施形態では、それぞれのリターン経路RPと対応付けられたチャネルの幅に対応する。第1のLNA 322は、受信したすべての通信信号を周波数コンバータ323で処理するのに適したレベルまで増幅する。周波数コンバータ323は、それぞれのリターン経路RP内の通信信号の周波数を変換する(たとえば、衛星300からゲートウェイ200へ送信するのに適した周波数に)。第2のLNA 324は、周波数変換された通信信号を増幅し、第2のバンドパスフィルタ325は、対応付けられたチャネル幅の外側の周波数を有する信号成分をフィルタ除去する。リターン経路RP(1)〜RP(N)からの各信号は結合され、1つまたは複数のアンテナ362へPA 326を経由して供給される。PA 326は、結合信号をゲートウェイ200への送信のために増幅する。
 
【0047】
  発振信号を生成する任意の適切な回路またはデバイスであり得る発振器330は、フォワード局部発振器信号LO(F)をフォワードトランスポンダ310の周波数コンバータ313(1)〜313(N)に供給し、リターン局部発振器信号LO(R)をリターントランスポンダ320の周波数コンバータ323(1)〜323(N)に供給する。たとえば、LO(F)信号は、周波数コンバータ313(1)〜313(N)で使用して通信信号を、ゲートウェイ200から衛星300へ信号を送信することに対応付けられた周波数帯域から、衛星300からUT 400へ信号を送信することに対応付けられた周波数帯域へと変換することができる。LO(R)信号は、周波数コンバータ323(1)〜323(N)で使用して通信信号を、UT 400から衛星300へ信号を送信することに対応付けられた周波数帯域から、衛星300からゲートウェイ200へ信号を送信することに対応付けられた周波数帯域へと変換することができる。
 
【0048】
  コントローラ340は、フォワードトランスポンダ310、リターントランスポンダ320、および発振器330に結合されており、(それだけには限らないが)チャネル割り振りを含む衛星300の様々な動作を制御することができる。一態様では、コントローラ340は、プロセッサ(図を簡単にするために図示せず)に結合されたメモリを含み得る。メモリは、命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードドライブなどの1つまたは複数の不揮発性メモリ要素)を含むことができ、この命令は、プロセッサで実行されると、衛星300が(それだけには限らないが)
図10および
図11に関して本明細書で説明されたものを含む動作を行う。
 
【0049】
  UT 400または401において使用するためのトランシーバの一例が、
図4に示されている。
図4で、フォワードリンク通信信号を(たとえば、衛星300から)受信するための少なくとも1つのアンテナ410が設けられており、フォワードリンク通信信号は、アナログ受信機414へ渡され、そこでダウンコンバートされ、増幅され、デジタル化される。デュプレクサ要素412がしばしば、同一のアンテナが送信機能と受信機能の両方の役割を果たすことができるように使用される。あるいは、UTトランシーバが、別個の送信周波数および受信周波数で動作させるための別々のアンテナを使用することもできる。
 
【0050】
  アナログ受信機414からのデジタル通信信号出力は、少なくとも1つのデジタルデータ受信機416Aおよび少なくとも1つのサーチャ受信機418に渡される。追加の416Nまでのデジタルデータ受信機を使用して、関連技術分野の当業者には明らかなように、所望のレベルの信号ダイバーシティをトランシーバの複雑さの容認可能レベルに応じて得ることができる。
 
【0051】
  少なくとも1つのユーザ端末制御プロセッサ420が、デジタルデータ受信機416A〜416Nおよびサーチャ受信機418に結合される。制御プロセッサ420は、多くの機能がある中で、基本信号処理、タイミング、電力およびハンドオフ制御または調整、ならびに、信号搬送波に使用される周波数の選択を行う。制御プロセッサ420によって実行できる他の基本制御機能には、様々な信号波形を処理するために使用されるべき機能の選択または操作がある。制御プロセッサ420による信号処理には、相対信号強度の決定、および様々な関連信号パラメータの計算が含まれ得る。タイミングおよび周波数などの、そのような信号パラメータの計算には、測定の効率または速度の向上、または制御処理資源の割り振りの改善を行うための、追加または別個の専用回路を使用することが含まれ得る。
 
【0052】
  デジタルデータ受信機416A〜416Nの出力は、ユーザ端末内でデジタルベースバンド回路422に結合される。デジタルベースバンド回路422は、たとえば
図1に示されたUE 500との間で情報を転送するために使用される処理要素および表示要素を含む。
図4を参照すると、ダイバーシティ信号処理が使用される場合、デジタルベースバンド回路422は、ダイバーシティ結合器および復号器を含み得る。これらの要素の一部はまた、制御プロセッサ420の制御下で、またはそれと通信して、動作することもできる。
 
【0053】
  音声または他のデータが、ユーザ端末によって作り出される出力メッセージまたは通信信号として用意される場合、デジタルベースバンド回路422は、送信用の所望のデータを受信し、記憶し、処理し、またそれとは別に用意するために使用される。デジタルベースバンド回路422はこのデータを、制御プロセッサ420の制御下で動作している送信変調器426に供給する。送信変調器426の出力は電力コントローラ428に渡され、このコントローラは、出力信号をアンテナ410から衛星(たとえば、衛星300)へ最終的に送信するための送信電力増幅器430に対し出力電力制御を行う。
 
【0054】
  図4で、UTトランシーバはまた、制御プロセッサ420と結合されたメモリ432を含む。メモリ432は、制御プロセッサ420によって実行するための命令、ならびに制御プロセッサ420によって処理するためのデータを含み得る。
 
【0055】
  図4に示された例では、UT 400はまた、任意選択の地方時、周波数および/または位置基準器434(たとえば、GPS受信機)を含み、この基準器は、制御プロセッサ420に地方時、周波数および/または位置情報を、たとえばUT 400の時間および周波数の同期をとることを含む様々な用途のために提供する。
 
【0056】
  デジタルデータ受信機416A〜Nおよびサーチャ受信機418は、特定の信号を復調および追跡するように信号補正要素とともに構成される。サーチャ受信機418は、パイロット信号、または他の比較的一定したパターンの強い信号がないかを探索するために使用され、デジタルデータ受信機416A〜Nは、検出されたパイロット信号に関連した他の信号を復調するために使用される。しかし、デジタルデータ受信機416は、パイロット信号を取得後に追跡するように割り当てて、信号チップエネルギー対信号雑音の比を正確に決定し、パイロット信号強度を示すことができる。したがって、これらのユニットの出力を監視して、パイロット信号または他の信号のエネルギーまたは周波数を決定することができる。これらの受信機はまた、周波数追跡要素も使用し、この要素を監視して、復調されている信号について現在の周波数およびタイミングの情報を制御プロセッサ420に提供することができる。
 
【0057】
  制御プロセッサ420はそのような情報を使用して、同じ周波数帯域に基準化した場合に適宜、受信信号が発振器周波数からどの程度オフセットしているかを決定することができる。周波数誤差および周波数シフトに関連したこの情報および他の情報は、要望に応じて記憶装置またはメモリ要素432に記憶することができる。
 
【0058】
  制御プロセッサ420はまた、UT 400と1つまたは複数のUEとの間の通信が可能になるように、UEインターフェース回路450に結合することもできる。UEインターフェース回路450は、様々なUE構成物と通信する要望通りに構成することができ、それに応じて様々なトランシーバおよび関連した構成要素を、サポートされる様々なUEと通信するために使用される様々な通信技術に応じて、含み得る。たとえば、UEインターフェース回路450は、1つまたは複数のアンテナ、広域ネットワーク(WAN)トランシーバ、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)トランシーバ、ローカルエリアネットワーク(LAN)インターフェース、公衆交換電話網(PSTN)インターフェース、および/またはUT 400と通信する1つまたは複数のUEと通信するように構成された他の既知の通信技術を含み得る。
 
【0059】
  図5は、UE 500の一例を示すブロック図であり、
図1のUE 501にもまた当てはまり得る。
図5に示されるUE 500は、モバイルデバイス、ハンドヘルドコンピュータ、タブレット、ウェアラブルデバイス、スマートウォッチ、または、たとえばユーザと対話できる任意のタイプのデバイスであり得る。加えて、UEは、様々な最終エンドユーザデバイスとの、および/または様々な公衆網もしくは私設網との接続性を提供するネットワーク側デバイスであり得る。
図5に示された例では、UE 500は、LANインターフェース502、1つまたは複数のアンテナ504、広域ネットワーク(WAN)トランシーバ506、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)トランシーバ508、および衛星測位システム(SPS)受信機510を備え得る。SPS受信機510は、全地球測位システム(GPS)、全地球的航法衛星システム(GLONASS)、および/または他の任意の全地球的もしくは地域的衛星ベース測位システムと互換性があり得る。代替態様では、UE 500は、たとえばLANインターフェース502、WANトランシーバ506、および/またはSPS受信機510が付いている、または付いていない、Wi-FiトランシーバなどのWLANトランシーバ508を含み得る。さらに、UE 500は、LANインターフェース502、WANトランシーバ506、WLANトランシーバ508、および/またはSPS受信機510が付いている、または付いていない、ブルートゥース(登録商標)、ジグビーおよび他の既知の技術などの追加のトランシーバを含み得る。したがって、UE 500について図示された要素は、単なる一例の構成として提示されており、本明細書に開示された様々な態様によるUEの構成を限定するものではない。
 
【0060】
  図5に示された例では、プロセッサ512がLANインターフェース502、WANトランシーバ506、WLANトランシーバ508、およびSPS受信機510に接続される。任意選択で、モーションセンサ514および他のセンサもまた、プロセッサ512に結合され得る。
 
【0061】
  メモリ516がプロセッサ512に接続される。一態様では、メモリ516は、
図1に示されたUT 400との間で送受信できるデータ518を含み得る。
図5を参照すると、メモリ516はまた、たとえばUT 400と通信するための処理ステップを実行するためにプロセッサ512によって実行されるべき、記憶命令520を含むこともできる。さらに、UE 500はまた、ユーザインターフェース522を含むこともでき、これは、たとえば光、音もしくは触覚の入力または出力を介して、プロセッサ512の入力または出力をユーザとインターフェースするためのハードウェアおよびソフトウェアを含み得る。
図5に示された例では、UE 500は、ユーザインターフェース522に接続されたマイクロホン/スピーカ524、キーパッド526およびディスプレイ528を含む。あるいは、ユーザの触覚入力または出力は、たとえばタッチスクリーンディスプレイを使用することによって、ディスプレイ528と統合することもできる。再び、
図5に示された要素は、本明細書に開示されたUEの構成を限定するものではなく、UE 500に含まれる要素は、デバイスの最終用途、およびシステム技術者の設計選択肢に基づいて変わることを理解されたい。
 
【0062】
  加えて、UE 500は、たとえば
図1に示されたUT 400と通信するが分離している、モバイルデバイスまたは外部ネットワーク側デバイスなどのユーザデバイスであり得る。あるいは、UE 500およびUT 400は、単一の物理的なデバイスに一体化している部分であり得る。
 
【0063】
  上記のように、GSO衛星は、地表の上約35,000kmの静止軌道に配置され、地球のまわりを赤道軌道上で地球自体の角速度で回る。対照的に、NGSO衛星は非静止軌道に配置され、相対的に低い高度の(たとえば、GSO衛星と比べて)、地表の様々な経路の上で地球のまわりを回る。
 
【0064】
  たとえば、
図6は、地球630のまわりの軌道上のNGSO衛星300A〜300Hの第1の配置610、およびGSO衛星621A〜621Dの第2の配置620を描く
図600を示す。
図6では8つだけのNGSO衛星300A〜300Hを含むように描かれているが、第1の配置610には、たとえば世界的な衛星カバレッジを得るために、任意の適切な数のNGSO衛星が含まれ得る。いくつかの実施形態では、第1の配置610には600基から900基の間のNGSO衛星が含まれ得る。同様に、
図6には4つだけのNGSO衛星621A〜621Dを含むように描かれているが、第2の配置620には、たとえば世界的な衛星カバレッジを得るために、任意の適切な数のGSO衛星が含まれ得る。加えて、図を簡単にするために
図6には示されていないが、GSO衛星の1つもしくは複数の他の配置、および/またはNGSO衛星の1つもしくは複数の他の配置が、地球630の上の軌道上にあり得る。
 
【0065】
  第1の配置610は、以下でNGSO衛星配置610と呼ばれることがあるが、第1の衛星サービスを地球630上のすべてではないにしてもほとんどの領域に提供することができる。第2の配置620は、以下でGSO衛星配置620と呼ばれることがあるが、第2の衛星サービスを地球630上の大部分に提供することができる。第1の衛星サービスは、第2の衛星サービスとは異なり得る。いくつかの態様では、NGSO衛星配置610によって提供される第1の衛星サービスは、グローバルブロードバンドインターネットサービスに対応することができ、GSO衛星配置620によって提供される第2の衛星サービスは、衛星放送(たとえば、テレビジョン)サービスに対応することができる。さらに、少なくともいくつかの実施形態では、NGSO衛星300A〜300Hの各々は、
図1および
図3の衛星300の一例であり得る。
 
【0066】
  NGSO衛星300A〜300Hは、任意の適切な数の非静止軌道面において地球630を周回することができ(図を簡単にするために図示せず)、軌道面の各々には、複数のNGSO衛星が含まれ得る(たとえば、NGSO衛星300A〜300Hのうちの1つまたは複数など)。非静止軌道面には、たとえば、極軌道パターンおよび/またはウォーカ軌道パターンが含まれ得る。したがって、地球630上の静止している観測者には、NGSO衛星300A〜300Hは、地表全体にわたり複数の異なる経路において空を横切って速く移動するように見え、NGSO衛星300A〜300Hの各々が、対応する経路を地表全体にわたりカバーする。
 
【0067】
  対照的に、GSO衛星621A〜621Dは、地球630のまわりの静止軌道上にあることができ、したがって、地球630上の静止している観測者には、地球の赤道631の上空にある固定位置に静止して見え得る。GSO衛星621A〜621Dの各々は、地球630上の対応するGSO地上局との相対的に固定された見通し線を維持する。たとえば、GSO衛星621Bは、
図6に、GSO地上局625との相対的に固定された見通し線を維持しているように描かれている。地球630の表面の所与の点に対し、GSO衛星621A〜621Dを置くことができる点の円弧が空にあり得ることに留意されたい。このGSO衛星位置の円弧は本明細書でGSO円弧640と呼ばれることがある。GSO地上局(たとえば、GSO地上局625など)の受信領域は、一般に固定された方位および固定されたビーム幅(ITU規格によって規定されたビーム幅など)のアンテナパターンによって画定することができる。たとえば、GSO地上局625は、ビーム626をGSO衛星621Bに向けているように描かれている。
 
【0068】
  いくつかの実施形態では、NGSO衛星300A〜300Hの各々は、
図1のUT 400などのユーザ機器との、および/または
図1のゲートウェイ200などのゲートウェイとの高速フォワードリンク(たとえば、ダウンリンク)を得るために、いくつかの指向性アンテナを含み得る。高利得指向性アンテナは、放射を相対的に細いビーム幅に集束することによって(無指向性アンテナに関連した相対的に広いビーム幅と比べて)、高いデータ転送速度を実現し、また無指向性アンテナよりも干渉の影響を受けにくくなる。たとえば、
図6に表されているように、NGSO衛星300Aから送信されるビーム612Aによって得られるカバレッジ領域613Aは、GSO衛星621Aから送信されるビーム622Aによって得られるカバレッジ領域623Aと比べて、相対的に小さくなり得る。したがって、図を簡単にするために
図6には示されていないが、NGSO衛星300A〜300Hの各々のフットプリントは、GSO衛星621A〜621Dの各々のフットプリントよりも著しく小さくなり得る。
 
【0069】
  NGSO衛星300A〜300Hは、GSO衛星621A〜621Dが使用する同一の周波数スペクトルの少なくとも一部を使用してUTおよび地上ゲートウェイ(図を簡単にするために
図6には示されていない)と通信できるので、NGSO衛星300A〜300Hは、ITUによって制定されたEPFD限界を超過することがない。所与のNGSO衛星とGSO衛星の両方から送信したものが、たとえばGSO地上局のビームパターン(たとえば、アンテナパターン)によって画定されたGSO地上局の受信領域内の地表の一点で受信された場合には、所与のNGSO衛星は、EPFD限界を超過する、かつ場合によりGSO衛星通信に干渉するおそれが最も高くなる。
図6の例では、GSO地上局625のビームパターン626は、GSO地上局625からGSO衛星621Bまでの線、および関連した角度ビーム幅によって画定され得る。NGSO衛星300A〜300Hは、その送信がEPFD限界を超過する、かつ/またはGSO衛星通信に干渉する可能性があるかどうかを、GSO円弧とGSO地上局とNGSO衛星との間の角度を比較し、次に、その角度がGSO地上局のビームパターン内に入るかどうかを判定することによって、判断することができる。GSO衛星621A〜621Dのフットプリントが相対的に大きく、またNGSO衛星配置610内の衛星の数が相対的に多いので、ITUによって制定されたEPFD限界を遵守することは、困難ではあるが、NGSO衛星配置610の動作にとって重要である。
 
【0070】
  図7Aの例示的な
図700もまた参照すると、第1のNGSO衛星300Aが、ビーム612Aを地表のカバレッジ領域613Aに向けているように描かれ、また第2のNGSO衛星300Bが、ビーム612Bを地表の第2のカバレッジ領域613Bに向けているように描かれている。実際の実施形態では、NGSO衛星300Aおよび/または300Bはそれぞれ、任意の数のビームを送信し、そのビームのうちの1つまたは複数が、地表の重なり合う領域に向けられ得る。本明細書では、衛星のフットプリントとは、全UTが(最小仰角を超えて)衛星と通信できる範囲の(地球上の)表面積のことである。衛星の(たとえば、対応するアンテナから)送信されるビームによってカバーされる領域は、本明細書ではビームカバレッジ領域と呼ばれる。したがって、衛星のフットプリントは、衛星から送信されるいくつかのビームによって得られる、いくつかのビームカバレッジ領域によって画定され得る。
 
【0071】
  より具体的には、たとえば
図7Aの例では、第2のNGSO衛星300Bを考察すると、第2のNGSO衛星300Bは、その地表のビームのカバレッジ領域(一例として、ビーム612Bのカバレッジ領域613B)内の各点について、地球上のその点から第2のNGSO衛星300Bまで延びる第1の線と、地球上のその点からGSO円弧640に沿った位置(たとえば、GSO衛星があり得る位置に対応するGSO円弧640に沿った位置)まで延びる複数の第2の線それぞれとの間の角度を決定することができる。図を簡単にするために、第1および第2の線は
図7Aに示されていない。決定された角度は、本明細書で「円弧角(α)」と呼ばれることがある。次に、地球上の点について、円弧角の最小値が決定され得る。この処理が、第2のNGSO衛星300Bのビームのカバレッジ領域内のすべての点について繰り返され得る。次に、ビームのカバレッジ領域内の地球630上の任意の点に関し最小円弧角が閾値角度(たとえば、2°)未満である場合、第2のNGSO衛星300Bは、その干渉ビームを使用不能にして、GSO衛星通信に干渉するおそれがないようにすることができる。
 
【0072】
  決定された円弧角は、NGSO衛星に対するEPFD限界についてのITUのガイダンスに従って画定される排除区域に対応し得る。たとえば、
図7Bは、例示的なGSO地上局625に対して、EPFD限界についてのITUのガイダンスに従って画定され得る例示的な排除区域710を描く
図701を示す。第2のNGSO衛星300Bの視野から、3本の等α線711および712A〜712Bを地球630の表面に「引く」ことができる。等α線711および712A〜712Bの各々は、同じ値の円弧角αを共有する地球630の表面の点を表し得る。より具体的には、第1の等α線711は、α=0になる地球630の表面の点を表し得る。第1の等α線711は、GSO円弧640上の点からNGSO衛星300Bを通って地球630上の点まで延びる複数の見通し線715によって画定することができる。その場合、見通し線715に対応する地球上の点を用いて、第1の等α線711(たとえば、αの値=0)を画定することができる。第2の等α線712Aは、α=+α
0になる地球630の表面の点を表し、第3の等α線712Bは、α=-α
0になる地球630の表面の点を表し得る。
図7Aに関して上述した閾値角度であり得るα
0の値は、規定EPFD限界に対応し得る。いくつかの態様では、規定EPFD限界は、約-160dB(W/Hz)であり得る。その場合、排除区域710は、「境界」等α線712A〜712B間にある地球630の表面領域と定義することができる。したがって、排除区域710内にある地球630上の点は、規定EPFD限界以上(たとえば、-160dB以上)のEPFD値になり得る。
 
【0073】
  NGSO衛星に対するEPFD限界についてのITUのガイダンスに従って、第2のNGSO衛星300Bは、地球上の1つまたは複数の点で第2のNGSO衛星300BがGSO円弧640の閾値角α
0内に見える場合には(たとえば、排除区域710内にある点に関して)、そのビームのどれも使用不能にする。言い換えると、NGSO衛星送信に対するITUのEPFD限界を遵守するための少なくとも1つの従来の干渉緩和技法によれば、第2のNGSO衛星300Bから送信されるビームの-160dB PFD等高線が排除区域710と重なり合う場合には、第2のNGSO衛星300Bはビームをオフにする。本明細書では、ビームのPFD等高線は、地球上のビームのカバレッジ領域の、ビームのPFDが規定EPFD限界以上になる一部分を表示し得る。したがって、たとえばビームの-160dB PFD等高線は、ビームのPFDが-160dB以上になる地球上のカバレッジ領域を指し得る。
 
【0074】
  しかし、第2のNGSO衛星300Bのビームを
図7A〜
図7Bに関して上述したように使用不能にすることは、考察すれば、第2のNGSO衛星300BのビームがEPFD限界を超過しないこと、および/または実際にはGSO衛星通信に干渉しない可能性があることを示し得る、他の要素を考慮に入れていない。
図7Aの例では、第2のNGSO衛星300Bから送信されるビーム612Bを特に考察すると、GSO衛星621Aに付随する受信機ビーム626は、ビーム612Bのカバレッジエリア613B内に終点があり、したがって、ビームカバレッジエリア613B内の地球630上のすべての点について、最小円弧角はゼロに近くなり得る。したがって、EPFD限界を遵守するための従来の手法を使用すると、第2のNGSO衛星300Bは、ビームカバレッジエリア613B内の地球630上のすべての点について最小円弧角が閾値角を超えるまで(たとえば、第2のNGSO衛星300Bがその軌道に沿って位置を変えることでビームカバレッジエリア613Bが地表を横切って動くことにより)、ビーム612Bを使用不能にすることになる。
 
【0075】
  しかし、第2のNGSO衛星300Bからのビーム612Bの送信電力が閾値レベル未満である場合には、ビーム612Bは、決定された円弧角のすべてが閾値角度未満である場合でも、GSO衛星621Aの通信に干渉するおそれがない。ビーム612Bを使用不能にすると、NGSO衛星配置610によって提供される地球630上のカバレッジエリア内にギャップが生じるので、第2のNGSO衛星300Bがビーム612Bを、それが実際にGSO衛星通信に干渉するときに、かつ/またはEPFD限界を実際に超過するときだけに、使用不能にすることが望ましい(たとえば、ビームのPFD等高線が排除区域に触れるとNGSO衛星ビームを自動的に使用不能にするのではなく)。
 
【0076】
  例示的な実施形態によれば、NGSO衛星は、その1つまたは複数のビームを使用不能にするかどうかを決定するときに、その送信特性を考慮に入れることができる。より具体的には、NGSO衛星から送信されるビームの各々について、ビームの送信特性を使用して、(1)GSO衛星送信に潜在的に干渉し得るビームのカバレッジエリアの第1の領域と、(2)GSO衛星通信に干渉しないビームのカバレッジエリアの第2の領域とを決定することができる。次いで、第1の領域内の点ごとに、NGSO衛星とGSO円弧との間の最小円弧角を決定することができる。決定された最小円弧角が、ビームのカバレッジエリアの第1の領域内のどれかの点について閾値角未満である場合には、NGSO衛星はそのビームを使用不能にすることができる。しかし、従来の手法とは異なり、ビームのカバレッジエリアの第2の領域はGSO衛星通信に干渉しないと定義できるので、たとえば、ビームのカバレッジエリアの第2の領域の最小円弧角は、決定されなくてもよい。したがって、本開示のいくつかの態様によれば、第1の領域内の点に対して測定された最小円弧角が閾値角未満であるNGSO衛星は、第2の領域内の点に対して測定された最小円弧角を考慮に入れずに、そのビームを使用不能にすることができる。
 
【0077】
  いくつかの実施形態では、NGSO衛星は、最小円弧角が閾値角未満であるビームの方向を変えて(たとえば、ビームステアリング技法および/またはビーム成形技法を使用して)、結果として得られるビームカバレッジエリアがGSO干渉基準を超えないようにすることができる。ビームの方向を変えることによって、ビームを使用不能にすることとは対照的に、ビームは、既存のビームカバレッジエリアに部分的なカバレッジを提供し、最小円弧角基準を超過しない衛星の他のカバレッジエリアに追加のカバレッジを提供し、かつ/またはNGSO衛星配置610内の他の衛星のカバレッジエリアに追加のカバレッジを提供することができる。加えて、または一代替形態として、NGSO衛星配置610内の1つまたは複数の他のNGSO衛星は、1つまたは複数のビームを、使用不能にされたビームのカバレッジエリアの部分に方向を変えることができる。NGSO衛星配置610内の他のNGSO衛星から送信される1つまたは複数の他のビームは、使用不能にされたビームが到着したのとは異なる角度で到着することができ、したがって、1つまたは複数の他のビームは、閾値角よりも大きい最小円弧角を有し得る。より詳細に以下で説明するように、使用不能にされたビームと関連したカバレッジエリアの部分に1つまたは複数の他のビームの方向を変える機能により、NGSO衛星配置610によって提供されるサービスエリア内のギャップを低減させることができる。
 
【0078】
  図8は、例示的な実施形態による例示的なコントローラ850のブロック図である。本明細書の議論の目的のために、コントローラ850は、
図2のゲートウェイコントローラ250および/または
図3のコントロール340の(またはその中で実施された)一例であり得る。いくつかの実施形態では、コントローラ850は、EPFD遵守回路252の機能を実行することができる。別法として、または付加物として、コントローラ850は、
図2に関して上述したNCCおよび/またはSCCの中で、またはそれに結合して実施することができる。
 
【0079】
  コントローラ850は、少なくともプロセッサ851およびメモリ852を含む。メモリ852は、以下のソフトウェアモジュール(SW)を記憶できる非一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードドライブなどの1つまたは複数の不揮発性メモリ要素)を含むことができる。
  ・たとえば
図11の1つまたは複数の動作について説明されているように、衛星300の現在の位置を決定しやすくするためのビーム位置決定ソフトウェアモジュール825Aと、
  ・たとえば
図11の1つまたは複数の動作について説明されているように、衛星300の決定された現在の位置に対するGSO円弧の位置を決定しやすくするためのGSO円弧位置特定ソフトウェアモジュール852Bと、
  ・たとえば
図11の1つまたは複数の動作について説明されているように、衛星300の1つまたは複数のビームを使用可能または使用不能にしやすくするための、かつ/または衛星300の1つまたは複数のビームのいくつかのパラメータ(たとえば、アンテナ構成、ビームステアリング、アンテナ利得、および/または送信電力レベル)を調整するための、ビーム使用可能化・構成ソフトウェアモジュール852Cと、
  ・たとえば
図11の1つまたは複数の動作について説明されているように、衛星300のビームの少なくとも1つのビームカバレッジエリアの第1の領域と第2の領域との間の境界に関連するPFD等高線を決定しやすくするための領域等高線決定ソフトウェアモジュール852Dと、
  ・たとえば
図11の1つまたは複数の動作について説明されているように、ビームカバレッジエリアの第1の領域内の点からのGSO円弧と衛星300との間の円弧角を決定しやすくするための円弧角測定ソフトウェアモジュール852E。
各ソフトウェアモジュールは、プロセッサ851によって実行されると、対応する機能をコントローラ850に実行させる命令を含む。したがって、メモリ852の非一時的コンピュータ可読媒体は、
図8の動作の全部または一部を実行するための命令を含む。
 
【0080】
  プロセッサ851は、コントローラ850に記憶された(たとえば、メモリ852内に)1つまたは複数のソフトウェアプログラムのスクリプトまたは命令を実行できる、任意の適切な1つまたは複数のプロセッサであり得る。たとえば、プロセッサ851は、ビーム位置決定ソフトウェアモジュール852Aを実行して、衛星300の現在の位置を決定しやすくすることができる。プロセッサ851はまた、GSO円弧位置特定ソフトウェアモジュール852Bを実行して、衛星300の決定された現在の位置に対するGSO円弧の位置を決定しやすくすることもできる。プロセッサ851はまた、ビーム使用可能化・構成ソフトウェアモジュール852Cを実行して、衛星300の1つまたは複数のビームを使用可能または使用不能にしやすくし、かつ/または衛星300の1つまたは複数のビームのいくつかのパラメータ(たとえば、アンテナ構成、ビームステアリング、アンテナ利得、および送信電力レベル)を調整することができる。プロセッサ851によってビーム使用可能化・構成ソフトウェアモジュール852Cを実行してまた、衛星300の1つまたは複数のビームを成形する、たとえば、衛星300の1つまたは複数のビームを動かす、再方向付けする、および/またはサイズ変更することもできる。少なくとも1つの例示的な実施形態では、フェーズドアレイアンテナ(図を簡単にするために図示せず)を使用して1つまたは複数のビームを、1つまたは複数のビームがEPFD限界を超過することに応答して成形することができる。プロセッサ851はまた、領域等高線決定ソフトウェアモジュール852Dを実行して、衛星300のビームの少なくとも1つのビームカバレッジエリアの第1の領域と第2の領域との間の境界に関連するPFD等高線を決定しやすくすることもできる。プロセッサ851はまた、円弧角測定ソフトウェアモジュール852Eを実行して、ビームカバレッジエリアの第1の領域内の点からのGSO円弧と衛星300との間の円弧角を決定しやすくすることもできる。
 
【0081】
  例示的な実施形態によれば、ビームのカバレッジエリアの第1の領域は、衛星300から円錐を地球の上に投影して、たとえば、投影された円錐によって覆われる地球の表面部分が、ビームのピークアンテナ利得の所定のデシベル限界内のアンテナ利得がある衛星ビームのカバレッジエリアの部分を含むようにすることによって、決定することができる。いくつかの態様によれば、所定のデシベル限界は6dBとすることができる(他の適切な所定のデシベル限界も使用され得るが)。ビームのカバレッジエリアの第2の領域は、投影された円錐によって覆われる地球上の表面部分内にはない、ビームのカバレッジエリアの部分(たとえば第1の領域内にはない、ビームのカバレッジエリアの部分)に相当し得る。ビームのカバレッジエリアの第2の領域は、たとえば、第2の領域内のビームの信号の送信電力がITUのEPFD限界の超過を回避するのに十分に小さい(たとえば、GSO衛星通信に干渉するには小さすぎる)ので、GSO衛星通信への干渉の可能性については考慮に入れなくてもよい。ビームのカバレッジエリアの第1の領域内のビームの送信電力は、干渉を可能性のあるものにするそのピーク送信電力レベルに十分に近い場合があり、それによって、起こり得るビーム使用不能化を考慮に入れることが根拠のあるものになる。したがって、より詳細に以下で説明されるように、例示的な実施形態では、たとえば、最小円弧角決定が第1の領域内にある地球上の点に限定され得るように、NGSO衛星から(たとえば、
図6の1つまたは複数のNGSO衛星300A〜300Hから)送信されるビームのカバレッジエリアを第1と第2の領域に分割することができる。
 
【0082】
  図9Aは、地表に投影された円錐を用いてビームカバレッジエリア内の第1の領域および第2の領域の例示的な画定を描く
図900を示す。
図9Aに示されるように、NGSO衛星300は、距離すなわち高度903において地球630を周回する。衛星300から送信されるビーム910は、地表にカバレッジエリア912を有し得る。例示的な実施形態によれば、円錐920が地球630の表面に「投影」される。円錐920は、地球630の上に実際に(たとえば物理的に)伝送または投影され得るのではなく、ビーム910のアンテナ利得のシミュレーションを表し得ること(たとえば、地球上のビームのカバレッジエリアの中心からの距離の関数として)に留意されたい。投影された円錐920によって覆われる地球630の表面部分は、PFD等高線922として表され得る。円錐920は、PFD等高線922内のアンテナ利得がビーム910のピークアンテナ利得の所定のデシベル限界を超えないように「サイズ設定」され得る。いくつかの態様では、ビームカバレッジエリア912の第1の領域は、たとえば、
図9Aに描かれているようにPFD等高線922として画定され得る。カバレッジエリア912の第2の領域は、PFD等高線922の外側にある(たとえば、内側にない)ビームカバレッジエリア912の部分を含むものとして画定され得る。本明細書の議論の目的のために、第2の領域は、たとえば
図9Aに描かれているように、PFD境界区域914として表され得る。
 
【0083】
  より詳細に以下で論じられるように、NGSO衛星300は、最小円弧角が閾値角未満であるビームの方向を変えて(たとえば、ビームステアリング技法および/またはビーム成形技法を使用して)、その方向を変えられたビームと関連した、結果として得られるビームカバレッジエリアがGSO干渉基準を超えないようにすることができる。ビームの方向を変えることによって、ビームを使用不能にすることとは対照的に、そのビームは、既存のビームカバレッジエリアに部分的なカバレッジを提供し、最小円弧角基準を超過しない衛星の他のカバレッジエリアに追加のカバレッジを提供し、かつ/またはNGSO衛星配置610の他の衛星のカバレッジエリアに追加のカバレッジを提供することができる。加えて、または一代替形態として、NGSO衛星配置610内の1つまたは複数のNGSO衛星は、その1つまたは複数のビームの方向を、使用不能にされたビームのカバレッジエリア912の部分へと変えることができる(たとえば、それによって、別の方法では衛星300がビーム910を使用不能にするか、またはビーム910を他のカバレッジエリアに向ける故にカバーされないはずの、ビームカバレッジエリア912の少なくとも一部のカバレッジが得られる)。少なくともいくつかの実施形態では、NGSO衛星配置610内のNGSO衛星300および/または他のNGSO衛星は、ビーム形成技法を使用してビームのサイズ、形状、および/または向きを変えることができる。
 
【0084】
  方向を変えられたビームはまた検査して(たとえば、ビームカバレッジエリア912の第1の領域922、および第2の領域914に関して上述のプロセスを使用して)、その方向を変えられたビームのどれかがITUのEPFD限界を超過するかどうかを判定することもできる。
 
【0085】
  ビームカバレッジエリア912、PFD等高線922、およびPFD境界区域914は、
図9Aでは平たく、かつ大まかに円形として描かれているが、実際には、これらの領域は他の形状を有し得ることに留意されたい(たとえば、ビームカバレッジエリア912に対する衛星300の角度に応じてもっと楕円形であり得る、あるいはビームカバレッジエリア912内の標高変化により平たくないことがあり得る)。より具体的には、
図9Aに示された図は、ある特定の(たとえば、NGSO衛星300の静的な位置に対応する)瞬間におけるビームカバレッジエリア912を表す。NGSO衛星300がその軌道に沿って地球630のまわりを周回するにつれて、
図9Aに描かれたビームカバレッジエリア912は、地表を回る経路に沿って動く。すなわち、ビームカバレッジエリア912、PFD等高線922、およびPFD境界区域914は、円形または楕円形として
図9Aに描かれているが、実際には、ビームカバレッジエリア912、PFD等高線922、およびPFD境界区域914は、たとえば、NGSO衛星300の地球のまわりの軌道によって決まる、地表を回る経路によって表され得る。その結果、NGSO衛星300の軌道が考察される場合、PFD境界区域914は、より正確にはPFD等高線922の両側の縁部に隣接する2つの別々の境界区域として表され得る(たとえば、一方の境界区域がPFD等高線922の一方の側に位置しており、他方の境界区域がPFD等高線922の他方の側に位置している)。
 
【0086】
  たとえば、
図9Bは、地表に沿った例示的な経路に対して
図9Aのビームカバレッジエリア912、PFD等高線922、およびPFD境界区域914を描いている
図901を示す。
図9Bに描かれているように、PFD等高線922はビームカバレッジエリア912の中心部分を占めるのに対し、PFD境界区域914Aおよび914BはPFD等高線922の両側にある。
 
【0087】
  他の実施形態では、PFD等高線922は、PFD閾値よりも大きいPFD値を有する(地表の)すべての点を含む領域に対応し得る。NGSO衛星のビーム910のPFD関数は、(それだけには限らないが)ビームのアンテナ利得パターンおよび予想経路損失を含む諸要素に基づいて決定することができる。いくつかの態様では、PFD閾値は、NGOS衛星ビームで使用される周波数に対しITUによって制定されたEPFD限界と関連付けることができる。他の態様では、PFD閾値は、約-160dB/m
2の値に設定することができる。
 
【0088】
  より具体的には、NGSO衛星ビーム910は、ビームパターンの中心からの発散の角度θに依存する、関連するアンテナ利得関数G(θ)を有し得る。NGSO衛星ビーム910はまた、送信電力P、および送信周波数fも有し得る。NGSO衛星から距離dの地上の1つの点において、自由空間経路損失を含む例示的なPFDは、以下の式(1)を使用して決定することができ、ここでPの値は、基準帯域幅に対して正規化されたビームの送信電力とすることができる。
 
【0090】
したがって、ビームカバレッジエリア912の第1の領域は、その中にあるすべての点が、PFD閾値を超えるPFD値を有する領域として画定され、ビームカバレッジエリア912の第2の領域は、その中にあるすべての点が、PFD閾値を超えないPFD値を有する領域として画定され得る。式(1)などのPFD関数を使用して決定されると、PFD閾値未満のPFD値は、たとえば、ビームカバレッジエリア912の第2の領域内の点で受信される衛星ビームの信号の電力が、GSO衛星通信への干渉の可能性がないようにするのに十分に低いことを示し得るので、ビームカバレッジエリア912の第2の領域は、(たとえば、GSO衛星通信への)干渉の可能性について考慮に入れなくてもよい。対照的に、PFD閾値よりも大きいPFD値は、ビームカバレッジエリア912の第1の領域内の点で受信される衛星ビームの信号の電力が十分に大きいので、GSO衛星通信への干渉の可能性があり得ることを示し、それによって、起こり得るビーム使用不能化を考慮に入れることが根拠のあるものになる。
 
【0091】
  図10Aは、NGSO衛星300がビーム910を使用不能にすることになる可能性がないNGSO衛星300の例示的な位置および/または向きを描く
図1000を示す。
図10Aに示されるように、NGSO衛星300は、関連するビームカバレッジエリア912を地表に有するビーム910を送信する(図を簡単にするために地表は
図10Aに示されていない)。コントローラ850は、上記で論じたように、PFD閾値を超えるPFD値をその中にあるすべての点が有するPFD等高線922をビームカバレッジエリア912内に画定することができる(たとえば、
図9Aに関して上記で論じた円錐投影を使用して)。ビームカバレッジエリア912のPFD等高線922内の点ごとに、コントローラ850は、GSO円弧640とNGSO衛星300との間の最小円弧角(α)を決定することができる。
図10Aの例では、例示的な点がx軸、y軸およびz軸の原点にあり、例示的な角度(α)が、例示的な点から例示的な位置1004までGSO円弧640に沿って延びる第1の線1001と、その点からNGSO衛星300まで延びる第2の線1002との間の角度として描かれている。図を簡単にするために図示されていないが、例示的な点とGSO円弧640に沿った複数の位置との間の円弧角が決定され、最小値の円弧角が決定される。最小円弧角は次いで、閾値角と比較される(たとえば、例示的な点におけるPFD値がEPFD限界を超えているかどうかを判定するために)。
図10Aの簡略化した例では、例示的な点に対して描かれた最小円弧角(α)は閾値角よりも大きく、したがって、NGSO衛星300から送信されるビーム910は使用不能にされない。
 
【0092】
  図10Bは、NGSO衛星300がビーム910を使用不能にすることになる可能性があるNGSO衛星300の別の例示的な位置および/または向きを描く
図1050を示す。
図10Bに示されるように、NGSO衛星300は、関連するビームカバレッジエリア912を地表に有するビーム910を送信する(図を簡単にするために地表は
図10Bに示されていない)。コントローラ850は、上記で論じたように、その中のすべての点がPFD閾値を超えるPFD値を有するPFD等高線922を、(たとえば、
図8に関して上記で論じた円錐投影を使用して)画定することができる。
図10Bの例では、例示的な点がx軸、y軸およびz軸の原点にあり、例示的な円弧角度(α)が、例示的な点から例示的な位置1054までGSO円弧640に沿って延びる第1の線1001と、例示的な点からNGSO衛星300まで延びる第2の線1002との間の角度として描かれている。図を簡単にするために図示されていないが、例示的な点とGSO円弧640に沿った複数の位置との間の円弧角が決定され、最小値の円弧角が決定される。最小円弧角は次いで、閾値角と比較される(たとえば、例示的な点におけるPFD値がEPFD限界を超えているかどうかを判定するために)。
図10Bの簡略化した例では、描かれた最小円弧角(α)は閾値角よりも小さく、したがって、NGSO衛星300は、そのビーム910を使用不能にすることを考慮に入れ得る(たとえば、EPFD限界に適合するため、かつ/またはGSO衛星通信に干渉することを回避するために)。
 
【0093】
  上記のように、NGSO衛星配置610内の衛星のうちの1つがビーム910を使用不能にした場合、NGSO衛星配置610内の1つまたは複数の他の衛星が、そのビームのうちの1つまたは複数をビームカバレッジエリア912の部分に向ける(すなわち方向を変える)ことができる。たとえば、
図7Aを再び参照すると、第2のNGSO衛星300Bが、その対応するPFD等高線内の1つまたは複数の点が閾値角未満の円弧角を有するのでビーム612Bを使用不能にした場合(たとえば、
図10Bに関して上述したように)、第1のNGSO衛星300Aは、そのビームのうちの1つまたは複数を(図を簡単にするために、
図7Aにはビーム612Aだけが示されている)、第2のNGSO衛星300Bのビームカバレッジエリア613Bの部分に向けることができる。より具体的には、
図7Cの例示的な
図702を参照すると、第2のNGSO衛星300Bがそのビームを使用不能にした後、第1のNGSO衛星300Aは、そのビームのうちの1つまたは複数を(図を簡単にするために、
図7Cにはビーム612Aだけが示されている)、第2のNGSO衛星300Bのビームカバレッジエリア613Bの少なくとも部分713に向けることができる。これは、第2のNGSO衛星300Bによって提供されるはずであったビームカバレッジエリアのどれにも衛星サービスがないことになり得る従来の手法とは異なる。
 
【0094】
  第2のNGSO衛星300Bは、そのPFD等高線922(たとえば、第1の領域)、そのPFD境界区域914(たとえば、第2の領域)、および/またはそのビーム612Bの使用不能化に関する情報を第1のNGSO衛星300Aに任意の適切な方法で提供することができる。少なくとも1つの実施形態では、第2のNGSO衛星300Bは、この情報を第1のNGSO衛星300Aに1つまたは複数のゲートウェイ(たとえば、
図2のゲートウェイ200)を通して提供することができる。少なくとも別の実施形態では、第2のNGSO衛星300Bは、この情報を第1のNGSO衛星300Aに衛星間通信を使用して提供することができる。
 
【0095】
  いくつかの実施形態では、NGSO衛星300は、円弧角が閾値角未満である場合にビーム910を使用不能にするのではなく、たとえば、PFD等高線922内の点のどれかの円弧角が閾値角未満である期間、ビームの送信電力を低減させることができる。ビームの送信電力を低減させると、たとえば上記の式(1)から導出され得るように、PFDが低下する。ビーム910と関連したPFDを低下させると、PFD等高線922のサイズを低減させることができ、その結果として、EPFD限界を超えること、および/またはGSO衛星通信への干渉を引き起こすことの可能性が減少し得る。しかし、ビームの送信電力を低減させるとビームのカバレッジエリア912のサイズが減少し、その結果として、いくつかの場所では信号受信のための十分な電力を受信できないことがあるので、NGSO衛星ネットワークのカバレッジエリア内にギャップが生じ得る。したがって、いくつかの実施形態では、ビームの送信電力は、ビームカバレッジエリア912内の1つまたは複数の点についての最小円弧角がもはや閾値角未満になることがないようにPFD等高線922のサイズを減少させるのに十分なレベルまでしか、低減させることができない。このようにして、境界区域914は、たとえば、ビームカバレッジエリア912のより大きい部分がEPFD限界に適合するようにシフトすることができる。
 
【0096】
  図11は、NGSO衛星(たとえば、NGSO衛星300)のビームを選択的に使用不能にするための例示的な動作1100を表す実例となる流れ図である。例示的な動作1100は、
図8に表されたコントローラ850によって実行することができる。しかし、動作1100は、他の適切な衛星コントローラによって、および/または衛星300の他の適切な構成要素によって実行できることを理解されたい。たとえば、いくつかの態様では、例示的な動作1100はEPFD遵守回路252によって実行することができ、この回路は、上記で論じたように、対応するゲートウェイ(たとえば、
図2のゲートウェイ200)内で実施またはそれに結合すること、および/またはNCCもしくはSCC内で実施またはそれに結合することができる。
 
【0097】
  最初にビームが、そのビームがGSO衛星信号への干渉を潜在的に引き起こし得るかどうかを判定するために選択される(1102)。次いで、選択されたビームのビームカバレッジエリアが決定される(1103)。ビームカバレッジエリアは、たとえば、コントローラ850のビーム位置決定ソフトウェアモジュール852Aを実行することによって、かつ/またはビーム使用可能化・構成ソフトウェアモジュール852Cを実行することによって決定することができる。
 
【0098】
  次いで、円錐がビームカバレッジエリアの第1の領域に投影される(1104)。いくつかの実施形態では、第1の領域は、ビームのアンテナ利得がビームの最大アンテナ利得の閾値を超えない地表のエリアに相当し得る。他の実施形態では、第1の領域は、電力束密度(PFD)がPFD閾値レベルよりも大きい地表のエリアに相当し得る。次いで、ビームカバレッジエリアの第2の領域を、第1の領域の外側にあるビームカバレッジエリアの部分を含むように画定することができる(1105)。第1および第2の領域は、たとえば、コントローラ850の領域等高線決定ソフトウェアモジュール852Dを実行することによって決定することができる(たとえば、
図8に関して上述したように)。
 
【0099】
  ビームカバレッジエリアの第1の領域内にある点が選択される(1106)。次いで、選択された点から見たNGSO衛星とGSO円弧に沿った点との間の最小円弧角(α)が決定される(1107)。次いで、動作1100で、最小円弧角が閾値角未満であるかどうかを判定する(1108)。最小円弧角は、たとえば、コントローラ850のビーム位置決定ソフトウェアモジュール852Aを実行することによって、GSO円弧位置特定ソフトウェアモジュール852Bを実行することによって、かつ/または円弧角測定ソフトウェアモジュール852Eを実行することによって決定し、閾値角と比較することができる。
 
【0100】
  1108で調べたときに最小円弧角が閾値角よりも小さい場合、そのビームは使用不能にされ(1110)、別のビームが選択される(1102)。ビームは、たとえばビーム使用不能化・構成ソフトウェアモジュール852Cを実行することによって使用不能にすることができる。いくつかの実施形態では、ビームが使用不能にされた場合、1つまたは複数の他のNGSO衛星からの1つまたは複数のビームをビームカバレッジエリアの部分に向けることができる。これらの他のビームは、使用不能にされたビームと関連したビームカバレッジエリアの部分に向けられた後に、動作1100のために選択されて、これらの他のビームがEPFD限界を超過しないこと、かつ/またはGSO衛星通信に干渉しないことが保証され得る。他の実施形態では、最小円弧角が閾値角未満である場合に、ビームの電力レベルを低減させることができる(ビームを使用不能にするのではなく)。上述のように、少なくとも別の実施形態では、ビームは、許容された部分への送信を維持しながら、禁止された部分への送信を除去するように形状、サイズ、および/または向きを変えることができる(たとえば、ビーム形成技法を使用して)。別の実施形態では、NGSO衛星は、最小円弧角が閾値角未満であるビームの方向を、結果として得られるビームカバレッジがGSO干渉基準を超えないように(たとえば、ビームステアリング技法および/またはビーム成形技法を使用して)変えることができる(たとえば上述のように)。
 
【0101】
  逆に、1108で調べたときに最小円弧角が閾値角未満ではない場合には、ビームカバレッジエリアの第1の領域内のすべての点についての最小円弧角が決定され閾値角と比較されるまで(1109)、ビームカバレッジエリアの第1の領域内の別の点が選択される(1106)。その後、最小円弧角が第1の領域内のすべての点について閾値角よりも大きい場合には、ビームは使用不能にされない。
 
【0102】
  図12は、一連の相関機能モジュールとして表された例示的な衛星コントローラまたは装置1200を示す。NGSO衛星配置内の第1の衛星から送信された第1のビームのカバレッジエリアを決定するためのモジュール1201は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で論じられているプロセッサ(たとえば、プロセッサ851)に相当し得る。ビームカバレッジエリアの第1の領域に円錐を投影するためのモジュール1202は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で論じられているプロセッサ(たとえば、プロセッサ851)に相当し得る。第1の領域の外側にあるビームカバレッジエリアの部分を含むものとしてビームカバレッジエリアの第2の領域を画定するためのモジュール1203は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で論じられているプロセッサ(たとえば、プロセッサ851)に相当し得る。ビームカバレッジエリアの第1の領域内であるが第2の領域内ではない複数の点の各々について最小円弧角を決定するためのモジュール1204は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で論じられているプロセッサ(たとえば、プロセッサ851)に相当し得る。最小円弧角と閾値角との比較に少なくとも一部は基づいて第1のビームを選択的に使用不能にするためのモジュール1205は、少なくともいくつかの態様では、たとえば、本明細書で論じられているプロセッサ(たとえば、プロセッサ851)に相当し得る。
 
【0103】
  図12のモジュールの機能は、本明細書の教示と合致するようにして様々に実施することができる。いくつかの設計では、これらのモジュールの機能は、1つまたは複数の電気構成要素として実現することができる。いくつかの設計では、これらのブロックの機能は、1つまたは複数のプロセッサ構成要素を含む処理システムとして実現することができる。いくつかの設計では、これらのモジュールの機能は、たとえば、1つまたは複数の集積回路(たとえばASIC)の少なくとも一部分を使用して実現することができる。本明細書で論じられているように、集積回路は、プロセッサ、ソフトウェア、他の関連する構成要素、またはこれらのいくつかの組合せを含み得る。すなわち、異なるモジュールの機能は、たとえば、集積回路の異なるサブセットとして、ソフトウェアモジュールのセットの異なるサブセット、またはこれらの組合せとして実現することができる。また、(たとえば、集積回路の、および/またはソフトウェアモジュールのセットの)所与のサブセットは、複数のモジュールの機能の少なくとも一部分を提供し得ることも理解されたい。
 
【0104】
  加えて、
図12に表された構成要素および機能、ならびに本明細書に記載の他の構成要素および機能は、任意の適切な手段を使用して実現することもできる。そのような手段はまた、少なくとも一部は、本明細書で教示された対応する構造を使用して実現することもできる。たとえば、
図12の構成要素「のためのモジュール」とともに上述の構成要素はまた、同様に示された機能「のための手段」に相当し得る。したがって、いくつかの態様では、1つまたは複数のそのような手段は、1つまたは複数のプロセッサ構成要素、集積回路、または本明細書で教示された他の適切な構造を使用して実現することができる。
 
【0105】
  当業者には、情報および信号が様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表せ得ることを理解されよう。たとえば、上記全体を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界もしくは磁性粒子、光場もしくは光粒子、またはこれらの任意の組合せによって表すことができる。
 
【0106】
  さらに、当業者には、本明細書で諸態様に関連して記述された様々な実例となる論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子的ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実現できることも理解されよう。このハードウェアとソフトウェアの交換可能性を明確に説明するために、様々な実例となる構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、一般にその機能に関して上で説明されてきた。そのような機能がハードウェアとして実現されるか、それともソフトウェアとして実現されるかは、個々の用途、およびシステム全体に課される設計制約によって決まる。当業者には、説明された機能を個々の用途ごとに様々に実現することが可能であるが、そのような実現の決定が本開示の範囲から逸脱することになるとは解釈されるべきではない。
 
【0107】
  本明細書で開示された諸態様に関連して説明された方法、順序またはアルゴリズムは、ハードウェアとして、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールとして、またはこれら2つの組合せとして直接に具現化することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取外し可能ディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている他の形態の記憶媒体に常駐することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体との間で情報の読取りおよび書込みができるようにプロセッサに結合される。代替形態では、記憶媒体はプロセッサとの一体化が可能である。
 
【0108】
  したがって、本開示の一態様では、非静止衛星通信システムにおいて時間および周波数の同期をとるための方法を具現化する非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。「非一時的」という用語は、いかなる物理的記憶媒体またはメモリも除外せず、特に、ダイナミックメモリ(たとえば、従来のランダムアクセスメモリ(RAM))を除外しないが、その媒体を一時的な伝搬信号の意味にとることができるという解釈だけは除外される。
 
【0109】
  上記の開示は実例となる態様を示すが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、本明細書に様々な変更および修正を加えることができることに留意されたい。本明細書に記載の態様による方法請求項の機能、ステップまたは動作は、特にことわらない限り、何ら特定の順序で実行される必要がない。さらに、諸要素が単数形で記述または特許請求されることがあるが、単数形に限定することが明示されていない限り、複数形が企図されている。したがって、本開示は説明された例に限定されず、本明細書に記載の機能を実行するための任意の手段が本開示の諸態様に含まれる。